テスト勉強のため休止します。次回は10/2更新予定
備忘録(9/21)
●中国・ロシア・東欧
「すべての(東部)ドンバス地域の解放は特別軍事作戦の揺るぎない目的だ」と国民に呼びかけ「部分的な動員令に署名した」と語った。対象は有事の兵役義務がある国民すべてではなく、特別な軍事技術・経験などを持つ予備役になる見通しだ。ショイグ国防相によると約30万人を動員し、深刻な兵員不足を補う。部分動員令は、武器など軍需物資の生産拡大も定めている。
核兵器使用の可能性も示唆した。プーチン氏は「わが領土の一体性が脅威にさらされる場合」には「もちろん、われわれが保持するすべての手段を利用する」と述べた。「これははったりではない」とも付け加え、核の脅しを強めた。
独立系人権団体OVDインフォによると、モスクワ時間21日夜(日本時間22日未明)の時点で、国内38都市で1026人が治安当局によって拘束された。特にモスクワやサンクトペテルブルクなど大都市では、男女を問わず多数の若者が街頭での抗議行動に参加し、警官隊ともみ合う場面が見られた。
ロシアではウクライナへの軍事侵攻が始まった2月24日直後から3月にかけて、各地で抗議行動が続いた。その後は、治安当局の厳しい取り締まりや、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にした大規模集会の禁止措置などで抑え込まれていた。9月21日の部分動員令の発令で政権への不満が再び広がっているもようだ。
●中東
イランのライシ大統領は21日、国連総会で一般討論演説に臨んだ。核合意再建について「問題を解決する強い意志がある」と述べ、交渉に前向きな姿勢を示した。ただ、再建には米国が合意から再離脱しない保証が必要だとの認識も改めて示し、両国の溝が埋まらない状況も浮き彫りになった。
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
20年の国勢調査の年齢分布と比較して乖離(かいり)が目立ったのは未成年の人口だ。
流出データは「未成年の人口は年齢が低いほど少ない」という結果で、出生減の傾向が続いていたことを示した。一方、国勢調査によると17年生まれの3歳児より上の年齢では「年齢が低いほど多い」という傾向が見て取れる。
中国政府は13年に夫婦のどちらか一方が一人っ子なら第2子の出産を認める緩和策を発表し、16年には全面的に二人っ子を容認した。国勢調査では、全面解禁の翌17年生まれが1841万人いて、18歳で成人を迎えた02年生まれより3割多かった。7割弱少なかった流出データの分析とは対照的だ。
「中国の総人口は18年から減少に転じた」と主張する易氏は「流出データは従来の予測以上の速さで出生数が減少している可能性を示す」と語る。流出データのサンプルは総人口の0.02%程度で、中国にはなお無戸籍児童の問題もある。流出データの分析が完全に正確とは言い切れないが、誤った人口データに基づく政策立案がなされていたとすると、中長期的に混乱を招きかねない。
全米抵当貸付銀行協会(MBA)が21日発表したデータによれば、30年固定の平均金利は前週から0.25ポイント近く上がり、6月半ば以来の大幅上昇となった。インフレ退治を目指す米金融当局の取り組みに反応し、米国債利回りは上昇が続いている。
またMBAによれば、週間の住宅ローン申請を示す指数は前週比でプラスとなったものの、購入に関しては前年同期比では30%近いマイナス。ローンの借り換えも前年比で約83%減となっている。
マリア・フィオリニ・ラミレスの米国担当チーフエコノミスト、ジョシュア・シャピロ氏はリポートで、「こうしたデータの週ごとの変化は季節調整難の影響を受ける可能性があるが、とはいえ住宅購入申請で下向きのトレンドが続いていることは明白だ」と指摘した。
全米不動産業者協会(NAR)が発表した8月の中古住宅販売件数は、7カ月連続で減少した。住宅ローン金利上昇が物件の取得しやすさに影響を及ぼす状況が続いており、住宅市場への大きな打撃となっている。
7カ月連続の減少は、2007年に米住宅市場が崩壊して以降で最長。借り入れコスト急上昇と物件価格の高止まりで、多くの潜在的買い手が購入をためらう状況だ。需要軟化で住宅建設業界の景況感は弱まっているが、エコノミストの間では、需給が逼迫(ひっぱく)している状況が大半で続いている中、住宅価格の下落圧力は比較的小さいとの予想が多い。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表資料で「住宅在庫は向こう数カ月タイトなままで、今後数年もその状態が続く」と予想。「ここ数年の歴史的に低かった住宅ローン金利で支払いを固定していることから、一部の住宅所有者は買い替えに消極的だ。供給拡大のため、新築物件の建設を増やす必要性が高まっている」と指摘した。
8月の中古住宅販売在庫は前月比1.5%減の128万戸。販売に対する在庫比率は3.2カ月。1年前は2.6カ月だった。
販売件数は季節調整前の前年同月比ベースでは17.4%減少した。
中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比7.7%上昇し、38万9500ドル(約5610万円)。上昇率は20年6月以来の小ささだった。今年6月には過去最高の41万3800ドルを記録していたが、その後は前月比では2カ月連続で低下している。JPモルガンのダイモン氏は、インフレを抑えつつ景気後退を回避する「ソフトランディング(軟着陸)」シナリオについて「可能性としては大きくなく、実現の確率は小さい」と述べ、緩やかな景気後退や厳しい不況に陥る可能性を指摘した。ロシアのウクライナ侵攻で世界のエネルギー・食料供給に不確実性が生じているとして「政策当局者は最悪の事態に備えるべきだ」と主張した。
シティのジェーン・フレーザーCEOは「これからより厳しい局面がやってくる」と話した。米消費者は新型コロナウイルス下の政府支援策で「過剰貯蓄」状態とされる。ところがフレーザー氏は金利の上昇で信用力の低い人が苦しい立場に置かれると指摘したほか、家計の貯蓄率も低下すると述べた。
公聴会では共和党議員から仮に中国が台湾に侵攻した場合の対応を問う質問も出た。バンカメのブライアン・モイニハンCEOは「米国政府の指導に従う。政府が方針を変えたら我々も直ちに変える。(ウクライナに侵攻した)ロシアでの対応と同じだ」と語った。JPモルガンのダイモン氏ら他の経営トップも「米国政府の言うことに従う」と応じた。
政策金利を13.75%で据え置くと発表した。2021年3月から22年8月まで12会合続けてきた利上げを停止した。10月の大統領選で再選をめざすボルソナロ大統領による減税策で燃料価格が下落しており、インフレ率が鈍化したことを反映した。
中銀政策委員会は「金融政策の今後の措置は調整される可能性があり、予想通りディスインフレの過程が生じない場合は引き締めサイクル再開をちゅうちょしないことを強調する」との声明を発表した。
FOMC参加者によるインフレ予測はPCE物価指数で22年が5.4%、23年が2.8%となっており、参加者は引き続き上昇リスクがあるとみている。長期の期待物価上昇率は安定しているようだが、満足してはならず、高インフレが長引くほど期待物価上昇率も上がったまま定着する可能性がある。
我々は、高インフレが食料や住宅、交通などの必需品のコスト上昇に対応できない人々に大きな苦難を強いることを理解している。インフレを目標の2%に戻すため力を尽くしている。
「私のメッセージは(8月末の)『ジャクソンホール会議』以来変わっていない。インフレを2%に抑えることに尽力し、対応を続けるということだ。そのためには潜在成長率を下回る経済成長率と、労働市場の需給バランスの改善が必要だ。FOMC参加者の予測では22年と23年の経済成長率が長期予測を下回るとみている。一方で、労働市場の冷え込みを示す兆候はほとんどない。求人はいくぶん鈍化したが、退職者数は過去最高だ。利下げは、インフレが2%に戻ると確信できて初めて検討する」
――次の会合では0.75%の利上げをする理解でいいのか。
「SEPでの22年末の政策金利見通しを踏まえるとあと1.25%分の利上げが必要になるが、今回の会合で決めたわけではない。政策金利を引き締め水準に持っていくということだ」
――インフレ基調が強まっているようにみえる。なぜ今回1%の利上げをしなかったのか。
「全体のデータに基づいて決断する。一つの指標に過剰に反応しすぎてはいけない。トレンドでいえば22年のインフレは大きすぎる。それ以上のことを知る必要はない」
トラス政権は、市中銀行がイングランド銀に預け入れる預金の一部に対する利払いの撤廃を検討。政策金利を2.5%と想定した場合、利払い撤廃による年間の節減効果は100億ポンド(約1兆6300億円)を超える可能性がある。
ただライオンズ氏は、トラス氏やクワーテング氏がこうした状況を認識しているということが「実際に政策として成立させるという意味ではない」と述べた。
●市況
日経先物(大証)26822、ダウ先30170、債先148.31、米3.546、独1.8800、仏2.428、西3.040、伊4.114、波6.103、原油82.77、ドル円144.29、墨ペソ20.06、トルコリラ18.3515、墨CDS160
日経先物(大証)26822、ダウ先30170、債先148.31、米3.546、独1.8800、仏2.428、西3.040、伊4.114、波6.103、原油82.77、ドル円144.29、墨ペソ20.06、トルコリラ18.3515、墨CDS160
※9/22 9時20分頃
備忘録(9/20)
●中国・ロシア・東欧
2022年9月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は1年物が年3.65%だった。住宅ローン金利などの目安となる期間5年超の金利は年4.30%で、いずれも据え置いた。8月に今年3回目の利下げに踏み切り、金融緩和の効果を見極める姿勢だ。
中国の資金需要は企業部門と家計部門で明暗が分かれている。銀行が8月、企業などに貸し出した新規の中長期資金は前年同月比41%増加した。政府の景気対策などで設備投資が持ち直している。住宅ローンが大半を占める個人向け中長期資金の融資は38%減った。マンション市場の低迷が長引き、住宅購入意欲の戻りが鈍い。
サリバン氏は「ロシアはこのような偽の住民投票をもとに領土を併合するつもりだろう」と指摘。「米国はロシアがいかなるウクライナ領を併合したと主張しても決して認めない。ロシアの行動を明確に拒否し、同盟国などとロシアに代償を科し続ける」と強調した。
ロシアへの編入が決まれば人員が不足しているロシア軍への動員が容易になる。核兵器を含む大量破壊兵器を使用する根拠を示せるとの見方もある。ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は20日、編入すれば「全ての防衛力を使える」と説いた。
サリバン氏は「ロシアの苦境を映している。戦地でのウクライナの成功を踏まえると、より多くの人員が必要だからだ」と分析。「軍事的、外交的に挫折した国の行動であり、それがウクライナの勢いを強めている」と話した。
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は21、22両日に予定されている下院金融委員会の公聴会で、銀行資本要件の引き上げは「米国にとって害悪だ」と批判する見通しだ。
「すでに強化された最大手銀に対し規制上の資本要件を継続的に強化することは、実際のリスクを反映していない場合は特に、それ自体が重大な経済的リスクになりつつある」とダイモン氏は指摘。「これは米国にとって害悪だ。米国が厳しい経済情勢に突入しているというまさに悪いタイミングで規制対象の銀行の動きを縛り、資本の制約をもたらし、融資などの分野で成長を阻害する」と記した。
購入希望申告の応募を開始してわずか数時間で調達目標の94億ユーロ(約1兆3500億円)を満たす十分な投資家需要を獲得した。ブルームバーグが確認した仮条件で明らかになった。
20日朝に開始されたブックビルディングでは、仮条件の価格レンジである76.50-82.50ユーロ全体で、IPO規模の数倍に相当する応募があった。米マイクロソフトや米アマゾン・ドット・コムなど、クラウドサービスを手掛ける大手IT(情報技術)各社の投資拡大ペースが鈍っている。大手4社の2022年4~6月期の設備投資の伸び率は前年同期比で20%まで鈍化した。伸び率は20年4~6月期以来の低い水準となる。クラウドサービスの拡大に伴ってデータセンター投資を拡大してきたけん引役の大手ITで鈍化傾向が大きくなれば、関連需要も下振れしかねない。
米首都ワシントンの連邦地裁は19日、米司法省が訴えていた手続きの差し止め請求を棄却した。買収実現へ前進した形で、ユナイテッドヘルスとチェンジは一部資産の売却など経営統合に向けた合理化を進める。
●マクロ・その他
8月の生産者物価指数は前年同月比で45.8%上昇した。伸び率は1949年の統計開始以来で最高だった。エネルギーを除いたベースでも14.0%上昇した。前月と比べた伸び率も7.9%と最高を記録し、インフレが加速している。ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給不安で、エネルギーを中心に幅広い品目が値上がりしている。コストの上昇は企業収益を圧迫し、ドイツ経済の停滞リスクを高める。
品目別では、エネルギーが前年同月比で139%上昇した。特に天然ガスは3倍以上に跳ね上がり、電気代や石油製品も軒並み値上がりした。鉄鋼や肥料のほか、食料品が22.3%上昇と製品の川上から川下まで価格高騰が目立った。
8月は欧州天然ガスの指標価格になるオランダTTFが過去最高値を更新した。今秋からは光熱2費が一段と跳ね上がる恐れがある。コストの上昇は企業収益を圧迫し、販売価格への転嫁が進んでも消費者物価を押し上げるためドイツ経済に逆風となる。
政策金利を従来の0.75%から1.75%に引き上げると発表した。政策金利は2012年以来およそ10年ぶりの高水準になる。資産買い入れ策は年末までに終了する予定で、保有資産の縮小も順次進める。市場予想の0.75%利上げを上回った。公表した声明文では「インフレは高すぎで家計の購買力を押し下げている」として、今後6カ月にわたり追加利上げを続ける方針を示した。
リクスバンクが公表した経済見通しによると、政策金利は23年に2.5%まで引き上げられる予定だ。23年の成長率はマイナス0.7%と景気失速を想定しつつ、物価上昇率が2%を下回るのは24年までかかるとみる。声明文では「インフレが目標水準に確実に戻るよう金融政策を調整していく」と明記した。
スウェーデンでは8月の消費者物価の伸び率が前年同月比で9.0%と1991年以来の高水準に達した。中銀がめざす2%の物価安定目標を大きく上回っており、大幅利上げでインフレ抑制を急ぐ。リクスバンクは20年1月にマイナス金利政策を打ち切り、22年5月にはゼロ金利政策を解除した。
2024年の次期大統領選について「私の意思は再び出馬することだ。しかし、それは意思にすぎない」と述べた。「確固たる決断かと問われれば、まだわからない」と話し、出馬すると明言しなかった。
これまでバイデン氏は再選をめざして次期大統領選に出馬する意向を表明しているが、現在79歳という米国史上最高齢の大統領の年齢に対する懸念がくすぶる。
バイデン氏はCBSテレビで「私(の仕事ぶり)をみてほしい。それがすべてだ」と強調し、自信を示した。出馬するかどうか「決定を下すのは時期尚早だ。職務を果たし、23年に向けてどうすべきか判断するつもりだ」と語った。
8月の米住宅着工件数は、市場予想を上回る増加となった。一方、着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数は10%減の151万7000戸と2020年6月以来の低水準。
住宅ローン金利の上昇が需要に重しとなっている状況が浮き彫りとなった。一戸建て住宅の着工件数は3.4%増の年率換算93万5000戸。一戸建て住宅の着工件数がプラスとなるのは、年初以降ではこれでわずか2回目。一方、変動の大きい集合住宅の着工件数は28%増加し64万戸となった。
RCLCOリアル・エステート・コンサルティングのケリー・マンゴールド氏はリポートで、一戸建て住宅の着工件数の伸びが小幅だったことについて、「建設資材コストがなお高止まりしているほか、買い手が住宅ローン金利の上昇に反応しており、住宅建設業者は建設活動の水準を引き続き鈍化させている」と指摘した。
「SPACキング」、合併できず清算 2300億円返金へ SPACは通常、上場から2年以内に合併のメドが立たなければ、投資家に資金を返還することが義務付けられている。両社は10月14日が償還期限となっていた。
報告書は、同プログラムによる利回り低下で「政府の債券発行コストが押し下げられたほか、経済活動の改善で税収が増えた」と指摘。「最後に購入した債券が2033年に満期を迎えるまでは最終的なコストは分からない」とした。
報告書はさらに、債券購入が巨額のコストを伴うため非伝統的な金融政策の実施は「極端な状況に限る」ことが適切だとした。
カナダの水力発電で生成した電力をニューヨーク市に運ぶ送電網の敷設計画に向けた新たな資金調達で約60億ドル(約8600億円)を集める。
カナダのケベック州からニューヨーク市のクイーンズを結ぶ339マイル(約546キロメートル)に及ぶ送電網は、ハドソン川の川床などに敷設される。送電量は1250メガワットで、100万世帯余りに電力供給できる規模。
関係者によると、三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループ、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)、ソシエテ・ジェネラルが融資を提供する。詳細は部外秘だとして関係者は匿名を条件に話した。
同プロジェクトによってニューヨーク州で消費される電力の構成はがらりと変わる。ニューヨーク州当局者は石油やガス、原子力への依存を減らし、2040年までに電力部門を脱炭素化することを目標としている。ニューヨーク市では電力の約85%を化石燃料による発電に依存。ウェストチェスター郡のハドソン川東岸にあるインディアンポイント原子力発電所は昨年閉鎖された。
●市況
日経先物(大証)27235、ダウ先30803、債先148.14、米3.559、独1.9280、仏2.478、西3.073、伊4.153、波6.162、原油84.06、ドル円143.50、墨ペソ19.98、トルコリラ18.3121、墨CDS160
※9/21 9時15分頃
備忘録(9/16-19)
●中国・ロシア・東欧
中国国家統計局が16日発表した2022年8月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落したのは全体の71%にあたる50都市で、7月から10都市増えた。建設工事が止まったマンションで購入者が住宅ローンの返済を拒否する動きが相次ぎ、住宅市場が混乱している。新規購入を控える人も多く取引が低調だった。
前月比で上昇したのは19都市で、7月から11都市減った。横ばいは1都市だった。各都市平均の価格下落率は0.3%で、7月から拡大した。12カ月連続で前月を下回った。前年同月比では2.1%下落し、15年8月以来のマイナス幅となった。
都市の規模別で見ると、北京、上海、広州、深圳の「1級都市」のマンション価格は平均で前月を0.1%上回った。上昇幅は7月の0.3%から縮まった。省都クラスの「2級都市」は前月より0.2%低く、それ以下の「3級都市」も0.4%低下した。
取引価格が比較的自由で市場の需給を反映しやすい中古物件では、全体の8割に相当する56都市で価格が下落した。7月より5都市多かった。値上がりは13都市だった。価格変動を単純平均すると0.4%の下落で、13カ月連続で前月を下回った。前年同月比では3.3%下がった。
中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」で、新興国向け融資の焦げつきが増えてきた。米シンクタンクによると、金利を減免するなどした債権は2020~21年に計520億ドル(約7.4兆円)と18~19年の3倍を超した。中国は新規貸し出しに慎重になり、20年の貸出額は18年の約4割に急減した。各国のインフラや資源開発に向かった中国マネーに当時の勢いはない。
世界銀行エコノミストのセバスチャン・ホーン氏らは4月のリポートで「中国の対外融資のうち、債務危機にある借入国が占める比率は10年の5%から現在60%に高まった」と分析した。
中国の王毅(ワン・イー)外相は8月のアフリカ諸国との会合で、21年末までに満期が到来した無利子融資23件の元本返済を免除すると表明した。
野村総合研究所の木内登英氏は8月のリポートで「ナイジェリアやエジプト、トルコ、ガーナなどは外貨不足」と通貨危機に陥るリスクを指摘した。いずれも中国の融資先であり、問題債権が増加した可能性がある。
対外融資の元手となる中国の外貨準備は8月末で約3.1兆ドルもあり、一見すると潤沢だ。ただ、実情は途上国向け融資などすぐには動かせないお金が多く、今後も焦げつきが進めば外貨不足に陥りかねない。
政府系シンクタンクの中国社会科学院は4月、国ごとに投資のリスクを詳細に分析した書籍を出版。国有企業などに警戒をよびかけた。
中国は融資の蛇口を絞り始めた。世界銀行によると、中国による中低所得国向け新規融資額(各国借入額から推計)は20年が139億ドルと過去最高だった18年比で58%減った。20年末の融資残高も1704億ドルと19年比の伸び率はわずか2%と事実上の横ばいだった。
英調査会社ジェーンズは、中国による10億ドルを超える融資は22年1~7月は2件、21年通年は8件にとどまったと分析する。三井物産戦略研究所の鈴木雄介主任研究員は「中国は経済成長が鈍り、内需重視の経済運営に移行した。今後も融資額が大幅に増える可能性は低い」とみる。
今後の焦点は融資残高が233億ドルと最多のパキスタンの動向だ。中国はインドに対抗する地政学上の狙いもあってインフラ投資を拡大したが、通貨下落と経常収支悪化で、債務不履行の瀬戸際にある。主要7カ国(G7)は6月の声明で、中国を名指しし、債務問題を抱えている低所得国を支援するよう訴えた。
梶谷懐・神戸大学教授は米欧などが経済制裁を科したロシアを巡り、「中国からの融資が今後、不良債権となるリスクがある」と指摘する。「中国は低所得国への新規融資停止や債権回収で埋め合わせを図る可能性がある」との見方を示す。
金融市場が「次のスリランカ」を探すなか、中国が新興国の債務不履行ドミノの引き金を引く――。そんなシナリオも現実味を帯びてきた。
ロシアはウクライナ侵攻を非難する西側諸国からの経済制裁の影響を受けている。外部環境は厳しく、ロシア中銀は声明で「多くの企業が生産や物流での困難に直面している」と指摘した。消費は依然として低調だと分析した。
侵攻後に急上昇したインフレ率が徐々に下がっていることも金利引き下げの要因だ。ロシア中銀は2022年のインフレ率は11.0〜13.0%と予想。24年には目標とする4%に低下するとみている。
従来予想に比べれば企業活動などで改善の動きが出ているとも指摘した。22年の国内総生産(GDP)について、ロシア中銀は7月に上方修正した予想範囲(マイナス4~同6%)の上限に近づく可能性があるとした。
中国とロシアが主導する地域協力組織「上海協力機構(SCO)」は15~16日、ウズベキスタンのサマルカンドで首脳会議を開いた。16日には複数の大国や地域統合による「多極的世界秩序」の強化を盛り込んだ共同宣言を採択した。イランが正式に加盟し、10カ国体制に広がることが固まった。ただ緩やかな協力組織だけに、加盟国の協調には限界がある。
今回の首脳会議には加盟国とオブザーバー国(アフガニスタン、ベラルーシ、イラン、モンゴル)や対話パートナー国(アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、ネパール、トルコ、スリランカ)の一部など計14人の首脳が出席した。
将来の加盟を視野に入れた対話パートナー国として、新たにエジプトとサウジアラビア、カタールの参加が決まった。アラブ首長国連邦(UAE)とクウェート、ミャンマー、バーレーン、モルディブも対話パートナー国の資格を与える手続きが始まることになった。
●中東
複数の関係者によると、UAEの石油のほぼ全てを生産しているアブダビ国営石油会社(ADNOC)は、2025年までに原油生産能力を日量500万バレルとしたい考え。これまでの発表では、この水準への引き上げは30年を目標としていた。
新たな目標の達成は難しく、すでに数十億ドルかかる見通しのプロジェクト費用がさらに膨らむ可能性があると、関係者は語った。ADNOCとUAE政府は当初、27年への目標前倒しを計画したが、最終的に25年と決めたという。
UAEは化石燃料価格が高いうちに石油と天然ガスの販売を増やそうと取り組んでいる。ロシアのウクライナ侵攻後に原油価格はバレル120ドルにまで上昇し、現在は90ドル前後に落ち着いたが、それでもUAEの生産コストを依然として優に上回る。
ADNOCはブルームバーグに対し、「エネルギー移行に備え、弊社の事業が時代に取り残されないよう努める中で、価値を解き放ち、リターンを高める潜在的な機会を引き続き模索していく」と説明。30年の目標変更については触れなかった。
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
VWは18日遅く、ポルシェの企業価値について700億-750億ユーロを目指すとした。当初は最大850億ユーロを目標としていた。
欧州は今年に入り、エネルギー危機や金利上昇、記録的なインフレに見舞われ、IPO市場は閑散としてきたが、同社の計画にはコーナーストーン投資家が支持を寄せている。VWの発表によると、カタール投資庁とノルウェーの政府系ファンド、Tロウ・プライス、ADQが最大37億ユーロの優先株を取得する予定。
今回のIPOはポルシェのVWへの売却を10年以上前に余儀なくされた資産家のポルシェ、ピエヒ両家にとって、かつての影響力をかなり取り戻すことになる。持ち株会社ポルシェ・オートモービル・ホールディングを通じてVWの議決権株53%を保有する両家は、ポルシェの議決権付き普通株25%と1株を購入する。投資家は議決権のない優先株25%を取得できる。
同社は7-9月(第3四半期)の供給コストが見通しを10億ドル(約1430億円)上回っていると明らかにし、インフレ圧力が経済全体に波及しつつある兆しが示された。
フォードは通期の利益見通しを据え置いたものの、主要部品不足で未完成車両の在庫増加が続くことを示唆。同日の発表資料で、予想外に高いサプライチェーンのコストに見舞われていると説明した。
同社は、「利益率の高いトラックとスポーツタイプ多目的車(SUV)を中心」とする製造途中の車両数が9月末時点で4万-4万5000台近辺となると予想。ただ、年末までには完成・販売できるとの自信を示した。
7-9月期の調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は暫定ベースで14億-17億ドルの見込み。同期の最終的な決算は来月発表される。通期の調整後EBITについては、115億-125億ドルとの従来予想を堅持しているか。
●決算関連
●マクロ・その他
集中豪雨などによる大規模な水害の損失額が膨らんでいる。国土交通省がまとめた2021年の国内の水害被害額(暫定値)は3700億円で、5年間の平均で初めて1兆円を超えた。気候変動の影響で水害が起こるリスクが高まっている。国は危険な地域の居住を減らそうと集団移転などの対策に力を入れるが、取り組みは進んでいない。
米コーネル大のまとめによると、22年1月1日から9月16日までに271件のストが決行された。前年同期に実施されたストは150件だった。ストの規模も拡大しており、2000人以上が参加したストは6件から13件に倍増した。
業種別でみると、食品・サービス系が全体の約4割と最多だった。次いで、全米で人手不足が特に深刻とされる教職員が2割、医療従事者が1割を占めた。
鉄道会社と労働組合の暫定合意では14%の即時の賃上げに加えて、20~24年の5年間で24%の賃上げと年1000ドル(約14.3万円)の特別賞与の支給が盛り込まれた。米CNBCによると、交渉材料となっていた労働環境の改善については有給休暇を増やすという。
米航空機大手のボーイングは8月3日、戦闘機などを製造する中西部ミズーリ州セントルイスの工場の従業員と賃上げで合意し、ストを回避した。会社が生活費の補助とともに3年間で平均14%の賃上げなどを提案した。
ストが急増しているのは、インフレと深刻な労働力不足が長期化しているためだ。組合側は、物価の上昇に賃金の伸びが追いついていないうえに、人手不足で労働環境が悪化していると主張している。
米軍がクーデターを扇動することはあり得ないが、ブラジルでは軍事政権が1985年まで続いていた。ブラジル軍は政権に深く組み込まれており、投票システムに疑問を呈してきた。国内ではクーデターの可能性を巡る噂がかまびすしい。
クーデターまでは多分起こらないであろうが、何らかの反乱はありうる。ボルソナロ氏は日常的に暴力を扇動している(「機関銃で撃とう……労働党支持者を」といった発言をそれ以外に解釈することは難しい)。
22年1~6月だけで殺害された政治家の人数は45人を超えた。武装したボルソナロ氏の支持者は以前にもまして増えている。というのも同氏の就任以来、銃規制の抜け穴が広げられたせいで、民間が所持する銃の数は2倍に増え、200万丁にのぼる。
ブラジルの高等選挙裁判所がルラ氏の当選を発表すれば、武装したボルソナロ支持者が選挙裁判所を襲撃するかもしれない。問題は、秩序の維持を担う総勢約40万人の軍警察がどちらの側につくかだ。軍警察はむやみに銃を撃ちたがる傾向があるうえ、容疑者を殺害した隊員を擁護する法案を提案したボルソナロ氏に好意的だ。
番組の司会者から「米軍は台湾を守るのか」と問われ、バイデン氏は「はい(YES)、もし実際に前例のない攻撃があれば」と答えた。「(ロシアが侵攻しても派兵しなかった)ウクライナと違って、米軍は中国の侵攻があった場合に台湾を守るということか」と聞かれても「はい」と表明した。
CBSによると、ホワイトハウスの関係者はインタビュー後、バイデン氏の発言は米政府の公式見解でなく、台湾政策に変更はないと説明した。
バイデン氏は5月下旬の記者会見でも、中国が台湾に侵攻すれば台湾防衛のために軍事的に関与すると言明した。大統領就任後の2021年8月と同10月にも同じ趣旨の発言をして当局者が火消しに追われた経緯がある。
中国外務省の毛寧副報道局長は19日の記者会見で「台湾独立分裂勢力に誤ったシグナルを送ることになる」として「強烈な不満と断固とした反対」を表明した。すでに米国側に抗議の申し入れをした。毛氏は「いかなる国家を分裂させる行動も絶対に容認しない。あらゆる必要な措置をとる選択肢を用意している」と強調した。
米国は「中国本土と台湾は不可分」という中国の立場に異を唱えない一方、台湾の安全保障に関与する「一つの中国」政策を掲げる。
バイデン氏は18日放映のインタビューで「一つの中国政策があり、台湾は自らの独立について自身で判断する。我々は独立を促していない。台湾が決めることだ」と述べた。
1979年制定の台湾関係法では米国が台湾の自衛力維持を支援すると定め、武器売却を続けてきた。中国抑止とともに、台湾の一方的な独立も認めない現状維持が地域の安定に寄与するとの判断がある。
9月の住宅市場指数は、9カ月連続で低下した。住宅ローン金利の上昇が続く中、住宅市場の減速がさらに加速した。
根強い高インフレの抑制に努める米金融当局は今週の会合で再度の0.75ポイント利上げを実施すると見込まれている。住宅市場は金融引き締めに特に敏感で、住宅ローン金利は先週、2008年以来初めて6%を上回った。
一戸建て住宅販売の現況指数と見通し指数、および購買見込み客足指数はいずれも9月に下げて、2020年5月以来の低水準となった。
NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディエツ氏は「住宅のリセッションが収まる兆しは全く見られない。建築業者は高い建設コストと米金融当局の積極的な金融政策に引き続き直面している」と発表文で指摘した。
調査対象となった建設業者の半数余りが販売押し上げに向け、無料のアメニティーや値引きなどの奨励策を活用していると、ディエツ氏は述べた。
ブルームバーグのエコノミスト調査では、20、21日のFOMCでFF金利誘導目標が3会合連続で0.75ポイント引き上げられ、3-3.25%になるとの見通しが大勢を占めた。FOMC参加者による最新ドット・プロットは、誘導目標の上限が年末までに4%に到達後、来年さらに少し上げ、24年の一連の利下げで3.6%に戻る軌道を示唆すると見込まれる。
ルームバーグ・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、アナ・ウォン氏はFOMC参加者の最新経済・金利見通し(SEP)について、「ドット・プロットは23年のより高いターミナルレート(利上げの最終到達点)を描くことになろう。6月時点の3.8%に対し、4.2%前後になると考える。24年には3.8-4%前後に低下するが、3.4%としていた6月の想定ほど急ピッチに下げそうにない」と指摘した。
消費増税の影響を除くと1991年9月(2.8%)以来、30年11カ月ぶりの上昇率だった。5カ月連続で2%台となった。資源高や円安が、エネルギー関連や食料品の価格を押し上げた。
生鮮食品を含む総合指数の上昇率は3.0%で、91年11月以来、30年9カ月ぶりの水準となった。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は1.6%上昇した。
「ウクライナが陥落すればポーランドやチェコ、バルト3国がロシアの次の侵略先になるかもしれない」との危機感を示した。ウクライナ支援継続の重要性を強調すると同時に、追加制裁など対ロシアでの結束を訴えた。
9月の住宅市場指数は46となり、前月から3ポイント低下した。 9月の内訳は「現在の販売状況」が54で前月から3ポイント、「今後6カ月の販売見通し」は46と1ポイント、「客足」も31と1ポイントそれぞれ低下した。NAHBは住宅ローン金利や建築資材コスト、住宅価格の高騰を理由に挙げた。
同協会のチーフエコノミスト、ロバート・ディーツ氏は「住宅ローン金利が先週6%を超え、08年以来の高水準となった。住宅不況はおさまる気配がない」と指摘した。またこの調査に参加した業者の半数以上が、価格の引き下げなど販売促進のための措置を講じたという。
JPモルガン・チェースによれば、主要中銀による現四半期(7-9月)中の利上げ幅は1980年以来最大と予想されており、そこでストップするわけでもない。今週だけ見ても、米連邦公開市場委員会(FOMC)は3会合連続の0.75ポイント利上げを決める見込みで、1ポイントの利上げ見通しもある。イングランド銀行(英中銀)は0.5ポイント利上げが予想され、インドネシアやノルウェー、フィリピン、スウェーデン、スイスなどの中銀でも利上げが見込まれている。
当局者は、インフレ抑制のために利上げを進めるのに伴い、経済成長や雇用に打撃が及ぶリスクが一段と大きくなることを公に認めるようになっている。
欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、インフレ抑制に必要とされる生産減少を指す「犠牲比率」に言及し、イングランド銀は英経済が今年末までにリセッション入りし、24年まで続く可能性さえ予測している。
金融引き締めが痛みをもたらすことにほとんど疑問はないが、それがどれほど大きいかが問題だ。ブラックロックのアナリストは、米金融当局がインフレ率を2%の目標に戻すには深刻なリセッションと300万人の新たな失業が必要と推計し、ECBが物価目標を達成するにはさらに深刻な景気の落ち込みが求められるとしている。
日経先物(大証)27667、ダウ先31232、債先148.48、米3.485、独1.7960、仏2.342、西2.957、伊4.076、波6.115、原油85.69、ドル円143.03、墨ペソ19.91、トルコリラ18.2962、墨CDS160
※9/20 9時20分頃
備忘録(9/15)
●中国・ロシア・東欧
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
米ゴールドマン・サックスが主催した投資家向けの説明会で、チャペック氏は「アプリから別のアプリへと移動しなければならず、消費者にとって少し不便が生じている」と話した。Huluのコンテンツをディズニープラスに取り込めば「それを避けることができる」と言う。
「Huluをディズニープラスに統合するには、我々が完全な所有権を持つ必要がある」とも指摘した。Huluはテレビ局が共同で立ち上げた歴史があり、米CATV大手のコムキャストが株式の33%を保有している。ディズニーは2024年に買い取りを要求できる契約を結んでおり、24年が統合の焦点となる見通しだ。
欧州や日本では既に、ディズニープラスのなかに「スター」と呼ぶタブを設けて大人向けのドラマなどを見られるようにしている。チャペック氏は「ディズニーブランドの配信サービスのなかに、一般的な娯楽番組を含めても反発はなかった」と指摘し、Huluの統合が理にかなうことを示唆した。
一方で「消費者に選択肢を提供したい」とも話しており、最終的にどのような提供形態にするかは含みを持たせた。日本のHuluは14年以降、日本テレビ放送網のサービスとなっているため、今回の統合検討に伴う直接的な影響はない。
動画配信サービスをめぐっては、競争の激しい北米での飽和感が目立ってきている。ディズニープラスの6月末の北米の会員数は4450万人で、3カ月間で10万人の増加にとどまった。ネットフリックスの北米会員は同じ期間に130万人減少している。
アドビの15日発表によれば、買収は現金と株式50%ずつで行われる。ブルームバーグがまとめたデータによれば、株式非公開のソフトウエア企業の買収としては過去最大規模となる。アドビによるフィグマ買収については、ブルームバーグが先に報じていた。
新型コロナウイルス禍で在宅勤務の人が増える中、フィグマに対する需要は急増。近年はグーグルや民泊仲介のエアビーアンドビー、オフィス家具メーカのハーマン・ミラー、消費財のキンバリー・クラークといった大手企業のソフトウエア設計者のほか、ゲームや地図などを手掛ける個人にも顧客層を拡大した。
アドビはこの日、6-8月(第3四半期)決算も発表。売上高は13%増の443億ドル。調整後利益は1株当たり3.40ドルで、市場予想を上回った。
製品デザインなどの共同編集ソフトを手がける新興企業の米フィグマを200億ドル(約2兆8700億円)で買収すると発表した。デザイナー向けのサービスを拡充するのが狙いで、同社として過去最大の買収となる。買収は現金と株式交換を組み合わせ、2023年の手続き完了を見込む。
米調査会社のCBインサイツによれば直近の評価額は100億ドルで、新型コロナウイルス禍の20年4月にユニコーン企業となった。サブスクリプション(継続課金)型の事業を手掛ける企業が重視する年間経常収益(ARR)は22年度に4億ドルに達する見通しだ。
アドビは「フォトショップ」や「イラストレーター」といったデザインソフトの老舗だ。もともとパッケージソフトを扱っていたが、10年代初めにクラウドを利用したサブスクリプションサービスへの移行を進めた。アドビは画像や写真、フォントに関わる自社の技術を「フィグマのサービスにも組み込む」と説明している。
アドビは18年に、マーケティング活動の自動化ソフトを手掛けるマルケトを47億5000万ドルで買収した。フィグマの買収額はこれを上回り、アドビにとって過去最大となる。企業向けIT(情報技術)大手による有力新興企業の買収では、21年に米セールスフォースがスラック・テクノロジーズを277億ドルで取得している。
●決算関連
2023年5月期通期の業績予想の開示を撤回した。国内外で貨物需要が減少しているため、予測がたてられないと説明した。収益改善に向けたコスト削減策として、90カ所以上の事業所と本社施設の一部を閉鎖する。人員の採用活動を延期し、輸送機の減便や日曜営業の削減を進める。
6-8月期の調整後1株利益は暫定集計で3.44ドルと、アナリスト予想の平均(5.10ドル)を大幅に下回った。同社はアジアでマクロ経済面の悪化に直面しているほか、欧州のサービス提供でも問題を抱えている。暫定集計の売上高は232億ドル(約3兆3300億円)と、市場予想をわずかに下回った。
ラジ・サブラマニアム最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「6-8月期の後半に米国の内外でマクロ経済のトレンドが大幅に悪化し、世界的に取扱量が減少した」とした上で、「われわれはこれらの逆風に迅速に対処しているが、状況の変化のスピードを考慮すると、6-8月期はわれわれの予想を下回っている」と説明した。
同社は6-8月期について、需要と比べて高い営業経費が利益を圧迫したと説明。一部航空機の運航停止や勤務時間の短縮、90カ所余りのオフィス閉鎖を含むコスト削減で対応するとした。また9-11月(第2四半期)の事業環境が悪化するとの見通しを示した。
●マクロ・その他
15日発表した失業保険統計(季節調整済み)によると、9月4~10日の週間の新規失業保険申請件数は21万3000件だった。4000件下方修正された前週の改定値から5000件減った。5週連続の減少となった。
新規申請件数はダウ・ジョーンズ集計の市場予測(22万5000件)を下回った。4週間移動平均は1000件下方修正された前週の改定値から8000件減り、22万4000件となった。
8月28~9月3日の総受給者数は140万3000人と前週の改定値から2000人増えた。総受給者数は7月下旬から140万人台で推移している。
米ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ライアン・スウィート氏は市場予想を上回った新規申請件数について「労働市場の逼迫を映す」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)にとって強気の利上げを続ける判断材料となるだろう」と分析した。
米ホワイトハウスは15日、鉄道のストライキを回避する暫定的な合意に達したと発表した。ウォルシュ労働長官が労使の代表を集め、仲裁していた。旅客鉄道の運行やエネルギー輸送に支障が出る事態はひとまず回避される。
バイデン大統領は声明で「我々の経済とアメリカ国民にとって重要な勝利である」と指摘した。従業員の待遇を巡る労使交渉が難航し、16日にも30年ぶりの大規模ストに突入する可能性があった。鉄道のストライキはエネルギーや穀物など幅広い物資の供給に影響を与えかねず、天然ガス価格などを押し上げていた。
米小売売上高は8月、市場予想に反して増加した。7月分は下方修正されて減少となった。歴史的な高インフレの中で、モノに対する消費者の需要は広範囲に持ちこたえているが、鈍化の兆しも示唆される内容となった。
8月は13カテゴリーのうち、8つで増加。自動車ディーラーの伸びが特に目立った。家具店や健康用品店、無店舗小売りでは減少。ガソリンスタンドは燃料価格の下落を反映し、前月に続いて大幅減となった。
食品価格の上昇を映して、食料雑貨店は0.2%増加。この統計唯一のサービス分野である飲食店は1.1%増と、4月以来の大幅な伸び。7月は減少していた。
米労働省は15日朝の発表文で、「労働省で20時間続いた交渉の結果、鉄道会社と労組の交渉担当者は労働者と企業、国全体の経済の必要性を調和させる暫定的な合意に達した」と説明した。
暫定合意にはスケジューリングなど2つの主要労組が重視していた問題の条件が盛り込まれていない。このため他の労組は受け入れたものの、この2つの労組、トラック運転手組合(IBT)と国際板金・航空・鉄道・運輸労働者協会(SMART)の支部は抵抗している。政策金利を5.5%引き上げて75%にすると発表した。今年9回目の利上げとなる。通貨安による輸入物価上昇などで加速しているインフレを抑える狙いがある。
8月の消費者物価指数は前年同月比78.5%上昇した。7カ月連続で上昇幅が広がっており、年末には100%に近づくとの見方も出ている。燃料や食料品の価格が上昇している。
25日に迫るイタリア議会選で、排外主義を掲げる極右政党「イタリアの同胞(FDI)」が第1党となる勢いをみせている。与党入りすれば現実路線に転じるとの見方もあるものの、楽観はできそうにない。欧州は戦争、スタグフレーション(物価上昇と景気後退の併存)、イタリアの信用不安という「三重苦」に見舞われる恐れがある。
9月のNY連銀製造業景況指数はマイナス1.5-市場予想マイナス12.9
前月のマイナス31.3から大きく改善
新規受注の指数はプラス3.7(前月マイナス29.6)、出荷はプラス19.6にそれぞれ改善した。出荷指数の前月からの上昇幅は43.7ポイントと過去最大。雇用指数も小幅に伸び、採用が若干加速している状況が示された。
一方で仕入れ価格指数は39.6に下げ、これで3カ月連続での低下となった。投入価格の上昇ペースが引き続き顕著に減速していることが示唆された。また販売価格は2021年2月以来の水準に低下。これもインフレ圧力の緩和を示唆している。
●市況
日経先物(大証)27355、ダウ先30917、債先148.56、米3.439、独1.7510、仏2.297、西2.895、伊4.031、波6.091、原油85.06、ドル円143.26、墨ペソ20.08、トルコリラ18.2738、墨CDS160
日経先物(大証)27355、ダウ先30917、債先148.56、米3.439、独1.7510、仏2.297、西2.895、伊4.031、波6.091、原油85.06、ドル円143.26、墨ペソ20.08、トルコリラ18.2738、墨CDS160
※9/16 9時15分頃
備忘録(9/14)
●中国・ロシア・東欧
香港に上場する32行の22年1~6月期決算を集計した。6月末の不良債権比率は平均1.65%と21年末と変わらなかった。不動産業界に絞ると3.74%と21年末から0.76ポイント悪化した。
不動産関連の不良債権残高はデータを開示する29行のうち20行で増えた。不良債権比率が高いのは準大手の中国光大銀行(11%)のほか、地方を拠点とする晋商銀行(10.68%)や錦州銀行(10.37%)。開発業者の工事中断に抗議する住宅ローン返済拒否が頻発する河南省を地盤とする中原銀行は21年末の3%台から9.38%に大幅悪化した。
四大国有銀行の不良債権比率は平均1.39%と21年末(1.4%)に比べて低下した。一方、不動産業界に絞ると4.52%と21年末(3.77%)より悪化した。4行の不動産向け不良債権残高は1366億元(約2兆8000億円)と、半年前に比べて24%、1年前に比べて51%増えた。
中国農業銀行は関係する1112件の住宅プロジェクトに未完成のリスクがあり、12億3000万元の住宅ローンが延滞されていると明らかにした。ただし、全体に占める対象ローンの割合は0.02%程度で管理可能だと説明した。
格付け会社フィッチ・レーティングスは「大手銀は資産の劣化に耐えられるが、小規模な銀行は高リスクの貸し出しが多く、業績が大きく振れる可能性がある」と指摘する。
不動産市場の悪化はこれまで銀行の不良債権処理の受け皿になってきたAMCと呼ばれる資産管理会社の活動にも影を落とす。大手の中国華融資産管理は22年1~6月期の最終損益が赤字に転落。中国信達資産管理も純利益が33%減った。ともに保有資産のリスク評価を見直し、多額の減損損失を計上したのが主因だ。
AMCは銀行から不良債権を買い取り、再生して転売するのが基本。華融や信達が手掛ける案件の大半が不動産や建設業界に絡んでおり、市場悪化で再生が難しくなっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「資本の制約などでAMCの不動産業界への支援は限定的になる」とみる。
AMCの業績が悪化すれば、銀行の不良債権処理が滞る可能性がある。四大銀行の総資産は6月末時点で約133兆元と、日本の3メガバンクの3倍に上る。中国の金融システムが抱える潜在的なリスクは大きい。
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
孫社長は数十億ドルの資金を調達し、振り向け先の候補の一つとしてスタートアップに投資するファンドの設立を検討している。新ファンドの金額規模などに関しては現時点で明らかになっていないという。
ソフトバンクGの広報担当者のコメントは得られていない。ビジョン・ファンド3号の可能性については米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。
8月に開示した決算短信によると、ソフトバンクGは6月末時点で約6兆707億円(14日の為替レートで約425億ドル)の現金および現金同等物を保有していた。その後、筆頭株主として保有するアリババグループ・ホールディング株式の売却を発表したことから、関係者の1人は、現金および現金同等物は6月末時点よりも増えていると話した。
孫社長が3号ファンドの他にどのような選択肢を考えているかは不明だが、社内ではソフトバンクGの非公開化についても繰り返し話しているという。
3号ファンドの計画を進める上ではいくつかのハードルがある。一つはファンドのパフォーマンスだ。投資データを提供するプレキンによると、1号ファンドの今年3月までの内部収益率(IRR)は11%、2号ファンドは0%と業界平均の約38%、同45%をそれぞれ下回っている。
また、ソフトバンクGでは現在、これまで急拡大してきたビジョン・ファンドの大規模な人員削減に着手している。こうした動きは長期で信頼を構築し、資金運用を任せたい外部の投資家から信用を損なう行為と受け取られる可能性がある。
ブルームバーグは2日、ソフトバンクGがビジョン・ファンド事業で最大2割以上の人員削減を行う可能性があると報じた。孫社長は8月の決算説明会で「次に行うのはコスト削減」だとし、人員削減は「シニアやジュニア、フロントやバック」など「聖域なく、世界的に行うべき」と語っていた。
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
両者が買収のために結んだ契約には、ツイッターの事業に「重大な悪影響(MAE=Material Adverse Effect)」がないことを契約履行の条件とする「MAE条項」がある。マスク氏は、ツイッター側の情報の不正確さが、MAEに該当すると主張。一方でツイッター側は「買収契約に基づく義務をすべて履行している」としている。
ただ過去の裁判例では、MAE条項を理由とした買収撤回が認められたケースは非常に少ない。裁判ではマスク氏側が不利ではないかとの見方も多いが、ザトコ氏の内部告発が情勢に影響を及ぼす可能性も出てきた。
マスク氏側はザトコ氏が内部告発した経営陣による脆弱性の隠蔽疑惑などについて、ツイッターとの買収契約を終わらせる追加の法的な根拠になると主張している。10月に始まる審理では、ザトコ氏を証人として召喚することも求めている。
マスク氏とツイッター間の買収契約では、マスク氏側が買収交渉を終了させようとする場合には、10億ドルの違約金をツイッターに払う条件になっている。10月に予定されるツイッターとの裁判でマスク氏が敗訴しても、違約金を支払って買収を取りやめることはできそうだ。また裁判の過程でツイッターに都合の悪い情報が明らかになる可能性もある。判決まで至らず違約金を減額したうえで和解するなどの展開もあり得る。
低コストで発電する電力事業者の利益に上限を設けたり、化石燃料の生産者の利益の一部を一時的に徴収したりして1400億ユーロ(約20兆円)を確保し、家庭や企業支援に回す。ピーク時の節電を義務化することも提案した。
同日公表された法案によると、ガスより低コストで発電する再生可能エネルギーや原子力の事業者には、電力料金を1メガワット時あたり180ユーロに設定し、それを超えた分はEU加盟国が徴収する。
化石燃料の事業者には、過去3年の平均の利益の20%より高い部分について、加盟国が33%を連帯金として徴収する。電力会社と化石燃料事業者の負担を合わせ、財源は1400億ユーロ以上になるという。
電力料金が高くなるピークの時間帯に、従来より5%の電力消費量の削減を義務化するよう提案。全体として10%の節電をめざす。需要期の冬に備え、加盟国が実現のための具体策を検討する。
このほか、フォンデアライエン氏はロシアなど他国へのエネルギー依存の解消を急ぐため、ノルウェーや米国などからのガス調達を増やすとともに、再生可能エネルギーや次世代エネルギーを増やす考えも示した。水素の普及に向けて「欧州水素銀行」を立ち上げるとも表明。30億ユーロを投じて水素市場を整備する。
電気自動車のバッテリーなどに使われる重要鉱物の産業育成を進める新法を制定するとも明らかにした。
世界最大級の液化天然ガス(LNG)輸出国であるオーストラリアで国内のガス不足懸念が高まっていることを受けて、豪政府は10月1日までにLNGの輸出規制の検討手続きを始めるかを判断する。検討を開始した場合、11月初旬までに規制を発動するかを決定する。専門家の間では輸出規制の可能性は低いとの見方が多いが、懸念も残る。
11月8日投票の米中間選挙で、与党・民主党と野党・共和党の候補者を決める全米の予備選が終了した。上下両院選の共和候補のうち3割超はトランプ前大統領の推薦候補が占める見通しとなった。下院は共和が多数派を奪還する勢いを維持する一方、上院は民主の巻き返しで接戦になっている。
8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.9%上がった。伸び率は7月より0.2ポイント下がり、2021年9月以来11カ月ぶりに縮んだ。トラス政権が光熱費の上昇を事実上凍結する物価高対策を決めたことで、インフレ率は天井を打つ可能性も出ている。
上昇率はリフィニティブが集計した市場予想(10.2%)を下回った。7月は1982年以来40年ぶりに、2ケタに乗せていた。エネルギーや食品などを除くコア指数の上昇率は6.3%と、7月(6.2%)から小幅に拡大した。
ガソリンの値下がりが全体の伸び率の縮小につながった。内訳をみると、燃料価格の低下を反映して「輸送」が7月の14.8%から12.0%に縮んだ。一方で、「食品・非アルコール飲料」は13.1%と前月より0.5ポイント拡大した。
司法裁は声明で「欧州委の決定はほぼ支持する」と大筋で認め、制裁金は43億4000万ユーロ(約6200億円)から41億2500万ユーロ(約5900億円)とわずかに減額した。
欧州委は2018年、グーグルが基本ソフト(OS)「アンドロイド」を使う携帯端末に、自社の検索・閲覧ソフトの「抱き合わせ」搭載を求めるなど自社のサービスを不当に優遇したとして、制裁金を科した。グーグルはこの判断に不満を示し、EU司法裁に訴えていた。
グーグルはEUの最高裁にあたる欧州司法裁判所に上訴できる。
IEAによると、中国の今年の石油需要は日量42万バレル減少する見通し。前年比で2.7%減となり、中国の石油需要が年間で減少すれば1%減を記録した1990年以来。同年はIEAが統計を開始した1984年以降で唯一の減少だった。
中国は「ゼロコロナ」政策の一部として2100万人の人口を抱える成都などでロックダウンを再導入した。一方で住宅価格は11カ月連続で下落し、政府の支援策にもかかわらず下げ止まっていない。
8月のPPIによれば、財の価格は1.2%低下。ガソリンの値下がりが続いたことが背景にある。食品は前月から変わらず。食品とエネルギーを除いたベースでは、財のコストを示す指数は前月に続き0.2%上昇した。
サービス価格は0.4%上昇と、3カ月ぶりの大幅な伸びだった。伸び全体の40%は、燃料の小売りマージン拡大が原因。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「需要減速やサプライチェーンのパフォーマンス改善、ドル高という状況の中で財のインフレは鈍化が続くだろう」としつつ、「ただ多くの人手を要するサービス業界で特に、生産者には強い賃金上昇圧力がかかっている。今回のPPI統計は、特にサービス業界で賃金物価スパイラルが起きるとの懸念を強める内容だ。金融当局は2023年上期の終わりまで利上げを継続する可能性が高い」と分析した。
ただ、鉄道業界で労働者によるストライキが週内に始まる可能性があり、サプライチェーンが再び混乱する恐れが出ている。鉄道ストが実施された場合、食品や木材、石炭などさまざまなモノの輸送に支障が生じる。
貿易収支は2兆8173億円の赤字だった。2014年1月を上回り過去最大の赤字となった。
Tiktokは米国でも若者に人気だが、差別や格差を助長しかねない意見が広がっており、米社会全体への悪影響が懸念されている。
米国で30年ぶりとなる鉄道貨物の大規模なストが迫り、バイデン政権が仲裁に乗り出した。労使が合意できなければ16日から鉄道貨物の運行がストップする見込み。エネルギー製品や飲料水といった生活必需品の貨物にも波及し、供給網が寸断される見通しだ。
すでに一部で影響が出始めた。全米鉄道旅客公社(アムトラック)はストに備えて15日から長距離路線をすべて運休すると決めた。ストになれば車両が目的地に到着できないためという。旅客用も貨物用の線路を一部で走行するために影響を受ける。
米紙ワシントン・ポストによると、ストが発生すれば1992年以来。前回は影響が甚大だったため、議会が介入して3日間で終了した。今回も議会が介入する可能性がある。
米メディアによると、ストになれば全米の貨物の約3割の動きが止まる。食料や石油製品、医薬品といった生活必需品も含まれるだけに、バイデン政権は高速道路や海運、河川で物資の輸送を代替できるか検討している。1日あたり20億ドル(約2800億円)の経済的な損失が発生するとの試算もある。
供給寸断がインフレに拍車をかける可能性もある。石炭火力発電所の6~7割は鉄道で燃料を搬入しており、ストになれば代わりにガス火力発電の需要が高まるとみて14日には米国の天然ガス価格が急騰した。商品を港湾から搬送するのに鉄道貨物を利用する小売業界にとってもコスト高要因となる。
9日に終わる週の30年固定の住宅ローン金利(週平均)は6.01%と前週比で0.07ポイント上昇した。6%台を記録するのは2008年以来だ。金利上昇に伴い、住宅ローン申請件数を示す総合指数(季節調整済み)も前週から1.2%下がり、1999年以来の低水準となった。
超高速取引業者(HFT)やヘッジファンドの取引を中央清算機関経由で決済するよう促す。相場急変動時に債務不履行(デフォルト)が連鎖する事態を防ぐ。2020年3月、新型コロナウイルスの拡大期に米国債市場の流動性が著しく低下し、当局の危機感が強まっていた。
利回りが急変動した2014年の「フラッシュラリー」や、19年に起きたレポ市場の混乱で脆弱性を露呈した。20年のコロナ拡大初期にみられた流動性の急低下を受けて、米当局者の危機感は強まり、規制・監督強化に乗り出した。
IIFは四半期ごとに世界の国々の家計や企業、金融機関、政府が抱える債務を集計・分析した報告書「グローバル債務モニター」を公表している。4~6月期の世界全体の債務残高は300兆ドル(約4.3京円)と5.5兆ドル(2%)ほど減った。前の四半期を下回るのは3年9カ月ぶりで、先進国、新興国ともに減少した。ドル高の進行で現地通貨建て債務のドル換算でみた残高が目減りしたほか、金融市場の混乱で債券発行が急減した影響も出たという。
一方、世界の債務残高のGDP比は約350%と1年3カ月ぶりに拡大に転じた。先進国の同比率は400%以上と高水準ながらも縮小を続けており、新興国の同比率の拡大が目立つ。IIFは「新興国経済の急減速が大きく影響した」と指摘した。景気低迷で企業収益や家計所得、政府の税収が増えにくくなり、債務の返済能力が落ちている。
報告書では、インフレの加速やドル高・各国通貨安などの影響で「新興国の脆弱性は高まっている」と強調した。信用力の低下に伴い、金融市場で資金調達できる国が絞られ始めており、スリランカやガーナのように国際通貨基金(IMF)に支援を求める国も出てきたと指摘した。
世界的な食品価格の高騰も「多くの途上国に成長と金融安定の面で重大なリスクをもたらす」とした。現在は35の途上国が深刻な食料危機に直面しているとの外部の分析結果を示し、このうち16カ国は債務の返済が困難な状態か、そのリスクが高いとみる。こうした低所得国はドル建て債務も多く抱えるが、為替変動への対応力を欠くため、現地通貨建ての金融支援の拡充が有効と指摘した。
第2党になった極右のスウェーデン民主党を含めた連立政権が誕生するかどうかが注目される。
第3党になった穏健党(中道右派)のクリステルソン党首は、スウェーデン民主党を含む右派政党と新政府樹立に向けた協議を始めると表明した。第2党の民主党のほうが議席数は多いが、右派勢力にも同党への警戒感が強いため、穏健党が協議の中心になる見通しだ。
1988年に創設されたスウェーデン民主党はかつてはEU離脱や人種差別的な過激な主張で他党から距離を置かれていたが、オーケソン党首が穏健路線にシフト。国内での犯罪増などを受けて、反移民などを訴えて支持を拡大した。
ただ右派と左派の差はわずかで、連立交渉が不調に終われば、再び第1党の社民党が少数政権をつくる可能性は残っている。
バンガードのポートフォリオマネジャー、ジョン・マディザイア氏は「イールドカーブが一段とフラット化しており、インフレのデータを受けてハードランディングのシナリオになるリスクが高まっている」と指摘した。
16日の期限までに労使の合意がまとまらない場合、約12万5000人の労働者がストに突入する可能性がある。ストとなれば、米経済に1日当たり20億ドル(約2860億円)余りのコストが生じる可能性がある。
●市況
※9/15 9時25分頃
備忘録(9/13)
●中国・ロシア・東欧
恒大によると、購入者へ引き渡すべきプロジェクトは中国で706件あり、そのうち工事が停止しているものが38件。工事を再開していてもまだ「正常な施工過程に回復中」の案件があるという。許氏は30日までに正常に再開するよう指示した。
中国政府は最近、住宅市場の混乱を解消するため、工事が遅れたり停止したりしている物件への金融支援方針を打ち出すなどの対応を進めている。地方政府も不動産会社へ工事の再開と物件引き渡しを促している。
工事再開へ意欲を見せる恒大だが、経営の立て直しはなお不透明だ。7月末に暫定案をまとめるとしていた外貨建て債務の再編計画の公表は先送りしており、グループ会社の預金の不適切な流用に関わったとして複数の幹部を事実上更迭するなど企業統治面での問題も明るみとなっている。
中国当局は大手銀行や国有企業に対し、財務不安が広がっている民間複合企業の復星への貸し付けや株式保有など金融エクスポージャーを調べるよう求めた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、銀行保険監督管理委員会(銀保監会)や北京市の国有資産監督管理委員会(国資委)など複数の規制当局は、監督対象の企業や機関に対して復星へのエクスポージャーを詳しく調査するよう最近要求した。
復星の担当者はブルームバーグに宛てた文書で、今回の要請に関して当局から通知はなかったと表明。また、北京市国資委へのその後の問い合わせでこの作業は通常の検査の一環であり、以前には他社にも行われていたことが判明したと担当者は述べた。復星の業務は引き続き健全で、さまざまな挑戦にもなお強靱(きょうじん)だとも説明した。
ブルームバーグがまとめた価格によると、グループ基幹企業の復星国際が保証したドル建て債は6月以来の大幅な下げとなる方向。同社の香港上場株は4.1%安で取引を終了、2013年以来の安値近辺にとどまっている。
規制当局による今回の要求が必ずしも具体的な措置につながるわけではないが、復星の財務を巡る投資家の懸念をあらためて浮き彫りにした。復星は債務返済に向け資産の処分を始めていると、関係者の1人は明らかにした。復星国際の上期報告書によると、6月30日時点で同社の現金保有は1177億元(約2兆4000億円)、一方で負債総額は6510億元に上り、そのうち40%が有利子負債だった。
国営石油会社ロスネフチは13日、100億元(約2100億円)の社債の公募を実施した。ロシアメディアが同日伝えた。
7月にはアルミ大手、ルサールがロシア企業として国内で初めて、元建て社債を発行していた。ルサールの社債は発行価額がそれぞれ20億元の2本で、償還期間は5年間。応募は募集を上回ったという。同社の資金調達担当者は「ロシアの銀行や投資家は、人民元への移行が従来の外貨建て投資の代替手段になると考えている」とコメントした。
ロシアはウクライナ侵攻前から中国との貿易を拡大させてきた。ロシア税関庁によると、ロシアの貿易額に占める対中国の割合は2012年に10%だったが、21年には18%に高まった。ロシア国内に積み上がった人民元の運用先として社債は投資家の注目を集めている。需要が多ければロシア企業は比較的有利な条件で資金が調達できる。
ウクライナ侵攻から半年余りがすぎ、米欧の制裁を受けたロシアの貿易は米ドルやユーロによる決済が縮小している。一方、中国との間で元建て決済が広がっている。
元建て決済が目立つのはエネルギー分野だ。ロシア国営ガスプロムは9月上旬、中国へ輸出する天然ガスの決済について元建てとルーブル建てでの決済に移行すると決めた。従来はドル建てだったとみられる。
ロシアの「米ドル離れ」は侵攻前から目立っていた。ロシア中央銀行によると、中国からの輸入でドル決済の比率は13年に9割を超えていたが、21年には6割弱に低下した。一方、ユーロやルーブルを除き、元を含む「その他通貨」の割合は13年の2%強から21年には27%に上がった。
ロシア政府も元建てでの資金調達に取り組む構えだ。ロシア紙ベドモスチは8月、ロシア財務省が元建て国債の発行を検討していると伝えた。国内だけでなく中国の投資家にも売り込む狙いがあるという。
●中東
ブリンケン氏はイランが協議とは直接関係しない要求を続けていると不満を示し「合意に必要なことをする意欲も能力もないように見える」と失望感をあらわにした。
核合意当事国の英国、フランス、ドイツも10日、イランの合意再建意欲に「重大な疑念が生じている」との共同声明を発表。EUが妥結案を提示した後も要求を重ねるイランを非難した。
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
バイデン米大統領は12日、東部ボストンで演説し、がん克服を「国家的目標」と位置付けた。「がんに関しては民主党も共和党もない。一緒に打ち勝つことができる」と述べ、国民の融和を訴えた。政権は2月、がんによる死亡率を今後25年で半減させる目標を掲げた。
バイデン氏は「がんを死に至る病から共生できる疾患に変える」と強調。研究加速へ設置した医療高等研究計画局(ARPA-H)の初代局長にルネ・ウェガージン氏を充てる考えを示した。国防総省で生物学の研究を率いた経験を評価した。
電力や石油・ガスなど温暖化ガス排出量の多い融資先9業種ごとの脱炭素計画を公表した。DBSは2050年までに投融資先の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、細分化した計画を作成することで目標実現を確実にする狙いだ。
9業種は電力、石油・ガス、自動車、鉄鋼、航空、不動産、海運、食品・農業、化学で、DBSの融資先の温暖化ガス排出量の大半がこれら9業種からだという。例えば、石油・ガス業界向けの計画では30年の排出量を20年に比べ28%減、50年には92%減にする。電力や自動車業界では30年に排出効率を20年比でそれぞれ47%、57%改善するほか、取り組みが遅れる食品・農業、化学業界は排出量を開示する大企業の割合を30年に3分の2以上に増やすことを目標とした。
●その他産業
西武HDは観光事業の比重が大きい。2022年4~6月期の営業収益のうち、ホテル・レジャー事業は4割を占めている。楽天証券の窪田真之チーフストラテジストは「今後、ホテル・レジャー需要の回復が見込まれることが好材料になった」と指摘する。
西武HDは保有資産の圧縮を進めている。ホテルやスキー場など31施設を売却することで、2023年3月期に譲渡益を計上する見込みだ。アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「事業や財務の再構築が収益向上を加速させる」とみている。予想PER(株価収益率)は5倍台にとどまる。インバウンド回復の効果が業績面で示されれば、もう一段の株高もありそうだ。
投資銀行業務の7-9月(第3四半期)手数料収入が前年同期比で半減となる可能性がある。インフレを巡る不透明性や米当局の利上げ、リセッション(景気後退)の可能性がある中で顧客が取引を手控えた。前年同期はM&A助言手数料が過去最高に上ったことに後押しされて33億ドルを稼ぎ出していた。
ツイッター側の見解では、株主投票による承認はマスク氏による買収実行の要件をすべて満たすことになる。一方のマスク氏はツイッターにさらなる情報開示を求め、異論を唱えている。
インタビューで、「ドル調達は3メガの命綱とも言えるほど重要になってきている」と指摘。その上で、量やコストだけでなく、「ビジネスモデルの観点からも、しっかりと対話、モニタリングしていく必要がある」と述べた。
邦銀と米銀行のドル資金調達について屋敷氏は、超低金利の環境では大差はなかったものの、米金利上昇により「本源的なドルの調達手段である預金を持っていない邦銀は明らかに不利」な状態にあるとの認識を示した。また、為替市場での円安進行は「ドル需要が強い表れで、調達する際に競合が激しくなる」とも指摘した。
金融庁は、邦銀メガの海外での非投資適格企業向け融資の動向にも目を光らせている。もともと信用力の低い非投資適格企業は、金利上昇時にショックを受けやすい。屋敷氏はこうした企業は「脆弱(ぜいじゃく)であることは間違いなく、注視していく」との考えを示した。
急激な米金利上昇で含み損が発生している有価証券については、必ずしも早期の損失処理が必要と考えているわけではなく、「環境によっては先送りした方がいい場合もある」と話した。その上で、「含み損が自分たちのリスク管理能力や、経営体力の範囲内にあるか、行内で経営陣も含めて議論しているかを重点的に対話、モニタリングする」との方針を示した。
●決算関連
2021年11月~22年7月期の連結決算は、最終損益が332億円の赤字(前年同期は336億円の赤字)だった。今期から新会計基準を適用したが、旧基準では過去最大の337億円の赤字になる。通期ではテーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)売却に伴う特別利益で最終損益が黒字の公算が大きい。本業の旅行事業の回復は見通せず、通期予想は示せなかった。
今回の決算発表で22年10月期通期の業績予想は示さなかった。ハウステンボスの運営会社を9月末に売却し、HIS単体の業績として646億円の特別利益を計上する予定だ。ただ新型コロナウイルス禍の旅行事業への影響を合理的に算定するのが困難としている。
同社は4月末時点で銀行団から345億円のシンジケートローン(協調融資)を受けている。協調融資の財務制限条項には2期連続の経常赤字にならず、純資産が前期比75%(481億円)以上の水準維持という2条件がある。純資産は7月末時点で441億円。ハウステンボス売却で純資産の毀損が避けられれば制限条項への抵触も回避できる公算が大きい。
ただ経常黒字化については道筋が見えない。主力の旅行事業では海外旅行は円安などの逆風が吹く。5~7月の海外旅行取扱高は19年5~7月の1割の水準で、回復が遅れている。
1年以内に返済を予定する長期借入金は7月末で319億円。1000億円以上の手元資金などもあり早期に資金繰りが行き詰まることはない。だが本業低迷が続けば、ハウステンボスの売却による財務の改善効果は水泡に帰すことになる。
●マクロ・その他
終値は前日比1276ドル(3.9%)安の3万1104ドルだった。1日の下げ幅としては2020年6月以来2年3カ月ぶりの大きさを記録した。同日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ継続や景気悪化への懸念からリスク回避の株売りが膨らんだ。
米債券市場では政策金利の動きに敏感な2年物国債利回りが一時、前日から0.2%ほど上昇(価格は下落)し、3.7%台後半と約15年ぶりの高水準をつけた。長期金利の指標になる10年物国債利回りは一時3.4%台半ばと3カ月ぶりの高さになった。米金利上昇でドルが買われ、対ドルの円相場は1ドル=144円台後半まで円安・ドル高が進む場面があった。
ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は5.2%安、機関投資家が参照するS&P500種株価指数は4.3%安と、いずれも2年3カ月ぶりの下落率の大きさになった。インテルやアップルなど主力ハイテク株の下げが目立ち、メタ(旧フェイスブック)やエヌビディアの下落率は9%超に達した。
石油輸出国機構(OPEC)は13日公表した月報で、2022年と23年の世界の石油需要見通しを据え置いた。22年は前年比日量310万バレル増(3.2%増)の1億3万バレル、23年は同270万バレル増(2.7%増)の1億273万バレルとした。
月報は23年の需要について「主な消費国の堅調な経済や新型コロナウイルス関連の制限緩和、地政学的な不確実性の後退が下支えする」との見通しを示した。OPEC非加盟のロシアなどを加えた「OPECプラス」は需要回復を受け21年から段階的に増産してきたが今月5日、10月は小幅ながら減産に転じると決めていた。
8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.3%上昇した。ガソリン価格の上昇が一服し伸び率は2カ月連続で縮んだが、市場の予測を上回った。エネルギーと食品を除く指数の上昇率は6.3%で、前月から拡大した。賃上げの広がりを受けてサービス価格が上がっている。
総合指数の市場予想は8.0%の上昇だった。伸び率は6月に9.1%と約40年半ぶりの水準に達した後、7月は8.5%と縮小に転じていた。エネルギーと食品を除く指数の上昇率は市場予想が6.0%だった。
高い物価上昇率が続くのは、サービス価格に上昇圧力がかかっているためだ。サービスは大部分を家賃を中心とする住居費が占める。8月の上昇率は6.2%で約32年ぶりの高水準だった。
賃貸契約者の多くは自分の給与で払える家賃から判断して物件を決める。このため、家賃は賃上げの影響を強く受ける。人手不足を背景に、アトランタ連銀の「賃金伸び率トラッカー」は8月も伸び率が前年比6.7%と1997年の統計開始以来の最高を記録した。「労働市場の逼迫が大幅な解消に向かうまで、賃金上昇が大きく緩むことはない」(FRBのウォラー理事)との指摘がある。
一方で6月に1ガロン(約4リットル)5ドルを突破した全米平均のガソリン価格は9月12日時点で3.7ドルまで下がった。
ニューヨーク連銀が発表した8月の消費者調査は、ガソリンの値下がりを受けて1年先、3年先の予想物価上昇率でともに鈍化傾向が続いた。人々の値上がり予想がインフレを一段と加速させる懸念は薄れ、市場の関心は今後どのようなペースで落ち着くのかに移っている。
英連邦には旧植民地を中心に56カ国が加盟する。その歴史はエリザベス女王の治世とほぼ重なる。女王は連邦のトップとして、加盟国との関係構築に腐心してきた。英国の国力低下で連邦の結束は揺らいでいたが、「英連邦の母」と呼ばれた女王の死去はその傾向に拍車をかけかねない。
加盟国の多くはアフリカや中南米にある。ロシアや中国の進出が目立つ地域だ。
チャールズ国王は女王の死で生じた巨大な「空白」を埋められるのか。シドニー大のシンディ・マクリーリ上級講師は「国王は環境保護や人権、民主主義を擁護している」と述べ、英連邦のトップを務める素地を備えていると解説する。
南米コロンビアの新政権は、鉱物を採掘する権利である「鉱業権」の認可プロセスの大幅刷新の一環として、探査活動段階での環境認可を義務付けることを目指す。
スサナ・ムハマド環境相はフィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に対し、「特に大規模な事業については、探査の認可を規制する計画だ」と語った。さらに、探査が先住民の土地で行われる場合には、事前の協議が必須になるとも話している。
マルコ・コラノビッチ、ニコラオス・パニギリツオグル両氏を含むチームは12日のリポートで、インフレおよび賃金圧力の緩和を示す最近のデータのほか、成長回復と消費者信頼感の安定は世界のリセッション回避を示唆していると分析。中国の財政刺激や欧州のエネルギー支援計画、投資家センチメントの低迷から市場は恩恵を受けられると指摘した。
ストラテジストらはリポートで「経済指標と投資家のポジショニングはリスク資産のパフォーマンスにとって中銀当局者の発言よりも重要だ。われわれはリスク志向スタンスを維持している」と説明した。
インフレが少なくとも米国ではピークを付けたのではないかとの期待から、市場にはここ数日、ポジティブなセンチメントが戻っている。
JPモルガンは緩やかなインフレ緩和は循環株と小型株に追い風だとの見方を示し、新興市場株および中国株とともに有望視している。「割高」なディフェンシブ株には否定的で、エネルギー株の押し目買いと商品の「積極的な」オーバーウエートを勧めた。
「インフレ問題は自ずと解決、ゆがみは解消され、米金融当局の0.75ポイント利上げは行き過ぎだったことになると考えている。当局は姿勢を反転させる可能性が高く、シクリカル資産に追い風になるだろう」とリポートで分析した。
セシリア・マリオッティ氏らゴールドマンのストラテジストは12日付のリポートで、エネルギー危機や金融政策の引き締め、イタリアの選挙を巡る政治動向により、欧州に対して慎重な見方を維持していると説明した。「相場の底値が差し迫っている」兆しが見られない限り、この見方を変えないという。
ストラテジストらは「当行のエコノミストは、エネルギー危機によって欧米経済が比較的緩やかながらリセッション(景気後退)に陥ると予想している。さらに欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)いずれも引き締めを加速すると予測している」と記述した。
ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が13日発表した9月の独景気期待指数はマイナス61.9と、前月のマイナス55.3から低下。エコノミスト予想はマイナス59.5だった。9月の現状指数も前月比で低下した。
ZEWのバンバッハ所長は発表資料で、「冬場のエネルギー不足を予想し、ドイツ産業界の大部分で見通しが一層悪化した」と指摘。「さらに、中国の成長についても望ましくない状況だ。最新の統計は既に、新規受注、生産、輸出の減少を示している」と付け加えた。
実質世帯所得の中央値は7万784ドル(約1000万円)と前年からほぼ横ばいだった。19年までは5年連続で増加したが、その後は新型コロナウイルス禍やインフレで伸びが止まっている。所得格差は拡大した。
報告書は人口動態調査などのデータを基に分析した。数字が1に近づくほど所得格差が大きいことを示すジニ係数は、前年比で1.2%上昇して0.494となった。所得は上位10%の世帯が下位10%より13.5倍多かった。前年の12.9倍から差が広がった。
貧困率は11.6%で前年からほぼ横ばいだった。政府の支援などを含めて算出した「補助的貧困率」は7.8%だった。前年比で1.4ポイント下がった。現金給付などを反映したとみられ、補助的貧困率は算出開始の09年以来最低となった。
南米の石油最大手、ペトロブラス株の上値が重い。欧米メジャーが昨年末に比べて3~6割高と堅調なのに対し、15%高と伸び悩む。高い資本効率を背景に積極増配するものの、政治リスクが嫌気されている。10月には地元ブラジルで大統領選を控え、結果次第では配当減額など経営方針が大きく変わる懸念がくすぶる。
ペトロブラスの市場評価が高まらないのは、政治リスクが大きいからだ。同社は最高経営責任者(CEO)が過去2年間で5人目という異常事態が続く。ガソリンや軽油の価格抑制を狙うボルソナロ大統領が人気取りのためにペトロブラスの人事に介入している構図だ。
今回の増配も、政府系機関と合わせてペトロブラス株の36.61%を握るブラジル政府が国庫収入を増やすため圧力をかけたためとの声がある。ブラジル政府はペトロブラスの重要事項に拒否権を行使できる「黄金株」も持っている。
10月にはブラジル大統領選を控える。調査会社ダタフォリャが10日発表した世論調査によると、支持率45%で首位を走るのは左派のルラ元大統領で、現職のボルソナロ氏は34%にとどまる。労働組合出身のルラ氏は「ペトロブラスは再びブラジル国民に属するようになる」と述べ、これまでの効率重視の路線から規模拡大へと転換を示唆する。
ブラジル投資銀行大手BTGパクチュアルは7月末に発表したリポートで「大統領選が近づくにつれ、ペトロブラスの戦略的位置付けが変更されて無配となるリスクが大きくなり、株価のパフォーマンスに重くのしかかる」と指摘する。予想PER(株価収益率)も2倍台と低迷する。せっかく欧米勢より効率よく稼げているにもかかわらず、投資家を引きつけられずにいる。
バイデン大統領は原油とガソリンの価格高騰に歯止めをかける取り組みとして、最大1億8000万バレルと過去最大規模のSPR放出を今年3月に命じた。政府は現在、冬に向けて市場の落ち着きを保つ考えから、こうした放出のペースを緩めようとしている。
●市況
日経先物(大証)27565、ダウ先31248、債先148.54、米3.425、独1.7185、仏2.273、西2.849、伊3.987、波5.842、原油87.73、ドル円144.53、墨ペソ20.05、トルコリラ18.2512、墨CDS160※9/14 9時15分頃
備忘録(9/12)
●中国・ロシア・東欧
中国人民銀行(中央銀行)によると、銀行の簿外で扱う委託融資、信託融資、手形引き受けの純増額は4768億元(約9兆8500億円)だった。返済が調達を上回る月が大半で、調達が上回ったのは5カ月ぶりだ。
影の銀行からの資金調達が急増した一因は、地方で加速するインフラ投資だ。
新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で景気が停滞から抜け出せないなか、国務院(政府)はインフラ建設を成長のけん引役に位置づける。22年分のインフラ債発行枠で調達した資金を8月末までに原則使い切るよう指示していた。
地方政府は債券発行で得た資金を建設現場に投じたほか、傘下の投資会社である融資平台が銀行融資以外の形でも必要な資金を賄ったという。この部分が、8月の「影の銀行」からの調達額を押し上げた。
銀行からの借り入れが難しい中小零細企業が手形などを活用して資金を確保しているとの見方もある。
人民銀行は8月に今年3回目の利下げを実施した。貸出金利の平均は下がった。ただ調査対象に民間企業が多い長江商学院の景況指数によると、資金調達のしやすさを示す指数は7月と比べて悪化した。小規模事業者を中心に民間企業の資金繰りは厳しく、「影の銀行」に頼る企業も少なくないとみられる。
一方、8月の銀行貸し出しの純増額は前年同月比で約3%増にとどまった。企業向けに貸し出す中長期資金は41%増えた一方、住宅ローンが大半を占める個人向けの中長期融資は38%減った。
米議会は超党派の議員が出した台湾政策法案を審議中だ。同法案には台湾を「北大西洋条約機構(NATO)加盟国ではないがNATOの主たる同盟相手」とみなし、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所所長を大使級に格上げするなど中国を挑発する内容が盛り込まれている。
11月の米中間選挙では、中国により強硬な共和党が上下両院のいずれかまたは両方を民主党から奪取する可能性がある。24年の次期米大統領選で共和党が返り咲く可能性もある。台湾も24年は総統選がある。次期総統が独立を求め、米国から承認を得たらどうなるか。それこそ米中戦争になりかねないとグレイザー氏は言う。
中国で10月16日に開幕する共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会で、中国人民解放軍の最高幹部が入れ替わる。異例の3期目入りを固めた習近平(シー・ジンピン)党総書記は将来の台湾統一に向け、自身の側近を新たなメンバーにすることを検討しているもようだ。
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
インド航空大手のエア・インディアは米ボーイングと欧州エアバスの航空機を合わせて30機新たに運用すると発表した。地元メディアが12日報じた。リース契約で12月から順次導入し、インドと米国の主要都市を結ぶ路線などに充てるという。
新たにボーイングの5機とエアバスの25機を導入する。エア・インディアはもともと、大手財閥のタタ・グループの企業として設立された。長らく国有化されていたが、格安航空会社(LCC)などの競争が激化して業績が悪化したため、1月にタタが再び傘下に収めた。タタはシンガポール航空との合弁であるビスタラも運営している。
●その他産業
●決算関連
6-8月(第1四半期)売上高は前年同期比18%増加した。クラウド移行とともに、米医療情報技術会社サーナー買収が寄与した。
オラクルが拡大を目指している注目分野のクラウド事業は、売上高が45%増の36億ドル。サーナー買収完了前の前四半期の増収率は19%だった。
9-11月(第2四半期)売上高が前年同期比15-17%増、サーナーを含むクラウド事業の売上高が最大46%増に達すると予想した。通期のクラウド事業売上高はサーナーを除いて約30%増加すると予測した。
●マクロ・その他
バイデン米大統領は12日、医療・健康や農業といったバイオテクノロジー関連産業の国内回帰を促す大統領令に署名した。医薬品などの原料や製品の中国依存を減らし、国内に囲い込む狙いがある。
11日投開票されたスウェーデン議会選で、極右・スウェーデン民主党が第2党に躍進した。同党を含む右派勢力が過半数を握りそうで、政権交代が起きる可能性が出てきた。反移民を掲げ、欧州連合(EU)と距離を置く同党の政権入りは、EU加盟国との協力を弱めかねない。
暫定の開票結果によると、定数349のうち、民主党や穏健党を含む右派陣営が175、アンデション首相が属する社会民主労働党など左派陣営が174となりそうで、差は拮抗している。国外や郵便での投票の開票作業が続いており、最終結果が分かるのは14日になるという。選挙前は、社民党が100議席で少数政権だった。
1988年に創設されたスウェーデン民主党はかつてはEU離脱や人種差別的な過激な主張で他党から距離を置かれていたが、オーケソン氏が穏健路線にシフトしたことで、他の右派政党と協力する兆しが出ている。
それでもEUを経済を活発にするための貿易圏とみるなど、アンデション氏率いる現政権の親EU路線とは温度差がある。オーケソン氏は選挙期間中にトランプ前米大統領の決まり文句をまねて「スウェーデンを再び偉大に」と演説する一方、ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領を直接批判するのは避けていた。
EUは従来の気候変動やデジタル分野に加え、新型コロナウイルス禍やウクライナ侵攻を機に、保健衛生や安全保障、エネルギー面の統合を深めようと急ぐ。民主党を含む右派政権が発足すれば、欧州統合にブレーキがかかる可能性がある。
民主党の躍進の理由は、国内での犯罪の増加だ。スウェーデンの国家犯罪防止評議会が21年に公表した調査では、欧州主要22カ国でスウェーデンは銃撃による死亡率がクロアチアに次いで高かった。
民主党は移民受け入れの抑制や刑罰の強化を訴え、治安悪化を実感する有権者を引き付けた。インフレ対策としてガソリン料金の引き下げなども公約し、低所得層の関心を勝ち取った。
移民をその社会がどう受け入れるかは、スウェーデンのみならず、欧州や世界にとっての課題だ。社会に溶け込めず、現地のルールを軽視する暴力的な犯罪集団に各国は頭を悩ませる。ノルウェーやデンマークなど受け入れに厳しい姿勢をとる国が主流になる可能性がある。
オランダは九州とほぼ同じ面積ながら、農産品の輸出で世界2位の地位にある。限りある耕作地で効率よく、付加価値の高い農産品をつくるために知恵を絞った成果だ。国土の小さい国ながら農業大国になった背景には、研究開発やスタートアップの育成に力を入れ、先端技術の導入をちゅうちょしない姿勢がある。
9月5日のレーバーデー明けから米大手企業の社債発行が相次いでいる。1日として過去最高の発行本数を記録するなど、米国債金利の上昇を見越して前倒しで発行しているとみられる。これらの社債は破綻リスクが低く、利率は米国債より高いため、米国債の需要が減る恐れがある。米連邦準備理事会(FRB)の量的引き締め(QT)の加速も重なり、長期金利上昇の勢いが強まる可能性がある。
最新の「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」週間調査で、ポートフォリオマネジャーやリテール投資家を含む回答者の3分の2が向こう半年間にそうしたセクターへのエクスポージャーを増やす計画だ。電力や天然ガスの価格高騰が世界のインフレを押し上げ、ロシアの欧州への天然ガス供給抑制が今冬の燃料不足をもたらすとみられている。
ジャンク(投資不適格)級のエネルギー関連債は世界の指数と比べ割高だが、投資適格級の「BBB」格付けの米エネルギー債は比較的魅力的で、スプレッドは格付けや期間で同種の債券の平均を上回っている。
ジェフリーズの株式戦略グローバル責任者、クリス・ウッド氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「大幅な供給制約を理由に、エネルギー株投資を維持したいと考えているのは確かだ。エネルギー銘柄を保有したい別の理由は極めて単純で、ウクライナ情勢の緊迫化リスクの高まりに対するヘッジが必要だ」と語る。
ロシアが「ノルドストリーム」パイプラインを通じた天然ガス供給を抑制したことで、エネルギー市場はさらに圧迫されている。欧州のガス価格は今年に入り3倍近くに上昇した。欧州連合(EU)の制裁が12月に発動されれば、ロシア産石油の供給が抑えられる。
電力・天然ガスが今冬に世界のインフレ率を最も押し上げると回答者814人の約4分の3が予想。ほぼ同じ割合の回答者が、向こう半年間に供給不足が起きるとすれば天然ガスなどの主要燃料だろうと考えている。
オックスフォード・インスティテュート・フォー・エナジー・スタディーズのシニアリサーチフェロー、カーチャ・ヤフィマバ氏は「欧州のガス市場は2020年代を通じてタイトな状態が続く公算が大きい」と指摘。その要因として、世界的なガス不足や新たなガス生産への投資を巡る消極姿勢、EUの対ロシア依存を徐々に減らす政治決定を挙げた。
デービッド・コスティン氏が率いるゴールドマンのチームは、米国の成長軌道は「不確実」であるかもしれないが、欧州の状況は悲惨だと指摘した。
ストラテジストらはリポートで「米株市場について投資家が懸念しているが、米国株のリスク調整後および絶対的なリターンのポテンシャルはリセッションに見舞われる欧州市場よりは高いと確信している」と分析した。
欧州企業はガス危機と高インフレ、金融引き締めの中で厳しい状況にある。ストックス欧州600指数のパフォーマンスは今年、ドル建てベースでS&P500種指数を下回る。また、国内販売が100%の米企業から成るゴールドマンのバスケットは、欧州での売り上げの多い企業を上回っている。
スタンダードチャータードによると、外貨準備によって輸入代金を何カ月賄えるかを示す輸入カバー率は中国を除くアジア新興国で約7カ月と、2008年の世界金融危機以来の低さとなった。年初には約10カ月、20年8月には16カ月に上っていた。
スタンダードチャータード銀行のASEAN・南アジア為替調査責任者のディブヤ・デベシュ氏(シンガポール在勤)は「中央銀行が自国通貨を買い支える余力は、今後ますます縮小することが示唆される」と述べた。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、国内総生産(GDP)に対する比率で外貨準備が最も大きく減ったのはタイ。次いでマレーシア、インドと続く。また、インドの輸入カバー率は約9カ月、インドネシアは6カ月、マレーシアは4カ月に満たないとスタンダードチャータードは指摘した。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は来月4日の政策決定会合で40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを決定した後、政策金利のオフィシャル・キャッシュレート誘導目標を11月に3%に引き上げ、現在の引き締めサイクルを完了するとIFMインベスターズのチーフエコノミスト、アレックス・ジョイナー氏が予測した。
豪中銀が4会合連続の0.5ポイント利上げを決定した後、ロウ総裁は大幅な引き上げが終わる可能性を8日に示唆した。ジョイナー氏が予想する10月の利上げ幅はその方向に沿うものだが、多くのエコノミストの見通し(0.25ポイント)を上回る。
ニューヨーク連銀が12日発表した8月の消費者調査によると、予想物価上昇率(中央値)は1年先、3年先ともに鈍化傾向が続いた。3年先は1年10カ月ぶりの低水準になった。ガソリン価格の下落を反映したほか、住宅価格の上昇が緩やかになるとの見方も広がっている。
IMFとアルゼンチンは2022年3月、450億ドル(6兆4000億円)規模の債務再編で合意した。この際、財政収支の赤字額の目標を22年に国内総生産(GDP)比で2.5%、23年は1.9%と決めた。今回の会談ではこの目標維持を確認した。
アルゼンチンのマサ新経済相は8月の就任記者会見で、国家公務員の新規採用の凍結、エネルギー補助金の削減などの財政削減策を打ち出していた。
石油やガス、石炭、製油業界に2022会計年度の課税対象上乗せ利益に基づいた「例外的で一時的な」貢献を求めることを、欧州委員会は加盟27カ国に提案する。
電力需要の削減については、2つの目標設定を提案する。全体での消費削減の目標を設け、特定のピーク時間における需要削減に目標を設定することを義務づける。
●市況
※9/13 9時15分頃
備忘録(9/9-11)
●中国・ロシア・東欧
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
2022年4~6月期の資金循環統計によると、6月末の家計(非営利組織を含む)の純資産は約143.7兆ドル(約2京円)と3月末から6.1兆ドル減り、1年ぶりの低水準になった。四半期の減少額では新型コロナウイルス禍初期の20年1~3月期を超え、過去最大を記録した。FRBの急ピッチの利上げなどで進んだ株安が響いた。4~6月期の減少率は4.1%と、20年1~3月期(5.2%)やリーマン危機直後の08年10~12月期(4.9%)などに次ぐ大規模なものになった。
落ち込みの主因は、インフレ抑制を急ぐFRBの利上げ加速や保有資産を減らす量的引き締め(QT)を引き金とした株価の急落だ。4~6月はS&P500種株価指数が16%強下落し、家計が直接・間接的に保有する株式は7.7兆ドル減と過去最大の減少額になった。住宅価格は上昇基調が続き、家計の持つ不動産の価値は約1.4兆ドル増えたが、資産全体の目減りを補いきれなかった。
家計の抱える負債は約19兆ドルと4000億ドルほど増えた。住宅ローンのほか、クレジットカードでの借り入れや自動車ローンなどの債務が伸びた。
1年ぶりの1ケタ台で、21年6月(8.35%)以来の低い水準となった。原油価格の低下、燃料や電力にかかる商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げが寄与している。
侵攻が始まる前の2021年のウクライナの国内総生産(GDP)と比べて1.6倍の規模にあたる。
ウォラー氏はオーストリア・ウィーンの高等研究所で講演し、「インフレはあまりにも高過ぎる水準にあり、インフレが下方向に意味ある形で持続的に推移しつつあるかどうか判断するのは時期尚早だ」と発言。「政策金利が明確に需要を抑制する水準になるよう、9月20-21日の次回会合で大幅な利上げを支持する」と述べた。発言は講演原稿に基づく。
「インフレに関する期待の持てるニュースは歓迎するが、それが当局の2%目標に達する軌道に沿って下方向に意味ある形で持続的に推移しているとの説得力ある証左はまだ見られない」と同氏は指摘。「コア価格の意味ある、かつ持続的な減速が見られるまで、金融政策引き締めで意義ある一段の措置を講じることを支持する」と話した。
その上で、「追加利上げの規模に関する将来の決定、およびこのサイクルにおける政策金利の行き先は、今後入手するデータとそれが経済活動や雇用、インフレに関して持つ意味合いによってのみ決まるべきだ」と語った。
同氏は米金融当局が「少なくとも来年の早期まで」利上げを続けるとの見通しを示した。
同連銀の調査ディレクター、シルバン・ルデュック氏は金融当局の利上げに伴い物価上昇は緩和しており、この傾向は今後も続くだろうと指摘。「サービス部門のインフレは通常長引く上に、金融政策の効果が遅れて表れることから、インフレの鈍化は緩やかに進む見込みだ」とした上で、「全てを総合すると、インフレ率は2025年初頭までに2%に戻るとわれわれは予想する」と結論付けた。
同氏はサービスとモノの双方で物価上昇圧力が既に鈍化していると分析。ただ賃貸料の値上がりを招いた住宅価格の上昇については、最近落ち着いているものの、その持続的な上昇は引き続きインフレに影響を及ぼすだろうと説明した。
米経済のリセッション(景気後退)入りについては、「金融市場は近い将来のリセッション入りを十分織り込んではないようだが、そのリスクが高まっていることは明らかだ」と指摘した。
ブルームバーグが2-7日に実施した調査によると、米金融当局が重視する物価指標の個人消費支出(PCE)総合価格指数は、前年比の上昇率予測が各四半期で0.1-0.2ポイント引き下げられた。2024年1-3月期(第1四半期)には平均2.4%と、当局が政策目標とする2%に近づく。
食品とエネルギーを除いたコア指数も23年終盤にかけて平均2.7%と、上昇圧力が徐々に和らぐ見通しが示された。
22年末時点のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の見通しは3.5-3.75%と、前回調査の3.25-3.5%から上がった。23年1-3月期末に3.75-4.0%でピークに達するとエコノミストらは予測した。
一方、今後1年間にリセッション(景気後退)に陥る確率は50%と、8月の49%から小幅に上昇。失業率は直近実績の3.7%から、来年下期に4.3%まで上がる見通し。
アマゾンを主戦場とするネット販売業者は、売れ残った在庫の山を処分するために値引きを余儀なくされることを懸念する。新型コロナウイルス禍による需要急増への対応に追われた過去2年のホリデーショッピング・シーズンからは様変わりだ。
調査会社インサイダー・インテリジェンスによると、2022年の米国のオンライン売上高は前年比9.4%増の1兆ドル(約142兆7000億円)になる見通し。伸び率が1桁台に落ち込むのは初めてだという。アマゾンでの売上高は同9%増の4000億ドルと、業界全体よりも伸び率が低くなると同社はみている。
アマゾン出品者向けの分析サービスを手掛けるリバーベンド・コンサルティングの共同創業者、レスリー・ヘンセル氏は「消費者は基本的な生活必需品以外への出費を抑えているようであり、販売業者はディスカウントやクーポン提供、積極的な販促を行わなければならない。それは費用がかさむことにもなる」と指摘。「今年の第4四半期(10-12月)は恐ろしいことになりそうだ」と語った。
ギフト商品をアマゾンで7年間にわたって販売してきたスティーブン・ポープ氏は、ホリデーシーズンを控えこれほど神経質になったことはないと話す。今年の母の日(5月8日)は、50ドルで販売するギフトセットの売上高が前年比で50%余り落ち込んだという。消費者が生活必需品への出費を優先せざるを得ない中、クリスマス時期も同様の落ち込みになると懸念している。
贈答品業界は完全に崩壊した」。こう語る同氏は現在、ギフト商品の販売不振を補うべくスナック菓子の新商品開発に力を入れている。「今はかじ取りが非常に難しい状況だ」とし、「多くのビジネスにとって今年は成否を分ける年になるだろう」と続けた。
日経先物(大証)28192、ダウ先32244、債先148.69、米3.315、独1.6980、仏2.277、西2.862、伊4.027、波5.997、原油86.10、ドル円142.57、墨ペソ19.89、トルコリラ18.2343、墨CDS160
※9/9 NY引け値
備忘録(9/7)
●中国・ロシア・東欧
かつて売り上げで中国4位の不動産開発会社だった融創中国に対し、清算を求める訴訟が香港で起こされた。資金不足にあえぐ同社を巡る混乱が一段と深刻化している。
裁判所資料によれば、審問は11月16日の予定。中国ではここ1年で融創中国や中国恒大集団をはじめとする開発会社10社余りが相次ぎドル建て社債でデフォルト(債務不履行)に陥っている。
中国南西部にある成都市がロックダウン(都市封鎖)と大規模集団検査、隔離措置で速やかに感染を封じ込めれば、国民の命を守るゼロコロナは経済的痛みに耐えてでも進めるべき政策であることが人口約2100万人の成都で立証されたと習氏は訴えることができる。
だが成都のコロナ感染が長期化すれば、党大会のさなかに大都市が食料不足や社会不安、経済的損失に見舞われることになる。成都当局はコロナ規制を解除する時期を示しておらず、上海のようにロックダウンが2カ月も続くのではとの懸念も高まっている。
EMリヨン経営大学院上海校のフランク・ツァイ講師は、習氏が新型コロナ対する勝利を宣言すると見込んでいたとしながらも、成都などでのコロナ流行継続でゼロコロナ政策が優れているというメッセージが弱まる可能性があるともみている。
コンサルティング会社チャイナ・クロスローズの創業者でもあるツァイ氏は「ロックダウンされる都市が増えるほど、ゼロコロナに反対する国民が増えるだろう。党は転換点があると認識しており、その転換点に達する前に勝利宣言するのが賢明かもしれない」と話す。
ゼロコロナ政策を巡り、李克強首相が習氏とは異なるメッセージを発していることで、最高指導部内にコロナ対策に関し意見の相違があるとの疑念も生じている。習氏は感染撲滅の必要性を強調する一方で、李首相は景気を支え経済目標を達成するよう当局に指示している。
ゼロコロナ政策が調整されつある初期的な兆しもある。ロシアのインタファクス通信によれば、習氏は14日にカザフスタンを訪れる。同氏の外遊はコロナ流行が始まった20年1月以来だ。入国する渡航者の隔離施設での滞在期間も7日間に短縮された。
ただ、北京に本拠を置くコンサルティング会社トリビアム・チャイナの上級アナリスト、アンディ・チェン氏はこうした動きは恐らく微調整に過ぎず、習氏が党大会後すぐにゼロコロナ政策を取りやめる公算は小さいと分析する。「習氏肝いりの政策の1つを党大会直後に撤回したり放棄したりすれば、習氏の権力掌握が完全ではないように見えるだろう。習氏は弱々しく見られるわけにはいかない」と説明している。
フォンデアライエン欧州委員長は7日、エネルギー価格の高騰を受けて、ロシアから輸入する天然ガス価格の上限設定などの具体案を発表した。案には価格高騰の恩恵で大きな利益を得るエネルギー企業への課税や、電力価格の急変動が負担となる一部の電力会社への政府保証の供与なども含まれる。
ロシア産ガス価格の上限案について、フォンデアライエン氏は具体的な価格など詳細は明らかにしなかった。欧州の電力料金はガス価格の上昇に引っ張られる形で急上昇している。ガス価格の上昇に歯止めをかければ、電力料金は落ち着き、ロシアの収入減にもつながる。
価格が高騰するガス以外で発電する電力事業者は、電力料金の高騰で大きな利益を得ている。石油やガスなど化石燃料を売る事業者と合わせ、利益に上限を設けて課税するといった手法で加盟国が吸い上げ、影響を受ける家庭や企業の支援に回す。
一方で主にガスを使って発電する電力事業者には政府保証を柱とした流動性支援を検討する。電力価格の急騰で、先物取引に関連して積む担保金の負担が増え、一部の電力会社の信用不安に発展しつつあるためだ。
8月末の外貨準備が3兆549億ドル(約440兆円)で、前月末より492億ドル減ったと発表した。2カ月ぶりに減少した。海外の金融資産が値下がりしたほか、米国の金融引き締め観測を背景にドル高が進んだことがドル換算の評価額を押し下げた。
中国の外貨準備は2022年に入ってから減少傾向が続いている。8月末の水準は昨年末に比べて6%減った。各年同じ期間で比較すると、この減少率は7年ぶりの大きさだ。8月末の水準は18年10月以来の低さとなった。
米連邦準備理事会(FRB)によると、8月末時点のドルの主要通貨に対する指数は7月末から2.4%上がった。7月(0.6%上昇)よりドル高のピッチが速まった。中国国家外貨管理局の王春英報道官は「グローバル経済の下振れ圧力は増しており、国際金融市場は大きく変動している」と指摘した。
中国本土外で取引されるオフショア人民元は一時1ドル=6.99元台まで下げ、2020年7月以来の元安・ドル高水準を付けた。世界的なドル高に加え、中国の景気減速が意識されている。
中国人民銀行(中央銀行)は5日、市中銀行から強制的に預かる外貨の預金準備率を引き下げると発表した。市場では元安をけん制する狙いがあると受け止められたものの、その後も元売り・ドル買いの流れが続いている。
オランダの金融大手INGのアイリス・パン氏は「いまの元安はドル高と米連邦準備理事会(FRB)がさらに利上げに動くとの見通しから来ており、預金準備率の引き下げが元安の流れを変えることはないだろう」と指摘する。同社は元が9月末までに1ドル=7.05元まで下落すると予想する。
中国経済の弱さも元売りを誘っている。中国では9月に入って新型コロナウイルスの感染が再拡大し、四川省成都市や広東省深圳市の一部などで事実上の都市封鎖(ロックダウン)が相次ぐ。7日に発表された8月の輸出統計も市場の予想を下回った。
野村ホールディングスは22年の中国の成長率予想を2.7%に引き下げた。「中国の経済的苦境や欧州が景気後退に陥るリスクがあり、元が一段と下落する可能性がある」として、22年末までに1ドル=7.2元まで元安が進むとみる。
元安は中国にとって輸出企業の追い風となる一方で、大規模な資本流出につながるリスクもある。急ピッチな元安に対して、当局がけん制を強める可能性がある。
●中東
IAEAは2019年にイランの未申告施設からウラン粒子が検知されたとの報告をまとめた。イランが秘密裏で核関連活動をしていた可能性があるとの懸念が強まっており、IAEAは同国側が十分な説明をしていないと問題視している。
この問題は、米国とイランによる核合意の再建交渉の対立点として浮上している。イラン側は問題自体がねつ造で、IAEAの要求も「政治的動機によるものだ」(アブドラヒアン外相)と主張し、取り下げを核合意再建の条件にする姿勢をみせている。
IAEAによると、同国が60%まで濃縮したウランの貯蔵量は推定55.6キログラムと、5月の調査時点から12.5キログラム増えた。濃縮度は核合意の上限(3.67%)を大きく上回り、核兵器に転用可能な90%台に近づいている。
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
米ニューヨーク州のジョン・F・ケネディ空港(JFK)での運航を全て取りやめる可能性を示唆した。1年以上にわたり米連邦航空局(FAA)に同空港での発着枠数を増やすよう求めてきたが、認められる兆しがないことにしびれを切らした。
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は、前期比0.9%増加した。堅調な個人消費や資源輸出がけん引した。約20年ぶりの高水準となっているインフレが加速し、利上げに伴う負担が経済の先行きに影を落とす。
前年同期比では3.6%増だった。4~6月期、GDPの過半を占める個人消費は前期比で2.2%増加し全体を1.1ポイント押し上げた。食品や自動車などの売れ行きは落ちたが、新型コロナウイルスの規制がゆるんだことで「輸送サービス」への消費が37.3%増、「ホテル・飲食店」が8.8%増となるなどサービス消費が活発になった。
前期比5.5%増を記録した輸出にも懸念がある。7日に記者会見したチャーマー財務相は、中国で新型コロナ関連の規制が長引いていることへの懸念を指摘した。
中国は豪州の輸出の3割超を占める。中国経済の減速は豪州の最大の輸出品である鉄鉱石への影響が大きい。チャーマー氏は鉄鉱石のスポット(随時契約)価格が6月末から約2割下落していると指摘した。
コロナからの回復に伴う人手不足やサプライチェーン(供給網)の混乱もある。産業別の成長率をみると「製造業」は前期比1.1%減、「建設」も0.4%減だ。統計局は製造業については一部で供給網の混乱が影響したと指摘、建設についても「事業者が労働力不足を訴えている」と説明した。
消費者物価指数(CPI)は4~6月期に前年同期比6.1%の伸びを記録した。チャーマー氏は「年末にかけて7.75%に上昇すると予測している」という。豪準備銀行はインフレ抑制のため6日、5会合連続での利上げを決めた。政策金利は2.35%と15年初め以来の高い水準になった。住宅ローンの金利が上がり消費をさらに冷え込ませるおそれがある。
豪コモンウェルス銀行のエコノミスト、ギャレス・エアード氏はクレジットカードやデビットカードの利用分析から「消費の成長が8月を中心に鈍化している。利上げの影響が出始めている」と指摘した。
住宅調査会社コアロジックによると、8月の全国の住宅価格は前月比で1.6%減となり、1983年以来約40年ぶりの下げ幅となった。最大都市シドニーと第2の都市メルボルンでは前年同月比でもマイナスとなった。資産の価値が下がることで、人々がモノを買わなくなる可能性がある。
英キャピタル・エコノミクスは7日のリポートで「豪州のGDPは年後半にかけて軟化する。23年前半には海外との往来再開の効果が薄れ、住宅の値下がりが投資や消費の足を引っ張るようになり、さらに成長は鈍化する」との見方を示した。
7日の原油先物相場は急落。ニューヨーク原油先物は1月以来の安値を付けた。ロシアからの供給が途絶えるリスクはあるものの、ドル急伸と世界的な需要懸念が相場に重しとなっている。中国では新型コロナウイルス感染拡大を受けた主要都市でのロックダウン(都市封鎖)など厳しい措置が続いており、原油需要が落ち込むとの懸念が強まっている。
英国は現在、2桁台の高いインフレ率に加え、リセッション(景気後退)の長期化見通しという二重の脅威にさらされている。イングランド銀行(英中央銀行)はリセッションが1年以上続く恐れを警告した。
カナダ銀行(中央銀行)は7日、4会合連続となる大幅利上げを決定した。景気を減速させ、40年ぶり高インフレを押し下げることが狙い。
マックレム総裁率いる政策会合は、主要政策金利である翌日物金利を0.75ポイント引き上げ3.25%に設定した。カナダ中銀の政策金利はこれにより、先進国で最も高い水準となる。当局者らは利上げを続けるとの見通しを示し、今後数カ月に追加利上げを実施する可能性を残した。
当局者らは「インフレの見通しを踏まえると、政策委員会は政策金利をさらに引き上げる必要があるとなお判断している」との声明を発表した。
2年債利回りは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、1週間ぶり低水準の2.95%となった。来週の英中銀の政策決定についてトレーダーが想定する利上げ幅は0.5ポイントと0.75ポイントの確率が五分五分になった。6日には0.75ポイントの確率が80%だった。
同CEOは7日フランクフルトでのスピーチで、エネルギー価格は「しばらくの間」高止まりし「ドイツ経済への脅威」となるだろうと警告。物価の高騰と供給ボトルネックは「ドイツが景気後退をもはや回避できない」ことを意味すると述べた。
ゼービング氏は「インフレの高止まりが長引くほど緊張は大きくなり、社会的な対立が発生する可能性は高まる」と語った。
欧州連合(EU)統計局 (ユーロスタット)が7日発表した4-6月のユーロ圏域内総生産(GDP)確定値は前期比0.8%増と、改定値の0.6%増から引き上げられた。消費支出が伸び、貿易の低調を打ち消してGDPを押し上げた。別の統計によると、雇用も0.4%拡大した。
確定値はユーロ圏経済が夏に入る時点で、これまで想定された以上に堅調だったことを示唆する。ただ、ユーロ圏はロシアのウクライナ侵攻が引き起こしたエネルギー価格の高騰と供給不足の恐れに直面しており、アナリストはリセッション(景気後退)の瀬戸際にあると懸念。消費者の購買力が低下する中で、企業調査は製造業の減速が既に始まっていることを示している。
世界のサプライチェーン(供給網)の混乱度合いを示す指数は8月まで4カ月連続で改善し、コンテナ船の運賃は1年前のピークから5割下がった。物流の目詰まりの緩和はインフレ抑制に追い風となるが、コロナ前の水準に戻るまではなお時間がかかる。
7日に公表した8月の指数は4カ月連続で前月を下回り、物価高が深刻になる前の2021年1月以来の低水準になった。21年12月のピークからは66%低下した。「8月は供給制約の緩和がかなり広範囲におよび、調査対象の各国で納期が短くなった」と同連銀は説明する。
国際貨物データを提供するフレイトスによると、40フィート(約12メートル)コンテナの世界の海上輸送運賃は21年9月のピーク時に約1万1000ドル(約160万円)と1年間で5倍以上に跳ね上がったが、足元では約5300ドルと5割強下がった。中国などの東アジアから米西海岸や東海岸に向かう主要航路の運賃も総じて下落基調にある。米労働省によると、国際航空貨物の運賃指数も今年1月のピークから7月にかけて16%下がった。
「中国からの輸入品を積んだ船舶の『港待ち』がだいぶ減った。最悪期は脱しつつあるのでは」。米中西部イリノイ州に拠点を構える自動車部品会社の幹部は話す。コロナ禍で日本や中国などアジア各国から運ぶ素材や部品の流通が滞り、安定生産の障害になってきたが、状況は改善しつつあるという。
現在は各国でコロナ関連の行動制限の緩和が進み、経済活動の正常化が進むなかで制約が薄れつつある。コロナ下の「巣ごもり消費」で急拡大した家電などのモノへの需要が一服し、過度な需要が物流に負荷をかける需給の不均衡も是正に向かい始めた。
対ドルで1985年以来37年ぶりの安値水準をつけた。
ポンド安の背景には、インフレが揺らす財政と景気の先行き懸念がある。トラス政権は8日に、エネルギー価格高騰の負担を和らげるための家計や企業の支援策を発表する。光熱費の値上がりに強制的に歯止めをかける案や減税措置など取り沙汰されており、大きな財政負担が避けられない見通しだ。
新政権の政策をめぐり、金融政策の先行きが見極めにくくなっていることもポンド売りを誘った。イングランド銀行(中央銀行)のピル金融政策委員兼チーフエコノミストは7日の議会公聴会で、光熱費の抑制策がとられれば「インフレ率は短期的に下がる」との見方を示した。三菱UFJ銀行ロンドン支店のデレク・ハルペニー氏は「ややタカ派的ではない姿勢をみせたことがポンド売りを強めた」と話す。
ブレイナード氏は利上げの継続が必要だとしつつ「ある時点から引き締めをやり過ぎるリスクが生じる」とも指摘した。その理由として利上げと中銀の資産を圧縮する量的引き締め(QT)が急ピッチであること、ほかの国も同時に金融引き締めを実施していること、引き締めが需要を縮小させる時期が不確実であることを挙げた。
急速な利上げを続けることへの警戒を示しつつ、将来に利下げに転じるとの見方については「歴史をみれば転換を早まるリスクを回避することが重要だ」と強調した。
8月の自動車生産台数は31万6815台と前年同月比31%増えた。4カ月連続で前年同月の水準を上回った。半導体不足の影響で落ち込んでいたメキシコの自動車生産は回復傾向が鮮明になっている。
ドイツのエネルギー大手ユニパーのニーク・デンホランダー最高商務責任者(CCO)は「次の冬に欧州の問題は一段と大きくなる恐れがある」と指摘。「来夏に各国が今年ほどガス貯蔵率を引き上げられていない事態もあり得る」と語った。同CCOは今週ミラノで開かれたガス技術関連会議でインタビューに応じた。
シティグループの商品調査グローバル責任者エド・モース氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「欧州の価格が2021年初めの水準に戻るのは、25年から27年の間になる」と指摘。液化天然ガス(LNG)の輸出能力は「一夜にして増やせるものではない」と述べた。
ディファイアンスのSPAKはピーク時には評価額が約1億1200万ドル(162億円)に達したが、清算時の保有資産はわずか1600万ドルだった。ファンドが連動していたSPACとブランクチェック(白紙小切手)企業の指数は、年初来で37%下げている。
EQMキャピタルの創業者ジェーン・エドモンドソン氏は「当初はリスクオンの環境で資産を増やしたものの、SPACの新規設立がほとんどなくなり、多くの会社が買収のターゲット企業を見つけられないか取引を完了できなくなって市場は崩壊した」と話した。
物価高騰とタイトな労働市場が向こう1年間の米成長見通しに重しになったと指摘。一方で、物価の伸びについては鈍化の兆候が見られると指摘した。
調査先はまた、居住用不動産の軟化を報告。住宅販売は全ての地区で減少した。金融当局の利上げも背景に、住宅ローンの30年物固定金利は6%を超え、ローン需要は落ち込んでいる。
●市況
※9/8 9時25分頃
備忘録(9/6)
●中国・ロシア・東欧
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
アブダビ首長国の政府系ファンド(SWF)、ムバダラ・インベストメントが、ソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループの買収で合意に近づいていると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。フォートレスを20億ドル(約2860億円)超と評価し得る案件だという。
仏ルノーの財務悪化が止まらない。ロシア事業からの撤退で2022年1~6月期に約1800億円の最終赤字となり、株主資本は新型コロナウイルス禍前に比べて2割強毀損した。かつてカルロス・ゴーン氏が進めた拡大路線があだとなって設備の過剰感も強く、一段の財務悪化懸念がくすぶる。43%出資する日産自動車の重要性が増している。
●その他産業
一部債権放棄などにより、三菱UFJ銀のマレリ向け債権は約860億円に減額されたが、金融支援実行前の元本は約1476億円と、主力行であるみずほ銀行の3644億円、2番手の三井住友銀行の1730億円に次ぐ規模で、三井住友信託銀行や日本政策投資銀行と共に主要5行の一角としてマレリの資金繰りを支えてきた。
三菱UFJ銀は、10月中には債権の譲渡を完了させる。譲渡価格は明らかになっていないが、関係者によると、元本に対して大幅なディスカウントでの売却になる。
三菱UFJ銀は、既に債権額の大半を損失として処理しており、売却すれば譲渡益に加え、債権管理コストの削減も見込めると判断した。すでに裁判所の下で再生が進んでいるため、同行が離脱しても再建に影響はないとみている。
複数の関係者によると、マレリ向け債権については、三菱UFJ銀のほか、三井住友銀も売却を検討しており、取引金融機関の間でマレリとの関係を整理する動きが加速する可能性もある。
●決算関連
●マクロ・その他
石油輸出国機構(OPEC)に非加盟のロシアなどを加えた「OPECプラス」が5日、10月に原油の減産に転じると決めた。バイデン米政権の要請に一定の配慮を示した9月の小幅増産は、早くもご破算になる。米欧日などがエネルギー高への懸念を強める冬を前に増産をやめるのは、一致して相場を下支えするとのメッセージだ。
OPECプラスは新型コロナウイルス禍からの需要回復で2021年から22年8月まで毎月、段階的に増産してきた。9月に追加で10万バレル増産すると決めたのは、バイデン米大統領が7月にサウジアラビアを訪れ増産拡大を求めた直後だった。ごく小規模の増産で米国に最低限の配慮を示した形だが、わずか1カ月での政策転換となる。
今回決めた日量10万バレルの減産幅は、世界の需要の0.1%にすぎない。現物市場への影響はないに等しい。それでも市場が注目するのは、原油の需給が緩めばOPECプラスが自らの都合で「介入」する姿勢を示したことだ。
OPECプラスは5日の声明で「必要な場合、いつでも閣僚を招集するよう議長に求める」とし、市場の動向次第で10月の次回の会合を待たずに生産調整について話し合う方針を示した。議長のサウジに随時介入を委ねるものだ。
「この微調整は市場の安定を支える上で我々が注意深く、機先を制することを示す」。減産についてサウジのアブドルアジズ・エネルギー相は5日、米ブルームバーグにこう述べた。米国などの増産圧力にさらされ続けたOPECプラスが一転、供給を絞っていく可能性を市場に織り込ませるガイダンスの意味合いが強い。
IEAの予測では、22年10~12月期には供給過剰幅が日量100万バレル程度まで広がり、23年まで供給過剰が続く。ロイター通信によるとロシアのノワク副首相は5日の協議後「我々は余剰も不足もないよう市場への十分な供給について話し合っている」と述べ、世界経済の成長鈍化に警戒感を示した。
イラン核合意の再建交渉が進展すれば、イラン産原油が市場に復帰し、さらに需給が緩む可能性もある。
4~6月期の実質国内総生産(GDP)が1~3月期から0.7%縮小したと発表した。マイナス成長は3四半期ぶり。輸出資源の石炭、鉄鉱石などの需要が世界的に増すなか、港や鉄道など輸送インフラの老朽化や電力不足で十分に応えられていない。
ウクライナ侵攻を巡っては、インフレ対策として南ア準備銀行(中銀)が大幅な利上げを迫られる一方、ロシア産エネルギーの代替調達先として南アが注目されるなどプラスの影響もあった。南アの石炭輸出拠点を運営するトゥンゲラ社によると、欧州向けの石炭輸出は1~6月、前年同期の8倍に増えた。
南アは機会を生かし切れていない。運輸公社のトランスネットによると、4~6月の港のコンテナ取扱量は前年同期から1割以上減った。4月に起きた洪水で主要な東部ダーバン港が被害を受けたほか、老朽化で国内のインフラは慢性的な機能不全に陥っている。
南アはマネーロンダリング(資金洗浄)への対策を審査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の「監視対象国」入りの瀬戸際にもある。10月の会合までに汚職対策などを示せなければ、各国が南ア金融機関との取引審査を厳格化するなど、ビジネスコストの上昇を招きかねない。
PwCは8月末に公表したリポートでインフラの問題を指摘し、「世界経済の回復スピードが時速100キロ超なら、南アは60キロだ」と形容した。コロナ禍で20年、6.3%縮んだ経済は21年に4.9%回復したが、PwCは22年の成長率を2%、中期的な潜在成長率を1.5%と予想する。
植民地時代の19世紀に遡るアフリカきっての鉄道網は線路や架線の盗難が横行し、安定運行ができない。前政権時代の腐敗と放漫経営で巨額の債務を抱える国営電力会社のエスコムは設備の更新ができず、毎週のように計画停電に追い込まれる。
6日の理事会で、政策金利を0.5%引き上げ、年2.35%に改めると決めた。7日に実施する。利上げは5月から5会合連続。ロウ総裁は声明で「今後の数カ月で一段の利上げを予測する」と主張し、インフレ抑制のため、必要に応じて利上げを続ける可能性を示唆した。
声明でロウ氏は「インフレ率は1990年代初頭以来の高い水準だ」と指摘し、これから数カ月で「さらに上昇するだろう」と予想した。だが、消費者物価指数の上昇率は年内にピークを迎え、それから政策目標の2~3%の範囲に落ち着くと見通した。
不確実な要因には個人消費をあげた。「金利上昇が住宅ローンの支払いに完全な影響を与えるのはまだ先だが、物価高と共に(すでに)家計を圧迫し始めた」との認識を示し、先行きを注視する姿勢をみせた。
市場には中銀の利上げペースが今後、鈍化するとの見方がある。英調査会社キャピタル・エコノミクスは、景気を熱しも冷やしもしない「中立金利」に近づいていると受け止め、10月の次回理事会の利上げ幅は0.25%にとどまると見込んでいる。
中立金利の推計には大きなばらつきがある。ブルームバーグがエコノミストを対象に先月実施した調査で、2.5%を中立とみる推計に同意する回答は39%に過ぎず、推計のレンジは2%から3.75%に及んだ。
FOMC内でもすでに、短期の中立金利が長期のものよりも高めの水準にあるのではないかとの意見が一部参加者から示されたことが7月のFOMC議事要旨で明らかとなっている。
パイパー・サンドラーのグローバル政策調査責任者、ロベルト・ペルリ氏は「現行の予想インフレ率を踏まえれば、現在の政策金利は中立水準にはない。利上げ継続が必要と金融当局が考えているのはそのためだ」と指摘した。
欧州のエネルギー取引では少なくとも1兆5000億ドル(約210兆円)の追い証が発生する見通しで、この支払い支援で政府が流動性を拡大しない限り、市場が機能を停止する恐れがある。ノルウェーのエネルギー企業エクイノールが指摘した。
エクイノールのガス・電力担当幹部、ヘルゲ・ホーガン氏はインタビューで、「流動性支援が必要になるだろう」と語った。現物市場は機能しているものの、問題はデリバティブ取引に集中しているとし、デリバティブ取引を支えるために同社が必要だと試算した1兆5000億ドルという金額は「保守的な」見積もりだと説明した。
ミラノで開かれたガス技術関連会合でインタビューに応じたホーガン氏は、こうした信用枠は追い証対策で活用できない資本だと指摘。「企業が大きな資金を積む必要があるということは、市場の流動性が枯渇することであり、ガスのデリバティブ市場にとって良いことではない」と述べ、EUの介入はデリバティブ取引にとって「理にかなう」だろうと続けた。
ブラジル中央銀行は5日、投資家に対しタカ派的なメッセージを発信した。トレーダーの間では積極的な金融引き締めキャンペーンは先月で終了したとの見方が大勢を占めるものの、中銀は最後の利上げの可能性が残されていることをあらためて認識させた。
ロベルト・カンポス・ネト総裁は同日遅くに開催されたブラジル紙バロール・エコノミコ主催のイベントで、「厳しいメッセージを発信する必要がある」と指摘。9月に「最終的な利上げの必要性を判断するというメッセージは引き続き有効だ」と述べた。
同総裁は利下げについてはまだ考えていないと指摘。インフレ率を目標水準に戻すという「われわれの仕事を完了することを引き続き考えている」と述べた。
米国で5日の祝日を含む週末の4日間に飛行機で旅行した人数が、新型コロナウイルスの感染が広がる前の2019年の水準を上回ったことがわかった。米運輸保安局(TSA)が集計する米空港の通過者数は4日間で累計876万人となり、2019年の週末に観測された823万人から6%増えた。
ブケレ大統領は2019年の就任後、治安対策を強化した。ギャングによる殺人件数が減ったことで、ブケレ政権は国民の間で高い支持を得ている。ブケレ氏は7月にツイッターに「エルサルバドルは中南米で最も安全な国になろうとしている」と投稿した。3月の事件を受け、政府は4万人を収容できる巨大な刑務所を建設している。
一方でブケレ政権はこれまでギャングと停戦の密約を結んできたという見方がある。米財務省は21年12月、エルサルバドルの政府高官に対する制裁を発表した。エルサルバドル政府が治安の改善で協力を得るために、ギャングのリーダーらに対して秘密裏に金銭的な対価を与えていたと指摘した。
南米チリの中央銀行は6日、政策金利を1%引き上げて10.75%にすると発表した。利上げは10会合連続。経済には鈍化の兆しもあるが、インフレの加速に対応するため、前回よりも上げ幅を広げて対応した。
同州の中・北部の幅広い地域で6日午後、40度以上の猛暑が襲った。エアコン需要が急増して電力が逼迫。停電情報サイト「パワー・アウテージ」によると、6日午後1時(日本時間7日午前5時)時点では州内で少なくとも2万軒の停電が発生した。
カリフォルニア州では夕方から夜にかけて特に電力が逼迫する。気温がまだ高いにもかかわらず、日が暮れて太陽光で発電できなくなるためだ。
猛暑と乾燥した気候を受け、山火事も発生しやすくなっている。AP通信によると火災で前週末にかけて4人が死亡。約4400人の消防士が州内で消火活動をした。4日だけで45件の発火があったという。6日も各地で消火活動が続いている。
米西部カリフォルニア州で州内のファストフード店従業員を対象に最低賃金を現行の時給15ドル(約2140円)から最大22ドル(約3140円)までの引き上げを可能にする法律が成立した。
同法では2023年の最低賃金の上限を22ドルと定め、24年1月以降は毎年3.5%を上限にインフレと連動した調節ができる。
マクドナルド、ウェンディーズなどのフランチャイズチェーンが加盟する米フランチャイズ協会(IFA)は声明で「価格引き上げが起きることで地域経済に損害を与え、カリフォルニア州の労働者保護も改善されることはない」と同法に反対の立場を示した。
8月の非製造業(サービス業)景況感指数は56.9と前月から0.2ポイント上昇した。小幅ながら2カ月連続の上昇になり、低下を見込んだ市場予想も上回った。新規受注が拡大し、供給制約にも改善の兆しが出ている。世界経済の減速懸念が強まるなかで米景気の底堅さが目立ち、米金利上昇やドル高を誘っている。
サービス業の指数を項目別にみると、企業の活動状況を示す指数は60.9と1ポイント上昇した。新規受注は61.8と1.9ポイント上がり、小売業や教育サービス、金融・保険など幅広い業種で上向いた。雇用は50.2と1.1ポイント上がった。ゴールドマン・サックスは各項目の上昇を踏まえ「(米景気の)基調の強さを示した」と指摘した。数値が高いほど遅れを示すサプライヤーの納期に関する指数は54.5と3.3ポイント下がり、サプライチェーン(供給網)の混乱がやや和らいでいる様子も浮かんだ。
世界的なインフレでテレビやパソコン(PC)、スマートフォンなどに使う液晶パネルの需要が鈍化している。調査会社がまとめた2022年の世界需要予測は前年比2.1%減と、ここ数年の右肩上がりの成長にブレーキがかかる。消費者の生活防衛意識が強まり、家電・デバイス製品の販売が落ち込むためだ。パネルメーカーは生産調整を迫られている。
●市況
※9/7 9時20分頃
備忘録(9/5)
●中国・ロシア・東欧
中国四川省の省都、成都市は住民2100万人の大半を対象に新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を延長した。一方、テクノロジー企業が集積する広東省深圳市も多くの地区で移動制限を設けている。
成都市政府は全ての屋内娯楽施設や学校を引き続き閉鎖し、店内飲食も認めないと説明。4日夜の声明では、市中感染ゼロをできるだけ早期に実現するため、7日まで大規模検査を続ける方針を明らかにした。
中国貴州省の省都、貴陽市は5日、市内の一部を封鎖した。同国南西部で新型コロナウイルスの新規感染者急増が続いている。
人口610万人の貴陽市の新規感染者は5日午前時点で132人と、前日から28人増えた。貴陽市には吉利汽車などの自動車メーカーや寧徳時代新能源科技(CATL)といった電池メーカーが集積する。
リポートで示されたシナリオ3つのうち、2つでは経済縮小が来年に加速し、経済が戦争前の水準に戻るのは早くても2020年代末かそれ以降としている。「慣性」シナリオでは、経済は来年に21年の水準を8.3%下回る水準で底に達すると想定。「ストレス」シナリオでは24年に21年実績を11.9%下回る水準で底入れするとみられている。
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
格付け大手のS&Pグローバルは5日、楽天グループの長期発行体格付けを引き下げ方向の「クレジット・ウオッチ」に指定したと発表した。現在の格付けは「ダブルBプラス」。携帯電話など非金融事業の業績改善が遅れ、財務内容が一段と悪化する可能性が高まっていると判断した。
欧州の高級ブランド大手が中国で苦戦している。新型コロナウイルスの感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策で、中国の消費が冷え込んでいるためだ。各社は欧州事業に支えられて収益は堅調だが、世界でインフレが顕著で消費の減退が進む恐れがある。地域ごとの戦略にも影響を与えそうだ。
車載半導体大手の在庫が新型コロナウイルス禍前の水準に回復してきた。ルネサスエレクトロニクスなど4社の2022年4~6月期の在庫回転月数は平均3.48カ月と、19年の年間平均(3.51カ月)とほぼ並んだ。20年後半から続く需給逼迫は改善に向かっており、完成車メーカーなどの挽回生産につながる可能性がある。一方、半導体各社にとっては在庫が業績の下押し圧力となるリスクも浮上しつつある。
消化器系疾患や希少疾患、血漿(けっしょう)分画製剤など製品のポートフォリオが分散し、安定したキャッシュフローを計上できることを評価した。
武田は2019年1月にアイルランド製薬大手シャイアーを買収し、19年3月末時点で純有利子負債が5兆979億円まで膨らんでいた。資産売却に加え、主力薬の潰瘍性大腸炎・クローン病向け治療薬「エンティビオ」の販売が堅調で、22年6月末時点で純有利子負債は3兆4462億円に減少した。R&Iは「一定のペースで財務バランスの改善が続く」としている。
ドラッグストアチェーンの米CVSヘルスは在宅医療の技術・サービスを提供するシグニファイ・ヘルスを約80億ドル(約1兆1200億円)で買収することで合意した。両社は2023年上期(1-6月)の買収完了を見込んでいるという。CVSは小売業の原点を超えて事業拡大を続けている。
CVSのカレン・S・リンチ最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「シグニファイは当社のヘルスケアサービス戦略を推進する上で重要な役割を果たし、価値に基づくケアの成長を加速させるためのプラットフォームを提供するだろう」と説明した。
●決算関連
●マクロ・その他
世界で展開するインターネットサービスで日本の割安感が際立っている。米ネットフリックスや米アマゾン・ドット・コムなど、主要な動画・音楽配信サービスの平均で月937円と英国や米国の6割にとどまる。韓国よりも低く、サウジアラビアやメキシコに迫る水準だ。対ドルで24年ぶりの円安水準となるなか、家電や食品だけでなく幅広い分野で「安いニッポン」の実態が浮き彫りになっている。
10月の原油生産量を9月より日量10万バレル減らすと決めた。2021年初から続けてきた段階的な増産を打ち止めとした。世界の需要鈍化やイラン産原油の国際市場への復帰を警戒し、小幅ながら減産に転じる。
OPECプラスはオンライン閣僚協議で、10月の生産目標を合計で日量4385万バレル強に引き下げた。10万バレルは世界の需要の0.1%にすぎず、実際の需給への影響は限定的とみられる。ただ産油国が相場下落へのけん制を強めたとの見方から、ニューヨーク市場の原油先物は同日一時1バレル90ドル台と前週末比4%上昇した。次回協議を10月5日に開く。
背景にあるのは世界の景気減速だ。9月に入り米国ではドライブシーズンが終了する。中国でも新型コロナの感染が再び拡大し、一部の都市で都市封鎖(ロックダウン)が実施されるなど経済活動が抑制されつつある。インフレ抑制のための各国中央銀行の積極的な金融引き締めは原油需要を鈍化させかねない。ニューヨーク原油先物は8月の年初来高値より3割安い水準で推移していた。
国際エネルギー機関(IEA)の8月の月報によると22年7~9月の原油需給は日量90万バレルの供給過剰となり、23年後半まで供給過剰が続く見通しだ。供給減が懸念されたロシアはウクライナ侵攻後も原油生産を大きく減らしていない。IEAはロシアの生産は侵攻前に比べ日量31万バレルの落ち込みにとどまり「従来予想より減少が限定的になった」と認めた。
アブドルアジズ氏の発言は、イラン産原油が国際市場に復帰することへの警告でもあったとの見方がある。仮に米国の制裁が解ければイランは原油増産に動き、需給が緩む。IEAによるとイランには日量130万バレルの増産余力がある。世界需要の1%強に当たる。
イラン外務省は核合意再建に向けた米国との間接協議を巡り、2日に意見を再度送ったと発表し「建設的なアプローチだ」と強調した。米国務省は「建設的ではない」とし、決着には時間がかかる見通しだが制裁解除の市場への影響は大きい。
イランが老朽化した原油生産設備を修復し、生産を戻すには時間がかかるものの「制裁で販売が滞っていた間に余剰原油を洋上タンカーに大量に蓄積しており、半年程度にわたって日量50万バレル程度を供給できる」と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之氏はみる。
党首選で最大の争点だったのが、10%を超えるインフレの主因であるエネルギー価格対策だ。トラス氏はこれまでに国民保険料の引き下げなど国民の負担軽減策を掲げていた。
党首選の最中に10月から光熱費が9月までと比べてさらに8割上昇するとの試算も出たことから、トラス氏は1週間以内に家計と企業への追加対策を表明する見通しだ。
ウクライナ危機を巡って英国は、ジョンソン氏がキーウ(キエフ)に電撃訪問し、英軍がウクライナ軍の兵士を訓練するなど西側諸国の中でも支援を鮮明にしてきた。トラス氏は党首選で「ウクライナが勝利し、プーチンが失敗するまで私はあきらめない」と訴えており、ジョンソン路線を継続する方針だ。
欧州連合(EU)離脱以降、関係が冷え込む対EU外交でも手腕が問われる。トラス氏は摩擦が続く英領北アイルランドでの通商ルールを巡る問題で、簡単に妥協しない方針で英国のEUへの強硬姿勢は続きそうだ。
対ドルのユーロ安が進む欧州で、ハンガリーなどユーロを導入していない国の通貨の下落が目立つ。ウクライナ危機によるエネルギーの供給問題は同じだが、通貨の取引量が少ないため売られる影響は大きく、下落幅はユーロを上回る。一部では国債の信用格付け見通しも引き下げられた。これらの国の景気が減速すれば、欧州全域に影響を及ぼす懸念がある。
新憲法草案の承認の可否を問う国民投票が行われ、反対多数で否決された。軍政下で制定された現行憲法に代わるものだったが、先住民や女性の権利を手厚く盛り込む急進的な内容を懸念する国民が上回った。新憲法の制定を後押ししてきた左派のボリッチ政権にとっては打撃となる。
ソウルの高級住宅地、江南(カンナム)地域の不動産相場がぐらつき始めた。韓国銀行(中央銀行)の1年にわたる引き締めサイクルが、国内の高級不動産市場を圧迫している。
韓国不動産院のデータによると、江南地域の全域でマンション価格が4週連続で下落した。韓国中銀が昨年8月に利上げを始めて以来、月間初の値下がりとなる方向だ。
江南地域の不動産相場軟化は、金融引き締めの影響が今や韓国の上流層に及び始めていることを示唆している。
韓国中銀の李昌鏞総裁はブルームバーグに対し、住宅市場の調整は避けられず、望ましい要素もあると発言。ただ、不動産市場と家計債務に対する懸念などから同中銀は小幅な利上げに戻らざるを得なかった。
ナイトフランクのプライム・グローバル・シティーズ指数が対象とするソウルの住宅のうち、江南地域のマンションは圧倒的多数を占める。同指数は昨年、2008年以来の大幅上昇となったが、今年に入り減速している。
ナイトフランクの国際住宅調査責任者ケイト・エバレットアレン氏は「経済的な逆風が強まる中で、第3四半期(7-9月)に指数の伸びは一層鈍化するとみている」と予想。ただ、プライム指数は住宅市場全体の指数をアウトパフォームすると見込まれるとし、住宅ローンへの依存が低いため金利上昇による影響も比較的小さいからだと説明した。
ナイトフランクによると、江南地域を中心とするソウルの高級不動産価格は過去1年間で20.9%上昇し、東京や台北を上回ってアジアの都市で最も高い値上がり率を記録した。
ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらは、3カ月後のドル・円の見通しを1ドル=145円と、従来の125円から円安方向に修正した。日米の金融政策の方向性の違いや株安によるリスクオフがさらなる円安・ドル高につながるとみている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が、金融環境指数(FCI)が示唆する緩和的な状況に対抗し続け、米国の一段の金利高と株安に伴うリスクオフの動きがある限り、ドル・円が上昇を続けることにほとんど支障はない、とカマクシャ・トリベディ氏らストラテジストがリポートで指摘した。
ストラテジストらは米国のターミナルレート(利上げの最終終着点)にさらなる上昇リスクがあることや日本銀行が黒田東彦総裁の任期が終了する2023年4月まではイールドカーブコントロール(YCC)政策を維持するとの見込みから、ドル・円はさらに上昇すると指摘した。
もっとも中期的に円高が進むとの見方は継続。米景気後退リスクや日本のインフレリスクの高まり、日銀総裁の交代を背景に、円の極めて割安なバリュエーションがパフォーマンスの要因となり、ドル・円は6カ月後に135円、12カ月後に125円へ向かうとみている。
ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムは2日、欧州向けにガスを供給する主要パイプライン「ノルドストリーム」の稼働を当初の予定通り再開できないと発表。これを受け、ドイツなど欧州主要国は家計支援やエネルギー価格高騰対策を相次ぎ打ち出した。一方、消費者物価の高騰を受けてECBには金融引き締めの圧力がかかっており、8日の政策委員会で0.75ポイントの大幅利上げに踏み切るとの観測が強まっている。
IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、「冬に向けエネルギー供給が意識されるし、インフレが2桁台に上がる可能性が高いため、ECBは利上げせざるを得ないが、供給サイドの問題なので高インフレが抑えられるか分からず、景気の先行きリスクが意識されるのは当然」と指摘。「景況格差としては米国の方がユーロ圏よりまし」だとし、ユーロ・ドルは新たな下値ポイントを探る展開とみている。
ECBも南欧発の債務問題には目配りをしている。新型コロナ危機対応で導入した資産購入の特別枠を使い、イタリアなど財政不安の強い南欧の国債を集中的に買い増すことを決めた。イタリアの長期金利は6月に4%超と年初来の高水準まで上昇したものの、債務危機時の7%と比べれば低い水準に抑え込んでいる。
国際金融協会(IIF)の分析によると、イタリアの政府債務の3分の1程度をECBが支えている。リスクに見合った金利を求める投資家はイタリア国債市場から姿を消しつつあり、個人投資家はもはや同市場に「存在しなくなった」とIIFチーフ・エコノミストのロビン・ブルックス氏は指摘する。
さらに、ECBによるイタリア国債の買い支えには、財政規律の緩みを恐れるドイツなどが反発している。ECBが万が一にもはしごを外せば、イタリア国債を抱える欧州の金融機関への打撃は計り知れず、金融システム自体が揺らぎかねない。
インフレ抑制へイングランド銀行(中央銀行)の積極的な金融引き締めが当面続くとの見方に加え、市場では今後の財政拡張に警戒感が根強い。トラス氏は5日、与党・保守党の党首に選出後の演説で「減税と経済成長のための大胆な計画を示す」と強調した。
英HSBCは新政権を展望する5日付リポートで、英政府は22年度に870億ポンド(約14兆円)の追加借り入れが必要になるとの推計を示した。トラス氏が採る施策によっては一段と上振れする可能性があり、従来の財政ルールを逸脱する可能性が強まっていると指摘した。
気温がセ氏43.3度を超える中、家庭や企業のエアコン使用が増加しており、電力需要は2017年以来最大になる見込みで停電の可能性が高まった。
同州の送電系統を管理する独立系統運用機関(CAISO)のエリオット・メインザー最高経営責任者(CEO)はこの日の記者会見で、「きょう中の計画停電はあり得る」とし、停電回避のためには消費者は節電を2、3倍増やす必要があるだろうと述べた。
この日の節電でも電力需要に追いつかない場合はレベル2の電力網緊急事態を宣言すると同氏は説明。計画停電は最後の手段になるだろうと語った。
●市況
※9/6 8時30分頃
備忘録(9/2-4)
●中国・ロシア・東欧
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が運営するスマートフォンの工場などがある地域が含まれる。封鎖が長引けば関連産業のサプライチェーン(供給網)にも影響が広がる恐れがある。
広東省政府によると、深圳市の感染者数(入国者を除いた市中ベース、無症状含む)は9月1日に87人だった。8月29日以降、4日連続で数十人の感染が生じている。移動や飲食店の利用などを制限する地域を順次設けており、世界有数の電気街「華強北」では電子部品の卸売業が集積する商業ビルも営業を一時的に停止した。
中国では新型コロナの感染拡大を受け他地域でも封鎖が相次いでいる。西部の四川省成都市が9月1日から事実上の大規模な都市封鎖(ロックダウン)に踏み切り、北京市周辺や東北部、南部なども移動を厳しく制限し始めている。
S&Pグローバルは0.97兆~2.44兆元(約20兆~50兆円)の住宅ローンが不払いリスクにさらされると推計。引き渡し遅れへの不安から22年の住宅販売額が前年比28~33%減少すると予想した。同社の廖美珊氏は「資金繰りが厳しい業者から家を買う人が減り、業者はますます苦境から抜け出すのが難しくなる」と話す。
中国当局は住宅ローン金利下げにつながる利下げを決めたものの、個人の不安解消にはほど遠い。1~7月の住宅販売面積は前年同期比27%減だった。オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)の謝棟銘氏は「当局の政策緩和に市場の反応が鈍い。こんなことは初めてだ。不動産セクターは悪循環に陥っている」と指摘する。
国際決済銀行(BIS)によると、21年末の中国の非金融部門の民間債務は国内総生産(GDP)の214.4%と、日本のピーク(1994年末、214.2%)を上回る。
日本のバブル崩壊の引き金を引いたのは、旧大蔵省による不動産融資の総量規制だった。中国も当局が不動産会社に厳しい財務指針「3つのレッドライン」を課し、資金繰り悪化と市場低迷を招いた。
中国の商業銀行の不良債権比率は6月末に1.67%と、1年前に比べて0.09ポイント低下した。ただ、中国の銀行は資産査定が甘く、公式データは実態を反映していないとの指摘が根強い。関氏は上場企業の財務データから20年末の潜在的な不良債権比率を8%と試算し「金融機関の連鎖的な破綻が起きてもおかしくない」と話す。
UBSウェルス・マネジメントによると、不動産投資は中国のGDPの25~30%を占め、土地売却に伴う収入は地方歳入の30~40%に上る。住宅ローンの支払い拒否が続き、銀行の不良債権が急増する同社の悲観的なシナリオでは、22年の成長率が3%未満に落ち込む。
大和キャピタル・マーケッツ香港の頼志文氏は、中国が資産の投げ売りが始まる「ミンスキー・モーメント」に直面していると断じる。「不動産価格が右肩上がりで、成長率が6~8%だった時代には高水準の債務比率を維持できた。成長が続かず、住宅市場が崩壊し、一般企業、不動産会社、個人のいずれも返済能力が十分でない」と説明する。
実効性は未知数の部分がある。G7の思惑に反してロシアが上限以下の取引をやめ、国際価格が上昇する可能性がある。ほかの国がどれだけ同調するかも効果を左右する。世界の船舶保険でG7の影響力が大きいとはいえ、賛同しない国の保険会社を使えば価格に上限はない。
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
2022年1~6月に旅客を運んだ距離の合計である有償旅客マイル(RPM)の新型コロナウイルス感染拡大前からの回復ぶりをみると、北米や中南米の格安航空会社(LCC)が上位に入った。水際対策の緩和の差が明暗を分けた格好で、アジア勢は軒並み下位に沈む。アジアは観光需要の回復が遅れるとの見方が強く、産業再生で出遅れかねない。
●その他産業
同社は既存の中核資産の活用と補完により医療・ヘルスケア戦略を進めている。例えば、2020年には「Microsoft Cloud for Healthcare(マイクロソフト・クラウド・フォー・ヘルスケア)」をリリースし、アジュールとクラウド人工知能(AI)基盤を同社の医療・ヘルスケア戦略の中核に据えている。
●決算関連
●マクロ・その他
ドイツ政府は4日、新たに650億ユーロ(約9兆円)規模のインフレ対策を導入すると発表した。光熱費の補助など家庭への支援を拡充する。財源としてエネルギー会社への課税を強める。ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高でインフレが加速するなか、大規模な財政措置で国民の負担軽減をめざす。
主要品種の「熱延コイル」は、東アジアや米国で4月の直近高値より4割安い。新型コロナウイルス禍からの経済回復やウクライナ危機で高騰していたが、中国の景気停滞による需要減などが影を落とす。高値が続く日本国内の鋼材にも影響する可能性がある。
イタリアの前倒し総選挙が9月25日に迫った。保育所の無償化などを掲げる野党で極右の「イタリアの同胞(FDI)」が、物価高に苦しむ有権者の支持を集め第1党をうかがう。欧州連合(EU)第3位の経済規模を持つイタリアで極右主導の政権が誕生すれば、民主主義陣営の結束を弱める恐れがある。
入れ替わるように「ユーチューブ」や「ティックトック」などの動画系SNSが台頭し、若年層の「可処分時間」の奪い合いで優位に立っている。
米カリフォルニア州パロアルトの高校に通うエレナさん(16)は国内外の友達とつながるために複数のSNSを使い分けているが、米メタが提供するフェイスブックはアカウントを持っているだけで普段は全く触らない。利用者層は親世代というイメージが強く、「友達との話題にものぼらない」という。
利用者が増えるほどサービスの価値が高まる「ネットワーク効果」によって世界で19億人超が使うまでに成長したフェイスブックだが、近年は若年層への浸透に苦戦している。米調査会社のピュー・リサーチ・センターが米国に住む13~17歳を対象に実施した調査によると、2014~15年に71%だった利用率は22年には32%に落ち込んだ。
総額440億ドル(約6兆円)の買収をめぐって米起業家イーロン・マスク氏との法廷闘争に突入した米ツイッターも同様だ。14~15年に33%あった10代の利用率は22年には23%にまで低下した。サービス開始から約16年が経過し、利用者の年齢層は上昇傾向にある。
フェイスブックを押しのけ、22年の調査で10代の利用率が95%となり圧倒的なトップだったのが米グーグルのユーチューブだ。中国発のティックトックも67%で2位となるなど、動画系SNSの米国の若年層における人気ぶりが鮮明になった。
8月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月から31万5000人増えた。52万6000人増に修正された前月から伸びが縮んだものの、高い水準が続いている。失業率は3.7%となり、前月の3.5%から上昇した。上昇は7カ月ぶりとなる。
日経先物(大証)27627、ダウ先31404、債先148.86、米3.195、独1.5065、仏2.131、西2.658、伊3.796、波6.036、原油88.23、ドル円140.41、墨ペソ19.96、トルコリラ18.2286、墨CDS161
※9/5 9時15分頃
●中国・ロシア・東欧
中国が四川省成都市をロックダウン、1日夜から-ゼロコロナ継続
中国四川省の省都、成都市は新型コロナウイルス対策として、1日午後6時(日本時間同7時)からロックダウン(都市封鎖)を実施する。約2100万人の住民に対し、特別な事情を除いて原則自宅にとどまるよう命じた。
中国の都市では約2カ月に及んだ上海市のロックダウン以来の規模。市民生活や企業への影響が避けられず、国内外の経済にも余波が及ぶと見込まれる今回の措置は、習近平指導部の「ゼロコロナ」政策に対するコミットメントの強さを示す。
成都市が報告した8月31日のコロナ新規感染者は157人だった。中国の国内総生産(GDP)の約1.7%を占める同市はテクノロジー企業や自動車メーカーの集積地として知られており、トヨタ自動車などが進出している。
電子機器の受託生産大手、フォックスコン・テクノロジー・グループも現地でアップルの「iPad(アイパッド)」を生産している。また、米インテルなど外資系企業も同市に施設を有している。
ロシア、700億ドル相当の購入を検討-人民元など「友好国」通貨
ロシアはルーブルの急騰を抑えるために今年、最大700億ドル(約9兆7500億円)の外貨を購入することを検討している。中国人民元など「友好的」な国の通貨が対象だという。
その後は投資資金を確保するため、3-5年をかけて保有する人民元を売却する計画。
この案は、ロシア政府が10年余り続けてきた経済政策を事実上反転させることになる。プーチン大統領のウクライナ侵略を受けた米欧などからの制裁で、ロシアは戦略を転換している。
事情に詳しい関係者が非公表の情報だとして匿名を条件に述べたところによると、計画は政府高官とナビウリナ総裁らロシア中央銀行当局者による8月30日の特別「戦略」計画会議で当初の支持を得た。
こうしたアプローチは、米欧の制裁がロシアに経済戦略変更を迫ったことを浮き彫りにする。2月に始まったウクライナ侵攻に対する制裁で、ロシアは6400億ドルの外貨準備の約半分が凍結されている。外貨準備をドルとユーロ以外に分散化する取り組みの効果も限定的だったことが明らかになった。
戦略計画会議のために準備されたプレゼンテーションは「新たな状況の下では、将来の危機に備えて流動性の高い外貨準備を積み上げることは極めて困難であり、また得策でもない」としている。
ロシア政府は原油相場の変動に対応するためドルやユーロでの外貨準備を確保してきたが「凍結された3000億ドルはロシアの役に立たない。むしろ脆弱(ぜいじゃく)性と機会喪失の象徴だ」とプレゼンテーションで認めている。ブルームバーグが非公開文書の写しを確認した。会議について知る関係者は内容を確認した。
中国消費者の慎重さ、衛星データが裏付け-物流低迷でGDP下押しか
中国小売業の活動が8月は横ばいだったことを人工衛星のデータが示している。電子商取引の需要は特に弱く、「ゼロコロナ」政策と失業率上昇を受けた消費者の慎重さが引き続き中国経済の足かせとなっている。
中国のeコマース企業が利用する配送センターでの活動は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった2020年よりもさらに落ち込んだ。こうしたエリアでのトラックの動きを追跡した8月17日までのデータで分かった。このデータは衛星画像を分析するニューヨークに本社を置くスペースノウとブルームバーグ・ニュースが共有している。
衛星データは電子商取引で中国最大手アリババグループなどの業績低迷をあらためて裏付けている。同社の4-6月期は上場来初の減収。 家計が支出を減らしており、低迷は続きそうだ。実店舗の小売業も不振で、ショッピングモール駐車場の車数変化は先月、21年8月の水準を大きく下回った。
徹底的にコロナを抑え込むゼロコロナ政策の厳格なロックダウン(都市封鎖)と広範な景気減速は、中国の一般世帯の将来に対する見通しを大きく損ね、消費意欲を弱めた。中国人民銀行(中央銀行)の調査によれば、将来の所得の伸びに対する信頼感は今年4-6月期に少なくとも09年以来の低水準となった。家計の貯蓄ペースは記録的だ。
国家統計局の消費者信頼感指数は4月にほぼ10年ぶりの低水準となり、以来ほとんど回復していない。
中国の製造業活動を測る政府の指数は先月も活動縮小を示し、8月の景気低迷を衛星データが立証している。物流企業G7コネクトのデータによれば、8月の都市間トラック移動は20%減少。専門家はこれが国内総生産(GDP)と相関性があるとしている。
スペースノウは調査リポートで、「消費者信頼が低下する前に流通センターでの活動が低下していた」と説明。「20年のコロナ禍でも流通センターの動きははるかに良かった」ことを明らかにした。ただ、ショッピングモールの活動は20年に初めてロックダウンとなった期間中に見られた低水準までには低迷していないともコメントした。
だが、衛星データは建設に関する複雑な状況を示唆している。8月のセメント生産量が大きく増加したものの、製鉄会社の在庫減少にもかかわらず鉄鋼生産量が減少したことが衛星データから見て取れる。
スペースノウは消費と建設が回復するかどうか、もしくは「弱さが製造業に広がり始めるかどうか」を注視することが重要だとしている。
英シェル、サハリン2新会社に不参加 ロシアに通知
英エネルギー大手シェルは1日、ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、新たな運営会社に出資しない方針をロシア政府などに通知したと明らかにした。サハリン2を含むロシアの全事業から撤退する方針を表明済みで、新会社への不参加は既定路線だった。
●中東
●感染症
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
カリフォルニア「最後の原発」延命へ 電力難・脱炭素で
米カリフォルニア州議会は1日未明、同州最後の原子力発電所「ディアブロキャニオン原発」の運転期間を5年間延長して2030年までとするための支援策を可決した。総額14億ドル(約2000億円)を投じ、電力の逼迫に対応するほか、脱炭素の電源として活用を続ける。
●その他産業
携帯3社値下げ、減益影響3000億円規模 会社予想超えも
NTT傘下のNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手携帯3社の2023年3月期は、携帯料金値下げによる減益要因が合計3000億円規模になる見通しだ。菅義偉前首相が主導した「官製値下げ」で昨春に低価格ブランドを投入した影響が続いている。足元でも低価格ブランドなどへの乗り換えが活発なことで、会社予想を超える規模になるとの見方もある。非通信事業の強化などの施策の重要性が高まりそうだ。
仏ルノー、エンジン車分離で出資企業募る
仏自動車大手ルノーが、既存のエンジン車事業を本体から分離する計画を掲げ出資企業を募っている。同事業は仏国外を拠点にした別会社とし、車メーカーなどに出資を打診しているもようだ。欧米メディアによると中国大手の名前があがっている。電気自動車(EV)事業の分社に加え、エンジン車も別組織にすることで経営の効率化を急ぐ。
JFE電炉転換27年にも 倉敷市の高炉、鉄鋼大手で初
岡山県の高炉1基を2027年にも大型電炉に転換する方針を発表した。鉄鋼業界は二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、高炉より排出量が少ない電炉の活用などが迫られている。大手鉄鋼メーカー3社で高炉を大型電炉に転換するのはJFEが初めて。
電炉転換を検討するのは西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)の「第2高炉」。同高炉は今後5~6年で設備更新に入るタイミングだが、更新せずに休止する。代わりに大型電炉を建設する方針だ。JFEが国内に持つ高炉は全6基となる。
[FT]窮地のインテル 大改革へ カナダ社から投資、受託生産も
英競争当局、マイクロソフトの9.5兆円買収に懸念
米マイクロソフトによる米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収について競争上の懸念を表明した。両社が5営業日以内に適切な対応を示さなかった場合、より詳細な調査を始めると通告した。英メディアによると、687億ドル(約9兆5000億円)の大型買収について懸念を公式表明したのは世界の当局の中でCMAが初めて。
米国、NVIDIAに輸出規制 中国・ロシア向け半導体で
米半導体大手エヌビディアは1日までに、米政府から一部GPU(画像処理半導体)製品の中国、ロシア輸出について政府承認を課したという通知があったと明らかにした。GPUは人工知能(AI)の演算用途などに使われる半導体。米政府は軍事用途に使用されたり、転用されたりするリスクに対応するとしているという。
アルコア、一時4%安 欧州製錬所の一部停止嫌気
8月31日の米株式市場で、アルミニウム製錬大手のアルコア株が一時前日比4%安と4日続落した。電力価格高騰を受け、同社は主力拠点の一つであるノルウェーのリスタ製錬所で生産能力の3分の1を削減すると30日に発表。ノルウェーでは別の製錬所でストライキが発生したばかりで、欧州事業の先行き不透明感が強まっている。
高性能半導体の対中輸出、米が新規制で制限へ-エヌビディア株急落
米政府は安全保障上のリスクを理由に中国向け輸出に対する規制を強めている。中国は米国への依存を減らすため国内半導体産業の育成に取り組んでいるが、重要な電子部品に必要な半導体の設計・製造技術はなお米企業が支配している。
米当局の行動は、華為技術(ファーウェイ)など問題があると見なされた個別企業を標的としてきたが、特定の高性能半導体の製造装置の供給を制限しようとするなど、徐々に範囲を広げつつある。中国向け輸出禁止の対象が全種類の半導体に広がれば、中国経済への痛手となり、一部米企業の売り上げを損なうことにもなりかねない。
エヌビディアは売り上げの約4分の1を中国に依存している。一時的に規制が緩められても、中国でサーバー用半導体を多数利用する巨大データセンターの運営業者など最大級の顧客にこれら製品を販売できる公算は小さいと考えられる。
カウエンのアナリスト、マット・ラムゼー氏はリポートで、「エヌビディアがH100の開発を完了できなければ、その影響は今四半期の売上高が被る直接的なエクスポージャーよりもはるかに大きくなるだろう」と分析した。
AMDも米政府から同様の通知を受け取ったと8月31日に開示した。ただ、重大な影響は想定していないという。
輸出規制は中国向けとロシア向けに適用されるが、エヌビディア、AMDはいずれもロシアへの販売は既に行っていない。
米最大の半導体メーカー、インテルは、新たな規則による影響はないと説明。「米政府が新たな制限を引き続き検討しているとわれわれは理解しているが、輸出規制の新ルールは公表されておらず、現時点で当社の事業に変化はない。このプロセスを注意深く見守っている」と発表資料でコメントした。
米半導体マイクロン、2兆円で新工場 新法で投資相次ぐ
150億ドル(約2兆1000億円)を投資して米アイダホ州の本社地区に新工場を建設すると発表した。米国では半導体分野への補助金を盛り込んだ「CHIPS・科学法」などの法案が成立したことを受け、新たな投資計画を公表する動きが相次いでいる。
中国や欧州で半導体分野への巨額補助金が相次いでいることを受け、マイクロンやインテルなどの米半導体大手は米国で同様の制度を導入することを訴えてきた。527億ドルの補助金を盛り込んだCHIPS・科学法が8月9日に成立したことを受け、マイクロンは同日に米国で20年代末までに400億ドルを投じて生産を増強すると表明していた。
補助金や優遇策は米国における生産投資を後押しする一方、市場メカニズムを無視した増産や需給悪化につながるとの懸念もある。再生エネルギーなどの環境分野はオバマ政権下の10年前後に政府が重点的に支援した経緯がある。太陽光パネルなどへの投資が相次いだが、有力企業の一社だったソリンドラが経営破綻するなど立ち上げに苦戦した。
クレディ・スイス、事業見直し巡り協議-取締役会が今後見据え
●決算関連
●マクロ・その他
円140円台に下落、24年ぶり円安水準更新
ブラジル4~6月GDP3.2%増 景気刺激策で消費堅調
2022年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で3.2%増となった。ボルソナロ政権が実施した現金給付策の拡充や減税策で、家計消費が堅調に推移した。もっとも需要の先食いとの見方が多く、先行きへの懸念はむしろ強まっている。
景気のけん引役は家計消費だ。前年同期比で5.3%増えた。全国商業連合(CNC)によると8月の世帯消費意欲指数は82.1と、20年4月(95.6)以来の高水準だった。物価高は依然深刻なものの、雇用の拡大が消費を後押ししている。5~7月期の失業率は9.1%と2~4月(10.5%)から低下した。
ただ堅調な消費は新型コロナ禍による落ち込みの反動という面もある。政府による現金給付策の拡大や減税策によって支えられている部分も大きい。自動車や家電など耐久財は需要を先取りしている側面もあり、今後の持続性には懸念が多い。
ブラジル中央銀行が民間エコノミストの予測をまとめて8月29日に公表した「FOCUS」では、22年の実質経済成長率は2.1%、23年は0.37%と見込まれている。22年は上方修正が続く一方で、23年は下方修正が目立つ。
中央銀行による利上げも続く。21年3月から22年8月まで12会合連続で利上げを決めており、政策金利は13.75%になった。累計の上げ幅は11.75%に達しており、個人の住宅ローンなどの債務返済の遅延が目立つようになっている。
ブラジル大統領選、低所得者支持焦点に 現金給付策競う
10月2日投票のブラジル大統領選で、優勢な左派のルラ元大統領(76)と現職の右派ボルソナロ大統領(67)の両候補が現金給付策を相次ぎ打ち出している。貧富の格差が大きく、低所得者の支持が選挙結果を左右するとみられているためだ。ばらまき策競争が続けば、やや改善傾向にある同国の財政状況は再び悪化しかねかない。
豪で人手不足深刻に 政府や産業界が会合
新型コロナウイルス禍からの経済回復が進むオーストラリアで人手不足が深刻になってきた。7月の失業率は3.4%と48年ぶりの低水準で、企業は労働者確保のための賃上げを迫られている。インフレと人手不足は豪経済の重荷となりかねず、政府は1日、首都キャンベラで大手企業の経営者や労働組合の代表などを招き対策を協議した。
賃上げに加え、燃料費の上昇も企業収益を圧迫する。企業がコスト高をモノやサービスの価格に転嫁すれば、4~6月期に前年同期比6.1%上昇した消費者物価指数(CPI)はさらに上振れしかねない。
豪州は移民を積極的に受け入れて経済成長につなげてきた歴史を持つ。だが新型コロナを受けて2020年3月、豪政府は厳しい出入国制限や外出規制を導入した。
サービス業を中心に豪経済は大きな打撃を受け、失業率は同年半ばに7.5%まで上昇した。20年後半に外出などの規制が緩和されると経済は回復、雇用も改善した。
一方で、外国人の原則入国禁止は継続された。豪州に入国した人の数から同国を離れた人を差し引いた「純移民数」は21年6月までの1年間でマイナス8万9千人と、第1次世界大戦以来の大幅減を記録した。
大型の財政出動を受けたインフラ投資の活発化などもあり21年から資源業界などで労働者不足が顕在化。22年には人手不足は幅広い職種に広がった。
雇用問題に詳しいオーストラリア国立大学のジャイルズ・ハースト教授は人手不足が長引けば「採用コストの上昇などで経済成長を阻害する要因になる」と指摘する。そのうえで今後は「職業訓練と職場への定着率の向上、必要な技能を持った人を活用できる柔軟な雇用体系」が必要になるとの見方を示した。
[FT]反米ベネズエラに接近する左派のコロンビア新政権
【NY外為】ドル上昇で一時140円台、ISM製造業指数が予想上回る
米ISM製造業総合景況指数、8月は52.8で横ばい-予想51.9
8月の製造業総合景況指数は52.8と、前月から横ばい。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は51.9だった。同指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す。
英企業の借り入れコスト、10年ぶり高水準-インフレ加速直撃
英国で優良企業の借り入れコストが大きく上昇し、約10年ぶりの高水準に達した。インフレ加速が企業セクターを直撃している。
投資適格級のポンド建て社債から成る指数が示す利回りは8月31日時点で5.007%。2012年5月以来の高水準で、今年初めの倍以上となった。
メキシコへの送金、7月は16.5%増 米雇用逼迫で
外国からメキシコへの7月の送金額が前年同月比16.5%増の52億9700万ドル(約7400億円)になったと発表した。メキシコ出身者の主な出稼ぎ先である米国の労働市場は逼迫した状況が続いており、当面は送金の増加が続く可能性がある。
ドイツ電力先物価格、3日間で半分以下に下落-EUが市場介入策検討
ドイツの1年物電力先物価格はメガワット時当たり1000ユーロ(約14万円)を超えた8月29日の最高値から一時54%下落。
●市況
日経先物(大証)27665、ダウ先31665、債先149.34、米3.263、独1.5620、仏2.175、西2.768、伊3.915、波6.130、原油87.31、ドル円139.98、墨ペソ20.17、トルコリラ18.2036、墨CDS161
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