2024年4月14日日曜日

CFA受験体験記

これから受験される方のお役に立てばと思い、少しずつ書き加えていきたと思います。リクエストなどあればコメントなど下さい。

<更新履歴>
2024年4月14日;バックグラウンド、受験のきっかけ、受験履歴、使用教材・勉強法、試験の感想を更新

 <バックグラウンド>
2010年大学卒業(経済学部)
銀行や生保で債権回収、円債ポートフォリオの管理、社債・ソブリンの調査やプロジェクトファイナンスの審査に従事
証券アナリスト合格(2013年)、TOEIC825点(大学生の頃)

<受験のきっかけ>
米国・ニューヨークに半年間トレーニーとして派遣された際、せっかく米国に来たので何か米国の資格を取得しようと思い、CFAとUSCPAの受験を決意(しかしUSCPAは水が合わずFARのみ合格でドロップアウト。CFAが終わったので再受験も考えてなくはないが、そこまで強い思いはないかな)

<CFA受験履歴>
2019年12月;Level11を受験して合格(この時はまだペーパーテストの時代でした)
2021年8月;Level2を受験するも不合格
2023年5月;Level2を受験して合格
2024年2月;Level3を受験して合格

<使用教材・勉強法>
前提;基本的に家で勉強できないタイプの人間なのでスタバやオフィスで勉強していました。なので何冊もテキストを持ち運ぶことができず。。。あと、問題を解いてわからない箇所は解説やテキストで確認していくスタイルを貫いています
Level1;Wileyのテキストを買ったが6冊もあって持ち運ぶのに不便かつ量も多いので殆ど読まず。大野さんが書いた書籍を辞書として参照しつつ基本的には教会が出しているPractice  ProblemとMockを繰り返し解く→わからない箇所は大野さんの本やネットで解説を確認するスタイル。多分、問題は3−4周解いた
Level2;1回目の受験時、2回目の受験時ともに、大野さんの本(Level2Ver)を辞書として活用。Wileyが出しているまとめ集みたいな本も買ったがほぼ開かず。前回同様にPractice  ProblemとMockを解きながら知識の定着を図るスタイルを継続。1回目の受験時の敗因は演習量不足。それを反省し、2回目受験時はPractice  Problem、Mockともに5−6周解き、Mockはほぼ満点が取れる位までやり込んだ。
Level 3;協会テキストを1周読んだ(7−9月頃)あとは、Practice Problemを 3周程度やって、直前1ヶ月はMockも交えて演習を繰り返す。SchweserのSecret Sourceもメルカリで買って(2021年版だったかな)、まとめ集として活用。「選択肢問題の回答を簡潔に答えられるように」という視点で問題を繰り返しといた。試験前1週間の時に、Mockと過去問 3年分の答えをエクセルでまとめてみたりもした(単語カードのようなイメージで活用したかった)。これはもっと前にやっておくべきだったか。

<試験の感想>
Level1;旧時代だったからなのかもしれないが時間がない。解き終わった後に計算ミスなど検証するのは難しい印象
Level2;こちらは時間にかなりゆとりがある。急いで解く必要はない。
Level3;午前午後ともに記述パートが含まれるので、時間がない。論点を瞬時に把握できるよう身体に染み込ませる必要がある印象

2024年4月2日火曜日

備忘録(24/4)

備忘録(2024/4/15
●決算
米ゴールドマン、第1四半期28%増益 投資銀業務回復 | ロイター
米金融大手ゴールドマン・サックス(GS.N), opens new tabが15日発表した第1・四半期決算は利益が予想を上回った。引き受け業務や債券取引などの回復に後押しされ、1株当たり利益は2021年第3・四半期以来の高水準となった。
利益は28%増の41億3000万ドル。1株当たり利益は11.58ドルと、アナリスト予想の8.56ドルを上回った。LSEGによると、2021年第3・四半期以来の高水準で、市場予想を上回った。
ゴールドマンの伝統的な主力事業である投資銀行業務は過去2年間は低迷していたが力強く回復。投資銀行部門の手数料は20億8000万ドルと、32%増加した。債券と株式売り出しの引き受け手数料のほか、M&A(合併・買収)業務による収入増が追い風となった。
債券、為替、コモディティー(FICC)トレーディング収入は10%増の43億2000万ドル。住宅ローンやストラクチャード・レンディングの融資収益の増加で押し上げられた。
株式は10%増の33億1000万ドル。ただコモディティー(商品)と金利商品はわずかに減少した。
資産・ウェルスマネジメント部門の管理報酬は24億5000万ドルと、四半期としては過去最高。運用資産も2兆8500億ドルと過去最高となった。
ゴールドマンは昨年、数千人規模のレイオフを実施。3月末時点の従業員数は4万4400人と、前四半期と比べて2%減少した。
デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は決算後の電話会議で「資本市場は再開に向けた初期段階にある」とし、新規株式公開(IPO)に対するリスク選好度が高まっていることや、債券引き受け業務が好調なことを挙げた。「米経済の健全性に対しては引き続き楽観的だ」とも述べた。
オッペンハイマーのアナリスト、クリス・コトウスキー氏は、ゴールドマンの決算はほぼ完璧な内容だったとし、利益押し上げ要因の大半が予想以上のパフォーマンスだったと語った。
JPモルガン・チェース(JPM.N), opens new tabとシティグループ(C.N), opens new tabも12日の決算発表時にディールメーキングの環境が改善しているとの見方を示した。ただ、米金利の先行き不透明感などが景気見通しに対するリスクだと指摘した。
ゴールドマン、1-3月増益-債券トレーディング収入予想上回る - Bloomberg
チャールズ・シュワブが上昇 決算はまちまちもCFOが自信を示す=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
米金融機関のチャールズ・シュワブ<SCHW>が上昇。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、経常収益とも予想範囲内となった。決算発表後に時間外で株価は下落していたものの、通常取引に入って上昇している。クロフォードCFOが、長期金利の上昇は同銀にとって好材料であり、純利ざやは2024年に拡大するとの見通しを示したことが好感されている。
アナリストは「経常収益は僅かながら予想上回り、資産運用および管理手数料も予想を上回ったが、トレーディング収益、純利ざやは未達だった」と評価している。また、「税制上の季節性が4月の資金動向に逆風となる可能性が高い」との指摘も聞かれた。
●海外企業
米銀の第1四半期決算、利益見通し不透明 金利動向読みづらく | ロイター
米主要銀行の第1・四半期決算では、米金利の行方が不透明なことから利益見通しを立てづらく、一部銀行は年末にかけて慎重な姿勢で臨んでいることが明らかになった。
米連邦準備理事会(FRB)が2022年3月から積極的な利上げを実施したことで、銀行は純金利収入(NII)が拡大して大きな利益を得られた。
しかしその効果が衰えてきたと同時に、3月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため利下げ開始時期が不透明になっている。
ウェルズ・ファーゴのマイケル・サントマッシモ最高財務責任者(CFO)は「このごろはNIIを予想するのが非常に難しい。さまざまなデータのぶれが激しい上、顧客が今後どう行動するか不透明な面があるからだ」と語った。
同行は第1・四半期のNIIが8%減少した。顧客がより利回りの高い預金性商品に流れるなどして資金調達コストが上がったことと、融資残高が減ったことが背景。同行は12日、今年のNIIは7―9%低下する可能性があるとの見通しを改めて示した。
JPモルガン・チェースも金利動向を予想する難しさを指摘した。ジェレミー・バーナムCFOは決算発表後のアナリスト電話会議で、現在の収益見通しは昨年第4・四半期時点とほとんど変わっていないが、「少し古くなりかけている現在のイールドカーブ」に基づいた見通しだと注意を促した。
同行のNIIは11%も増加したが、通年の金利収入はアナリスト予想を下回るとの見通しを示した。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はアナリスト電話会議で、金利とイールドカーブを予想しづらいとし、業績予想には「幅を持たせる必要がある」と指摘した。
シティグループのNIIは1%増加した。マーク・メイソンCFOは電話会議で、予想される年内の利下げ回数が少なくなったことで、業績見通しに「大きな影響はない」と述べた。
T・ロウ・プライスの投資アナリスト、テディー・オークス氏は、NIIが以前の予想より増えることは既に織り込まれているため、銀行が今の段階で楽観的過ぎる見通しを示すメリットはないと解説した。
独ファンドブリーフ銀行、最安値圏 米CRE融資を懸念 - 日本経済新聞
独ファンドブリーフ銀行の株価が過去最安値圏に沈んでいる。米地銀ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の大型損失で市場の警戒感が高まる中、米商業用不動産(CRE)向け融資の関連損失の追加発生が懸念される。
ファンドブリーフ銀の株価は2024年初から2割下落し、過去最安値圏で推移している。


インテルに期待の声 3月のノートPCの出荷台数が急増との最新データも=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
インテル<INTC>の株主にとって、今年は最悪の1年の始まりとなっており、半導体ファウンドリー事業が黒字化するまでにどれだけの時間がかかるのかという懸念から、同社株は年初来で27%以上下落している。
しかし、中には短期的に株価のパフォーマンスが上がると期待しているアナリストもいる。同アナリストは同社株に30日間の「ポジティブ・カタリスト・ウォッチ」を設定し、「中立」の投資判断と40ドルの目標株価も維持した。
3月のノートPCの出荷台数が2月から44%急増したという最新データを理由に挙げている。先週、調査会社カナリスが第1四半期の世界PC出荷台数を公表し、PC全体では前年比3.2%増、ノートPCは4.2%増だったと報告した。これはパンデミック時のPC需要ブームの後、2年間の落ち込みを経て、2四半期連続で出荷台数が増加したことを意味する。同社は来週4月25日に決算発表を予定している。
米政府、サムスン電子の半導体施設に補助金 最大64億ドル | ロイター
米商務省は15日、韓国サムスン電子のテキサス州中部の半導体生産拡張に最大64億ドルの補助金を支給すると発表した。
米国内の半導体生産を増やす取り組みの一環。2022年に成立した半導体・科学法(CHIPS法)に基づいて補助金を支給する。
政権当局者が記者団に明らかにしたところによると、航空宇宙、防衛、自動車産業向けの半導体生産を促進し、国家安全保障を強化する。
レモンド商務長官は、2つの半導体生産施設のほか、研究センター、パッケージング施設が今回の補助金の対象になると表明。サムスンがテキサス州オースティンの半導体施設を拡張することも可能になると述べた。
同長官は「(こうした投資により)米国は現在リードしている半導体設計だけでなく、製造、先端パッケージング、研究開発でも再び世界をリードできるようになる」と指摘した。
バイデン政権は、中国や台湾への依存から脱却するため国内での半導体製造強化に動いている。半導体産業協会(SIA)によると、半導体製造能力における米国のシェアは1990年の37%から20年には12%に低下した。
政権高官によると、サムスンはテキサス州内の施設の建設・拡張に20年代末までに約450億ドルを投資する予定。
テキサス州選出の上院議員ジョン・コーニン氏(共和党)は「最先端の半導体製造に投資することで脆弱なサプライチェーン(供給網)の安全性確保を支援し、国家安全保障と国際競争力を強化し、テキサス州で新たな雇用を創出する」と述べた。
●日本企業
Jフロント24年2月期、純利益2倍 高額品好調で - 日本経済新聞
物言う株主が都心高層ビルの「含み益」実現要求-地価上昇で広がりも - Bloomberg
●米大統領選挙
米報道各社、バイデン・トランプ両氏に討論会への出席表明を要請 | ロイター
●各国中銀
複数のECB幹部、6月利下げに賛同の構え 「インフレ来年2%へ」 | ロイター
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、インフレ率が予想通り鈍化すればECBが6月に政策金利を引き下げる可能性があると述べた。
同じく理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁も、ユーロ圏のインフレ率は低下していることから、6月に利下げを行う可能性は高いとの見解を示した。ただ、それ以降の道筋は不透明なため、当局がその後の約束を行うのは困難だと述べた。
焦点はすでに7月以降の動向に移っており、一部では追加利下げを主張する声もある。
一方、ECBのチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は15日、ユーロ圏のインフレ率は来年にはECBが目標とする2%に到達するとの見通しを示した。ただ当面は、現在の「でこぼこ」な道のりが続くとした。
米金融政策はなお制約的、年内に利下げ開始の公算─NY連銀総裁=TV | ロイター
日銀はインフレのみを重視することはない、政策決定で-報道 - Bloomberg
米利下げ観測が後退、11月より前の完全織り込み消える-強い指標で - Bloomberg
FRBが政策金利を6.5%まで上げる「現実のリスク」ある-UBS - Bloomberg
「景気拡大が底堅さ維持し、インフレ率が2.5%以上にとどまるようであれば、連邦公開市場委員会(FOMC)が来年早期までに利上げを再開し、フェデラルファンド(FF)金利が来年半ばまでに6.5%に達するという現実のリスクがある」とジョナサン・ピングル、バーヌ・バウェジャ両氏らUBSのストラテジストはリポートに記した。
こうした予想は、1980年代以降で最も積極的な利上げサイクルがまだ終わっていないかもしれないと、大手銀行が受け入れつつあることを示している。
一段の利上げが実施されるという「ノーランディングのシナリオ」は、米国債利回りカーブの急激なフラット化を促すと、同ストラテジストらは予測。ベンチマーク利回りは「有意に上昇」し、株式は10-15%下落するとしている。
ECBレーン氏、現在のディスインフレ局面が平坦でないのは必然 - Bloomberg
世界の中銀、大半が利下げへ-ペースは緩やか、景気への重し去らず - Bloomberg
●先進国、グローバル、金融市場
銅の強気相場、今後3年続く見通し 供給難とAI需要が支え | ロイター
銅の強気相場は、世界的な供給難に加えエネルギー転換や人工知能(AI)技術を支える堅調な需要に後押しされ、少なくとも今後3年間は続くとみられている。チリの首都サンティアゴで15─17日に開催される「CRU世界銅会議」を控え、業界アナリストが見通しを示した。
資源商社トラフィグラによると、AIサーバーを動かすデータセンターには2030年までにさらに100万トンの銅が必要になる。電気自動車(EV)は内燃エンジンを搭載した自動車の4倍の銅が使用されており、新たな需要が期待されている。
シティのアナリスト、マクシミリアン・レイトン氏は「銅の今世紀2回目の長期にわたる強気相場が定着しつつある」と指摘。向こう3年間で需要が供給を100万トン上回るとして、「今後2─3年間は爆発的な価格上昇の可能性がある」とした。
焦点:依然好調な米経済、インフレ続けば世界経済の圧迫要因に | ロイター
潜在成長率を上回るペースで成長を続ける米経済は世界経済を支える重要な柱だが、長引くインフレと金融引き締めの波及効果は、世界経済の「ソフトランディング(軟着陸)」に新たなリスクをもたらす恐れがある。
国際通貨基金(IMF)と世界銀行(世銀)は今週、ワシントンで春季総会を開催する。米国の驚くべき成功は労働供給や生産性の向上といった建設的な要因によるものか、それとも巨額の財政赤字が需要をあおりインフレを引き起こしているからかーー。この問題が短期的な世界経済の見通しの焦点になるかもしれない。
一つの答えは、米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が「黄金の道」と名付けた力強い成長とインフレ率の低下が同時に存在する道を支持するものだ。これは米国だけでなく、為替レートや貿易を通じて米国と結びついた他の国々でも起きている。
もう一つの答えは困難な道を指し示しているかもしれない。米国のインフレ率が低下するには需要が強すぎると米連邦準備理事会(FRB)が判断し、利下げを先送りしたり、場合によっては利上げを再開したりする場合だ。
米議会予算局(CBO)は最近、移民の増加と労働生産性の上昇を理由に潜在成長率の見通しを引き上げた。
この2つ要因が昨年の物価上昇ペースを驚くほどの速さで低下させ、一部で「完全なディスインフレ」と呼ばれる道を開いたことをFRB当局者は認めているが、その効果がどの程度まで及ぶかは不透明だ。
インフレ率を目標まで引き下げるには経済が強すぎる、あるいは金融情勢が緩和的すぎるとFRBが判断すれば、米経済が世界経済をけん引する現在の状況が一変し、世界経済を圧迫する可能性がある。
ハーバード大学教授でピーターソン国際経済研究所非常勤シニアフェローのカレン・ダイナン氏は「FRBは様子見モードに入っている」と見方を示し、今年は0.25%の利下げ1回のみになると予想した。
より引き締め的な政策により需要が鈍化し米経済が減速する公算が大きいとし、インフレの問題が続く限りより悪い結果を無視することはできないと指摘。「これはまさにソフトランディングの予測だが、米国と他の国々でリセッション(景気後退)のリスクがやや高まっていると思う」と語った。
米4月住宅建設業者指数は51で横ばい、上昇傾向は一服=NAHB | ロイター 
NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディエツ氏は「4月の結果が横ばいとなったことは、需要が伸びる可能性を示す一方で、金利の行方を見極めるまで買い手が購入を躊躇していることを示唆している」と指摘。また「最近のインフレ指標を受け、市場は金利はやや上昇すると見越しているが、われわれは依然として、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを発表し、住宅ローン金利は抑制されると予想している」とのコメントを出した。
米3月小売売上高0.7%増、予想上回る オンライン急増 | ロイター
2月分は従来発表の0.6%増から0.9%増に上方改定された。
これを受け、米連邦準備理事会(FRB)が利下げ開始時期を9月まで先送りするとの観測が高まった。
また、モルガン・スタンレーは予想を上回る小売売上高を受け、第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率予想(年率)を2.4%から2.7%に引き上げた。2023年第4・四半期のGDP成長率は3.4%だった。
キャピタル・エコノミクスの米国担当副チーフエコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「消費が引き続き底堅いことはFRBが利下げ開始をもう少し待つとみられるもう一つの理由だ。利下げは9月まで行われないだろう」と述べた。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシック氏は「経済活動が引き続き活発であればあるほど、インフレ率の低下は遅くなり、FRBが利下げに動く時期も後ずれする」とし、「消費支出とインフレ率の抑制が不十分なら、利下げは来年に先送りされる可能性がある」と指摘。オックスフォード・エコノミクスの米国担当副チーフ席エコノミスト、マイケル・ピアース氏も「6月の利下げはあり得ないわけではない」としながらも、後ずれする可能性があるとの見方を示した
NY連銀製造業景況指数、5カ月連続で縮小圏-仕入れ価格は上昇 - Bloomberg
【コラム】スタグフレーションの風も呼ぶ中東情勢の緊迫-エラリアン - Bloomberg
財政・金融政策といったリスク緩和手段が既にぎりぎりまで活用され、米国のインフレの粘着性が示される現状では、グローバル経済にスタグフレーション(景気停滞下のインフレ)の風が吹く脅威の高まりを彼らは考慮せざるを得ない。
原油高に弱い日本株 22年の再来警戒、80ドルが分水嶺か

イラン関連のヘッドラインの影響は2020年1月の経験と同じように大して長く続かないだろう。それを理由にクラッシュが先行したらその後のラリーを期待できそうであるし、逆に出尽くし上げが先行したら売れるタイプのイベントだと思っている。直前まではゴールド高、原油高、金利高のインフレトレードが続いていたのだが、イラン情勢が緊迫化すると「地政学リスク回避のゴールド買い原油買い」は起こらず、むしろそれらのアンワインドが目立った。つまり今のところイラン関連のヘッドラインは少なくともダイレクションを張るネタとしては重要視されていないと思われる。マクロネタは月曜寄付き前の小売売上高を通過すればしばらくない。
●中東情勢
イランから事前通告なし、イスラエル攻撃の時期・目標巡り=米高官 | ロイター
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は15日、週末のイランによるイスラエルへの報復攻撃について、イランから米国に対し攻撃開始時期や攻撃目標など一切事前通告はなかったと述べた。
両国が先週、メッセージを交換したと明らかにしたものの、内容については踏み込まず、イランが米国に事前通告したという報道は「完全に誤り」で「根拠がない」と言明した。
米国防総省も、米国はイランによるイスラエル攻撃を事前に知らされていなかったとし、米国はイランとの衝突を望んでいないという考えを示した。
トルコ、ヨルダン、イラクの当局者は14日、イランがドローン(無人機)やミサイルの攻撃でイスラエル側に大規模な死傷者が出て対立が激化するのを避けるため、13日の攻撃の数日前に広い範囲で事前の通告を行っていたと明らかにした
イラク首相、紛争拡大阻止に自制呼びかけ 米大統領と会談 | ロイター
訪米しているイラクのスダニ首相は15日、イランのイスラエルに対する週末の攻撃を受けて中東情勢を巡る緊張が高まる中、関係各国に対し自制を呼びかけた。
イラクは米国とイランの双方にとっての同盟国。13日にイランがイスラエルに向けて発射したドローン(無人機)とミサイルはイラクの領空を通過しており、イラク当局者によるとイランは事前にイラクなどに攻撃を通知していた。
イスラエルが報復なら即座に対応=イラン外相 | ロイター
イランのアブドラヒアン外相は15日、キャメロン英外相に対し、イランは緊張の高まりを望んでいないが、イスラエルが報復すれば即座に一段と強力に対応すると伝えた。イラン国営メディアが報じた。
イスラエル、全面戦争は回避の意向 イランに攻撃でも=報道 | ロイター
イスラエルの戦時内閣は15日の会議で、イスラエルを無人機(ドローン)とミサイルで攻撃したイランに対し攻撃する意向はあるものの、全面戦争は引き起こさないようさまざまな選択肢を議論した。イスラエルの民放テレビ局チャンネル12が情報源を明かさずに報じた。
報道によると、米国と協調した行動を取ることがイスラエルの意向という。
アングル:湾岸諸国、戦争阻止へ奔走 イラン・イスラエルとの外交関係活用 | ロイター
関係筋によると、イランがイスラエルに対する報復に踏み切ったことを受けて、湾岸諸国は本格的な戦争突入を阻止するために動き出している。エスカレートすれば自国が対立の最前線に立たされることになり、これまで醸成してきた域内の融和の動きが台無しになる可能性がある。
特にサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)は、イラン、イスラエル、そして米国の間を取り持つのに好都合かもしれない。サウジとUAEは近年、これら3カ国と外交関係改善を進めてきたからだ。
米国の同盟国である湾岸諸国は、イランやイスラエルとの関係を安定させることで、長年の安全保障上の懸念を解消し、それぞれ自国の国家プロジェクトに集中できるように努めてきた。
UAEとバーレーンは2020年にイスラエルとの国交正常化協定に調印。サウジは今回のガザ紛争で外交が停滞するまでは、米国との防衛協定とセットにする形でイスラエルとの正常化を模索していたほか、昨年は長年にわたる確執の末、イランとの関係改善に踏み出した。
しかし、イランが支援するイスラム組織ハマスがイスラエルを突如襲撃した昨年10月7日以降、地域全体の平和が脅かされており、これまで進めてきた緊張緩和政策は今、過去最大の脅威に直面している。
<飛び火警戒>
イスラエルとイランの間で直接戦争が起これば、両国の間に領空を持ち、同盟国イスラエルを守ると宣言している米国の軍事基地を抱える湾岸諸国に飛び火する可能性がある。
政府の内部に詳しいある湾岸筋は「誰もエスカレートは望んでいない。誰もが事態の収束を望んでいる」とし、水面下で電話外交が活発に行われているはずだと指摘。「圧力はイランだけにかかっているのではない。イスラエルにも反撃しないよう圧力がかかっている」と述べた。
別の湾岸筋によると、湾岸諸国・イラク・ヨルダンは、イランと、イスラエルの主要な支援国である米国の双方にエスカレートしないよう働きかけており、米国は既にイスラエルに自制を促しているという。
また関係筋は、米国は湾岸諸国を介して、イランにこれ以上エスカレートしないようにメッセージを伝えていると指摘。「米国が湾岸アラブの同盟国を使って、イランと米国の間でメッセージを伝達しているのは明らかだ。サウジはイランと連絡を取り合っており、事態を収束させようという合意がある」としている。
一方、これら関係者や湾岸アナリストの間では、最も危険な局面は過ぎたとの見方が主流だ。湾岸研究センターのアブドゥルアジズ・アル・セーガー代表は「イランが一矢報いた」ことでエスカレーションの段階は終わり、米国もイスラエルの強硬な措置を望んでいないと述べた。
ハマス、イスラエルの休戦案を拒否 恒久停戦など要求崩さず | ロイター
イスラエルはイラン対応で自制を、欧米要人ら相次ぎ呼び掛け - Bloomberg
米欧当局者がイスラエルに自制を一段と促す中でも、イスラエル軍のトップは15日、イランによる先週末の攻撃に対抗措置を取る以外に選択肢はないとあらためて主張した。
イスラエル国防軍のハレビ参謀総長はネバティム空軍基地で兵士らに演説し、「イスラエル領内へのミサイル攻撃には対抗措置が取られるだろう」と述べた。
焦点はイスラエルがいつどのような対抗措置を講じるかに移った。イスラエルのネタニヤフ首相はイランによる前例のない直接攻撃に対して対抗措置を講じたいという自身の思いと、報復攻撃の自制を求めるバイデン米大統領ら世界の指導者の圧力を比較衡量することになる。
西側とアラブの諸国は、イランの攻撃に対する過剰な反応はイスラエルの利益にならないとネタニヤフ首相を説得しようとしている。事態がエスカレートすれば原油価格が押し上げられ、インフレ抑制の取り組みに影響が及びかねないとの懸念もこうした国々にはある。
イランは13日夜、300を超えるドローンとミサイルを発射し、自国領から初めてイスラエルを直接攻撃した。このほとんど全てをイスラエル、米英仏、一部のアラブ諸国が協力して迎撃に成功。被害は最小限に抑えられ、報告された負傷者は少女1人にとどまった。  
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はイスラエルがいつ対抗措置を講じるとみているかとの質問に、米国は紛争拡大を望んでおらず、イスラエルの防衛を支援するつもりだと発言。自分の知る限りではイスラエル戦時内閣もまだ対抗措置を決定しておらず、その質問には答えようがないと語った。
フランスのマクロン大統領はBFMテレビおよびRMCラジオとのインタビューで、「戦争の激化を避けるためわれわれはあらゆる手を尽くす。イスラエルにはエスカレートによる対応ではなく、イランを孤立させることで対応すべきだと説得に努める」と語った。
中国を訪問中のドイルのショルツ首相も同様の発言で足並みをそろえた。週内にはベーアボック独外相とキャメロン英外相がイスラエルを訪問する。
キャメロン外相はタイムズ・ラジオとのインタビューで、「われわれはエスカレートの回避を切望しており、イスラエルの友人たちに、今は頭だけでなく心でも考えるべき時だと伝えたい」と話した。
イスラエルの一部閣僚からは、イランの攻撃が繰り返される事態を防ぐには厳しい報復の実行が必要だとの声も聞かれている。ネタニヤフ首相は何らかの形で対応すると述べた以外、どうする方針か明らかにしていない。
イスラエル軍はさまざまな対応案を政府に提示したと、軍報道官のピーター・ラーナー氏はブルームバーグラジオのインタビューで述べた。
「われわれには辛抱が必要で、急速に悪化する恐れのある状況に現在置かれていることを理解すべきだ」と発言。政府は「全ての選択肢について利点と欠点を検討している」と説明した。
イランは今回の攻撃について、在シリアの大使館敷地が今月1日に爆撃されたことへの正当な対応だと主張。この爆撃では軍幹部2人を含む当局者7人が死亡し、イランはイスラエルが実行したと非難していた。
マクロン氏は、イスラエルが報復攻撃を行うとしても軍事的な標的に限定すべきで、「攻撃の応酬を終わらせるため極めて慎重なやり方で」行うべきだと呼び掛けた。同氏はネタニヤフ氏と近く対話する予定だとも語った。
各国首脳、中東の緊張緩和を促す|ARAB NEWS
サウジ外相、イラン首相と電話会談|ARAB NEWS
●エマージング
インド総選挙、モディ氏与党が雇用創出やインフラ整備を公約 | ロイター
●市況
欧州市場サマリー(15日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 下落して取引を終えた。中東での紛争による地政学的リスクの高まりを受け、貴金属株やエネルギー株が売られたのが相場を押し下げた。
資産運用会社のアシュモアも3.2%下落。24年第1・四半期の運用資産が減少したとの発表が嫌気された。
<欧州株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。工業株などが上昇した一方、石油・ガス株は下落した。
イランが週末にイスラエルへの報復攻撃を始め地域紛争が拡大する恐れが高まり、投資家は中東情勢の進展を警戒。STOXX航空宇宙・防衛指数は0.95%上げた。
ドイツのスポーツ用品大手アディダスは4.2%上昇。モルガン・スタンレーが投資判断を「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に2段階引き上げたことが好感された。
ドイツの航空大手ルフトハンザは4.6%安。2024年通期の利益見通しを引き下げたことが嫌気された。
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが上昇した。中東で自制を求める声が高まる中、緊張がすぐに高まるとの懸念が和らいだ。
NY市場サマリー(15日)ドル上昇・円は90年以来の安値、利回り上昇 株大幅安 | ロイター
<為替> ドル指数が昨年11月上旬以来の高値に上昇した。3月の米小売売上高が予想を上回ったことを受けた。円は1990年以来の安値に沈んだ。
<債券> 国債利回りが上昇し、10年債利回りは5カ月ぶり高水準を付けた。3月の小売売上高が予想を上回って伸びたことで、FRBの利下げ開始が先送りされるとの見方が強まった。
先週発表の3月の消費者物価指数(CPI)でも、インフレが予想よりも根強い可能性が示唆された。CMEフェドウオッチによると市場では現在、FRBの利下げ着手は9月になると予想されている。先物市場が見込む年末までの利下げ幅は44ベーシスポイント(bp)。年初時点では160bpを超えていた。
アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、チャーリアー・リプリー氏は「市場の見方は、経済がこれほど好調なときにFRBは実際に利下げできるのか、という方向にシフトしている」と語った。
<株式> 大幅安で取引を終えた。好調な米小売売上高を受け序盤は買いが先行したものの、米債利回りの上昇やイラン・イスラエル間の地政学的緊張の高まりを巡る懸念が重しとなり、下げに転じた。
ケース・キャピタル・アドバイザーズのマネジングパートナー、ケン・ポルカリ氏は、前週末に中東情勢を巡る不安感で急落していたため朝方は多少戻したが「地政学的なあらゆる要因が市場に緊張と懸念をもたらすとみられるほか、金利が近い将来に下がらないとの見通しが市場にようやく浸透している」と指摘した。
<金先物> 中東地域での紛争拡大懸念から「安全資産」としての金が買われ、3営業日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比8.90ドル(0.37%)高の1オンス=2383.00ドルとなり、史上最高値を更新した。
<米原油先物> 小反落した。イランによる対イスラエル攻撃が終了したとの見方から、利益確定の売りが台頭。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.25ドル(0.29%)安の1バレル=85.41ドルとなった。6月物は0.22ドル安の84.86ドル
【米国市況】円が154円台に下落、強い米指標で-株と国債に売り - Bloomberg
□衆院3補欠選挙告示(東京15区、島根1区、長崎3区)
【国内企業】
★Will Smart <175A> :東証G上場
【海外】
□タイ市場休場
□中国3月新築住宅販売価格(10:30)
★中国1-3月期GDP(11:00)
★中国3月鉱工業生産指数(11:00)
★中国3月小売売上高(11:00)
□中国1-3月固定資産投資(11:00)
□中国1-3月不動産開発投資(11:00)
□英国3月失業率(15:00)
□ドイツ4月ZEW景況感指数(18:00)
□ユーロ圏2月貿易収支(18:00)
□ユーロ圏4月ZEW景況感指数(18:00)
★米国3月住宅着工件数(21:30)
□米国3月住宅建築許可件数(21:30)
★米国3月鉱工業生産指数(22:15)
□米国3月設備稼働率(22:15)
□ベイリー英中銀(BOE)総裁が講演(17日2:00)
★IMF世界経済見通し
【海外決算】
[米]ユナイテッドヘルス<UNH>、J&J<JNJ>、バンカメ<BAC>、モルガンスタンレー<MS>/[欧]LVMH

備忘録(2024/4/12-14
●決算
JPモルガン、第1四半期6%増益 金利収入見通しは予想下回る | ロイター
米金融大手JPモルガン・チェース(JPM.N), opens new tabが12日に発表した第1・四半期決算(3月31日まで)は利益が市場予想を上回った。ただ、市場事業を除く通期の純金利収入(NII)見通しがアナリスト予想を下回ったため、株価は下落した。
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「米経済は好調」とし、「消費者にはまだ余剰資金がある。株価は上昇している」と指摘。一方、世界的な紛争や持続的なインフレ圧力、量的引き締め(QT)など、経済見通しの重しになり得る「いくつかの重大かつ不確実な要因」について改めて警戒感を示した。
市場変動次第としつつも、市場事業を除く通期のNII予想を890億ドルと、従来予想の880億ドルから引き上げた。ただ、アナリスト予想の906億8000万ドルは下回った。
これを受け、株価は約6%下落した。
一方、第1・四半期の利益は134億2000万ドル(1株当たり4.44ドル)と、前年同期の126億2000万ドル(同4.10ドル)から6%増加した。
期中平均ローン残高は16%増の1兆3100億ドル。NIIは11%増の232億ドルとなった。米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の影響を除くNIIは5%増だった。
貸倒引当金繰入額は18億8000万ドル。前年同期は22億8000万ドルだった。
トレーディング収入は5%減の80億ドル。債券・通貨・コモディティ(FICC)トレーディング収入が7%減、株式トレーディング収入が横ばいだった。
投資銀行部門の収入は27%増の20億ドル。債券・株式引受業務が好調だった。一方、M&A(企業の合併・買収)に関する助言手数料は減少した。
総収入は9%増の419億3000万ドルだった
米Wファーゴ、第1四半期は7%減益 純金利収入8%減 | ロイター
米大手銀行ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)(WFC.N), opens new tabが12日に発表した第1・四半期決算は、借り手の需要減などを背景に利益が7%減少した。
ただ調整後の利益は1株当たり1.26ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想の1.11ドルを上回った。
純金利収入(NII)は8%減の122億3000万ドル。通年ので7─9%減少する可能性があるとの見方を示した。
シティ、第1四半期1株利益は予想上回る 再編費用4.8億ドル計上 | ロイター
米金融大手シティグループ(C.N), opens new tabが12日発表した第1・四半期決算は27%の減益となった。ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)が進める抜本的な組織再編に絡み4億8300万ドルの費用を計上した。
ただ、1株利益が市場予想を上回ったことで、シティの株価は一時2.5%上昇した。
純利益は34億ドルと、前年同期の46億ドルから減少。一時的項目を除く1株当たり利益は1.86ドルと、市場予想の1.23ドルを上回った。
収入は2%減の211億ドル。一時的項目を除くベースでは増加した。
フレーザーCEOは声明で「昨年9月に発表した組織の簡素化が終了した」と表明した。シティは再編により、年間15億ドルの節減を見込む。
2024年の収入見通しは前年比約1.8─3%増の800億─810億ドル。
マーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は「世界経済にはレジリエンス(回復力)があるようだ。24年は成長鈍化を想定しているものの、労働市場や消費者の強さを踏まると、経済は持ちこたえているようにみえる」とした。
第1・四半期は、サービス部門が8%増収。バンキング部門の収入も、資本市場の活性化や投資銀行手数料収入の増加を追い風に49%急増した。
一方、債券や通貨の下げに圧迫され、マーケッツ(トレーディング)部門は7%減収。ウエルスマネジメント部門も4%減収となった。
また、信用コストは22億ドルに達した。
24年通年の費用(特別項目除く)は535億─538億ドルと予想。約7億─10億ドルの再編・人員削減関連費用(第1・四半期計上分含む)が含まれる。
[PGR] プログレッシブ 1Q増収最終増益 売上高21%増172億ドル、純利益5.2倍23.3億ドル、EPS3.94ドル - 株探(かぶたん)|米国株
プログレッシブ<PGR>の2024年度第1四半期(1-3月)の業績は増収、最終増益だった。
米現地4月12日の通常取引開始前に公開された8-K(重要事項報告書)によると、第1四半期は売上高は前年同期比20.5%増の172億ドルとなった。純利益は5.2倍の23億3140万ドルと大幅に増加。1株利益(EPS・希薄化後)は3.94ドル(前年同期0.75ドル)。
[STT] ステートストリート 1Q増収最終減益 売上高1%増31.3億ドル、純利益16%減4.63億ドル、EPS1.37ドル - 株探(かぶたん)|米国株
ステート・ストリート<STT>の2024年度第1四半期(1-3月)の業績は増収、最終減益だった。
米現地4月12日の通常取引開始前に公開された8-K(重要事項報告書)によると、第1四半期は売上高は前年同期比1.2%増の31億3800万ドルとなった。純利益は15.7%減の4億6300万ドル。1株利益(EPS・希薄化後)は1.37ドル(前年同期1.52ドル)。四半期配当は増配。前年同期より0.06ドル多い0.69ドル配当を実施する。
[BLK] ブラックロック 1Q増収増益 売上高11%増47.2億ドル、営業益18%増16.9億ドル、配当5.10ドルへ増配 - 株探(かぶたん)|米国株
ブラックロック<BLK>の2024年度第1四半期(1-3月)の業績は増収、営業増益だった。四半期配当は5.10ドルへ増配する。
米現地4月12日の通常取引開始前に公開された8-K(重要事項報告書)によると、第1四半期は売上高は前年同期比11.4%増の47億2800万ドルとなった。営業利益は17.7%増の16億9300万ドル。営業利益率は35.8%へ向上した。前年同期は33.9%だった。1株利益(EPS・希薄化後)は10.48ドル(前年同期7.64ドル)。四半期配当は増配。前年同期から0.10ドル多い5.10ドルへ増額する。
●海外企業
世界の航空各社に混乱広がる-イランのイスラエル攻撃で新たなリスク - Bloomberg
イランがイスラエルへの直接攻撃に初めて踏み切ったことを受け飛行区域が制限された世界の航空各社は、欧州とアジアを結ぶ路線をこれまで以上に絞り込む方向で検討している。
イランが無人機とミサイルを発射した後、ヨルダンやイラク、レバノンなどの中東諸国は領空閉鎖を発表。イスラエルとイランも自国の領空を通過する航空便に制限を課した。
オーストラリアのカンタス航空やシンガポール航空、ドイツのルフトハンザ航空など多くの航空会社がルート変更や紛争地域上空の飛行を回避しており、飛行時間の延長や燃料費の増加につながりそうだ。クウェート航空は「緊張地帯」を迂回(うかい)すると発表した。
スイス・インターナショナル・エアラインズは、追って通知するまでテルアビブ路線の運航を停止し、自社の全機がイランとイラク、イスラエルの領空を避けて飛行すると発表した。
イスラエルは13日に国内線と国際線の空域を閉鎖したが、14日午前に再開した。
●日本企業
三菱UFJ銀行、インドのノンバンクに出資交渉 3000億円規模 - 日本経済新聞
JR6社、GW予約23年比16%増 コロナ前上回る - 日本経済新聞
米エリオット、三井不動産の株主還元拡大を「歓迎」 - 日本経済新聞
●米大統領選挙
●各国中銀
欧米の利下げ延期、スウェーデン中銀の5月利下げにリスク=副総裁 | ロイター
米利下げ「緊急性全くない」、インフレ対応なお必要=SF連銀総裁 | ロイター
FRB、利下げ検討は尚早 インフレ高すぎる=カンザスシティー連銀総裁 | ロイター
FRB当局者、利下げ急ぐ必要ないと強調-地区連銀総裁が相次ぎ発言 - Bloomberg
米ボストン連銀のコリンズ総裁やサンフランシスコ連銀のデーリー総裁ら12日に発言した米金融当局者は、インフレ高止まりや底堅い労働市場に言及し、利下げを急ぐ必要性はないと強調した。
このほか、アトランタ連銀のボスティック総裁は年末にかけて年内に1回の利下げがあるとの見通しを重ねて示し、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は利下げへの「忍耐強い」姿勢が望ましいと述べた。
デーリー総裁はサンフランシスコでのイベントで、「私見では金利調整の緊急性は一切ない」とし、「政策は現在、良い位置にあり、利下げを検討する前に、インフレ率が当局の物価安定の定義である2%に低下する軌道にあると十分に確信する必要がある」と語った。
シュミッド総裁も、先手を打って政策を調整するよりも、金融当局として利下げの前にはインフレ率が2%に回帰するとの「明確で説得力ある」証拠を待つべきだとの考えを示した。
シュミッド氏はカンザス州オーバーランドパークで講演し、「インフレ率が目標を上回って推移し、経済成長が引き続き勢いを示し、さまざまな資産市場で価格が高水準にある中で、現在の金融政策のスタンスは適切だ」とコメントした。
さらに、このところの物価上昇圧力はタイトな労働市場に支えられたサービスセクターに集中しているとし、金融当局が物価安定を達成するには労働力需給の改善が必要となる公算が大きいと論じた。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長ら当局者は、インフレ率が2%の当局目標に向けて持続的に鈍化していると十分確信できるまで、利下げ開始は望まないと表明。主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを昨年7月以降、二十数年ぶりの高水準に据え置いている。
最近発表されたインフレ指標は期待された数値を上回っている。3月の消費者物価指数(CPI)のうち、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.4%上昇、前年同月比3.8%上昇と、2月と同じ伸びとなった。
「インフレ率が持続的に2%に戻る軌道にあるとの明確で説得力ある証拠を待って、金融当局として忍耐強くあるべきだとの私の考えをこうした最近のデータは裏付けている」とシュミッド氏は語った。
投資家の間では、9月を皮切りとした年内2回だけの利下げ見通しが広がっている。
コリンズ氏は、現在の経済環境の下では、利下げ回数は3回でなく2回となる公算が大きいと発言。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、金融当局が2%の目標を達成するには住宅部門のインフレ鈍化が必要だと繰り返した。
米金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、2月の総合価格指数が前年同月比2.5%上昇となった。3月のPCE価格指数は今月26日に発表される。
シュミッド氏は講演後の質疑応答で、金利がより長くより高い水準にとどまると「信じる理由」があると指摘。「物価抑制を成し遂げなければならない」とし、「現行の政策がシステムを通じて作用するようにする必要がある」と答えた。
シュミッド氏はまた、米金融当局のバランスシートについて、保有債券の平均残存期間を短くし、規模を「一段と小さく」するのが望ましいと述べ、主に米国債で構成されるようにしたい考えを示した。
「バランスシートは依然として大きく、長期金利に引き続き下降圧力となっている」と述べた上で、「インフレ率が目標を上回り、労働市場がタイトで、株価が歴史的な高バリュエーションとなっていることを踏まえれば、経済と金融市場にはもはや当局の大きなバランスシートの支援は必要ない」と話した。
ブラックロックCEO、年内の米利下げ1回か2回に-物価抑制難しい - Bloomberg
米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、年内の米利下げはせいぜい2回になると予想。米金融当局にとってインフレを抑制するのは難しいだろうと語った。
フィンク氏は12日、インフレ率が2.8-3%になれば、自身は「それを十分であり、勝利と呼ぶだろう」と経済専門局CNBCで発言。「2%という数字を達成するのは難しいと思う」と述べた。
米金融当局は1回あるいは2回の利下げを実施した後に、景気がどのように反応するか見極めるべきだと、同氏は示唆した。
フィンク氏は過去約2年にわたって、インフレは根強いものになると警告しており、米利下げペースに関して市場よりも控えめな姿勢を時折とってきた。
ECB、5月21─22日に金融政策の方向性や戦略見直しを議論 | ロイター
欧州中央銀行(ECB)の政策担当者はアイルランドで5月に開催する会合で、金融政策の方向性や今後の戦略見直しについて議論する。ECBは約2年間にわたる高インフレとの戦いが終わりに近づいており、6月6日の理事会で記録的な高水準の政策金利の引き下げを決めるかどうかで内部の議論が集中している。
関係筋によると、ECB理事会のメンバーは5月21─22日にアイルランドのキルケニーにある5つ星ホテル、マウント・ジュリエット・エステートで会合を開き、6月の理事会の判断に向けた布石を打つ。
より長期的な課題についても議論する。その1つは来年予定されているECBの次回の金融政策戦略の見直しだ。一部のエコノミストはECBと米連邦準備理事会(FRB)は貿易摩擦や地政学的緊張、気候変動といった新たな時代に2%のインフレ目標の引き上げを検討するか、見直しを迫られると推測している。
ECBのラガルド総裁とFRBのパウエル議長はこの見方を総じて否定したものの、ラガルド氏は物価上昇率が2%を達成後に目標の変更を議論できるようになるとの見解を示していた。戦略の見直しを始める来年には、インフレ率が2%を達成すると見込まれている。
英中銀、経済予測や公表方法見直し インフレ対応遅れで - 日本経済新聞
英イングランド銀行(中央銀行)は12日、経済・物価予測や公表方法の見直しに向けた報告書をまとめた。2022〜23年のインフレの上振れを予測できずに利上げの対応が遅れ、市場との対話も不十分だった状況を改善する狙いだ。
イングランド銀行は、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ元議長を招いて検討を進めてきた。今回示された案を導入する方向で、年末までに進捗を報告する。
報告書では、経済・物価予測の不確実性を詳しく説明し、予測が外れた場合にはその理由を分析して明らかにすることが求められた。
インフレの上振れや下振れなど複数のシナリオを想定した予測の公表も案として示された。バーナンキ氏は記者会見で、エネルギー価格などの「基本的な条件が変化した場合に、どの程度インフレ見通しが左右されるかを伝えられる」と話した。
金利先物が示す市場予想による将来の政策金利に基づいて公表していた経済予測のグラフについては廃止すべきだとした。「市場予想は実際の政策金利の経路とは異なるため、経済予測も間違ったものになりうる」と理由を説明した。
経済予測に使うソフトウエアなどの分析ツールに十分な投資がされることも提言された。
バーナンキ氏が議長在任中にFRBが取り入れた「ドットチャート」の導入の可能性も事前に市場では浮上していた。金融政策委員会の各メンバーが適切と考える将来の政策金利の水準を、それぞれ点で示して分布図でまとめるものだ。
こうした手法の導入は「重大な変化となるため、将来の検討事項としたい」として判断を見送った。
イングランド銀行は英国の物価上昇率について、22年前半に前年同月比で約7%でピークに達する可能性が高いとの経済予測を出していたが、実際には22年後半に11%を上回った。
四半期に1回の世論調査では、23年8月時点で「イングランド銀行によるインフレ制御のための政策金利の決定をどう思うか」との質問の回答で、満足から不満足を引いた割合がマイナス21ポイントと過去最低を更新していた。
これまでもFRBの元幹部を招いて金融政策決定プロセスの改善に取り組んできた。14年にはケビン・ウォーシュ元理事が主導し、金融政策発表と同じタイミングで議事要旨を公表することが提案された。
●先進国、グローバル、金融市場
スウェーデン、3月インフレ率が急減速 5月中銀会合で利下げも | ロイター
政治への幻滅が急拡大、米若年層の保守化が顕著=国際調査 | ロイター
既存の政治に対する幻滅と絶望が世界的に急拡大していることが12日公表された調査で明らかになった。この傾向は特に米国の若い男性で顕著だった。
調査は国際調査機関グロカリティーズが行った。「希望」と「絶望」、「統制(保守)」と「自由(リベラル)」の間のそれぞれどこに位置するか回答者に尋ねた。
平均すると世界は2014年から23年の間に、より悲観的になる一方でよりリベラルになった。
調査責任者のマルティン・ランパート氏は世界中の若者が特に社会に失望していると述べ、米国の若年層の絶望の急増はEU諸国の若年層をはるかに上回っていると指摘した。
米国と欧州連合(EU)加盟国7カ国で、14年からより保守的になったのは米国の若年層だけだった。
ランパート氏は「(世界中で)絶望感、社会への幻滅、コスモポリタンな価値観への反抗が反体制極右政党の台頭の一因となっている」と分析した。
ソーシャルメディアのアルゴリズムは、穏健的保守の若い男性をより過激で急進的な保守派の男性像や世界観に引き寄せることで、この傾向を拡大させていたという。
18─24歳の男性が55─70歳の男性を抜いて最も社会的に保守的なグループとなった一方で、18─24歳の女性はよりリベラルで反父長制的な傾向が強まった。
18─24歳の女性のリベラル度(1が最も保守的、5が最もリベラル)は14年が3.55、23年は3.78と、いずれもどの年齢層よりも高かった。
同年齢の男性は14年が3.29、23年は3.36だった。米国の18─34歳の男性はリベラル度が3.48から3.46に低下した。
報告書は「世界的に見て若い女性は人類史上最もリベラルなグループだろう」と結論付けた。
調査はオーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、インド、日本、ロシア、南アフリカ、米国など20カ国で実施された。
アングル:パリ五輪、企業の広告需要回復 デジタルの台頭鮮明に | ロイター
ロビンガー氏によると、パリ五輪の広告枠販売が上向いたのは、パンデミック後初めて全ての観客が会場に入れるようになったことや、放映が米視聴者にとってより好ましい時間帯になったことが理由。過去3回の大会は、いずれも開催地がアジアだった。
視聴者、特に若者の間でオンラインやソーシャルメディアを通じてコンテンツを消費する傾向が強まり、NBCUもこうした変化に対応すべく手を打っている。先月には夏季五輪初の試みとしてパリ大会の全競技を同社のストリーミングサービス「ピーコック」で配信すると発表した。
広告主は初めて営業担当者ではなく、自動化技術経由で広告を購入できるようになり、X(旧ツイッター)や動画共有サイトのスナップチャットにビデオクリップを投稿する契約も締結した。ロビンガー氏によると、UNBCはパリ五輪のデジタル広告収入が既に過去の五輪全てを超えている。
NBCUの元幹部や、広告販売に詳しい別の関係筋によると、過去の五輪ではIOCのトップスポンサーが広告費を減らし、NBCUがその差額を埋めるために販売対象をパートナー以外の企業にも広げたこともあった。
この元幹部によると、東京五輪と22年北京冬季五輪では、NBCUは売上高目標を達成するために販売先の広告主数を約3倍に拡大。顧客の獲得は「ますます難しくなっている」という。
NBCUは20年3月、東京夏季五輪向けに12億5000万ドルの広告枠を販売したと発表した。しかし、パンデミックの影響で大会が翌年に延期された後の広告枠販売見通しに関する発表は歯切れが悪かった。
NBCUの元幹部によると、P&Gは以前、五輪でNBCUに数千万ドルの広告費を支払っていたが、徐々に支出額を50%ほど減らした。
IOCのスポンサーである半導体大手インテル(INTC.O), opens new tabとタイヤメーカーのブリヂストン(5108.T), opens new tabは、パリ五輪でテレビ広告を見送り、デジタルプラットフォームに軸足を置くと明かした。ブリヂストンの最高マーケティング責任者、サラ・コレア氏は「大々的にテレビで広告を打つ時代は終わった」と言い切った。
コストを抑えたい企業にとって、デジタル広告は魅力的だ。広告会社S4キャピタルとWPPの創設者であるマーティン・ソレル氏は「デジタルは絶対的なコストが安い。追跡が容易で、効果の測定も簡単だ」と話す。
ビザの最高マーケティング責任者、フランク・クーパー氏も、スポーツ中継におけるテレビの力を引き続き信じているとしつつ「ファン、特に比較的若いファンを引きつけるのは、ソーシャルメディアだ」と指摘する。
PCE価格指数、物価目標として引き続き注視=米シカゴ連銀総裁 | ロイター
米4月ミシガン大消費者信頼感77.9に小幅低下、インフレ期待は上昇 | ロイター
アングル:H&Mやザラ、ブラジル森林破壊に関連の綿花使用か NPO指摘 | ロイター
ユーロ圏企業、緩やかでまだら模様の景気回復見込む=ECB調査 | ロイター
リスク資産抱えたウォール街のファンド、悪材料山積で動揺広がる - Bloomberg
悪いニュースへの許容度は以前よりも低下している。ソシエテ・ジェネラルによれば、今年に入ってからのリスク資産の相場上昇で、ファンドマネジャーが抱える株式と社債へのエクスポージャーは既に資産全体の3分の2に跳ね上がっている。
ソシエテ・ジェネラルの米株式戦略責任者、マニッシュ・カブラ氏は「成長への信頼が維持されれば、リスク配分は3分の2にとどまる可能性があるが、過去の事例からみてさらに高くなることはない」と指摘した。 
米国債の大幅なリプライシングも地合いを圧迫している。トレーダーが見込む今年の米利下げ回数は2回未満と、米金融当局者が3月の金利予測分布図(ドット・プロット)で示唆した予想中央値をも下回っている。
イランの攻撃実施、市場に新たな波乱リスク-警戒される報復の連鎖
イランがイスラエルに対する前例のない直接攻撃に踏み切ったのを受け、週明けの金融市場は地政学リスクを強く意識した展開となりそうだ。今回の攻撃が報復の応酬に発展することが警戒される。
根強いインフレと高金利長期化の見通しに投資家がすでに動揺する中、中東情勢の緊張激化で市場には新たなボラティリティー要因が加わることになる。
昨年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を行って以降、多くの市場関係者が最も恐れていたのは、イランが紛争に直接関与するようになることだった。それが現実となった今、原油価格は1バレル当たり100ドルを突破するとの見方が強まっている。紛争拡大を受けた逃避需要から米国債や金、米ドルなどに資金が向かい、株式相場では売りが強まることも予想される。
イランによる攻撃実施を受けて一気に高まった緊張は、その後の展開を受けて幾分緩和するかもしれない。イラン側は、イスラエルによる強い反応がなければ、一段の攻撃を実行することはないだろうと説明。またバイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イランに対する報復攻撃を米国は支持しないと伝えたとも報じられている。
プルリミ・ウェルスのパトリック・アームストロング最高投資責任者(CIO)は「こうした局面での投資家の自然な反応は安全資産への逃避だ」と指摘。「イスラエルの対応次第で市場の反応は多少変わるだろう。イスラエルがさらに状況をエスカレートさせなければ、リスク資産を安値で買う好機になるかもしれない」と述べた。
実際、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは14日に反発。前日はここ1年余りで最も大きく下げていた。
イスラエル、サウジアラビア、カタールなど中東各地の14日の株式相場は薄商いの中で小幅な下げにとどまっている。
「イランの攻撃後、中東市場は比較的平穏にスタートした。攻撃はエスカレートの試みというより、むしろ慎重な報復と受け止められた」と、イースト・キャピタルのシニアコンサルタント、エムレ・アクチャクマク氏は分析。「しかし、原油やエネルギー価格への二次的影響により、市場への影響は中東以外にも及ぶ可能性があり、世界のインフレ見通しにも影響を与えるとみられる」と語った。
アンドバンクのシニア株式ファンドマネジャー、ゴンザロ・ラーディース氏は「新たな不確実性の環境が幕を開けた。ただ、12日の市場はこの状況をすでに部分的に織り込んでいたため、さらに事態が悪化しなければ影響はそれほど大きくないはずだ。リスクは事態のエスカレートおよび中東地域での飛び火だ」と述べた。
バンク・ジュリアス・ベアのアジア調査責任者、マーク・マシューズ氏(シンガポール在勤)は「イランが今回の攻撃について事前に警告していたことは良いことだ。軍事アナリストによれば、犠牲を最小限に抑える方法で攻撃は行われた」と指摘。「イランは危機を和らげようとしており、米国も同様だ。鍵となるのはイスラエルの反応と、それに対するイランの動きだ。イスラエルがさらなるエスカレートを招かないような攻撃にとどめ、イランがさらに非エスカレーション的な攻撃を行えば、それで終わりになるだろう」と語った。
生保の円債回帰進む公算、外債投資は慎重か-今週から運用計画発表
●中東
イスラエル戦時内閣、イランへの報復支持 規模など巡り意見分れる
イスラエルの戦時内閣はイランによる攻撃に対し報復することを支持しているが、時期と規模を巡り意見が分かれている。イスラエル当局者が14日に明らかにした。
メンバー5人のうちネタニヤフ首相とガラント国防相、ガンツ前国防相が決定権を持つ戦時内閣は14日に会合を開いた。今後さらなる協議のため再会合を開く予定。
米国はイランへの反撃には参加しない、とホワイトハウスが発表
ジョー・バイデン大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、イスラエル領内への大量のドローンとミサイルによるイランの報復に対し、反撃することを決定した場合、米国はイランに対する作戦に参加しないと伝えた。
中東の宿敵である、イランとアメリカの間でくすぶる開戦の脅威は地域を緊張させ、さらなる地域情勢の悪化を避けるため、大国やアラブ諸国から自制を求める声を引き起こした。
アメリカのメディアが14日に報じたところによると、バイデン大統領はネタニヤフ首相に対し、アメリカはイランへの反撃に参加しないことを、昨晩の電話で伝えたという。この発言は、ホワイトハウス当局者によりロイターが確認した。
ホワイトハウスの国家安全保障会議の報道官であるジョン・カービー氏は、14日にABCの「This Week」で語った。
イランは、4月1日にイスラエルがシリアの大使館を空爆し、イスラム革命防衛隊の幹部が殺害された疑いがあるとして、報復を開始した。
しかし、イラン国内から発射された300発以上のミサイルやドローンによる攻撃は、ほとんどがアメリカ、イギリス、ヨルダンの支援によって迎撃されたため、イスラエル国内にはささやかな被害しかもたらさなかった。
イスラエル南部の空軍基地が攻撃を受けたが、通常通り稼働しており、7歳の子供が破片で重傷を負った。その他に深刻な被害の報告はない。
イスラエルの閣僚は14日に、イランへの反撃は差し迫っておらず、単独で行動することはないと表明した。
中道派のベニー・ガンツ前国防相は、戦争閣僚会議に先立ち、「連合軍を構築し、われわれにとって適切な方法とタイミングで、イランから代償を勝ち取る」と述べた。
ヨアヴ・ガラント国防大臣もまた、「ミサイルに核爆弾を搭載すると、脅しているイランによるこの重大な脅威に対して」戦略的同盟を結ぶ機会ができた、と述べた。イランは核武装を否定している。
イラン軍参謀総長のモハマド・バゲリ氏はテレビで、「イスラエルがイランに反撃した場合、われわれの対応は今夜の軍事行動よりもはるかに大きなものになる」と警告し、イスラエルの報復に手を貸した場合、自国の基地も攻撃される可能性があるとアメリカに警告した。
イランのアミール・アブドラヒアン外相は、イランはイスラエルへの報復は「限定的」で自衛のためであると米国に伝え、地域の近隣諸国にも72時間前に攻撃計画を伝えたと述べた。
トルコの外交筋によれば、イランは事前に何が起こるかをトルコに伝えていたという。
イランは、この報復は 「イスラエルの犯罪」を罰することが目的であったが、現在は 「この問題は終結したとみなす」と述べた。
ロシア、中国、フランス、ドイツ、そしてアラブ諸国のエジプト、カタール、アラブ首長国連邦は自制を促し、国連安全保障理事会は14日の午後4時(東部標準時、2000GMT)に招集されることになっている。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は中国を訪問中、「これ以上の地域情勢の悪化を阻止するため、あらゆる手段を尽くします」と述べ「すべての関係諸国、特にイランに対し、このような事態を続けないよう警告することしかできない」と続けた。
イランがイスラエルを報復攻撃:識者はこうみる
イラン革命防衛隊は13日、イスラエルの特定の標的に対して無人機(ドローン)とミサイルを発射したと発表した。イラン国営メディアが革命防衛隊の声明を伝えた。
シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺がイスラエルによるとみられる攻撃を受けたことを巡り、イランは報復を行うと表明していた。
イランがイスラエル領を直接攻撃するのは初めてで、中東情勢が一段と不安定になる可能性がある。
市場関係者に見方を聞いた。
◎原油一段高なら米利下げに影響
<トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズの代表、マイケル・パーブス氏>
原油価格が今後上昇し続ければ、インフレ長期化により米国債のファンダメンタルズは多少悪化し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ傾向はさらに弱まる。
相殺要因としては、何が起きようとも市場は神経質になり、そのため債券が売られ過ぎることはないだろう。
◎リスク回避後退も
<ラボバンクのFX戦略責任者、ジェーン・フォリー氏>
金と原油以外の資産価格はここ数カ月、地政学的なニュースを重要視しない傾向にあった。これを踏まえると、イスラエルがイランのミサイル撃墜に成功したことは、週明けの取引でリスク回避を後退させる理由と受け止められる可能性がある。
とはいえ、中東に絡む地政学リスクは明らかに増しており、今後数週間、数カ月はボラティリティーが高まる余地が十分にある。
◎イランの抑制的姿勢が鍵
<アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>
鍵になるのは、イスラエルが事態のエスカレートを決断させないとして、イランが今回の報復を抑制的かつ最終的な対応と考えるかどうかだ。イランは2020年、ソレイマニ将軍を殺害した米国への対応を慎重で公平な対応と考えた。
イランがエスカレートさせずに仕返し程度にとどまるなら、原油価格、金、ドル、債券の全てが紛争を反映したリスクプレミアムを織り込んだとしても、株式市場では安堵(あんど)のため息を聞くことになるだろう。
G7首脳、イスラエル攻撃巡りイラン非難 不安定化阻止に決意
主要7カ国(G7)首脳は14日、イランによるイスラエル攻撃を非難し、中東における「制御不能なエスカレーション」を防ぐために取り組むと表明した。
「イランはその行動によって、地域の不安定化にさらに一歩踏み出し、制御不能なエスカレーションを引き起こす危険がある。これは回避すべきだ」と指摘。約1時間のオンライン協議後に議長国イタリアが首脳声明を出した。
首脳はイランに自制を求めるとともに、同国とその代理勢力に攻撃を停止するよう要求。「現時点、そしてさらなる不安定化の動きに対し、われわれは追加措置を講じる用意がある」と警告した。
バイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イスラエルがイランへの報復を決定しても米国が加勢することはないと通告した。
イランは13日、今月初めにシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺がイスラエルによるとみられる攻撃を受けた報復として、イスラエルにドローンとミサイルを発射。中東地域の紛争が拡大する懸念が高まっている
G7首脳は声明でまた、パレスチナ自治区ガザの「即時かつ持続可能な停戦に向けて」取り組むと表明した。
イスラエル、イランとの対立で新局面-代理勢力だけでなく直接対峙も
イランのミサイルと無人機によるイスラエルへの攻撃は、不安定な中東地域にとって危険な転機となった。イラン国内からの直接攻撃は前例のない行動であり、イランは大成功を収めたと宣言した。
しかし、米英などの同盟国からの支援により、イスラエルはミサイルや無人機の大半を迎撃した。死者は出ず、被害も軽微だった。イスラエル側も大成功を収めたと宣言している。
両国とも対立関係が変化したとみている。イランは、イスラエルが再び攻撃される可能性があることを認識しなければならない「新しい方程式」と表現。イスラエルは、自国を攻撃してくるいかなる国も攻撃すると表明した。
14日には、安全保障を巡るイスラエルの閣議とともに、主要7カ国(G7)が首脳会議を実施。米国を含む同盟国は、イスラエルが自制し、事態をさらにエスカレートさせないことを望んでいる。
イスラエル国民の多くがこのアプローチに前向きな一因は、イランの攻撃が失敗に終わり、武力による迅速な示威の必要性が低下したと受け止められていることにある。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対する戦争遂行を巡り、米政府から数週間にわたって批判されていたが、イスラエル国民は再び一体感を感じ、それに満足していることも影響している。
イスラエル参謀本部諜報(ちょうほう)局トップを務めていたタミア・ヘイマン氏は「イスラエルは今夜、初めて同盟国の一員として行動した。その同盟こそ、ガザ戦争の次の答えだ」と述べた。
しかし、ネタニヤフ首相擁立を続ける右派勢力は違う考えだ。イスラエルが早急に手痛い反撃を実行しない限り、イランとその代理勢力からは弱腰と判断される可能性が高いと指摘する。
ベングビール国家治安相は「いま必要なのは、徹底的な攻撃だ」と主張した。
イランは1日にシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館をイスラエルが攻撃し、イラン軍将校が死亡した事件への報復としてミサイルを発射した。イランが攻撃を早くから表明していたのは、戦争を始めるというよりも、むしろ主張を通したい証しだとの声が多かった。攻撃を開始してからほどなく、イランの国連代表部は「この問題は終結したとみなすことができる」と表明した。
イランとイスラエル、同盟国から破滅的な敵へ|ARAB NEWS
イスラエルとイランは、かつての強固な同盟関係から宿敵へと移行した。
過去半世紀にわたる両国の不安定な関係を振り返ってみよう。
1948年の建国後、イスラエルはイランと緊密な関係を築き、イランはトルコに次いで、2番目にユダヤ人国家を承認したイスラム教国となった。
イランは、モハンマド・レザー・パフラヴィー皇帝のもとで、イスラエルと同盟国となった。当時、イランには中東最大のユダヤ人コミュニティがあった。
新興ユダヤ人国家は、武器、技術、農産物と引き換えに、石油の40%をイランから輸入した。
イスラエルのスパイ機関モサドは、イランのサバク秘密警察の訓練に協力した。
1979年のイラン革命で皇帝は亡命し、両国の友好関係は劇的に終焉した。イスラエルは新しいイスラム共和国を承認しなかった。
ハメネイ師は、イスラエルをエルサレムの不法占拠者とみなした。しかし、非公式の商業的なつながりは維持された。
ガザのイスラム聖戦は1980年、イランを主要な支援者として、イスラエルに対抗する最初のイスラム主義のパレスチナ組織となった。
さらに、イスラエルは1980年から1988年まで続いたイラン・イラク戦争で、サダム・フセインと戦うため、イランに約1500発のミサイルを発射した。
イスラエルは1982年、レバノンに拠点を置くパレスチナ人武装勢力に対抗するため、レバノンに侵攻し、首都ベイルートを一時的に占領した。
その後、イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊が、レバノンの武装勢力ヒズボラを支援し、ヒズボラはレバノン南部のシーア派の拠点からイスラエル軍に対抗する作戦を展開した。
イスラエルは、1992年のイスラエル大使館爆破事件で29人が死亡し、1994年のユダヤ人コミュニティセンター襲撃事件では85人が死亡した、アルゼンチンを含む海外でのテロ攻撃について、ヒズボラを非難した。
イランで、2005年に超保守派のアフマディネジャード大統領が選出され、緊張が高まった。同大統領は、何度かイスラエルに終止符を打つと語り、ホロコーストを 「神話 」と表現した。
イランは同年、イスファハンでウラン濃縮を再開した。
2015年に、イラン核合意が世界の列強によって仲介されたとき、ネタニヤフ首相はそれを「歴史的な過ち」だと非難した。2018年に、ドナルド・トランプ米大統領(当時)が米国を協定から離脱させた際には、同首相は、真っ先に祝辞を述べた。
それ以来、イランはウラン濃縮を再開している。
公式には、まだシリアと戦争状態にあるイスラエルは、2011年に勃発し、いまだくすぶっている内戦に関わりたくないと主張した。しかしイスラエルは2013年以降、ヒズボラとイランが、シリアのアサド大統領を支援していることを警戒し、シリアで何百回もの空爆を行った。
イスラエルは、イランの主要な宗教的・地域的ライバルである、長年の敵サウジアラビアとの関係を深め始めた。そして、2020年9月、サウジアラビアの同盟国である、アラブ首長国連邦とバーレーンはイスラエルとの国交正常化協定に調印した。米国はイスラエルとサウジアラビアの和解を求めたが、その努力はガザ戦争によって頓挫した。
その後数ヵ月にわたり、イスラエルはイランの船舶攻撃を非難した。イランはイスラエルを、標的を絞った暗殺と、ナタンツのウラン濃縮工場の破壊工作で非難した。
イスラエルは、2022年と2023年にイスラム革命防衛隊の司令官を含む、シリア在住のイラン人を標的にした攻撃で非難された。
2024年4月1日、ダマスカスにあるイラン大使館空爆で、イスラム革命防衛隊の司令官2人を含む12人以上が死亡した。
ジョー・バイデン米大統領は、イランが「イスラエルに重大な報復を仕掛ける恐れがある」と警告し、イスラエルに「鉄壁の」支援を約束した。
領事施設への前代未聞の攻撃から2週間後の4月13日、イランは自国領内からイスラエルに向けて無数の自爆ドローンを飛ばし、イラク、ヨルダン、レバノンと同様に領空を閉鎖した。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルの防空システムが配備され「イランからの直接報復」を警戒していると述べた。
【イスラエル】イラン報復攻撃、大半を迎撃-ハマスは戦闘休止拒否か - Bloomberg
イランが無人機とミサイルでイスラエルに攻撃を加え、イスラエルと同盟国はその大半を迎撃した。在シリアのイラン大使館が今月1日に攻撃を受け、革命防衛隊の司令官らが殺害されたことへの「正当防衛」とイランは主張しており、同国が自国内からイスラエルを攻撃するのは、今回が初めて。
イスラエル軍のハガリ報道官は14日未明、イランが発射した200発以上の弾道ミサイルと巡航ミサイル、攻撃無人機の大半が着弾前にイスラエルの同盟国の支援で迎撃されたと説明した。10歳の少女が重傷を負い、陸軍基地に軽微な被害があったことも明らかにした。報道官はこれより先、イラン本土からの直接攻撃は深刻かつ危険なエスカレーションだと非難していた。
イラン革命防衛隊のサラミ司令官は国営放送で、攻撃は同国とイスラエルの関係が新たな段階に入ったことを告げるものだとし、「今後、ユダヤ主義者の政権がわれわれの利益や資産、国民や市民をあらゆる時点で攻撃する場合、イランから反撃する」と表明。これまでは代理勢力を通じ背後から操っていたイスラエルとの戦争に、イランがより直接的に関与する用意があることを示唆した。
イランの攻撃後、同国が支援しパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは、仲介国による最新の戦闘休止提案を拒否したと、イスラエル首相府が対外情報機関モサドの声明を引用して発表した
今回のイラン攻撃が原因だとモサドは直接言及しなかったが、ハマス指導者ヤヒヤ・シンワル氏はイスラエルと「イランの緊張を利用し続けている」とし、「人道的な合意と人質の返還を望んでいない」と非難した。イスラエルは交渉で多大な柔軟性を示したとも主張した。
モサドはイスラエルのハマスとの交渉を主導。米国、カタール、エジプトが仲介役を務めている。
デラウェア州私邸での休暇を切り上げホワイトハウスに戻ったバイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談した。大統領はイスラエルの安全保障に対する米国のコミットメントは「揺るぎない」との声明を発表した。
声明によると、バイデン大統領は今回の攻撃への「一体的な外交対応で協調を図るため」、主要7カ国(G7)の首脳会議を14日に招集する。ホワイトハウス高官からの情報を引用し、ニュースサイトのアクシオスが伝えたところでは、バイデン氏はネタニヤフ首相との電話会談で、イランへのイスラエルの反撃を米国は支持しないと伝えたという。
米国から帰国した岸田文雄首相は14日午後、記者団に対し、イランの報復攻撃は「中東情勢を一層悪化させると考える。深く懸念し、こうしたエスカレーションを強く非難する」と述べた。また現時点で邦人への被害は報告されていないと明らかにした。
イランの国連代表部は今回の行動について、イスラエルが認めていない在シリア・イラン大使館への攻撃に対する「正当防衛」の対応だと主張し、警告だと示唆した。また、米国に対し、この衝突から距離を置くようくぎを刺し、「イスラエル政権が再び過ちを犯すようなことがあれば、イランの対応は一層厳しくなるだろう」とソーシャルメディアに投稿した。
イランの通貨リアルは14日の取引で下落。リアル相場を追跡するウェブサイト、ボンバスト・ドット・コムによると、対ドルでは前日比で約4%下落し、1ドル=70万5000リアルと過去最安値を付けた。
イスラエルでは、エルサレムやヨルダン川西岸のユダヤ人入植地アリエルなど各地で複数の警報が鳴った。エルサレムの住民から爆音を聞いたという報告もある。イスラエル北部でも警報が鳴ったという。イスラエル国防軍は、攻撃に備え一部地域で衛星利用測位システム(GPS)サービスを停止したと明らかにした。
米国防当局者は、中東地域の部隊がイスラエルを標的にイランが発射した無人機を撃墜したことを確認した。英国防省は、イスラエルに向かうイランの無人機を必要に応じて迎撃するため、英空軍機を配備したことを認めた。
イスラエルは過去15年間に、イスラエルは防空システムを大幅にアップグレードしており、最長2400キロ離れた場所から発射される弾道ミサイルを迎撃する新システムを追加した。この距離にはイランだけでなく、親イラン派武装グループが拠点を置くイエメンやシリア、イラクが含まれる。
イランとイスラエルとの直接的な衝突は、イスラム組織ハマスと同じくイランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラも巻き込み、地域戦争の可能性を高める。ホワイトハウスは声明で、イエメンとシリア、イラクで活動するイランの代理勢力が、今回の前例のない攻撃の一翼を担ったと指摘した。
英国のスナク首相は世界の指導者の中でいち早く声明を発表。「英国はイスラエルの安全保障、ヨルダンやイラクなど全ての地域パートナーの安全保障を支援し続ける」とし、「われわれは同盟国とともに、事態を安定させ、さらなるエスカレートを防ぐために緊急に取り組んでいる。これ以上の流血は誰も望んでいない」とした。フランスとドイツ、欧州連合(EU)もイランの行動を非難した。
国連のグテレス事務総長も、敵対行為の即時停止を求め、「壊滅的な地域全体へのエスカレーション」の危険に言及した。イスラエルは、国連安全保障理事会の緊急会合開催を要請し、米東部時間14日午後4時から開かれる予定との情報がある。
イラン、作戦継続する意思ない-イスラエルも報復自制か
イスラエルと米英仏などの同盟国は、イランが仕掛けた前例のない攻撃をほぼ阻止することに成功した。
イランは13日夜、イスラエルに対し、ドローンとミサイル合わせて300余りを発射。大半はイスラエル領空に入る前に迎撃し、死者は確認されていないという。攻撃による軍拠点の被害も軽微だが、落下してきた金属片でイスラエルの10歳の少女が重傷を負ったという。
バイデン米大統領は攻撃を最も強い言葉で非難すると表明。イスラエル当局者は、イランによる「深刻で危険なエスカレート」だと警告した
ただ、イスラエル、米国ともイランに報復するとは言っていない。イランは今月1日に在シリア大使館敷地内の建物が攻撃され当局者7人が死亡したことを受けて、イスラエルへの攻撃を約束していた。
イランはイスラエルによる強い反応がなければ、一段の攻撃を実行することはないだろうと説明。イスラエル、サウジアラビアなど中東各地の14日の株式相場は下落しているが、下げは小幅にとどまっている。
イランのバゲリ参謀総長は14日、「今回の作戦は完全な成果を収めたとみている。継続する意思はない」と国営放送で述べた。イランには「数十倍の」大規模な攻撃を実行する能力があるが、意図的に攻撃を抑えたとも語った。
同国外務省はX(旧ツイッター)に、攻撃から利益を保護することにためらいはないとしつつ、現時点で作戦を継続するつもりはないと投稿した。
米ホワイトハウスの発表文によると、バイデン大統領は14日、「一致した外交的対応を打ち出すため」主要7カ国(G7)首脳と協議する。
バイデン氏はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、同国に対する米国の支持は「揺るぎない」とあらためて強調した。だが、ニュースサイトのアクシオスがホワイトハウスの匿名当局者の話として報じたところでは、イランに対するイスラエルの報復攻撃を米国は支持しないとバイデン氏は述べたという。
G7首脳、14日にビデオ会議開催へ イランのイスラエル攻撃巡り | ロイター
イスラエル首相「勝利する」と表明、軍がイランの攻撃99%撃退 | ロイター
中国、情勢緊迫化に「深い懸念」 イランのイスラエル攻撃で声明 | ロイター
イランのイスラエル攻撃、米軍がミサイルも数十発撃墜=米当局者 | ロイター
日本政府、イランのイスラエル攻撃を非難 「沈静化を働きかけ」 | ロイター
米大統領、イランのイスラエル攻撃を非難 G7で協調対応へ | ロイター
イスラエル軍、イランからの脅威終了示唆 住民への避難準備勧告を更新 | ロイター
イランが200余りの無人機・ミサイル発射とイスラエル軍、女児負傷 | ロイター
ヨルダンがイスラエル支援なら「次の標的」=イランメディア | ロイター
スナク英首相、イランのイスラエル攻撃非難 「地域不安定に」 | ロイター
エジプト、「最大限の自制」呼びかけ イランの無人機発射で | ロイター
イランの報復受けたイスラエル、防空システムは有効か-QuickTake - Bloomberg
●その他エマージング
中国輸出、3月は前年比-7.5%と予想以上に減少 輸入もマイナス | ロイター
ペルー中銀、政策金利を6%に引き下げ 緩和政策再開 | ロイター
対中半導体規制の強化、日蘭が米の要請に難色-背後に米大統領選も - Bloomberg
韓国ウォン、対ドルで1年5カ月ぶり安値 景気懸念で - 日本経済新聞
●市況


備忘録(2024/4/11
●決算
ローソンの純利益が過去最高、国内店舗好調 24年2月期 - 日本経済新聞
ファストリ、第2四半期営業益は市場予想届かず-通期は据え置き - Bloomberg
発表によると、海外ユニクロ事業では北米や欧州がブランドの浸透や出店の加速で好調に推移した。一方で中国大陸では暖冬や気温が不安定だったほか、消費意欲の伸び悩みで減収となった。岡崎健最高財務責任者(CFO)は会見で、春節商戦は「期待に届かなかった」と話した。天候の影響が大きく、構造的に厳しい訳ではないとしている。国内ユニクロ事業は、暖冬で冬物の販売が振るわなかったため減収となったが、発注精度を高めて原価率を改善し大幅な営業増益となった。
営業利益計画を据え置いた一方、上期の下振れを反映して通期の売上高計画については、従来予想を200億円下方修正し、3兆300億円とした。純利益受取・支払利息の見込み額を見直して100億円上方修正し、3200億円とした。
国内は実質賃金が伸び悩み、中国経済の減速感も続くなか、両国の消費者の財布のひもは堅くなっている。こうしたなかで下期以降販売が堅調に推移するかどうかについて、今後注目が集まりそうだ
一方、北米、欧州は好調が続くとみて、下期、通期とも過去最高の業績を見込む。会見に出席したユニクロヨーロッパCEO(最高経営責任者)の守川卓氏は、欧州のアパレル市場規模70兆円に占めるユニクロのシェアは0.5%未満に過ぎず、「拡大チャンスはある」と語った。同地域では今期10店舗、来期15店舗、26年8月期は20店舗以上の出店を目指すという。
ブルームバーグ・インテリジェンスのキャサリン・リム氏らは、2023-28年にかけて少なくとも年率10%という中華圏での売上高成長率の目標は、今年度については難しいだろうと指摘する。
柳井正会長兼社長は会見で、グローバル経営において人材育成がいかに大事かについての説明に時間を割いた。世界中に店舗が増えればその分経営者も必要になるとした上で、今後も「思い切って人材を抜擢したい」と話した。グローバルな競争に勝つために「世界水準の賃金を実現する。労働の安売りはありえない」との考えを強調した。
●企業
米地銀破綻の震源地、再びリスク最前線に-加州の銀行不動産融資が突出 - Bloomberg
カリフォルニア州サクラメントを拠点とする同行は、米西海岸の至る所で不動産ローンを提供し、5年間で資産が倍の約50億ドル(約7650億円)に増えた。不動産貸し付けを統括するダン・フランクリン氏によると、ロサンゼルスの集合住宅やシリコンバレーの保管施設で構成するポートフォリオは、市場の動揺に耐えられる設計という。
「われわれが行っているのは、ローリスク・ローリターンのゲームだ」とフランクリン氏は話す。
リバー・シティーの商業用不動産ローンは、急成長に伴い昨年末時点で自己資本の660%に達した。これは規制・監督当局が監視強化に値するとしてきた基準の倍を超え、カリフォルニア州のどの銀行より大きい。
昨年の地銀破綻の震源地だったカリフォルニア州は、商業用不動産という直近のトラブルスポットの最前線でもある。金融機関が昨年末に規制・監督当局に提出した「コールリポート」をブルームバーグが分析したところでは、不動産関連の債権が300%を上回ったのは登録127行の約3分の1に上り、全米の州で最も多い。
カリフォルニア州では、企業のオフィススペース離れやリモートワークからの復帰の遅れに伴うオフィス市場の混乱で、ロサンゼルスとサンフランシスコが特に大きな打撃を受けている。銀行の不動産融資の割合が相対的に大きいのは、伝統的に不動産価格が他の地域と比べ高いことも関係している。
データプロバイダーのAttomによれば、カリフォルニア州の商業用不動産の差し押さえ申請件数は、1月に前年同月比約3倍に増加した。
数十年ぶりの高金利が不動産所有者の借り換えを難しくする状況で、米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は1月末に公表した昨年10-12月(第4四半期)決算で、アナリスト予想の10倍を超える貸倒引当金を計上せざるを得なくなった。
損益が予想外の赤字となり、同行の株価は急落した。日本のあおぞら銀行も米オフィス向けの不動産融資で引当金の追加計上を余儀なくされた。今年1-3月の決算シーズンがスタートするが、この問題が再び焦点になる可能性が高い。
規制・監督当局と投資家は、特にオフィスビルや集合住宅の価値が全米各地で下がる中で、金融機関が保有する商業用不動産関連の債権を注視している。米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(銀行監督担当)は先週、市場のストレスを「ゆっくりと動く列車」になぞらえた。著しい価格下落が見込まれる地域のオフィススペースにエクスポージャーを持つ金融機関にとりわけ注目しているという。
モルガン・スタンレー、米当局がマネロン管理不備で捜査 - 日本経済新聞
米金融大手モルガン・スタンレーの富裕層向け資産運用事業が米連邦準備理事会(FRB)や米証券取引委員会(SEC)など、複数の金融規制当局の捜査の対象になっていることが11日分かった。マネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐために、顧客の身分や取引内容を精査する管理体制を十分に敷いていなかった疑いが浮上している
モルガンスタンレーのウェルス部門、米財務省やSECなどが調査=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
日本時間の午前3時過ぎからモルガンスタンレー<MS>に売りが強まり、一時85.68ドルまで一気に下落する場面が見られた。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、米財務省や米証券取引委員会(SEC)などが同社のウェルス部門を調査していると伝えたことで売りが強まっている。
米規制当局が富裕層によるマネーロンダリング(資金洗浄)を防止するための同社の取り組みを精査しているという。米証券取引委員会(SEC)、通貨監督庁、その他の財務省が、同銀がリスクの高い顧客の身元調査を十分に行ったかどうかを調査していると報じた。FRBはすでに昨年、こうした管理体制を調査していることが知られていた。
米証券取引委員会(SEC)と財務省の金融犯罪取締ネットワークは米国外の特定の顧客と、それに対処するための銀行の方針に関する情報を求めている。
具体的にSECは、同銀が買収したeトレードから、取引を打ち切られた一部の富裕層を顧客とする部門に、なぜ取引を行ったのかについて質問した。
同銀は昨年、規制当局に対し、管理体制と手続きを改善し、FRB当局者と面会して懸念を和らげたと説明している。ウェルス部門はモルガン・スタンレー最大の部門に成長し、近年は買収を経て拡大している。
Amazon株、3年弱ぶり高値更新 クラウドにAIの追い風 - 日本経済新聞
ファーストリテイリングの柳井正氏、円安「日本にとって良いわけがない」 - 日本経済新聞
――外国為替市場では34年ぶりの円安水準です。業績や日本経済に与える影響はいかがでしょうか。
「円安は我々の会社だけでなく、日本にとっても良いわけがない。これは基本的な考え方だ。世界の中の日本を考えると円安になることを喜ぶような人はおかしいのではと思うし、あってはならないと考えている」
JCR、ソフトバンクグループを12年ぶり格上げ 社債発行追い風 - 日本経済新聞
●米大統領選挙
米大統領選で中絶問題が争点に、バイデン氏はトランプ氏の弱み突く - Bloomberg
11月の米大統領選に向けて人工妊娠中絶の権利が争点の1つに浮上してきた。これはおそらく、返り咲きを目指す共和党のトランプ前米大統領が唯一、守勢に立たされている問題だろう。
トランプ氏は移民や経済問題で民主党のバイデン大統領に対して優位に立つが、政治に大きな影響力を及ぼす中絶問題がそれを脅かす恐れがある。今週には、アリゾナ州の最高裁判所が中絶をほぼ全面的に禁じた1864年の州法の効力を認める判断を下し、共和党の戦略に再び暗雲が垂れ込めている。
トランプ氏はその前日、中絶規制については各州の判断に委ねるべきだとの考えを表明したばかりだった。党内の中絶反対派と特定の状況下で中絶を容認する穏健派の分裂を避けるとともに、有権者の反発を和らげる狙いがあるとみられる。
トランプ氏は選挙資金集めのために訪問したジョージア州で、アリゾナ州法は行き過ぎだと記者団に語った。決定する権利は州にあるとした上で、「州知事らがこの法律を理にかなったものに戻してくれると確信している」と続けた。
一方、バイデン大統領は、春の広告予算3000万ドル(約45億9700万円)の大半を中絶の権利に関する広告に投じている。今週には、流産後に感染防止のための治療を拒否され、死にかけたとするテキサス州の女性に関する60秒の選挙広告動画を投入。最後は真っ黒な背景に白い文字で「ドナルド・トランプがやったことだ」との一文で締めくくられる。中絶問題を武器に有権者の支持を狙うバイデン陣営の思惑は明白だ。
とはいえ、有権者にとって選挙当日に中絶問題がどの程度重要な要素となるのかを見極めることは難しい。ブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルタントが実施した3月の世論調査によると、勝敗を左右するとみられる激戦州の有権者の73%が、11月の選挙で誰に投票するかを決める上で中絶問題は重要だと回答したが、米経済や移民、民主主義の保護といった問題よりも重要だとする回答は約7%にとどまった。
それでも「中絶は共和党にとって政治的な急所、選挙上の急所であることに変わりはない」と民主党の政治ストラテジスト、マリア・カルドナ氏は話す。「米国人の大多数は、中絶に対する共和党の過激な反対姿勢を支持していない」という。
連邦最高裁が人工妊娠中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を覆した2022年6月以来、少なくとも14州が中絶を全面的に禁止した。中絶の権利擁護を主張するガットマッハー研究所によると、さらに7州がかつては違憲であったであろう方法で中絶を制限している。
一方、メリーランド州とニューヨーク州では今年、中絶権利の保護を州法に明記することを目指す住民投票が実施される。これまで同様の取り組みで8州が中絶権利の明文化に成功した。
次はフロリダ州かもしれない。同州の最高裁は1日、州憲法に中絶の権利を明記するか否かを問う住民投票の実施を認める判断を下した。他にも複数の州でこれに続く動きがある。
コーネル大学のランドン・シュナベル助教(社会学)は「世論調査は、米国人の大半が特に妊娠初期に関して、合法的な中絶を大半かすべてのケースで支持していることを一貫して示している」と指摘。「厳格な中絶禁止に賛成する国民は多数派ではない」と述べた。
トランプ氏は中絶規制を各州の判断に委ねると表明することで、連邦レベルで規制導入を求める中絶反対団体からの圧力に抵抗している。中絶反対団体や一部の政治家の間では、妊娠15週以降の中絶を全米で一律に禁止する案が有権者を納得させるコンセンサスになるとの議論が浮上している。
トランプ氏は12日、私邸があるフロリダ州パームビーチの会員制高級リゾート「マールアラーゴ」で、中絶反対派のマイク・ジョンソン下院議長と記者会見に臨む。トランプ氏は変化する中絶を巡る状況について多数の質問を受けることになりそうだ。
米国で中絶権利への支持はロー対ウェイド判決が覆される前よりも増えているが、その数は党派によって変わり、妊娠期間を経るごとに減る。ギャラップが2023年5月に発表したデータによると、妊娠初期3カ月の中絶は合法であるべきだと考える人は69%に上った。
バイデン・ハリス陣営の広報担当者は10日、「今起きている苦しみと混乱 」の原因はトランプ氏の判事指名による最高裁の変質にあると述べた。
●各国中銀
ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨 | ロイター
ECB、金利据え置き 声明で利下げ示唆 | ロイター
ECBは声明で「インフレ見通し、基調的インフレの動き、金融政策の伝達の強さに関する理事会の最新の評価が、インフレが持続的に目標に収れんしているとの確信をさらに強めるものであれば、現在の金融政策の制約レベルを下げることが適切になる」と述べた。
入手した情報はおおむね前回のインフレ評価を確認する内容で、賃金の伸びは緩やかになり、企業は人件費上昇を収益性で一部吸収しているとした。ただ域内の物価圧力は強く、サービス価格インフレを高止まりさせていると指摘した。
ECBは昨年9月以降金利を据え置いているが、利下げが視野に入っていることを以前から示唆。今回の声明で新たな文言を用いてそのメッセージを強調した格好となる。
ラガルドECB総裁は理事会後の記者会見で、新たな検証によってインフレが目標に回帰しつつあるとのECB当局者の確信が強まれば、金利を引き下げることが「適切」になると述べた。
こうした発言は6月6月の理事会での政策決定を肯定するものと受け止められている。コメルツバンクのエコノミスト、イェルク・クレーマー氏は「ECBは事実上、6月の利下げを発表した」と指摘。「多くのことが起きない限り、6月の利下げは阻止されない」とした。
ラガルド氏は理事会の「ほんの数人」のメンバーが政策を緩和すべき時期が来たと考えていたものの、待つことで合意したと言及。ECBは今後より多くの情報を入手し、6月に新たなインフレ・経済成長予測を発表すると述べた。
物価情勢については、中東情勢の緊張により原油価格が6カ月ぶりの高値である1バレル=90ドル近辺に上昇したことを受け、ECBは原油先物の動向を注視していると言及。ただ、ユーロ圏のインフレ率は来年半ばまでに目標の2%に戻るとの見通しを改めて確認した。
今回のECB理事会を受け、短期金融市場が見込む6月に0.25%ポイントの利下げが行われる確率は約70%と、約80%から低下。ただ、ラガルド総裁は「特定の金利の道筋を事前に確約しているしているわけではない」と強調した。
一部アナリストは、ECBは必要に応じて6月の理事会で金利据え置きを決定する余地を残したと指摘。同時に、将来的な利下げペースがより大きく注目されているとした。
<米金融政策を注視>
ラガルド総裁は、米経済の動向が政策決定に関連しているとの認識を示しながらも、ユーロ圏の状況は異なるとも強調。「ECBは米連邦準備理事会(FRB)に依存しているのではなく、データに依存している」と語った。
ECBの討議内容に詳しい複数の関係筋は、今回の理事会で米国の動向に関する議論が審議の重要な部分を占めたと言及。6月以降の動きについて、FRBの金利の道筋がより明確になるまでECBは金利を据え置く可能性があると述べた。
3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.4%と、ロイター調査の横ばい予想に反して前月の2.6%から鈍化した。 もっと見る
市場はECBが今年3回、計75ベーシスポイント(bp)の利下げをする可能性を織り込んでいる。
これに対し米国の3月のCPIは前年同月比3.5%上昇し、前月の3.2%上昇から加速。昨年9月以来の大幅な伸びとなり、FRBが9月まで利下げを見送るという観測が強まった。
市場関係者は、FRBがインフレ対応を継続するために金融緩和を遅らせた場合、事態が複雑化する可能性があると指摘。AFSグループ(アムステルダム)のシニアアナリスト、アルネ・ペティメザス氏は「ECBはFRBを緊密に注視する。FRBが年内に利下げを開始しなければ、ECBの利下げは2回程度に限られる可能性がある」と述べた。
ECB、金利据え置き-6月利下げへの道筋固める - Bloomberg
声明は「インフレ見通し、基調的インフレの動向、金融政策伝達の強さに関する政策委の最新の評価で、インフレが持続的に目標に向けて収束しているとの確信がさらに強まった場合、金利による景気抑制の度合いを現在の水準から引き下げることが適切だろう」と説明した。
引き続きデータ次第のアプローチを取り、「特定の金利軌道にあらかじめコミットすることはない」と付け加えた。
複数のECB当局者、据え置き決定に納得するまで時間かかる-関係者 - Bloomberg
欧州中央銀行(ECB)が11日開いた政策委員会会合では、最大5人のメンバーが政策金利据え置きに納得するまで他のメンバーより時間がかかったようだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
同関係者によれば、当初は利下げを支持する政策委メンバーが少なからずいたが、その後すぐに一部メンバーは利下げ時期は6月が適切だとする多数派の意見に加わった。米国で発表されたインフレ率が市場予想を上回ったことから、当局者は一段と慎重になったという。
ラガルド総裁は会合後の会見で、意見には相違があったことを認めている。「実のところ、4月に入手した限られたデータだけを基に十分な確信を持つメンバーも数人いた」とラガルド氏は述べ、「その後、6月にさらなるデータを入手した時点で確信を強める必要があるとの大多数のコンセンサスに集約することに合意した」と説明した。
米利下げの緊急性低下、ディスインフレ一様でない可能性=ボストン連銀総裁 | ロイター
米ボストン地区連銀のコリンズ総裁は11日、経済の力強さと一様でないインフレ低下の動きを踏まえ、米連邦準備理事会(FRB)が短期的に利下げに動く緊急性は低下しているという認識を示した。
差し迫った利下げの必要性なし、金融政策は「好位置」=NY連銀総裁 | ロイター
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は11日、金融政策は現在「好位置」にあり、経済情勢を踏まえると「極めて近い将来に金融政策を調整する明確な必要性はない」と述べた。
また、現時点で利上げは想定しておらず、いずれ利下げが必要になるという認識も示した。
さらに、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制で「かなりの進展」を遂げたものの、見通しを巡る不確実性を踏まえると、政策決定に当たり今後入手されるデータを引き続き見極める必要があるという見解を示した。
米インフレ、FRBが望むところにまだ達せず=リッチモンド連銀総裁 | ロイター
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は11日、最新の物価に関する経済指標で、物価圧力が継続的に緩和していくとの十分な確信を得るという点で、米連邦準備理事会(FRB)が望むところにまだ到達していないことが示されたと述べた。
米利下げ、金融機関が相次ぎ開始時期先延ばし 物価指標受け | ロイター
米金利先物、7月利下げ開始の見方強まる 予想下回るPPI受け | ロイター
米金利先物市場では前日、市場予想を上回る3月の米消費者物価指数(CPI)を受け、利下げ開始時期予想が6月から9月に後退。ただ、11日には予想を下回るPPIを受け、7月の利下げ開始確率が9月とほぼ同程度となった
米利下げ、年内は12月の1回のみ-ドイツ銀とBofAが予想大幅修正 - Bloomberg
●先進国、グローバル、金融市場
「内向きの同盟国から変化」と岸田首相、日本の役割拡大を米議会で強調 | ロイター
OPEC、24・25年世界需要予想据え置き 夏場の燃料消費堅調 | ロイター
日米、テキサス新幹線計画に支持 米鉄道公社が主導 | ロイター
高速鉄道はテキサスセントラル・パートナーズとアムトラックが全長380キロメートルの鉄道建設と運営を手がける。完成すれば車で3時間半を要するダラスとヒューストンが約90分で結ばれる。
JR東海の新幹線技術を使う計画で、国際協力銀行など日本の政府系金融機関が計画を進めるための資金を融資してきた。
カナダ、今夏も森林火災多発の恐れ 春夏の高温予想で政府が懸念 | ロイター
カナダ政府は10日、エルニーニョ現象で春から夏にかけて気温が例年より高くなると予想し、今夏も「壊滅的な」森林火災シーズンになる恐れがあると発表した。
昨年はカナダ史上最悪の火災発生を記録。6600件を超える火災により年平均の約7倍となる1500万ヘクタールが消失。消防士8人が死亡し、23万人が自宅から避難した。
今冬は例年より気温が高く、広範囲な干ばつが発生。夏も猛暑になる環境が整ったとみられている。
非常事態対策担当の当局者は記者会見で「気温の傾向は極めて懸念される。全土で熱波と干ばつが見られ、森林火災のシーズンがより早く始まってより遅く終わると予想されるほか、より爆発的になる恐れがある」と述べた。
政府閣僚らは、気候変動が森林火災や干ばつ、熱波など極端な気象現象を引き起こしていると指摘。ウィルキンソン天然資源相は「森林火災はこれまでにも全土で発生しているが、頻度と激しさはこれまでにないものとなっている」と述べた。
フランス、今年の財政赤字予想を悪化方向に修正 歳出追加削減へ | ロイター
予想通りなら、今年の財政赤字のGDP比は欧州連合(EU)が定める3%の上限を、昨年に続き2年連続で上回る。25年には4.1%に下がり、27年には2.9%となって3%の上限を下回ると見込んでいる。
財務省当局者によると、政府は既に今年に入って100億ユーロ規模の緊急歳出カットを発表しており、年内に歳出をさらに100億ユーロを減らす計画。
フランスは財政収支が慢性的に赤字で、1974年を最後に黒字化したことがない。近年は成長の鈍化、金利の上昇、新型コロナウイルスのパンデミック後の財政出動などが重なり、財政赤字のGDP比はEUの上限である3%を上回った。
スペインのLNG輸入、3月はロシア産が26% | ロイター
世銀、24年の中南米成長予想を1.6%に引き下げ 競争促進助言 | ロイター
世銀の中南米・カリブ海地域(LAC)担当バイスプレジデント、カルロス・フェリペ・ハラミージョ氏は「持続的な低成長は単なる統計の話ではなく、発展の障壁となっている。公共サービスの低下、雇用機会の減少、給与水準の低下、貧困と格差の拡大につながる」と述べた。
世銀は、競争の低さがイノベーションと生産性の障壁となっているとみている。域内では労働者の70%が自営業か従業員10人以下の企業に属している一方、大企業がさままざな産業を支配しているという。
各国に競争を促す機関や法律があっても、大企業が政府の政策に影響力を持つケースが多いとして、競争促進の実現の難しさを指摘した。
米3月PPI、前月比0.2%上昇と伸び鈍化 モノの価格が下落 | ロイター
3月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)で0.2%上昇となった。伸びは2月の0.6%上昇から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想(0.3%上昇)も下回った。
サービス価格の上昇が財(モノ)の価格の下落によって相殺されており、インフレ再加速懸念を和らげる可能性がある。
3月の前年同月比は2.1%上昇。2月は1.6%上昇だった。
FWDBONDSの主任エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「PPIでインフレが悪化していないことが示された」とし、「政策担当者はインフレの道筋を示す経済指標を待ちながら、警戒を続けることができる」と指摘。
キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏も「デフレーションのペースは鈍化しているが、インフレ再燃を巡る懸念は行き過ぎのようだ」と述べた。
サービスの価格は0.3%上昇。2月も0.3%上昇だった。証券売買の仲介手数料や、投資助言および関連サービスの費用が3.1%上昇した。ポートフォリオ管理手数料は0.5%上昇した。
専門・商業用機器卸売、投資銀行、コンピュータハードウエア、ソフトウエア、消耗品小売の価格も上昇した。航空運賃は2月の2.7%上昇に続き、2.2%上昇した。
一方、ホテルなどの宿泊料金は3.8%下落した。健康保険・医療保険は0.2%上昇した。
財の価格は0.1%下落した。2月は1.2%と大きく上昇していた。ガソリン卸売価格が3.6%下落したほか、卵、炭素鋼スクラップ、ジェット燃料、生鮮果物も下落した。
加工鶏肉価格は10.7%上昇した。生鮮野菜や乾燥野菜、家庭用電力、自動車の価格も上昇した。
変動が大きい食品とエネルギー部門を除いたコアの財価格指数は0.1%上昇。2月は0.3%上昇だった。
食品とエネルギー、貿易サービス部門を除いたコア指数は0.2%上昇した。2月は0.3%上昇だった。前年同月比では2.8%上昇。2月は2.7%上昇していた。
インフレ率鈍化は年内継続も、完全制御はされず=IMF専務理事 | ロイター
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は11日、インフレ率は予想されていたより迅速に鈍化しているものの、完全に制御されたわけではないとの見解を示した。主要中央銀行の当局者に対しては政策金利の引き下げを決定する際、今後入手するデータを慎重に評価するように促した。
ゲオルギエワ氏によると、先進国の総合インフレ率は2023年第4・四半期に前年同期比2.3%上昇し、わずか1年半前に9.5%だった伸び率は鈍化した。鈍化傾向は24年も続くと予想される。
ゲオルギエワ氏はこれに伴い、主要先進国の中銀は回数や時期は異なった場合でも、今年下半期に利下げを開始する状況になるとの見方を表明。「この最終段階では、中銀が独立性を守ることが二重に重要だ」とし、政策立案者は必要になった場合には早期利下げを求める声に抵抗するように促した。
「早過ぎる緩和は新たなインフレサプライズを引き起こし、さらなる金融引き締めを必要とするかもしれない。一方、遅らせ過ぎれば経済活動に冷や水を浴びせることになりかねない」と指摘した。
ゲオルギエワ氏はIMFが来週公表する「世界経済見通し」で、米国や多くの新興市場経済が堅調なため世界経済の成長率予想をわずかながら上方修正することを明らかにした。具体的な新たな予想は示さなかった。
米新規失業保険申請1.1万件減の21.1万件 予想以上に減少 | ロイター
4月6日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万1000件減の21万1000件と、市場予想(21万5000件)以上に減少した。労働市場が引き続きかなり逼迫していることを示唆した。一方、解雇された労働者の一部が新たな職に就くまでに時間がかかっている可能性もある。
3月30日までの1週間の継続受給件数は2万8000件増の181万7000件だった。
IMF専務理事、世界経済見通し「わずかに上方修正」 - 日本経済新聞
英、インフラ再国有化論 サッチャー民営化35年で水道危機 - 日本経済新聞
英国で水道や鉄道といったインフラを再び国有化する議論が持ちあがっている。サッチャー政権の1989年に民営化した水道会社が経営危機に陥るなど、負の側面が目立ってきた。
水道会社「テムズ・ウオーター」の親会社の債務不履行が5日、明らかになった。資金不足により、これまでの債務にかかる利子の返済ができなかった。ロンドンを中心にイングランドの900万人に水道水を供給し、1500万人の下水処理を手がける。
この親会社は水道会社の金融機能を担う。期待していた株主からの追加出資が3月末までに入らず行きづまった。株主はインフラの老朽化に伴う水道会社の慢性的な業績不振や、料金の引き上げに慎重な規制当局の姿勢を不安視して追加出資を見送った。
水道会社は料金収入があるため2025年5月までの運転資金は確保できると説明している。親会社の株主がこのまま追加出資に応じなければ、水道会社も25年の途中で資金不足に陥る懸念がある。英国の人口の4分の1が使う生活インフラに支障が出かねない。
サービスの途絶や混乱を避けるため、水道事業が公的管理下に入るシナリオがささやかれる。テムズ・ウオーターのクリス・ウェストン最高経営責任者(CEO)は3月末、公共放送BBCに「最終的には国有化される可能性がある」と述べた。
サッチャー氏から引き継いだメージャー政権で90年代に分割民営化した鉄道にも再国有化の議論がある。英政府は運賃や時刻表の設定、インフラや鉄道網の監督を担う公的機関「グレート・ブリティッシュ・レールウエー」を設ける方針を示している。
民営化の際に運行と保守管理を分離し、運行を多くの民間会社に開放した。競争を生んだものの事業の分離で非効率も生じ、ダイヤの乱れなどを招いていた。
エネルギー関連では、25年1月までに実施する次期総選挙で14年ぶりの政権復帰をめざす最大野党・労働党が公営のクリーンエネルギー会社の設置を公約にしている。
英国民の多くはインフラの再国有化を望んでいる。イプソスの23年7月の世論調査によると、水道で68%、鉄道は65%、ガス・電力は63%、郵便は60%が国有化に賛成した。
民営化から数十年たち、サービスの質の低下や料金の上昇といった負の面に目が向きやすくなっている。世界でもパリの水道が料金上昇の批判を受け再び公営化した例などがある。
もっとも、国営のほうがうまくいくという単純な話ではない。一般的には民営化すると競争原理が働きやすくなり、サービスの質の向上などにつながるとされる。実際にテムズの民営化も当初は、コスト削減や海外展開を進めたことで成功例と言われた。
テムズのケースでは06年にオーストラリア投資銀行のマッコーリーが率いるコンソーシアムの傘下に入った後、株主への配当が優先されることになり、「必要なインフラ投資に資金が回らなくなった」。グリニッジ大学のデビッド・ホール客員教授は話す。
今も主要株主には他国の年金基金やファンドが名を連ねる。ホール氏は「水道サービスの向上が後回しになる経営を取り巻く体制も現在の問題の背景にある」と指摘する。長年是正しなかった政府の責任も大きい。
米住宅ローン金利、再び7%に迫る - 株探(かぶたん)|米国株
●エマージング
韓国総選挙、野党が過半数獲得 尹政権レームダック化も | ロイター
10日投開票の韓国総選挙は、革新系の最大野党「共に民主党」が過半数を上回る議席を獲得して圧勝した。尹錫悦大統領の与党には大きな痛手となった。
中央選挙管理委員会や放送局によると、11日午前10時32分(日本時間同)時点で開票率100%となり、国会の全300議席のうち、共に民主党が175議席を獲得。共に民主党と協力関係にあるとされるリベラル政党は12議席を獲得したもよう。
公式結果は同日中に発表される。
野党勢力が全議席の3分の2に当たる200議席を獲得すれば大統領が拒否権を行使した法案を再可決したり、憲法改正案を可決できるようになるが、その水準には達しない見込み。
与党「国民の力」は108議席を確保する見通し。
総選挙は、発足後約2年の尹錫悦政権の「中間評価」と位置付けられていた。政権の支持率は生活費高騰や尹夫人が知人から高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑などを背景に低迷しており、一部の政治アナリストは今後のレームダック(死に体)化を予想している。
共に民主党の李在明代表は選挙結果について、有権者が「尹政権反対の審判を下し、共に民主党に国民の暮らしやより良い社会づくりのために取り組む責務を与えた」と述べた。
李氏はソウル近郊の仁川の選挙区で、尹大統領に近いとされる保守系重鎮に勝利した。
尹氏の側近によると、同氏は選挙結果を「謙虚に受け止め」、政権刷新を誓った。
聯合ニュースによれば、韓悳洙首相らが辞任を申し出た。
仁川大学のイ・ジュンファン教授(政治学)は、有権者は政府の経済政策が失敗しているというメッセージを伝えたと指摘。「野党が190議席近くかそれ以上の議席を持つ中、立法、予算、国政の困難は今後も続くと思う」と述べた。
韓国外国語大学のメイソン・リチー教授は、レームダック化する可能性が高い中、尹大統領は政策を推し進めやすい外交に集中することになりそうだとの認識を示した。
NH投資証券のアナリスト、キム・ヨンファン氏は、世界的に割安に取引されているとされる企業株式の価値を高めようとする尹氏の実行力への期待は弱まったと述べた。
中台の対立、平和的解決が可能=台湾前総統 | ロイター
インド首相、中国と国境問題に「早急に対処する必要」 姿勢軟化 | ロイター
インドのモディ首相は10日付の米誌ニューズウィークのインタビューで、同国と中国が「長期化した国境の状況」に早急に対処する必要があると述べた。国境問題で自国の主権と尊厳を守る決意を示した従来の発言に比べトーンダウンした。
両国関係に生じた「異常事態」から決別する必要があるとした。
2020年にヒマラヤの国境係争地帯で両国軍が衝突し、兵士24人が死亡して以来、両国関係の緊張が続いている。
モディ氏は「インドにとって中国との関係は重要」と強調。両国の平和的な関係は地域全体や世界にとっても大切だと述べた。
アジア途上国の24年成長見通しは4.9%、リスクも=ADB | ロイター
アジア開発銀行(ADB)は11日、今年のアジア開発途上国の成長率見通しを4.9%とし、昨年12月時点の予想(4.8%)からやや上方修正した。多くの国で見られる健全な内需が中国の不動産セクターに起因する景気減速の影響を相殺するという。
ただ、中東を含む地政学的緊張の高まりがサプライチェーン(供給網)を混乱させ、インフレ再燃につながる可能性など、依然として課題があると警告した。
中国4社が米貿易ブラックリスト入り、軍向けにAIチップ入手図る | ロイター
中国首相、6月にオーストラリア訪問=香港紙 | ロイター
ウクライナ、限界近いとの懸念高まる-戦争開始後最も脆弱と当局者 - Bloomberg
1200キロに及ぶ戦線で弾薬と兵力が深刻に不足し、防空も十分でないウクライナは、2年余り続く戦争で最も脆弱(ぜいじゃく)な状態にあると、状況に詳しい西側の当局者は指摘した。
ハマス指導者の息子殺害、ネタニヤフ首相への事前相談なし=報道 | ロイター
バイデン氏、イランの報復に対するイスラエルの「鉄壁の」支援を約束|ARAB NEWS
ワシントン:ジョー・バイデン米大統領は水曜、ダマスカスのイラン大使館ビルを空爆し、2人の司令官を殺害した空爆に対する報復をイランが誓うなか、イスラエルへの「鉄壁の」支援を約束した。
バイデン氏の約束は、イスラエルの対ハマス作戦における民間人の犠牲、特に7人の国際援助活動家が死亡した空爆の後、ネタニヤフ首相を公の場で批判しているにもかかわらずである。
バイデン氏は記者会見で、「イランはイスラエルに重大な攻撃を仕掛けると脅しています。ネタニヤフ首相に伝えたように、イランと武装勢力からの脅威に関する、イスラエルの安全保障に対し我々の支援は『鉄壁』です」と述べた。
「もう一度言わせてください。我々の支援は『鉄壁』です。イスラエルの安全保障を守るために全力を尽くすつもりです」とバイデン氏は、岸田文雄首相の隣で演説した
米国は開戦以来、イランがシーア派過激派組織ヒズボラを支援するレバノンを含め、戦争の拡大を防ごうとしてきた。
米国は4月1日の空爆について、イスラエルが外交施設を空爆したかどうか不確実であるとして、公の場での反応には口を閉ざしている。
ネタニヤフ首相、過去四半世紀で「最も破壊的な公僕」と米上院議員|ARAB NEWS
ネタニヤフ首相、イスラエルはガザ以外でもシナリオを準備している|ARAB NEWS
●市況
欧州市場サマリー(11日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)が近く利下げに踏み切る可能性を示唆したことを受け、銀行株と保険株が下落したのが相場を押し下げた。
FTSE350種銀行株指数は2.73%下落し、下げ幅は7週間超ぶりの大きさだった。保険株指数は2.04%安。
保険会社アビバは6.3%、英銀大手のロイズは4.6%それぞれ下げた。
日用品のレキット・ベンキーザーも2.3%安だった。
一方、英製薬大手アストラゼネカは2.1%上げ、2024年の年間配当を引き上げる方針を示したことが好感された。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)が近く利下げに踏み切る可能性を示唆したことを受け、銀行株が下落したのが相場を押し下げた。
STOXX欧州600種指数は1カ月ぶりの安値を付けた。銀行株指数は2.33%下落。
ドイツの航空大手ルフトハンザは2.7%下落。中東情勢の緊迫を理由にイランの首都テヘラン発着便の運航停止期間を延長したとの発表が嫌気された。
スイスのバイオテクノロジー関連企業、イドルシアは26.4%と急落。2023年通期と24年第1・四半期の決算発表を延期し
<ユーロ圏債券> 国債利回りが上昇した。欧州中央銀行(ECB)が近く利下げに踏み切る可能性を示唆したものの、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退していることの方が大きく意識されている。たことが嫌気された。
NY市場サマリー(11日)ドル上昇、利回り一段高 S&P・ナスダック反発 | ロイター
<為替> 不安定な値動きとなる中、ドルが上昇。朝方発表された3月の米卸売物価指数(PPI)が予想を下回る伸びにとどまったものの、インフレ再燃を巡る懸念を和らげるには至らなかった。
<債券> 国債利回りが一段と上昇し、2年債利回りが昨年11月以来初めて5%台に乗せた。この日発表の卸売物価指数の伸びは鈍化したものの、前日発表の3月CPIを受け、市場ではインフレ再燃が懸念されている
<株式> S&P総合500種とナスダック総合が大幅反発して取引を終えた。この日発表された3月PPIの伸び率が鈍化したことで、インフレが鎮静化しているとの期待が広がった
<金先物> 米インフレ圧力の緩和を示唆する統計の発表を好感し、反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比24.30ドル(1.03%)高の1オンス=2372.70ドル。2営業日ぶりに史上最高値を更新した
<米原油先物> 米国の根強いインフレ圧力や米製油施設の操業停止などを背景とした需要減速懸念が 重しとなり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.19ドル(1.38%)安の1バレル=85.02ドル。6月物は0.99ドル安の84.45ドルだった。
【米国市況】S&P500種が反発、ハイテクが上げ主導-153円20銭台 - Bloomberg
S&P500種は5200近辺で引けた。ハイテク中心のナスダック100指数は1.65%上昇した。アルファベットは時価総額が2兆ドルに接近し、アマゾン・ドット・コムは上場来高値を更新。アップルは大幅高。「Mac」シリーズの刷新を準備しているとの報道が好感された。一方で金融株は低調で、モルガン・スタンレーは急落した。同社ウェルス部門を米連邦当局が調査していると、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた。
ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによると、S&P500種構成企業の第1四半期の1株利益は前年比3.8%増が見込まれている。業績が予想通りとなれば、依然として割高な相場を少なくとも下支えすることにはなりそうだ。
またブルームバーグ・インテリジェンスによれば、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラの利益は38%増となったもようだ。
S&P500種の株価収益率(PER)は10年平均を約20%上回っており、企業の成長がそれを正当化できるかどうか、決算に注目が集まっている。
コメリカ・ウェルス・マネジメントのジョン・リンチ氏は「現在は、株価が企業価値を十分に反映し、市場金利は上昇傾向で、米利下げに対する市場の期待は低下しているという環境にある」と分析。「よって、現在の株式バリュエーションの水準と投資家心理を正当化するには、企業収益が拡大し続けることが不可欠だ」と語った。
12日の銀行決算では、純金利収入や投資銀行業務といった利益を左右する要素に関して、銀行側の見通しや見解が注目されそうだ。
「投資家は、底堅い経済の兆候継続と2024年のソフトランディング確認のため、銀行CEOの発言に注目するだろう」と、ウォールストリート・ホライズンのクリスティン・ショート氏はみる。
同氏は、銀行に対しては23年と同様の逆風・追い風要因が24年も影響していると指摘。
「高金利は依然として、銀行が健全な水準の純金利収入を維持する上でプラスに働いている。だたその反面、高金利にはコスト上昇に耐えきれなくなった借り手のデフォルト(債務不履行)につながるというマイナスの意味合いもある」とし、「金利低下への期待が今年に入り銀行株を押し上げてきたが、労働市場の逼迫(ひっぱく)とインフレ指標の高止まりにより、低下期待は勢いを失っている」と述べた。


備忘録(2024/4/10
●決算
2024年1〜3月期決算は、最終損益が3700万ドル(約56億6100万円)の黒字に転換した。前年同期は3億6300万ドルの赤字だった。国内・国外ともに需要が安定していたことに加えてビジネス目的の旅行者が増えたことで増収となり、コスト増を補った。
売上高は前年同期比8%増の137億4800万ドルだった。主力の旅客収入は7%増の111億3100万ドルだった。ビジネス目的の旅行による売上高が14%増えた。特にIT(情報技術)やサービス業、金融関係者による出張がけん引した。
地域別売上高の内訳をみると、引き続きアジア行きなどの太平洋路線の伸び幅が最も大きく、31%増だった。デルタの幹部は10日の決算説明会で「日本と韓国への需要が強い」とコメントした。大西洋路線とラテンアメリカ路線もそれぞれ5%と12%増えた。国内路線も5%の増収になった。
採算面では、全体の運営コストが1%増えた。人件費は12%増だったほか、機体の修繕費用も16%増えた。ただ、前年同期にパイロットとの新契約による一時金(8億6400万ドル)を計上していた分がなくなり、コスト全体の増加幅を抑えた。
デルタは、24年12月期通期の業績見通しについて従来予想を据え置いた。1株利益は6〜7ドルになると想定している。
デルタ航空、法人需要が加速し好調な決算発表 ただ、株価は下げに転じる=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
同社のバスティアンCEOはインタビューで「2023年末からビジネス出張がさらに一歩前進し、15%ポイント近く売上が加速し、2019年の水準に完全に戻った」と述べた。
アナリストは「1月は特に厳しい天候に見舞われ心配されたが、第1四半期の業績は好調だった。法人の需要が伸びていたが、特にテクノロジー、コンシューマーサービス、金融サービスなどの大企業顧客の回復がプラスに働いた」と述べている。
●企業
イトーヨーカ堂上場検討決議、株一部売却も確認 セブン&アイ役員会 - 日本経済新聞
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は10日、傘下の総合スーパー(GMS)であるイトーヨーカ堂などのスーパー事業の株式について新規株式公開(IPO)の検討に入ると取締役会で決議したと発表した。2026年2月期までに構造改革で利益体質を改善させた上で一部株式を売却し、スーパーの成長に向けて外部企業との連携模索を検討することも確認した。
同日、東京都内の本社で取締役会を開いた。「スーパーストア(SST)」と呼ぶスーパー事業については、コンビニエンスストア事業と連携しながら抜本的な改革を進める方針を確認した。その上で、首都圏の食品スーパー事業の26年2月期の黒字転換など再建が見通せる状況に入った場合、早いタイミングでの新規株式公開(IPO)の検討に入る方針とした。
社外取締役で構成する戦略委員会は、この1年間に議論してまとめた会社側への提言をセブン&アイ経営陣に送った。取締役会では同提言も共有され、スーパー事業の再建後にセブン&アイが「一定程度の持ち分」を手放す方向で検討に入ることも確認した。提言を元に議論を行い、基本的に提言内容に沿って戦略を進めていくとしている。
SST事業の一部株式の売却手法については、中間持ち株会社を設立し、ヨーカ堂やグループの食品スーパー、ヨークベニマルなどをぶら下げ、同持ち株会社に外部出資を募る案が有力だ。セブン&アイはヨーカ堂を含む首都圏のスーパー事業を26年2月期までに黒字転換などを達成させる計画で、中間持ち株会社の設立や一部株式の売却などは当面の目標達成が前提となる。
10日、東京都内で決算発表の記者会見を開いたセブン&アイの井阪隆一社長は「食の分野でコンビニとSSTの協業をしっかりやるためには(セブン&アイが)ある程度持ち分を持ちながらも、SSTとしては財務規律を維持し、自分たちの成長投資ができる形態がふさわしい」と、新しいヨーカ堂改革の方向性について狙いを説明した。
セブン&アイのSSTの持ち分比率については「SSTの連結化にはこだわらない。どれくらいの比率を持つのがシナジー(相乗効果)創出に必要か検討している」とした。
ヨーカ堂を巡っては23年2月期まで3期連続の最終赤字となり、米投資ファンドのバリューアクト・キャピタルから23年にスーパー事業(ヨーカ堂)の売却や分離などを求められた。セブン&アイの井阪社長は「世界トップクラスのリテールグループを目指す上でスーパー事業は必要不可欠だ」として、ヨーカ堂の自主再建を決断した経緯がある。
ここ1年でグループの食品スーパー、ヨークと合併し本部機能などを集約した。様々なコスト削減にも取り組んでおり、北海道や東北、信越地方から撤退し、首都圏の旗艦店も複数閉鎖する方針だ。
TSMC、1〜3月は4四半期ぶり増収 生成AI向けけん引 - 日本経済新聞
半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日発表した2024年1〜3月期の売上高(速報値)は、前年同期比16.5%増の5926億台湾ドル(約2兆8100億円)だった。生成AI(人工知能)関連など先端半導体の受託生産が好調で、4四半期ぶりに増収となった。1〜3月期としての過去最高を更新した。18日に1〜3月期決算の発表を予定する。
日本生命、米ドル建て劣後債13億ドル 財務の健全性強化 - 日本経済新聞
日本生命保険は10日、米ドル建ての劣後社債を13億2000万ドル(約2000億円)発行すると発表した。米金利は高止まりしているものの、利下げ観測も根強い。上乗せ金利(スプレッド)の縮小で資金調達の環境が改善するなか、財務基盤の強化を図る。
償還期限は2054年4月で、利率は最初の10年が年5.95%。その後は5年ごとに更新する。米国債に対する上乗せ金利は、過去12年間で最も低い1.59%で調達できる見通し。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測がくすぶるなか、現時点で高い利回りを得られるドル建て社債への投資需要は高まっている。
米国や欧州、アジアを中心とする海外市場で募集する。日本生命は直近で2023年9月に9億3000万ドルを調達した。機関投資家向けでJPモルガン証券など5社が主幹事を務める。
セブン&アイ20%減益 24年2月期、特損最大の2459億円 - 日本経済新聞
セブン&アイ・ホールディングスが10日発表した2024年2月期連結決算は、純利益が前の期比20%減の2246億円だった。傘下のイトーヨーカ堂などのリストラ費用が膨らみ、特別損失を2459億円計上した。同日、ヨーカ堂などスーパー事業の新規株式公開(IPO)の検討に入ることも正式発表した。
特損は17年2月期に計上した1512億円を上回り、05年の持ち株会社移行後で最大となる。百貨店子会社そごう・西武の米投資ファンドへの売却に伴う損失(1296億円)や、ヨーカ堂の従業員の早期退職や店舗減損などによる構造改革費用(288億円)などを計上した。
売上高にあたる営業収益は前の期比3%減の11兆4717億円、営業利益は5%増の5342億円だった。主力のコンビニエンスストア事業は国内でインバウンド(訪日外国人)など来店客が増えた。海外ではオリジナル商品の開発を強化し採算が上向いたほか、円安も追い風となった。
25年2月期の営業収益は前期比2%減の11兆2460億円、純利益は30%増の2930億円と2年ぶりに最高益となる見通し。構造改革の効果でスーパー事業の採算が改善する。国内のコンビニ事業も堅調に推移する。増益に転じることから実質増配する。
7&iHD、イトーヨーカ堂含むスーパー事業のIPOへ検討開始 - Bloomberg
イオン、今期営業利益7.6%増の2700億円 過去最高の見込み | ロイター
イオンは10日、2025年2月期通期の連結営業利益が前年比7.6%増の2700億円となる見通しだと発表した。前期に続き過去最高益を見込む。営業利益予想は市場予想平均値の2652億円をやや上回る。
営業収益は前年比4.7%増の10兆円、経常利益は同9.5%増の2600億円、純利益は同2.9%増の460億円を見込む。
同社は2021─2025年度のグループ中期経営計画で掲げたデジタルシフトの加速と進化など5つの成長戦略と、環境・グリーンへの取り組み加速で収益改善を図っている。今期はすべてのセグメントで増益を計画しており、「営業収益、営業利益、経常利益とも過去最高を目指す」という。
2024年2月期通期の連結業績は、営業収益が前年比4.8%増の9兆5535億円、営業利益が同19.6%増の2508億円、経常利益が同16.6%増の2374億円、純利益は前年比2倍超の446億円となった。
第一生命HD、子会社が米生保を買収 約1000億円 - 日本経済新聞
第一生命ホールディングス(HD)は10日、子会社の米プロテクティブが、米国で団体保障事業を展開するシェルターポイントを買収すると発表した。買収額は非公表だが、7億ドル(約1000億円)程度と推計される。プロテクティブは個人保障の事業が中心だった。シェルターポイントの買収により、事業の分散と収益の安定をめざす。
買収に伴い、第一生命がプロテクティブに約3億ドルを追加出資する。当局の認可を前提に12月までに買収手続きを終える見通しだ。
シェルターポイントは「短期所得補償保険」や「有給休暇補償保険」と呼ばれる商品を取り扱う。企業の従業員を対象に、出産や介護などで休暇を取る際の収入を補償する。ニューヨーク州などで企業に加入が義務付けられており、26年までに14の州で義務化される見込みだ。
シェルターポイントの短期所得補償の分野での保険料収入は約5億ドルに上る。同社の主力商品は1年更新で、金利環境の変化などによる市場変動リスクが比較的低い点が特徴だ。
第一生命は2015年2月にプロテクティブを約5800億円で完全子会社とした。同社は企業買収を事業として展開し、第一生命の傘下入り後も保険会社の買収を重ねてきた。プロテクティブによる買収は今回で60件目になる。
第一生命は3月末、24年度から3カ年の中期経営計画を公表した。海外事業に関しては、グループ全体の利益に占める割合を4割に高める目標を掲げている。海外事業の利益目標は1600億円で、そのうちの300億円程度をM&A(合併・買収)でまかなうとしていた。加えて3年間で3000億円の戦略投資枠を設けている。
プロテクティブについては、定額・変額年金の販売拡大などに加え、新規買収による成長を追求するとしていた。
欧州エアバス、第1四半期の納入機数は12%増 ボーイング上回る | ロイター
英HSBC、中国で富裕層向け事業さらに拡大 インドも注力 | ロイター
日鉄のUSスチール買収計画、米大統領選年の政治的渦の真っただ中に - Bloomberg
日本製鉄の森高弘副社長は3月7日、業界最大規模となる米鉄鋼大手USスチール買収計画の実現に向け、その鍵を握ると目される米鉄鋼労働組合(USW)のデービッド・マッコール国際会長とペンシルベニア州ピッツバーグで会談した。
140億ドル(約2兆1400億円)規模の買収実現には、多大な政治的影響力を持つUSWの賛同を得ることが唯一のハードルと受け止められている。森氏はマッコール氏に対し、USスチールに14億ドルの追加投資を行い、買収に起因するレイオフや工場閉鎖を行わないとのコミットメント提示を確約した。
協議に詳しい複数の関係者の話では、森氏がコミットメントについて説明後、USW側が文書を読む間に8分間の沈黙が続き、ようやくマッコール氏が重い口を開いた。会合は1時間足らずで終了した。
この会合以降、マッコール氏とUSWは雇用確保を巡る懸念を理由に買収計画への反対を表明。一方で、さらなる交渉への扉は開いたままにしている。
労組は通常、企業買収の問題でこれほどの影響力を持つことはない。しかし、日鉄によるUSスチール買収計画は米大統領選挙の年の政治的な渦に巻き込まれている。USWの反対を受け、ブルーカラー労働者の票を取り込みたいバイデン大統領とトランプ前大統領も公に反対姿勢を示している。
こうした混乱は、米国の主要同盟国の一つである日本との関係に緊張をもたらしかねない恐れがあると同時に、激戦州の有権者の票獲得のための政治的判断が企業の経営戦略に大きな影響を及ぼしていることを浮き彫りにしている。
ソロモン・ブラザーズでの勤務も含め、アナリストして40年間にわたり鉄鋼業界をカバーしたミシェル・ギャランター・アップルバウム氏は、「あらゆる方面に政治が絡んでおり、こうした大型買収計画にとって現在は非常に厳しい局面だ」と指摘した。
政治的な反対の声は昨年12月の買収計画発表の直後に上がった。ペンシルベニア州選出のフェターマン上院議員(民主)はピッツバーグ郊外ブラドックにある自宅からUSスチールの製鋼所を背景にビデオ撮影し、「彼らが外国に身売りするというのは言語道断だ」と話した。
やはり同州選出のケーシー上院議員(同)も計画に疑念を表明し、ホワイトハウスのブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は国家安全保障の観点から米当局による精査に値するとの考えを示した。
その後、バイデン大統領は3月14日、「米鉄鋼労働者には私がついていると伝えた。それが私の本心だ」とする声明を発表し、USスチールに対して米国資本の企業として存続するよう求めた。
USスチールの株価は同日の取引で、日鉄による買収計画発表直前の12月半ば以来の安値に下落。現在は日鉄による1株当たり55ドルの提示額を20%余り下回って推移している。
バイデン大統領は4月10日、ホワイトハウスで行われた岸田文雄首相との会談後の共同記者会見で、買収に反対する米労働者への支持をあらためて表明したものの、USスチールに米資本を維持するべきだとする先月示した考えを繰り返すことはなかった。岸田首相はプロセスの前向きな展開に期待を示した。大統領は、米国として日本との「同盟に対するコミットメント」を堅持すると強調した。
バイデン大統領の発言は姿勢の大幅な変化を示唆するものでなかった一方、大統領はUSスチールについて米国の鉄鋼会社として国内で保有され、経営を続けていく必要があるという、先月の発言を強調することは控えた。両首脳の発言を受けて、USスチール株は同日の取引で一時1.7%高となった。
買収計画は現在、対米外国投資委員会(CFIUS)による審査対象となっている。通常はロシアなど米国に敵対的な国々が対象になるプロセスで、長年にわたる米国の主要同盟国である日本の企業が審査を受けることはない。また、審査結果は法廷で争われる可能性もある。
ピッツバーグなどを選挙区に含むデルジオ下院議員(民主)はインタビューで、「当初の計画を阻止すべきだと思う」とした上で、「どのような結果になるとしても、弁護士が双方の主張を展開することになるだろう」と述べた。
そうであっても、バイデン大統領の動機は日本を特定して難色を示すことではなく、ペンシルベニアなど激戦州で有権者の心をつかむことにあるのは明らかだ。
トランプ氏は2016年の大統領選でペンシルベニア州で勝利し、当選を果たした。同州で生まれたバイデン氏は20年大統領選で同州で勝利を収めた経緯がある。そして、今年の大統領選でも両氏が同じ労働者層の票を取り込もうとしている。
トランプ氏は自分が当選すれば計画を「絶対に」阻止すると表明。バイデン大統領はUSスチールが米国の鉄鋼会社として国内で保有されることが重要だとしたものの、これまでのところ計画阻止を明確に約束するまでには至っていない。
ブルームバーグがインタビューした事情に詳しい十数人の関係者は、買収に対するバイデン大統領の強い姿勢でも、計画に終止符が打たれたとは考えられないと話す。日鉄による買収以外のシナリオに問題や二律背反が見つかったり、大統領の権限に関して訴訟が提起されたりすることも含め、同社の買収が最終的に完了する可能性があるという。関係者の多くは、11月の大統領選の前に決定が下されることは予想していない。
日鉄は3月27日付で正式なコミットメントを盛り込んだ書簡をUSWに送付したが、マッコール氏とマイク・ミルサップ交渉委員長は組合員向けの声明で書簡について、「無意味な紙切れ」と評し、「空約束と空疎な言葉がまたしても提示されたに過ぎない。労働者と退職者に対する義務を回避できるような代物だ」と受け入れを拒んだ。
マッコール氏とUSWは、USスチール買収の入札で日鉄に競り負けた同業クリーブランド・クリフスによる買収を引き続き支持しており、同社のローレンソ・ゴンカルベス最高経営責任者(CEO)もUSスチールに新たな提案を行う可能性を示唆している。クリーブランド・クリフスの広報担当者のコメントは得られなかった。
日鉄の買収計画をフォローしているアナリストや当局者は、必ずしも実現の可能性がゼロになったわけではないが、道筋は不確実であるとの見解でおおむね一致している。幾つかの選択肢が考えられ、それには法廷闘争の可能性も含めた形での日鉄による買収完了や、クリーブランド・クリフスや他社による買収、全てがご破算になりUSスチールが単独で存続するケース、複数の買い手による分割などが想定される。
いずれの選択肢にもリスクや複雑さが伴い、政治的な難題がある。クリーブランド・クリフスが新たな買収案を提示し、USスチールとの合併を目指す場合、反トラスト法(独占禁止法)上の深刻な懸念を生じさせかねず、鉄鋼業界と同様に政治的影響力を持ち、主要ユーザーである自動車業界も警告を発している。
USスチールとそのアドバイザーは、クリーブランド・クリフスへの売却となれば、同社が提案した20億ドルを大幅に上回る70億ドル規模の事業売却が求められるだろうと主張する。
一方、日鉄の発表文には計画撤回をうかがわせるものは一切ない。合意がご破算になった場合、5億6500万ドルもの違約金支払いを求められることになるため、組合加盟の各労働者に5万ドルずつのボーナスを約束する方が理にかなうと複数の投資家は説明した。
米シンクタンク、ハドソン研究所のウィリアム・チョー氏は日鉄について、労組加盟労働者への働きかけに引き続き重点的に取り組むだろうと分析する。CFIUSの審査スケジュールは不確実なままだが、バイデン大統領は正式に計画を打ち切らせる状況には至っていない。「米市場や鉄鋼生産技術の品質への信頼を踏まえれば、そうした状況になるまで、日鉄は買収完了を強く求めるだろう」とチョー氏は話した。
米銀大手、純金利収入のガイダンス上振れか-12日から決算発表 - Bloomberg
ほんの数カ月前、大手米銀は銀行の最大の収益源である純金利収入の記録的な好調が終わるとの警告を発していた。しかし今は、一部の銀行が純金利収入予想を上方修正する見込みだ。
市場の利下げ見通しが後退したため、一部の銀行が2024年の純金利収入ガイダンスを引き上げるとアナリストは予想。米銀の1-3月(第1四半期)決算発表は12日から始まる。
ガイダンス引き上げを巡り、最も臆測が広がっているのがJPモルガン・チェースについてだ。900億ドル(約13兆7000億円)との現行ガイダンスは現在の金利見通しに照らして控えめだとアナリストはみている。ウェルズ・ファーゴも、見通しを修正しそうだ。
パイパー・サンドラーのアナリスト、R・スコット・シーファーズ氏は、市場の注目はJPモルガンの純金利収入ガイダンスに集まっているとして、「現在のガイダンスは非常に保守的だ。 問題は同行がどれだけガイダンスを引き上げるかだ」と話した。
米連邦準備制度の急ピッチの利上げによって、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、ウェルズ・ファーゴなどの銀行が恩恵を受け、昨年は合計で2500億ドルの純金利収入を記録した。市場が今年6回もの利下げを織り込んでいた1月時点では、誰もがその減少を見込んでいた。
モルガン・スタンレーのベッツィー・グラセック氏は、大手行の幾つかは純金利収入のガイダンスを引き上げる可能性があると述べ、UBSセキュリティーズのエリカ・ナジャリアン氏は、そうしたガイダンス変更について投資家は楽観視していると述べた。
金利上昇は大手行にとって好都合だったが、多くの地銀には大きな痛手となった。より利回りの高い選択肢に顧客を奪われるリスクに直面し、預金金利引き上げを迫られた。
「最も基本的なレベルで、ユニバーサルバンクは高金利長期化の恩恵にあずかり、地銀には金利引き下げが追い風となる」とシーファーズ氏は指摘した。
今年に入ってから、大手米銀の株価は市場全体のパフォーマンスより好調だ。JPモルガンとシティ、ウェルズ・ファーゴ、BofAのパフォーマンスはS&P500種株価指数を上回っている。
アナリストの予想がどのようなものであれ、金利情勢が流動的である間は、銀行の経営陣は見通しを引き上げることに躊躇(ちゅうちょ)するかもしれない。JPモルガンは5月の投資家説明会まで見通しの修正を見送る可能性もある。
アナリスト予想によると、米銀大手4行の1-3月(第1四半期)純金利収入は1%増と小幅な増加が見込まれている。JPモルガンは前年比12%近い増加が見込まれる。
利下げ期待は投資家と企業を安心させ、低迷が続いていた合併・買収(M&A)などディール案件の回復にもつながった。資本市場活動も活発化が見込まれている。
大手行の投資銀行部門の収入が1-3月に10-15%増加したとアナリストらは見込んでいる。
アナリストらによれば、1-3月を通じて金利とインフレ率が高止まりしたため、貸し出しは低調に推移した可能性が高い。
UBSのナジャリアン氏は、利下げ幅が予想より小さい可能性や、米大統領選があることから、今年7-12月(下期)に貸し出しの伸びが「再加速する」公算は小さいと想定。
それでも、4大米銀の正味の貸し倒れ償却額は昨年10-12月(第4四半期)の水準からほぼ横ばいと見込まれている。
USスチールが買われる 日米首脳が会見で言及=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
日鉄とUSスチール巡る協議、双方に望ましい展開を期待=岸田首相 | ロイター
仏アトス、3年で時価総額95%減 債務再建交渉急ぐ - 日本経済新聞
●米大統領選挙
●各国中銀
カナダ中銀、金利据え置き 利下げ時期示唆せず | ロイター
カナダ銀行(BOC、中央銀行)は10日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を5.0%に据え置いた。政策金利は約23年ぶり高水準。中銀はインフレ低下が持続する一段の兆候が見られるまで利下げは行わない姿勢を示した。
中銀は四半期ごとに公表する金融政策報告書で、移民の流入と家計支出の増加を背景に2024年の成長率見通しを上方修正。マックレム総裁は「1月以降の経済指標で、経済活動が活性化する中でもインフレは緩やかに低下し続けるというわれわれの確信が高まった」と述べた。
ただ「物価安定に向けた進展が持続すると確信するにはさらに長い期間見守る必要がある」と述べ、利下げを開始する時期については何も示唆しなかった。
総裁は従来、年内に利下げを開始する可能性を示唆。市場ではこれまで中銀は7月に利下げに着手するとの見方が完全に織り込まれていたが、9月に後ずれした。
カナダのインフレ率はここ数カ月低下しているものの、2.8%と中銀が目標とする2%をなお上回っている。中銀はガソリン価格の上昇によりインフレ率は第2・四半期は3%前後にとどまると予想。その後は25年末までに2%に低下するとの見通しを示した。
経済成長率見通しについては、24年は1.5%とし、1月時点の0.8%から上方修正。一方、25年の成長率は2.2%と、2.4%から下方修正した。
マックレム総裁は「人口が力強く伸びていることで、消費需要と労働供給が増加している。家計支出は年間を通して回復すると予測されている」と指摘。「必要以上に金融政策をこれほどまでに引き締めた状態にしておくことは望んでいない」としながらも、「政策金利をあまりに早く引き下げたり、あまりに急激に引き下げたりすれば、インフレ抑制に向けたこれまでの進展を危うくする恐れがある」と語った。
CIBCのシニア・エコノミスト、アンドリュー・グランサム氏は「6月の次回会合で利下げに着手できるかは、次回の消費者物価統計でコアインフレ率の低下が維持されるかにかかっている」と述べた。
マックレム総裁は、米国のインフレ動向がカナダに大きな影響を及ぼすとは考えていないと指摘。ただ、BMOキャピタル・マーケッツのカナダ金利・マクロストラテジスト兼マネジングディレクター、ベンジャミン・ライツェス氏は「米国のCPIが堅調となっていることでFRBが政策金利を据え置く可能性が高まっている。こうした中、カナダ中銀は利下げのタイミングについて若干慎重になる可能性が高い」との見方を示した。
カナダ中銀は1年5カ月かけて政策金利を5.0%まで合計4.75%ポイント引き上げた後、昨年7月以降、同水準に据え置いている。
NZ中銀、6会合連続で政策金利据え置き 「インフレ抑制に必要」 | ロイター
タイ中銀、3会合連続で金利据え置き 政府の利下げ圧力に抵抗 | ロイター
●先進国、グローバル、金融市場
米CPI、3月は予想上回る 前年比+3.5%に加速 | ロイター
米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.5%上昇した。前月の3.2%上昇から加速し、昨年9月以来の大幅な伸びとなった。市場予想の3.4%も上回った。ガソリンや住居費の上昇が背景。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が9月まで利下げを見送るという観測が強まった。
前月比では0.4%上昇と、2月の伸びと並んだ。市場予想は0.3%上昇だった。
ファースト・シチズンズの市場・経済リサーチディレクター、フィリップ・ニューハート氏は「年内のFRBによる行動の可能性を完全に排除するものではないが、向こう数カ月以内の利下げの確率を確実に低下させる内容だった」と述べた。
ガソリンと住居費がCPIの伸びの半分以上を占めた。ガソリンは前月比1.7%上昇と、2月の3.8%上昇から鈍化した。家賃を含む住居費は0.4%上昇と、伸びは2月と同水準だった。
帰属家賃(OER)も0.4%上昇。2月の伸びと並んだ。
食品は0.1%上昇した。
自動車保険は2.6上昇、自動車修理費は3.1%上昇し、それぞれ2020年7月以来、22年8月以来の大幅な伸びを記録した。
ヘルスケアや衣料品なども上昇。一方、中古車・トラック、レジャー、新車は下落した。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.4%上昇、前年比3.8%上昇。市場の鈍化予想に反し、いずれも2月と同じだった。
エコノミスト予想は前月比0.3%上昇、前年比3.7%上昇だった。
モノの価格は0.1%上昇したものの、食品・エネルギーを除くベースでは0.2%下落した。
サービスは0.5%上昇。家賃を除くベースでは0.8%上昇し、2月の0.6%上昇から伸びが加速した。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は、CPIの加速について「インフレ鈍化の軌道反転の兆候というよりは、FRBのインフレ目標に向けた道のりの『障害』となる可能性が高い」と述べた。
CPIを受け、フェデラルファンド(FF)金利先物は急落。CMEフェドウオッチによると、金融市場では最初の利下げ予想は6月から9月に後ずれした。
市場は現在、FRBが今年利下げを行う回数は2回のみと予想。従来は3回の利下げを織り込んでいた
米コアCPI、3カ月連続で上振れ-米利下げ後ずれの可能性 - Bloomberg
今回のデータは、米金融当局が20年ぶりの高水準に政策金利を維持しているにもかかわらず、インフレ抑制の進展が停滞している可能性を改めて浮き彫りにした。堅調な労働市場が依然として家計需要を支えており、米金融当局は利下げに踏み切る前に、物価上昇圧力が持続的に後退している兆候をさらに確認したいとの姿勢を崩していない。
JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、デービッド・ケリー氏は「6月利下げの扉が激しく閉まる音が聞こえた。これでその可能性は完全に消えた」とブルームバーグテレビジョンで述べた。
ブルームバーグの算出によると、住宅とエネルギーを除いたサービス価格は前年比4.8%上昇と、2023年4月以来の大幅な伸びとなった。政策当局者らは米国のインフレ軌道を見極める上で、こうした指標に目を向けることの重要性を強調しているが、実際には別の指標である個人消費支出(PCE)価格指数に基づいてそれを算出している。
PCE価格指数は、CPIほど住居費のウエートが大きくない。PCE価格指数が米金融当局が目標とする2%に一段と近い水準で推移しているのは、そのためでもある。
チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「米金融当局はCPIをターゲットにしていないとはいえ、利下げ開始を遅らせる、あるいは年内の利下げ想定回数を減らす理由がこれでまた一つ増えた」と指摘。「サービスセクターのインフレが根強ければ、金融緩和の余地は限られる」と述べた。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のアナ・ウォン氏とスチュワート・ポール氏は「米金融当局は今回のデータについて、ディスインフレの鈍化を示すシグナルが強まっていると受け止めるだろう。われわれは利下げ開始の予想を従来の6月から7月に遅らせる」と述べた。
サービス分野とは異なり、財価格は過去1年の大半において持続的に下落しており、消費者に一定の安心感をもたらしてきた。ただ、今後のディスインフレ要因としては信頼性が下がるとエコノミストは予想している。食品とエネルギーを除くコア財価格は前月比0.2%低下した。
エコノミストは住居費の上昇が幾分和らぐと長らく予想してきたが、今のところはまだそうなっていない。エネルギー価格は再び上昇に転じている。
米利下げ計画は「軌道から外れた」-ブリッジウォーターのプリンス氏 - Bloomberg
米CPI、3月は+3.5%に加速:識者はこうみる | ロイター
FRB利下げ開始観測9月に後退、CPIが予想上振れ | ロイター
FRBの年内利下げ、1回にとどまると予想=バークレイズ | ロイター
FRB、バランスシートの縮小ペース減速に向け準備 | ロイター
米利下げ、年内に実施との予想変わらず=バイデン氏 | ロイター
米利下げ開始予想、7月に先延ばし CPI受け=ゴールドマン | ロイター
FRB次の動き、利上げとなる可能性を真剣に考えるべき-サマーズ氏 - Bloomberg
最初の利下げは英中銀か、英国債に割安さ「目立つ」-ジュピター - Bloomberg
イングランド銀行(英中央銀行)が米国や欧州大陸に先駆けて利下げすると見込む投資家にとって、英国債は割安な可能性がある。
ジュピター・アセット・マネジメントやピクテ・アセット・マネジメント、カンドリアムのストラテジストやファンドマネジャーによると、市場は英中銀が他の主要中銀よりも速いペース、かつ大幅に利下げする可能性を依然として低く織り込んでいる。
ピクテのチーフストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏は「英中銀が最初に利下げに踏み切ることはあり得る」と述べ、「まだかなりの不況にあることを考えると、英国はおそらく他国よりも利下げを必要としている。その必要性は欧州以上かもしれない」と続けた。
英国のインフレ率が2月に予想以上に低下したことから、英中銀当局者の中で特にタカ派寄りの2人は利上げ支持を撤回した。
しかし英10年債利回りは同年限のドイツ債のほぼ2倍で、そのスプレッドは5年平均を大幅に上回る。
カンドリアムのシニア・ファンドマネジャー、ジェイミー・ニーブン氏は3月以降、英利下げを見込んだエクスポージャーを積み増しており、ポンドに対してはショートポジションを建てている。同氏によれば、市場は英中銀による今年の緩和を過小評価している。
ニーブン氏は「6月利下げの可能性はかなり高い。実際のところ、5月利下げの可能性も完全に排除することはしない」と述べ、金融政策委員会の規模が欧州中央銀行(ECB)と比べて小さい英中銀はより「機敏」だと指摘した。
ただ、短期金融市場は英中銀が最初に利下げに踏み切ることをそれほど確信していない。英中銀による6月の0.25ポイント初回利下げの確率は70%なのに対し、ECBは約90%。米連邦公開市場委員会(FOMC)については50%に近い水準が織り込まれている。
ジュピターの債券マネジャー、ハリー・リチャーズ氏は英国債へのエクスポージャーを拡大している。同氏は「中長期の国債利回りがほぼ同じような水準にあるとしても、英国の利下げの必要性は米国よりも差し迫っている」と述べ、「英国債は割安さが目立っている」と続けた。
EUの風力タービン企業調査は差別的、中国が懸念表明 | ロイター
日米比首脳会談、南シナ海巡る協力で合意見通し=マルコス大統領 | ロイター
米電力消費、24・25年は過去最高に達する見通し=EIA | ロイター
2024年の米天然ガス生産減少へ、需要は過去最高更新=EIA見通し | ロイター
欧米高級ブランド企業、第1四半期は中国需要低迷で急減速か | ロイター
来週から本格化する欧米高級ブランド企業の第1・四半期決算は、売り上げが大幅に減速すると予想されている。中国消費者の需要低迷に加え、比較対象となる前年同期が中国の「ゼロコロナ政策」解除直後で売り上げが伸びた時期だったことが要因。
世界最大の高級ブランド企業、仏LVMHの16日を皮切りに、仏ケリング、伊プラダ、仏エルメスが22日からの週に決算を発表する。英バーバリーとスイスのリシュモンの決算発表は5月。
ケリングは先月、第1・四半期の売上高が10%減少し、アナリスト予想の3%減より大きな落ち込みになるとの見通しを示した。この予想外の発表が、既に高級ブランドセクターの今決算シーズンに影を落としている。
ケリングは「グッチ」の売り上げがアジアで落ち込んだことが減収の主因と説明。他の高級ブランド企業も中国で苦戦しているのではないか、との懸念が広がった。
アリックスパートナーズのコンサルタント、オリビエ・アブタン氏は「危機が続いており、今後が見通せない。全ての成長エンジンが何四半期も止まったままだ」と述べ、前代未聞の不況だと話した。
HSBCのアナリストチームによると、香港やマカオ、シンガポールを訪れる中国人観光客による支出もぱっとしない。
ケリングは中国事業が不振なため、バリュエーションが競合他社に遅れを取っている。減収予想を示して以来、株価は15%下落した。LVMH株はこの間に7%下がったが、富裕層顧客を持つエルメスは2%の下落にとどまっている。
消費者の高級ブランド品購入意欲が短期的に回復するかは不透明なため、今後、前年同期との比較による影響が薄れても業績が持ち直すかどうかは分からない。バークレイズのアナリストチームによると、世界の高級品売上高は昨年の約9%増から今年は5%増前後に鈍化する見通し。一昨年とその前年は二桁台の伸びだった。
生計費の上昇により、消費者は高額消費を厳しく選別するようになっており、その結果、ルイ・ヴィトンやシャネル、エルメスといったトップブランドと、バーバリーのようなその他ブランドとの業績格差が拡大している。
「ミュウミュウ」が若い中国人に人気のプラダなどでも、売り上げの伸びは減速する見通しだ。ジェフリーズは第1・四半期のプラダの世界売上高を9.3%増と予想している。
JPモルガンは、ルイ・ヴィトンやディオールを擁するLVMHのファッション・皮革製品部門の第1・四半期売上高が2%増にとどまるとの見通しを示した。
イタリア、今年と来年の成長見通し下方修正 国際情勢不透明で | ロイター
世界の鉄鋼需要、24年は1.7%増 インドがけん引=業界団体 | ロイター
3月米中小企業楽観指数、約11年ぶり低水準 インフレ懸念強い | ロイター
ネタニヤフ首相のガザ対応は「間違い」、バイデン氏が批判 | ロイター
バイデン大統領、ネタニヤフ首相はガザ問題で「間違い」を犯していると語る|ARAB NEWS
原油先物1%高、ハマス指導者の息子死亡で停戦交渉頓挫を懸念 | ロイター
生産性改革なければ、30年の世界経済2.8%の低成長に=IMF | ロイター
国際通貨基金(IMF)は10日、人工知能(AI)などの技術を活用した大規模改革がなければ2030年の世界の経済成長率は2.8%にとどまると指摘した。これは過去の平均を1%ポイント下回る。
世界経済見通し(WEO)の一部を先行公開した。16日に全文を公表する。
世界経済見通しでは「生産性を向上させる積極的な措置がなければ、世界の成長率は過去の平均を大幅に下回ることになる」と言及。低調な成長の予想が投資を抑制し、減速を深める可能性があると警告した。
低成長が続くシナリオは高金利と相まって政府が景気減速に対処し、社会福祉や環境対策に投資する能力を制限する可能性もあるとも指摘した。
一方、資本と労働力の配分の改善や、高齢化が進む主要国の労働力不足への取り組みなどの政策が希望をもたらす可能性があるとの見方も示した。
市場競争や貿易開放、金融アクセス、労働市場の柔軟性を向上させる焦点を絞った政策措置を実施すれば、30年までに世界の成長率を約1.2%ポイント押し上げることが可能だと試算した。
日米首脳会談、同盟は「強固でグローバル」 防衛協力に重点 | ロイター
バイデン氏、資本維持に言及せず-日鉄のUSスチール買収計画 - Bloomberg
日銀は予想外に早く利上げも、弱い円と輸入価格上昇で-ノムラ - Bloomberg
スイスが銀行規制強化へ、UBS念頭 クレディ破綻で - 日本経済新聞
●エマージング
韓国総選挙、野党が過半数確保の見通し=出口調査 | ロイター
韓国総選挙、与党陣営が大敗喫した可能性-最終結果判明11日か - Bloomberg
フィッチ、中国格付け見通し「ネガティブ」に下げ 成長にリスク | ロイター
格付け会社フィッチは9日、中国の格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。同国の財政見通しに対するリスクが高まっていることを理由に挙げた。新たな経済成長モデルへの移行で不透明感が高まっているとしている。格付けは「Aプラス」に据え置いた。
格付け会社ムーディーズも昨年12月、中国の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更。中国当局が債務問題を抱える地方政府や国有企業への資金支援を迫られることが予想されるほか、「不動産部門縮小に関連したリスク」も見通しの引き下げ要因とした。
ナティクシスのアジア太平洋担当シニアエコノミスト、ゲーリー・ウン氏は「見通し変更は、成長鈍化や債務拡大という二重苦によって中国の公的財政の厳しさが増していることを反映した」と指摘。
「中国がすぐにデフォルト(債務不履行)になることを意味するものではないが、地方政府の財政が悪化する中、LGFV(地方政府傘下のインフラ投資会社)で信用格差が広がる可能性がある」と述べた。
フィッチは、中央・地方政府の明示的な債務が今年、国内総生産(GDP)比61.3%と、昨年の56.1%から増加すると予想。19年の38.5%から大幅な悪化が見込まれている。
一般政府財政赤字については、2024年にGDP比7.1%と、23年の5.8%から上昇すると見込んだ。予想通りなら、厳格化な新型コロナウイルス感染予防措置で景気が悪化した20年に記録した8.6%以来の高水準となる。
今年の中国成長率については4.5%とし、昨年の5.2%から鈍化すると予想した。
フィッチは「格付け見通しの修正は財政見通しに対するリスクが高まっていることを反映している。中国は不動産に依存した成長から、政府がより持続可能と考える成長モデルへの移行過程にあり、経済見通しの不透明感が高まっている」と説明。
「近年の高水準の財政赤字と政府債務拡大は、格付けの観点から見て財政バッファーを縮小させた」とした上で「名目成長率の低下で経済全般の高レバレッジ管理の困難さが増し、偶発的な債務リスクが高まっている可能性がある」との見方を示した。
中国財政省はフィッチの決定は遺憾だと表明。地方政府債務に起因するリスクの防止と解消に向けた措置を取ると強調した。
フィッチ、中国の格付け見通し「ネガティブ」に下げ-格付けA+確認 - Bloomberg
中国万科の格付けをジャンク級に引き下げ=S&P | ロイター
TikTokのバイトダンス、23年は約60%増益で利益6兆円超え-関係者 - Bloomberg
イラン大使館攻撃、イスラエルは罰せられる必要=ハメネイ師 | ロイター
イスラエルに報復再宣言 イラン最高指導者ハメネイ師 - 日本経済新聞
イランと代理勢力のイスラエル攻撃、近日中にもと米判断-関係者 - Bloomberg
ブラジル消費者物価、3月は3.93%上昇 6カ月連続で鈍化 - 日本経済新聞
●市況
欧州市場サマリー(10日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。不安定な取引の中、英スーパーマーケット大手のテスコや銀行株が上昇したことが相場をけん引した。
<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。銀行株やエネルギー株が上昇した。
<ユーロ圏債券> 国債利回りが上昇した。米国の3月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回って伸びたことで、市場が予想する米連邦準備理事会(FRB)の年内の利下げ回数が減少し、米国債利回りが上昇したことに追随した。
NY市場サマリー(10日)ドル153円上抜け、利回り上昇 ダウ急落 CPI受け | ロイター
<為替> ドルが全面高。対円では一時153.24円と、1990年6月以来約34年ぶり高値を付けた。予想を上回る米消費者物価指数(CPI)を受け、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が6月ではなく9月に後ずれするという観測が強まった。
<債券> 10年債利回りが4.5%台に乗せ、昨年11月以来の高水準を付けた。3月のCPIの伸びが予想を上回ったことで、FRBの利下げ開始時期を巡る不透明感が増した。
<株式> 主要3指数とも急落して取引を終えた。朝方発表された3月米CPIが市場予想を上回ったことで、FRBが早ければ6月にも利下げに踏み切るとの期待が打ち消された。
<金先物> 米CPIが市場を上回る伸びを示したことを背景に売り込まれ、4営業日ぶりに反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比14.00ドル(0.59%)安の1オンス=2348.40ドル。
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化を手がかりとした買いが入り、3営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.98ドル(1.15%)高の1バレル=86.21ドル。6月物は0.98ドル高の85.44ドルだった。
【恐怖指数】警戒感は大幅に上昇 - 株探(かぶたん)|米国株
【米国市況】ドル153円台突入、CPI予想上振れで-国債利回り急伸 - Bloomberg


備忘録(2024/4/9
●企業
ベスト・バイ、AIツール活用で訪問サービスの効率化を目指す - Bloomberg
ベスト・バイでは、新型コロナウイルス禍時代に消費者が電子機器や家電製品をアップグレードしたことによる恩恵を受けたが、その後は売上高の減少に見舞われている。家電需要が回復するのに伴い、こうした低迷を覆すべく取り組んでおり、店舗とオンラインにおける顧客体験の改善などに一段と注力していると同社幹部はこれまでに述べている。同社は宅配や設置サービスなどの業務で既にAIを活用している。
米粘着インフレ、弱者にしわ寄せ 「百均」も閉店相次ぐ - 日本経済新聞
米国でインフレ懸念が再燃し、経済に影を落とし始めた。原材料高などによるコスト増で中小企業の景況感が約11年ぶりの低水準になったほか、低所得層の買い控え姿勢が強まり米国版の「百均」にあたる1ドルショップの倒産や大量閉店が相次ぐ。ソフトランディング期待が高まる米景気の死角となる可能性がある。
米バークシャー、円建て債発行へ 23年11月以来の8度目 - 日本経済新聞
米ファイザー、RSVワクチンの承認申請へ 18〜59歳対象 - 日本経済新聞
米製薬大手のファイザーは9日、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症向けのワクチンについて、すでに使用が承認されている60歳以上と同等の効果が、重症化するリスクの高い60歳未満の成人に対しても確認できたと発表した。同社は今後、規制当局に臨床試験の結果を提出し、承認を待つ。
せきやくしゃみで伝染するRSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす。特に乳幼児や高齢者、ぜんそくや糖尿病などの基礎疾患を持つ成人にとって重篤な疾患を引き起こす原因になる。
ファイザーのRSウイルスワクチン「アブリスボ」は、米国や欧州、日本などで60歳以上の成人や、妊婦を対象に承認されているが、基礎疾患によって重症化リスクの高い60歳未満の成人にはまだ承認が下りていない。
同社は重症化リスクの高い18〜59歳の成人を対象に臨床試験を行い、60歳以上の場合と同等の忍容性(被験者が薬の副作用に耐えられる程度)と免疫反応が確認できたと報告した。
ワクチンの対象年齢拡大を狙うのはファイザーだけではない。英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)は、ファイザーに先んじて50〜59歳の成人向けに、RSウイルスワクチンの承認を米食品医薬品局(FDA)に申請した。
アーム、端末のAI処理向け半導体 電力効率2割改善 - 日本経済新聞
英半導体のアームは9日、端末内でデータを処理する「エッジAI(人工知能)」を効率化する半導体の回路設計(IP)を発表した。前世代品に比べ演算性能は最大4倍、電力効率は20%改善する。産業機器や民生用カメラなど大規模な計算能力を持たない製品でも、センサーで集めた情報を統合したり、映像を解析したりする機能を備えやすくする。
新たに販売する「Ethos-U85」は、機械学習などの演算を担う半導体向けのIPだ。CPU(中央演算処理装置)などの演算装置を助ける「アクセラレーター」にあたる。パソコンやスマートフォンのような大規模なCPUを持たない産業機器などの端末でも、AI関連の処理を効率的にこなせるようにする。
アームの応用技術部、中島理志ディレクターは「エッジ(末端機器)側AIに求められる小型化、低コスト化を目指すIPだ。AIの開発を加速するのに必要なソフトウエア環境なども提供する」と話す。ほかの半導体と組み合わせて、画像分類や音声アシスタントなどの機能を簡単に検証し、商品化できる仕組みも提供する。
アームに弱気な見方 AIストーリーは誇張され過ぎ=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
半導体設計のアーム<ARM>が下落しており、一時124.50ドルまで下落する場面が見られた。同社株は2月の決算発表で急伸し、一時164ドルまで上昇する場面が見られたが、その後は上げが一服している。しかし、調整色を強めることもなく、120-140ドルの間での上下動が続いてい状況。
底堅さは堅持しているものの、アナリストからはここから50%超下落するリスクが指摘されている。同社のAI絡みのストーリーは誇張され過ぎだという。AI絡みのストーリーと、最新のチップ・アーキテクチャの発表後にロイヤルティを増額できたことが追い風となり、株価は50%上昇している。
アナリストは、現在の株価は割高で、ここから50%超下落の57ドルまで下落するリスクがあると指摘。同社がAIの成長から利益を得ていることは確かだが、同社のAIストーリーはエヌビディア<NVDA>と比較して補助的な位置づけでしかなく、エヌビディアのような利益の伸びを達成できるとも思えないという。
57ドルの株価が適正価値と思われ、これは向こう10年間、年17%の売上高の伸びと最大44%の利益率を反映させたとしている。一方、現在の株価は年22%の売上高の伸びと55%の営業利益率を示唆しており、このシナリオ達成には僅か8年間でロイヤルティ収入を4倍に引き上げる必要がある。しかし、顧客がより安価な代替アーキテクチャを求める可能性がある中で、その達成は困難と指摘している。
対照的に別のアナリストからは、同社の長期的見通しについてより楽観的な見方が出ており、目標株価を160ドルに引き上げた。現在の水準から28%高い水準。
2025年からの3年間、同社の売上高は毎年25%成長すると予想しているという。同社はモバイルCPU分野で99%以上の市場シェアを持つ不動のリーダーであり、今後3年間でより多くのOEMがv9プラットフォームに移行することで、売上高がさらに拡大する可能性があると指摘している。
ボーイングが下落 FAAが内部告発を調査と伝わる=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
明治HD純利益下振れ 24年3月期、中国事業が苦戦 - 日本経済新聞
中国で牧場を経営する持ち分法適用会社の業績悪化や、牛乳・ヨーグルト事業の減損損失が利益を押し下げた。
中国の景気落ち込みや、価格競争の激化が背景にある。同国で牧場を経営するオーストアジアグループは、需要低迷で生乳が値下がりし収益性が低下した。持ち分法投資損失約62億円を営業外費用に計上する。
中国で市販する牛乳やヨーグルトも競合が激しく、事業採算が悪化した。子会社の牛乳・ヨーグルト事業の生産ラインなどの減損損失約143億円が発生する。
英HSBC、アルゼンチン事業5.5億ドルで売却へ アジアに注力 | ロイター
HSBCは声明で「アルゼンチン部門は主に国内に特化した事業であり、HSBCの他の国際ネットワークとのつながりは限定的だ」と説明した。
グルーポ・フィナンシエロ・ガリシアはブエノスアイレスを拠点とするアルゼンチン第5位の銀行。
HSBCのマーク・タッカー会長は3日、アジア事業を分割することはないと述べた。昨年の株主総会では、収益性の高いアジア事業の分社化を求める案が香港の株主から出され、主要株主の中国平安保険が賛成を表明したが、否決された
英シェル、NYへの上場先変更含むあらゆる選択肢を検討=報道 | ロイター
マイクロソフト、日本でのAIとクラウド強化で4400億円投資発表 - Bloomberg
発表資料によると、マイクロソフトはデジタル・トレーニング・プログラムを拡大し、今後3年間で300万人強にAIスキルの研修を提供する。AIとロボット工学に特化したラボを日本に開設し、サイバーセキュリティー分野で日本政府との協力関係を深める計画。
10日の日米首脳会談で岸田首相とバイデン米大統領は、防衛や経済安全保障のほか、半導体やAI、量子コンピューティングなどの重要技術といった分野で日米関係の強さを強調する見通し
インテルが新型AI半導体発表、7-9月に投入-エヌビディアに挑む - Bloomberg
米インテルは新型の人工知能(AI)向け半導体を投入する。半導体業界で最も急成長している分野の一つでエヌビディアに挑む狙いがある。
インテルは9日のイベントで、新型AI半導体「ガウディ3」を発表。この半導体はAIに膨大なデータを学習させてシステムの精度を向上させるプロセスの支援と、完成したソフトウエアの運用という2つの主要分野でパフォーマンスを改善させるよう設計されている。7-9月(第3四半期)から広く流通できるようにするという。
AIを活用したさまざまなサービスに対する旺盛な需要を受け、各社はいわゆるAIアクセラレーターの開発を急いでいるが、今のところその需要の大半が向かっているのはエヌビディアだ。インテルのパトリック・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は、以前のバージョンの「ガウディ」では望んでいた市場シェアを得られなかったと述べており、新型モデルがこれまで以上の大きな影響力を持てることを期待している。
9日の米株式市場でインテル株は朝方の下げから切り返し、一時1.6%上昇。年初から8日終値まででは、24%下落していた。
エヌビディアに挑戦するのは容易ではない。エヌビディアのAIアクセラレーター「H100」は圧倒的な成功を収め、同社の売上高を2倍余りに、時価総額を2兆ドル(約300兆円)超にそれぞれ押し上げた。さらに最近、次世代のプロセッサーデザイン「ブラックウェル」を発表し、業界でのリードを盤石にしようとしている。ブラックウェルをベースとしたシステムは年内には納品が始まると、エヌビディアは3月に説明した。
インテルの評価によると、ガウディ3はH100よりも高速かつエネルギー効率に優れている。特定の種類のAIモデルの学習では1.7倍速く、そのソフトウエアの運用では1.5倍のパフォーマンスだったという。エヌビディアのより新しいバージョン「H200」にほぼ匹敵し、それをやや上回る分野もあれば、やや下回る分野も見られたと、インテルは主張した。
●米大統領選挙
バイデン氏がリード拡大、トランプ氏に4ポイント差 米大統領選=調査 | ロイター
ロイター/イプソスが実施した11月の大統領選に向けた最新の世論調査によると、登録有権者の間での民主党のバイデン大統領の支持率が約41%、共和党候補となる公算が大きいトランプ前大統領が37%となった。
バイデン氏のリードは4ポイントとなり、3月調査での1ポイントから拡大した。
調査は8日までの5日間、全国の成人を対象にけオンライン上で実施され、登録有権者833人の回答が含まれる。登録有権者は11月の大統領選で投票する可能性が高いとみられる。
大統領選まで約7カ月となるものの、なお候補者を決めていない有権者が多いことも分かった。候補者を選んでいないと回答した登録有権者は約22%で、無所属の候補者に傾いている、もしくは投票しない可能性があるとした。
また、4つの刑事事件で起訴されているトランプ氏を巡っては、4月15日に不倫の口止め料を不正に処理したとされる疑惑について初公判が行われる
キャメロン英外相、トランプ氏と会談 再登板にらみ接触 - 日本経済新聞
●各国中銀
米年内利下げ、先送りの可能性否定できず=アトランタ連銀総裁 | ロイター
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は9日、インフレの進展が鈍化し、経済がアウトパフォームし続ければ、米連邦準備理事会(FRB)は年内に利下げを行わない可能性があるとの見方を示した。
ヤフー・ファイナンスとのインタビューで「米経済が非常に好調で、力強く、レジリエンス(回復力)があることを考慮すると、利下げがさらに先送りされる可能性も否定できない」と述べた。
ボスティック総裁は以前、今年の利下げは第4・四半期に1回と予想していた。
米当局は6月にも0.5ポイント利下げ、大統領選前に行動-ステートS - Bloomberg
11月の米大統領選挙を控え、米当局が金融緩和を前倒しすると同社は考えている。年内の利下げは合計1.5ポイントと予想、これは現在の市場が織り込んでいる利下げ幅の2.5倍に相当する。
5日に発表された雇用統計をはじめとする一連の堅調な米経済指標と、利下げは必要ないかもしれないとの当局者のコメントが、緩和期待の見直しを促し米国債利回りを4カ月ぶり高水準まで押し上げている。
しかし、ステート・ストリートはクレジットカードの延滞率や中小企業の信用コストなどの指標が年内の景気悪化を示唆しており、経済は見かけほど強くないとの見方を維持している。
最高投資責任者(CIO)のローリ・ハイネル氏はインタビューで「市場はより大きな利下げの可能性を軽視している。表面的には経済が引き続き底堅いように見えるが、これはまだ非常に脆弱(ぜいじゃく)な回復であることを示唆するものが多い」と語った。
ハイネル氏は、3%近くまで低下したインフレ率と、これほどの高い政策金利は相いれないと主張する。また、11月の米大統領選が市場の見込みよりも大きな1回の利下げ幅を当局に促すとみる。
「この先の時間的な圧迫がある。連邦準備制度は政治には関与しないと言うだろうが、多くの監視の目が向けられるであろう選挙の直前や直後の時期に、行動することは望まないだろう」とハイネル氏は述べた。
ステート・ストリートは見通しを堅持しているが、他の市場参加者の意見は大きく揺れ動いている。昨年10月の時点でも同社は、金利が長く高止まりするとのコンセンサスに反し利下げを予想していた。その後、ほとんどの投資家が大幅な利下げを見込むようになったが、最近はまた利下げ見通しが後退している。
3兆6000億ドル(約550兆円)を運用するステート・ストリートは引き続き米国株と長期のソブリン債をオーバーウエートとしており、米国債を選好している。ハイネル氏は、米国の財政赤字が膨らんでいることから米国債利回りの低下には波があるとみて、金への配分を増やしている。
「債券のボラティリティーが高まっているので、衝撃を吸収するものを探したくなる」として、金はインフレ対策ではなく分散投資の観点から購入していると説明した。
●先進国、グローバル、金融市場
アングル:欧州政界で高まるTikTokの存在、極右の成功に危機感 | ロイター
仏外相、ガザ支援のためイスラエル制裁を提案 | ロイター
国際会計基準審、営業利益の定義を標準化 27年から義務付け | ロイター
国際会計基準審議会(IASB)は、損益計算書の営業利益の定義を標準化し、2027年から企業に公表を義務付ける。
IASBの会計基準は147カ国の約5万社が採用しているが、米国では独自の会計基準が用いられている。
IASBのアンドレアス・バーコウ議長は、企業が営業利益の構成項目を恣意的に決定できる現状に終止符を打つため、会計基準を大幅に変更すると述べた。
現在、多くの企業は「利払い・税・償却前利益(EBITDA)」を報告しているが、IASBの基準ではEBITDAは定義されておらず、さまざまな算出方法で業績を良く見せることが可能だ。
バーコウ氏によると、投資家からは各社の営業利益を簡単に比較できるよう定義の標準化を求める声が出ていた。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏も、EBITDAには減価償却の費用が含まれておらず「誤解を招く」と指摘していた。
IASBの新たな基準では、営業利益の小計を定義し報告を義務付ける。小計には減価償却、のれん償却・減損、財務・所得税前利益が含まれる。
為替変動の調整など一般的な調整は、損益計算書の脚注にのみ記載できる。
EBIDTAの報告を継続することは可能だが、記載できるのは脚注のみ。新たに義務化された2つの小計と整合性が取れることが条件になる。
銀行と保険会社は、ビジネスモデルの柱である利息を営業利益に加えることが必要になる。
企業が望めば、27年の導入前でも新たな会計基準を採用することが可能。
ユーロ圏の銀行、住宅ローン承認基準下げも資金需要は減=ECB | ロイター
欧州中央銀行(ECB)が9日発表した四半期「銀行貸出調査」によると、ユーロ圏の銀行は1─3月期に住宅ローン承認基準を2年余りぶりに緩和したが、借り入れコストの上昇と経済の停滞を背景に資金需要は引き続き減少した。
企業の資金需要の「大幅な減少」と住宅ローン需要の「小幅な減少」が報告され、ECBは「金利上昇のほか、企業設備投資の減少、家計の消費マインドの低下が融資需要を押し下げた」と説明した。
ただ、銀行は4─6月期には改善すると予想。企業向け融資の需要は「緩やかな純減」にとどまり、家計向け融資の需要は増加すると見込んでいるという。
銀行がECBの利下げを予想する中、新規住宅ローンの金利は低下。このため銀行の記録的な利益にも終止符が打たれると見られている。
ECBは「引当金と減損による緩やかなマイナス寄与とともに、今後6カ月間に予想されるECBの金利決定に伴う悪影響も、銀行全体の収益に波及する」とした。
米ウェストバージニア州、反ESG推進 金融4社と取引停止も | ロイター
米ウェストバージニア州のムーア財務長官は8日、シティグループやHSBCホールディングスなど金融機関4社が化石燃料産業をボイコットしているとしてブラックリストに追加した。
州との取引を一部禁止する可能性がある。ESG(環境・社会・企業統治)を巡っては、共和党が推進派のウォール街と対決している。
同州はエネルギー産業が盛んで、2002年に初めてブラックリストを作成し、5社を掲載した。
今回リストに追加されたのはシティ、HSBCのほか、TDバンク、ノーザン・トラスト。
ムーア財務長官の事務所は、ブラックリストに掲載された企業が「合理的な事業目的なしに石炭・石油・天然ガス会社との取引を拒否、終了もしくは制限すると公言している」と主張した。
ノーザン・トラストの広報担当は「化石燃料関連のエネルギー企業への投資を制限・禁止していない」と表明。今年2月時点で伝統的なエネルギー部門の企業に約520億ドルを投資していると述べた。
HSBCの広報担当は「エネルギー企業については、ボイコットではなく協力」を目指しているとし、法人融資と資本市場取引のサポートを継続するとの見通しを示した。
シティはコメントを控えた。TDバンクのコメントは取れていない。
環境活動家や投資家は、金融機関に対して石油・ガス分野などの新規プロジェクトへの融資を停止するよう求めている。
日銀が24年度物価見通しの上方修正を議論へ、好調な賃上げで-関係者 - Bloomberg
米債券トレーダー、金利先物ブロック取引が記録的規模-CPI控え - Bloomberg
米欧の利下げペース相違、「極めて大きな影響」及ぼす-エラリアン氏 - Bloomberg
英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長のモハメド・エラリアン氏は、米金融当局による利下げ回数が向こう数カ月、他の主要中央銀行に比べて少なくなるとの予想を示した。
エラリアン氏は9日、欧州では景気が減速している上にディスインフレのペースが加速していることから、欧州中央銀行(ECB)は「米金融当局と同じだけ、もしかするとそれ以上に」利下げをする可能性があると指摘。「それは数カ月前には想像できなかったことだ」とブルームバーグテレビジョンで述べた。
米金融当局とECBの緩和ペースに相違が生じ得ることは「欧州と米国の間の相対的なプライシングに極めて大きな影響を及ぼす」とし、「債券市場や為替市場でそれが見られる」と語った。ユーロとドルのパリティー(等価)は「あり得る」と付け加えた。
ECBは11日に政策委員会会合を開催する。エラリアン氏はECBが「利下げ時期は6月になると、かなり強く示唆するだろう」と述べた。同氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストも務める。
食品インフレ、米国のレストランでまだ見られる-ビルサック農務長官 - Bloomberg
米国では家庭で消費される食品のインフレが横ばいになり始めたが、レストランではまだ上昇していると、ビルサック米農務長官は指摘した。
ビルサック氏は9日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「こうした数字を深く掘り下げてみると、食料品店での購入機会は著しく改善しつつあるが、レストランではやや高いインフレが依然として続いている」と述べた。
ウィリアム・ブレアのアナリスト、シャロン・ザックフィア氏はこうした状況について、家庭で食事をする消費者にとっては朗報だが、外食産業に課題を突きつけるとし、「同業界にこれまで恩恵をもたらしてきたレストラン売り上げトレンドのバッファーがなくなる」と顧客向けリポートに記した。
ビルサック氏は鳥インフルエンザの流行が続いていることが、鶏卵価格高止まりの一因であることは明らかだと語った。
ユーロ圏ローン需要、第1四半期に大幅な減少-ECB四半期銀行調査 - Bloomberg
カナダ情報機関「総選挙に中国が介入」と結論 - 日本経済新聞
カナダの情報機関「安全情報局(CSIS)」が、直近2回の総選挙に中国が介入したと結論付けていたことが分かった。トルドー首相が設置した外国の干渉疑惑を調査する委員会に8日、CSISの見解を要約した資料が提示された。
資料は、「われわれは中国がひそかに2019年と21年の総選挙に介入したことを把握している」と強調。一連の活動について、「中国政府が関心を寄せる問題で『親中的』および『中立』の立場だと見なされている候補者を支援すること」を主な焦点にしていたと分析している。
与党・自由党に比べ対中強硬路線の野党・保守党の党首だったエリン・オトゥール氏は21年の選挙に関し、介入が大勢に影響したわけではないものの、それによって最大9議席を失ったと見積もっている。
●エマージング
中米の水不足が深刻 メキシコ、迫る「ゼロデイ」 - 日本経済新聞
中米諸国で干ばつが深刻化し、メキシコシティでは周辺の水がめが底をつく「Dia Cero(ディア・セロ)=ゼロデイ」の到来までささやかれる。メキシコは3月末時点で国土の7割が干ばつ状態で、トウモロコシなど農産物、畜産物の値上がりによって落ち着いていたインフレの再過熱にも懸念が広がる。
韓国総選挙、投票始まる 尹政権の「中間評価」に - 日本経済新聞
韓国大統領は「独裁者」、総選挙前日に北朝鮮メディアが批判 | ロイター
中国恒大の不動産危機、習氏の側近集団にも波及の兆し 編集委員 中沢克二 - 日本経済新聞
イラン、ホルムズ海峡の封鎖可能=革命防衛隊幹部 | ロイター
イラン革命防衛隊の海軍司令官は9日、アラブ首長国連邦(UAE)におけるイスラエルの存在をイランは脅威と見なしていると述べた。必要と判断すれば、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖することもあり得るとした。
シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺が今月1日に受けた攻撃で革命防衛隊幹部を含む7人が死亡。イランのライシ大統領はイスラエルに報復すると表明している。 
政府系のイラン学生通信(ISNA)によると、革命防衛隊の海軍司令官は「われわれは攻撃に反撃するが、報復は急いではいない」とし、「ホルムズ海峡を封鎖することは可能だ。現在は封鎖していないが、敵がわれわれを阻害しようとすれば方針を見直す」と語った。
米、イスラエルのラファ軍事作戦の可能性巡り来週協議=国務長官 | ロイター
イスラエル、テント4万張購入 侵攻計画ラファから民間人退避準備の兆候 | ロイター
●市況
欧州市場サマリー(9日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。防衛関連銘柄の利益確定売りが相場を押し下げた。一方、コモディティー(商品)価格の値上がりを受けて貴金属株や鉱業株などは上昇した。
英防衛大手BAEシステムズは4.5%、投資会社メルローズは3.2%、エンジンメーカーのロールスロイスは3.9%それぞれ下落した。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。防衛関連銘柄が売られたのが相場を押し下げた。米消費者物価指数(CPI)、欧州中央銀行(ECB)理事会の結果がそれぞれ週内に発表されるのを控え、投資家が警戒感も示した。
STOXX航空宇宙・防衛指数は3.87%安。いずれも防衛関連のフランスのタレス、ドイツのラインメタル、イタリアのレオナルド、スウェーデンのサーブが4.9%─9.8%下げた。
STOXXユーロ圏銀行株指数は1.11%下げた。ECBが発表した調査によると、ユーロ圏の銀行は1─3月期に住宅ローン承認基準を2年余りぶりに緩和したが、借り入れコストの上昇と経済の停滞を背景に資金需要は引き続き減少した。
<ユーロ圏債券> 国債利回りが低下した。市場では10日に発表される米国のインフレ指標のほか、11日の欧州中央銀行(ECB)理事会が注目されている。
NY市場サマリー(9日)ドル横ばい、利回り低下 株小動き CPI注目 | ロイター
<為替> ドルがほぼ変わらず。3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控え、慎重な取引となった。一方、円は数十年ぶりの安値付近で推移し、日本当局による介入への警戒感が高まった。
CMEのフェドウオッチによると、CPIの発表を前に、米金利先物市場では6月の利下げ確率が58%と、8日終盤の52%から上昇した。また、年内の利下げ幅予想は計約74ベーシスポイント(bp)となっており、これは0.25%ポイント利下げ3回程度が見込まれていることを意味する。
<債券> 米債利回りが低下した。10日に米インフレ統計の発表を控える中、押し目買いが優勢だった。
米債利回りは前日、様々な年限で昨年11月以来の高水準に達した。先週末に発表された米雇用統計で米経済の持続的なレジリエンス(回復力)が示されたことを受けた。
一方、この日は米債利回りの直近の上昇を受けて押し目買いが先行。欧州債利回りの低下にも追随した。欧州市場ではECBが今週予定している理事会で6月の利下げ開始を示唆する可能性があるとみられている。
<株式> ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabがほぼ横ばいで取引を終えた。10日に発表される3月のCPIのほか、12日に始まる一連の銀行決算発表が注目されている。
<金先物> 前日までの買いの流れが継続する中、中東情勢など地政学リスクの高まりが相場を押し上 げ、3営業日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比11.40ドル(0.48%)高の1オンス=2362.40ドルと、3営業日連続で史上最高値を更新した。
<米原油先物> 中東情勢の先行きに不透明感が漂う中、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比1.20ドル(1.39%)安の1バレル=85.2 3ドルだった。6月物は1.07ドル安の84.46ドル。
【米国市況】国債上昇しS&P500は小幅高、CPI控え-151円70銭台 - Bloomberg
モーニングスター・ウェルスのマルタ・ノートン氏は「経済の底堅さを踏まえ、投資家の間では6月の政策転換を疑問視する向きが強まっている」と指摘。「転換時期の遅れは起こり得る結果の範囲内だ。3月のインフレデータが上振れれば特にそうだろう」と述べた。
米当局が6月に利下げに踏み切るかどうかを決める上で、3月と4月のインフレ指標は非常に大きな役割を果たすと、エバコアのクリシュナ・グハ氏はみる。
「ハードルが極めて高いということはなく、利下げに動けるだけの十分良好なデータが発表されると考えられる」とグハ氏はリポートで指摘した。

備忘録(2024/4/8
●企業
ルノー、日産を時価総額で逆転-年初来で株価37%上昇 - Bloomberg
ブラックストーンが100億ドル規模の買収、不動産投資の機熟すと判断 - Bloomberg
米投資会社ブラックストーンは、賃貸アパートを所有する不動産投資信託(REIT)を約100億ドル(約1兆5200億円)で買収することで合意した。不動産市場に資金を投じる機が熟したとみていることを新たに示すものだ。
8日の発表によると、ブラックストーンはAIRコミュニティーズとして知られるアパートメント・インカムREITを1口当たり39.12ドルの全額現金で取得することに合意した。これは4月5日の終値31.35ドルを25%上回る水準。
ブラックストーンは取得するアパート物件のポートフォリオ維持・強化に向け4億ドル余りを投じる計画。ファンドの「ブラックストーン・リアル・エステート・パートナーズX」が株式を購入する。
ブラックストーンは足元、住宅投資を強化している。1月には、カナダの一戸建て賃貸住宅会社トライコンを35億ドルで買収し、非公開化することで合意していた。商業用不動産市場で価格が下落する中、ブラックストーンは案件獲得に注力しており、同社では「不動産の価値が底打ちしつつある」と考えているとジョン・グレイ社長は投資家に伝えている。
デンバーに本社を置くAIRコミュニティーズは、76の高級賃貸アパートメントコミュニティーから成るポートフォリオを有し、保有資産はマイアミやワシントンなど大規模市場に集中している。
ブラックストーン、賃貸集合住宅REITを100億ドルで買収 | ロイター
米投資会社ブラックストーンは8日、賃貸集合住宅の不動産投資信託(REIT)のアパートメント・インカムREITを100億ドルで買収すると発表した。金額は債務込みで、全て現金で支払う。
市場では商業不動産市場に対する重圧が和らいだ兆しだとの受け止めが広がっている。
ブラックストーンは、アパートメント・インカムREITの受益証券1口当たり39.12ドルを提示。これは5日終値に約25%のプレミアムを乗せた水準だった。
これまで賃貸住宅などの商業不動産向所有者は、金利上昇によりローン返済負担の増大に苦しんでいた。
しかしジェフリーズのアナリストチームは「今回の取引で、ブラックストーンが金利は安定して資金調達環境が改善したとみなしているというメッセージを送りつつあり、このセクターにとって明るい材料だ」と指摘した。
ブラックストーンは、建設活動の鈍化に伴って今後米国の賃貸集合住宅供給が減少し、市況が持ち直すとの読みで、この分野への投資に力を注いでいる。
もっともアパートメント・インカムREITは、運用資産の中心が高級物件であるため、賃貸住宅市況の浮き沈みに左右されにくい。昨年第4・四半期の既存運用物件からの家賃収入の伸びは、業界水準を上回っている。
オキュジェンが上昇 FDAが臨床試験開始を承認=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
バイオ医薬品のオキュジェン<OCGN>が上昇。網膜色素変性症を適応症として開発中の修飾遺伝子治療薬「OCU400」の臨床試験(フェーズ3)開始の新薬承認申請がFDAに承認されたと発表した。
臨床試験のサンプルサイズは150人で、RHO遺伝子変異を有する75人と持たない75人である。
【企業概要】
失明症を対象とする遺伝子治療薬と、COVID-19向けワクチンの開発に注力するバイオ医薬品会社。全ウイルス不活性化COVID-19ワクチン候補を他社と共同で開発する他、網膜色素変性症・ドライ型加齢黄斑変性等の遺伝子治療法や、糖尿病黄斑浮腫等の生物学的治療薬候補の開発を進める。
●米大統領選挙
米の中絶規制「各州が決定すべき」とトランプ氏、一律禁止に言及せず | ロイター
バイデン政権、新たな学費ローン免除計画 再選へ若者支持拡大狙う | ロイター
バイデン米大統領は8日、連邦政府の大学生向け学費ローンの新たな返済免除計画を発表した。対象者は少なくとも2300万人に上り、再選に向けて必要な若い有権者の支持拡大を図る狙いがある。
今回の計画では、金利負担の累積によって当初より借金が膨らんだ人が、現在の所得にかかわらず最大2万ドルの返済を免除される。返済が数十年前に始まった人や、生活が困窮している人も返済免除の対象になる。
バイデン氏が11月の大統領選で、野党共和党候補指名が確実なトランプ前大統領を倒す上で支持を期待している左派層の有権者からは、かねてから学費ローンの負担軽減を要求する声が根強い。
このため政権は、22年に公表した返済免除措置が連邦最高裁の判断で無効とされた後も、さまざまな対応策を打ち出している。
バイデン氏は「今回の免除計画で(対象者の)生活は一変され得る。皆さん、私は懸命に働く国民のために学費ローン軽減をこれからも実行し続ける。これは米国経済にとっても有益だ」と語り、再選を果たせばコミュニティーカレッジの学費無償化に取り組む考えも明らかにした。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官によると、今回の計画が意見募集期間を経て最終的に固まれば、今年秋にも実施されると説明。これまでの政権の免除措置と合わせると、3000万人以上が恩恵を受けることになると付け加えた。
一方共和党は、バイデン政権の学費ローン免除は行政権の過剰行使に当たるほか、大学教育を受けた借り手だけが対象で、他のローン返済者との間で不公平感が生じると批判している。
●各国中銀
米金利先物、年内利下げ幅予想が昨年10月以来の低水準に | ロイター
米経済の持続的な堅調さが示される中、8日の米フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利下げ幅予想が昨年10月以来の低水準となった。
LSEGのデータによると、FF金利先物12月限は、年内の利下げ幅が合計約60ベーシスポイント(bp)になるとの見方を織り込んでいる。2024年初時点は約150bpだった。
一方、CMEグループのデータによると、6月に0.25%ポイントの利下げが決定されるとの見方は49%と、1週間前の57%から低下した。
米利下げ予想、年内2回に市場傾く-10年債利回りは4.5%視野 - Bloomberg
コメルツ銀行のストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏は「データによって、利下げのタイミングはますます分からなくなった。インフレの動きがこれ以上弱まらなかったり、あるいは再び加速したりする場合の適切な対応を当局は模索しているようだ」と指摘。
「5日に発表された予想外に強い雇用統計と、週末のタカ派的な当局者コメントを受け、10日の米インフレデータは極めて重要なものとなるだろう」と語った。
年初には、過去2年間での11回もの利上げがインフレを抑制するだけでなく経済にも打撃を与えるとの見通しから、市場は今年6回の利下げを織り込んでいた。しかし、インフレ率低下の動きが鈍り、経済指標は堅調を維持。投資家は、経済が利下げを必要としているとは考えられないペースで、株式や社債に資金を投入し続けている。
FRB、制約的な政策スタンスの影響検討すべき=シカゴ連銀総裁 | ロイター
米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は8日、連邦準備理事会(FRB)は経済にダメージを与えることなく現在の金利姿勢をどれだけ長く維持できるかを検討する必要があると述べた。
ラジオ局とのインタビューで「どれくらいの期間、制約的な金融政策を望むのかについて注意する必要がある」とし、「あまりに長く続ければ失業率が上昇し始める」と述べた。
FRBの金融政策の見通しに関する直接的な発言はなかった。
グールズビー総裁は、経済は堅調だが、今年の成長は2023年よりも鈍化していると指摘。データと国民の経済に対する感覚との間に乖離があるが、自身の意思決定プロセスの一環として前者をより重視していると語った。
スウェーデン中銀、利下げ近く可能もリスク残る=総裁 | ロイター
スウェーデン中央銀行(リクスバンク)のテデーン総裁は8日、インフレの先行きの見通しは良好で政策金利の引き下げを近く開始できるとの見解を示した。一方で悪化するリスクも残っていると指摘した。
中銀は3月27日に主要政策金利を4.00%に据え置くことを決め、5月に利下げを始める可能性が高いと述べていた。
テデーン氏は中銀のウェブサイトに掲載された講演要旨で「特に為替レートの動向が不確実性を生み出している」とし、「(外国為替市場でのスウェーデン通貨)クローナの下落は望ましくないインフレを引き起こす可能性がある」と懸念した。
スウェーデン経済は2023年に急減速したが、景気低迷は底を打ったとみられる。利下げは、住宅ローン返済額の上昇に圧迫されて消費を控えている家計の支援となる。
テデーン氏は、中銀が急速な金融政策緩和を約束した場合には需要を刺激し過ぎることを警戒していると表明。
先行きが不透明な中、テデーン氏は利下げを開始する際は中銀は慎重に実施する可能性が高いと訴えた。
JPモルガン、7月の米利下げ開始見込む-従来の6月から予想修正 - Bloomberg
チーフエコノミストのマイケル・フェローリ氏は5日付のリポートで「堅調な雇用増加とともに賃金インフレが緩和している状況は、労働市場において供給サイドが改善していることの証だ」と指摘。「供給サイドの望ましい展開は、見通しに関するパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の明るい認識と一致する一方、需要サイドに亀裂は生じていないもようで、政策緩和の緊急性は低下していると考えられる」と続けた。
JPモルガンは、今年3回の利下げがあるとなお予想。初回は7月で、その後は経済予測が公表される9月と12月になるとみている。
●先進国、グローバル、金融市場
豪野党の有力議員が訪台、安全保障協力に言及 蔡総統と会談 | ロイター
アングル:独極右政党AfD、裕福で高齢の献金者が支える構造 | ロイター
ヘルムート・イズマー氏(72)の言い分に従えば、ドイツの最近の歴史は1970年代以降に幾つか到来した衰退期の一つで、その始まりはメルケル前首相が移民受け入れを決めた2015年だ。
名前が分かっている中では、極右政党ドイツのための選択肢(AfD)の最大の個人献金者であるイズマー氏は、東部の不動産ブームに乗って財をなした人物で、自身が20代だった往時を懐かしむとともに、未来への恐怖におびえているように見える。
冷戦下にあった当時の西ドイツでは、反共を掲げた保守政治家の雄、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスが健在だった、とイズマー氏は指摘する。「私も今や年齢を重ねた。だが、ドイツが今の方向にそのまま進んでほしくはない」とも語った。
今年は欧州連合(EU)欧州議会選挙や、ドイツで複数の州議会選が予定され、事前の世論調査で高い支持率を得ているAfDに対する法的、政治的監視の目はかつてないほど厳しく、全ての州からの政党交付金が打ち切られる可能性が出てきている。
そうした中で昨年、25万ユーロを献金したイズマー氏のような支持者の存在は、一段と重要になる。第2次大戦後の復興期を通じて豊かになったこれら高齢世代の支持者たちには、交付金カットの穴を埋められるだけの資金力もある。
AfDの年間収入は2000万ユーロ。この約半分は主として個人献金と党員費で、残る半分が選挙結果によって増減する交付金だ。
マインツ大学のカイ・アルツハイマー教授(政治学)は「AfDは他の政党に比べて5万ユーロを超える大口献金者は少ない」と指摘した。
つまり主力となるのは1万-5万ユーロを納入しているビジネスマンの個人献金者で、これが全献金の20%前後を占め、党運営に対して際立った影響力を持つ。100人前後というこれらの人々の大半は18年以来、内部で選出されて給与の1割を納める役職員になっている。
また、献金額が1万-3万ユーロであるそれ以外の十数人は、イズマー氏のように65歳以上であり、不動産や法律、製造業などの分野で小規模な事業を成功させて裕福になっているという特徴がある。
ドイツ国内のさまざまな街角で自身のメッセージを、西ドイツ時代の戦車指揮官さながらの歯切れの良い口調で伝えるイズマー氏の物腰は実に穏やかだ。
ところが「ドイツは移民受け入れ前、気候変動問題が議論される前、ウクライナ戦争を巡ってロシアとの関係が完全に途切れる前の姿に戻るべきだ」というそのメッセージは、まさに極右の主張にほかならない。
イズマー氏は、治安当局が過激主義の組織として監視している極右雑誌「コンパクト」にも献金しており、新型コロナウイルスのパンデミック中に行われたロックダウンは、行き過ぎた強権的行為とみなしている。
<氷山の一角>
イズマー氏はロシアにも好意的。昨年は「戦争ばかり考えている」というメディアの論調が本当かどうか確かめようとロシアに行き、自身では荒廃してしまったとみているドイツよりも、社会モデルとしては優れているとの実感を持った。
「(モスクワは)魅力的だった。非常に清潔で、フランクフルトに存在するような街頭の犯罪者が見当たらなかった」と賞賛する。
化石燃料車禁止に対する極右の反対論も、国内製造業において自動車が中心となっているドイツの国情に親和性があるのかもしれない。
ただ、AfDは過激主義や人種差別を推進している疑いで治安当局の監視下にあるだけでなく、ロシアから何らかの支援を受けているとの指摘もあり、心情的に共感できる部分があると思っている人にとっても「毒性」の強い政党と言える。
実際あるパン店のチェーン運営企業の創業者は、ドイツから外国人を排除する方法を議論するAfDのイベントへの参加者を募るビジネスマン団体の1人だったと判明した後、会社を守るために退職している。
そうなると、イズマー氏のような表に出るのをいとわないビジネスマンが注目を集めることになるが、言うまでもなく彼らはAfD支持者全体のごく一部に過ぎない。ドイツの法律では、1万ドル超の献金者しか身元を明らかにする義務は課されないからだ。
マインツ大学のアルツハイマー教授は「裕福で高齢の支持者たちが亡くなっても、AfDは十分な資金提供を受けられる」との見方を示した。
ドイツ財務相、連立崩壊懸念の払拭努める 予算巡り見解相違 | ロイター
米S&P年末時点予想を引き上げ、Wファーゴ AIや利下げ期待で | ロイター
金融大手ウェルズ・ファーゴは8日、米S&P総合500種の2024年末時点予想を5535に引き上げた。証券各社の見通しとしては最高。人工知能(AI)を巡る楽観的な見方や米連邦準備理事会(FRB)による利下げの可能性を理由に挙げた。
公共政策で提言、中国へ姿勢厳しく JPモルガンCEOの株主書簡 | ロイター
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は8日、株主への年次書簡で、「全ての人々に対する自由と正義」を呼び起こす米国の統率力と経済力を称賛した。
経済力とともに、軍事力やウクライナへの支援の重要性を強調。今年の書簡では、公共政策への提言が昨年よりも多く、全体の約4分の1を占めた。
「莫大な資源を持つ地球上で最も繁栄した国である米国も、その資源を今後の複雑で困難な課題に集中させる必要がある」と指摘。
国内問題として賃金格差の拡大を挙げ、「アメリカン・ドリームのほころび」が生じ、一部の人が取り残されたと感じる一方で裕福になった人もいるとし、教育の改善と低所得層の税額控除の拡大を提言した。
外交政策では、より多くの貿易協定に調印すべきと主張。中国に対しては厳しい姿勢を取るべきとしながらも、関与は続ける必要があるとの見解を示した。
米規制当局が提案した銀行資本規制の厳格化には改めて反対を表明。規制強化は市場の透明性を低下させ、融資コストを高くし消費者を苦しめる可能性があるとし、よりシンプルな規則、銀行と規制当局のより良い協力関係を提唱した。
金融機関とフィンテック企業、民間クレジット会社との競争が激化する中、合併承認を増やすよう求め、「銀行は、合併や買収を含め、適切と判断した戦略を個別に追求することが許されるべきだ」とした。JPモルガンは昨年、経営破綻した地銀の一つ、ファースト・リパブリックを買収した。
ダイモン氏は、インフレが市場が予想する以上に続く可能性があり、金利は高止まりするとの見方を維持した。
「昨年の地銀の経営不安など、不穏な情勢にもかかわらず、米国経済は堅調を維持し、消費者は支出をし市場はソフトランディング(軟着陸)を予想している」と指摘した。
一方で、潜在的な混乱要因として、米政府支出、量的引き締め、ウクライナと中東での戦争を挙げ、「これらの重要かつある種前例のない力があるため、われわれは慎重な姿勢を崩していない」と述べた。
独鉱工業生産、2月は前月比+2.1%で予想上回る 建設好調 | ロイター
英大手企業、経済不透明感への懸念和らぐ 約3年ぶり水準=調査 | ロイター
監査法人デロイトの調査によると、英国の大手企業の間で経済の不透明感への懸念が2021年半ば以来の低水準となった。ただ、心理の改善が投資の伸びに表れるには至っていない。
英経済は昨年下半期に軽い景気後退(リセッション)に入ったが、最近の調査では今年第1・四半期に緩やかなプラス成長に転換することが示唆されている。
デロイトのチーフエコノミスト、イアン・スチュワート氏は「英国の欧州連合(EU)離脱と新型コロナウイルス禍、インフレにより過去8年の大半でビジネスシーンに暗雲を落としてきた不確実性は解消しつつあるようだ」と述べた。
利益率が3年ぶりに拡大すると予想されるほか、全体的な楽観度も3四半期連続で上昇し、2010年、14年、21年の比較的高水準だった成長直前に近い水準となっている。
ただ、企業は長期的な投資より、コスト削減と手元の現金準備構築に注力している。
サイバー攻撃の増加、エネルギー価格上昇、全般的な需要減少から、大企業にとっては引き続き、地政学が最大の懸念となっている。
また、英国の生産性と競争力に対する懸念が、インフレやエネルギー価格、労働者不足への不安を抜いて懸念材料の2位に浮上、10年ぶりの上位となった。
インタビュー:過度な円安は是正必要、2%物価目標の弾力的見直しを=中尾元財務官 | ロイター
足元の為替水準は過度に円安で是正が必要だとし、いつ介入があってもおかしくないと述べた。日銀が2%の物価目標を掲げていることも円安要因だと指摘、物価目標の弾力的な見直しが必要との考えを示した。
中尾氏は、現在1ドル151円台で推移する為替水準について「ビッグマック指数や国際通貨基金(IMF)が試算する購買力平価などと比較しても明らかに過度に円安」と指摘。円安が「実質賃金、消費を下押ししている」として円高方向への是正が望ましいとの見解を示した。
為替介入については「いつでもあり得る」と発言。通貨安誘導でなく「過度の自国通貨安に対抗する為替介入は米国など海外の理解も得られやすい」と述べた。
また「市場経済システムにおいて金利は重要な指標で、あるのが常態。円安是正の効果を持つ日銀による追加利上げは望ましい」としつつ、適切な時期や利上げ幅については発言を控えた。
円安是正の一環として中尾氏は政府・日銀が掲げる2%物価目標の見直しを提唱する。本来インフレを抑制するために欧米中央銀行が導入を始めたインフレターゲット(物価目標)政策について、日本のように「デフレ下で長くこだわることについては実効性や副作用に疑問が持たれる」と批判した。
日本国内の足元の物価上昇については「エネルギーや食糧などの国際価格の上昇と円安を反映したもので、安定的な物価上昇と認めにくいのはわかる」と指摘。「賃金上昇を伴う持続的な物価上昇の達成が難しいとした場合、日銀が2%目標を掲げている限り、緩和的な政策を継続せざるを得ず、金利差を通じて円安要因になる」との見方を示した。
3月に日銀が決めた異次元緩和の諸方策の修正は適切だが「(異次元緩和は)副作用も大きく、もっと早く修正できればよかった」とも述べた。
中尾氏は2013年からほぼ10年にわたる大規模な金融緩和の副作用として「国債の大量購入による財政規律の喪失、内外の金利差を反映した行き過ぎた円安、債券市場のゆがみや、長短金利差がなくなることによる金融セクターの機能低下」などをあげた。
米消費者の1年先インフレ期待が安定化、債務返済への懸念は強まる - Bloomberg
米消費者の1年先インフレ期待は3月、前月と変わらずで安定を示した。一方で、消費者は債務返済能力にますます懸念を強めていることが分かった。
ニューヨーク連銀が8日発表したデータによると、1年先のインフレ期待(中央値)は3%。3年先のインフレ期待は2.9%に上昇(前月2.7%)し、5年先は2.6%に低下(前月2.9%)した。
高金利と何年にも及ぶインフレ高止まりが家計に重くのしかかっている。向こう3カ月に最低限の債務返済を怠りそうだとの回答比率は12.9%に上昇し、新型コロナ禍の初期以来の高水準となった。
インフレに対する予想は比較的安定を保ったが、将来の物価変動について回答者は依然として確信を持てていない。今から3年間のインフレペースが不透明とみている人の割合は、40-60歳では2013年にさかのぼる調査で最も高かった。
インド経済、世界一の成長エンジン狙う-28年までに中国を逆転か - Bloomberg
欧米各国は経済成長が鈍化している中国を経済パートナーとしてではなく、ライバルとして見なすようになっている。そして、中国に隣接するもう一つの新興大国インドが、世界の次なる経済成長のけん引役として台頭しつつある。
インドの株式市場は活況を呈し、外国からの投資が殺到。各国政府は年齢層が若く人口14億人を抱えるインドの市場取り込みを狙い、新たな貿易協定を結ぼうと構えている。
米ボーイングなどの航空機メーカーは記録的な受注を獲得し、米アップルはスマートフォン「iPhone」の現地生産を拡大している。
ただ、インドの経済規模は3兆5000億ドル(約531兆円)で、17兆8000億ドル規模の中国経済にまだ遠く及ばない。劣悪な道路環境や一貫性のない教育、煩雑な官僚主義的な手続き、熟練労働者の不足は、欧米企業がインドに進出する際にぶつかる多くの問題のほんの一部に過ぎない。
それでも、インドは世界経済の成長エンジンとして、中国を追い抜く公算が大きい。
インドで近く始まる総選挙は、与党のインド人民党(BJP)が勝利すると広く見込まれている。インドに強気なバークレイズのような投資銀行は、続投が有力視されているモディ首相が次の3期目が終えるまでにインドが世界経済の成長に最も大きく貢献する国になり得ると考えている。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の分析はさらに楽観的で、インドは購買力平価ベースで28年までにその節目に到達できると見込む。
ただ、そのためには、モディ首相は重要な発展4分野で野心的な目標を達成する必要がある。インフラ改善と労働者の技能強化・参加拡大、働き手全員が住めるより快適な都市の建設、雇用を提供する工場の誘致だ。
手本はある。中国だ。1970年代後半の改革によって自国経済が世界に開放された後、中国は30年ほど年平均10%の成長を遂げた。その結果、外国資本を招き寄せ、世界で大きな影響力を持つようになった。世界的な大企業は皆、中国戦略を持たなければならなかった。
しかし、不動産危機に、中国のサプライチェーン支配やセンシティブなテクノロジーの進歩に対する欧米の懸念増大が重なり、「奇跡」と呼ばれた中国の急成長期はもはや過去のものとなっている。
そこでインドの出番だ。モディ政権はインド経済の競争力強化を目指しており、安価な労働力を求め中国からの事業分散を目指す欧米企業にとっては魅力的な政策だ。
モディ首相はインドの成長加速を選挙遊説の主要なテーマとしており、昨年の集会では、政権3期目を担えばインド経済を「世界トップの地位」に引き上げると誓った。
2025会計年度のインフラへの政府予算は5年前の3倍以上となる11兆ルピー(約20兆円)を超え、各州の支出を加えると20兆ルピーを上回る可能性がある。
インドは30年までの6年間に鉄道や道路、港湾、水路などの重要なインフラを整備するため143兆ルピーを投資すると想定されている。
モディ政権は一方、小麦とコメの輸出を禁止することでインフレの抑制を図っている。政府は20年代に入ると国内で製造業を奨励するため、約2兆7000億ルピーの優遇策を展開。企業は優遇税制や土地価格の引き下げに加え、州政府からも工場設置の資本を得た。
BEの基本シナリオでは、インド経済は20年代末までに9%成長に加速する一方、中国の成長率は3.5%に低下する。インドが28年までに中国を抜いて世界経済最大の成長エンジンとなるという筋書きだ。
今後5年のインド成長率が6.5%未満にとどまるという国際通貨基金(IMF)の予測に沿った最も悲観的なシナリオでも、インドは37年に中国の貢献度を追い抜く。
もちろん、全ての予想は不完全な情報に依存している。可能性が極めて低いものの、いったん起これば大きな影響を及ぼす「ブラックスワン」などの大きな経済ショックがあれば、どんな見通しであれ外れ得る。
インドの首席経済顧問V・アナンサ・ナゲスワラン氏は最近のインタビューで、中国の経済規模がはるかに大きいことから、インドと中国の比較に注意を喚起した。
同時に、インドの潜在的な成長力や若者の多さ、インフラ構築、そして中間所得者層(ミドルクラス)が8億人にも広がる可能性は、外国人投資家にとって明確な価値命題だと主張。
「それが最大の長所だ」と述べ、「コスト競争力だけではない。市場や経済的リターンを生み出す能力、法の支配、国際的な投資家が比較的容易に資金を本国へ送金できるという政策の安定性がある」と指摘した。  
航空など一部の分野では、インドの高い成長期待が現実のものになるとの確証が深まりつつある。
インド最大の航空会社インディゴとエア・インディアは昨年、ボーイングと欧州のエアバスから計970機の航空機を購入するという記録的な規模の契約を交わした。インドで最も新しい航空会社アカサも今年、ボーイングにジェット機150機を発注した。
ボーイング・インディアのサリル・グプテ社長は、新しい空港や数々の航空スタートアップ、ミドルクラス拡大による国内旅行需要の増大が旅客機需要を高めていると説明。
「インドではここ1年にわたり、航空史上どの新興航空会社より最も速いスピードで成長している新興航空会社が生まれている。こうした要因全てが民間航空市場に大きなチャンスをもたらしている」と話した。
ボーイングは今年1月、インド南部ベンガルールで新しいエンジニアリングセンターを始動させた。総コスト2億ドル(約300億円)の同センターが完成すれば、同社にとって米国外で最大の投資となる。
エコノミストらは発展を加速させる重要な要因として、新たなインフラ整備を挙げており、特に空港建設は成長押し上げの潜在力だ。昨年時点でのインドの空港数は約148と、中国と比べ100余り少ない。インドは来年までに220に増やすことを目指している。
IMF、プライベートファンドのリスク指摘-規制当局に対応促す - Bloomberg
国際通貨基金(IMF)は8日、急拡大するプライベートファンド市場について、規制当局は一段と綿密に精査すべきだと指摘した。国際金融安定に関する報告書の一部として研究を公表した。
プライベートファンドが市場で果たす重要な役割について言及した上で、情報や透明性の欠如から十分に把握することが難しい潜在的リスクを挙げた。
IMFは「プライベートファンドは急成長を遂げたため、現在の規模と範囲に達してから深刻な景気悪化を経験したことがなく、リスク軽減を目的に設計された多くの機能がまだ試されていない」と指摘。「保険会社や年金基金に対する現行の規制要件は、裏付けとなる債権の信用パフォーマンスを考慮していない」としている。
その上で、規制当局に対して積極的な役割を担い、リスク分析の正確性を向上させるため一段と厳格な情報開示を義務づけるよう促した。国境やセクターを越えた監督上の協力体制を構築することも提案した。
IMFはまた、競争激化によって信用市場が悪化する潜在的なリスクを指摘したほか、返済期限まで利息の支払いが繰り延べられて元本に加算され、返済期限に一括して償還されるペイメント・イン・カインド(PIK)の利用増加についても言及した。
JPモルガンのダイモンCEO、米国の金利急騰の可能性を警告 - 株探(かぶたん)|米国株
JPモルガン<JPM>のダイモンCEOは、記録的な米財政赤字と地政学的ストレスがインフレとの闘いを複雑にするリスクを反映し、米金利は今後数年で8%超に急騰する可能性があると警告した。
「巨額の米財政支出、グリーン・エコノミーのために毎年必要とされる数兆ドル、世界の再軍備化、世界貿易の再編成、これらはすべてインフレを引き起こす」と本日発表された株主への年次書簡で述べている。
同CEOは書簡の中で、彼を含む予測関係者が散々懐疑的であったにもかかわらず、米経済が回復力を保っていることを認めた。しかし、同CEOはウクライナや中東での戦争を含む、世界的な対立が経済的なストレスを増幅させ景気拡大を危うくする可能性があると警告している。
同CEOはまた、金融市場の楽観論に疑問を呈している。投資家やトレーダーはFRBがここ数年の急激な金利上昇にもかかわらず景気後退を回避する、いわゆるソフトランディングを実現することを期待しているという。インフレが現在の高水準から急速にFRBの目標である2%に戻ることを意味するこのような結果は、利回りや株価指数が暗示するほど可能性は高くはないと述べている。これらの市場は、ソフトランディングの可能性を70-80%と見ているようだが、その確率はもっと低いと考えているという。
米消費者の長期インフレ期待がまちまちに=NY連銀3月調査 | ロイター
日本の介入、レッドラインは約153円の公算も-米CPI後まで温存か - Bloomberg
米失業率、高金利があまりに長期化すれば上昇へ-シカゴ連銀総裁 - Bloomberg
●エマージング
イスラエル軍のラファ侵攻、「日程決まっている」=ネタニヤフ首相 | ロイター
イスラエルのネタニヤフ首相は8日、パレスチナ自治区ガザの南部ラファにイスラエル軍が侵攻する日程は決定していると発表した。ただ具体的な日程は明かさなかった。
イスラエルとイスラム組織ハマスは7日、休戦交渉を再開するため代表団をエジプトに派遣。8日には首都カイロで協議が行われたが、ハマス幹部のアリ・バラカ氏は同日、同協議でイスラエルが提示した停戦案を拒否したと述べた
ネタニヤフ首相は「本日、カイロでの協議に関する詳細な報告を受け取った。われわれは目標達成に向けて継続的に取り組んでいる。まずは人質全員の解放とハマスに対する完全な勝利を達成することだ」と指摘。「この勝利にはラファへの侵攻およびラファにいるテロリスト部隊の排除が必要だ。それは必ず起こる。日程は決まっている」とした。
一方、米国務省のマシュー・ミラー報道官は定例会見で、イスラエルによるラファ侵攻の日程について米国は説明を受けていないが、いずれにせよ米国はイスラエル軍によるラファへの全面侵攻を望んでいないとした。
アングル:米大統領のイスラエルへの警告、与野党から批判の声 | ロイター
イスラエル、イランとの「いかなるシナリオにも対応用意」 | ロイター
イスラエル、レバノンでヒズボラ野戦司令官殺害 国連が暴力停止訴え | ロイター
イスラエル中銀、金利据え置き 不確実性の高まりで警戒必要 | ロイター
イスラエル外相、人質解放含むガザ停戦交渉で手応え-「重大な局面」 - Bloomberg
英のイスラエル支援は「無条件」でない、外相が人道法順守要求 | ロイター
タイ中銀は少なくとも0.25%利下げを、セター首相要求 | ロイター
●市況
欧州市場サマリー(8日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。上海市場で銅価格が過去最高値を更新したのを背景に、資源関連銘柄が買われた。
資源大手のリオ・ティントは4.2%、アングロ・アメリカンは3.2%それぞれ上昇した。スイスの商品取引・資源大手グレンコアも1.9%上げた。
<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。欧州最大の経済大国ドイツの鉱工業生産統計が好調だったことを好感し、景気循環連動株を中心に上昇した
スウェーデンの鉄鋼メーカーSSABは2.5%下落。マーティン・リンドクヴィスト最高経営責任者(CEO)が辞任することになり、後任探しを開始したと発表した。
<ユーロ圏債券> 今週11日に欧州中央銀行(ECB)理事会を控える中、ドイツ10年債利回りが2週間半ぶりの高水準を付けた。先週末の堅調な米雇用統計を受け、年内の利下げ観測が後退しているという。
NY市場サマリー(8日)米株ほぼ変わらず、ドル下落、利回り上昇 | ロイター
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、今週発表される米インフレ統計を控え、ドルが下落した。一方、日本円は34年ぶりの安値付近まで下落。市場では日本当局による介入が引き続き警戒されている。
<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが上昇し、軒並み昨年11月以来の高水準を付けた。先週発表された好調な米雇用統計が引き続き材料視されている。
<株式> 米国株式市場は不安定な地合いの中、ほぼ変わらずで取引を終えた。重要なインフレ指標の発表と第1・四半期の決算発表シーズンを控える中、北米で観測された日食に市場関係者の関心が向かったとの見方が聞かれた。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、各国の中央銀行による金購入が引き続き相場の支援材料となり、続伸した。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、イスラエルとイスラム組織ハマス間の戦闘休止と人質解放をめぐる交渉再開を背景に過度の供給不安が後退し、7営業日ぶりに反落した。
【米国市況】10年債利回り年初来高水準、株ほぼ横ばい-151円台後半 - Bloomberg
ニューヨーク原油相場は反落。イスラエルがパレスチナ自治区ガザから一部部隊を撤収させていると7日に発表し、地政学的リスク低下の兆候が示された。テクニカル指標面からも、最近の上昇は行き過ぎとのシグナルが見られていた。
中東情勢の緊迫化や供給ショックを受け、ブレント原油は先週、5カ月ぶりの高値を付けていた。ただ、相対力指数(RSI、9日間)は買われ過ぎの領域に入り、下落の可能性を示唆していた。複数のトレーダーによると、原油先物のアルゴリズムもロングポジションが最大限に達していた

備忘録(2024/4/5-7
●企業
日本製鉄、中国事業に関する一部報道を否定 USスチール買収巡り - 日本経済新聞
日本製鉄は6日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、「中国事業拠点が新疆ウイグル自治区に存在するとの一部報道があったが、そのような事実は一切ない」などとする内容を盛り込んだ声明を発表した。米議員が日鉄の中国事業を問題視する書簡をバイデン大統領宛てに出したことについて、一部メディアが書簡の中身を事実のように報じた点について反論した。
民主党のシェロッド・ブラウン上院議員が4日までに大統領宛てに経済安全保障の観点から日鉄の中国事業を問題視する書簡を提出。日鉄が1978年に中国初の製鉄所の建設に合意したことに言及し、政府ともつながりを持っていることを憂慮すべきだと主張した。これを受けて一部のメディアが6日までに書簡の中身が事実かのように報じていた。
日鉄は同議員の書簡を巡り、問い合わせのあった報道各社に対して反論する声明を公表していた。その後も書簡の内容が事実であるかのような報道が散見されたことから、改めて声明として6日に発表した。
日鉄は中国で鉄鋼大手、中国宝武鋼鉄集団との合弁企業を持つなど事業展開している。日鉄の中国事業は鉄鋼業の「下工程」にとどまり、付加価値の多くを占める高炉や電炉といった設備は保有していない。
日鉄は6日の声明で「自動車用鋼板を製造しているが、中国から米国への輸出は行っていない。中国事業の割合はわずかだ」などとした。「中国政府の軍需産業戦略を支援しているとの一部報道もあったが、そのような事実は一切ない」とも主張した。
日鉄は「今後も虚偽の報道や中傷に対して毅然とした対応をとる。強い決意のもと、買収を完了させる」とした。
米ジョンソン・エンド・ジョンソン、医療機器メーカーを2兆円で買収 心疾患向け - 日本経済新聞
心疾患向け医療機器メーカーのショックウエーブ・メディカルを131億ドル(約2兆円)で買収すると発表した。J&Jは2023年に救急ばんそうこう「バンドエイド」などを扱う消費者部門を切り離してからは、医療機器や製薬の部門に力を入れている。
ショックウエーブ・メディカルの治療機器は音圧波を使って冠動脈や末梢(まっしょう)動脈の石灰化を砕き、血流を改善させる。17年に販売を始めてから、約70カ国で40万人の患者を治療してきた。
J&Jは1株当たり335ドルの現金を支払い、24年半ばまでに買収を完了させる。
J&Jによれば、買収は少なくとも年間10億ドルの増収につながると予想しており、同社の売上高の成長を加速させると指摘している。
J&Jは成長分野と見込んでいる心疾患分野の強化をめざしている。22年12月には心臓の動きを補助するポンプを手掛ける米アビオメッドの買収を完了した。J&Jは「ショックウエーブ買収で、心血管治療における地位を向上させ、高成長市場へのシフトを加速できる」と指摘している。
ボーイング機のエンジンカバー外れる、米空港で離陸中 負傷者なし
●米大統領選挙
米中道団体、第3の候補擁立断念 大統領選 | ロイター
●各国中銀
焦点:FRB2幹部、利下げ転換警戒発言 インフレ上振れリスク指摘 | ロイター
ボウマン理事はニューヨークで行った講演で、インフレ率はFRBが2%とする目標に向けて低下し続ける公算が大きいとしながらも、「複数の上振れリスクがなお存在している」とし、「利下げが適切になる段階にはまだ達していない」と述べた。
さらに、インフレの可能性は、将来の政策決定の見通しを変える可能性があるとも指摘。自分自身の基調的な見通しではないとしながらも、「インフレの進展が停滞、もしくは反転した場合、今後の会合で政策金利を引き上げる必要が出てくる可能性はある」と述べた。
ボウマン氏のタカ派的見解に先立ち、米ダラス地区連銀のローガン総裁も同様の認識を示している。
ローガン氏はデューク大学での講演原稿で「利下げについて検討するのは時期尚早だ」と明言。利下げ前に「経済がどの方向に進んでいるかという不確実性がさらに解消される必要がある。そしていつものように、連邦公開市場委員会(FOMC)はインフレ率の低下に歯止めがかかった場合に適切に対応する準備を整えておくべきだ」とした。
両氏のみならず複数のFRB高官が、インフレ率目標回帰に向けた道筋において年初からこれまでに見られた凹凸について懸念を表明している。ここ数カ月の強い雇用統計とインフレ指標を受け、パウエルFRB議長を含む幹部らは、利下げ時期の決定に向けて「忍耐強く」行動するよう呼びかけている。
<利下げへの逆風>
米労働省が5日発表した3月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比30万3000人増加し、市場予想の20万人増を大幅に上回った。賃金の上昇も続き、米経済が第1・四半期も堅調だったことが示された。
FRB政策担当者の発言だけでなく、こうした経済データの経過も投資家の利下げ期待を後退させている。フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、トレーダーは5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われる可能性はほとんどないとみており、6月の利下げについては見方が分かれている。
ジェフリーズの米国エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、「今日のデータは、FRB当局者がすぐに利下げに傾く動機にはならないだろう」と述べた。
TDセキュリティーズのエコノミストも同意見だ。堅調な雇用統計は「今後の政策決定に関して、一部のFRB高官の忍耐強さを補強する可能性がある」という。さらに「短期的には消費者物価上昇率の推移が重要な決定要因であることに変わりはなく、来週10日の3月消費者物価指数(CPI)発表が注目される」とした。
ダラス連銀総裁、利下げについて考えるのは「あまりに早過ぎる」 - Bloomberg
ボウマンFRB理事、利下げの時期には「まだ至っていない」 - Bloomberg
ポーランド中銀、金利据え置き 年後半のインフレ加速見込む | ロイター
ポーランド国立銀行(中央銀行)は4日の会合で、政策金利を5.75%に据え置くことを決定した。今後数カ月はインフレ率が目標範囲内で推移すると予想しながらも、慎重な政策運営姿勢を継続した。
現在総合インフレ率は中銀目標レンジ(2.5%プラスマイナス1%ポイント)の中間値を下回っているが、中銀は、食品・エネルギー価格の暫定抑制策が終了することから今年下半期にはインフレが加速するとみている。
声明は、「今後数カ月は、消費者物価指数(CPI)の前年比伸び率がインフレ目標と整合的な水準となるが、食品に対する付加価値税(VAT)の従来水準への引き上げによりインフレは加速に向かうだろう」と分析した。
政府は1日、基本食料に対するVAT税率をゼロ%から5%に戻し、2022年2月に前政権が導入した物価高に対する家計支援措置を終了した。
中銀はまた、インフレの先行きは「大きな不確実性を伴う」と指摘した。
インド中銀、金利据え置き インフレの持続的低下に引き続き注力 | ロイター
インド準備銀行(中央銀行)は5日、主要政策金利のレポレートを6.50%に据え置いた。据え置きは予想通りで7会合連続。経済成長が堅調を維持する中、インフレ率が目標の4%に向けて持続的に低下するのを待つのが適切と判断した。
レポレートは2022年5月から23年2月の間に合計250ベーシスポイント(bp)引き上げられている。
中銀のダス総裁は声明で、底堅い経済成長により、中銀がインフレ率引き下げに注力する政策の余地が引き続きあるとし、積極的なディスインフレ政策を続けなければならないと述べた。
●先進国、グローバル、金融市場
米財務長官、中国首相と会談 「厳しい話し合い」で関係改善 | ロイター
米財務長官、中国副首相と会談 「均衡の取れた成長」協議へ | ロイター
バイデン氏、ボルティモア港の橋崩落現場を視察 再建支援を確約 | ロイター
ノルウェー、軍事費増額を計画 12年で560億ドル | ロイター
世界食料価格、3月は3年ぶり低水準から上昇 | ロイター
バイデン大統領、再び学生ローン救済案を発表する可能性 - 株探(かぶたん)|米国株
バイデン大統領は、早ければ来週にも再び学生ローン救済案を発表する可能性があると伝わっている。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。最高裁が最大2万ドルを免除するという同政権の計画を却下してから1年も経たないうちでの発表となる。裁判所が却下した数時間後、バイデン大統領は別の方法を試すことを誓っていた。報道によると月曜日にも概要を発表する予定。
対象は数十年前に返済を開始し、現在も返済を続けている債務者、借りた時よりも多くの債務を負っている債務者、既存の制度で債務救済の対象になっているが、免除を申請していない債務者など。さらに、学生ローンの支払いが経済的苦難を引き起こしている借り手も救済の対象になり得る。苦難の基準には、借り手が特定の公的給付を受けているかどうか、毎月の医療費、住居費、介護費などが高額であるかどうかなどが含まれるという。
鳥インフル、ヒトへの感染リスク高まる=WOAH事務局長 | ロイター
国際獣疫事務局(WOAH)のエロワ事務局長は4日、鳥インフルエンザは感染する種が拡大し、感染が発生する地理的な範囲も広がっていることから、ヒトへの感染リスクが高まっているとの認識を示した。
エロワ氏はロイターのインタビューで「この数カ月でさまざまな哺乳類が感染している。他の種への感染拡大が起きていることに気をもんでいる」と述べた。
さらに「最終的に、ますます多くの種や動物が感染することで必然的にウイルス量が増加し、それによりヒトへの感染のリスクが高まる」と警戒感を示した。
米当局は最近、複数の州で乳牛が鳥インフルに感染し、テキサス州ではヒトへの感染が確認されたと発表したばかり。
鳥インフルは今シーズンの流行は勢いが鈍かったが、従来は見られなかった地域にも感染が拡大。南米や南極大陸にも広がり、希少種の集団生息地が壊滅する例も起きている。
最も感染が多い哺乳類はキツネだが、ネコ、トラ、アシカ、イルカ、クマなど十数種の哺乳類で感染が確認されている。
米ボルティモア港、新航路を4月末開設 全面再開は5月末 | ロイター
USACEは、同港湾に出入港する幅280フィート、水深35フィートの航路を4月末までに開設すると説明。これにより自動車や農業機械などを輸送する一部の船舶は航行できるようになる。
また5月末までには幅700フィート、水深50フィートの航路が開設され、同港は全面的に再開される見通しだ。
今週には、動けなくなったコンテナ船の両側に緊急船舶やタグボート向けの航路が開設されたが、水深が11フィート(3.35メートル)、14フィートに限られ、35フィートの水深を必要とする大型貨物船は航行できない。
カナダ貿易収支、2月は予想を上回る黒字 過去最高の金輸出が貢献 | ロイター
アングル:堅調な米雇用、製造業は例外 映し出す構造変化の現実 | ロイター
製造業の雇用見通しは暗い。高金利、景気減速、新型コロナのパンデミックに伴う需要増の終了などが重なった、というのが専門家の見立てだ。
バイデン政権は政府政策の成果が出るのはもっと先だと主張。大統領経済諮問委員会のメンバーからは、製造業向け投資が雇用に結びつくには6─8四半期ほどかかるとの声も聞かれた。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者でバイデン氏の経済諮問委員会委員を務めた経験を持つエリザベス・レイノルズ氏は「ノースカロライナ州やジョージア州などさまざまな地域を見ると、企業は工場の着工前、既に採用を開始している。こうした動きから今後の様子が透けて見える」と述べた。
これまでに農機具最大手ディア、白物家電ワールプール、工業用品・事務用品スリーエム(3M)など大手製造業がレイオフを発表しているが、ほとんどの場合、最近のIT(情報技術)大手の大規模な削減と違って的を絞ったものとなっており、多くの工場が雇用を抑制するか、採用を停止する道を選択している。
<重なる打撃>
採用凍結や的を絞った人員削減が地方や小さな町の複数の拠点で起きると、影響は一段と深刻になる。ディアは先月、アイオワ州アンケニーの拠点で150人を削減すると発表。その数日後にタイソン・フーズが近隣の豚肉加工工場を閉鎖し、1200人を解雇すると発表した。
米国は雇用に占める製造業の割合が第2次世界大戦後には約3分の1に達していた。しかし、経済がサービス業中心に移行するとともに、効率アップと自動化で生産ラインに必要な人員が減ったため、製造業の雇用割合は数十年にわたり低下の一途をたどっている。さらに最近、米製造業は中国など低コスト生産国との競争激化にも直面している。
製造業の雇用はパンデミック直前にいったん下げ止まったが、22年後半に消費の勢いが鈍り、再び減少傾向となった。22年後半以降、全セクターの雇用が月平均25万人強に上るのに対し、製造業雇用は2000人強に過ぎない。2月の米国雇用に占める製造業雇用の割合は8.2%と過去最低を更新し、1979年に付けたピークの22%から13.8ポイント低下した。
<短期の回復は望めず>
米製造業協会のスコット・ポール会長は、工場建設ブームによって建設業や、セメントや鉄鋼など工場に必要な資材を生産するセクターで雇用が生み出されていると指摘。「こうした取り組みによる雇用が実現するのはまだ先のことで、25年以降になる」と述べた。
一方で、ポール氏はパンデミック期の極端な人手不足を経験し、多くの雇用主が人員解雇に消極的になっていると分析。「この業界では数年前と比べて経営哲学に変化が起きている」という。
アリエンスがその一例で、同社は従業員数を減らす一方、昨年は3カ月間にわたり1週間働くごとに1週間の休暇を取ることを義務づけた。CEOのアリエンス氏によると、こうした仕組みによってレイオフの拡大を回避することができた。
アリエンスは非上場で、不況乗り切りのためにコスト削減を迫られることはない。また、アリエンス氏はこうした取り組みで利益が打撃を受けたことを認めている。
中国の過剰生産能力、米財務長官が懸念表明 輸出だけに頼れず | ロイター
イエレン米財務長官は5日、中国の過剰製造能力が世界経済に及ぼす影響に対する懸念が高まっていると指摘した。広東省広州市の米国商工会議所で語った。
中国は輸出だけに頼って急速な成長を達成するには大きすぎるとし、他国の経済を圧迫している過剰な生産能力を削減することで利益を得るとの見方を示した。
イエレン氏は、製造業に対する中国政府の直接的あるいは間接的な支援は国内の開発目標と結び付いていることを理解していると発言。
その上で、現状ではこうした支援が中国の国内需要や世界市場の許容量を大幅に上回る生産能力につながっていると述べた。
中国の過剰生産能力は以前から問題だったが、電気自動車(EV)、バッテリー、太陽エネルギー製品などの新分野で新たなリスクが顕在化し、米国、メキシコ、インドの競合労働者や企業が不利益を被っているとした。
「生産能力の過剰に対処し、市場ベースの改革を検討することが、中国の利益につながると信じている」と発言。過去数十年間の中国の市場原理改革との類似点を示し、それが成長を促し、何億人もの人々を貧困から救い出したと述べた。
また、中国国内の競合他社に比べて不公平な扱いを受けているなど、中国における事業環境の悪化について米企業や多国籍企業が挙げる懸念を提起するとした。
イエレン氏は何立峰副首相との会談の冒頭、過剰生産能力、国家安全保障に関連した経済的規制など難しい課題について両国が緊密に対話することが必要だと述べた。
米財務長官の中国「過剰生産能力」批判、保護主義の口実=新華社 | ロイター
カナダ雇用者数、3月は2200人減 6月利下げ開始の観測強まる | ロイター
米雇用、3月30.3万人増 失業率3.8%に低下 利下げ後ずれも | ロイター
英3月建設PMIは50.2、7カ月ぶり50回復 | ロイター
英住宅価格、3月は前月比-1.0% 金利高止まりで6カ月ぶり下落 | ロイター
英新車販売、3月としては19年以降最高=業界団体 | ロイター
3月の米雇用者数は30万3000人増、1年ぶりの大幅増-失業率低下 - Bloomberg
サマーズ氏、米雇用統計は中立金利が「はるかに高い」ことを示唆 - Bloomberg
サマーズ元米財務長官は、3月の米雇用者増加は金融当局が中立金利の見通しを大きく見誤っていること表していると述べ、6月利下げに対する動きに警戒感を示した。
サマーズ氏は5日、ブルームバーグテレビジョンに「今回はどちらかといえば経済の再加速を示唆する重要な統計だ」と述べ、金融環境の「歴史的な」緩和といった他の要素とともに「中立金利は米当局の想定をはるかに上回るという圧倒的な証拠があるように私には思える」と続けた。
中立金利は景気を過熱させず冷やしもしない理論上の金利水準を意味する。米政策当局者による先月の予測中央値に基づけば2.6%程度とみられている。サマーズ氏の見方では中立金利は4%以上だ。現行フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%となっている。
米雇用統計発表後にインタビューに応じたサマーズ氏は、「6月の金融政策について処方箋を出したいとは思わないが、現在の事実とトレンドを踏まえると、利下げは不適切な行動だと言えよう」と語った。 
米英豪の安全保障枠組み、拡大協議開始8日発表と報道-日本と連携か - Bloomberg
米大統領、ボルティモア橋崩落現場を視察-議会に再建費用承認を要請 - Bloomberg
欧州通信、CLOの火種に 格下げで保有割合に上限 - 日本経済新聞
●エマージング
イスラエル、ガザ南部から大半の部隊撤収 エジプトで停戦協議再開へ
イスラエルは7日、パレスチナ自治区ガザ南部から1部隊を除く大半の兵士を撤退させたと発表した。軍報道官は人数や理由など詳細を明らかにしていないが、ガラント国防相は兵士らがガザでの将来の作戦に備えることになると述べた。
一方、イスラエルとイスラム組織ハマスはエジプトで行われる新たな停戦協議に代表団を派遣することを確認した。
イスラエル軍のハレビ参謀総長は部隊撤収に関する記者団の問いに対し、長期戦に備えた対応だと述べた。
ガラント国防相はハマスがもはやガザを支配せず、武装組織としてイスラエルを脅かすことがなくなるまで戦闘を続けると表明。軍当局者との会議で「軍は撤退し、次の任務の準備をしている」と述べ、ガザ最南部ラファでの将来の作戦も含まれるとした
韓国総選挙、10日投開票 尹錫悦政権の「中間評価」に - 日本経済新聞
イラン革命防衛隊、イスラエルに「処罰」 報復を約束 - 日本経済新聞
ネタニヤフ首相のラファ侵攻計画に逆風、イスラエル内からも反対論 - Bloomberg
イスラエル、レバノンのヒズボラ訓練キャンプへの空爆開始-ロイター - Bloomberg
イラン、大使館空爆で死亡した司令官らの葬儀を執り行う|ARAB NEWS
イスラエル、援助活動家への空爆で重大なミスを発見、軍幹部2名を解任|ARAB NEWS
アングル:本格化する湾岸諸国のイラク投資、イラン次第で事態変動も | ロイター
イスラエルによるイラン大使館攻撃は「転換点」=ヒズボラ指導者 | ロイター
エジプト・カタールにハマスへの圧力要請、米大統領 ガザ停戦合意に向け | ロイター
バイデン米大統領は5日、今週末エジプトの首都カイロで行われるパレスチナ自治区ガザでの停戦などを目指す新たな協議での合意に向け、イスラム組織ハマスに圧力を掛けるよう、エジプトとカタールの首脳に要請した。
米当局者によると、バイデン大統領はエジプトのシシ大統領とカタールのタミム首長に書簡を送り、「交渉で合意し、合意内容に従うというコミットメントをハマスから取り付けるよう両氏に促した」という。
カイロの協議には、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官率いる米代表団も参加する。
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官によると、バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と行った4日の電話会談でも、早期合意の実現に向け、カイロ入りする交渉団に権限を与えるよう求めていた。
直近の協議では、ハマスに拘束されている病人や高齢者、負傷者の人質解放と引き換えに6週間の停戦に合意するという提案が出されていたが、交渉は数週間にわたり停滞している。
ウクライナ東部で戦闘激化、ロシア軍がじりじりと前進 | ロイター
焦点:バイデン氏がイスラエルに「最後通告」、民間人保護なければ支援見直し | ロイター
アングル:中国、インドネシア次期大統領に秋波 南シナ海が「変数」 | ロイター
2月のインドネシア大統領選でプラボウォ国防相が勝利した直後、ジャカルタの中国大使館はプラボウォ氏の愛猫「ボビー」にキャットツリーなどたくさんの玩具を送った。
プラボウォ氏が勝利宣言した数日後には、中国大使が同氏の自宅に出向いて祝意を表明。そして今週、習近平国家主席の招待を受けたプラボウォ氏が北京を訪問した。
これらは、シンガポールに次いで対インドネシア投資額が多い中国によるプラボウォ氏への積極的な外交努力の一環だ。
専門家らは、中国が次期大統領のプラボウォ氏に働きかけ、ジョコ大統領の築いた中国と強固な経済関係が確実に踏襲されることを狙っていると分析する。ジョコ氏の下では、両国間にあつれきをもたらすような懸案もほとんど存在しなかった。
実際、プラボウォ氏はジョコ氏の政策を継続するとみられている。しかし、インドネシアが南シナ海領有権問題などの地政学的緊張に巻き込まれた場合、その行動はジョコ氏よりも予測不可能で、突然状況が変化する恐れもあると専門家はみている。
中国は南シナ海のほぼ全域で権益を主張しているが、インドネシアを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国の領海と重複する。例えばフィリピンは、中国との関係が急激に悪化している。
一方、ジェンデラル・アフマド・ヤニ大学のヨハネス・スレイマン教授(国際関係学)は、プラボウォ氏は、ナショナリストとしての自身の評価に磨きをかけたいと考えており、南シナ海問題では一段と強硬な姿勢を取ろうとするだろうとみている。
スレイマン氏は「プラボウォ氏はナショナリストを常に掲げてきた。これは彼のトレードマークだ」と語る。
インドネシアの歴代副大統領の顧問を務めている外交専門家のデウィ・フォーチュナ・アンワル氏は、プラボウォ氏が現在国防相を務め、軍人出身ということから、中国が懸念しているのは経済よりも安全保障を優先し、ジョコ氏時代とは路線が異なるのではないかという点だと指摘。「彼は(ジョコ氏よりも)予測できない面が大きくなる」と付け加えた
またデウィ氏は、中国が次期大統領に決まっただけの外国政治家を招くのは異例で、いかにインドネシアを取り込みたいとの気持ちが強いかを物語っている分析した。
米国と中国がインドネシアに目を向けさせようとせめぎ合う中で、中国としては何としてもプラボウォ氏にジョコ氏の政策を続けて欲しがっている、というのがデウィ氏の観測だ。
<ジョコ氏の政策>
インドネシア国防省の説明では、1日に北京を訪れたプラボウォ氏の立場はあくまで国防相で、次期大統領ではないということだが、同氏は両国関係の一層の緊密化を支持し、ジョコ氏の対中友好政策を継続したいとの考えを示した。
さらに習氏との会談を終えたプラボウォ氏は、中国を「地域の平和と安定を確保する上での重要なパートナーの一人」と認め、防衛協力も進める意向を明らかにした。
プラボウォ氏は大統領選を通じてジョコ氏の経済外交政策を受け継ぐとの公約を掲げ、副大統領候補にジョコ氏の息子を起用し、ジョコ氏から暗黙の支持を受けたことが勝利につながった面もある。
ジョコ氏は、インドネシアの電気自動車(EV)産業を発展させる目的などで中国からの投資呼び込みを積極化。米国に対しても投資を求めたが、昨年のインドネシア向け投資額は33億ドルと、中国の74億ドルを大きく下回った。
習氏は1日、中国はインドネシアとの関係を戦略的・長期的な視点で考えていると主張し、鉄道事業を例に挙げてあらゆる分野での戦略的協力を深化させていくと言い切った。
スロバキア大統領選、ロシア寄りの首相に近いペレグリニ氏が当選 - Bloomberg
スロバキア大統領選、ウクライナ支援停止した親ロ派首相の盟友が勝利
スロバキアで6日に行われた大統領選の決選投票で、左派のフィツォ首相に近いペテル・ペレグリニ氏が当選した。親ロシア姿勢を掲げ、ウクライナへの軍事支援を停止したフィツォ氏の政治基盤が強化されることになりそうだ。
現在、国会議長とフィツォ氏が属する与党の党首を務めるペレグリニ氏は、昨年10月に首相に返り咲き、内政面では刑法やメディア部門の改革を進めているフィツォ氏とは長年にわたって盟友関係にある。
開票率99.66%の段階で、ペレグリニ氏の得票率は53.26%。対立候補で親欧米派のコルチョク元外務・欧州問題相は46.73%にとどまった。
スロバキアでは大統領が持つ行政上の権限は乏しいが、法令に対する拒否権と憲法裁判所に異議を申し立てる権利、また憲法裁判所判事を指名する権利を有している。こうした権利は、フィツォ氏が推進する各種改革が国内で政治的対立を引き起こす恐れが大きいだけに、今後重要な意味を持つと予想されている。
コルチョク氏は選挙戦で、ウクライナ支援停止は平和ではなくロシアの勝利をもたらすと訴えてきたが、「戦争の側ではなく平和の側にスロバキアをずっととどめておくために何でもする」というペレグリニ氏の主張に屈した形になった。
●市況
NY市場サマリー(5日)ドル小幅高、米株反発 利回り上昇 | ロイター
<為替> ドルが小幅高。5日発表された米雇用統計は雇用者数が予想を上回り、連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が後ずれする可能性を示唆した。
ただ今週は強弱入り混じる指標を受け、ドルは週初に5カ月ぶり高値を付けた後、前日には2週間ぶり安値に沈むなど激しい値動きとなり、週足では下落する見通し。
CMEのフェドウオッチによると、雇用統計を受け、米金融市場では6月の利下げ確率が54.5%に低下。また年内の利下げ回数予想も2回に減少している。
<債券> 国債利回りが上昇した。米雇用統計で雇用者数が予想を大幅に上回って増加したことを受け、連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がないとの見方が出たことが背景。
<株式> 反発。朝方発表された米雇用統計が力強い内容となり、米経済が引き続き健全という見方を裏付けたほか、連邦準備理事会(FRB)の利下げが後ずれる可能性を示唆した。
<金先物> 地政学的なリスクの高まりを背景とした投機筋の買いに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比36.90ドル(1.60%)高の1オンス=2345.40ドルと、史上最高値を更新した。
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化を背景に買いが優勢となり、6営業日続伸した。米国産標準油種 WTIの中心限月5月物は前日清算値(終値に相当)比0.32ドル(0.37%)高の1バレル=86.91ドル。前日に続き中心限月清算値ベースで昨年10月中旬以来約5カ月半ぶりの高値となった。週間では4.50%高。6月物は0.29ドル高の86.10ドルだった。
欧州市場サマリー(5日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。中東情勢の緊迫化や米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言を受け、投資家の慎重な姿勢が強まって売りが膨らんだ。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言や中東情勢の緊迫化、市場予想を上回る米雇用統計を受けて売りが優勢となった。
<ユーロ圏債券> 利回りが上昇した。堅調な米経済指標、米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的発言、原油価格の急騰を受けて、投資家は欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を一部後退させた。週間でも利回りは上昇基調となった。
【米国市況】株反発、強い雇用統計で景気楽観論強まる-151円60銭台 - Bloomberg

備忘録(2024/4/4
●企業
エクソンモービル、第1四半期は石油・ガス価格の下落が収益圧迫 | ロイター
今年第1・四半期の業績について、石油・天然ガス価格の下落と燃料デリバティブ取引の損失により収益が前期比で悪化するとの見通しを示した。
資料によると、石油・ガス価格の下落は第1・四半期の利益を前期比で約6億ドル押し下げる要因となる。また燃料デリバティブ取引によりガソリンとディーゼル燃料の利益率の伸びが抑えられ、その影響は前期比で約11億ドルとなる見込みだ。
さらに第1・四半期は、精製施設のメンテナンス費用が大きく膨らんだ。
米サーモフィッシャー、23年末比1割高 業容拡大を評価 - 日本経済新聞
米分析機器大手のサーモフィッシャーサイエンティフィックの株価が堅調だ。医療現場に解析装置や試薬を供給する大手メーカーで、株価は570ドル台と2023年末比で1割高い。バイオ医薬品向け事業の業容拡大が評価を得ている。
サーモフィッシャーは医療現場や研究機関に分析機器や検査キット、試薬などを供給する医療用機材の総合メーカーだ。世界的に市場拡大が見込まれるバイオ医薬品向け事業で、薬の有効成分となる原薬の製造に強みを持つ。23年10月には米ミズーリ州の製造拠点を拡張して能力を増強するなど、成長期待が高まる。
M&A(合併・買収)で業容を広げ、直近ではたんぱく質の分析を手掛けるスウェーデン企業の買収を発表した。中国をはじめとする新興国でも事業を拡大している。25年12月期の予想EPS(1株あたり利益)は24.2ドルと23年12月期から12%増える見込み。
投資銀行のリーリンク・パートナーズは1月31日付のリポートで「バイオ医薬品市場は引き続き好調で当面は減速する兆しはない」とし、「買い」の投資評価を継続した。アナリストの目標株価は平均599ドルで上振れ余地がある。今後の株価はM&Aのシナジーを含めて成長シナリオを示せるかにかかりそうだ。
楽天G、ドル建て債3000億円発行へ 償還資金を調達 - 日本経済新聞
フォードが続伸 ハイブリッド車の提供拡大を発表=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
フォード<F>が続伸。需要の高まりを受けてハイブリッド車の提供を拡大すると発表した。同社は10年後まで、北米のフォード・ブルーの全ラインナップでハイブリッド・パワートレインを提供する予定だと述べた。1-3月期(第1四半期)の同社のEV販売台数は前年比86%増、ハイブリッド車は42%増となったとも発表。
同社はまた、オンタリオ州オークヴィル工場でのEV発売時期を従来の2025年から2028年に延期する一方、次世代EVを生産するための先進システムを構築する。この計画には、グリーンフィールドの建設と既存の組立工場の転換が含まれる。
同社は2026年に次期新型EVトラックの消費者向け納車を開始し、テネシー州のEVセンター組立工場での生産を強化する予定。塗装工場と車両組立設備に加え、同社の次期新型EVトラックの板金プレス品を生産する約4000トンのプレス設備の設置も進行中。
同社はさらに、エイボンレイクにあるオハイオ組立工場でも拡張を続ける計画で、そこではフォード・プロの顧客向けに新型EV商用車を生産する。機材の設置は2025年に開始される予定だとしている。
これとは別にカリフォルニア州のチームが、大量生産が可能な、より小型で低コスト、収益性の高いフレキシブルなEVプラットフォームの開発に取り組んでいるとも述べた。
アマゾンの膨らむキャッシュ、株主還元に期待の声-株は最高値に接近 - Bloomberg
●米大統領選挙
トランプ氏、日本に防衛費GDP2%超要求も 前国防長官 - 日本経済新聞
●各国中銀
バランスシート縮小ペース、近い将来の鈍化に抵抗なし=クリーブランド連銀総裁 | ロイター
ECB、利下げ論拠の強化確信 物価目標達成しつつある=議事要旨 | ロイター
議事要旨は「理事会メンバーは、インフレ率が適時に目標とする2%向けて持続的に低下する軌道に乗っているとの確信を強めた」とし、「今後の経済指標や証拠を待つのが賢明だが、利下げを検討する論拠は強まっている」とした。
物価情勢については「ベース効果の影響で夏以降は波乱が予想される」とし、特にサービス部門などでディスインフレの持続可能性に疑問があると指摘。「追加的な証拠の積み重ねが重要になる」との見解を示した。
【FRB高官発言】今年は利下げ実施しない可能性も-カシュカリ総裁 - Bloomberg
カシュカリ氏はリンクトインとのバーチャルイベントで、「私は3月時点では、インフレが当局の2%目標に向かって下がり続ける場合、年内に2回の利下げがあると予想していた」と発言。「インフレの横ばい推移が続くようであれば、そうした利下げを実施する必要があるのかどうか疑問が生じるだろう」と述べた。
1月と2月のインフレの数字は「やや気掛かりだ」と同氏は指摘。インフレが当局の2%目標に向かっているとの確信を得るためには、利下げサイクルを開始する前に物価に関してさらなる進展を確認する必要があると話した。
リッチモンド連銀のバーキン総裁は、利下げをする前にインフレ軌道に関して一段の明瞭さを得るべく時間をかけることが、米金融当局にとって「賢明」だと述べた。
リッチモンドのホーム・ビルディング・アソシエーションでの講演で、総裁は「誰もインフレ再燃を望んでいない」と発言。「労働市場の強さを踏まえると、金利引き下げプロセスを開始する前に雲が吹き払われるのを待つ時間はある」と述べた。発言内容は事前原稿に基づく。
「金利をいくらか景気抑制的に維持することで、インフレを当局の目標に戻すことができると私は楽観している」とも語った。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は同日、経済は底堅く雇用の伸びはなお力強いが、インフレは依然として高過ぎるとの見解を示した。
ハーカー氏はペンシルベニア大学ウォートン校で行われた討論会で「現在の状況はあるべき姿ではない。インフレはなお高過ぎる。保有資産が限定され、所得も抑制されたALICEと呼ばれる世帯にとっては特にそうだ」と述べた。
ECB政策委、利下げ検討の根拠は強まっていると認識-3月議事要旨 - Bloomberg
植田日銀総裁、物価目標達成の確度高まれば追加利上げ検討-報道 - Bloomberg
日本銀行の植田和男総裁は朝日新聞とのインタビューで、2%の物価目標達成に向けた「確度」がさらに高まれば、追加利上げを検討する考えを表明した。インタビューは3日に行われた。
その上で植田総裁は「夏から秋にかけて春闘の結果が物価にも反映されていく中で、目標達成の可能性がどんどん高まっていく」と述べた。利上げした場合でも「基調的なインフレ率の判断が2%を下回っている限り、金融環境としては緩和的であることが必要だ」とも語った。
植田総裁は、物価の現状について「基調的な物価上昇率」は2%に届いていないと説明し、高い賃上げ率が見込まれる今春闘の結果がこれから反映されると見込むとした。賃金と物価の好循環が実現する確度について、「(大規模緩和は)例えば75%になったので解除した。これが80%、85%になっていくなら、金利を動かす理由の一つになる」と語った。
日銀は3月の金融政策決定会合で世界で最後のマイナス金利を解除し、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止や上場投資信託(ETF)の新規購入停止なども決めた。市場では早期の追加利上げ観測も浮上している。
植田総裁は、過度な円安進行も、経済・物価に影響を与えるなら、追加利上げの判断材料になるとの考えを示した。「現状の為替についてはノーコメント」としつつ、「為替の動向が賃金と物価の循環に、無視できない影響を与えそうなら金融政策として対応する理由になる」と語った。
●先進国、グローバル、金融市場
世界のCO2排出、80%が57の化石燃料・セメント生産者に起因=報告書 | ロイター
英非営利シンクタンクのインフルエンスマップは4日公表した報告書で、2016年以降の世界の二酸化炭素(CO2)排出の80%が化石燃料およびセメントを生産する57の国や企業に起因すると指摘した。
排出量世界トップ3は、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコ(2222.SE), opens new tab、ロシア国営エネルギー大手ガスプロム(GAZP.MM), opens new tab、インド国営石炭生産会社コールインディア(COAL.NS), opens new tabだった。
インフルエンスマップは今回の調査報告書について、比較的少数のグループがCO2排出の大部分を担っていることを示し、どの政府や企業が気候変動を引き起こしているのか透明性を高めることが狙いだと説明した。
原油先物一段高、地政学的な緊張の高まり背景 | ロイター
イランによるイスラエル外交官に対する攻撃の脅威が高まる中、イスラエルが各国(訂正)大使館に厳戒態勢を敷いたとの報道を受け、原油先物が上昇。アルティモのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、フランク・モンカム氏は、地政学的な要因が重なったことが原油高につながっているとしている。
北海ブレント原油が90ドル台に上昇、昨年10月以来-地政学的リスクで - Bloomberg
ロシア、パリ五輪を標的とすること「疑いなし」 仏大統領 | ロイター
フランスのマクロン大統領は4日、ロシアが悪意をもって今夏のパリ五輪を標的とすることに「何ら疑いはない」と述べた。地政学的な緊張が五輪に影を落としている状況を浮き彫りにした。
情報などが標的となる可能性があるという見方も示した。
マクロン氏の発言がロシアによる五輪への干渉を示唆する具体的な情報に言及しているかどうかについて、側近はコメントを避け、「ここ数カ月、ロシアが強硬姿勢を強めている様子を確認している」と述べるにとどめた。
NATO、ロシア脅威再燃を警告 欧米の結束呼びかけ 設立75周年 | ロイター
北大西洋条約機構(NATO)は4日、設立75周年を迎えた。NATOは旧ソ連を中心とする共産圏による民主主義国家に対する軍事的脅威を受け欧米12カ国で設立。加盟国が32カ国に拡大する中、ウクライナに侵攻するロシアが再びNATOの大きな安全保障上の脅威になっている。
ストルテンベルグNATO事務総長は式典で、米議会でウクライナに対する約600億ドルの支援策が阻止されていることに言及し、「欧州は安全保障のために北米を必要としている。同時に、北米も欧州を必要としている」と述べた。
ウクライナのクレバ外相はブリュッセルでNATO外相と会い、米国製の地上配備型の迎撃ミサイル「パトリオット」を含む防空システムの提供を要請。記者会見で「ウクライナに対するロシアの空爆を巡る極めて悲痛なメッセージを伝えなければならなかった」とし、NATO外相がウクライナに提供する防空システムを特定し、自国の在庫にあるか確認することで合意したと明らかにした。
ブリンケン米国務長官は、中国や北朝鮮、イランなどがロシアの防衛産業基盤を強化する取り組みを支援しているため、ウクライナへのさらなる支援が特に重要と指摘。「ウクライナが引き続き必要としているリソースの確保に向け、米国を含む全ての国が全力を尽くし、必要であればさらに努力すると確信している」述べた。
ウクライナ当局によると、4日夜もロシアはウクライナ東部のハリコフ市の民間住宅とエネルギー施設を小型無人機(ドローン)で攻撃し、住民数人が死亡したほか、大規模な停電が発生した。
ロシアによるウクライナ全面侵攻を受け、北欧のフィンランドとスウェーデンが長年の中立政策を転換し、NATOに加盟。フィンランドのバルトネン外相は「ロシアが『併合』や違法な侵略によって拡大するのとは異なり、民主的な国家と自由な国民はNATO加盟を選んでいる」と語った。 もっと見る
こうした中、ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官はこの日、NATOは「すでにウクライナを巡る紛争に関与しており、軍事インフラをロシア国境に向けて拡大し続けている」と批判。 NATOとロシアの関係は「直接対決のレベルに到達している」との認識を示した。
米住宅価格の上昇が物価目標達成への最大の障害=シカゴ連銀総裁 | ロイター
米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は4日、連邦準備理事会(FRB)がインフレ率を目標の2%に戻す最大の障害は住宅サービスセクターにおける持続的かつ異常な価格上昇だと述べた。
イリノイ州オークブルックでのイベント向けの講演原稿で「私の見解では、インフレ情勢に対する最大のリスクは住宅サービスの高インフレが続くことだ」と指摘。新たな賃貸契約の賃料に関する市場データに基づき「これまでよりも迅速に賃料が下がると予想していたが、もし下がらなければ、全体のインフレ率を2%に戻すのは非常に困難になる」とした。
また、1─2月の期待外れのインフレ統計は「単なるノイズ」として片づけられるべきではないとした一方、住宅インフレが軟化し始めている限り、FRBが良い方向に進んでいないことを必ずしも意味するわけではないとした。
「住宅インフレは当面の将来において私にとって最も価値のある指標であり続ける」と語った。
さらにFRBが利下げ開始を過度に先延ばししないよう警告。あまりに長期にわたり制約的な金融政策を維持すれば、2つの責務の1つである雇用面に悪影響が及び始める可能性が高いとした。
米貿易赤字、2月は1.9%増の689億ドル 輸入急増で | ロイター
米新規失業保険申請、2カ月ぶり高水準 労働市場の緩和示唆 | ロイター
米労働省が4日発表した3月30日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比9000件増の22万1000件となった。市場予想は21万4000件だった。2カ月ぶりの高水準となり、労働市場を巡る状況が次第に緩和しつつある兆候を示唆した。
それでも、PNCファイナンシャル(ピッツバーグ)のチーフエコノミスト、ガス・フォーチャー氏は「労働市場は依然として非常に強い」との認識を示した。
申請件数が市場予想以上に増加したのは、今年はイースター(復活祭)の祝日が早かったことが季節調整モデルに影響したためとみられる。
調整前ベースでの申請件数は2455件増の19万6376件だった。カリフォルニア州、アイオワ州、イリノイ州、ペンシルベニア州での申請件数が大幅に増加し、テキサス州、ミズーリ州、ジョージア州での大幅減少を相殺した。
米失業保険申請、1月以来の高水準-人員削減の増加傾向と整合 - Bloomberg
ここ数カ月、労働市場は底堅く推移しているものの、レイオフは増加傾向にある。今週発表された米求人件数統計によれば、2月のレイオフは1年ぶりの多さとなった。また再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのデータによると、企業による人員削減の発表も1年ぶり高水準となっており、向こう数週間に失業の増加が示される可能性がある。
チャレンジャー・グレイのシニアバイスプレジデント、アンディ・チャレンジャー氏はリポートで、「レイオフは1-3月(第1四半期)に確実に増加したが、なお昨年の水準を下回っている。多くの企業が『より少ない人員でより多くのことを行う』というアプローチに回帰しつつあるようだ」と指摘した。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「3月はレイオフ発表の大半が政府関連だった。今年これまでの人員削減ではテクノロジー企業が最も多く、次いで金融機関、サービス、運輸といった順番になる。大まかな傾向として労働市場は冷え込みつつあり、しかも急速な冷え込みとなっている可能性がある」と分析した。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルキ氏は「総じて労働市場は強さを維持しているが、労働者の需給に関して徐々にリバランスが進んでいる」と指摘。「今後、解雇の急増ではなく、採用の減速という形で一段と調整が進むと当社はみている」と続けた。
米雇用増を支える移民、巡航速度アップか-パウエル氏予想は約10万人 - Bloomberg
ユーロ圏総合PMI、3月改定値は50を回復 サービス業がけん引 | ロイター
伊3月サービスPMIは54.6、1年ぶり高水準 新規事業が増加 | ロイター
英総合PMI、3月改定52.8 サービス部門鈍化も景気後退脱却へ | ロイター
仏サービスPMI、3月改定48.3 前月下回る | ロイター
独サービスPMI、3月改定50.1 半年ぶりに50上回る | ロイター
スイス3月インフレ率は1%、2年半ぶり低さ 追加利下げ観測強まる | ロイター
スイス連邦統計局が4日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年比1%上昇で、2021年9月以来の低い伸びとなった。スイス国立銀行(中央銀行)による追加利下げ観測が強まり、スイスフランが下落した。
インフレ率は10カ月連続で0─2%の中銀目標レンジに収まった。2月は1.2%、ロイター調査の予想は1.3%だった。
発表を受け、スイスフランは対ユーロで0.9836フランに下落し、昨年6月以来の安値を付けた。
3月は食料品やレストラン、ホテルの価格が下がった。
前月比では横ばいだった。
J・サフラ・サラシンのチーフエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は「当社はすでに6月と9月の2回の利下げを予想していたが、この水準のインフレ率であれば利下げはほぼ確実だろう」と語った。スイス中銀はインフレの上振れリスクを制御しているようだが、下振れリスクも管理し、デフレを回避しなければならないと述べた
債券市場に飛び込め、「信用配分の黄金期」到来-KKRシェルドン氏 - Bloomberg
プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRは、2024年は「信用配分の黄金期」の到来を告げていると指摘。様子見姿勢を続ける投資家は、完璧なエントリーポイントを見つけることに執着するのをやめ、債券市場に飛び込むべきだとの見解を示した。
KKRのクレジット・マーケッツ共同責任者、クリストファー・シェルドン氏は4日付の顧客向けリポートで、「利下げの時期と規模を予測するのは不可能だ」と指摘。「景気は減速しており、デフォルト(債務不履行)は増加するものの急増はせず、分散が増えて信用選別の機会が生まれるとの見方をわれわれは維持している」と記した。
「より高く、より長く」という金利見通しにより、「クレジット投資を行うのに適した時期」が訪れていると、KKRは指摘。ただ資産クラスによって利回りはさまざまなことから、しっかりとした選別が鍵になるとしている。「分散が進むにつれ、機敏さと特異なクレジット選びが極めて重要になりそうだ」とKKRは分析した。
KKRはローン担保証券(CLO)に妙味があると指摘。CLOを巡っては、ウォール街でも今後発行が伸びると予想する金融機関が増えている。
シェルドン氏はCLOについて、「収入を増やし、利下げ時期を正確に捉えることへの感応度を相殺する」上で適した方法だと指摘。インタビューで同氏は、相対的に見てスプレッドは広がっていると語った。
シェルドン氏は格付けが低めでリスクのより高い債券を選ぶことに抵抗はないとし、KKRは劣後比率の高い「BB」格付けのCLOを買い入れているほか、KKRのCLOエクイティーを保有している。
「CLOの観点から見て、デフォルトが制御不能になることはないとの見方から現状ではメザニン・トランシェの購入が良いとわれわれは考えている。ただ引き続きマネジャーの選別は重要だ」とシェルドン氏は語った。
スイスのインフレ率、予想に反し低下-サプライズ利下げを正当化 - Bloomberg
アメリカ企業、M&Aなど「攻めの投資」へ調達加速 社債は過去最高ペース - 日本経済新聞
米国企業の資金調達が活発になってきた。社債発行額は1〜3月期として過去最高を記録し、足踏みが続いていた株式発行による調達も回復しつつある。底堅い景気と利下げ転換への期待から企業はM&A(合併・買収)などの「攻めの投資」に動き、市場を通じた調達のアクセルを踏み始めた。
オーストラリアドルに先高観 経済堅調を好感、原油高も支え - 日本経済新聞
●エマージング
ロシアとNATO、現在「直接対立」している=クレムリン | ロイター
イスラエル、全戦闘部隊の休暇一時停止 イランの報復警戒 | ロイター
南ア中銀インフレ目標、引き下げに向け協議=総裁 | ロイター
インドの3月サービスPMI、61.2に上昇 輸出と雇用が堅調 | ロイター
フィリピン、24年成長目標を下方修正 財政赤字上限引き上げ | ロイター
チリ中銀、今年のGDP伸び予想を2─3%に上方修正 | ロイター
チリ中央銀行は3日、2024年の国内総生産(GDP)伸び率予想を2─3%に上方修正した。これまでは1.25─2.25%だった。
前日には、政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げて6.50%とした。また追加利下げの可能性を示唆した上で、利下げ幅と実施時期は「マクロ経済シナリオの状況とそれによるインフレへの影響」次第だと説明した。
中銀は金融政策報告で、インフレは主に国内支出減少と活動ギャップの縮小により22年をピークに目標の3%に向けて減速しており、それが近年の大規模なマクロ経済不均衡の是正につながったと指摘。今後2年のインフレ予想を引き続き3%に据え置いた。
年末時点のインフレ率については、最近の通貨下落を受けて3.8%になるとし、前回予想の2.9%から引き上げた。ただ、今後2年に目標範囲に収まるとの見方は維持した。
25・26年のGDP伸び率予想は1.5─2.5%とした。25年の予想は2─3%から下方修正となった。
インド下院選、与党連合が圧勝の勢い=世論調査 | ロイター
米、イスラエル支援に条件付与へ 方針転換を示唆 首脳電話会談 | ロイター
韓国企業、営業益24%減 前期 半導体の輸出不振響く - 日本経済新聞
韓国取引所がまとめた韓国上場企業の2023年12月期の連結営業利益の合計額は前の期比24%減だった。半導体を含む主要業種の電機やサービス、化学などで前年実績を大きく下回った。世界的なインフレで半導体の輸出が不振だったほか、国内の景気低迷で内需も低迷した。
サウジとロシアの関係を動かす経済的要因|ARAB NEWS
●市況
欧州市場サマリー(4日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 上昇して取引を終えた。自動車株や鉱業関連株の上昇が相場を押し上げた。英経済が不況から脱却しつつあることを示す経済指標も投資家心理を支えた。
<欧州株式市場> 小幅に続伸して取引を終えた。資源株や自動車株など景気循環連動銘柄が相場を主導した。ユーロ圏経済の回復やインフレ抑制の兆しも投資家心理を支えた。
スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カー(VOLCARb.ST), opens new tabは6.7%上昇。3月の販売台数が前年同月比25%増の7万8970台となり、単月の世界販売台数として過去最高だったことが好感された。
<ユーロ圏債券> 国債利回りが低下した。米国の週間新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことで、世界経済が冷え込みつつある兆候が意識された。
NY市場サマリー(4日)ドル2週間ぶり安値、株下落・利回り低下 | ロイター
<為替> ドルが2週間ぶりの安値を付けた。前日の経済指標を受け、米国の早期利下げ観測が強まっている。
<債券> 米債利回りが低下した。経済指標で労働市場の緩和が示され、連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを開始するとの見方を裏付けた。
<株式> 主要3指数がいずれも1%超下落して終了。S&P総合500種(.SPX), opens new tabは2月13日以来の大幅な下げとなった。米連邦準備理事会(FRB)当局者が利下げ見通しについて慎重な姿勢を示したことを受けた。市場では5日に発表される3月の雇用統計が注目されている。
<金先物> 中東情勢の緊迫化や米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げ観測を背景とした買いが一服し、反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比6.50ドル(0.28%)安の1オンス=2308.50ドル。連日の史上最高値更新は5営業日でストップした。
<米原油先物> 米雇用統計が注目される中、地政学リスクの高まりを受けた買いが膨らみ、5営業日続伸した。米国産標準油種WTI5月物の清算値(終値に相当)は前日比1.16ドル(1.36%)高の1バレル=86.59ドルと、中心限月の清算値ベースで昨年10月中旬以来約5カ月半ぶりの高値となった。6月物は1.20ドル高の85.81ドル。
【米国市況】株下落、地政学リスクで国債に逃避買い-151円30銭台 - Bloomberg


備忘録(2024/4/3
●企業
ディズニーCEO、ペルツ氏との委任状争奪戦に勝利 - Bloomberg
ディズニー、委任状争奪戦に5000億円 勝利も代償重く - 日本経済新聞
インテル株が7%超える下げ、製造部門の低調な見通しで失望売り - Bloomberg
3日の米株式市場で、半導体大手インテルの株価が過去2カ月余りで最大の下落。製造部門の赤字が拡大し、向こう数年は損益分岐点に達しない可能性があるとの見方を示したことで、失望売りが広がっている。
製造を担当する同社の新部門インテル・ファウンドリーの2023年の売上高は189億ドル(約2兆8700億円)と、前年の275億ドルから減少した。同部門の営業損失は52億ドルから70億ドルに拡大した。
これを受けた3日の取引で、インテル株は一時7.3%安と、1月26日以降で最大の下げ。同社株は年初から2日終値までですでに約13%下げていた
インテルはパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)の事業立て直し計画の一環として、財務状況についてより詳細な説明を行っている。ファウンドリー部門は他社向け半導体製造を目指しており、同社の他部門からある程度切り離すことがその戦略にとって必要不可欠となっている。
同社は24年が損失のピークになると予想しており、インテル・ファウンドリーの営業損益が黒字に転換するのは「現在から30年末までの期間の中間点」になるとの見通しを示した。同社はまた、同部門の最高財務責任者(CFO)にロレンツォ・フロレス氏を指名した。
●米大統領選挙
トランプ氏、米激戦州でリード バイデン氏の手腕巡る懸念反映か=調査 | ロイター
米大統領選で接戦が予想される激戦7州中6州で、共和党候補となる公算が大きいトランプ前大統領の支持率が民主党の現職バイデン大統領を上回っている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の世論調査で分かった。経済情勢やバイデン氏の大統領としての舵取りを巡る懸念を反映しているとみられる。
調査は3月17━24日、激戦7州の有権者計4200人(各州600人)を対象に実施された。
ペンシルベニア、ミシガン、アリゾナ、ジョージア、ネバダ、ノースカロライナの6州では、トランプ氏とバイデン氏の直接対決もしくは無所属候補を含む複数の候補者との投票いずれの場合でも、トランプ氏が約2─8%ポイントリードしている。
7州目のウィスコンシン州では、複数候補者との投票の場合はバイデン氏が3ポイントリード、トランプ氏との直接対決の場合では拮抗している。
また、バイデン氏の仕事ぶりに対する否定的な見方は肯定的な見方を少なくとも16ポイント上回り、とりわけ4州では20ポイント超上回る結果となった。
さらに、トランプ氏が大統領として肉体的にも精神的にも適しているという回答は48%となる一方、バイデン氏については28%にとどまった
トランプ氏、不法移民は「人ではなく動物」 国むしばむと警告 | ロイター
●各国中銀
FRB、第4四半期に利下げ開始すべき=アトランタ連銀総裁 | ロイター
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は3日、連邦準備理事会(FRB)による利下げは年内1回のみにすべきとの自身の見解を維持し、FRBは年末まで利下げ開始を先送りすべきと述べた。
CNBCとのインタビューで、インフレ率の動向がかなり平坦ではなくなってきたと指摘。「経済が予想通りに進展し、国内総生産(GDP)と雇用が引き続き堅調に推移し、年間を通じてインフレが緩やかに低下するのであれば、年末や第4・四半期に利下げを開始するのが適切だと思う」とした。
その上で、経済のいかなる弱体化も段階的だとし、インフレを巡る一部の二次指標は以前よりも大幅に高くなっていると改めて指摘。「政策金利を変更する前に、追加的な価格上昇圧力が隠されていないか確認する必要がある」と述べた。
ボスティック氏はインフレ率について、2024年から25年にかけて段階的に低下し、26年初旬にFRBが目標とする2%に達すると予想。インフレの軌道がFRBの見通しよりも鈍化すれば「多くの人の予想以上に忍耐強くならなければならない」と語った。
ボスティック総裁、今年1回の利下げ予想を維持-10-12月開始が適切 - Bloomberg
パウエル議長、さらなるデータ精査の「時間ある」-利下げ前に - Bloomberg
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、利下げを開始する前にインフレ鈍化のより明確なシグナルを待ちたいとの考えを示唆。最近高めのインフレ率が示されたことについては、より広範な軌道を変えることはないとの認識を示した。
最近のインフレデータについてパウエル氏は、予想を上回ったものの全体像を「有意に変える」ものではなかったと説明。「年内どこかの時点で」利下げを開始するのが適切になる可能性が高いとの認識を改めて示した。
パウエル議長は3日、カリフォルニア州のスタンフォード大学で講演。事前に配布された原稿によれば、「インフレについては、最近のデータが単なる一時的な上振れ以上のものなのかどうかを判断するのは時期尚早だ」とし、「インフレ率が2%に向かって持続的に低下しているという確信が強まるまでは、政策金利を引き下げるのは適切ではないとみている」と述べた。
パウエル氏は「経済の強さと、インフレ面でのこれまでの進展を踏まえれば、今後発表されるデータに政策判断を導いてもらう時間はある」と発言。「経済が予想通りに幅広く展開すれば、年内どこかの時点で政策金利の引き下げを開始するのが適切になる可能性が高いと、大半の連邦公開市場委員会(FOMC)参加者はみている」と語った。
ネーションワイド・ミューチュアル・インシュアランスのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「パウエル議長の発言はなおハト派的だ。年初のインフレ率上昇は新たなトレンドではなく、一時的なものだった可能性がある」と指摘。「6月利下げの選択肢があるとわれわれはみており、議長の発言はそれを支える内容だが、3月分の統計でインフレデータの軟化を目にする必要がある」と述べた。その上で、現時点においては7月利下げの方が可能性が高いとの見方を示した。
パウエル議長の発言原稿は、3月のFOMC会合後に行われた記者会見を補強する内容となった。議長の発言は、4月30日-5月1日に開催される次回会合で利下げを決定する可能性が低いことも示唆している。
日銀の本格正常化は25年度以降、今秋「ジャブ程度」の利上げも-桜井氏 - Bloomberg
●先進国、グローバル、金融市場
ユーロ圏インフレ率、3月は2.4%に低下-6月利下げ見通し強まる - Bloomberg
ユーロ圏のインフレは3月に予想以上に減速し、6月の欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しを強める結果となった。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が3日発表した3月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比2.4%上昇と、アナリスト予想中央値の2.5%上昇を下回った。2月は2.6%の上昇だった。
食品やエネルギーなど変動の激しい項目を除くコアインフレ率は2.9%と、予想以上に鈍化した。
米利下げ幅は他の主要中銀より小幅と見込む-ピムコの債券投資戦略 - Bloomberg
ピムコは政策の道筋が分かれ、米国の利下げ回数は他の中銀より少なくなる公算が大きいとみている。その主な理由は、住宅ローン市場の違いだ。米国では固定金利の住宅ローン利用が多く、借り手はローン金利を新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期に歴史的な低水準で固定することができた。この結果、急激な利上げによる影響が和らげられた。
ボールズ氏は「利上げによる経済への影響が早期に波及しやすい住宅ローン市場というのが、(米国以外の)多くの国に共通するテーマだ」と語った。
ボールズ氏とポートフォリオマネジャーのサチン・グプタ氏は先週ロンドンでのインタビューで、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ユーロ圏の債券を米国より選好していると語った。これに基づく債券取引を、フロントエンドでも10年物でも増やしているという。
アトランタ連銀の見積もりによれば、米国は年率2.8%のペースで経済が拡大している。これに対し欧州は0.5%かそれ以下だとグプタ氏は指摘した。
インフレの動向は、金融当局や債券のポジショニングにとって極めて重要だ。米国が6月にも利下げをする確率は、堅調なデータを受けて50%をわずかに上回る程度に低下した。トレーダーは今年の米利下げ幅予想を当局見通しの75bpを下回るところまで後退させた。
ボールズ氏は、利下げに関して「米国は短期的に世界の他の国・地域に比べ小さくなる公算が大きい」とし、「米国はまだ経済活動を鈍化させる必要があるが、世界の他の地域では既に鈍化している」と話した。
最古のヘッジファンド戦略が復活か-成績改善で2年ぶりに資金純流入 - Bloomberg
円よりスイス・フラン、キャリー取引調達通貨-ステートSとシティ - Bloomberg
スイス国立銀行(中央銀行)が先月予想外の利下げを実施して以来スイス・フランは急落しており、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズとシティグループは、フランがキャリートレード調達通貨の最有力候補になったとみている。日本銀行が歴史的な利上げに踏み切ったことで円が対フランで上昇することも見込んでいる。
ステート・ストリートの通貨担当シニアポートフォリオマネジャー、アーロン・ハード氏はインタビューで「G10では円が唯一の資金源だったが、政策サイクルが変わり始めた今、フランはより魅力的な資金源になる」とし、「円を唯一の資金源とする投資から、スイス・フランと円のバスケットへのシフトが確かに見られる」と語った。
キャリートレードの調達通貨にフランを使う動きは、円のストレスを和らげる可能性がある。3月19日の日銀の利上げ以来、円の下落は鈍化しているが、先週は34年ぶりの安値まで下落し多くの人が介入水準とみる1ドル=152円に迫っている。オプショントレーダーも152円か153円が介入の節目になるとみている。
【コラム】最後の貸し手アップデート必要、地銀破綻の教訓-ダドリー - Bloomberg
SVBの大きな失敗で三つの弱点が露呈した。「流動性カバレッジ比率」は、ストレス下での預金引き出しに1カ月耐えられる十分な現金と流動資産の確保を意図していたが、想定をはるかに上回る速さで、預金者は資金を引き揚げた。さらに米連邦準備制度に銀行が十分な担保を差し入れておらず、連銀窓口貸出制度を通じて緊急資金を十分供与できなかった。保険適用対象でない預金者は、全額補償の確信が持てず、逃げ出す理由は十分だった。
しかも金融機関が破綻し、「システミックリスクの特例」を発動するほど状況が十分悪いと規制・監督当局が判断して初めて、そうした救済はあり得る。
では何をすべきか。ソーシャルメディアと24時間銀行の時代には、預金の取り付けペースがはるかに速く、流出額もはるかに大きくなると規制・監督当局は確かに認識しなければならない。だが、さらに多くの優良資産の保有を対応策として銀行に求めれば、逆効果だろう。流動性要件が厳しくなれば、貸し出し用の資金を振り向けざるを得なくなろう
もっと良い解決策が存在する。連邦準備制度は金融機関に対し、株式と長期債務、保険対象預金を除く全ての負債を日常的にカバーできる十分な担保(有価証券や消費者ローン、商業ローン)を事前に差し入れるよう求めることが可能だ。
こうした担保を裏付けに連邦準備制度が進んで資金を供与し、預金流出への対応で必要な現金を銀行が常に調達できるようになるだろう。流動性カバレッジ比率に差し入れた担保の一部を算入すれば、金融機関は安全資産を増やしたり、貸し付けを減らしたりする必要がなくなる。
これには幾つかの利点が考えられる。連邦準備制度の明確なバックストップ(安全装置)があれば、保険適用対象外の預金者は、そもそも逃げ出す理由がほぼなくなる。
ほとんどの銀行にとって従うことは容易と考えられる。 比較的小規模な金融機関は主に保険対象預金で資金を調達しており、差し入れる担保をそれほど多く用意する必要はなかろう。制約の多い他の銀行は増資を行ったり、長期債発行や保険対象預金の受け入れ、優良資産の保有を増やしたりすることで対応可能だろう。
連邦準備制度の「最後の貸し手」機能は大いに改善され、連銀窓口貸し出しのために差し入れる担保を慌ててかき集める必要もなくなる。
では、どのように進めればよいか。どの銀行が要件達成に苦労するか確認するため詳細な調査を行うべきだ。連邦準備制度は場合によって意図せぬ結果を避ける調整が必要かもしれない。顧客のために大量の決済や証券取引を処理する大手クリアリングバンクに何らかの救済を認めることも適切ではないか。
連銀窓口貸出制度の抜本的見直しも必要だ。問題を抱えていると見なされることを恐れ、金融機関はしばしば利用すべき時に利用しようとしない。健全な銀行の利用に限り、真に問題を抱える銀行を新たな緊急貸し付けファシリティーに移行させれば、この汚名を減らせるだろう。
連邦準備制度にはそれだけでなく、担保の迅速な評価と差し替えができるよう「最後の貸し手」機能をアップデートすることや、12地区連銀の窓口貸出制度の運用を「問答無用」のアプローチに標準化することが求められる。
これらの改革はかなり時間と労力を要するだろうが、それだけの価値は十分ある。きちんと実行されれば、銀行パニックのリスクが軽減されると同時に金融機関はより強くなり、規制の緩いノンバンクのライバルと一層うまく張り合うことができるだろう。今こそ前に進むべき時だ。
資産家コーエン氏、週4日勤務時代がやって来る-余暇が増えると予想 - Bloomberg
米政府債務は持続不可能-100万通りのシミュレーションで結論は一つ - Bloomberg
米議会予算局(CBO)は最新の予測で、米連邦政府の債務が対国内総生産(GDP)比で昨年の97%から、2034年には116%へと上昇し、第2次世界大戦時よりも高くなると警告した。実際の見通しはもっと悪そうだ。
税収から国防支出、金利に至るまで、今年発表されたCBOの予測はバラ色の仮定に支えられている。金利に関する市場の現在の見方を織り込むと、債務残高の対GDP比は34年に123%まで上昇する。
そして、トランプ前大統領の減税が主にそのまま継続されると仮定すると、負担はさらに重くなる。
多くの変数が不確実であるため、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は債務見通しの脆弱(ぜいじゃく)性を評価するために100万通りのシミュレーションを行った。その結果、88%のシナリオで債務残高の対GDP比が持続不可能な軌道にあることが分かった。
最終的には、米国の格付け引き下げに端を発した米国債の暴落や、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険プログラム)や社会保障信託基金の枯渇を巡るパニックなど、危機的な事態が発生しなければ行動を起こすことはできないだろう。両党とも今は火遊びをしているに過ぎない。
昨年の夏は、危機がどのように始まるかを小規模ながら予見できた。フィッチ・レーティングスの米国格下げと長期米国債の発行増によって、23年8月の2日間にわたり投資家の関心がリスクに集中した。指標となる10年物国債利回りは1ポイント上昇し、同年10月に5%に達した。
米国については、ドルが国際金融の中心的役割を果たす基軸通貨であるため、同じようなメルトダウンの可能性は低い。究極の安全資産としての米国債に対する投資家の信頼を揺るがすには、相当なことが必要だろう。
しかし、仮に米国債の信認が失墜した場合、米国は安価な資金調達手段を失うだけでなく、世界的なパワーと威信を失うことになり、ドルの転落は重要な転換点となるだろう。
米政府の公的な予算監視機関であるCBOは、どのようにして債務予測を出しているのだろうか。
CBOはGDP成長率が2%前後となり、インフレ率が2%に戻り、金利が現在の水準から低下する、などの変数を想定している。しかし、CBOの予測を支える主要な仮定は楽観的に見える。
BEは、将来の金利の市場価格と債券の満期プロフィルデータを使って予測モデルを構築した。CBOの他の全ての前提をそのままにすると、34年の債務残高がGDPの123%に相当することが示された。
このレベルの負債は、国債費がGDPの5.4%近くに達することを意味し、23年の連邦政府の国防費の1.5倍以上、社会保障予算全体に匹敵する。
長期的な見通しが不安なものであることには、政治的な派閥を超えて各界の指導者らが同意している。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今年、政治家が「持続不可能」な借入金の道筋に対処する時期が来た、あるいは既に過ぎていると警鐘を鳴らした。ルービン元財務長官は1月、米国は財政赤字に関して「ひどい状況」にあると述べた。
金融の分野では、ヘッジファンド運用会社シタデルの創設者ケン・グリフィン氏が1日、米国の政府債務について「見過ごせないほど懸念が高まっている」との考えを投資家の宛て書簡で示した。
その数日前、ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、米国の公的債務状況は「かつて経験したことがないほど切迫している」と述べた。
元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストのケネス・ロゴフ氏は、債務の正確な「上限」は分からないが、債務水準が上がり続けるにつれて問題が出てくるだろうと話す。ロゴフ氏が言いたいのは、予測は不確実だということだ。
この不確実性に一定のパラメーターを与えるため、BEはCBOの基本的見解に対して100万通りものシミュレーションを行った。各シミュレーションは、GDP成長率とインフレ率、財政赤字、金利の組み合わせを変え、過去のデータに見られるパターンに基づいて変化させ、債務残高の対GDP比を予測した。
最悪の5%のシナリオでは、34年の債務残高の対GDP比は139%以上になり、これは危機的状況にあった昨年のイタリアよりも高くなることを意味する。
イエレン氏には債務の持続可能性に関する別の指標がある。同氏はインフレ調整後の利払い費がGDPの2%未満が望ましいとしている。
この基準で計算すると、今後10年間の平均で基準値に抵触するのは30%のシナリオだった。イエレン氏自身も2月8日の公聴会で、「極端な場合」政府が発行しようとする国債を市場が消化しないほどの水準に借入金が達する可能性があることを認めた。今はその兆候はないと付け加えた。
持続可能な道を歩むには、議会の行動が必要だ。しかし過去を振り返ると、期待はできない。昨年夏、政府支出を巡る意見の対立が頂点に達し、米国をデフォルト(債務不履行)寸前まで追い込んだ。大混乱を食い止めるための合意で、債務上限は25年1月1日まで保留され、借り入れに関する新たな衝突は大統領選挙後まで先送りされた。
米国の債務危機を想像するのは難しい。ドルは依然として世界の基軸通貨だ。毎年恒例となっている政府機関閉鎖の瀬戸際作戦という見苦しい光景も今は、米国債市場にほとんど波紋をもたらさない。
それでも世界は変わりつつある。中国をはじめとする新興国市場は、貿易の送り状、国境を越えた資金調達、外貨準備におけるドルの役割を侵食しつつある。
米国債市場に占める海外の購入者の割合は確実に縮小しており、増え続ける連邦債務に対する国内購入者の購買意欲が試されている。最近では連邦準備制度による金利引き下げ期待に支えられ米国債への需要が高まっているが、この力学が常に働くとは限らない。
トランプ氏の関税案、実施なら米金融当局に利上げ圧力かかる公算大 - Bloomberg
快適な老後には150万ドル必要と米国人、理想と現実の格差拡大-調査 - Bloomberg
米ADP民間雇用、3月は18.4万人増 昨年7月以来最大の伸び | ロイター
JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「ADP全米雇用報告は、労働省の雇用統計の内容を予測する上で信頼できる指標とは見なしていない」としながらも、「3月に入っても雇用増が堅調なトレンドと一致している」と述べた
イタリア、財政赤字超過でEUが手続き開始へ 財務相「対処可能」 | ロイター
イタリアのジョルジェッティ経済財務相は3日、欧州連合(EU)欧州委員会が同国などに対し、財政規律違反に関する手続きを開始すると述べた。
伊メローニ政権は今年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比が昨年9月に設定した目標の4.3%とほぼ一致すると予想している。これはEU規則で定められた上限の3%を大幅に上回る。
ただジョルジェッティ氏は、昨年9月に発表した現在の予算計画で長期的にEUの規則を満たせると主張。今後のシナリオも踏まえてEUと交渉していると述べた。
同氏は議会の公聴会で「イタリアのほか数カ国に対し過大な財政赤字に関する手続きを開始するよう欧州委が欧州理事会に勧告するのは明らかだ」とし「イタリア、フランス、その他10カ国だ」と語った。
この手続きによりイタリアは構造的赤字をGDPの最低0.5%削減することが義務付けられる。
イタリアは財務省の経済財政計画(DEF)で4月10日までに最新の経済予測を公表する。
イタリア、今年と来年のGDP目標引き下げへ=地元紙 | ロイター
ドイツ自動車業界、3月の業況改善 23年5月以来の高水準=IFO | ロイター
ドイツのIFO経済研究所が3日発表した3月の同国自動車業界の業況指数はマイナス5.8と、前月のマイナス9.9から大幅に改善し、2023年5月以来の高水準となった。
IFOの業界スペシャリストは「ドイツの自動車産業は23年後半の景気低迷からようやく抜け出し、再び自信をもって将来を見据えているようだ」と述べた。
武装勢力による紅海での船舶攻撃にもかかわらず、サプライチェーンに問題があると報告した企業はごくわずかだった。
3月の米雇用、18万4000人増で予想上回る 民間調査 - 日本経済新聞
プライベートレンダーが銀行撤退した「空白地帯」へ、化石燃料取引拡大 - Bloomberg
プライベートクレジット運用会社が手掛ける化石燃料関連の取引は、数年前に比べ大幅に増加している。気候変動リスクが大き過ぎると懸念する銀行が撤退した「空白地帯」に進出している。
オルタナティブ投資業界を調査する分析会社プレキンのデータによると、石油・ガス業界のプライベートクレジットの取引額は、2023年までの2年間で90億米ドル(約1兆3700億円)を超え、それ以前の2年間の4億5000万米ドルを上回った。金額は、公表された取引またはプレキンに直接開示された限られた取引に基づく。
この数字は、規制や風評への懸念から化石燃料を除外する方針を銀行が打ち出したことを受け、石油やガス、石炭関連の資産の一部が透明性の低い市場に移りつつあることを明確に示す。投資家によると、トレンドは今後数年でさらに強まる見込みだという。
SAFグループのライアン・ダンフィールド最高経営責任者(CEO)は、石炭や石油、さらには天然ガスに関わるローン市場から撤退する銀行も出てくるとみる。同社はカナダのエネルギーセクターでは最大手のオルタナティブレンダーの一社だ。
この変化は、気候関連の規制が他の地域よりも厳しい欧州に拠点を置く銀行で特に顕著だ。BNPパリバやINGグループなどが化石燃料関連の融資への制約を強めている。ダンフィールド氏によれば、ESG(環境・社会・企業統治)方針が見劣りし、多様性にも乏しい中堅企業が、最も強くこのトレンドを実感している。
ダンフィールド氏によると、SAFの自国市場であるカナダで石油・ガス関連のファイナンスに取り組んでいた欧州の複数の銀行が「過去5年間で手を引いた」という。米国の銀行が一部撤退したことも相まって、資金調達に関してギャップが生じているとの見方を示す。
銀行からプライベートクレジットに移行する企業にとり、そのコストはかなりの額になる可能性がある。
シドニー拠点のホワイトヘイブン・コールが最近11億米ドル規模の融資を確保しようとしたところ、計17のプライベートクレジットレンダーが集まったのに対し、銀行は1行のみで、いわゆる担保付翌日物調達金利(SOFR)に対し650ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せの支払いとなった。ブルームバーグ・ニュースが先月報じた
こうした状況は、信用リスクや気候変動など、あらゆるものに大きな影響を及ぼす。
気候変動の観点で言えば、リスクが非常に高い資産について、保有者が銀行と同様の開示義務を課されないことから、従来よりも追跡が難しくなっている。クレジットの観点から見れば、気候関連の規制強化が高炭素資産の評価に今後どう影響するのか不透明だ。
プライベートクレジットの投資家は、炭素排出量の多い顧客から遠ざかる銀行が増えると見込んでいる。
SAFは数年前、カナダのエネルギー企業を対象とする7億5000万カナダ・ドル(約840億円)規模のダイレクトレンディングファンドを立ち上げた。今では約20億カナダ・ドルをこのセクターに振り向けている。通常、2年から5年の満期で、2000万-2億5000万カナダ・ドル規模の融資コミットメントを実施している。
「われわれは参入し、提供する資金を増やしている」とダンフィールド氏はコメント。銀行がグループレンディングから抜けた場合、SAFが「加わり穴を埋める」ことができると述べた。
台湾地震で半導体生産に打撃、供給網に混乱も=アナリスト | ロイター
コンサルティング会社アイザイア・リサーチは、「地震の影響を軽減するには、生産を回復し品質基準を維持するための慎重な対策と時間が必要であり、新たな影響と障害が生じている」と述べた。
バークレイズのアナリストらは、一部の非常に高度な半導体工場は数週間にわたり真空状態で24時間365日連続稼働する必要があるため、操業の一時停止によってプロセスが中断されることで、半導体部門への価格圧力が高まると指摘。この結果、日本や韓国などにおける上流製品の製造のみならず、中国やベトナムなど下流製品に重点を置く国の電子機器製造業に「短期的な障害」を引き起こす可能性があると述べた。
米ISM非製造業総合指数、3月は低下 価格指数は4年ぶり低水準 | ロイター
米供給管理協会(ISM)が3日発表した3月の非製造業総合指数は51.4と、2月の52.6から低下した。低下は2カ月連続。一方、投入価格指数が4年ぶりの低水準となり、インフレ見通しにとって良好な兆しを示した。
ネーションワイド(オハイオ州)のシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「今後数カ月でサービスインフレが引き続き弱まる兆しであり、連邦準備理事会(FRB)にとって歓迎すべき兆候だ」と指摘。「とはいえ、労働環境が好調なことから、利下げ開始は2024年後半まで先延ばしされる可能性がある」と述べた。
需要鈍化を背景に投入価格指数は2月の58.6から53.4に低下し、2020年3月以来の低水準を記録した。
キャピタル・エコノミクスの北米副主席エコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は「これは住宅を除くコアサービス、いわゆるスーパーコアのインフレ率が、パンデミック(世界的大流行)前の正常な水準に向かって再び低下することを示唆している」と述べた。
●エマージング
メキシコペソ、強まる騰勢 ニアショアリングETFも上場 - 日本経済新聞
大規模な利下げ継続の可能性は低く、米国との金利差が急激に縮小する環境にないという安心感に加え、メキシコ経済の成長性に対する期待感もペソ買いにつながっている。
中国人民銀、内需拡大と信頼強化に尽力へ 穏健な金融政策実施 | ロイター
韓国の対ロ制裁は「非友好的」、しかるべく対応=ロシア外務省 | ロイター
ブラジル中銀がルラ政権下で初の為替介入、実需対応かレアル安抑制か | ロイター
台湾でM7.7、99年以来の大地震-TSMCは朝までに生産再開へ - Bloomberg
焦点:イラン、イスラエルへの報復に選択肢 全面戦争は回避へ | ロイター
シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺への攻撃を受け、イランの最高指導者ハメネイ師はイスラエルに対する報復を宣言したが、大規模な衝突を引き起こすことなくいかに報復するかという難問に直面する。
イランにはさまざまな選択肢がある。同国が支援する武装組織に中東駐留米軍あるいはイスラエルを直接攻撃させるか、米国やその同盟国が長年抑制を求めてきた核開発を加速させることが可能だ。
米政府当局者らは、イランの支援を受ける武装組織がイラクとシリアに駐留する米軍を攻撃するかどうかを注視していると述べた。
米軍は2月初め、ヨルダンの米軍施設で米兵士が死亡した攻撃への報復として、イラン革命防衛隊や親イラン武装組織に関連するイラクとシリアの施設を空爆。これを受けて中東駐留米軍への攻撃は2月に停止していた。
米政府当局者らは、1日のイラン大使館周辺への攻撃後、親イラン武装組織が駐留米軍を攻撃しようとしていると示唆する情報はまだ入っていないと述べた。イランメディアは、大使館攻撃でイラン革命防衛隊のモハンマドレザ・ザヘディ司令官などが死亡したと報じた。
米国は2日、イランによる報復をけん制。ウッド国連次席大使は「われわれは自国の人員を守ることをためらわない」と言明し、イランや親イラン組織に対しこの状況を利用して米側への攻撃を再開しないよう改めて警告すると述べた
ある関係筋は、イランが衝突を望んでいないのは明白で、報復すれば衝突を招き得るという「ジレンマに直面している」と指摘。「即応力はあるが状況悪化は目指さない」立場を示すために行動を調整しようとしているとした。
その上で、イランがイスラエル本国かその大使館、あるいは海外のユダヤ人施設を攻撃する可能性があると分析した。
米政府高官は、イスラエル軍による攻撃の重大性を考慮すると、イランは米軍を狙うのではなく、イスラエルの国益を直接攻撃して報復する以外の選択肢はないかもしれないと述べた。
米シンクタンク「外交問題評議会」の中東専門家、エリオット・エイブラムス氏もまた、イランは全面戦争を望んでいないが、イスラエルの国益を標的にする可能性はあるとの見方を示した。
イランはイスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが大規模な戦争を始めることは望んでおらず、ヒズボラが目立った行動を取ることはないとも予想。「他にも報復の方法は数多くある。一つの例を挙げるならイスラエル大使館の爆破を試みることだ」と語った。
イランはまた、核開発を加速させることで対応する可能性もある。トランプ前米大統領が2018年にイラン核合意から離脱して以来、イランは核開発を強化してきた。
しかし、核兵器級の90%のウラン濃縮を行う、あるいは核兵器を実際に設計する作業を再開するという最も劇的な行動を取れば裏目に出て、イスラエルや米国からの攻撃を招く可能性がある。
関係筋はこのような劇的な行動は、核兵器獲得を決定したとイスラエルと米国に見なされるだろうと指摘。「つまり大きなリスクを取ることになる。そのような準備ができているとは思わない」と語った
●市況
NY市場サマリー(3日)利回り低下、円安定・S&Pとナスダック小幅高 | ロイター
<為替> ドル指数が下落した。日本円の一段の下落が抑制されたことで、政府・日銀の市場介入に対する警戒感が和らいでいる。
<債券> 国債利回りが一時数カ月ぶりの水準に上昇した後、下げに転じた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、経済がおおむね予想通りに進展すれば、「今年のある時点」で政策金利を引き下げることが適切となるという見解で自分自身と他のFRB当局者はほぼ一致していると語ったことが材料視された。
<株式> S&P総合500種とナスダック総合が小幅に上昇して取引を終えた。米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合指数が前月から低下したことを受けた。一方、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げ前にさらなる議論とデータが必要との見解を示したことが上値を抑制した。
個別銘柄では化粧品小売りのアルタ・ビューティーが15.3%の大幅安。業界会議で悲観的な見通しを示したことが背景。同業e.l.fビューティー、コティも下落した。
半導体大手インテルも売られ、8.2%安。2023年の半導体製造部門の営業損失が70億ドルと前年の52億ドルから拡大したことを明らかにした
<金先物> 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が改めて年内の利下げ開始に言及したことを好感した買いに、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比33.20ドル(1.45%)高の1オンス=2315.00ドルと、中心限月の清算値ベースとして5営業日連続で史上最高値を更新。初めて2300ドルの大台に乗せた。
<米原油先物> 供給が引き締まるとの懸念を背景に、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比0.28ドル(0.33%)高の1バレル=85.43ドルと、前日に続き、中心限月の清算値ベースで昨年10月下旬以来約5カ月ぶりの高値を付けた。6月物は0.39ドル高の84.61ドル。
欧州市場サマリー(3日) | ロイター
<ロンドン株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。外国為替市場で英ポンドが上昇したのが輸出関連銘柄の売りを促した一方、鉱業やエネルギー、銀行関連株は上昇した。
いずれも売り上げの多くを外国から得ている国際企業の日用品のユニリーバは1.4%、酒造大手ディアジオは1.0%、製薬大手アストラゼネカは0.4%それぞれ下落した。
<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。ユーロ圏でインフレ率が鈍化し、欧州中央銀行(ECB)の6月の利下げ開始観測が強まったことが買いを促した。
<ユーロ圏債券> 国債利回りがやや上昇した。 ユーロ圏のインフレ統計を受けても、欧州中央銀行(ECB)は来週の理事会で金利を据え置き、6月に利下げに着手するとの見方は変わっていない。
【米国市況】S&P500反発、FRB議長発言に安堵感-151円70銭前後 - Bloomberg

備忘録(2024/4/2
●企業
米インテルの半導体製造部門、2023年営業損失が70億ドルに拡大 | ロイター
米半導体大手インテル (INTC.O), opens new tabは2日、2023年の半導体製造部門の営業損失が70億ドルと前年の52億ドルから拡大したと明らかにした。
売上高は189億ドルで、前年の274億9000万ドル(訂正)から31%減少した。発表後に株価は4.3%下落した。
パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は投資家向けプレゼンテーションで、24年の半導体製造部門は最悪の営業赤字を計上する見通しで、27年頃には収支が均衡すると述べた。
米国の4州で半導体工場の建設や拡充に1000億ドルを投じる計画。法人顧客が増えるかどうかが半導体製造部門の再建を左右する。
今後は、半導体製造部門の業績を独立部門として公表する。
インテルは競合の台湾積体電路製造(TSMC)やサムスン電子(005930.KS), opens new tabに追いつくため多額の投資を行っている。
日本製鉄の提案は「空約束」 米鉄鋼労組が批判声明 - 日本経済新聞
テスラ世界販売9%減 1〜3月、約4年ぶりマイナス - 日本経済新聞
●米大統領選挙
●各国中銀
米連邦準備制度よりもタカ派、市場が転換-少ない利下げ幅見込む - Bloomberg
金融市場と米連邦準備制度理事会(FRB)は先週、金融緩和のペースについて見解が一致した。だが、それはつかの間に過ぎなかった。
今年の大半で市場の見通しは当局よりもはるかにハト派的だったが、いまや逆の方向へ転じた。3月19、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に発表された年内の利下げ見通しの中央値が75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)だったのに対し、投資家は現時点でおよそ65bpを想定している。
ナティクシスの金利ストラテジスト、ブノワ・ジェラール氏は「市場が当局よりタカ派的になるのは難しいと思っていたが、幾つかの証拠を前に、そうなるつもりのようだ」と語った。
トレーダーは、米経済の堅調さを示したここ数日の経済データを踏まえ、利下げの必要性が低下した可能性に反応している。まず、2月の所得と支出に関するデータが消費の堅調を示した。そして1日には、米国の製造業活動が全てのエコノミスト予想を上回り、2022年以降で初めて拡大したことが明らかになった。
これを受けて世界の債券利回りとドルは上昇。2日の取引では、5年債から30年債までの利回りが今年最高の水準を付けた。
30年債利回りは4.5%を超え、指標の10年債利回りは2営業日の上げ幅が約20bpに達し2月初め以来の大幅上昇となる勢いだ。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は消費のデータ発表後に「ほぼ予想通り」と述べ、利下げを急ぐ必要はないとあらためて発言した。
FRBの年内3回利下げは「妥当」=SF連銀総裁 | ロイター
FOMC議決権メンバー2人、年内3回の利下げをなお想定 - Bloomberg
今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を持つメンバー2人が、今年3回の利下げをなお想定しているが急ぐ必要はないとの認識を示した。
米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、政策金利を今年3回引き下げるのは依然として妥当な見通しだが、現時点で調整を急ぐ必要はないと述べた。
デーリー総裁は2日、ネバダ州で開かれたイベントで「これは非常に合理的な基本シナリオだと思う」と発言。今のところ「成長は好調なので、金利を調整する緊急性はない」と話した。
3月19ー20日に開かれたFOMCでは、今年のある時点で利下げ開始が適切になるとの見方で参加者が広く一致し、金利予測分布図(ドットプロット)に示される予想中央値では今年3回の利下げが想定されている。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは現在5.25~5.5%。金利先物市場が織り込む6月利下げの確率は、ほぼ五分五分となっている。
クリーブランド連銀のメスター総裁はこの日、別のイベントで講演し、利下げを開始する前にインフレが鈍化しているというさらなる証拠を目にしたいと述べた。
メスタ-総裁は講演後、今年は3回の利下げが適切になる可能性が高いと記者団に話したが、それより少ない回数が必要になるのかどうかは「五分五分だ」とも述べた。
利下げ6月の可能性排除せず、データ次第=クリーブランド連銀総裁 | ロイター
豪中銀、3月会合で利上げ議論せず インフレ鈍化確信になお時間 | ロイター
オーストラリア準備銀行(中央銀行)が3月の理事会で利上げを検討しなかったことが2日公表の議事要旨で分かった。ただ、将来の動きを排除できるほどインフレ鈍化を確信するにはなお時間が必要とみている。
議事要旨によると、中銀は3月18─19日の理事会で、政策金利を4.35%に据え置くことが適切と決定した。議事要旨では利上げを支持する議論への言及はなかった。
経済が減速し、労働市場が緩やかに和らぎ、インフレ率が2─3%の目標に向けて鈍化する中、経済指標はおおむね予想通りで、経済見通しに大きな変化をもたらしていないと指摘。
メンバーは今回の会合でキャッシュレート目標を据え置くことが、インフレ目標への緩やかな回帰と完全雇用への回帰を支援するという理事会の戦略を達成する最善の方法だと合意したという。
理事会は経済にかなりの不確実性があるものの、リスクはおおむね均衡していると指摘。経済における需要は依然として供給を上回っているとみられるが、その差は「比較的急速に」縮まっているとした。
理事会は政策見通しについて「将来のキャッシュレート目標の変更を選択肢に入れることも排除することも困難とするのが適切」との見方で一致した。
理事会メンバーは、インフレ率が合理的な時間軸で目標の2─3%に戻ると十分確信できるようになるにはしばらく時間がかかるとし、利下げを急がない姿勢を示唆した。
中銀はインフレ率が2025年終盤に目標レンジに戻り、26年に中間値(2.5%)まで鈍化すると予想している。
議事要旨によると、当局者は賃金上昇がピークに達した可能性が高いとみているが、急速な鈍化は見込んでいない。
●先進国、グローバル、金融市場
米大統領補佐官が今週サウジ訪問、皇太子と会談へ | ロイター
米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、今週サウジアラビアを訪問し、ムハンマド皇太子と会談する見通し。米国は、サウジとイスラエルの関係正常化へ進展を促している。
イスラエルとサウジの関係正常化に向けた協議は、昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲とそれに続くイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの攻撃を受けて一時中断したが、ここ数カ月再開している。
米当局者は、サリバン氏はこの問題について皇太子と会談する予定だが、大きな突破口には至らないと思われると述べた。
別の米当局者は、サリバン氏は広範囲な議題を協議するとし、「(サリバン氏は)しばらくサウジに行っておらず、多くの議題がある」と述べた。
ブリンケン米国務長官は3月21日、サウジアラビアとイスラエルの関係正常化に向けた協議で米国とサウジは「良い進展」を遂げたと述べた。ただ、具体的な合意時期の見通しには言及しなかった。
サウジは関係正常化の見返りに米と防衛条約を締結し、原子力技術の民生利用に対する米国の支持を獲得したい考え。
アングル:6月の欧州議会選、極右躍進でも一大勢力を見込めない訳 | ロイター
フランスのある閣僚が昨年、イタリアのメローニ首相をフランスの有力な極右政治家マリーヌ・ルペン氏になぞらえる発言をすると、マクロン大統領のところにメローニ氏から抗議の電話がかかってきた。
メローニ氏の怒りがあまりに大きかったため、マクロン氏はわざわざローマに使者を派遣して機嫌を直してもらおうとしたほどだ。当時の状況を良く知る関係者2人が明らかにした。
マクロン氏に対してメローニ氏が言いたかったことは、はっきりしている。つまりそれは「私はマリーヌ・ルペン氏とは違う」というメッセージだ。このエピソードは、欧州を代表するナショナリスト・極右の2人には深い溝があることを物語っている。
各種世論調査によると、6月に行われる欧州連合(EU)欧州議会選挙で、ナショナリストや欧州懐疑派の得票が大きく伸びる可能性がある。有権者は、物価高や移民規制、住宅・医療政策などで成果を残せなかった主流派の政党にお灸を据えようとするだろう。
しかし、ロイターが取材した極右勢力の戦略に詳しい6人の関係者によると、メローニ氏とルペン氏の対立によって、こうした勢力がEUレベルでより大きな力を振るいにくくなるかもしれない。
シンクタンクの欧州外交問題評議会(ECFR)が構築したモデルで1月に予測したところでは、新たな欧州議会において右派系の会派が理論的には、合計で初めて多数派を形成することになる。
ただ、これが極右まで広がりつつ、足並みのそろった強力な一つの会派となる公算は小さい。その理由は、メローニ氏とルペン氏という大立者二人の間に明らかな意見の隔たりがあるからだ、と関係者はロイターに説明した。
<水と油>
メローニ氏は欧州議会の会派「欧州保守改革(ECR)」の事実上の指導者である一方、ルペン氏は別の会派でより公然と反EUを掲げる「アイデンティティーと民主主義(ID)」の勢力拡大を進めている。
ところがメローニ氏は、EU各機関と対決するのではなく協力することで欧州でのイタリアの影響力を最大化する戦略を採用しているので、両会派が統合する可能性は極めて小さい、というのが関係者の見方だ。
ルペン氏はメローニ氏とは正反対で、さずがにフランスのEU離脱案こそ引っ込めているものの、今の「マクロン氏の欧州」が一般市民の利益を損なっていると訴えようとしている。
フランスの国民連合(RN)とはライバル関係にある極右政党、「再征服」に属するニコラス・ベイ氏は「メローニ氏が望んでいるのは欧州議会で右派連合を形成し、局面を転換させられる立場を築くことだ」と述べた。再征服は先月、メローニ氏との連携を決めた。
だが専門家に聞くと、実際には右派が一致結束した単一会派を実現できず、対中国貿易問題からウクライナ戦争、気候変動、移民といったさまざまな問題で極右が発揮する影響力は弱まりそうだという。
欧州議会での影響力がなぜ重要かと言えば、それがEUの執行機関で各種法令の素案を策定する欧州委員会の構成に直接反映されるからだ。
過去10年の選挙を経て、欧州議会では主流会派が力を弱め、より分断され、行動に不確実性が高まっている。
<各地で勢力拡大>
極右自体は欧州全域で勢力を伸ばしつつある。
フランスではルペン氏の支持率がマクロン氏を12ポイント上回っているし、ドイツのための選択肢(AfD)は政党支持率でドイツ第2位に躍進。オランダ自由党は昨年11月の総選挙において予想外の差をつけて勝利したほか、ポルトガルのシェーガは今年3月の総選挙で議席数を4倍に増やした。
AfDとオランダ自由党、シェーガはいずれも欧州議会では、ルペン氏のRNが主導するIDに所属。世論調査によるとIDは、今度の選挙で中道右派の欧州人民党(EPP)、中道左派の欧州社会民主進歩同盟(S&D)に次ぐ第三勢力になるとみられる。
これをわずかな差で追っているのがメローニ氏率いるECRで、ポーランドで最近まで政権を担っていた法と正義(PiS)などが属している。
この相争っているIDとECRが連合すれば、欧州議会でEPPを抜いて最大会派になり得るとともに、欧州委の権力をも手に入れることができる。
しかしメローニ氏はルペン氏を欧州政治の主要舞台には近づけさせないと決めているので、両会派は決して連合しない、と関係者はみている。
メローニ氏が率いるイタリア政権与党、イタリアの同胞のある幹部は、外交や家族政策などの面でルペン氏と欧州議会の保守派は政治的な立場が異なり続けていると指摘した。 
<メローニ氏の戦略>
「イタリアの同胞」が第2次世界大戦後のファシズム運動への関与を全面的に否定しないまま主要政党の仲間入りをしただけに、2022年に首相に就任したメローニ氏は、かつての独裁者ムッソリーニ以来の極右指導者とみなされている。ただ同氏はイタリアの同胞を、米国の共和党や英国の保守党と同一視している。
メローニ氏は政権発足後、企業寄りや自由貿易推進の政策を相次いで打ち出し、ウクライナへの支援や米国との協調も明確にして市場や国際社会を安心させることにも努めてきた。
欧州で移民流入が急増している事態に関しても欧州委を非難せず、再選に意欲を見せるフォンデアライエン委員長の政策を後押し。フランスのある外交官はメローニ氏の戦略について、欧州政治の中核に自身を置くことで次の欧州委において強力な経済的見返りを得ようとしていると分析した。
これに対してルペン氏は経済政策ではより保護主義的で、以前はロシアとの関係も緊密だったためウクライナ支援での態度はあいまいな側面が強い。
ルペン氏は30日、メローニ氏がEPPに属するフォンデアライエン氏の再選を支持することになり、それによって欧州市民が非常に苦しんでいる政治状況が一段と悪化することにつながるだろうと警告した。
ECR共同党首のニコラ・プロカッチーニ氏はイタリア紙に対して、早速このルペン氏の発言に「不適切だ」と反発し、マクロン氏や欧州の左派に対抗する上でEPPと協調するのは妥当だと説明した。
ルペン氏はフランス国内でこそ人気が急速に高まっているとはいえ、EUの政治家、特にドイツの保守勢力の間では依然として害がある人物とみなされているもようだ。
EPPを率いるドイツ出身のマンフレート・ウェーバー氏はメローニ氏に対して、ECRにルペン氏とその政党が入ってくるようなら、EPPとして連携は拒否すると断言した、と2人の外交関係者は明かした。
この2人によると、ウェーバー氏とメローニ氏は密接に連絡を取りながら、次の欧州委と欧州委員長を支援する幅広い「政治同盟」にECRを受け入れる取り組みを進めており、その条件は親EUと親ウクライナだという。
ECFRは1月のリポートで、EPPとECRが手を組めば、移民や気候変動、家族政策などにおけるEUの意思決定が「右傾化」するものの、その程度はIDが連合に加わる場合ほどではないとの見通しを示した。
3月の米LNG輸出、761万トンに減少 フリーポートの生産が停滞 | ロイター
豪住宅価格、3月は前月比0.6%上昇 14カ月連続の伸び | ロイター
コアロジックのリサーチディレクター、ティム・ローレス氏は「パースの住宅価格が前月比1.9%、アデレードとブリスベンがそれぞれ1.4%と1.1%上昇した一方、他の州都での価格変動ははるかに小幅だった」と述べた。
米2月求人件数ほぼ横ばいの875.6万件、自発的な離職増加 | ロイター
イタリア製造業PMI、3月は50.4 昨年3月以来初の50超え | ロイター
英製造業PMI、3月は20カ月ぶりに50上回る 国内需要回復 | ロイター
仏製造業PMI、3月は46.2に上方改定 紅海船舶攻撃の影響緩和 | ロイター
独製造業PMI、3月41.9に上方修正 下期に需要回復期待 | ロイター
ユーロ圏製造業PMI、3月改定46.1に低下 需要減少続く | ロイター
S&Pグローバルがまとめた3月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は46.1で、2月の46.5から低下した。
速報値の45.7からは上方修正されたが、好不況の分かれ目となる50を21カ月連続で割り込んだ。
需要の減少が続いた。企業の楽観度は高まった。
生産指数は2月の46.6から47.1に上昇。速報値の46.8から上方修正された。
ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「やや失望を招く結果となった。製造業は過去8カ月間、生産PMIの階段を徐々に上ってきたが、まだ地下の階段にいる」と指摘。
「次の段階への進展はまだ実現していない。ドイツとフランスの製造業不振が主因だ」と述べた。
新規受注は23カ月連続で減少。産出価格の下落ペースは昨年11月以降で最大だった。
人員削減は続いたが、企業の楽観度を示す将来生産指数は57.1から57.4に上昇し、昨年4月以来の高水準となった。
英小売店頭価格、3月は前年比+1.3% 21年12月以来の低水準 | ロイター
3月の小売店頭価格は前年比1.3%上昇と、2月の2.5%上昇から鈍化し、2021年12月以来の低い伸びとなった。
インフレが急速に鈍化していることが改めて浮き彫りになった
食品価格は3.7%上昇。2月は5.0%上昇していた。非食品価格は0.2%の上昇にとどまった。2月は1.3%上昇だった。
イングランド銀行(英中央銀行)はエネルギー価格の一段の下落などを背景に4─6月の総合インフレ率が2%を下回ると予想している。
BRCのヘレン・ディッキンソン最高責任者は、店頭価格の上昇ペース鈍化について、小売業者間の競争、乳製品価格の下落、人気のチョコレートブランドの安売りが背景だと指摘。
「消費者にとっては良いニュースだが、小売業者は今月以降、大幅なコスト上昇圧力に直面するとみられ、インフレ鈍化の進展が危ぶまれる可能性がある」とし、増税、リサイクル費用の負担、欧州連合(EU)離脱後の新たな国境検査、最低賃金引き上げなどの要因を挙げた。
ユーロ圏消費者、今後1年の予想インフレ率低下 3.1%=ECB | ロイター
ユーロ圏の消費者の今後1年間の予想インフレ率は2月時点で3.1%と、前月の3.3%から低下した。
ECBは「2022年2月にロシアがウクライナに対して不当な戦争を開始して以来、最低の水準にある」と述べた。
3年先のインフレ率の予想は2.5%で変わらずだった。
ユーロ圏の2月のインフレ率は2.6%で、1月の2.8%から鈍化。ECBは今後もインフレ率の鈍化が続き、2025年に目標の2%を達成すると予想している。
消費者は今後1年間の経済成長率が小幅なマイナスになると引き続き予想。1年先の失業率も横ばいと予想している。
独企業の価格見通し指数、3年ぶり低水準 利下げ期待高まる | ロイター
3月の国内企業の価格見通し指数は14.3ポイントと、前月の15.0ポイントから低下し、2021年3月以来の低水準となった。
予測担当責任者のティモ・ボルメルシャウザー氏は「インフレ率は依然として低下傾向にあり、今夏には2%を下回るだろう。ドイツの立場からすれば、欧州中央銀行(ECB)が近く利下げに踏み切らない理由はない」と述べた。
同国の2月のインフレ率は2.7%に鈍化。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機の際は2桁のインフレを記録していた。
プライベートクレジットが初の首位、保険会社が選好する資産クラス - Bloomberg
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)が毎年行っている世界の保険会社を対象とした調査で、選好する資産クラスの首位にプライベートクレジットが初めて選ばれた。
それによると、予想される向こう12カ月のリターンに関する質問で、調査対象の幹部359人のうち53%がプライベートクレジットを上位5位までに選んだ。GSAMによれば、調査対象企業の運用資産は合わせて約13兆ドル(約1970兆円)。保険業界のバランスシート上にある資産全体の半分ほどを占めるという。
調査は今年で13回目だが、プライベートクレジットを含む債券セクターが首位に選ばれたのも初めて。
GSAMの顧客ソリューションズグループでマネジングディレクターを務めるマシュー・アーマス氏は「今回の調査で最も驚いたことの一つは、資産クラスのリターン期待でクレジットないし債券が初めて1位となったことだ」と、調査結果に関するウェビナーで発言。「保険会社はプライベートクレジットへの配分を積極的に続けている」と述べた。
1兆7000億ドル規模のプライベートクレジット市場は活況を呈している。米投資会社ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)らは、なお拡大の余地があるとみている。
円は1ドル=160円まで下落も、米利下げ遅れなら-BofA - Bloomberg
米雇用者数、3月も市場予想を上回る伸びに-アポロのスロック氏 - Bloomberg
ドイツ、3月のCPI速報値は前年比2.3%上昇-市場予想下回る - Bloomberg
ドイツ連邦統計庁が2日発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比2.3%。2月の2.7%から低下し、ブルームバーグが調査したエコノミスト予想中央値の2.4%を下回った。
3月29日に報告されたフランスのインフレ率も低下した一方で、イタリアとスペインではインフレが加速。2%のインフレ目標達成への道筋は平たんではないとの政策当局者の警告が裏付けられている。
ただ、ユーロ圏は全般的にインフレ低下が進みつつあり、ECBが6月の利下げ開始に向けた地ならしをすることを可能にしている。3日に発表される3月のユーロ圏インフレ率は2.5%への低下が見込まれている。
【コラム】ドルは通貨超える地政学的資産、覇権揺るがず-モス - Bloomberg
鉄鉱石先物、10カ月ぶり安値に下落-中国の不動産危機が重し - Bloomberg
シンガポールの住宅価格が3四半期連続で上昇、販売低迷でも - Bloomberg
「金利ある世界」前提に財政試算 1.2%成長でも債務拡大 - 日本経済新聞
アングル:米社債市場、堅調維持か 利下げ見込み資金殺到 | ロイター
米社債市場には連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切る前にリターンを確定しようとする投資家が殺到しており、第2・四半期入りしても堅調を保つ見通しだ。市場関係者の間からは、米国債に対する利回りの上乗せ分であるクレジットスプレッドが30年ぶりの水準に縮小するのではないかとの声も上がっている。
米債券市場はまさに買い一色。FRBは景気後退を招くことなくインフレを抑え込んでソフトランディング(軟着陸)を成し遂げ、今年終盤に成長てこ入れのため利下げに動くと見込んだ投資家が、債券に資金を投じている。
社債は21日に投資適格債とジャンク債の両方で米国債とのクレジットスプレッドがそれぞれ91ベーシスポイント(bp)、305bpと2年ぶりの水準に縮小した。
債券ストラテジストによると、保険会社や年金ファンドなど大口の債券投資家に、高金利の利点をフルに活用しようとする顧客から資金が流入。こうした大口投資家が社債に投資しているが、社債の新規発行量が足りないかもしれない。
調査会社インフォーマ・グローバル・マーケッツのデータによると、第1・四半期の投資適格級企業による社債発行は5380億ドルと過去最高を記録し、今年の発行高見通し1兆3000億ドルの40%に相当した。一方、新発債は平均で3倍ないし4倍の応募超過となっており、引き合いの強さがうかがわれる。
モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ビシュワス・パトカー氏は、現在の市場を1990年代半ばの状況になぞらえた。FRBが95年に4回の利下げを行った後、政策金利を長期間にわたり高水準に維持した時期で、「債券市場は堅調を保ち、金利上昇にもかかわらずスプレッドが56bpと、現代まれに見る狭い水準になった」という。
パトカー氏は、ソフトランディングが達成されればスプレッドは90年代以来の水準である75bpまで低下する可能性があると見ている。同氏は3月に基本シナリオを見直し、年末のスプレッド予想を125bpから95bpに修正した。
社債市場の見通しを変えたのはパトカー氏だけではない。バンク・オブ・アメリカのストラテジストチームも今では、向こう1カ月間でスプレッドが80bp前後まで縮小し、2021年に付けた77bpに近づくと見込んでいる。ただ6カ月後のスプレッドについては100-120bpとの予想を据え置いた。
<適正価格誤認のリスクも>
社債に対する旺盛な需要は、より低いコストで資金を調達できるため企業にとっては朗報だ。しかしスプレッド縮小により、社債はリスクに対する対価が細っていると警鐘を鳴らす投資家もいる。
TDセキュリティーズの債券ストラテジスト、ハンス・ミケルセン氏は15日付のリポートで、BBB格付けの債券とA格付けの債券のクレジットスプレッドは過去最低に近く、社債利回りは米経済がハードランディングする可能性などのマクロリスクに見合う水準ではないと指摘した。ミケルセン氏は6カ月後のスプレッドを130bpと予想している。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのマルチセクター・クレジット・ストラテジスト、ジョン・ロイド氏は「投資家から見れば、このスプレッド水準で十分な価値が残っているとは言い難い。だからわれわれは社債をアンダーウエートにしている」と言う。
グローバル投資運用大手コニングのコーポレート・アンド・ミュニシパル・チーム共同責任者、マイク・グリフィン氏は、さまざまな資産クラスに分散投資することで下振れリスクを最小限に抑えていると明かした。市場の流れが変わったときに売却できない債券に「捕まらない」ように、主に高格付けの社債に投資しているという。
<強い引き合い>
リスクはあるものの、米金融機関ストラテジストは社債市場には当面追い風が吹き続けると見込んでいる。
金利上昇で年金保険契約の販売増加に拍車が掛かり、保険会社は負債の増加に合わせて社債の購入を進めている。
保険業界団体LIMRAによると、2023年の米国の年金保険販売総額は過去最高の3854億ドルとなり、前年比で23%増えた。
コニングのグリフィン氏は「保険会社や年金基金は負債にマッチさせるため、債券のような高クーポンの資産に目を向けており、特に年金基金は株式からの資金移動を検討している可能性がある」と述べた。
既発社債のクーポンの再投資も、社債需要を押し上げる要因になっている。
ゴールドマン・サックスは投資適格債とジャンク債の2024年のクーポン支払総額が4630億ドルに上ると予測している。これらの支払いがすべて再投資された場合、今年予想される純発行額6000億ドルの77%を吸収するという。
JPモルガンのストラテジストチームは2日のリポートで「テクニカルな要因が引き続き相場の動きを主導している。投資適格債に対する需要が依然として圧倒的に強く、一方で供給は記録的なペースから緩み始めているためだ」と指摘。投資適格債の年末のスプレッド予想を30bp引き下げて95bpとした。
米自動車販売、第1四半期はGMがトヨタを上回る | ロイター
米製造業新規受注、2月は前月比1.4%増 予想以上の伸び | ロイター
●エマージング
中国不動産の碧桂園、3月販売額83%減 信用不安で不振 - 日本経済新聞
習主席の曖昧な国債発言、QE観測招く-人民銀はFRBに近づくか - Bloomberg
中国銀行、純金利マージンの圧迫予想 建設銀も預金コスト管理へ | ロイター
中国銀行の張毅・副行長は2日の決算会見で、今年も純金利マージンが相当な圧力に見舞われるとの見通しを示した。
同国では不動産部門の危機が続く中、大手5行の純金利マージンが縮小している。
張毅・副行長は、今年の基準貸出金利引き下げや、昨年行われた既存の住宅ローンの金利引き下げが、資産サイドから収益率に影響を及ぼしていると指摘。「今年はコストの高い預金を減らすよう努力する」と述べた。
中国建設銀行の生柳荣・最高財務責任者(CFO)も、利益率への圧力を緩和するため、預金金利に起因するコストをさらに管理すると発言。今年は基準貸出金利をさらに引き下げる余地があるとも述べた。
イラン外相が米の責任追及、在シリア大使館へのイスラエル攻撃で | ロイター
イランのアブドラヒアン外相は2日、米国の利益代表部を務めるスイス大使館の担当官を呼び出し、シリアのイラン大使館に対する攻撃に関して米政府の責任を追及した。
外相はXへの投稿でイスラエルを支持する米政府に「重要なメッセージ」を送ったとし、米国に回答を求めた。
米ニュースサイトのアクシオスによると、米国はイランに対し、イスラエル軍が行ったとみられる攻撃には全く関与しておらず、事前に知っていたわけでもないと伝えたという。
シリアのイラン大使館攻撃、大統領がイスラエルへの報復表明 | ロイター
イランのライシ大統領は2日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺が空爆され軍司令官など7人が死亡したことを受け、イスラエルに対して報復すると表明した。
国営メディアによると同氏は「抵抗戦線の意志を打ち砕くことに失敗したシオニスト政権(イスラエル)は、自国を救うために再び無差別的な暗殺を実行した」と非難した。
その上で「イスラエルは目標を達成できず、この卑劣な犯罪が報復を受けることを知らなければならない」と強調した。
イスラエルのガラント国防相は、イスラエルを脅かす者に代償を払わせるため、中東全域で「多面的な戦争」を展開していると表明。ただ今回の攻撃については言及しなかった。
イランのアブドラヒアン外相は2日、米国の利益代表部を務めるスイス大使館の担当官を呼び出し、シリアのイラン大使館に対する攻撃に関して米政府の責任を追及。米国のブリンケン国務長官は訪問先のパリで、米政府はこの攻撃について事実を確認しようとしていると述べた
グテレス国連事務総長はこの攻撃を非難。報道官によると、全ての関係者に対し「最大限の自制を行い、広範な紛争につながる可能性のある一段のエスカレーションを避けるよう」呼びかけた
焦点:トルコ与党、地方選で惨敗 インフレとイスラム教徒離反が響く | ロイター
CHPの勝利でイマモール氏は次期大統領選におけるエルドアン氏の有力対抗馬として地歩を固めた。31日の勝利演説では「1人が国を牛耳る時代は今日をもって終わった」と気炎を上げ、数千人の支持者を沸かせた。
専門家らの選挙結果分析によると、約70%にも達する高インフレに伴う生活苦と、国民の間に亀裂を生じさせるエルドアン流の政治手法に対して有権者の間にうんざりしたムードが広がっていることが今回の選挙結果につながった。エルドアン大統領がもくろんできた任期満了となる2028年以降の続投を可能にする新憲法制定は望み薄となったという。
国政でAKPは多数派だが、新憲法制定には有権者の支持を取り戻すか、国民投票で十分な票を獲得する必要がある。
また、今回の選挙には、パレスチナ自治区ガザでの紛争への対応の在り方が影響したとみる専門家もいる。議席を伸ばしたイスラム主義の野党、新福祉党はエルドアン大統領よりも対イスラエル強硬論を主張したことが奏功。敬虔なイスラム教徒の票をAKPから引きはがし自陣営に手繰り寄せる一因になったという。
アルゼンチンとコロンビア、ミレイ大統領発言で悪化した関係修復へ | ロイター
ベネズエラ石油輸出が4年ぶり高水準、米制裁緩和期限前に駆け込み購入か | ロイター
インドの熱波、4─6月は例年上回る公算 小麦生産や選挙に影響も | ロイター
サウジアラビア、イスラエルによるシリアのイラン領事館襲撃を非難|ARAB NEWS
米、ガザ支援団体職員死亡に「激しい憤り」 イスラエル空爆を非難 | ロイター
米「関与せず」、シリアのイラン公館攻撃 イスラエルから事前通告なし | ロイター
チリ中銀が0.75%利下げ 物価は安定基調、景気を下支え - 日本経済新聞
南米チリの中央銀行が2日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.75%引き下げて6.5%にすると決めた。インフレは減速しており、引き続き景気の下支えが必要と判断した。下げ幅は前回1月会合(1%)から縮小した。
委員が全員一致で決めた。2023年8月から、6会合連続の利下げとなる。
2月の物価上昇率は前年同月比で4.5%だった。1月の3.8%からは拡大した。中銀目標(3%)は依然として上回ってものの、今回のインフレ局面では22年8月の14.1%をピークに下落傾向が続いている。
チリ中銀はこの日の声明で「雇用環境は緩やかな改善を続けているものの、失業率は過去の平均を上回る。景気の見通しは悲観的な見方に変わりはない」とした。今後の政策金利の見通しについても「今後さらなる引き下げを予想している」と言及した。
中銀は21年7月に利上げを始めて、22年10月まで11会合連続で金利を引き上げた。累計の上げ幅は10.75%で、政策金利は11.25%まで上がった。
イランがイスラエルに報復を宣言、シリアでの大使館攻撃受け - Bloomberg
●市況
欧州市場サマリー(2日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。高金利の長期化への懸念から、世界の市場でリスク回避の売りが優勢となった。一方、コモディティー(商品)関連銘柄が買われたため下げ幅は抑えられた。
金融大手HSBCホールディングスが0.4%上昇。カナダ事業を同国大手銀行ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RY.TO), opens new tabに売却したのに伴い、24年第1・四半期に49億ドルの売却益を計上する見通しとなったことが材料視された。
一方、衣料小売りのスーパードライは55.1%と急落。筆頭株主のジュリアン・ダンカートン最高経営責任者(CEO)が買収提案をしないと表明したことが売り材料となった。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。ヘルスケア株などの下落が相場を押し下げた。
個別銘柄ではスウェーデンの鉄鋼メーカーSSABが6.1%と大幅に下落。化石燃料を使わない小規模製鉄所建設に従来予想を上回る45億ユーロ(48億ドル)を投資する計画が嫌気された。
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが上昇した。2日に発表されたドイツのインフレ統計で欧州のディスインフレ進行が裏付けられたものの、前日の米債利回りの急上昇に追随する格好となった。
NY市場サマリー(2日)利回り上昇、ドル一時5カ月ぶり高値・株下落 | ロイター
<為替> ドルが下落した。ただ、2月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が高水準で堅調に推移したことを受け、一時は約5カ月ぶりの高値を付ける場面があった。
<債券> 米債利回りが数カ月ぶりの高水準を付けた。最近の堅調な経済指標を受けて、連邦準備理事会(FRB)が利下げ開始時期を7月以降に先延ばしする可能性があるとの見方が強まった。
CMEのフェドウオッチによると、経済指標を受け、米金利先物市場が織り込む6月利下げの確率は63.5%と1週間前の約70%から低下した。
<株式> 下落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期が後ずれする可能性があるとの見方が市場で出ていることが背景。電気自動車(EV)大手テスラが売られたことも重しになった。
ユナイテッド・ヘルス、CVSヘルス、ヒューマナも軒並み売られ、ヘルスケア株の下げも目立った。米政府がメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険制度)の民間運営保険プラン「メディケア・アドバンテージ」について、払い戻し比率を据え置いたことを受けた。
「カルバン・クライン」などのブランドを展開するアパレルメーカーのPVHコープ22.2%の大幅安。四半期売上高が約11%減少するとの見通しが嫌気された。
<金先物> 中東情勢の緊迫化を背景に買われ、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比24.70ドル(1.09%)高の1オンス=2281.80ドルとなり、中心限月の清算値ベースとしては4営業日連続で史上最高値を更新した。
<米原油先物> ロシアからの供給不安や中東地域の紛争拡大懸念を手掛かりとした買いが入り、3営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.44ドル(1.72%)高の1バレル=85.15ドル。昨年10月下旬以来、約5カ月ぶりの高値を更新した。6月物は1.40ドル高の84.22ドル。


備忘録(2024/4/1)
●企業
楽天グループ、ドル建て高利回り社債再び発行へ-12.5億ドルと関係者 - Bloomberg
楽天グループは、ドル建て高利回り社債の起債に再び動き、5年債12億5000万ドル(約1895億円)相当を発行する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。今年1月に募集開始を発表した18億ドル相当の社債(表面利率11.25%)は、その後価格が堅調に推移している。
非公開情報を理由に関係者1人が匿名を条件に語ったところでは、新たに調達する資金は、年内およびその後に償還期限を迎える社債の買い戻しに充てる。
日本製鉄、レイオフなきUSスチール買収へ-労組に文書で正式約束 - Bloomberg
141億ドル(約2兆1400億円)で米製鉄大手USスチールの買収を計画している日本製鉄は、支出や雇用に関する正式なコミットメントを全米鉄鋼労働組合(USW)に提出した。買収への支持構築を目指し、以前の会合で約束した内容を文書化した。
日本製鉄は「二者間合意」案を先週提示したことが、事情に詳しい関係者2人および、ボブ・ケーシー、ジョン・フェターマン両上院議員宛ての書簡で明らかになった。両氏はいずれもペンシルベニア州選出の民主党議員で、これまでに買収への反対を表明している。
今回文書化された日本製鉄経営幹部とUSWとの約束はまだ、労組組合員の同意を取り付けるには至っていない。議員宛ての書簡によれば、これには14億ドルの追加設備投資に加え、今回の買収に起因するレイオフも、既存の労使協約期間におけるレイオフも実行しないことが含まれる。現在の労使協約は2026年に期限切れとなる。
フェデックスが下落 米郵便公社との契約が9月で一旦打ち切り=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
貨物輸送のフェデックス<FDX>が下落。米郵便公社(USPS)との契約を9月で更新しないと発表したことが嫌気されている。これについてアナリストは、強気派は収益性の低い契約終了を歓喜するかもしれないが、潜在的な利益減少が足を引っ張ることを注視しており、ライバルのUPS<UPS>の参入は興味深い議論を引き起こす可能性があると述べている。最悪のシナリオは、USPSとの契約が今後完全に終了し、100%数量が失われることだとしている。USPSは重要な顧客であり、大きな数量損失となるという。
また、同社はUSPSとの契約終了で、約17-19億ドルの売上を失うことになり、利益率への影響を最小化のために、失われる取扱量に見合った資産の再構築を行う
欧州検察局、欧州委員長とファイザーCEOのワクチン交渉に関係する犯罪疑惑を捜査=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
欧州委員会のフォンデアライエン委員長と、ファイザー<PFE>のブーラCEOとのワクチン交渉に関係する犯罪疑惑を欧州検察局(EPPO)が捜査していると伝わった。米政治専門サイト、ポリティコが伝えた。
公務妨害や汚職、利益相反を巡りフォンデアライエン氏を調べていたベルギー検察から最近数カ月のうちにEPPOが捜査を引き継いだという。
現段階では誰もこの件で刑事責任を問われておらず、EPPOとファイザーはコメントを控えた。欧州委当局者はポリティコの取材に対し、報道記事から得た情報以外には、法的手続きの可能性について同委は承知していないと返答した。
AT&Tが下落 計7300万人分の個人情報がダークウェブ上に漏洩=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
AT&T<T>が下落。現在の顧客と元顧客の個人情報、計7300万人分がダークウェブ上に漏洩したと発表した。現在のアカウント保有者約760万人と元顧客6540万人の個人情報。
約2週間前に流出したデータは2019年かそれ以前のものとみられ、社会保障番号などの個人情報が含まれている。流出元はなお調査中だという。
同社は、自社システムへの不正アクセスの証拠はまだなく、30日時点では今回の流出による業務への重大な影響はないとしている。同社はデータ流出後、数百万人の顧客アカウントのパスワードをリセットした。同社は「影響を受けた顧客と積極的に連絡を取っており、該当する場合には当社の費用負担でクレジットモニタリングを提供していく」という。
テスラ、四半期の納車台数に注目集まる-EV需要減退で暗い節目にも - Bloomberg
●米大統領選挙
バイデン氏に冷ややかなZ世代、経済と債務への不満で支持率低下 - Bloomberg
学生ローンという重荷を背負い、住宅市場からは締め出され、生活費の上昇に苦しむ世代は、バイデン米大統領に耳を傾けてほしいと願っている。
2020年の大統領選ではバイデン氏が若年層から支持を得たが、現在はトランプ前大統領がその優位性を揺るがしている。18歳から29歳の有権者の間で不満が募っていることは、2期目を目指すバイデン氏にとって憂慮すべき兆候だ。
ギャラップがまとめた最近のデータでは、この年齢層は経済を最大の懸念事項に挙げる傾向が高く、その率は高齢者の2倍を超えている。すべての有権者が2020年の大統領選の時よりも経済を憂慮しているが、悲観論は30歳未満で最も急増している
その懸念は世論調査にも反映されている。ブルームバーグ・ニュース/モーニング・コンサルタントの3月調査によると、激戦州の18歳から34歳の有権者の間では、トランプ氏が支持率47%で、40%のバイデン大統領をリードしている。前回選挙ではバイデン氏が30歳未満の有権者から61%の支持を獲得していた。
11月の選挙は数カ月先であり、有権者の態度が変化する可能性はあるが、バイデン氏が勝利するためにはZ世代とミレニアル世代からの支持が必要であることは間違いない。
有権者が経済に不満を抱くと、現職の大統領が批判される。昨年の経済成長が堅調で、雇用市場は力強く、インフレ率が低下しているにもかかわらず、多くの人がそのように感じていないと、相次ぐ世論調査が示しており、バイデン氏に課題を突きつけている。
学生ローン返済免除の動きが鈍いことに加え、数十年来の高金利や高い家賃など、米国の若年層には逆風が相次いで吹いている。
中・高齢の米国人は低金利の住宅ローンを組んで持ち家に住んでいる確率が高く、長年の住宅価格上昇と株高の恩恵を受けているため、景気への悲観は強くない。
バイデン大統領が政策の柱とした学生ローン返済免除措置は昨年、最高裁が政府の権限を逸脱していると判断した。
バイデン陣営の広報担当、セス・シュスター氏は電子メールで「大統領は学生ローンの返済免除や医療費の引き下げなど、米国の若者のコストを下げるために闘っている。一方、ドナルド・トランプ氏は学生ローンの返済免除を否定する最高裁判事を指名し、若者の権利を前の世代よりも減らした」と主張した。
トランプ陣営の広報担当、カロリン・リービット氏は声明で「トランプ大統領はすべての若者がアメリカン・ドリームを実現できるよう、安全で豊かで自由な国家を作るだろう 」と述べた
トランプ・メディア急落、上場後の上昇分失う-昨年5800万ドル赤字 - Bloomberg
トランプ氏、米財務長官候補にポールソン氏など検討 ダイモンCEOの名前も - 株探(かぶたん)|米国株
●各国中銀
6月の米利下げ確率、一時50%割れ-ISM製造業が予想以上の強さ - Bloomberg
債券トレーダーは今年の米利下げ予想を後退させ、金利スワップ市場では6月の利下げ開始確率が一時50%を下回った。米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業総合景況指数が、2022年9月以来の活動拡大を示したことが影響した。
金利スワップ市場では、年内の米利下げ幅の織り込みが65ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満となった。これは米金融当局自身の見通しよりも少ない。ISM製造業指数はブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを上回る強い数字だった。米国債相場も下落し、利回りは全ての年限で少なくとも10bp上昇した。
アメリベット・セキュリティーズの米金利トレーディング・戦略責任者、グレゴリー・ファラネロ氏はISM製造業指数について、堅調な景気を背景に米当局は「忍耐強く」いられるという「先週広がったシナリオを補強した」と指摘。債券市場にとって、それは政策金利が「より高水準に、より長期に」維持されることを意味すると述べた。
米国の高格付け社債市場では1-3月(第1四半期)に、第1四半期として過去最大規模の起債が行われたが、4月1日にもまた複数の起債が予定されている。これも米国債への圧力になっている
●先進国、グローバル、金融市場
焦点:ドイツ、反移民ムード受け外国人熟練労働者の離職が増加 | ロイター
ドイツは熟練労働者の不足に苦しんでいるが、外国人嫌悪が原因で外国人スタッフが離れていく例が相次いでいる。ロイターが取材した中堅企業5社が、こうした傾向を証言した。
ドイツとオランダでは、多くの大企業も反移民感情による採用の難しさに懸念を表明しており、実際に従業員に辞められたという企業もある。
内務省によると、ドイツ全土で起こった外国人嫌悪による憎悪犯罪(ヘイトクライム)の件数は、2013年から22年にかけて3倍以上の1万件超に増加した。
一方、ドイツの公式推計によれば、35年までにドイツ全体で700万人の熟練労働者が不足する見通しだ。ドイツの総労働人口は4600万人程度。
共産主義崩壊後、工場閉鎖や解雇によって若者が流出し、出生率が低下したドイツ東部の環境はより厳しい。
チェコとの国境に近いザクセン州のケムニッツ市は、熟練労働者の誘致に努めている。エンゲルマン氏の会社は外国人従業員の定住を促進するため、仮住まいのほか、語学教習や運転教習の手配を手伝っている。
しかしケムニッツは2018年に反移民デモが暴動に発展して以来、反移民感情の中心地と化した。
東西ドイツ統一以来、市の人口は20%ほど減って25万人強となっている。市場社会研究所のデータによると、住民に占める外国人の比率は2000年の2%強から14%近くまで急増した。
月曜日の夕方6時ごろには、市議会議員の4分の1を占める極右政党のひとつが推進する「月曜デモ」が定期的に行われ、約250人が街を行進する。最近のイベントでは、デモ隊が民族主義的な歌を歌い、太鼓を叩き、ザクセン州やドイツ、ロシアの旗を振る光景まで見られた。
反移民ムードをあおっているのは、「ドイツのための選択肢(AfD)」をはじめとする政党だ。
AfDの主張は、2015年に大量に訪れた移民を帰らせ、欧州連合(EU)域外に亡命センターを設立し、ドイツの国境に厳格な管理を導入し、地元に完全に溶け込めない移民に制裁を加え、経済移民には帰国を促すインセンティブを設けることなどだ。
AfDは、その政策が経済に悪影響を与えることはないと主張。ロイターへの声明で「政府と国有企業は明らかに、国内問題から目をそらすためにAfDをスケープゴートにしている」とし、脱原発と再生可能エネルギー推進によりエネルギー価格の高騰に拍車がかかっている点に触れた。
1月の報道によると、ポツダムで開かれた資金集め会議では、「逆移民」と呼ばれる外国人強制送還の「基本計画」が話し合われ、AfD幹部4人も出席した。
会議で発言したというオーストリア人の活動団体幹部、マルティン・セルナー氏はロイターに対し、自身の団体は欧州人としてのアイデンティティーを守ることを望み、欧州大陸外からの移民に反対していると説明。「ドイツの逆移民政策は、ドイツが日々ドイツ的になっていくための道筋をつけるものであり、その逆ではない」と語った。
こうした風潮は他の都市でも見られる。また、欧州以外から来た人々だけを標的にしているわけではない。
ドイツ東部ドレスデンに本社を置くソーラーワット社のデトレフ・ノイハウス最高経営責任者(CEO)は、「外国人従業員2人が、ここが快適で安全でなくなったと言ってドイツを去った」と明かし、「国のムードが変わったことの直接的な結果だ」と語った。
ケムニッツに本拠を置く企業で最高執行責任者(COO)を務めるイタリア人のラビニオ・チェルケッティ氏は2021年、より国際的な雰囲気のある北西部のライプツィヒに引っ越した。ケムニッツで用心して暮らさなければならないのは、「自分が外国人であることにも関係していると感じることがあった」という。
エッセンを拠点とし、外国人IT労働者に特化した人材紹介会社フー・ムーブズを経営するデニズ・アテス氏(30)は、昨年末にインドで開催したイベントで初めて、人々がドイツの政治的ムードに不安を抱いていることに気づいたと話いた。ドイツはもはや自分にとっての選択肢ではないと言う人もいたという。
「応募の際に求職者が最も重視するのは、自分が安全と感じられるか、歓迎されるかどうかだ」
米基調的インフレ圧力、2月は低下=NY連銀 | ロイター
同連銀が個人消費支出(PCE)価格指数から得られる要素やトレンドをよりよく読み取るよう設計した内部モデルである「多変量コアトレンド(MCT)インフレ」は2月に2.9%と、1月の3%から鈍化。ピークは2022年6月の5.43%だった。
米経済、中期的に厳しい状況に=シタデル創業者 | ロイター
米著名ヘッジファンド、シタデルの創業者ケン・グリフィン氏は、中期的な米経済状況は引き続き厳しいという見通しを示した。同時に、インフレ緩和に伴い、米債券市場にとってはより好ましい環境になると見込んだ。投資家に宛てた書簡をロイターが確認した。
グリフィン氏は「米連邦準備理事会(FRB)がインフレ圧力との戦いを続ける中、今後数四半期の経済成長は緩やかとなり、潜在成長率を下回る公算が大きい」と述べた。消費者にとっては実質所得が引き続き増加するとも予想した。
米財政状況については、「失業率が3.75%付近で推移する中、(GDP比)6.4%の財政赤字は政府として無責任」とし、懸念を改めて表明した。
CLO市場の休止状態、長期化の恐れ-アルティス格下げが引き金か - Bloomberg
フランスの通信会社アルティス・フランスは、ヘアカット(債務減免)の受け入れが今後必要になると債権者に伝えると決めたが、影響が出るのはこれからだ。
S&Pグローバル・レーティングは28日、アルティスの格付けを「B-」から「CCC+」に引き下げたと発表した。
アルティスのような企業のローン債権を束ねて証券化するローン担保証券 (CLO)マネジャーの一部にとって、それはリスクの高いローンの保有上限を突破する危険を意味している。
BofAセキュリティーズのストラテジスト、プラティク・グプタ氏は「アルティスのローン価値が下落しており、CLOマネジャーは価格が高めの他のCCC格付けローンを処分する必要があるだろう」と分析した。同氏によれば、マネジャーらが対応しないと仮定した場合、米国のCLOの約13%が基準を突破した可能性がある。
大部分のCLOマネジャーが保有する同じようなローンが格下げされる場合は特にそうだが、上限の範囲内に戻すには、大幅なディスカウントでの売却を選択せざるを得ないかもしれない。この問題が広がり、CLO市場の休止状態が長期化する引き金になれば、最近数年の金利急上昇を経てリスクの高い企業の借り換えが一層難しくなり、実体経済にも打撃が及ぶだろう。
米連邦準備制度が利下げを開始する前にリターンを得ようと投資家が動く中で、クレジット需要も急増し、年初のCLOの発行は記録的ペースとなった。
しかし、アポロ・グローバル・マネジメントは債務返済には収入が少ない企業の存在を挙げ、オークツリー・キャピタル・マネジメントのブルース・カーシュ最高投資責任者(CIO)は、BないしCCC格付け発行体のうちキャッシュフローがマイナスの割合が増えていると先週のリポートで指摘した。
CCC格付けへの引き下げは、デフォルト(債務不履行)リスクが高いと分類されることを意味する。個々のローンの格下げがCLOの投資家へのリターン支払い能力を損なうことは通常ないだろうが、アルティス・フランスの債務の大きさ(約240億ユーロ=約3兆9000億円)は、市場への波及効果を暗示する。
アルティス・フランス、S&Pも格下げ-ローン担保証券に影響か(3月29日)
アルティス・フランス、投機的格付けさらに下げ-CLO危険ゾーンに(3月28日)
米ISM製造業総合指数、2022年9月以来の拡大圏-予想上回る - Bloomberg
●エマージング
韓国3月製造業PMI、3カ月ぶりに50割れ 金利高止まりで内需低迷 | ロイター
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのエコノミスト、ウサマ・バッティ氏は「3月のPMIデータは国内製造業の状況が再び悪化したことを示している」と指摘。「ただ明るい兆しは輸出需要が3カ月連続で増え、伸び率も高かったことだ」と述べた。
東南アジアや北米、日本で輸出受注が増加した。
一方、金利高止まりを受け内需は軟調で、景気回復ペースに対する懸念が高まっている。
シリアでイラン革命防衛隊幹部ら7人死亡、イスラエルが攻撃か | ロイター
イスラエル、在シリアのイラン大使館を空爆-司令官ら多数が死亡 - Bloomberg
トルコ・リラ、急反発-大統領が経済チームに時間与えると示唆 - Bloomberg
トルコ・リラは1日、対ドルで急反発。下げ局面から一転して上昇した。エルドアン大統領が経済チームに対し、結果を出すためにより多くの時間を与えることを示唆した。政権与党は前日の統一地方選挙で衝撃的な敗北を喫し、首都アンカラや最大都市イスタンブールを含む多くの都市で市政の主導権を野党が握った。
テリマーのストラテジスト、ハスナイン・マリク氏(ドバイ在勤)は「エルドアン氏の地方選敗北は、(今のところ)マクロ政策を軌道から外れさせるものではない」とリポートで指摘。
経済的苦境、特にインフレが今回の結果に大きく影響しているのであれば、「インフレへの取り組みは今や、経済的優先課題であると同時に政治的優先課題でもあり、短期的にはオーソドックスな政策への軌道修正を支えることになる」との見方を示した。
投資家はインフレ抑制を目的としたよりオーソドックスな金融政策への転換を歓迎しているが、その一方で、金利が上昇しほとんどの国民にとって借り入れがほぼ不可能になることが経済成長見通しに打撃を与えている。
シムシェキ財務相は1日、同氏のチームは現行の経済プログラムを「断固として」続けると表明。X(旧ツイッター)で「インフレを永続的に1桁台に抑えるため、金融政策を引き締め、選別的な信用政策を講じる上に、公共支出を抑制する」などと述べた。
●市況
欧州市場はイースター・マンデーで休場
NY市場サマリー(1日)利回り・ドル上昇、ダウ・S&P下落 | ロイター
<為替> 経済指標で米製造業部門の拡大が示されたことを受け、ドルが上昇した。円は政府・日銀の市場介入に対する警戒が続く中、1ドル=151円台半ばで推移した。
<債券> 国債利回りが上昇し、2年債および10年債利回りは一時約2週間ぶりの水準に上昇した。好調な米製造業統計を受け、年内3回の米利下げ見通しに懐疑的な見方が広がった。
<株式> ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabとS&P総合500種(.SPX), opens new tabが下落して取引を終えた。市場予想を上回る米製造業統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期を巡る懸念が重しとなった。
S&P主要セクターは大方が下落。不動産(.SPLRCR), opens new tab、ヘルスケア(.SPXHC), opens new tab、公益事業(.SPLRCU), opens new tabの下げが目立った。原油価格の上昇に伴い、エネルギーセクター(.SPNY), opens new tabは上昇した。
個別銘柄では通信大手AT&T(T.N), opens new tabが0.6%下落。顧客情報が2週間前にダークウェブ(闇サイト)へ流出したため調査中だと発表した
<金先物> 米連邦準備理事会(FRB)が年央にも利下げを開始するとの観測を背景に、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前営業日比18.70ドル(0.84%)高の1オンス=2257.10ドルと、前営業日に続いて清算値ベースでの史上最高値を更新した。
<米原油先物> 米国と中国の経済指標の改善を背景に需要拡大期待が広がる中、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前営業日(28日)比0.54ドル(0.65%)高の1バレル=83.71ドル。6月物は0.40ドル高の82.82ドルだった。
【米国市況】利下げ観測後退で国債利回り上昇、株下落-一時151円77銭 - Bloomberg
国営のメキシコ石油公社(ペメックス)は今後数カ月、原油輸出の一部を停止する計画だ。一方、米国ではオクラホマ州クッシングの主要貯蔵拠点での供給が逼迫(ひっぱく)している。
イスラエルが在シリアのイラン大使館を空爆し、軍司令官を含む多数の死者が出たと、イランとシリアの国営メディアが報じた。空爆で紛争がエスカレートし、原油のリスクプレミアムが高まる可能性があると、トレーダーの間ではみられている