備忘録(6/30)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
2030年までに欧州のルノーブランドの乗用車販売の9割を電気自動車(EV)にすると発表した。これまではEVとハイブリッド車を合わせて9割としていた。連合を組む日産自動車などと電池を共通化するなどしてコストを下げ、拡販を狙う。
6月の鉄道取り扱い収入(28日までの速報値)は、2019年同月比53.1%減の70億円だった。5月確報値は60.4%減の69億円。福岡県で5月12日発令された新型コロナウイルスの緊急事態宣言が6月20日までで解除され、まん延防止等重点措置に移行し、若干回復した。
「ビジョン・ファンド」を通じた投資を加速している。2号ファンドの6月18日時点の投資社数は129社と、約1カ月前から34社増えた。平均で1日に約1社の新規投資を決めたことになる。新型コロナウイルス感染拡大で一時は投資を縮小していたが、業績回復を受けて再び攻めに転じている。1社あたりの金額が小さいなど1号ファンドからの戦略転換もみられる。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、夏休みと重なる22~25日の4連休などで観光や帰省の需要が高まるとみている。
●その他産業
米アマゾン・ドット・コムが米連邦取引委員会(FTC)に対し、同社批判の急先鋒(せんぽう)として知られるリナ・カーン委員長を同社に関連する反トラスト法(独占禁止法)調査などから除外するよう求める嘆願書を提出したことが30日、明らかになった。米巨大IT(情報技術)への規制強化に向けたバイデン米政権の人事に、「結論ありきだ」として待ったをかけた。
米国では利害対立などの理由で裁判官や検察官らを法執行への関与から除外するよう求めることができる制度がある。アマゾンの広報担当者は30日、「大企業であっても公平な調査を受ける権利がある」と述べ、確立された法律の下ではカーン氏はアマゾンに関する調査に参加できないと主張した。FTC側のコメントは得られていない。
配車サービスを手掛ける中国の滴滴グローバルの米国預託株式(ADS)は初値が16.65ドル。IPO価格は14ドルだった。ニューヨーク時間午後1時8分時点ではIPO価格比19%高の16.63ドルで、時価総額は約800億ドルとなった。ADSはその後、大きく上げを縮めて14.14ドルで取引を終了した。
●決算関連
●マクロ・その他
6月の景気指数(PMI、季節調整済み)は66.1で前月から9.1ポイント低下。
「受注残」が14.1ポイント低下と大きく下がったほか、「新規受注」と「生産」も低下した。「雇用」も1月以来の低水準となり、企業は新規雇用が難しいと報告した。
一方「入荷遅延」は4.2ポイント上昇し、1974年3月以来の高さとなった。輸送面での障害が続いていることを示した。
現在は公務員や国有企業への就職を希望する一部学生らの間で入党希望は強い。就職や昇進に有利とされるためだ。一方で民間企業志望者や政治に無関心な若者も多く、距離を置く動きもみられる。
郡レベルの新たなデータを見ると、全国レベルの数値と地域レベルの現実に大きな開きがあることが浮き彫りになった。接種率の低い郡(多くは南部や中部に位置)で1回接種が済んだ人の数は、接種が最も進んだ都市部や東・西海岸沿い地域の半分未満にとどまっている。さらにこうした接種率の低い地域が先行地域に追い付く気配はなく、感染の新たな波を防ぐのに必要とされる水準は大きく下回ったままだ。
接種率で5分割した際の最下層に含まれる郡では1回接種済みの割合が平均でわずか28%、接種完了の割合が同24%。こうした郡はより地方にあり、貧困率が高い一方で教育水準が低く、政治的に右寄りの傾向にある。
テキサスA&M大学で農村部の公衆衛生を研究するティモシー・キャラハン氏は、「この状況は非常に厳しい結果を招くかもしれない」と指摘。「ワクチン接種がまれで集団免疫に程遠い郡がある一方で、接種率が高い郡も存在する。持つ者と持たざる者とで分断された国に向かっている可能性がある」と述べた。
6月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.9。5月は51、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は50.8だった。
建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは6月に53.5。前月の55.2から低下し、予想の55.3を下回った。活動拡大・縮小の節目は50。
6月のPMIは、新型コロナウイルス禍から急拡大していた中国経済の持ち直しが安定しつつあることをあらためて示した。中国人民銀行(中央銀行)の貨幣政策委員会は先週開いた四半期会合で、国内外の環境が複雑かつ厳しいものの、中国経済は安定性を増し、改善が進んでいると指摘した。
製造業は6月もサプライチェーンの障害や原材料値上がりによる制約を受けた。広東省内のコロナ感染確認で世界有数のコンテナ港である塩田港は1カ月にわたり物流に支障が生じ、先週正常化したばかり。物価圧力は高止まりしたが、和らぎ始めている兆しも見られる。
一方、サービス業は国内の一部で確認されたコロナ感染や共産党創建100年の祝賀行事を控えた移動制限措置の強化が影響した可能性がある。
堅調な需要や景気不透明感の減退、新型コロナウイルス禍前に戻る動きが、特に娯楽・ホスピタリティー分野でのさらなる雇用増加に引き続きつながっていることを今回の統計は示唆。企業が多数の空席ポストを埋めることに、ある程度成功していることも示唆している。
サービス部門の雇用は62万4000人増。このうち半数以上の33万2000人は娯楽・ホスピタリティー分野で増えた。ヘルスケアでは9万3000人増と、前月の10万6000人増に続いて堅調な伸びを示した。財生産部門の雇用は6万8000人増。建設業での伸びが目立った。
ドイツの失業者数は6月も減少した。減少は2カ月連続で、同国の力強い景気回復を示唆している。新型コロナウイルス感染拡大のペースが鈍化し、商店や飲食店、文化施設の大半はここ数週間に営業を再開した。
米金融当局が短期金利を制御する目的で設定している翌日物リバースレポの応札がほぼ1兆ドル(約111兆円)となり、過去最大を記録した。
30日の応札・落札額は9920億ドル。これまでの最高は前日の8412億ドルだった。同レポはマネーマーケットファンド(MMF)などが抱える余剰資金の受け皿になっている。応札したカウンターパーティーの数は90社と、2016年以来の多さとなった。
英国の消費者物価指数(CPI)上昇率について「今年末までに3%ではなく4%近くになると予想している」と語った。世の中のインフレ期待が上方に動き、大幅な利上げを迫られる恐れもあると指摘した。新型コロナウイルス禍からの回復に伴う物価上昇の加速リスクを警告した。
英経済について、新型コロナの感染拡大を防ぐ行動規制の緩和につれて「大きく急激な回復が見込まれる」と述べた。「足元のデータはそれらが想定よりも速く前倒しで起きることを示唆している」と付け加え、財政出動や超過貯蓄の取り崩しによる消費回復が「経済の過熱を生むかもしれない」との見方を示した。
4%近くまで拡大すれば「インフレ期待が金融市場だけでなく家計や企業でも上方シフトするだろう」と述べた。そうなれば金融政策は「いま考えられているよりも著しく大きな、素早い政策金利の引き上げ」を迫られかねないと警告した。インフレターゲット政策は1992年の導入以降で「最も危険な瞬間にある」とも言及した。
●市況
日経先物(大証)28820、ダウ先34456、債先151.78、米1.468、独▲0.2045、仏0.130、西0.418、伊0.821、原油73.56、ドル円111.10、墨ペソ19.93、トルコリラ8.6945、墨CDS92
※7/1 7時40分頃
備忘録(6/29)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
米ボーイング「737MAX」200機と欧州エアバス「A321neo」70機の計270機の新型小型旅客機を今後数年で購入すると発表した。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、航空需要が長期的に回復に向かうとみて大量の機体購入に踏み切る。燃費効率の良い機種への切り替えを進め、2050年の温暖化ガス排出実質ゼロの目標にも弾みをつける。
新たに購入するのは定員が200人前後の小型機。発注済みと合わせて、2024年にかけて500機超の新型の中小型機を購入する。米国発便の提供座席数を約30%増やす。投資額については交渉における機密事項として公表しなかった。
ユナイテッドのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞などに対し「法人の出張需要と国際線の需要は完全に回復する」と述べた。ユナイテッドが1度に購入を決めた機体の数としては過去最多という。
コロナの影響で米国の航空需要は日次比較で一時19年比96%減にまで減少したが、国内の観光需要を中心に足元で同2割減の水準にまで回復してきた。リモート勤務の進んだ法人と国際線の需要回復は特に鈍かったが、カービー氏は強気な見方を示した。
米格安航空大手のサウスウエスト航空は6月上旬、737MAX機を34機追加発注したと発表した。21~31年にかけて380機超の同機を発注している。コロナからの需要急回復を受け、シェア確保のための各社の機体発注が勢いを増している。
新型コロナウイルスの影響で需要が激減した国際線について「国境制限が解除されればすぐに大きな回復需要が来る」との見通しを示した。
国内の乗用車メーカー8社が29日まとめた5月の世界生産は、前年同月比で76%増の160万6千台だった。新型コロナウイルスの感染拡大で工場の稼働停止が相次いだ2020年5月からは増えたが、世界的な半導体不足の影響により200万台割れとなった。コロナ前の19年5月と比べると3割以上少ない水準にとどまった。
従来は25年を目指していたが、1年前倒しする。今年11月に英北部グラスゴーで開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を見据え、環境を重視する姿勢を内外にアピールするのが狙いだ。
ブラジル発のフィットネス企業のジムパスは29日、ソフトバンクグループ(SBG)などから2億2000万ドル(約243億円)の出資を受けたと発表した。SBGは2019年にも出資しており、ジムパスの企業価値は22億ドルを超えたという。
●その他産業
華為技術(ファーウェイ)の競争力低下に歯止めがかからない。米中対立の影響で主力のスマートフォンで世界シェアが落ち込み、通信インフラの伸びも鈍化する。代わりにシェアを伸ばすのが韓国のサムスン電子やスウェーデンのエリクソンだ。ファーウェイの喪失シェアを巡る競争が激しくなりそうだ。
同社の業績拡大の主因である米住宅需要の伸びに陰りが見え始めていることが、投資家の売りを誘った。23日に増資を公表し、1株利益の希薄化が意識されていることも株価の重荷となった。
米首都ワシントンの連邦地裁が28日、米連邦取引委員会(FTC)などがフェイスブックを訴えた訴訟で、原告側の主張の多くを退ける判断を下した。現行法の限界が明らかになり、法改正の議論が加速する可能性がある。
FTCは2020年12月、大統領選で敗北した当時のトランプ大統領の退陣が近づくなかでフェイスブックを提訴した。米国の「個人向けSNS(交流サイト)」市場の60%超を握る同社が、買収で傘下に収めた画像共有アプリ
だが、連邦地裁は独占の根拠を十分に示していないと判断し、FTCが内部の反対意見を押し切ってまとめた訴状を棄却した。また、ニューヨーク州など48州・地域の司法長官も同時に提訴しているが、インスタグラムなどの買収が6年以上前に完了していることを理由に訴えそのものを棄却した。「門前払い」に近い結果となっている。
巨大IT企業は製品やサービスを無料・安価に提供することが多く、価格のつり上げや消費者の不利益を重視する反トラスト法では十分に対処できないと指摘されてきた。ただ、専門家の間でも「訴訟の初期でこれほど厳しい対応を求められることは想定外」(FTCのウィリアム・コバシック元委員長)との驚きが広がった。
下院司法委のジェロルド・ナドラー委員長(民主)は28日の声明で、「反トラスト法の近代化が切実に必要なことを示している」と強調した。同委員会の反トラスト小委員会で筆頭委員を務める共和党のケン・バック議員も「有権者はすぐに問題を解決することを求めており、時間を無駄にできない」と述べ、党派を超えて法改正の機運が高まっている。
米銀大手モルガン・スタンレーは28日、最大120億ドル(約1兆3200億円)規模の自社株買い計画を発表した。四半期配当も倍増させる。米連邦準備理事会(FRB)による健全性審査(ストレステスト)を通過し、株主還元制限が解除になった。JPモルガン・チェースなど他の米大手銀も同日、相次ぎ還元策の拡充を公表した。
JPモルガンは28日、四半期配当を従来の1株あたり90セントから同1ドルに増額すると発表した。ゴールドマン・サックスも同日、同2ドルに増やした。従来は同1.25ドルだった。バンク・オブ・アメリカは健全性審査の通過を前提とした250億ドルの自社株買い計画を公表済みだ。
独通信大手ドイツテレコムが米IT大手を名指しで批判する場面があった。応分の規制や負担から逃れているとの不満が背景にあり、他の欧州大手も同調した。欧州当局に対応を求める声が大きくなっている。
「なぜ(米フェイスブック傘下の)ワッツアップは通信サービスとして扱われず、米マイクロソフトはネット接続業者として扱われないのか」。ドイツテレコムのティモテウス・ヘットゲス最高経営責任者(CEO)は28日の座談会にオンラインで参加し、不満を表明した。米IT大手を念頭に「データ通信の8割を利用しているのに、1セントも支払っていない」とも語った。
ヘットゲス氏は現状の欧州のルールではIT大手などを適切に定義できていないとして「欧州は目を覚まさなければいけない」と見直しを求めた。スペインの通信大手テレフォニカのホセマリア・アルバレスパジェテCEOも「現在の規制は20世紀の状況に基づいており、完全に時代遅れだ」と指摘した。
●決算関連
J・フロントリテイリングは29日、2022年2月期通期の連結最終損益(国際会計基準)が10億円の黒字(前期は261億円の赤字)と、従来予想を30億円下回る見通しだと発表した。再度の緊急事態宣言を受けた百貨店の休業影響や個人消費の回復の鈍さを背景に、百貨店などの販売が当初想定を下回ることを反映した。秋以降はワクチン接種が進み、「移動や行動制限の緩和で消費も段階的に回復する」(同社)とみている。
●マクロ・その他
FHFAが29日発表した4月の全米住宅価格指数(季節調整済み)は前月比で1.8%、前年同月比で15.7%上昇した。いずれも統計のある1991年以降最高の伸び率で、過熱する住宅市場への警戒感が高まっている。
S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(全米)も、前年同月比で14.6%上昇した。伸び率は前月の13.3%から加速し、こちらも1987年の統計開始以来の過去最高を記録した。
FHFAは、強い需要に、低い住宅ローン金利と住宅供給不足と相まって「先例のない価格上昇が続いている」と指摘した。
新型コロナウイルス危機前から、人口増に対して住宅建設が遅れており、市場に出されている物件の不足が問題となっていた。
建設コスト面でも価格上昇圧力は高まっている。経済の段階的再開に伴う供給制約などで木材などの建築資材が高騰、労働力も全般的に不足している。
最近の急騰はシラー教授自身も「インフレを加味すると、これまでに経験のない上昇だ」と指摘する。
FRBでは警戒論も出始めている。FRBは資産購入の一環で米国債のほか、不動産ローン担保証券(MBS)も月に400億ドル買い、住宅ローン金利の上昇を抑えている。ダラス連銀のカプラン総裁は「この購入には意図せぬ結果や副作用がある」と指摘するなど、大規模購入の継続には慎重論も増え始めた。
05~06年のように債務が複雑に膨張していないとはいえ、住宅価格は株価以上に幅広い国民の経済活動に影響を及ぼしうる。過熱が行き過ぎると、その後の調整も大きくなる。住宅価格の高騰は金融市場の長い目で見たリスク要因として意識する関係者もじわりと増えている。
コンファレンス・ボードのエコノミストは、「短期の予想インフレは上がったが、消費者の自信や購入意図にはほとんど影響していない」と指摘した。むしろ、住宅、自動車、大型家電の購入を計画する人の割合は高まっており、「短期的には消費が引き続き経済成長を支える」との見方を示した。
比較的順調に回復していく標準シナリオだけでなく、インフレが加速して金融環境が引き締まるシナリオも示し、リスク志向を強める市場参加者に警鐘を鳴らした。
将来を左右する要因として①財政政策の効果②今のところ急回復している個人消費の行方③潜在的な企業の信用損失の規模ーーを挙げた。財政政策では特に米国の巨額の経済対策がどのような経路でどれだけの影響を及ぼすかが焦点となる。
2番目に挙げたのが、より力強い成長のもと、物価上昇が予想以上に進み、金融環境が引き締まってしまうシナリオだ。市場参加者は中銀による金融政策の引き締めを警戒するようになる。金融環境の悪化は、長くリスクを積極的にとってきた金融市場の参加者に大きな影響を与える可能性がある。
仮にインフレが予想以上に進み、金融環境が悪化した場合には、米国などの中央銀行は厳しい試練に直面するというのがBISの見方だ。中央銀行はさらに粘り強く緩和を続けるのか、政策方針を予想よりも早く変えるかの選択をせまられる。さらに、金融環境の引き締めの影響は国境を越え、新興国を不安定にする恐れもある。
東南アジア中心にスタートアップが勃興するなか、米国には距離があり、政情不安な香港も避けたい企業の受け皿として東証が現実的な選択肢に浮上している。政府が掲げる国際金融センター構想に弾みがつく可能性もある。
感染力が従来型より強いデルタ株は米国でも急速に広がっており、カリフォルニア州ロサンゼルス市やイリノイ州はマスク着用を再び呼びかけた。ワクチン接種を背景に経済再開で先行してきた米国だが、感染拡大が深刻となれば水を差す可能性もある。
世界でもデルタ株の拡大を受けて、感染対策を再強化する動きは広がっている。世界保健機関(WHO)はワクチン接種を完了した人でもマスク着用と人との距離を保つことを継続するよう推奨。ワクチン接種が世界的に進んでいたイスラエルでは、デルタ株に感染した半数がワクチン接種を完了していたとの調査もある。イスラエルは15日に解除したばかりのマスク着用ルールを、25日に再び義務化した。
米食品医薬品局(FDA)元長官のゴットリーブ氏は米CNBCのインタビューで、「秋には子どもたちや学校を中心にデルタ株の感染が拡大する恐れがある」と懸念を示していた。
相次ぐ中国企業の債務問題が、金融・資本市場に影を落としている。不動産大手の中国恒大集団は当面の資金繰りにめどをつけたが、次は小売り大手の蘇寧易購集団が矢面に立たされている。国有の不良資産受け皿会社、中国華融資産管理も予断を許さない状況が続く。
「中国のクレジット商品の持ち高を減らした」。米パインブリッジ・インベストメンツの運用担当者はこう指摘した。中国企業へのこれまでの投資額がリスクに見合わないと判断し、代わりに他のアジアのクレジット商品に資金を振り向けようとしている。
現在、市場関係者が先行きを危ぶむ中国企業の1社が蘇寧だ。「4月以降、家電メーカーの間で蘇寧との取引を減らす動きがある」(米系証券)という。蘇寧は祖業の家電量販店から百貨店、スーパーなど買収を繰り返して事業領域を広げてきた。イタリアの名門サッカークラブ、インテル・ミラノを傘下に収めたことでも注目を集めたが、足元では新型コロナウイルス禍の長期化に伴うリアル店舗の収益低迷に苦しんでいる。
蘇寧の2020年12月期の売上高は前の期比6%減の2513億元(約4兆3000億円)、最終損益は42億元の赤字(前の期は98億元の黒字)。現金創出力を表す指標の純現金収支(フリーキャッシュフロー)は20年12月期まで4期連続でマイナスだった。21年1~3月期もマイナスとなっており、資金の外部調達頼みが続く。有利子負債から手元資金を引いた純有利子負債は3月末で553億元と、1年で2.2倍になった。
蘇寧は4~5月に満期の計37億元の社債は無事に償還したが、7~11月にさらに計43億元の社債償還を控える。20億元の銀行借り入れなど、他の負債も多い。
蘇寧の資金繰り難の理由をたどると、実は中国恒大に行き着く。中国恒大は傘下企業と同業との経営統合を前提に外部投資家から出資を募り計1300億元を調達したが、出資企業の中に蘇寧が入っていたからだ。
中国恒大は24日、28日が期限の社債償還に向けて136億香港ドル(約1900億円)を用意したと発表。資金の手当てを終えた。22年3月までは国内外で社債の償還予定はないとも説明した。一方、中国国内銀行の間で中国恒大向け融資の更新を見送る動きも伝わった。
国有企業では華融の行方に引き続き注目が集まっている。28日のブルームバーグ通信は「中国当局が(中国複合企業の)中国中信集団(CITIC)に対し、華融の財務調査を依頼した」と報じた。華融は融資の返済期限延長や保有株売却などの手を打っているが、「中国当局が華融の債務問題を解決するための長期的な計画を持っているかは不透明」(光大新鴻基)と不安の声は根強い。社債市場では24年11月満期の5年物のドル建て社債の価格が直近で74円と、ここ2カ月で1割下落。流通利回りは12%台に跳ね上がっている。
香港国家安全維持法(国安法)の施行から30日で1年。経済面で中国本土に依存する香港の姿が鮮明になってきた。中国当局は香港の金融機能を維持するため、金融取引の拡大などの支援に乗り出す。香港は従来の国際金融センターから、中国の金融都市へと変貌しつつある。
米連邦準備理事会(FRB)のインフレへの対処方針を巡り、市場の見方が揺らいでいる。これまで一時的と説明してきた急激な物価上昇に反応し、大方の想定より早く利上げに動く可能性を示したためだ。米国の将来的な物価見通しは上昇が一服し、物価変動を考慮した実質金利は先高観が強まってきた。ドル安や株高の前提となっていた超低金利環境が変わり始め、相場の局面変化に投資家は身構えている。
コンファレンスボードが発表した6月の米消費者信頼感指数は、127.3に上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は119だった。前月は120(速報値117.2)に上方修正された。
全米ベースの価格指数は11カ月連続で伸びが加速した。20都市の価格指数は2005年以来の大幅な伸び。
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの指数投資戦略担当グローバル責任者、クレイグ・ラザラ氏は「4月はまさに特別な伸びを示した」と指摘。「買い手候補が都市部の集合住宅から郊外の住宅に移っており、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への反応が米住宅市場の強さの一因になっていると、われわれは以前に示唆した。4月のデータは引き続き、その仮説と一致している」と述べた。
4月の住宅価格指数は前月比で1.8%上昇。市場予想は1.6%上昇だった。前年同月比では15.7%上昇した。
●市況
日経先物(大証)28870、ダウ先34215、債先151.66、米1.477、独▲0.1745、仏0.168、西0.457、伊0.881、原油73.44、ドル円110.54、墨ペソ19.81、トルコリラ8.7356、墨CDS93
※6/30 9時0分頃
備忘録(6/25−28)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
「ホーム・デポ」には簡易型のエアコンを買い求める客が相次いだ。客の男性は「耐えられない暑さだ。今すぐ必要だ」と話し、170ドル(1万9000円)ほどする簡易型エアコンを2台購入した。
緯度が北海道より北のシアトルでは夏でも気温は20度程度で、一般家庭にはほぼ冷房がない。シアトル近郊在住の男性は「今日はショッピングモールで暑さをやり過ごす」と話す。
20年夏にはカリフォルニア州で、熱波に伴う大規模な山火事が発生した。地元当局からは「山火事が起きやすくなるほか、干ばつが深刻になる可能性が高まる」との警告が発せられている。
公的支援を求めているが、政府は財政悪化を受けて及び腰だ。非効率な体質も再建の足かせとなっている。新型コロナウイルス収束後の業績回復はなお視界不良だ。
即納・割安のメリットから需要が堅調な一方、新車生産の停滞などを受けて出品が少ない。影響は1年に及んだ。
倉庫用ロボティクス企業のオートストアは新規株式公開(IPO)を検討しており、企業価値は100億ドル(約1兆1000億円)以上と評価される可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
1996年創業のオートストアは倉庫内での商品の保管などに使われるロボットを提供。同社のキューブ式自動収納・回収システムは世界35カ国の600カ所余りで利用されている。
米ファイザーと英アストラゼネカがそれぞれ開発した新型コロナウイルスワクチンを組み合わせて接種した場合、強力な免疫反応が生み出されることが英オックスフォード大学の研究で示された。新型コロナワクチンの供給が不十分な中でも、接種体制により柔軟性を持たせられる可能性があることを示す結果となった。
19年同月比では66%の減少と、依然としてコロナ前と比較すると低水準にとどまっている。
売上高にあたる事業収益は前の期比62%減の340億円。旅客数は約296万人と6割減った。営業損益は316億円の赤字(前の期は22億円の黒字)だった。今期以降の業績回復を見込み繰り延べ税金資産120億円を計上したことから、最終赤字幅は営業赤字幅よりも縮小した。
22年3月期の業績予想は公表していない。21年4~6月期は需要回復が鈍く減便を続けている。21年3月末の有利子負債(リースを除く)は300億円と20年3月期のゼロから増えた。すべて短期借入金で賄っている。今後一段の資金調達が必要となる可能性が大きい。
21年度の10倍強にあたる額で、80億円をターミナルビルの機能維持や活性化投資に、20億円を滑走路など空港施設の整備に充てる。
中国のインターネット企業への独占禁止法調査の行方は滴滴出行やテンセント・ホールディングス(騰訊)などに不確実な結果をもたらしている。
投資家からは「最近の多くの中国企業のIPOでは黒字企業が少なかったが、滴滴出行は実際に第1四半期に利益を計上した」と指摘。ただ、「中国の非公開かつ不服申し立て不可能な規制プロセスが重大なものとなる可能性もあるだけに、投資家はこうした重大だが定量化できないリスクに二の足を踏んでいるかもしれない」と分析した。
米ボーイングの最新鋭機777Xはさらなるテストが必要となりそうだ。昨年12月の試験飛行中に操縦士の入力なしに機体が作動した原因とみられる飛行制御ソフトウエアを含む複数の問題について、当局から対応を求められている。
FAAは27日の声明で、「FAAの安全・認証基準を満たさない限り、いかなる航空機も承認しない」と表明した。FAAの書簡については、米紙シアトル・タイムズが先に報じていた。
ボーイングの広報担当者は発表資料で、「 当社は777Xの開発全体で引き続き安全性を最重要視している」とした上で、「厳格な開発プロセスを通じ、該当する全ての要件を確実に満たせるよう取り組んでいる」と説明した。
米航空会社のユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスは、米ボーイングと欧州のエアバスから合計200機余りの旅客機を買う方向だ。燃費効率の高い機材を増やして単通路保有機の見直しを進めており、同社の歴史上で最大級の購入となる。
ユナイテッドはボーイング737MAXを150機超、エアバスのA321neoを50機余り購入する見通しだと関係者は語った。29日に予定する投資家・メディア向けイベントで公表される見込みだ。
今回の発注は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)によって昨年の空路での移動が歴史的落ち込みとなった後、米国で新規の民間機需要が息を吹き返していることを示している。
「事業をやる会社として都市の基本ソフト(OS)なんかも皆ソフトバンクで開発する。日本発の事業を製造業以外で起こしたい。テクノロジーを前提とした産業作りを挑戦したい。そのために少々背伸びしても投資していく。社内では『ビヨンド・キャリア』『ビヨンド・ジャパン』ということしか今は話さない。携帯電話だけ売ってても仕方がなく、いろんな分野を新規にやり出して会社全体で生み出せるようになった」
医療用麻薬「オピオイド」を含む鎮痛剤の中毒問題をめぐり、米ニューヨーク州と和解した。2億3000万ドル(約250億円)の和解金を支払い、州は患者の治療などに充てる。
ジェームズ長官は同日の声明で、J&Jに州内におけるオピオイド系鎮痛剤の製造や販売を禁じたと説明した。一方、同社は20年に米国で関連事業から撤退することを決めていると説明し、和解により法的責任や不正行為を認めたわけではないとしている。
2021年の発行は2568億ドル(約28兆円)で、20年1~6月に比べ3.4倍になった。脱炭素社会の実現に向け、企業は気候変動対策の投資や研究を急いでいる。投資家の需要は高まっており、ESG社債の利率が通常の社債より低くなる事例も出ている。
●その他産業
FTCが米フェイスブックを反トラスト法違反の疑いで提訴し、画像共有アプリのインスタグラムや対話アプリのワッツアップの運営部門を分離・売却することなどを求めていた訴訟について、ワシントンの連邦地裁はFTCの訴状を棄却した。フェイスブックが個人向けのSNSで支配的なシェアを握り独占に当たるとの主張に対し、十分な証拠を示していないなどと結論づけた。
携帯電話の通信インフラをクラウド上のソフトウエアに置き換える動きが広がっている。専用機器が減り、大がかりな通信基地局をつくる必要がなくなる。最新の第5世代(5G)で、インフラの構築費を4割程度減らせるとの見方もある。通信にも「脱ハード」の波が及び、業界秩序を揺さぶる。通信費の低下につながる可能性もある。
「これまでは構造改革の10年だったが、次は成長の10年。その最初の任を任された」と強調。
19~21年度の研究開発費の見通しは累計で1兆2000億円だが、次期中期経営計画期間中の22~24年度には1兆5000億円に拡大する。
「鉄道事業とヘルスケア領域でのデジタル技術が足りない」鉄道事業では移動をサービスとして提供する「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」の分野への展開を視野に入れる。
「Open-RAN(オープンラン)」と呼ばれる技術を使った高速通信規格「5G」向けプロジェクトで、NECと米マベニアが開発した基地局装置を採用したと発表した。NECが海外で5G向け機器を受注するのは英通信大手ボーダフォン・グループに続いて2例目となる。
オープンランは異なるベンダーの機器を相互に接続できるようにする仕組み。ドイツテレコムがドイツ北部で計画するオープンラン技術を使った通信網の構築に向けて、NECがアンテナを搭載した5G基地局を提供し、マベニアのソフトと組み合わせる。同地域の住民6万5千人がオープンランによる5Gサービスなどを利用できるようになる。
中国移動(チャイナモバイル)の楊傑董事長は「5Gに代表される次世代IT(情報技術)は社会に溶け込み、デジタル空間を形成し、様々な効果を生み出している」と説明。デジタル経済関連で今後注力する取り組みとして「製品の革新」「通信網の強化」など5つを挙げた。次世代通信規格「6G」や量子通信などの先端技術についても、外部機関などと連携し研究開発を進めるという。
南米コロンビアで発電用石炭を産出するセレホン炭鉱の権益33.3%をスイスの資源商社グレンコアに2億9400万ドル(約325億円)で売却すると発表した。発電時に多量の二酸化炭素(CO2)を排出する石炭事業への批判を考慮し、2019年に売却方針を示していた。これによりBHPが持つ発電時の燃料に使う一般炭事業は、オーストラリアにあるマウントアーサー炭鉱のみとなる。製鉄時に使用する原料炭事業も今後、一部を売却する見通しだ。
フィリピンの銀行大手、リサール商業銀行(RCBC)に出資する方針を固めた。出資額は100億円規模で、発行済み株式の約5%を取得する。融資などの従来の銀行業務は新型コロナウイルス禍のあおりを受けるが、RCBCが強みを持つデジタル銀行は利用が拡大している。コロナ後を見据え、アジアの経済成長の取り込みを加速する。
総額750億円をめどに買い入れを実施する予定と説明。「買い入れを通じて負債を削減し、バランスシートを強化する」との狙いの他、「償還の平準化も目指している」と述べた。このタイミングでの買い入れについては、市場環境を見据え、買い入れ対象とする劣後債の「流通価格の状況も総合的に判断した」という。
また、S&Pグローバル・レーティングが「BBB-」の長期格付けを引き下げ方向の「クレジット・ウオッチ」(CW)としていることに関し、負債削減により「格付け評価上もポジティブに働くものと捉えている」との見方を示した。S&Pは7月上旬までに判断を下す方針。
S&Pの吉村真木子主席アナリストは電話で、劣後債の買い入れ消却は格付けをCWとする上でもともと想定していたとし、「格付けへの影響はないと考えている」と述べた。
FTCが発表した合意内容によると、セブンイレブンは米国内の「スピードウェイ」と「セブンイレブン」の合計で293店を米同業など3社に売却し、今後5年間は店舗を買い戻すのにFTCの承認が必要になる。また、10年間はFTCが指定した商圏で資産を売買する際はFTCへの事前通知が必要となる。
セブン&アイは2兆円を超える買収に片が付き、米国のコンビニ市場のシェアは20年末時点でみると、買収で3ポイント弱上積みして10%程度となり、2位に5ポイント程度の差を付ける。ただ、民主党系が多数派となったFTCの下でM&A(合併・買収)による拡大は難しく、当面は自力でチェーン経営に取り組むことになる。
●決算関連
●マクロ・その他
景気回復は力強く求人需要が記録的な水準となっているが、変異株「デルタ」の感染が憂慮すべき勢いで広がっていること、および育児に関わるさまざまな問題が職場復帰への妨げとなっている。失業保険給付が一時的に拡充されていることも、急いで仕事に就く必要性はそれほどないとの思いを人々に抱かせているほか、仕事を一段とえり好みする傾向につながっている。
あるエコノミストは「奇妙な夏になるだろう。労働供給を抑制している要因の一部は取り除かれ始め、労働市場は押し上げられるはずだ。だが、それも9月になるまではそう明確にはならない」と指摘。
7月2日に発表される6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数のエコノミスト予想中央値は前月比70万人増。いずれも市場予想を下回った4、5月に比べて大きな伸びになるとみられている。失業率は5.6%への低下が予想されている。パンデミック前は3.5%だった。
中米ニカラグアでオルテガ大統領の独裁色が一段と強まっている。11月の大統領選に向けて立候補を予定していた候補者5人を含む反体制派を国家警察が相次いで拘束した。
オルテガ氏は左翼ゲリラ出身で、1979年にはソモサ独裁政権を打倒した。85年に初めて大統領になった後、2006年、11年、16年の大統領選で連続3回当選を果たした。今年11月7日の選挙で連続4選を目指している。
14年には大統領の無制限再選を可能にする憲法改正を実現。妻のムリジョ氏を副大統領に起用しており、長期政権や縁故主義への批判は強い。
ステンレス鋼や電池材料に使うニッケルの国際価格が約4カ月ぶりの高値を付けた。指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格は日本時間28日に一時1トン1万8600ドルと、3月上旬以来の高値となった。ニッケル地金の主要輸出国であるロシアで鉄鋼や非鉄金属に対する大幅な輸出関税の導入が決まり、相場を押し上げた。
当初は一騎打ちになることが予想されてきたマクロン大統領と極右ルペン氏の政党がともに大敗し、野党の中道右派共和党が主要選挙区で勝利したからだ。左派も選挙協力や統一候補の擁立に向けた動きがあり、大統領選に向けた各党の駆け引きが加速している。
2021年に入り欧州ではこうした社債の発行が低格付け債全体の2割超に達した。運用難に苦しむ投資家は、企業の財務悪化を許す、いわば「毒」のような条件をのまざるを得ない。
ドイツの靴ブランドのビルケンシュトックは4月、4.3億ユーロ(約570億円)の社債を発行した。社債格付けはトリプルCプラスの「C格」と、投機的等級とされる低格付け債(ハイイールド債)でも特に低い。さらに英語で「どちらの悪い選択肢をとるか」という意味の「ピック・ユア・ポイズン(毒を選べ)」と呼ぶ条項が付けられた。この条項がつくと、一定の範囲内で追加的な借金や配当などが可能になる。社債投資家にとってはどちらの選択肢でも発行体の財務は悪化し、リスクは高まる。
専門家は「こうした自由度を高める条項は通常であれば珍しいが、低格付け債の需給が逼迫している欧州を中心にみられるようになってきた」と話す。
米調査会社コベナント・レビューによると21年1~3月に欧州で発行された低格付け債のうち同条項がついた割合は2割強と、10%弱だった前四半期の2倍以上に高まった。フランスの不動産フォンシア、スウェーデンの警備サービスのベリシュアも発行した。
金融緩和や財政出動によるカネ余りと低金利で、世界のハイイールド債の利回りは6月25日に4.53%と過去最低水準で推移している。新型コロナウイルス禍前の19年末比で1%超下がった。
金融政策が正常化に向かえば、借り手優位の状況は変わる可能性もある。緩和マネーが急縮小すると、企業に有利な条項がつくなどデフォルトリスクの高い社債の価格ほど下落がきつくなり、そうした社債を持つ投資家の損失が膨らむ。発行体の企業も、社債の借換時に高い金利を求められたり有利な条項をつけられなかったりして経営が苦しくなりやすい。
ムーディーズによると、20年3~9月にデフォルトした企業の社債の元利金がどれほど投資家に戻ってくるかを示す「弁済率」はわずか5%だった。リーマン・ショックの49%やITバブル崩壊の36%を大きく下回る。専門家は「リーマン危機後から財務体質の悪化に歯止めをかける条項が緩和された融資が大半を占めるようになったことが大きい。社債価格と想定される弁済率を個別の企業ごとに慎重に見極めて投資する必要がある」と指摘する。
また、財務制限の緩い「コベナンツ・ライト」が占める割合は21年4月時点で85%と、07年12月の17%から大きく上昇した。一般に社債はローンよりも弁済順位が低く、ローンでの財務規律の緩みは社債の元利金の返済を難しくする。さらにここに来て、社債でもコベナンツに事実上の「抜け穴」をつくる動きが広がっているともいえ、投資リスクはじりじりと高まっている。
足元で企業の債務負担は増えている。SMBC日興証券によると、「レバレッジ倍率」は21年1~3月期に4.8倍となった。ピークの20年4~6月期の7.5倍からは下がっているが、コロナ前の19年の4.4倍を上回る。
ブルームバーグが追跡する8つの先行指標を束ねた総合指数は、6月も前月から変わらず。景気拡大・縮小の7段階の上から3番目の拡大領域にあることが示唆された。
一部のエコノミストは6月に発表された一連の経済指標が予想を下回ったことを受け、2021年の中国成長率予想を引き下げたが、それでも今年の成長率見通しは8.5%と過去10年で最も高い伸びとなっている。
中国の工業企業は5月も利益を増やしたが、伸び率は鈍化した。前年同月との比較で生じるベース効果が後退したほか、商品価格の上昇は原材料など上流部門には利益の押し上げ要因となったが、下流部門は調達コストの上昇で利益が圧迫された。
統計局の朱紅エコノミストは声明で、規模が小さめの企業は大・中規模の企業に比べて利益の伸びが見劣りしているため、依然として回復は不均衡だとも指摘した。
タレブ氏は、ビットコインと住宅価格の上昇はどちらも2020年3月以降の「イージーマネー」メカニズムによるものだと論じ、従って住宅価格は約25-45%下落する可能性があるとの見解を示した。ビットコインについても影響を示唆した。
黒海と地中海を結ぶ巨大運河「イスタンブール運河」の起工式を開いた。総工費150億ドル(約1兆6600億円)に上る運河は並行するボスポラス海峡の混雑緩和が目的だが、反対意見も多く、国論を二分している。
●市況
日経先物(大証)28750、ダウ先34138、債先151.74、米1.483、独▲0.1885、仏0.159、西0.445、伊0.876、原油72.82、ドル円110.61、墨ペソ19.82、トルコリラ8.6879、墨CDS93
※6/29 9時15分頃
備忘録(6/24)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
鉄需要回復の波に乗れないでいる。5月発表の2024年3月期までの3年間の中期経営計画で、投資キャッシュフロー(CF)を年1070億円程度と、過去5年平均比2割抑える。高級鋼に力を入れてきたが、採算が改善していないのだ。高炉の存続も議論するなど、抜本的な事業立て直しの必要が高まっている。
●その他産業
FRBは景気後退に直面しても銀行は十分な資本を維持できると判断した。狭義の自己資本のなかでも普通株などに限って算出する自己資本比率(CET1比率)への影響を試算したところ、全体では20年末実績の13.0%から10.6%に低下するが、規制が求める最低水準(4.5%)は上回った。
銀行は今回の審査結果を受けて株主還元や自社株買いの増額を検討する。FRBは3月、銀行がストレステスト後に最低資本水準を上回っていれば、コロナ対応の株主還元規制は解除されると発表していた。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど大手銀行は28日以降、今後の株主還元計画を公表するとみられている。
オンライン発表会で「11」の概要を披露した。目立ったのは仕事の効率向上につながる機能やゲーム愛好家向けの性能改良、アプリストアの刷新だ。
例えば、自社アプリ「チームズ」のビデオ会議などをOSから起動できるようにした。マイクのミュートや画面共有といった操作も可能になる。リモートワークの広がりで仕事に複数の端末を使う人が増えているため、直前にスマートフォンなどで利用した「Office365」のアプリをパソコンのスタートメニューに表示する機能も加えた。
今後数年間の収益目標を引き上げるとともに、2015年以来となる自社株買い計画を発表した。
来年から5年間で最大30億ユーロ(約3960億円)相当の自社株買いを実施する。また、3-5年のビジネスサイクルの売上高と利益の目標を引き上げ、1株利益の伸びは年10%弱を見込む。
CEOは「デジタル化と自動化、持続可能性が当社事業の成長エンジンだ」と説明。「的を絞ったテクノロジー企業として、われわれの全ての市場での立ち位置を強化したい」と述べた。
同社はさらに、既存事業と「隣り合わせ」で最大1200億ユーロの売り上げが期待できる「極めて魅力的な」新市場への参入につながる買収を目指しているとした。
●決算関連
2021年3~5月期決算は、純利益が15億900万ドル(約1671億円)となった。新型コロナウイルスの感染拡大で全世界で店舗の一時閉鎖が相次いでいた前年同期の7億9000万ドルの赤字から黒字転化した。
売上高は同96%増の123億4400万ドル。これまで成長が著しかった中国市場の伸びは17%にとどまったものの、最重要市場の北米の売り上げは前年同期の約2.4倍の53億8400万ドルと4半期ベースで過去最高を記録した。
●マクロ・その他
2カ月ぶりの増加だが、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(2.6%程度の増加)はやや下回った。前月分は、0.5ポイント上方修正の0.8%減に改定された。
航空旅行の回復を映して民間航空機・同部品の受注が27.4%増で2カ月連続で大きく伸びた。また前月大きく落ち込んだ自動車・同部品も2.1%増と上向いた。これら変動の激しい輸送関連を除くとプラス0.3%、同様に変動の激しい国防関連を除くとプラス1.7%だった。
一方、企業の設備投資の先行指数とされる「航空機を除く非国防資本財」(コア資本財)は0.1%減少した。
金融政策委員会の声明で、物価上昇率の拡大は「一時的」との認識を示した。エネルギー価格の高まりで、消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が3%を超す可能性もあるとみている。ただ景気回復を支えるため、早期の金融緩和の縮小には慎重な立場を確認した。政策金利を過去最低の年0.1%で据え置くことを9委員の全会一致で決めた。量的緩和策については8対1の賛成多数で、国債と社債の買い入れ枠を総額8950億ポンド(約138兆円)で維持した。
5月のCPIは前年同月比2.1%上がり、金融政策が目標とする2%を1年10カ月ぶりに上回った。イングランド銀は5月の金融政策報告書では、CPI上昇率のピーク予測を今年10~12月期に「2.5%程度」としていた。今回は「短期的に3%を上回る可能性がある」と上方修正した。
ただし景気や物価上昇率の力強い回復は一時的な動きだとみている。金融市場や各種調査が示すインフレ期待は「引き続きアンカー(固定)されている」とし、CPI上昇率は中期的に2%前後で落ち着くとの見方を維持した。中期的な見通しに今後変化が生じないか注視する。
ドル・円が1ドル=111円台と昨年3月以来となる円安水準を付ける一方、ドル以外の主要通貨では今月に入ってから円高が進んでいる。世界的な金融緩和が転換点に向かいつつある中、円の最弱通貨としての地位が揺らぎ始めている。
三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、「これまでの円安の背景はまさにリフレトレードだったが、今後いろいろな中銀が金融政策の正常化に向かっていくなかで、リフレトレードもいったん終わった感じはある」と指摘。「円は主要通貨の中で最弱だったところから弱さが後退することで、相対的な立ち位置としてはだいぶ上がってくる」とみている。
米連邦最高裁は23日、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が1000億ドル(約11兆1000億円)余りの利益を政府に返納している問題について、投資家らの訴えを退ける判断を示した。
今回の司法判断を嫌気し、ファニーメイの株価は一時45%安、フレディマックも45.7%安と日中取引としては少なくとも2013年以降で最も大きく下げた。売買高はいずれも日中段階で最近の1日平均の10倍を上回る水準に膨らんだ。
独Ifo企業景況感指数は101.8と、市場予想の100.7を上回った。今後6カ月の見通しを示す期待指数は10年余りで最高の水準に達した。現況指数も改善した。
フランスでも同日発表の6月の企業景況感指数が上昇し、2007年以来の高さだった。サービス業がけん引役となった。
ゼルマン氏はウォーカー・アンド・ダンロップのウィリー・ウォーカーCEOとのウェブキャストで、トラック運転手の不足と輸送が大きな問題として目立つと語った。
また「消費者がある時点でお手上げ状態になる」とし、それがいつになるかが問題だと警告。今後あり得る金利上昇や米金融当局の資産購入のテーパリング(段階的縮小)の影響についても注意を促した。
ゼルマン氏はその一方で、市場への供給拡大が今後見込まれるとし、住宅建設株は割高だと指摘。下期は住宅建設会社にとって厳しいものになると想定している。
5月の消費者物価指数は前年同月比5.89%の上昇だった。中銀の目標上限(4%)を上回るのは3カ月連続。24日発表の6月前半の指数は同6.02%の上昇と、一段と加速した。1年前は新型コロナの感染が広がり、エネルギー価格が大幅に下がっていたため、その反動の影響もあるが、インフレへの警戒が広がっている。
中銀はこの日公表した声明で「インフレ見通しへの悪影響を避けるために金融政策のスタンスを強めることが必要」と、利上げに動いた背景を説明した。
●市況
日経先物(大証)29060、ダウ先34208、債先151.69、米1.492、独▲0.1890、仏0.148、西0.431、伊0.870、原油73.27、ドル円110.93、墨ペソ19.86、トルコリラ8.7085、墨CDS97
※6/25 9時00分頃
備忘録(6/23)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
「ビジョン・ファンド2号」への出資枠を400億ドル(約4兆4300億円)と、3月末時点から2倍に引き上げたことが分かった。SBGが23日に関東財務局へ提出した有価証券報告書で明らかになった。同日の定時株主総会では、2号ファンドの投資先が129社に増えたことも判明した。
23日に都内で開いた定時株主総会では株主から低調な株価や株主還元に関する質問が相次いだ。孫正義会長兼社長は「未来を創る資本家になる」と述べ、より長期的な視点で経営を評価してもらうように訴えた。
株主から次の自社株買いの実施時期や自社株買い以外の株価押し上げ策を尋ねる質問が相次いだ。孫社長は「自社株買いは株主還元の一つだが、それでしか株価を上げられないというのは大概にしろと言いたい」と反論。1株当たり時価純資産(NAV)が強調され過ぎているとの指摘に対しては、「NAV以外に適切な指標があるのか」と不満を漏らした。
新たな自社株買い実施の可能性については「常に重要な選択肢として考えている」と話し、ビジョン・ファンドによる投資や財務状況などを勘案しながら適切に判断するとの姿勢を示した。また、マネジメント・バイアウト(MBO)の可能性について問われると、「いろいろなことがあり得るが、これはコメントすべきではない」と見解の表明を控えた。
3月末時点でソフトバンクGは2号ファンドに200億ドルの出資をコミットし、残高は132億ドルとなっていた。6月23日現在では、出資コミットメントは400億ドル(4兆4300億円)まで増額されたという。
10月に国際線の4285便を減便すると発表した。減便数は9月(4294便)と比べて、ほぼ横ばいとする。新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり国内では観光需要などが上向きつつある一方、変異ウイルスの感染拡大などで世界的な往来の再開は遅れるとみており、運航規模の大幅な縮小を続ける。
10月の運航率(2020年度事業計画比)は20%。7~9月の運航率も20%前後で推移する見通しとしている。
5月の粗鋼生産量(速報値)は、前年同月比16.5%増の1億7440万トン、10カ月連続で前年実績を上回った。鋼材需要が続く中国が、単月の生産量で過去最多を2カ月連続で更新した。他の主要生産国では、インドが920万トンと46.9%増えた。日本は42.2%増の840万トン、米国は47.6%増の720万トンとなるなど、新型コロナの影響を大きく受けた前年の反動で、各国の鉄鋼生産が大きく改善している。
2022年度に累積赤字を解消できそうなことから、沿線自治体や利用客などから要望が強かった運賃の引き下げに向けて検討に入る方針を明らかにした。新型コロナウイルスの影響による旅客運輸収入の減少など経営環境に不透明さもあり、時期など詳細は今後詰めていくという。
リニア問題は20日の静岡県知事選で現職の川勝知事が4選を決めているうえ、今春には総工費を従来の計画より1兆5千億円増額しており関心が高かった。宇野副社長はルートの変更は「すべてが振り出しに戻る」と述べた。経営陣からは具体的な打開策や開業時期についての明言はなかった。
●その他産業
米連邦準備制度理事会(FRB)は新型コロナウイルス禍を受けて1年前に自社株買いと配当の制限措置を導入したが、今年のストレステストで審査結果が良好な銀行を対象に、残る制限措置を解除する意向だ。テストの結果は24日に発表される。
●決算関連
2021年12月期の連結純利益が600億円になる見込みだと発表した。従来予想を120億円上回る。20年1~12月と比べて約7割の増益となる。米国で戸建て住宅の販売が好調で、需要増で価格も上昇しているため収益が伸びる。
●マクロ・その他
中国電子科技集団(中国電科)と中国普天信息産業集団(中国普天)で、単純合計した年間売上高は5兆円規模に達する見通し。米中対立が続く中、規模の拡大で競争力強化を目指す。
融和的な姿勢をみせることで、同州でくすぶる独立運動の沈静化を狙う。ただ恩赦決定に対し、右派野党だけでなく、国民からも反発が起きている。
中国をはじめ世界の暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)業者が米国のテキサス州に殺到している。同州が安い電力料金を売りに誘致しているためだ。代表的な仮想通貨であるビットコインの地理的な採掘シェアの6割強を中国が占めていたが、勢力図が変わる可能性が出てきた。
連邦債務の法的上限を引き上げるか適用停止しなければ「8月にも債務不履行に陥る可能性がある」と述べ、議会に法案の早期可決を促した。
債務上限の適用は現在停止されているが、この特別措置は7月31日に失効する。それ以降は、国債の新規発行ができず、財務省は債務を返済できなくなるリスクがある。
米エネルギー情報局(EIA)が23日午前に発表した週間の石油在庫統計で原油在庫が5週続けて減り、減少幅は市場予想を大きく上回った。米国の需給状況を映すオクラホマ州クッシングの原油在庫は昨年3月以来の水準に減った。米経済活動の正常化や夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要の増加で一段の在庫減が見込まれた。
買い一巡後は利益確定売りが出て、伸び悩んだ。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国から成る「OPECプラス」が7月1日に予定する会合で、協調減産の一段の縮小を検討する見通しと報じられたのも相場の重荷だった。
ユーロ圏の6月の購買担当者景気指数(PMI、総合)は速報値で59.2と、金融危機前の2006年6月以来、15年ぶりの高水準となった。経済再開の動きが強まり、製造業からサービス業まで幅広い範囲で需要が急回復しているためだ。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済が過去15年なかった速度で急拡大している」と指摘。2四半期連続でマイナス成長だった域内総生産(GDP)が4~6月に「めざましい拡大」となり、7~9月は「さらに強い成長」になるという見通しを示した。
企業間の売掛債権を扱う「サプライチェーンファイナンス(SCF)」の情報開示ルールを、会計基準策定の議題に加えることを決めた。利用実態が分かりにくいとの指摘が出ており、投資家に役立つ財務開示のあり方を今後検討する。
「最近のデータの多くは私の予想以上に力強かった。国内総生産(GDP)はより力強い軌道にあり、インフレ率も高めで、われわれの目標をかなり上回っていると認識している」「最近のデータが示す上方向へのサプライズを考慮し、米金融当局の最初の動きに関する自分の予測を2022年終盤へと前倒しした」「2023年には2回の動きがあると考えている」「向こう数カ月の状況が、最近目の当たりにしたものに匹敵する水準であることが示されれば、目安は達成していることになると思われる。それが明確な可能性であることを踏まえると、資産購入のテーパリング(段階的縮小)開始を計画していくことが十分に適切だと考える」と語った。
「経済は想定より早く、比較的早い時期に一段と顕著な進展を遂げると私は考えている。またパンデミックも乗り越えつつあることから、リスク管理の点から見て、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の購入を調整し始めた方が良い状況になると考えられる」
カプラン総裁はまた、インフレ率が今年と来年に2%を上回り、失業率は4%を下回るとして、2022年の利上げ開始を予想した。
「今は好機の雪崩とでもいえる状況だ。来年に増税が実施される可能性があり、同じ資産の売却で税金がずっと高くなる前に売ってしまいたいとの考えが広がっている」と指摘。「この動きが当社に多くの好機をもたらしている。われわれにとって必要なのは慎重を期すとともに、成長に向けた極めて刺激的な計画を常に持ち続けることだ」と語った。
●市況
日経先物(大証)28770、ダウ先33805、債先151.66、米1.485、独▲0.1775、仏0.155、西0.450、伊0.896、原油73.25、ドル円110.97、墨ペソ20.19、トルコリラ8.6384、墨CDS99
※6/24 8時05分頃
備忘録(6/22)
●雑感
カニとオークラの記事は日本が相対的に貧しくなっていることを物語っているな。
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
「2023年3月期までの3年間で化石燃料以外の分野に2000億円を投資する」と明らかにした。同社は同時期までに利益増や資産売却などで計8000億円のキャッシュを創出する計画。このうち約4分の1を高機能材や再生可能エネルギーなどに充てることで、脱炭素社会の中でも成長を目指す。
7月1~21日の当初計画比の運航率は77.5%となり、6月1~21日の60.2%から大幅に上昇する。
コロナ影響で鉄道利用も低調ななか深沢祐二社長は「一層の危機感を持って対応する。収益力の向上と構造改革に取り組み、まずは2021年度の黒字化を目指す」と語った。株主からはコロナ対応や五輪関連などの質問が上がった。
ボストンを拠点とするピア社はアルコール依存症など物質使用障害や、薬物などの乱用に伴う精神疾患である統合失調症の治療を目的としたアプリを開発している。ソフトバンクGのビジョン・ファンド2号は20年12月、ピア社による8000万ドルの資金調達を主導した。
ピア社の22日夜の発表によれば、同社は米ナスダック上場のSPAC企業と合併する。企業価値は約16億ドル(約1800億円)で、2021年下期中にも統合完了の見通し。
専門家で構成する諮問委員会がこの薬の承認を勧めなかったにもかかわらず、FDAが承認に踏み切ったことが問題視されている。同局の幹部に辞任を求める声も出始めた。
FDAの幹部は退職後、製薬企業の顧問などに「天下り」する例が多く、そうした慣行は過去にも問題視されてきた。「今回の当局(の新薬承認)の動きで最も利益を享受するのはバイオジェンとその株主だ」(カローム氏)と患者より製薬業界寄りの判断だったと見る向きもある。今回の承認をきっかけに当局と製薬業界との距離を問う声も再燃している。
●その他産業
米アルファベット傘下のグーグルを競争法(独占禁止法)違反の疑いで正式な調査を始めたと発表した。グーグルがデジタル広告のデータ利用を制限し、競争をゆがめた懸念がある。
022年3月期の連結純利益が前期比75%増の1900億円になる見通しだと発表した。従来予想を1550億円上回り2期連続の最高益となる。コンテナ船の荷動きや運賃市況が当初の想定を大きく上回っており、利益を押し上げる。商船三井も21日に上方修正を発表済みで、22日は海運株が軒並み急騰した。
川崎汽船や日本郵船、商船三井が共同出資するコンテナ船事業会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の持ち分法投資損益が回復。経常利益が2.2倍の2000億円と従来予想を1550億円上回る。7~9月期には米国のクリスマスシーズンに向けた輸送のピークを迎え、運賃は高止まりする可能性が高い。
市場が関心を寄せるのが、24日(日本時間25日)に発表予定の次世代Windows(ウィンドウズ)だ。米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が高まりハイテク株への逆風が見込まれる中でも、株価は好調を保っている。
取引後、野村HDのNRI所有株式数は約1億5984万株となり、発行済み株式総数に対する割合は27.1%となった
実績は振るわないだろうと販売事業者はみている。出荷コスト増加と広告料上昇、少ない在庫が原因だという。
新型コロナウイルス禍の長引く影響に世界が苦慮する中、21日から2日間にわたり毎年恒例の同イベントが行われる。スエズ運河での座礁事故や感染拡大に伴う中国主要2港での物流停滞といった供給網の混乱がコストを押し上げ、アマゾンの出品業者は利益の薄い同セールで売り過ぎないよう用心している。また、クリスマス商戦期まで出荷遅延が続いた場合に備え、在庫を出し渋っている業者も多い。
それでもなおアマゾンのオンライン販売の6割を占める出品業者らは、裕福な消費者があまりお値打ちでなくてもプライムデーに押し寄せると期待している。調査会社イーマーケターの試算によれば、2日間の米オンライン支出は計122億ドル(約1兆3500億円)となる見込み(昨年の支出は104億ドルだったが、コロナ禍の影響で実施時期が10月に延期されたため、比較は困難)。
HSBCホールディングスやスタンダードチャータードなどグローバル銀行は、 中国本土と香港の間で金融投資商品を相互に取引できる新たな制度を活用するため、人員採用を拡大している。
この相互取引制度「理財通(ウェルス・マネジメント・コネクト)」によって、深圳など中国南部9都市の銀行の顧客は、境界を越えて香港に投資できるようになるほか、香港から本土への投資も可能となる。
理財通は今年後半に開始する予定で、ブルームバーグ・インテリジェンスの試算によると、グローバル銀行および中国の銀行に年間30億元(約510億円)の手数料を獲得する可能性が開ける。
●決算関連
●マクロ・その他
世界で需要が盛り上がりズワイガニの国際価格はこの10年で2.5倍に高騰した。だが顧客である小売りや外食の安値志向は強い。つり上がる価格に応札できず、同社のカニ全体の輸入量は9年で6割減った。
2010年代前半、資源や食料を中国などの新興国が大量に買い付け日本の「買い負け」が騒がれた。
5月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比65.2%増だった。新型コロナウイルス感染拡大で前年に休業や時短営業が広がっていた反動で大幅なプラスとなった。ただ、2019年比では43.1%減だった。休業要請は解除されたが、消費の先行きは不透明で、売り上げの回復は見通せない状況が続いている。
6月1~16日は前年同期比0.5%増とほぼ横ばいだが、19年比では25%減った。「ワクチン接種が一段と加速して消費環境が好転することを期待する」(日本百貨店協会)という。
5月の中古住宅販売件数(季節調整済みの年率換算)は580万戸と前月から0.9%減った。4カ月連続の減少だが、市場予測(573万戸程度)はやや上回った。
販売価格(中央値)は35万300ドル(約3870万円)で前年同月比23.6%値上がりした。価格、伸び率のいずれも過去最高を更新した。強い需要に対して物件不足が続いていおり、価格が上がり続けている。NARのエコノミストは「手ごろな物件が少なくなり、初めて住宅購入を考えている人の一部は市場から閉め出されている」と指摘した。
販売件数に占める初めての住宅購入者の比率は31%で前年同月から3ポイント低下した。一方、住宅ローンを組まず現金で購入することが多い投資家や2軒目の住宅購入者は17%で3ポイント上昇した。NARのエコノミストは「新型コロナコロナ禍で別荘への関心が高まった。企業が遠隔勤務に関して新しい方針を出す中で人気は続いている」と分析した。
1月以来の3万ドル割れとなり、一時、今年に入ってからの上昇分を全て失った。中国の暗号資産(仮想通貨)締め付け強化が響いている。
中国国内で幾つかの大手銀行が不動産開発大手の中国恒大集団への与信を制限している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同社の財務を巡り懸念が広がっている。
非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、中国恒大に対して昨年6月時点で合計460億元(約7860億円)相当の与信エクスポージャーを抱える国内銀3行はこの数カ月で、年内に満期を迎える同社向け融資の更新を見送ることを決定。これは5月末から始まった中国恒大の社債急落前に決定されたもので、行内のリスク評価の結果を踏まえた措置だという。また、これとは別の3行は中国恒大がすでに利用したクレジットライン(与信枠)の一部の借り換えは認めたが、未使用部分についてはアクセスを制限している。
中国は7月1日に共産党創建100年という重要な政治イベントを控えており、各行は中国恒大向け融資を大幅に削減すれば、国内金融システムの不安定化につながりかねないとの懸念もあり、さらに制約を設けることは控えたと関係者は話した。
一連の動きは中国恒大が直ちに流動性危機に陥る恐れがあることを示唆するわけではないが、同社が債務返済方法を探る中で、選択肢が狭まりつつあることを示している。
5月末に約24億ドル(約2600億円)の支払い期日を迎えていた日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)に対する債務について、2022年3月末まで交渉を継続することで合意したと発表した。アルゼンチン政府は年利9%という負担が重く、見直しが必要だと主張。返済を拒否し、60日間の利払い猶予期間(グレースピリオド)中だった。10度目のデフォルト(債務不履行)は回避したが、外交筋は「完全にデフォルトのリスクがなくなったわけではない」と指摘する。
パリクラブはアルゼンチンが先進国への債務返済を拒否しながら、中国への返済を優先していることを問題視してきた。
同国にとって最大の債権者である国際通貨基金(IMF)との450億ドル規模にのぼる債務再編交渉での合意を求めている。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてIMFは柔軟化の兆しを見せているものの、隔たりは大きく、合意できるかは不透明だ。
政策金利を0.3%引き上げ年0.9%とした。インフレ懸念が強まっているためで、利上げは2011年12月以来約10年ぶりとなる。ロイター通信によると、新型コロナウイルスの感染拡大後に欧州連合(EU)加盟国で利上げに踏み切ったのは初めて。
中銀は声明で「国内経済の急速な再開で一時的に再燃した需給逼迫や、賃金上昇などで、インフレのリスクが高まっている」と説明.。同国の5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇し、ハンガリー中銀が目標とする2~4%を大きく超えていた。燃料や食料価格が値上がりしている。
新型コロナワクチンの普及で景気回復の勢いも増している。英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」によると、人口100人あたりの接種回数は6月上旬時点でハンガリーは約96回と、EU平均(約60回)を大きく上回る。ハンガリー中銀は21年の経済成長率を6.2%と予想する。
下院特別小委員会の公聴会で証言。冒頭証言後の質疑応答で、「インフレのオーバーシュートのかなりの部分もしくは恐らく全てが、中古の乗用車やトラックといった経済活動再開で直接影響を受ける分野で生じている」と指摘。「これらは上昇が止まり、いずれ鈍化し始めるとわれわれが予想する項目だ」と述べた。
一方で、自身のこのような見解には不確実性があることも認めた。議長は「そうした影響はわれわれの想定より大きい。また、考えていたよりも根強く残ることになる可能性はある」と語った。
米国や中国、ブラジル、インドなどでは、上位1%の最富裕層の持つ富が全体に占める割合は大きく拡大したことが、クレディ・スイス・グループのリポートで明らかになった。新型コロナの経済への影響を抑制する取り組みが寄与したという。
クレディ・スイスが22日公表したグローバル・ウェルス・リポートによれば、ブラジルでは昨年に最富裕層の富が占める割合が2.7%拡大し、国全体の富のほぼ半分を占めた。これは、クレディ・スイスがリポートで取り上げた10カ国の中で最大。
今回のリポートは世界全体における富裕層の資産急増とともに、格差の拡大も浮き彫りにしている。ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、世界の最富裕層500人の純資産は昨年、合計で1兆8000億ドル(約200兆円)増加した。
●市況
日経先物(大証)28900、ダウ先33877、債先151.70、米1.462、独▲0.1645、仏0.166、西0.457、伊0.900、原油72.98、ドル円110.72、墨ペソ20.34、トルコリラ8.6580、墨CDS99
※6/23 9時55分頃
備忘録(6/21)
●雑感
航空は国内線フル回復として国際線はどのくらいの回復を当面の見通しとすれば良いのか…
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
カーボンプライシング(CP)を巡り、環境省が21日開いた有識者会議で排出1トンに約1万円の炭素税をかけても税収を省エネ投資に回せば経済成長を阻害しないとの試算が示された。強制的な措置で企業に排出削減を促す狙い。経済産業省は過度な負担は成長を阻みかねないと慎重な立場で、今後、政府内で調整を進める。
価値総合研究所の試算では、税額を1万円上乗せしても、税収の半分を企業の省エネ設備投資の補助に還元すれば、税額を据え置くよりも30年の実質GDPが大きくなった。
環境省は炭素税のほか、企業に排出枠上限を設けて不足分を売買する排出量取引も含め、強制的に削減を求める制度をめざす。省エネが進めば中長期でエネルギー購入費用などが減るうえ、脱炭素技術の輸出などで経済成長につながるとみる。今回の試算もCPが「経済成長に資する」ことの論拠の一つとする。
導入する場合、対象の業種や企業規模、減免や還付措置なども論点になる。企業や家庭は石油石炭税や揮発油税もすでに負担している。再生可能エネルギーの導入を促す固定価格買い取り制度(FIT)による負担もある。既存制度との整理も必要になる。
自動車部品の売上高比率が5割以上を占める上場会員企業について、開示済みの21年度業績予想を調べた。合計の売上高は11%増の22兆1738億円、営業利益は75%増の1兆2891億円となる見通し。売上高と営業利益がいずれも前年度より増加すると見込む企業は46社中45社に上った。
足元では半導体不足が響き、自動車メーカーは工場の稼働停止や生産調整を余儀なくされている。部工会の尾堂真一会長(日本特殊陶業会長)は同日の記者会見で「取引している自動車メーカーによって影響の度合いは違うが、情報収集に努め、会員企業に知らせていく」と述べた。
5月の日本発の航空貨物輸出量は前年同月比86%増の8万8292トンと6カ月連続で前年を上回った。2020年5月は新型コロナウイルス禍で最も輸出が落ち込んだ時期で、その反動が表れた。前月比では2割減ったが、足元では再び船の荷物が航空に流入しており、依然として輸送スペースの逼迫が続いている。
輸出量はコロナ禍前の19年5月と比べると15%多く、需要は旺盛だ。方面別では米国向けが2.7倍、中国が1.7倍、ドイツが1.9倍となるなど、全ての国・地域向けで前年を上回った。新型コロナの変異株がまん延するインドも3.2倍で、物流は通常通り動いているようだ。
さらに6月に入ってコンテナ船の混雑が深刻になっており、船からの貨物流入が再び増えつつある。航空貨物の需要と供給のミスマッチの解消にはまだ時間がかかりそうだ。
アメリカン航空は19~20日の週末、乗務員が足りなくなるなどして約300便をキャンセルした。ユナイテッド航空もパイロット不足に懸念を示す。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、足元で急回復する需要に人手が追いつかない。
失業状態からの復帰が決まり、訓練を受けている女性乗務員は「既に7月のフライトスケジュールが入っている。同僚も一斉に戻ってくるだろう」と話す。
アメリカンが週末の2日間に欠航とした便数は2日間全体の6%程度に当たり、7月半ばまでにさらに数百便を減らす見通しだ。同期間にキャンセルする便数は1%に相当する。
米運輸保安局(TSA)によると、19~20日の米国内空港の通過人数は1日当たり約200万人となり、19年の同期比で2割減の水準まで回復した。20年の同時期は19年比8割減だった。人々が国内旅行に出かけるようになり、飛行機の利用が急回復している。
ある航空大手の客室乗務員は「無給休暇中により良い条件の仕事に就いた人は戻らず、自主退職募集の好条件を機にリタイアした人もいる」と話す。
米ウィーワークは4月と5月、約2年ぶりの堅調な業績となった。新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種率が上昇し、オフィスで仕事をする人が増え始めたことが背景。
両月はデスクの新規契約数からキャンセル数を差し引いた数値が2019年9月以来の高水準となった。
コロナ前に70%を超えていたオフィス占有率は昨年終盤に47%に落ち込んだが、今年5月末時点では53%に持ち直した。また拠点数を減らす取り組みを続け、4月と5月には17の物件から撤退したほか、別の51物件については一層の経費削減のためにリース契約を再交渉した。
●その他産業
6月4日に付けた年初来高値から足元までに15%下落し、約4カ月ぶりの安値を付けている。これまで世界景気の回復で建機需要の拡大を期待した買いが入っていたが、バイデン米大統領が掲げるインフラ投資計画の規模が縮小するとの懸念から売りが膨らんでいる。
●決算関連
●マクロ・その他
講演で、量的緩和の柱である国債など資産購入規模の縮小(テーパリング)に関し「調整を早めに始める方が現在の状況からみて健全だろう」と述べた。カプラン氏は大規模な金融緩和の縮小に前向きな「タカ派」で知られる。
米国のイラン核合意復帰の条件として関連する対イラン制裁の全面解除を要求した。米国との直接対話についても否定し、穏健派のロウハニ政権とは異なる強硬路線を鮮明にした。
ライシ師は核合意そのものは維持する立場だ。ウラン濃縮レベルの引き上げなどイランに課された義務からの逸脱も「合法的な対応だ」と主張した。「すべての制裁を解除するのは米国の義務だ」とも述べ、部分的な解除は受け入れられないと強調した。制裁解除の「検証」にも言及し、外国企業のイランビジネス再開や国際金融決済の復活といった実質的な効果を求めた。
イランによるミサイル開発抑制などの要素を核合意に新たに付け加えようとする動きについても「核合意から離脱した米国が、なぜイランに要求をするのか」と述べた。仲介役である欧州の対応について「米国の立場ばかりを擁護している」と批判した。
一方で長期の戦略連携で合意した中国との関係については「大きな力があり、それを行使してほしい」と支援に期待をにじませた。
直近1週間での利回り差の縮小は0.2%ほど。SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストによると「過去30年間でわずか4回しか事例がない現象」だ。今回は政策変更していないのに「2000年1月の利上げ決定直後など政策変更を実施したタイミングで起きた」ほどの値動きが生じた。
市場関係者の見方も差が大きくなってきた。ヘッジファンドなど投機筋は金利低下を主導している。米商品先物取引委員会(CFTC)が6月上旬に公表した統計によると、投機筋による米10年物国債の買越残高は17万3420枚(枚は取引単位)と17年10月以来の高水準になった。うち、買い持ち高だけでみると98万3294枚と統計で遡れる01年以降で最大規模に膨らんでいる。
英企業の間で景気回復を楽観視する見方が広がっている。英産業連盟(CBI)は、同国の国内総生産(GDP)が2021年末までにコロナ禍以前の水準に戻ると予想する。以前の予想に比べて丸一年早い回復になる。
収入が増えつつあり、幾つかの銀行は数年間の赤字から脱するなど傾向としては期待を持てるが、昨年のさえない数字はウォール街企業が中国で大きな利益を上げるにはさらなる時間と人材、より大きな投資が必要になることを示唆している。
中国の金融サービス市場の規模は54兆ドルと、投資銀行大手にとってこれに勝る機会はない。中国政府は、外資系企業が国内証券会社との合弁会社について完全な支配権を確保できるよう段階的に規制緩和を進め、独自の資産運用会社を設立することも認めた。
ただ、支配権の確保は利益増につながっていないことが多く、中信証券や海通証券など国内勢と比べると存在感は依然として小さい。中国の外資系合弁ではUBSのものが最大だが、中国証券業協会のデータによると、中国の証券会社120社余りの中で資産ベースで89位にとどまっている。
30年物米国債利回りはアジア時間に2月以来の2%割れとなった。インフレ期待と金利見通しの差を示す5年物と30年物の利回り格差は昨年8月以来の小ささとなった。英国債の同スプレッドも昨年12月以来の小ささ。ニューヨーク時間午前6時30分現在、米30年債利回りは2.03%、英30年債は1.2%。
インフレについて「経済が驚くほど急速に開放されたことによる一時的な影響がほとんどだ」と指摘し、「物価上昇率は2021年の約3%から、22、23年には2%近くまで下がると予想してる」と語った。
就業者が新型コロナウイルス危機の前の水準を700万あまり下回っていることを挙げ「完全な状態に戻るにはまだ長い道のりがあることを強調したい」と述べた。国債など資産購入規模の縮小については「FOMCは雇用とインフレの目標に向けてさらに大幅な進展があるまで現在の資産購入ペースを維持するとしている」と説明した。
業界最大手の数社はロックダウンやソーシャルディスタンス(社会的距離)確保の導入で売り込まれた銘柄を買い増しした。ホテルやカジノ、クルーズ船、外食チェーン、テーマパークなど、米国のコロナ禍が落ち着けば人々の利用が再び見込まれるような銘柄だ。
日本では格付けが投資適格に満たないハイイールド債市場がなかなか発展しない。発行体格付けが投資適格から投機的等級に下がったエイチ・アイ・エスも発行に消極的な姿勢を示す。
同社IR室長の梅本智氏は電話取材で、リファイナンスでの社債発行の優先順位は「一番低い」と述べた。「BB」格では社債発行時に投資家が求める利回り水準が相当高くなるため、銀行から借り入れた方が金利負担を抑えられるとみており、「社債発行は『BBB』に戻ってから検討したい」という。
●市況
日経先物(大証)28520、ダウ先33757、債先151.72、米1.477、独▲0.1735、仏0.163、西0.452、伊0.878、原油72.92、ドル円110.27、墨ペソ20.53、トルコリラ8.7948、墨CDS95
※6/22 9時55分頃
備忘録(6/18-20)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
リオデジャネイロで創業のVTEXはナスダック上場の可能性を巡り、JPモルガン・チェースとイタウBBA銀行などを起用した。関係者は部外秘情報だとして匿名を条件に話した。IPOの規模とタイミングはまだ協議中で、上場に至らない可能性も残るという。
2000年創設のVTEXはソニーグループやウォルマート、ワールプール、コカ・コーラ 、ABインベブ、ネスレなどの企業向けに32カ国以上のオンラインストアにサービスを提供している。昨年9月の資金調達では企業価値は17億ドル(約1900億円)と評価されており、タイガー・グローバル・マネジメントやローン・パイン・キャピタル、コンステレーション、ソフトバンクGなどの投資家から資金を集めていた。
製造過程で二酸化炭素(CO2)を出さない「グリーン水素」の製造プラントを共同開発する。電気分解に関する独自技術を使って設備投資を抑え、水素価格を1キログラム当たり330円と、現在の3分の1程度にするのを目指す。実現すれば社会全体の脱炭素を大きく後押しする。
国内自動車大手の稼ぐ力の回復に差が付いている。1台当たりの営業利益が2022年3月期に19年3月期の実績を上回るのはSUBARU(スバル)とトヨタ自動車のみ。北米での販売力に加え、コスト削減の効果で差が出る。電気自動車(EV)などの開発には投資がかさむため、新型コロナウイルス禍からの回復力は、次世代車の開発競争に影響する。
提携した新薬候補は「MORAb-202」。人間の免疫のもとになる「抗体」とがんを攻撃する化学成分を結合させる新型抗がん剤「抗体薬物複合体(ADC)」の一種で、第一三共や武田薬品工業、アステラス製薬などが実用化した。エーザイは2015年から開発を始めていた。
現在は初期の臨床試験(治験)を日本と米国で進めている。子宮内膜がん、卵巣がん、肺がん、乳がんを含む患者に対して投与しており、一部の患者ではがん細胞を攻撃する効果がみられたという。今後はBMSと共同開発へ移行し、早ければ22年にも最終段階の治験へ進む予定だ。
今回、エーザイの開発品が共同開発・販売に移行するのに伴い契約一時金として6億5000万ドルを受け取る。共同で進める治験の結果が良好だったり、各国当局からの承認を得たり、開発後に一定の販売目標を達成したりするなど段階ごとにエーザイはBMSから収入を得る。最大で24億5000万ドルになる見込み。日本、中国、米国、欧州などの製品販売の利益の配分については開示していないが、一定の割合で分ける。
SBG会長兼社長の孫正義氏個人との融資関係を解消し、SBGとの取引も縮小したと報じた。SBG傘下の「ビジョン・ファンド」の投資先だった英金融会社グリーンシル・キャピタルが3月に経営破綻し、グリーンシルと提携して運用していたファンドでクレディ・スイスが損失を受けたためという。
金融当局への提出文書によると、2月時点では取引のある金融機関のなかでも最大規模の約30億ドル(約3300億円)分を担保としてクレディ・スイスに差し入れていた。もっとも、5月時点ではクレディ・スイスへの担保提供がゼロになった。
クレディ・スイスを巡ってはグリーンシル破綻を受けて、SBGへの訴訟を検討しているとも報じられている。グリーンシル問題が、孫氏個人との取引にも影響を与えたとみられる。
●その他産業
経済産業省は高速通信規格「5G」の性能をさらに高めた「ポスト5G」向けの半導体開発のため、キオクシアとソシオネクスト(横浜市)に計100億円を拠出する。工場のセンサーなどから集めた膨大なデータを記憶する大容量の半導体メモリーの開発を後押しする。政府は重要性が高まる先端半導体を国内で製造する体制づくりを急いでいる。
譲渡完了は2023年前半を予定している。売却で総額30億ドル(約3300億円)規模の損失が生じ、大半を22年12月期に計上する見通しだ。仏リテール事業は20年末時点で244支店を展開し、約80万人の顧客がいる。収益性が低く事業規模がグローバル戦略に沿わないとみて、19年から売却を模索していた。20年12月期のフランス全体の税引き前損益は11億ドルの赤字だった。リテールは切り離すが大企業向けや資産運用、保険などの事業は維持する。米リテール撤退に続いて不振事業の整理に区切りを付け、アジアや富裕層ビジネスに経営資源を集中する。
英半導体設計会社アームを買収する計画が当局に承認されるとの楽観が強まっている。
●決算関連
●マクロ・その他
2021年のM&Aの実行額は6月中旬時点で2兆ドルを超え、20年1~6月の2.3倍に達した。企業は新型コロナウイルス禍からの経済再開を見据え、さらに加速するデジタル化や世界的な投資テーマである脱炭素分野を中心に事業を組み替えている。これまでの金融緩和であふれたマネーが流入している。
一昔前に「謎」と呼ばれた現象が米国債市場で起きている。金融緩和の修正が意識されているのに、長期金利が上がりづらくなっているのだ。金利を抑えているのは海外マネー。0%前後の利回りで停滞する日欧の国債を避け、米国債市場へ流入している。金融政策の正常化を進めても、資産価格高騰への懸念を解消できない可能性がある。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表された16日。米10年債利回りは発表前後に1.49%台から1.59%台へ上昇した。ところが17~18日には10年債利回りは特段の材料もないまま1.43%台へスルスルと下がった。30年債にいたっては2.00%と約4カ月ぶりの水準に低下した。「短期的な米国債の発行減が理由では」(国際金融協会)などと諸説が飛び交う。
債券トレーダーは、最近の資金の流れに注目する。海外など中長期の投資家からの注文が継続しているという。
日本の財務省によれば国内投資家は5月30日から6月12日の2週間で海外の中長期債を1兆円以上買い越した。多くは米国債とみられている。
今後数年の金融政策の影響を受けやすい5年債の金利は上昇傾向にあるのに対し、10年債や30年債は海外の需要が根強く、金利は上がりづらくなっている。フラットニング(利回り曲線の平たん化)という現象だ。
似た現象は00年代半ばにも起きていた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを進めても長期金利は上がらず、06年には政策金利と10年債金利が5%台でならんだ。当時FRB議長だったグリーンスパン氏は「コナンドラム(謎)」と呼んだ。
当時は中国など新興国の貯蓄が米国債に向かい米長期債の金利上昇を抑えた。今は先進国も含めた世界がカネ余りだ。新型コロナウイルス後の経済回復でリードする米国に資金は集まりやすい。
FRBの資産購入の縮小(テーパリング)が実際に始まるのは22年初めからとみられている。その頃には政府の危機対応の財政出動も弱まるため、FRBの購入減は国債発行の減額である程度相殺される見込み。こうした需給構図が見えているから足元の金利も上がりにくくなっている。
暗号資産の乱高下や住宅価格の高騰など低金利の副作用ともいえる現象は広がっている。米金利が上がらない「謎」は資産価格を支えると同時に、バブルのリスクを蓄積している可能性もある。
新型コロナウイルスによる同国の死者が19日、50万800人となった。米ジョンズ・ホプキンス大によると、50万人を超えたのは米国に次ぎ2カ国目。感染者は約1800万人で米国、インドに次ぎ世界で3番目に多い。
3月から4月にかけ感染が急増したことで、各自治体が経済活動制限などを行ったが、感染者・死者は再び増えている。18日の1日当たり感染者は10万人近くに上り、19日も8万人超。新型コロナの脅威を軽視し国としての対策をとらないボルソナロ大統領に対する抗議デモが19日、20以上の都市で行われた。
イスラエルでは約60%が、米国では約44%がワクチン接種を完全に終えた。ブラジルでは約11%にとどまる。
鉱物資源などの国際商品価格が2020年半ばから急上昇している。需要の急回復に加えて鉱山操業や物流の停滞が足元の需給を逼迫させた。短期的な要因が資源高をけん引するが、上昇は一過性にとどまらないとの見方も出ている。投資抑制や脱炭素をにらんだ需要増といった中長期の構造要因がある。
ウッドショックが挨拶代わりになるころに、急騰していた木材価格が一転して急落した。6月16日の木材価格は1000ボードフィート当たり1000ドルを割った。5月7日につけた高値1670ドルから1カ月あまりで4割強下落した。どこかで見た光景だ。暗号資産(仮想通貨)のビットコインも、いったん6万ドル台に乗せた後、急落している。
6月に入り共和党系の州は相次いで上乗せを廃止している。6月26日にはテキサス、フロリダ、オハイオ、ジョージアなど人口の多い州で廃止する。こうした措置が職場復帰を促すようなら、労働力の供給が増え、賃金の上昇にも一定の歯止めがかかるという。
コロナ禍での一方的な財政支出がなくなる点に注目すれば、財政はむしろ引き締め気味となる。22年は米経済が「財政の崖」に直面する、というエコノミストさえいるほど。いずれにせよ財政のバラマキが弱まる分だけ、インフレ懸念も弱まるというわけである。
大統領選で保守強硬派として知られるイブラヒム・ライシ司法府代表(60)が当選したと発表した。任期は4年で、8月に就任する。保守強硬派による政権は8年ぶりとなる。
ライシ師は全体の約62%の票を得た。今回の選挙では、最高指導者ハメネイ師の影響力が強い護憲評議会が事前審査で改革派や穏健派の有力対抗馬を失格としたため、ライシ師の大勝が予想されていた。体制への支持度を映す投票率は約49%で、前回の73%から大きく落ち込み過去最低となった。
反米色が強いライシ政権の誕生により、制裁解除につながる米欧などとの核合意の再建交渉はいっそう難しくなる可能性がある。
ソフトバンクグループは21日、6年ぶりの発行規模となる個人向け劣後債を発行する。国内企業の劣後債を組み入れた投資信託の純資産額は年初から3倍弱に増えた。利回りの高さを求める個人の動きが強まっており、過熱感も出ている。
ものづくり企業が集積する中国南部の広東省が異例の電力不足に見舞われている。少雨や石炭の価格上昇で計画通りの発電ができないうえ、内陸部の急速な工業化に伴って電力需要が増加していることが要因となっている。電力の使用制限も導入されており、企業からは長期化することに懸念の声が出ている。
中国ウオッチャーは景気循環の指標として、国内総生産(GDP)に対する新規貸し出しの伸びを示す「クレジットインパルス」に注目する。国内の不動産開発企業やメーカー、地方政府は新規の借り入れをてこに投資を進め、雇用や工業用製品・商品の輸入需要を後押ししてきた。
中国当局がコロナ対応策の段階的縮小を探る中で、同国のクレジットインパルスは昨年終盤にピークを打ち、それ以降は低下傾向にある。しかし、これが国内経済の減速を必ずしも意味するわけではない理由を幾つか挙げる。
民間企業は一般的に同じセクター内の国有企業に比べて効率性が高いため、民間投資は中国経済の生産力をより大きく高めることにつながることから、この点は非常に重要だ。
中国経済の軸足はこの10年で重工業・投資から「ニューエコノミー」と呼ばれるサービス業・テクノロジーセクターへと移ってきた。中国のGDPに占めるサービス業の割合は昨年、約55%と10年前の45%から上昇した。
サービス企業は設備など固定資産への投資が比較的少額で済むのが普通だ。多くの国・地域と同様にオンラインに移行するサービスは増えており、コロナ禍でデジタルシフトが加速していることを示す証拠もある。
中国企業は新株発行や内部留保の活用など公式の与信指標には表れない方法で事業を拡大することも可能だ。PwCによると、中国本土の証券取引所への上場で調達した資金は昨年、前年からほぼ倍増した。
バーリ氏は「すべての喧伝や臆測は、空前の暴落の前に個人投資家を巻き込むだけだ」などとツイート。こうした投稿は後に削除された。仮想通貨やミーム銘柄が急落すれば、「メインストリートの損失は国家サイズに近づくだろう。歴史は変わらない」とも書き込んだ。
●市況
日経先物(大証)28500、ダウ先33072、債先151.69、米1.443、独▲0.2020、仏0.159、西0.457、伊0.871、原油71.29、ドル円110.24、墨ペソ20.67、トルコリラ8.7441、墨CDS95
※6/18 NY引け値
備忘録(6/17)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
使用済み食用油などを原料とする「持続可能な航空燃料(SAF)」と呼ばれる代替燃料の価格が使用段階で従来のジェット燃料並みとなるよう政府に対して働きかけていきたいと述べた。現時点では従来品との価格差は1.5-2倍から最大で10倍程度まであるという。
同社は16日、2025年までにプラグイン型EVモデルやバッテリー工場に350億ドル(約3兆8500億円)を投じると発表し、投資額を従来の計画から30%引き上げた。
●その他産業
米ダナハーは、生物学的製剤を手掛ける非公開会社の米アルデブロンを現金96億ドル(約1兆600億円)で買収することで同社と合意した。
ノースダコタ州ファーゴを本拠とするアルデブロンは研究や臨床・商業的応用向けにプラスミドDNAやメッセンジャーRNA(mRNA)、タンパク質を製造する。従業員数は約600人。mRNA技術は米ファイザーとモデルナの新型コロナウイルスワクチン製造において利用された技術で、科学者らは他の病気への活用に向けて研究を加速させつつある。
安川電機やハーモニック・ドライブ・システムズなど、工場自動化(FA)機器大手が中期経営計画の目標を相次ぎ引き下げた。中国の自動化需要を追い風に足元の業績は好調だが、米中摩擦や先行発注による需要先食いで需要が急減した2017~18年の好調期の再現を不安視する。控えめなFA各社の業績見通しで株価は軟調になっている。
パソコン・プリンターの米HP株が下落している。5月に付けた年初来高値から直近までに18%下落し、約3カ月ぶりの安値を付けている。新型コロナウイルス禍による在宅勤務の広がりで増えたPC需要は、半導体不足の影響を受けて5~7月は伸び悩むとの懸念が広がっている。
米プラット&ホイットニー(P&W)製のエンジンの整備を担う埼玉県鶴ケ島市に新設した航空機エンジンの整備工場を稼働する。当初は2019年度中の稼働開始を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大などを受け、延期していた。
●決算関連
3-5月(第2四半期)決算では売上高が23%増の38億4000万ドル、一部項目を除いた1株利益が3.03ドルだった。市場予想はそれぞれ37億3000万ドル、2.82ドル。売上高はクリエーティブとドキュメントクラウドを含むデジタルメディア分野が25%増の27億9000万ドルに達した。マーケティングソフトを含むデジタルエクスペリエンス分野は21%増の9億3800万ドル。
6-8月売上高は約38億8000万ドルの見通し。アナリスト予想平均は38億3000万ドルだった。一部項目を除いた1株利益は約3ドルを見込む。アナリスト予想は2.90ドル。デジタルエクスペリエンスの定額制とデジタルメディア・ソフトウエアでそれぞれ25%、22%の増収を想定している。
●マクロ・その他
前月から0.8ポイント低い30.7で、ほぼ横ばいだった。ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(30.0程度)ともほぼ一致した。
個別項目は、「新規受注」が22.2で10.3ポイント低下した。一方、「出荷」は27.2で6.2ポイント上昇した。品不足や物流の混乱で高まっていた「入荷遅延」と「受注残」は大幅に低下し、供給面での制約はやや緩和した。「雇用者数」は11.4ポイント上昇の30.7と改善した。
価格指数は上昇が続いた。「仕入れ価格」は3.9ポイント上昇の80.7で、1979年6月以来の高さとなった。82%の企業が「上昇した」と回答し、「低下した」とした企業は1%だった。「販売価格」も8.7ポイント上昇の49.7で80年10月以来の高さとなった。
欧州連合(EU)と欧州自由貿易連合(EFTA)、英国を合わせた5月の新車登録台数は前年同月比74%増の約108万台となった。ショールームが閉鎖状態だった昨年との比較であることに助けられ、ハイペースの伸びとなった。2019年5月の水準はなお25%下回った。
調査会社LMCオートモーティブは今週のリポートで、米国が「際立つ強さ」を示す一方、西欧の回復は「精彩を欠く」と指摘した。
米国と欧州連合(EU)が15日に同様の枠組みで合意し、米英も続いた。中国に対抗するため連携し、関係修復を優先した。
米国とEUは2004年から米ボーイング、欧州エアバスへの補助金が互いに不当だとして世界貿易機関(WTO)で争ってきた。米国は19年、英国産ウイスキーなどに25%の追加関税を課した。英国のEU離脱に伴い、米国は英国、EUと個別に交渉した。
主要な政策金利の1週間物レポ金利を年19%で据え置くと決めた。据え置きは3会合連続。
エルドアン氏が今月初旬、7~8月ごろに中銀が利下げに転じることを希望していると発言したため、市場では利下げが8月にも行われるのではないかとの見方が出ている。ただ、足元の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比16%台、卸売物価指数(PPI)は同38%台に達しており、拙速な利下げはさらにインフレを悪化させる恐れがある。
新規申請件数は41万2000件で、前週の改定値から3万7000件増加した。7週ぶりの増加で4週ぶりの高水準となり、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(36万件程度)を上回った。
英調査会社ETFGIは16日、世界の運用残高が5月末時点で9兆2100億ドル(約1010兆円)となり、初めて9兆ドルを超えたと発表した。株式型ETFへの資金流入が活発で、5月は債券型や商品型のETFも流入超だった。金融緩和で膨らむ投資マネーの受け皿として存在感を高めている。
5月の流出入動向を資産別にみると、株式型は630億ドル、国債や社債などで運用する債券型は206億ドルのそれぞれ流入超だった。商品型ETFは38億ドルの流入超(4月は9億ドルの流出超)に転じた。「経済再開とそれに伴う物価上昇を意識して商品型にも物色の裾野が広がった。株式型の高値警戒もあり、債券型に資金を移す動きも一部で出ている」
2021年の年間の実質経済成長率見通しを、3月予測の前年比4.53%増から5.08%増に上方修正した。上方修正は今年2度目。半導体を中心に民間の設備投資が活発で、輸出も過去最高水準が続いている。政策金利は現行の1.125%に5会合連続で据え置いた。
中銀総裁は、「確かに台湾では新型コロナウイルスの感染が深刻化し、個人消費に影響を与えている。だが、世界経済の回復が続いており、輸出と民間投資が台湾経済の成長を着実に支えていく」と述べた。台湾での感染者急増は「輸出や民間投資には影響しない」と語った。
世界的な成長加速や新型コロナウイルス対策に伴うロックダウン(都市封鎖)の終了が景気回復にとって予想以上に良好な追い風となっている。今回の見通しは政府が調査するデータの最新版を使ったモデルに基づき算出されたという。
●市況
日経先物(大証)29040、ダウ先33708、債先151.66、米1.521、独▲0.2005、仏0.154、西0.426、伊0.820、原油70.86、ドル円110.29、墨ペソ20.43、トルコリラ8.7226、墨CDS95
※6/18 10時00分頃
備忘録(6/16)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
新型コロナウイルスの影響で通勤、観光客などの利用が大幅に落ち込んだため。
対象となるのは管理職を含む本社に勤務する社員で、運転士など鉄道現場や支社で働く社員などは含まれない。一時帰休の場合も賃金は減額しない。これまでも業務の見直しなどを進め仕事自体減っており、雇用維持のために一時帰休の実施に踏み切る。
JR東では鉄道利用が低調で、緊急事態宣言の延長もあり5月の鉄道収入もコロナ影響のない2019年同月比で49%減と4月より悪化している。8日の定例社長会見でも深沢祐二社長は「4~6月期の鉄道収入は期初予想よりも少なくなっている」と話した。ワクチン接種の進みなどはあるが、取り巻く環境は厳しい。
チリのヘルス関連テクノロジー企業、ベターフライによる6000万ドル(約66億円)の資金調達ラウンドに参加した。
ベターフライは「インシュアテック」企業を自称している。インシュアテックは、インシュアランス(保険)とテクノロジーを組み合わせた造語だ。企業の従業員用健康プログラムに関連するデジタルプラットフォームを展開する同社は、遠隔治療やメンタルヘルス、運動プログラム、栄養アドバイス、金融教育などのサービスをプログラム参加者に提供している。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中も同社は力強い成長を遂げた。企業が従業員の健康への関心を強めたためだ。べターフライの従業員数はパンデミックが始まった頃は20人ほどだったが、今は130人で、近く150人になるという。
●その他産業
●決算関連
米オラクルの株価が15日の時間外取引で下落した。3-5月(第4四半期)の売上高が同社クラウド事業に対する投資家の高い期待を満たすには不十分だったほか、6-8月(第1四半期)の利益見通しがアナリスト予想に届かなかったことも失望された。
発表資料によれば、3-5月期の売上高は7.5%増の112億ドル(約1兆2330億円)、一部項目を除いた1株利益は1.54ドル。アナリスト予想平均は売上高110億ドル、1株利益1.31ドルだった。
カッツCEOとラリー・エリソン会長がクラウド事業への注力で売り上げ拡大を図る中、投資家の同事業に対する期待感からオラクルの株価は年初から26%上昇していた。だがオラクルはこの分野でアマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、アルファベット傘下のグーグルに大きく後れを取っている。
●マクロ・その他
5月の英国の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.1%上昇した。伸び率は4月の1.5%から高まり、BOEが金融政策の目標とする2%を上回った。
指数を押し上げたのは輸送関連で、新型コロナウイルスの流行で前年同期に燃料価格が大きく落ち込んでいた反動が出た。ガソリンなどの燃料・潤滑油は17.9%、道路輸送サービスは10.5%それぞれ上昇した。
英国では新型コロナの感染落ち着きで3月から段階的に規制緩和が進められ、消費活動の持ち直しも物価上昇につながっている。衣服・履物の上昇率は2.1%と、4月の0.1%から急拡大した。レストラン・ホテルは1.8%上昇し、伸び率が0.8ポイント広がった。
BOEは5月の金融政策報告書で、CPI上昇率は10~12月期に2.5%程度まで高まると予測した。エネルギー価格の上昇による一時的な現象だとして「中期的なインフレに与える影響はほとんどない」と静観する構えをみせている。
ただ、5月のCPIはエネルギーや食料品などを除く「コア」ベースでも2.0%上がり、伸び率が4月の1.3%から大きく高まった。インフレが想定以上に加速すれば金融緩和政策の修正に向けた議論が高まる可能性がある。
5月の住宅着工件数は、前月比3.6%増の157万2千戸(季節調整済み、年率換算値)だった。2カ月ぶりの増加だが、市場予測(163万戸程度)は下回った。先行指標である許可件数は168万1千戸で前月比3.0%減少した。
米国で企業の独占や寡占を厳しく取り締まる機運が高まってきた。バイデン大統領は15日、米連邦取引委員会(FTC)の委員長に規制強化を唱えてきた米コロンビア大学のリナ・カーン准教授(32)を指名した。米国ではIT(情報技術)に加えて製薬や食料などの分野でも寡占が進む。歴史的な競争政策の転換となる可能性がある。
イスラエル軍は16日、飛来した発火装置付きの風船への報復としてパレスチナ自治区ガザを空爆した。空爆はガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスと5月に停戦入りしてから初めてだ。発足したばかりのベネット新政権は強硬姿勢を示しており、停戦のもろさを浮き彫りにした。
経済回復が進む中国や米国向けに木材の輸出が増えている。中国向けは部品や製品を搬送する際の梱包材や住宅を囲うフェンス材に加工する丸太の需要が旺盛。輸出価格も最高値を更新した。住宅需要が堅調な米国向けには製材品の輸出が増え、単価も上昇している。世界的に木材価格が高騰するなか、海外に販路をひらく日本企業が増えている。
バハマを拠点とするヘッジファンド、ウィンクレスト・キャピタル創業者で最高投資責任者のバーバラアン・バーナード氏は、資産格差の是正やクリーンエネルギー促進などバイデン政権が掲げる政策の多くが構造的なインフレ押し上げに寄与すると指摘した。
バーナード氏によると、バイデン政権は富の分配に注力しており、一部の州で最低賃金が引き上げられれば多くの人の所得が増え、物価圧力を押し上げる。炭素税や、環境・社会・ガバナンスのイニシアチブ強化も企業のコスト増加につながる。「これら全てに加え、サプライチェーンの変化もインフレを誘発する」と同氏は述べた。
こうした背景を活用し、同氏はコモディティーの上昇を見込むポジションを取っている。ニッケルと銅を特に選好しているという。世界経済の回復を巡る楽観でコモディティー価格が全般的に上昇する中で、銅は先月に過去最高値を付けた。
FOMC参加者による今年の経済成長率予測は3月時点より上方修正された。それでもなお回復は途上であり、経済の先行きに対するリスクは残っている。
12カ月平均でみた個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は4月に3.6%に達し、落ち着くまでには今後数か月かかりそうだ。要因にはエネルギー価格の上昇のほか、経済再開で消費が持ち直し物価上昇圧力がかかっていることもある。短期的な供給制約も生じており、その影響は予想されていたものより大きかった。
FOMC参加者は物価上昇率の予測を修正した。特に変えたのは今年の予測だ。一時的な供給制約が和らげば、物価上昇率は我々の長期的な目標に向けて下がっていくだろう。経済再開の過程は、パンデミック初期の封鎖同様、前例のないものだ。再開が進むにつれ、需要動向の変化は大きく急速なものになり得るし、労働者確保の難しさなど供給制約は継続して供給量を左右しうる。
よって物価上昇率は我々が予測を上回る値が長く続きうる。金融政策の枠組みでは物価の安定と最大雇用の実現に向けた我々の能力を高めるために、期待物価上昇率が固定されることが重要だ。もし物価上昇の道筋や、長期的な期待物価上昇率が実際に、長期にわたって我々の目標を超えるような兆候があれば、金融政策の構えを調整する用意がある。
物価上昇率が2%をずっと下回るようなら、我々はしばらくの間、2%を適度に超えるように目標を定めるだろう。雇用と物価目標が達成されるまで、我々は緩和姿勢を維持する。多くの参加者はこうした好ましい経済環境が過去の予測より早く実現できると考えている。政策金利の予測の中央値は23年に下限を上回る形となった。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置くことを決定した。一方で2023年末までに2回の利上げを見込んでいることを示唆し、経済が回復する中で利上げ開始時期が前倒しされる可能性が示された。
声明と同時に公表された四半期ごとの経済予測では、FOMC参加者18人のうち13人が23年末までに少なくとも1回の利上げがあると予想。こうした予想を示したのは3月時点では7人だった。また11人は、同年末までに少なくとも2回利上げがあると予想。また早ければ22年中に利上げがあると見込んだ参加者は7人おり、前回の4人から増えた。
パウエル議長は金利予測分布図(ドット・プロット)について、「ドットは大きく割り引いて捉えるべきだ」と発言。利上げに関する議論するのは「極めて時期尚早」だと述べた。
●市況
日経先物(大証)29150、ダウ先34835、債先151.87、米1.589、独▲0.2470、仏0.137、西0.443、伊0.775、原油71.48、ドル円110.76、墨ペソ20.39、トルコリラ8.6264、墨CDS95
※6/17 8時40分頃
備忘録(6/14-15)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
バイデン米大統領は14日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での同盟国の防衛を確約。15日開いた米EU(欧州連合)首脳会議では17年にわたる航空機産業への補助金を巡る紛争を終結させることで合意した。トランプ前政権下で揺らいだ米欧関係を再建し、台頭する中国への対応を急ぐ。
調達した資金は同社が水素関連事業や自動PCR検査ロボットなどにあてる。
ZHD傘下のヤフーでは会社全体の電力使用量のうち、95%をデータセンターが占めている。省エネルギーで運用できるデータセンターの建設や再生可能エネルギーの調達に資金を充てる。
市場から調達する資金で独政府の「経済安定化ファンド(WSF)」が議決権を持たない「サイレントパーティシペーション」方式で注入した公的資金の返済にあてるほか、資本構造の強化にもつなげる。増資にはWSFの承認が必要となる。
ルフトハンザは増資にあたり、24年までに営業利益に相当する調整後のEBIT(利払い・税引き前利益)が売上高に占める比率を8%とする目標も発表した。コロナ前の19年は5.6%だった。2万6000人を削減したことで、21年末までに19年に比べ17億ユーロ前後のコストを減らす見通しで、24年までに同35億ユーロを削減する。
ワクチン接種の進展などで足元の航空需要は改善している。乗客数は6月に19年の同じ月の30%になり、7月には45%、8月には55%になるとルフトハンザは予測する。足元の予約数は3~4月の週平均の2倍以上という。近距離便やレジャー便の回復が顕著だ。
タイ中央破産裁判所は15日、経営破綻したタイ国際航空の事業再生計画を承認した。タイ航空は人員削減や路線網の再編を通じて収支改善を目指す。新型コロナウイルスの影響を受けた2020年5月の破綻から1年以上が経過し、ようやく本格的な再建が始まる。
19年に約2万9000人いた従業員を、1万4000~1万5000人にほぼ半減する。保有機材は2割少ない85機程度に減らし、収益性の高い路線に集中する。債権放棄は要請せず、返済猶予を求める。
業績はコロナ前から低迷しており、非効率な経営も問題視されている。
英豪リオ・ティントなどオーストラリアやブラジルの資源メジャー3社が温暖化ガス排出削減を目指して協業する。鉱山で鉄鉱石を運搬する大型トラックの電動化に向け、重機械メーカーなどから幅広く技術を募る。「脱炭素」の機運が高まるなか資源各社への投資家の視線は厳しさを増す。競合同士も連携して、環境配慮型の経営姿勢を打ち出す。
米半導体大手クアルコムが、英半導体設計アームが上場した場合に出資する考えがあることが分かった。クリスチャーノ・アモン社長が13日付英紙テレグラフのインタビューに答えた。アモン氏は、「もしアームが将来独立するのであれば、クアルコムを含めエコシステム内にある多くの企業がアームへの出資に興味を持つと思う」と述べた。
英国や欧州連合(EU)などの競争当局が、業界の競争環境が保たれるかどうかなどを調べており、各当局の承認が買収成立の条件となる。クアルコムなどの競合企業は、エヌビディアがアームを傘下に収めれば圧倒的に有利な条件を持つ可能性があるなどとして懸念を示している。アモン氏は「我々や多くの企業にとって、独立したアームに出資することが恐らく最善だ」と述べ、買収に異議を唱えた。
同社は昨年10月に特別買収目的会社(SPAC)との合併により株式上場した。今年3月、米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが受注台数の水増し疑惑を指摘し、SECが調査に乗り出した。
ローズタウンは今月8日、財務状況の悪化を理由に「継続企業としての前提」(ゴーイングコンサーン)に疑義が生じたとSECに届け出た。トップ交代を受けて14日の米株式市場で同社株は前週末から2割超下落し、2月の最高値を7割以上下回った。
米新興EVメーカーを巡っては、水素燃料の電動トラックを開発するニコラも技術力を誇大に宣伝して投資家を欺いたとヒンデンブルグから指摘され、創業トップが辞任に追い込まれた。
申請前の段階で両社の想定よりも「はるかに多くの質問」を当局から受けている。当局は両社に対し、6月末までに承認申請を行わないのであれば、欧州の夏季休暇の時期に審査が開始されないよう、9月まで待って申請すべきだと伝えたという。関係者のうち2人が語った。
●その他産業
米宅配大手UPSが、売上高の伸びが利益に結びつかない「豊作貧乏」から脱した。新型コロナウイルス禍での巣ごもり消費拡大を追い風にした値上げや構造改革が浸透し、利益率が急速に改善している。ただ、主要顧客の米アマゾン・ドット・コムが自前の物流網構築を進めている。同社の出方次第で値下げ圧力などが強まり、収益環境が激変するリスクも浮上している。
出遅れていた消費者向けデジタル事業で買収攻勢をかけている。食料品や医薬品のネット通販の新興企業を買収すると相次ぎ発表した。タタは自動車や鉄鋼など製造業で有力企業を抱えるが、消費者向けのデジタル事業は手薄だった。「重厚長大」からのシフトを急ぎ、大手のフリップカートや米アマゾン・ドット・コムに挑む。
クラウドで業務ソフトウエアを提供するSaaS(サース)分野で、米国など海外のサービスを採用する日本企業が増えている。三菱重工業など大手も管理部門から現場まで様々なデジタル化に海外SaaSを活用する。サービスを目利きして日本企業に仲介するファンドも一役買う。一方で、データ管理や障害対応などに課題があることも踏まえる必要がある。
英通信大手ボーダフォン・グループは14日、「Open-RAN(オープンラン)」と呼ばれる技術を使った欧州初の通信網を構築すると発表した。NECや韓国のサムスン電子、米デル・テクノロジーズなどがベンダーに選ばれた。NECにとっては海外での高速通信規格「5G」向け機器で初の受注となる。
オープンランは、異なるベンダーの機器を相互接続できるようにする仕組みだ。今回はNECがボーダフォンに基地局(アンテナ)を供給し、無線をコントロールするサムスンのソフトと組み合わせる。英国内の2500カ所で、4Gと5Gの通信網を稼働させる。2021年中に南西部のウェールズなど地方から始め、首都ロンドンにも拡大する。欧州やアフリカでもオープンランを導入する予定だ。
ディストレスト債トレーダーのスペーン氏は2016年以降、割安に取引されていたジムの社債と銀行ローンに賭けた。ジムはかつて経営難に陥っていたイスラエルの海運会社。貨物運賃が低迷していた時期に数百万ドル相当の同社株式も購入した。こうした投資が今になって実を結んでいる格好だ。
ジムは14年に大幅な債務再編から脱却。債務は削減され、支配株主であるオフェル氏の持ち分は希釈化した。それでも海上輸送運賃の低迷でジムの経営は苦しかった。
そうした状況にあってもスペーン氏は、業界再編やオフェル氏からの支援、デジタル化や提携を進めるジム経営陣の動きを見て、同社に対する強気の見方を変えなかった。スペーン氏はロンドンの金融街シティーを駆け巡り、ジムへの投資を持ちかけたが、世界的に貨物運賃が低迷する中で商談は厳しかったと、同氏の考えに詳しい関係者は語った。
同社の環境を大きく好転させたのが貨物運賃の上昇だった。欧米の需要増に加えて、より厳しい温室効果ガス排出規制の導入が影響し、コンテナ料金は昨年下期から値上がりし始めた。需要増からサプライチェーンにボトルネックが生じ、運賃は記録的水準に押し上げられた。
●決算関連
●マクロ・その他
5月の米小売売上高(季節調整済み)は6202億ドル(約68兆円)で前月の改定値から1.3%減少した。2月以来3カ月ぶりのマイナスで、減少幅はダウ・ジョーンズまとめの市場予測(マイナス0.7%程度)より大きかった。
米小売売上高は3月に始まった政府の現金給付による消費押し上げ効果で3月、4月と過去最高を記録した。新型コロナウイルスのワクチン普及と経済再開の進捗で、消費がモノからサービスに向かったとみられる。建設資材・園芸用品を扱う店の売り上げが5.9%減ったほか、家具店、家電店もマイナスとなった。半導体の供給不足で生産が低迷している自動車・同部品も、販売店に在庫が不足ているため3.7%落ち込んだ。一方、消費者がワクチン接種を終えて外出する機会が増えているのを反映して、飲食店の売り上げがプラス1.8%、衣服店もプラス3.0%となった。
トルコのエルドアン大統領は14日、バイデン米大統領と初の首脳会談に臨んだ。トルコは米欧との関係悪化による通貨安などに苦しんでおり、融和をアピールした。ただ、安全保障や人権問題などを巡る溝は深く、具体的な合意や成果は得られなかった。
主にトルコ側が強調した融和ムードとは対照的に、記者会見や声明で具体的な合意や進展はみられなかった。最大の懸案のS400については、米国がトルコ国外への移転を求め、トルコは受け入れていない。制裁解除などに向けた解決の糸口は見つからないままだ。リラは会談後、下落に転じた。
●市況
日経先物(大証)29340、ダウ先34169、債先151.80、米1.494、独▲0.2325、仏0.145、西0.407、伊0.787、原油72.50、ドル円110.09、墨ペソ20.04、トルコリラ8.5579、墨CDS91
※6/16 9時20分頃
備忘録(6/11-13)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
東芝は13日、社外取締役で監査委員会委員長の太田順司氏ら取締役2人を定時株主総会で諮る取締役候補者から外すと発表した。もう1人は監査委委員の山内卓氏で、2人は25日の総会をもって退任となる。東芝では2020年7月の定時株主総会について「公正に運営されたものとはいえない」とする弁護士による調査報告書が公表された。事前に調査した監査委が問題はないとの見解を示していたことから、不適切との指摘を受けていた。
議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が会社側の提案する取締役候補者全13人のうち5人に「反対」を推奨したことがわかった。いずれも現任の社外取締役で、取締役会議長の永山治氏や、監査委員会委員長の太田順司氏らの再任に対し、反対を推奨する。同業の米グラスルイスも同様の推奨をしている。
東芝が13日に臨時取締役会を開き、外部弁護士の調査報告書への対応を協議することが分かった。東芝の株主総会が選任した弁護士は10日の報告書で、2020年の定時株主総会は「公正に運営されたものとはいえない」と結論づけた。臨時取締役会では今月25日に開く定時株主総会に諮る役員選任案についても議論する。
排出削減対策が取られていない石炭火力発電に関し政府による新規の輸出支援を年内で終了すると表明した。温暖化ガスの排出量が多いためで、G7で足並みをそろえると確認した。
エーザイと米バイオ製薬バイオジェンが共同開発するアルツハイマー新薬を巡って、米食品医薬品局(FDA)が設置した諮問委員会のメンバー3人が辞任したことが分かった。ロイター通信などが11日に報じた。FDAが諮問委員会の反対にもかかわらず、承認に踏み切ったことに抗議した。
英電動旅客機ベンチャー、バーティカル・エアロスペースから最大350機の電動旅客機の予約注文で合意したと発表した。バーティカル社に2500万ドル(約27億円)の出資もする。将来の温暖化ガスの排出量削減につなげる。
米政府による雇用支援の期限が切れる今年10月以降に客室乗務員の人員削減をしない方針を社内に通知したことがわかった。米国内線の需要回復で便数が増えていることを受け、10月以降に従業員の大半を職場に戻す。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で蒸発した航空需要が本格的な回復段階に入る。
産業用素材の高騰を警戒する中国政府の規制強化で同国の鋼材が値下がりし、スクラップの輸出価格が下がったのが波及した。
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
外国メディア向けに記者会見し、決選投票の集計経過に不審な点があるとして全国選挙審議会による厳正な調査が必要だと訴えた。当選すれば新大統領として日本との関係強化に取り組む考えも強調した。
票差は約5万票でフジモリ氏の敗色が濃厚。ただ疑問票もあり、当局は勝者を発表していない。国際監視団は選挙が公正に行われたとしている。
共同宣言を採択した。「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と盛り込んだ。
中国について「多国間のルールを守らない専制国家であり、民主主義国家と同じ世界観を共有していない」「(中国とは)協力する必要があるが、共有できないもの、受け入れられないものについては率直に話し合わなければならない」とコメント。
中国を念頭に「経済的威圧や力による一方的な現状変更の試みの継続・強化」への反対で一致した。日豪は気候変動を巡る協力に関する文書「技術を通じた脱炭素化に関する日豪パートナーシップ」で合意した。
物価の急上昇は一時的と黙認し、雇用については失業率の低下だけでは満足せず、格差の是正にまで踏み込む――。米連邦準備理事会(FRB)は雇用重視に傾斜した金融緩和を続ける。政治的にみればリベラル色の濃い左急旋回と映る政策運営は、まだ助走段階にある。量的緩和の縮小(テーパリング)を始めた後、本番を迎える。
新政権には右派、中道、左派に加え同国で初めてアラブ系政党が連立に入った。歴代最長となったネタニヤフ政権に終止符を打つことを除けば政策的な一致点は乏しく、特にパレスチナ問題を巡る溝は深い。
ヤミナはパレスチナ国家の樹立を認めず、イスラエルによる占領地でのユダヤ人入植活動を支持してきた。ネタニヤフ氏以上に強硬との見方もある。パレスチナと融和的な左派とは隔たりが大きい。閣内の不協和音を生む問題には手をつけず、異論の少ない経済対策や予算案の成立を優先する可能性が高い。
テキサス州のアボット知事は10日、メキシコとの国境に独自に壁を建設する考えを明らかにした。壁の建設中止を決めたバイデン米大統領を批判し、不法越境者に強硬に対処する方針を示した。不法越境者は急増しており、共和党などから批判が高まっている。米税関・国境取締局(CBP)によると、5月の米南西部国境での拘束者数は約18万人と過去20年で最多となった。ただし、国境沿いの土地は私有地も多い。トランプ前政権で壁の建設が進まなかった要因の1つとされる。アボット氏が計画通りに壁の建設を進められるかは不明だ。
11日公表した6月の石油市場月報で、世界の石油需要は「2022年末までに新型コロナウイルス流行前の水準を回復する」との予測を示した。また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」について「世界の石油市場に十分な供給が維持されるよう蛇口を開く必要がある」と指摘、経済活動の再開につれて持ち直す消費量を賄えるよう、産油国が供給を増やしていく必要があるとの認識を示した。
6月の消費者態度指数(速報値)は86.4で、前月から3.5ポイント上昇した。2カ月ぶりの上昇で、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(84.4程度)を上回った。
「現在の景況感」は90.6で1.2ポイントの上昇にとどまったが、「今後の見通し」が83.8で5.0ポイント高まり、全体を押し上げた。予想インフレ率は、1年先が4.0%で、約10年ぶりの高さとなった前月からは0.6ポイント低下した。5年先も2.8%で0.2ポイント下がった。
中銀は1週間物レポ金利を0.5ポイント引き上げ5.5%とした。ブルームバーグが実施した調査でエコノミスト36人中30人が予想した通りだった。残りはより小幅な利上げを見込んでいた。
ナビウリナ総裁はオンライン記者会見で、今回の会合で1ポイントの利上げも検討したことを明らかにし、「7月に再び利上げする可能性は極めて大きい」と言明。「われわれの主要目標は、可及的速やかに物価上昇のペースを抑えることだ」と述べた。
ロシアの消費者物価上昇率は過去4年余りで初めて6%を突破。中銀は3月以降、合計1.25ポイントの利上げを実施したが、インフレ率は依然として中銀目標の4%を大きく上回っている。消費者物価の伸びは中銀を「ますます」悩ませており、年末の予想は引き上げられることになるだろうと、総裁は述べた。
予想の中央値では、CPIは2021年4-6月(第2四半期)の前年同期比4.3%上昇がピークとしつつ、22年3月までは3%を上回る伸びが続くと見込まれている。
PCE価格指数は今年4-6月に3.5%上昇と予想され、5月調査の3%上昇から上方修正。当局の2%目標を大きく上回る水準だ。燃料価格の上昇がインフレ見通し引き上げの一因かもしれないが、食品とエネルギーを除くコア指数の予想も上方修正されている。
需要の急増や供給のボトルネック、投入価格の上昇に直面した多くの企業が、利幅を確保するため価格を引き上げた。こうした物価上昇が一段と持続的なインフレトレンドにつながるのかどうか、エコノミストや市場参加者の間で見方は分かれている。
消費者物価の上昇を一時的な現象と見なす米連邦準備制度は正しいとの見方が、投資家の間で広がっている。
●市況
日経先物(大証)29020、ダウ先34357、債先151.94、米1.454、独▲0.2745、仏0.098、西0.356、伊0.745、原油70.81、ドル円109.68、墨ペソ19.87、トルコリラ8.3869、墨CDS91
※6/11 NY引け値
備忘録(6/10)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
調査を担当した弁護士らは、議決権行使を妨害するような行為があり、定時株主総会が公正に運営されたものとは言えないと結論付けた。
調査報告書によると、東芝は定時株主総会でのアクティビスト(物言う株主)への対応について、経済産業省に支援を要請。改正外為法に基づく権限発動の可能性などを背景とした不当な影響を一部株主に与えていたと指摘した。
報告書では不当な影響の一例として、東芝は米ハーバード大学の基金に議決権を行使しないよう当時経産省参与だった「M氏」に事実上交渉を依頼。同参与は基金と接触し、結果として基金は議決権を行使しなかったとしている。
経産省の平井裕秀商務情報政策局長は5月12日の衆院経済産業委員会で、1月まで参与だった水野氏からコーポレートガバナンスや外為法の運用についてアドバイスをもらう関係にはあったが、個別投資家の議決権行使に対する働き掛けを依頼したことはないとコメントしていた。
東芝が2020年の定時株主総会の運営を巡り、不当な影響を一部株主に与えていたとの調査報告書が10日に発表されたことを受け、株主で香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は「日本のコーポレートガバナンス(企業統治)が試されているという意味で重要だ」と述べ、動向を引き続き注視する考えを示した。
2022年3月期の連結最終損益が3期ぶりに黒字転換する見通しだ。自動車など製造業向けの需要が新型コロナウイルス禍から回復し、鋼材市況が改善。設備集約などのコスト削減も加わる。ただ足元では東南アジアでのコロナ感染再拡大や中国政府による価格抑制といった懸念材料もある。今期の業績見通しなど森高弘副社長執行役員に聞いた。
ビルの柱や梁(はり)に使うH形鋼の一般流通(店売り)向け販売価格について、6月契約分から1トン当たり3千円引き上げると発表した。値上げは2カ月連続。鉄鉱石は中国をはじめとする各国の需要の伸びで高値圏で推移する。製品の鋼材についても「国際的な需給の引き締まりから日本でもタイトとなっている」(日本製鉄)として、追加の値上げを表明した。
「ときわ会」がまとめた5月末時点のH形鋼在庫は20万3300トンと、4月末時点から3500トン(1.7%)減少した。小規模物件向けの需要が底入れし、荷動きが回復し始めたことで2カ月連続で減った。
世界最大のバイオマス発電所をもつ英電力会社のドラックス・グループに二酸化炭素(CO2)回収設備の技術を供与すると発表した。受注額は明らかにしていないが年間800万トン以上を回収する世界最大の設備となる。CO2回収設備のシェア7割をもつ三菱重工エンジニアリング(横浜市)の技術を使い、ドラックスの英国にあるバイオマス発電所で2020年9月から実証実験を進めてきた。
メキシコのフィンテック企業クリップはソフトバンクグループの中南米ファンドとバイキング・グローバル・インベスターズから2億5000万ドル(約270億円)の投資を受け、バリュエーションが20億ドルに達した。
クリップは2012年創業。600人の従業員を抱え、スマートフォンに取り付けられる7ドルのクレジットカードリーダーなど3種類の決済端末を提供している。メキシコ国内の約1100万の事業者のうちカード支払いを受け付けているのは100万程度だと同氏は推定。「クリップはこのギャップを埋めようとしている」と語った。
「当社顧客の約85%はわれわれがサービスを提供する前は現金のみを受け付けていた。メキシコのデジタル決済の民主化をわれわれが進めていると言える」とババツ氏は語る、
ソフトバンクグループにとって最大の投資先の1社である滴滴は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後のビジネス回復を受け、上場計画を加速させていた。ブルームバーグは4月、滴滴がIPOで700億-1000億ドルの評価額を模索していると報じていた。
●その他産業
米政府による現金給付とワクチン普及という2つの追い風を受け、米国では消費者が店舗に足を運ぶ「リアル消費」が急回復している。UBSが投資判断を「買い」に引き上げるなど小売り関連の伸びしろへの注目が高まっている。
米半導体新興企業のSiFiveに業界大手のインテルから買収の打診があったと、複数の関係者が明らかにした。部外秘情報だとして匿名を条件に話した関係者の1人によれば、インテルが打診した買収案は20億ドル(約2200億円)を超える。
●決算関連
●マクロ・その他
世界が新型コロナウイルス禍から立ち直るにつれ、下期の石油消費は日量約500万バレルと、上期との比較で5%程度増加する見込み。需給見通しは前月からほぼ変わらずだった。
5月の消費者物価上昇率は前年同月比5.0%に達し、4月から0.8ポイント拡大した。新型コロナウイルスワクチンの普及で急速に進む経済再開に部材や人手の供給が追いつかず、インフレ圧力となっている。米連邦準備理事会(FRB)は「一時的な動き」との判断を崩さないが、長期の金融緩和がリスク投資を刺激し、市場や経済に波乱を起こす懸念もくすぶる。
ECBは10日の理事会で、国債買い入れ規模や「少なくとも2022年3月まで」とする期限を維持した。焦点だった今後3カ月の資産購入も「(年初より)かなり速いペース」で続けるとの表現を変えなかったほか、政策金利も据え置いた。
ラガルド総裁は10日の記者会見で、経済の先行きについて「3カ月前よりも楽観的だ」と語った。ワクチンの普及で新型コロナウイルスの感染は下火となり、先行きの明るさが増している。同日公表した新たな経済・物価見通しでは域内総生産(GDP)が21年に4.6%、22年に4.7%上昇するとし、3月時点の見通しを上方修正した。
ただ、物価には引き続き慎重な見方を示した。ユーロ圏の消費者物価上昇率は5月にECBが目指す2%に到達したが、エネルギー価格上昇などによる一時的な要因が大きいとみている。物価上昇率の見通しは21年が1.9%、22年が1.5%、23年が1.4%にとどまるとした。
もっとも、緩和が行き過ぎれば思わぬインフレや資産バブルにつながるリスクもある。
新規申請件数は37万6000件で、前週から9000件減少した。6週連続の減少で、新型コロナウイルス禍が始まって以降の最低を更新し、危機前の20万件台に近づいた。
経済再開が進み需要が増えていることから飲食業、レジャー産業、製造業などを中心に人手を増やそうとしており、解雇は減り続けている。
世界銀行は8日、発展途上国が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復から取り残されつつあるとの懸念を示した。ワクチンが十分に供給されず、世界的にインフレが加速すれば、景気が再度悪化する恐れもあるという。
物価が上がり、金利が上昇するとコロナ禍で膨らんだ債務の返済が困難になるため、発展途上国はとりわけ窮地に立たされやすい。
5月の東京都心5区のオフィス空室率は前月比0.25ポイント上昇の5.90%だった。上昇は15カ月連続。オフィス平均賃料は3.3平方メートルあたり2万1249円と前月比0.78%(166円)下落した。下落は10カ月連続。
大阪中心部の5月のオフィス空室率は前月比0.02ポイント低い3.99%だった。平均賃料は1万1859円と前月から11円上昇した。三鬼商事の小畑大太・大阪支店長代理は「大型解約は足元では減っているが、ショールームや会議室など小規模な解約は続いている。空室率は今後、再び上昇する」とみている。
インフレは一時的とする米連邦準備制度の姿勢を経済指標が揺るがすことはなく、債券相場は支えられている。先週の雇用統計も雇用者数の伸び加速を示したが、インフレ高進懸念を高めるほどではなかった。
5月のCPIが予想以上の上昇であっても、債券利回り低下傾向は続くことが示唆される。4月CPIは前年同月比4.2%上昇と2008年以来の高インフレだったが、5月はさらに高い4.7%上昇が見込まれている。
ある市場関係者は「CPIの伸びが若干高くても6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議論の調子はあまり変わらないだろう」との見方を示した。
別の関係者は投機家が既に米国債先物の大規模なショートポジションを積み上げていることから、CPIの結果を受けてトレーダーがショートカバーに動けば債券利回りがさらに低下する可能性がある。債券のショートポジションは、インフレの方向とは全く逆になるが、利回り低下の追い風が強まっていることを示唆する。CPIが高い数字の場合、ボラティリティーは上昇するかもしれないが利回りは低下する可能性がある」と分析
ペルー大統領選の決選投票は開票率が100%となり、急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)が得票率50.2%で過半数を獲得した。フジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ氏(46)は不正があったと主張しており、敗北を受け入れない構えだ。
●市況
日経先物(大証)28910、ダウ先34451、債先151.94、米1.445、独▲0.2590、仏0.110、西0.374、伊0.800、原油70.11、ドル円109.44、墨ペソ19.69、トルコリラ8.4303、墨CDS92
※6/11 9時55分頃
備忘録(6/9)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
環境関連事業に資金使途を絞ったグリーンボンド(環境債)を16日に発行すると発表した。環境債の発行は2019年12月以来2回目となる。発行額は100億円で、償還期限は5年。調達した資金は環境負荷の低い省エネ車両の導入に伴う借入金の返済に充てる予定だ。
保有する福山通運株の売却に伴い2022年3月期に連結で19億円の特別利益を計上すると発表した。近畿日本鉄道などグループ4社が持つ約835万株全てを福山通運に売る。280億円を見込む純利益の予想には織り込み済みで、見通しは据え置く。
オランダの裁判所が5月、二酸化炭素(CO2)の純排出量を2030年までに19年比で45%減らすよう命じたことに対し、「最初は驚きだった」とし、石油業界の中で率先してCO2削減に取り組んでいる点が顧みられなかったと不満を吐露した。エネルギー会社1社に命じても世界のCO2削減には寄与しないと主張し、控訴して争う見通しだと改めて説明した。
一方で「同僚とともに挑戦に立ち向かう決意も抱いた」と述べた。判決は「変更ではなくむしろ我々の戦略の加速を意味する」とし「収益性を維持しながら温暖化ガスをさらに削減する道を探る」と強調した。
開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬候補について「原因物質の除去効果を示しており、なるべく早く患者に届けたい」と述べた。また、米バイオジェンとエーザイの認知症薬が米食品医薬品局(FDA)から承認を取得したことは自社の開発にも追い風になるとの考えも示した。
米バイオジェンとエーザイが共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」を米食品医薬品局(FDA)が承認したが、患者1人当たり年間5万6000 ドル(約613万円)の治療費は米国の医療システムに前例のない課題をもたらす。
治療対象が最大100万人に上ると想定すれば、米国の医療システムには年間500億ドルものコストが生じる可能性がある。こうした大きな負担にもかかわらず、患者の症状が実際に改善されるかどうか、現時点では確実性に乏しい。
バイオジェン幹部は8日午前の電話会見で、ブロックバスター医薬品となる可能性を持つ同製品の価格を擁護し、治療対象患者数が徐々に増加する見通しを示した。ミシェル・ボナッソス最高経営責任者(CEO)は「価格は患者と介護者、社会にもたらすと期待される価値によって実証されると信じている」と述べた。
バイオジェンによると、アルツハイマー病患者の介護にかかる生涯費用は50万ドルで、米国の医療システムが負担する認知症ケアコストは年間約6000億ドル。人々の健康を維持できる薬があれば、高額な在宅医療や介護施設でのケアを回避できる可能性がある。
しかしアデュヘルムが承認された理由は、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積する有害なタンパク質、アミロイドβ(ベータ)を除去する効果によるもので、アルツハイマー病の症状を劇的に緩和するからではない。FDAはアミロイドβへの効果で「臨床的利点が見込まれる合理的な可能性がある」とし、それを確認するためのさらなる治験を命じている。
その判断が出るまでには何年もかかる公算が大きく、それまでの間、この薬の投与が普及すれば、高額医療費の問題はさらに深刻化するかもしれない。ウォール街のアナリストらはアデュヘルムの価格を予想を上回るものだと指摘。バイオジェンにとっては「大胆」な設定だと呼ぶアナリストもおり、費用はかかるが効果的な C型肝炎の治療法と同様に反発を招きかねないと受け止められている。
国際エネルギー機関(IEA)が新たに発表した報告書によれば、世界的な気候変動の目標を達成するためには、発展途上国のクリーンエネルギー投資を2030年までに年間1兆ドル(約109兆円)超へと引き上げることが必要だ。昨年の投資額は1500億ドル未満だった。
グラブは9日の発表文で、SPACとの合併では過去最大級となる今回のディールについて、10-12月(第4四半期)に完了する見通しを示した。4月の合併発表時には7-9月(第3四半期)の完了を見込んでいた。
米証券当局はSPACが関与するディールへの監視を強化しており、グラブも影響を受けている。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、マシュー・カンターマン氏は「延期になっても全く驚くことではない。監査プロセスには数四半期を要する可能性もある。特定の会計上の決定やポリシーについて証券取引委員会(SEC) とやり取りする必要がある場合は特にそうだ」と指摘した。
●その他産業
●決算関連
2021年2~4月期の最終損益が黒字転換したと発表した。新型コロナウイルスのワクチン普及を背景に時価総額は急伸し、ユニクロを展開するファーストリテイリングとの差は5兆円近くに広がった。2月にファストリがインディテックスを上回る場面があったが、再び下回っている。背景には欧米市場が回復する一方、中国を除くアジアは感染拡大が長期化し、業績に明暗が分かれるとの見方がある。
●マクロ・その他
「TikTok(ティックトック)」の米国内での提供や利用を禁じるトランプ前大統領の命令を撤回した。代わりに米国人の個人情報が流出しないような方策を検討する。
バイデン氏の動きは中国への強硬姿勢を維持しつつ、中国企業のアプリのリスクを抑えるための効果的な新規制を探るものだ。トランプ氏の大統領令は法的根拠が弱いとして、米国の裁判所にいずれも一時差し止めを命じられた。米国内でTikTokは今も使える。
国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度に黒字化する従来目標を「堅持する」と明記した。その一方、新型コロナウイルス対応で歳出が膨らむ現状を踏まえて21年度内に目標年度を再確認する方針を示した。財政再建の先送り論が政府・与党内で勢いづく可能性がある。
値がさ株で日経平均への影響が大きい半導体関連銘柄が下落した半面、景気回復期待から景気敏感株は底堅く、TOPIXを下支えしている。
開票率が99%を超えた。両候補の得票率の差は約0.4ポイントにとどまる。決着まで4日かかった2016年の決選投票と同様、激しい接戦となった。
ケイコ氏の支持者が多いとされる海外有権者の票の集計が完了したものの、国内の一部地域で開票作業が続いている。
ペルーではクチンスキ元大統領とケイコ氏が争った16年の前回大統領選でも決選投票での得票率の差が0.24ポイント差の接戦となり、決着まで4日かかった。ケイコ氏は11年の大統領選の決選投票でも約3ポイント差で惜敗した。大統領選は今回が3度目の挑戦だった。
今回の決選投票では、企業が集中し、有権者数の3分の1が住む首都リマでは約65%がケイコ氏に票を投じた。だが、ほかの多くの地方ではカスティジョ氏が優勢だ。
データ分析ソフトウエアの米マイクロストラテジーは、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン買い増しを目的とする担保付きジャンク債(投機的格付け債)の発行額を5億ドル(約550億円)に引き上げた。高利回り債市場でのこの種の起債は初めてという。
夏の観光シーズンに向けて音楽や芝居などの興行が本格的に再開する。人を呼び込む切り札となっているのは新型コロナウイルスのワクチン接種だ。アリーナや劇場ではすべての観客に接種証明を求める動きも相次いでいる。
大型アリーナ、マディソン・スクエア・ガーデンは20日にロックバンド「フー・ファイターズ」のコンサートを開くと発表した。すべての観客に接種証明の提示を求め、収容人数の制限なしで開催する。
観光シーズンの到来を前に課題となっているのが治安だ。同市警によると5月、強盗の発生件数は前年同月比で46%増、窃盗は35%増となった。観光名所タイムズスクエアでは5月、男が発砲し、近くにいた観光客3人が負傷する事件も発生した。
メキシコ銀行(中央銀行)の次期総裁にエレラ財務公債相を任命すると発表した。2021年末に任期を迎える現総裁の後任となる。後任の財務公債相には、民間シンクタンク代表のロヘリオ・ラミレスデラオ氏が就く。エレラ氏は世界銀行や財務公債省次官を経て、19年7月から財務公債相を務めている。
●市況
日経先物(大証)28850、ダウ先34472、債先151.68、米1.489、独▲0.2495、仏0.115、西0.398、伊0.828、原油69.79、ドル円109.66、墨ペソ19.73、トルコリラ8.5853、墨CDS92
※6/10 9時5分頃
備忘録(6/8)
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
米ローズタウン・モーターズが財務悪化を理由に継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)に疑いが生じたと米証券当局への開示資料で注記したことが8日、明らかになった。9月下旬としていたEVの生産開始に必要な資金が不足していることも表明した。
2021年1~3月期の四半期報告書のなかで注記した。20年12月末に比べ7%減の約5億8700万ドル(約640億円)となった21年3月末時点の現金及び現金同等物について、同社は「EVの商業生産と販売開始のための資金として十分ではない」と述べた。継続企業として存続できるかどうかは「EVの開発を完了し、規制当局の承認を得て商業規模の生産を開始し、その販売を始められるかどうかにかかっている」と説明。現状について「少なくとも1年間、継続企業としての活動を継続する能力に大きな疑問を生じさせる」と述べた。
エーザイと共同開発したアルツハイマー型認知症の治療薬「アデュカヌマブ」について、米国で2週間後にも出荷を開始する見通しだと発表した。米食品医薬品局(FDA)が7日に承認しており、認知機能の低下を長期抑制できる世界で初めての治療薬となる。
海航集団(HNAグループ)系の香港航空は追加リストラに踏み切る。香港メディアは従業員の半分にあたる約1000人を削減する方針だと報じた。各国・地域で新型コロナウイルスによる渡航制限が続き、旅客需要の早期回復は難しいと判断した。当面は貨物便に集中し、主力機である欧州エアバス「A320」の運航を停止する案も出ている。
一方、香港最大手のキャセイパシフィック航空は8日、香港政府が78億香港ドル(約1100億円)のつなぎ融資枠の期限を1年延長したと発表した。「当社は引き続き資本市場での資金調達が可能で、これは投資家の信頼を反映している。旅行需要は徐々に回復するため、長い目で見ると事業の先行きに自信を持っている」とCFOは強調。つなぎ融資は香港政府が主導した総額390億香港ドルの支援策の一つ。キャセイは社債発行などで流動性を確保し、融資枠はまだ使っていない。
●その他産業
8日の機関投資家向け説明会で、2026年3月期までに営業利益を21年3月期比2倍の1兆円規模に拡大する長期目標を掲げた。ものづくり中心の事業構造から転換し、注力するデータビジネスで稼ぐ姿勢を明確にしたが株価の反応は限定的だった。海外売上高比率の拡大などハードルは多く、市場は実現性を見極めている。
市場関係者は「市場の期待に沿った目標が出てきたのはポジティブだが、1兆円はあくまで目標値だ。今後の利益の積み上げを確認する段階で、現時点では強気になれる材料とはいえない」「製造業からIT(情報技術)化にカジを切ったことは評価できるが、具体的な利益目標を織り込める段階にはなっていない」と語る。
成長のカギを握るのは、日立が約1兆円で買収を決めた米グローバルロジックだ。ハードにIoTや人工知能(AI)などの最新技術を組み合わせる「デジタルエンジニアリング」に強みがあり、海外顧客を多く持つ。相乗効果を早期に発揮することができれば、利益計画の実現性が高まる。
●決算関連
●マクロ・その他
世界半導体市場統計(WSTS)は8日、2022年の半導体市場が21年予測比9%増の5734億ドル(約62兆円)になると発表した。21年に続き、過去最高を更新する。世界経済の回復で足元では通信機器や自動車向けなどの投資が拡大している。半導体の供給不足は22年まで続く見通しで、半導体各社は増産体制を整える。
政府の中小企業向け支援策の一つである実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)やコロナ関連融資が増えたことで、将来の企業の倒産などに備えて積む保険契約準備金や一般貸倒引当金の繰り入れが急増した。
備忘録(6/7)
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
FDAは7日、エーザイと米バイオジェンが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補「アデュカヌマブ」xについて、承認申請を認めると発表した。従来の認知症薬とは異なり、認知機能の低下を長期的に抑制する機能を持つとして世界で初めて承認された。新薬の登場で、認知症の治療が大きく変わる可能性がある。
アルツハイマー病の根本的な原因に作用する治療薬は、過去数十年間に多くの製薬会社が挑んだが成功例はなく、FDAの承認を得たのはアデュカヌマブが初めて。アデュカヌマブは病気の進行を遅らせる効果があると認められた。米国だけで600万人の患者がいる。
米建設スタートアップのカテラは6日、米連邦破産法11条の適用をテキサス州の連邦破産裁判所に申請したと発表した。15年設立で、設計や部材調達などの工程をIT(情報技術)によって統合管理するサービスを提供していたが、工事の遅延やコスト超過で経営難に陥っていた。SBGはカテラへの出資総額を明らかにしていないが、米ファクトセットの集計では最大で10億ドルにのぼる。SBGはカテラ投資で生じる損失額について「コメントできない」としている。
カテラの負債総額は推定10億~100億ドルで、資産額は5億~10億ドルという。カテラは法的手続き中の事業資金として、SBG傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」運営会社から3500万ドルのDIPファイナンス(つなぎ融資)の枠を確保したことを明らかにした。
カテラに融資をしていたグリーンシル・キャピタルも3月に経営破綻に追い込まれている。クレディ・スイス・グループはカテラとSBGの関係を問題視してきた。クレディがSBGへの訴訟を検討しているとの報道もあり、カテラの経営破綻でグリーンシル問題が混迷を深める恐れもある。
新型コロナウイルスで観光やビジネスの需要が蒸発し、単なる人の輸送に頼る事業モデルでは危機を乗り切れない。空いた機材を使い機内結婚式やレストランといった企画を始めたほか、サービスのデジタル化にも取り組む。空運業のあり方を見直して前例のない難局を乗り切り、コロナ後の国際競争で先行できる体制の構築を急ぐ。
米ウォルマート傘下にあるインドの電子商取引企業フリップカートは、ソフトバンクグループや複数の政府系ファンドなどから少なくとも30億ドル(約3280億円)の資金を調達しようと交渉を進めている。
フリップカートは、新規株式公開(IPO)を控えて追加資本を確保する計画だという。同社は今年10ー12月(第4四半期)にもIPOを目指していたが、インドでの新型コロナウイルス感染再拡大を受け、来年へ延期した。
●その他産業
次世代通信規格「6G」の研究開発に取り組む日本とフィンランドが連携協定を結ぶ。通信機器の世界大手である同国のノキアが参加する。日欧が研究段階から連携し、標準規格などの主導権争いで先行する狙いだ。
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは同社初のドル建てイスラム債(スクーク)発行に向け複数の投資銀行と契約を結んだ。
アラムコは750億ドル(約8兆2200億円)の配当支払いを約束しており、起債はその資金手当てを手助けする狙いがある。同社の1-3月(第1四半期)決算は原油と天然ガス価格の回復で大幅な増益となったが、フリーキャッシュフローはこの期間の配当支払いに必要な187億5000万ドルを下回った。
●決算関連
●マクロ・その他
下院議員や15州知事を選ぶ中間選挙が投開票された。下院(500議席)では改選前(311議席)からはやや減らすが、過半数の確保は確実な情勢だ。ロペスオブラドール氏の国家再生運動(MORENA)は190~203議席と予測されており、引き続き圧倒的な第1党となる。15の州知事選では11州で与党の候補が有利に戦いを進めている。
経済紙フィナンシエロによる5月の世論調査で、ロペスオブラドール大統領の支持率は59%と、不支持(37%)を大幅に上回った。就任直後の約8割の支持率からは下がったが、一貫して約6割を維持している。
ロペスオブラドール政権は民間のビジネスを妨げる施策を相次いで導入してきた。今年3月の電力産業法の改定では、国営公社が電力不足を補うために結んだ契約を後から変更できるように改め、民間企業に不利な内容となった。4月には労働法などの改定が決まり、人材派遣は原則禁止となった。企業にとってはコスト増になるため、自動車部品を中心に工場を構える日本企業は対応を迫られている。外国企業の間には「今後は国営企業の保護策が一段と加速しかねない」(在メキシコ外国企業幹部)と、ビジネス環境の一段の悪化を警戒する声が広がる。
極右のドイツのための選択肢(AfD)との接戦が予想されたが、蓋を開けてみれば得票率で10ポイント以上の差が開いた。新型コロナウイルスの感染が下火となり、これまでCDUに吹き付けていた逆風が追い風に変わりつつある。
「もっと多くを期待していた」。対照的に失望を隠せなかったのが、ラシェット氏と次期首相を争う緑の党のベーアボック党首だ。緑の党は環境意識の高まりと、16年間続いたCDUのメルケル政権からの変化を求める世論を追い風に支持率を伸ばしてきた。旧東独の支持基盤は伝統的に薄いが、それでも前回選挙の2倍の2桁の得票を期待する声があった。しかし、得票率は5.9%で、自由民主党に次ぐ第6党にとどまった。
主要国の金融資産が値上がりしたほか、ドルが主要通貨に対して下落したため、ドル建ての評価額が上がった。
南米ペルーで6日、大統領選の決選投票が実施された。フジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ氏(46)と急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)が大接戦を繰り広げている。資源国有化などを掲げ、地方の貧困層などの支持を集めるカスティジョ氏の左派政策への賛否が選挙の争点となった。
米雇用統計が予想より弱かったことから、世界の債券ボラティリティーは低下した。まだら模様の雇用統計結果は経済見通しを不透明にし、連邦準備制度が資産購入の漸減(テーパリング)開始を発表するのを妨げる。これが結果的に、債券利回り安定につながるとみられるからだ。
GSは「明確な材料が目先に見られないことから、利回り安定期が続き、ボラティリティーにはさらに下押し圧力がかかると見込まれる」指摘。MSは「当社の基本シナリオは、ボラティリティーが短期的に横ばいあるいは幾分低下するというものだ」とした上で、「しかし、7月の終わりの米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は、テーパリングについて早期の議論が行われる可能性があるためリスクイベントだ」と指摘。
4月の消費者信用残高(速報値、季節調整済み)は、年率換算で前月比5.3%増加した。金額ベースの残高は4兆2375億ドルで、前月から186億ドル増えた。ただ、市場予測(200億ドル程度の増加)には届かなかった。
4月の内訳は、自動車ローンや教育ローンなど「非リボルビング払い」ローンがプラス7.6%で、力強く増えた。一方、クレジットカードなどの「リボルビング払い」ローンはマイナス2.4%で、3カ月ぶりに減少した。
開票率95.1%の時点で急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)が僅差ながらフジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ氏(46)に先行している。
左派政権誕生に対する警戒感から、7日の外国為替市場でペルーの通貨ソルは売られ、一時対ドルで前週末比2.7%安となる1ドル=3.94ソルを記録し、過去最安値を更新した。同国の代表的な指数のペルー総合株価指数(S&P/BVL)も同7%を超える大幅安となっている。
●市況
日経先物(大証)29050、ダウ先34592、債先151.39、米1.570、独▲0.1985、仏0.171、西0.475、伊0.921、原油69.11、ドル円109.28、墨ペソ19.84、トルコリラ8.6136、墨CDS93
※6/8 8時55分頃
備忘録(6/4-6)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
米ユナイテッド航空が2029年の商用利用を目指し、購入契約を結んだと発表した。2003年に退役した「コンコルド」から約20年、スタートアップが先導して騒音や燃費など超音速機の課題解決に取り組んでいる。空の足として定着すれば、ビジネスや観光など経済活動が活発になりそうだ。
3000億円の劣後特約付き社債(ハイブリッド債)の発行を決めた。脱炭素の流れで石油事業の成長が難しいなか、水素や再生可能エネルギー、素材事業といった注力領域への戦略投資などに使う。借入金の返済にも充てる。
当初予定していた100億円から300億円に引き上げた。業績回復への期待などで投資家からの需要が想定以上に集まった。金利は0.58%で期間は5年。
栃木県にある四輪車のエンジン部品工場を2025年に閉鎖すると発表した。電動化によってエンジン部品の生産が減る見込みのためという。部品生産は今後、国内外の完成車工場などに移し、約900人の従業員の配置換えも進める。ホンダは40年にエンジン車から撤退する方針。生産再編で四輪事業の収益力向上も目指す。
2021年3月期の区間別収支は、全23区間で営業赤字だった。赤字幅は841億円と過去最大で、全区間の赤字は、区間別収支の公表を始めてから7期連続だった。新型コロナウイルスの影響で1年を通じて利用が振るわなかった。
空港使用料の減免など計1200億円の公的支援によって航空網を維持するとともに、コロナ後を見据えた航空会社の設備投資を支える。
●その他産業
金融危機後から続く事業構造改革が最終局面を迎え、2022年3月期は連結純利益が2期連続で最高益を更新する見通し。IoT基盤「ルマーダ」を中心に稼ぐ方針を明確化し、事業構成が分かりやすくなった。さらに株価を押し上げられるかは、M&A(合併・買収)に頼らない事業成長の道筋を示せるかが焦点となる。
日本生命保険は40行超の株式を売却することを決め、売却予定の地銀に既に通知をした。売却対象は地銀の収益力や保険商品の営業力などを通じて判断する。ふくおかフィナンシャルグループなど稼ぐ力が相対的に強い大手地銀には売却の通知が届いておらず、選別が進んでいる。第一生命も一部の地銀の売却を既に決め、今後順次通知する。
安定株主だった大手生保が売却に動くことで地銀株の保有構造は変わりそうだ。日本生命は国内株式の簿価5兆円のうち2%(約1000億円)を21年度からの3年で売却する計画で、このうち約2割を地銀株が占める。各地の地銀と資本提携を進めるSBIホールディングスの動きとあいまって、地銀の再編が進む可能性がある。
生保が地銀株の整理を急ぐ背景には25年をメドに導入が予定される新資本規制の影響もある。経済価値ベースと呼ばれる時価評価基準を取り入れるため、長期間の保険契約を抱える場合は資産の側でも超長期の国債保有を増やして株の保有を減らすなどの対策が必要となる。
特に開発テーマである「後工程」に強い芝浦メカトロニクスなどへの評価が高まった。
銅鉱山で銅の回収率を高める事業を世界で展開する。資源メジャーなど数社と組み、銅の含有量が低く破棄されてきた鉱石から銅を取り出す技術を持つ米新興企業に出資した。古くなった鉱山を有効活用し、需要拡大が見込まれる銅の安定供給を目指す。
競合するオフィス・デポの消費者向け事業に対する10億ドル(約1100億円)の買収案を提示した。全額現金での買収を提案しており、提示額は1株当たり約18.27ドル。これは2日までの30日間におけるODP株終値の平均の約43%に相当する。両社は過去に全社規模での合併計画を進めた経緯があるが、当局の反対を受け断念している。
●決算関連
東証マザーズとジャスダックに上場する企業の2021年1~3月期決算は、純利益の合計が前年同期の約3倍となった。自動車や半導体関連など製造業が回復したのに加え、外食などサービス業も構造改革により収益体質が向上。2カ月以上続いた緊急事態宣言下でも、新型コロナウイルス禍前の19年1~3月期の水準を上回るまでに稼ぐ力が高まった。
●マクロ・その他
南部ノースカロライナ州で開かれた共和党の集会で演説した。公の場で演説するのは約3カ月ぶりで、約1時間半にわたってバイデン政権、中国への批判を繰り広げた。選挙集会と同じ形式の支持者集会も月内から再開する方針で、2024年大統領選への再出馬も視野に求心力維持を狙う。
主要7カ国(G7)がデジタル時代に即した国際的な法人税制のルール作りにゴーサインを出した。5日に閉幕した財務相会合では、法人税の国際的な最低税率を「少なくとも15%」とすることなどで一致した。国境を越えて移動させやすい無形資産をもとに平均を上回る「超過利潤」を生み出し、巧みな節税スキームで負担を逃れてきた米IT(情報技術)大手に課税の網をかける狙いだ。
中国の天安門事件から32年を迎えた4日にあわせた声明で「人権と基本的自由について声を上げた何万人もの市民を沈黙させた残酷な行為」と批判した。事件の全容を明らかにするよう中国政府に要求し「米国は普遍的な人権尊重を求める中国の人々とともにある」と市民との連帯を訴えた。
バイデン米大統領が中国企業への株式投資禁止に関する大統領令に署名したのもこれにあわせたタイミングで、米国は人権弾圧の阻止へ圧力を強めた。
非農業部門就業者数は+55.9万と市場予測(+67.5万人)を下回ったものの、4月の+27.8万人(改定前+26.6万人)から倍増。失業率は5.8%と0.3ポイント低下。労働参加率は61.6%。前月は61.7%だった。パンデミック前の水準(63.3%)を依然大きく下回っている。平均時給は前月比0.5%増の30.33ドル。
業種別では、飲食店が18万6000人増と大幅な伸びを示した。ヘルスケアと教育分野での増加も目立った。
ただ、全体の雇用者数は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前と比べると、なお760万人少ない。労働市場がより広範に改善するには、娯楽・ホスピタリティーのようなコロナ禍の影響が長期に及んでいるサービス部門での雇用増加ペースの加速が必要だ。
アナリストからは「今の経済状態を考えれば、本来はもっと強い数字になっていたかもしれない」「そこまで力強くなかったのは、供給制約や労働力不足が主な原因だろう」との指摘も。
27週間以上職に就いていない長期失業者の数は5月に43万1000人減と、2011年以降で最も大きく減った。パンデミック初期に仕事を失った人たちがようやく職を得つつあることが示唆された。
5月の自動車生産台数は24万1442台となった。新型コロナウイルスの感染拡大で大幅に落ち込んでいた前年同月(2万2862台)の10倍以上に増えた。今年1~5月累計では133万1746台と、前年同期を39%上回った。
ただ世界的な半導体不足の影響で、今年5月の生産台数は前月に比べて10%少ない水準で、2年前の19年5月に比べると3割以上少ない水準に留まる。各メーカーが工場の稼働日を減らす動きは続いている。
香港上場の中国企業による配当支払いが増える時期にあり、人民元は現在の水準から上昇しにくくなる可能性がある。米金融当局者の間で刺激策縮小の時期を巡る議論が増え、ドルを押し上げていることも圧迫要因となる公算が大きい。
人民銀は市中銀行の外貨預金準備率を引き上げたほか、一連の口先介入を通じて元高抑制を図っており、元の見通しに関する議論では同中銀の役割が焦点となっている。一段高を妨げる要因がさらに増えれば、より市場主導型の為替制度を目指す目標を維持しつつ、元の上昇を抑えようとしている人民銀の助けになる。
年間の域内総生産(GDP)成長率予想を5.46%と、従来の4.64%から上方修正した。1-3月(第1四半期)のGDPも前年同期比8.92%増と、速報値(8.16%増)から引き上げた。ここ10年余りで最も高い成長率となった。
台湾積体電路製造(TSMC)などが生産する半導体の世界的不足に伴う強い需要は、これまでのところ台湾の輸出と成長率を押し上げている。
足元では株高などを背景とした富裕層の高額消費の高まりを受け、高級車を中心に好調が続いているという。だが今後は世界的な半導体不足が輸入車の供給にも影響する可能性がある。
中古車が物価の押し上げ要因として主要な役割を果たすようになり、米政府や米連邦準備理事会(FRB)から大きな関心を集めている。米国の政策担当者らが将来のインフレ動向を占う指標として中古車価格に注目するのは異例のことだ。インフレの加速が続き、幅広い品目の価格が上昇するようになれば、何十年ぶりとなる持続的な景気過熱に直面する可能性があり、FRBやバイデン政権は金融や経済に関する政策で難しいかじ取りを迫られかねない。
4月には乗用車およびトラックの中古価格が前月比10%、前年同月比21%それぞれ上昇した。4月のCPIは前年同月比4.2%上昇し、中古車は主なけん引役の一つだった。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアCPIの上昇率は同3%に達した。
米政府やFRBは物価の上昇圧力がやがて弱まると見込み、さまざまな品目の値上がりがおおむね一過性だとの受け止め方を強めている。ブレイナードFRB理事は、中古車価格の上押し圧力が「夏いっぱい続く可能性がある」としつつも、「その後に続く数四半期で後退し、反転する公算が大きい」と述べた。
ただ、サプライチェーンはボトルネックの問題に直面している。
元米財務次官のネイサン・シーツ氏は「過去50年間に例がなかったほどの景気刺激策に加え、他の方法によっても消費が支えられている。未知の領域に足を踏み入れるうえで、おごりは禁物だ」とくぎを刺した。「インフレが弱まるという見解にどれだけ自信があるかと言えば、おそらく80%だが、確率分布の広がりが引き続きかなり大きい」と指摘。
中古車価格の値上がりの原因は、ロックダウン(都市封鎖)や半導体の不足による新車生産ペースの減速が大きい。加えて、自動車ローンを返済できずに回収されるクルマが減ったため、チャーナー氏のような中古車販売店の仕入れが落ち込んでいる。
一方、需要面ではコロナ禍で公共交通機関離れが進んだほか、景気刺激策で消費が促されている。昨年の壊滅的な旅行需要を受けて所有車を売り払ったレンタカー会社も、ここにきて再び中古車を買いそろえようと躍起になっている。
FRBが従来好んで参照してきたコア個人消費支出(PCE)価格指数は、4月に前年同月比3.1%上昇した。とはいえ、同指数についてダラス連銀が算出しているトリム平均の上昇率は1.8%にとどまった。ただし、市場ではインフレの長期化を懸念する声も見られる。また中古車市場を巡っては、「これから新車を組み立て、半導体を搭載してから出荷する必要があるため、時間はかかるはずだ」と、当面高止まりする見方も。
●市況
日経先物(大証)28890、ダウ先34729、債先151.23、米1.557、独▲0.2120、仏0.154、西0.451、伊0.877、原油69.41、ドル円109.55、墨ペソ19.96、トルコリラ8.6683、墨CDS94
※6/4 NY引け値
備忘録(6/3)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
7月から北米でピックアップトラックの生産ペースを引き上げると発表した。電子部品を外した状態で組み立てた3万台のピックアップトラックを7月初旬までに完成させ、在庫不足となっている北米の販売店に出荷する。カナダ・オンタリオ州の工場でも年内にピックアップトラックの生産を再開する。米国の一部工場は夏季休暇を返上し、7月半ばから月間1000台規模の増産を行う。
CFOは「1カ月前に想定したよりも、半導体の調達が改善する見通しが立った」と説明。2021年12月期通期の業績は従来予想の上限を上回る見込みだという。
議決権比率の高い運用大手が株主提案に賛同した結果、エクソン側が推す取締役再任が阻まれた。ESG(環境・社会・ガバナンス)関連議案の成否を巡り、運用大手の影響力が浮き彫りになった。
空機の利用者は3空港で81%減った。国際線旅客が多い関空では92%減と、いずれも63%減だった大阪国際(伊丹)、神戸の両空港より落ち込みが大きい。
売上高に相当する営業収益は73%減の572億円だった。免税店などの非航空系収入も365億円と71%減った。人件費や外注費などで209億円のコストを削減した。
5月の中国での受注台数は、4月に比べてほぼ半減した。テクノロジー情報サイトのジ・インフォメーションが、テスラの社内データに詳しい関係者の話として報じた。
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
5月の非製造業(サービス業)景況感指数は64.0と、前月から1.3ポイント上昇、市場予測(62.5程度)を上回った。2カ月ぶりの上昇で、3月の63.7を上回り過去最高を更新した。
「企業活動・生産」が66.2で3.5ポイント、「新規受注」も63.9で0.7ポイントそれぞれ上昇。回答企業からは「ビジネスは着実に回復しており、良好な収益が戻ってきた」(医療・福祉)、「販売目標を上回っている」(卸売業)など、景気回復を示す報告が相次いだ。
一方、供給網の混乱や仕入れ価格の上昇が続いていることを示唆する指標も見られる。需要急増と供給網の逼迫で入荷の遅れが深刻化しており、「入荷遅延」が70.4で4.3ポイント上昇した。港の混雑を懸念する企業が複数あり、「生育シーズンに必要な製品を届けられない」(農業・林業・漁業・狩猟)といった声も聞かれた。
「価格」は80.6で3.8ポイント上昇し、過去最高だった2005年9月以来約16年ぶりの高さとなった。「機材や資材の供給業者が値上げをしており、ほぼ毎日新価格を聞く」(建設業)、「銅、鉄、ポリ塩化ビニールを含む製品の価格急騰を非常に懸念している」(小売業)といった声が聞かれた。
ワクチン接種が進んで死者は一時ゼロになったが、足元でインド型の感染者が4分の3を占めるなど感染増の兆しが出てきた。専門家からは都市封鎖の解除を遅らせるべきだとの声も出ている。
世界の労働市場における新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からのまだら模様で不均等な回復が明確になった。調査は、足元の雇用創出のペースではコロナ禍で失われた雇用を2023年まで埋められない見通しだと警告している。
国内社債のスプレッドの縮小が続いている。日銀の大規模買い入れや企業業績の改善を追い風に好需給を保つ。ここにきて足元の水準が目線に合わず、買いを手控える投資家も増えつつある。こうした投資家もスプレッドが開く局面では積極投資に転じる意向を示しており、スプレッドの拡大余地は今後も限られそうだ。
トランプ前政権下で始まった中国企業への投資禁止措置に修正を加える大統領令に署名した。ホワイトハウスが発表した。禁止対象として中国軍部と関係があるか、防衛・監視技術の業務を手掛けている中国企業59社を特定。これには華為技術(ファーウェイ)や通信大手3社が含まれる。
備忘録(6/2)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
直接取引する世界の主要部品メーカーに対し、2021年の二酸化炭素(CO2)排出量を前年比3%減らすよう求めた。サプライチェーン(供給網)全体での脱炭素を主導する。ホンダも2日、主要部品会社に排出削減目標を今秋までに示すと伝えた。取引先の裾野が広い自動車大手が脱炭素の動きを強めることで産業界の排出削減に弾みがつく。
企業連合を組む仏ルノーや三菱自動車と連携し、数年以内に電気自動車(EV)のモーターや電池、車台など基幹部品の7割程度を共通化する方針を明らかにした。現在は大半の部品で規格を統一できておらず、グプタ氏は「3社で投資の重複をなくす」と語った。
総務省は2日、高速通信規格「5G」の基地局整備が遅れているとして、ソフトバンクを電波法に基づき行政指導した。総務省は4G用に割り当てた電波の5G転用を認めている。同社は転用した周波数帯を使い2020年度内に設置すると申請した基地局数の7割弱しか開設していなかった。総務省は21年中に不足分を解消するよう求めた。
総務省によると、ソフトバンクは5Gの提供エリア変更で設置場所の見直しが必要になり、新型コロナウイルス禍で設置工事も遅れたという。不足分の解消や工事の進捗管理などの改善状況について、当面の間、毎月報告するよう同社に求めた。なお、総務省によると、KDDIでは計画通り開設が進んでいるという。
米国では新型コロナウイルスのワクチン接種を2回終えた成人の割合が1日時点で5割を超えた。航空需要の回復に期待が高まっている。米運輸保安局(TSA)によると、米国内空港の保安検査場の通過人数は5月28日と31日に190万人を超え、2020年3月上旬以来の高水準となった。19年の同時期と比べても8割近い水準まで回復している。
鉛を使わないセラミックスの生産販売に本格参入する。土壌汚染につながる鉛の代わりにカリウムやナトリウムを使って電圧を発生させる「圧電セラミックス」を量産し、家電や自動車、医療機器向けに供給する。顧客の環境対策に貢献できると売り込み、5年後に売上高40億円規模を目指す。
6月8日に発行するサステナビリティー・リンク・ボンド(持続可能性目標連動債、5年、クーポン0.48%)の発行額を、当初予定していた100億円から200億円に引き上げた。目標未達の場合に寄付をする世界初とされる仕組みへの関心や業績回復への期待などから発行額200億円に対して6.1倍の需要が集まった。
英金融会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻を巡り、同社から資金回収を進めているスイス金融大手クレディ・スイス・グループがソフトバンクグループ(SBG)への訴訟を検討していると報じた。クレディ・スイスはグリーンシルの融資先だった米建設スタートアップのカテラとSBGの関係を問題視しており、係争に発展する可能性がある。
グリーンシルの融資先だったカテラには、SBG傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が出資していた。経営不振に陥ったカテラを救済するため、SBGは20年にグリーンシルに資金を出したが、その資金はクレディ・スイスのSCFファンドには回らず4億4000万ドル(約485億円)が未回収になっているという。
鉄鉱石などの主原料価格の上昇や、物流費の上昇などを転嫁する。
●その他産業
商船三井が資本性を持つ劣後債を500億円の発行で繰り出した奇策が波紋を広げている。実質的に低格付け社債(ジャンク債)にもかかわらず高い人気を得たからだ。日本の投資家は債務不履行リスクを恐れてジャンク債を敬遠してきたが、深まる運用難も追い風に高利回りが期待できる実質ジャンク債のニーズは高まっている。不毛市場は変わるか。
債券の格付けは2段階ほど下がる。同社の発行体格付けは格付投資情報センター(R&I)がトリプルB、日本格付研究所(JCR)がシングルAマイナス。R&Iで劣後債の格付けをとればダブルBプラスでジャンク債になる。奇策とは、格付け取得をJCR1社に絞り、投資適格水準のトリプルBで「実質ジャンク債」を発行したことだ。
投資適格でありながら利回りはジャンク債並みの高さが確保できる貴重な商品と映った。商船三井関係者は「実利を重視した」と話す。
国内投資家がジャンク債を避けるのは厳格な運用規定があるためだ。特に年金基金を運用する機関投資家は顧客の運用規定でジャンク債を買えないことが多い。このため過去に日本で発行体格付けがダブルB以下でジャンク債を発行したのは消費者金融大手のアイフルのみ。
しかし、関係者は「投資家の利回りを重視する姿勢は強まっている。利回りの高い劣後債は地方投資家からの引き合いも増え、供給が追いついていない」と指摘。旺盛な需要を集めた。
●決算関連
●マクロ・その他
先進国の経済活動が活発になる中、人手不足などを背景に物流の遅れが深刻化している。米国で製造業が注文したモノの入荷の遅れを示す指標は5月、1970年代以来の高水準を更新した。急激な需要拡大に供給が追いつかない状況が続けばインフレ圧力を過度に高め、コロナ禍からの回復へ向かう世界経済の足かせになる。
フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は、過去最低水準の年2%で据え置いている政策金利である翌日物借入金利について、「必要であればさらなる利下げもありうる」と語った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済成長が低調なことが背景にある。遅れているコロナワクチンの接種ペースを速めることが景気回復には欠かせないとして政府の接種計画に期待を寄せた。
支出面でGDPの約6割を占める個人消費は前期比1.2%増となり、全体を0.7ポイント押し上げた。新型コロナの感染が比較的抑制されており、行動規制の緩和で外食や旅行などのレジャー消費が活発だった。
民間の設備投資を含む総固定資本形成は前期比4.7%増えた。中でも住宅への投資が6.4%増と、03年10~12月期以来の高い伸びを記録した。政府が導入した持ち家購入者向けの補助金が成長を支えた。
ただ今後には不透明感も残る。新型コロナの発生源を巡る独立調査要求を発端に関係が急速に悪化した中国は、豪農産品や石炭の輸入を制限している。
また、新型コロナ変異種の感染が拡大、同州政府は5月下旬に外出規制を導入。ワクチン接種に遅れを取っており、「ワクチン接種のペースの遅さや外出規制の影響で、4~6月期の成長率が弱含む可能性がある」と指摘も。
ストラテジストのアンドルー・マクファーレン氏はリポートで、連邦準備制度が資産購入を漸減するテーパリングの計画を9月に発表する可能性があるとの見方を示した上で、その場合は10年物米国債利回りが年末までに1日の1.62%前後から2.15%に上昇すると予想した。これに対し、ユーロ建て債の利回りはあまり動かないとみており、想定されるテーパリング発表前後に米国債利回りが上昇した場合、ユーロ建て新興市場債はトータルリターンの点で相対的な避難先になり得る」との見方を示した。
ただ目先は、欧州中央銀行(ECB)から10日に「ネガティブサプライズ」があるリスクやハト派的な米連邦公開市場委員会(FOMC)という状況も想定され、新興市場債はユーロ建てよりもドル建てに妙味があるとしている。ECBは10日の定例政策委員会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の高ペース維持を決定するとの予想が増えている。
トルコ中銀がウェブサイトに掲載した資料のコピーによれば、同総裁は「政策の早期緩和に対する観測には根拠がなく、消し去る必要がある」と述べた。この報道を受け、トルコ・リラは対ドルでの下げ幅を縮小した。
FRBの社債購入や金融緩和、政府の経済対策で社債市場は20年半ばには落ち着いた。一時は社債金利は史上最低の水準にまで下がり、低格付けの企業も低利で資金を調達できるようになっている。FRBはすでに購入は止めているが、「市場機能を回復させ、大企業の与信を支え、コロナ禍の雇用促進にもつながった」と評価。
売却にあたっては日々の取引状況をみながら、市場への悪影響を抑えるとしている。金融調節を担うニューヨーク連邦準備銀行が今後、売却の詳細を公表する。
FRBが先週発表した最新のバランスシートの詳細によれば、一連の社債やETFの保有残高は137億ドル(約1兆5000億円)前後だった。FRBはまずETFの売却を皮切りとして、夏には社債の売却にも着手し、年末までに完了させたい意向。
ネットの情報拡散に個人投資家が呼応する「ミーム銘柄」が急騰した。通常取引終了後の時間外取引でもほぼ堅調に推移している。
AMCは上場来高値を更新し、通常取引の終値は95.2%高。時間外でも約4.9%高となっている。インテリア・家庭用品小売りの米ベッド・バス・アンド・ビヨンドは約62%高で通常取引を終えた後、時間外でも一時9.5%高となったが、その後は反落。電気自動車(EV)メーカーのワークホース・グループは通常取引を約20%高で終了し、時間外も一時約16%高で取引された。
昨年4月以降、SPACの少なくとも9社が、調達した現金で得られる金利収入の見通しを1%以上としていた。これは資金が買収に使用される前の数字で、SPACが買収相手を探す間に資金の置き場とすることが多い米短期国債の昨年1年間の平均利回りを10倍近く上回る。
結果を見ると、SPACがこれまでに報告した金利収入は、投資家に当初の見込みとして提示した額のほんの一部にとどまっている。ただ、SPACはこの見込み額を保証していたわけではない。熱狂的な人気を誇ったSPACに殺到した多くの投資家にとって、買収前の金利収入は最優先事項ではなかったかもしれない。それでも米短期国債の低い利回りは誰もが知っているところで、SPACが提示した金利収入の見通しは、同業界の他の見込みにも疑問を抱かせる。
●市況
日経先物(大証)29110、ダウ先34617、債先151.55、米1.591、独▲0.1965、仏0.164、西0.458、伊0.877、原油68.83、ドル円109.63、墨ペソ19.90、トルコリラ8.5951、墨CDS93
※6/3 9時20分頃
備忘録(6/1)
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
J&Jに21億ドル支払い義務、ベビーパウダー訴訟-最高裁が訴え退け
ベビーパウダーにアスベストが混入していたことが原因でがんを発症したとして、消費者が同社を相手取って起こしていた訴訟で、米連邦最高裁判所は1日、J&Jの上告を退けた。これにより、ミズーリ州セントルイスの控訴裁が認めた21億ドル(約2300億円)の賠償金支払いが確定した。
川崎重工、水素事業の売上高3000億円へ 31年3月期目標
足元では世界初の液化水素運搬船の開発を進める。22年3月期の下期中には実証設備を使いオーストラリアで生成された水素の積載に取り組む。
トヨタ系部品、脱炭素へ加速 豊田合成はCO2半減計画
5月の新車販売46%増、コロナ前には届かず
コロナ前の19年5月と比べると約2割の減少で、半導体不足の影響が表れている。
[FT]CO2排出コスト上昇、欧州航空会社の業績に打撃
大手百貨店5社、5月はそろって増収
前年に新型コロナウイルスの感染拡大により店舗を休業していた反動で伸びた。一方で、コロナが流行する前の2019年比では各社とも減少しており、依然厳しい状況が続いている。
ゼネコン大手4社、工事利益率6年ぶり低水準、今期 五輪需要など一服
民間工事は新型コロナウイルス禍で落ち込んだ受注が回復するが、東京五輪関連や東日本大震災の復興需要がなくなり競争が激化する。株式市場では各社の取り組みをもとに選別投資が広がりつつあり、株価に明暗が分かれる可能性がある。
半導体商社、在庫17年以来の低水準
18社の2021年1~3月期の棚卸し資産(在庫)が1回転するまでの期間は1.4カ月を割り込み、メモリーが逼迫した17年以来の低さとなった。18社合計で棚卸し資産は2%減。東京エレクトロンデバイスなど18社中14社が前年同期より回転期間が短くなっている。自動車向けだけでなく産業向けなど幅広い分野で半導体の不足感が強まっている。
●決算関連
●マクロ・その他
5月の米製造業景況感0.5ポイント上昇 供給制約続く
5月の米製造業景況感指数は61.2で前月から0.5ポイント上昇した。2カ月ぶりの上昇で、市場予測(60.5程度)を上回った。製造業の力強い拡大は続いたが、労働者不足や物流の乱れなど供給面の課題の改善が遅れていることを示した。
「新規受注」は67.0で2.7ポイント上昇した。しかし、原材料・人手不足などで「生産」は58.5で4.0ポイント低下した。労働者の確保の難しさを映して「雇用」も50.9で4.2ポイント低下した。一方、「入荷遅延」は78.8で3.8ポイント上昇し1974年4月以来約47年ぶりの高さとなった。
ISMは「記録的に長いリードタイム、重要な基本材料の広範囲の不足、商品価格の上昇、製品輸送の困難さなどが、引き続き製造業のあらゆる分野に影響を及ぼしている」と指摘した。
加工金属分野の企業は「能力を備えた人材で求人を埋めることができない。材料不足も重なり納入期限に間に合わせるのが難しく、10~12月期まで状況は改善されそうにない」と伝えた。
ワクチン証明、欧州の一部で開始 自由な移動認める
欧州連合(EU)の一部の国が、新型コロナウイルスのワクチンの接種などを条件に、自己隔離などを免除して移動の自由を認める証明書の発行を始めた。欧州ではワクチンの接種が進み、新型コロナの感染も落ち着いている。旅行や出張など域内の移動を認めて、経済活動を活発にする狙いだ。
この証明書は、観光業に経済を大きく依存するギリシャなど南欧諸国が強く導入を求めていた。夏は観光シーズンで、旅行業や航空会社にとってかき入れ時だ。強い移動制限が残ったままでは、企業の倒産が相次ぎ、失業者の増加や、景気の落ち込みにつながりかねないとの懸念があった。
ブラジル、1~3月期GDPは1.2%増 感染再拡大で伸び鈍化
国際商品市況の回復でプラスを維持したものの、新型コロナウイルスの再拡大を受け、20年10~12月期(3.2%増)より伸び率は鈍化した。
国際商品価格の上昇を背景に農業が5.7%増となったものの、製造業の落ち込みで鉱工業が0.7%増、サービス業が0.4%増と低調だった。家計消費は0.1%減、政府支出は0.8%減と、ともに3期ぶりにマイナスとなった。
中央銀行が5月末に発表した、民間エコノミストの調査をまとめた「FOCUS」調査によると21年通年のGDP成長率予想は3.96%と、4月末から0.82ポイント上昇した。足元の通貨安が落ち着いていることに加え、年後半にかけワクチンの確保が進むことで消費や製造業が持ち直すと見込む。世界経済の回復に伴い、穀物や食肉、鉄鉱石といった商品価格が上昇していることも輸出を後押しするとみられている。
オフィス賃料、世界主要都市の7割で下落 コロナ影響続く
世界14都市の不動産調査によると、4月時点のオフィスビル賃料が半年前より下がった地域は10都市と対象地域の7割を占めた。米ニューヨークなどの下落が目立ち、東京も前回調査よりわずかに下がった。世界のオフィス市場で新型コロナウイルスの影響が広がっている。
南欧が照らすかユーロ高 共通債の恩恵で長期化も
アルゼンチン、主要債権国への債務支払わず 減免求める
アルゼンチン政府は日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)への債務を期限の5月31日までに支払わなかった。地元メディアが伝えた。今後、60日間の利払い猶予期間(グレースピリオド)中の交渉で債務減免の合意を狙う。
不払いは既定路線で、グレースピリオド中の債務再編交渉で債務減免で合意できるかどうかが焦点となる。地元経済紙アンビト・フィナンシエロ(電子版)はアルゼンチン政府は既にドイツやフランスなど欧州諸国から支援について前向きな反応を得ており、日本政府の反応を待っていると伝えた。
英中銀副総裁「住宅ブーム注視」、インフレ持続的なら利上げも-英紙
ラムズデン副総裁は「需要が供給に先行し、それがインフレ圧力のより全体的な増大につながるリスクが存在する。われわれはそれを断然警戒する。住宅市場と多くの実質ベースの指標を注視している」と述べ、パンデミック(世界的大流行)からの英経済の急速な回復が、持続的なインフレ局面につながる可能性を判断する上で、国内の住宅市場ブームを注意深く監視していると語った。英紙ガーディアンとのインタビューで発言した
●雑感
●SBG、鉄鋼、輸送&自動車関連、ヘルスケア、ESG
J&Jに21億ドル支払い義務、ベビーパウダー訴訟-最高裁が訴え退け
ベビーパウダーにアスベストが混入していたことが原因でがんを発症したとして、消費者が同社を相手取って起こしていた訴訟で、米連邦最高裁判所は1日、J&Jの上告を退けた。これにより、ミズーリ州セントルイスの控訴裁が認めた21億ドル(約2300億円)の賠償金支払いが確定した。
川崎重工、水素事業の売上高3000億円へ 31年3月期目標
足元では世界初の液化水素運搬船の開発を進める。22年3月期の下期中には実証設備を使いオーストラリアで生成された水素の積載に取り組む。
トヨタ系部品、脱炭素へ加速 豊田合成はCO2半減計画
5月の新車販売46%増、コロナ前には届かず
コロナ前の19年5月と比べると約2割の減少で、半導体不足の影響が表れている。
[FT]CO2排出コスト上昇、欧州航空会社の業績に打撃
カテラは既に合意済みの建設プロジェクト数十件について、着手しない可能性が高い。同社は事業閉鎖の要因として、新型コロナウイルス禍に伴う影響、ならびに労働コストと建設資材費の上昇を挙げているという。カテラは昨年12月、ソフトバンクグループから新たに2億ドル(約220億円)を調達していた。
●その他産業大手百貨店5社、5月はそろって増収
前年に新型コロナウイルスの感染拡大により店舗を休業していた反動で伸びた。一方で、コロナが流行する前の2019年比では各社とも減少しており、依然厳しい状況が続いている。
ゼネコン大手4社、工事利益率6年ぶり低水準、今期 五輪需要など一服
民間工事は新型コロナウイルス禍で落ち込んだ受注が回復するが、東京五輪関連や東日本大震災の復興需要がなくなり競争が激化する。株式市場では各社の取り組みをもとに選別投資が広がりつつあり、株価に明暗が分かれる可能性がある。
半導体商社、在庫17年以来の低水準
18社の2021年1~3月期の棚卸し資産(在庫)が1回転するまでの期間は1.4カ月を割り込み、メモリーが逼迫した17年以来の低さとなった。18社合計で棚卸し資産は2%減。東京エレクトロンデバイスなど18社中14社が前年同期より回転期間が短くなっている。自動車向けだけでなく産業向けなど幅広い分野で半導体の不足感が強まっている。
●決算関連
●マクロ・その他
5月の米製造業景況感0.5ポイント上昇 供給制約続く
5月の米製造業景況感指数は61.2で前月から0.5ポイント上昇した。2カ月ぶりの上昇で、市場予測(60.5程度)を上回った。製造業の力強い拡大は続いたが、労働者不足や物流の乱れなど供給面の課題の改善が遅れていることを示した。
「新規受注」は67.0で2.7ポイント上昇した。しかし、原材料・人手不足などで「生産」は58.5で4.0ポイント低下した。労働者の確保の難しさを映して「雇用」も50.9で4.2ポイント低下した。一方、「入荷遅延」は78.8で3.8ポイント上昇し1974年4月以来約47年ぶりの高さとなった。
ISMは「記録的に長いリードタイム、重要な基本材料の広範囲の不足、商品価格の上昇、製品輸送の困難さなどが、引き続き製造業のあらゆる分野に影響を及ぼしている」と指摘した。
加工金属分野の企業は「能力を備えた人材で求人を埋めることができない。材料不足も重なり納入期限に間に合わせるのが難しく、10~12月期まで状況は改善されそうにない」と伝えた。
ワクチン証明、欧州の一部で開始 自由な移動認める
欧州連合(EU)の一部の国が、新型コロナウイルスのワクチンの接種などを条件に、自己隔離などを免除して移動の自由を認める証明書の発行を始めた。欧州ではワクチンの接種が進み、新型コロナの感染も落ち着いている。旅行や出張など域内の移動を認めて、経済活動を活発にする狙いだ。
この証明書は、観光業に経済を大きく依存するギリシャなど南欧諸国が強く導入を求めていた。夏は観光シーズンで、旅行業や航空会社にとってかき入れ時だ。強い移動制限が残ったままでは、企業の倒産が相次ぎ、失業者の増加や、景気の落ち込みにつながりかねないとの懸念があった。
ブラジル、1~3月期GDPは1.2%増 感染再拡大で伸び鈍化
国際商品市況の回復でプラスを維持したものの、新型コロナウイルスの再拡大を受け、20年10~12月期(3.2%増)より伸び率は鈍化した。
国際商品価格の上昇を背景に農業が5.7%増となったものの、製造業の落ち込みで鉱工業が0.7%増、サービス業が0.4%増と低調だった。家計消費は0.1%減、政府支出は0.8%減と、ともに3期ぶりにマイナスとなった。
中央銀行が5月末に発表した、民間エコノミストの調査をまとめた「FOCUS」調査によると21年通年のGDP成長率予想は3.96%と、4月末から0.82ポイント上昇した。足元の通貨安が落ち着いていることに加え、年後半にかけワクチンの確保が進むことで消費や製造業が持ち直すと見込む。世界経済の回復に伴い、穀物や食肉、鉄鉱石といった商品価格が上昇していることも輸出を後押しするとみられている。
オフィス賃料、世界主要都市の7割で下落 コロナ影響続く
世界14都市の不動産調査によると、4月時点のオフィスビル賃料が半年前より下がった地域は10都市と対象地域の7割を占めた。米ニューヨークなどの下落が目立ち、東京も前回調査よりわずかに下がった。世界のオフィス市場で新型コロナウイルスの影響が広がっている。
南欧が照らすかユーロ高 共通債の恩恵で長期化も
アルゼンチン、主要債権国への債務支払わず 減免求める
アルゼンチン政府は日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)への債務を期限の5月31日までに支払わなかった。地元メディアが伝えた。今後、60日間の利払い猶予期間(グレースピリオド)中の交渉で債務減免の合意を狙う。
不払いは既定路線で、グレースピリオド中の債務再編交渉で債務減免で合意できるかどうかが焦点となる。地元経済紙アンビト・フィナンシエロ(電子版)はアルゼンチン政府は既にドイツやフランスなど欧州諸国から支援について前向きな反応を得ており、日本政府の反応を待っていると伝えた。
英中銀副総裁「住宅ブーム注視」、インフレ持続的なら利上げも-英紙
ラムズデン副総裁は「需要が供給に先行し、それがインフレ圧力のより全体的な増大につながるリスクが存在する。われわれはそれを断然警戒する。住宅市場と多くの実質ベースの指標を注視している」と述べ、パンデミック(世界的大流行)からの英経済の急速な回復が、持続的なインフレ局面につながる可能性を判断する上で、国内の住宅市場ブームを注意深く監視していると語った。英紙ガーディアンとのインタビューで発言した
太陽光発電パネルの生産量や株価に関するマスク氏のツイートが、弁護士による事前承認を義務づけた過去の裁判所命令に繰り返し違反していたと通告する内容だ。報道についてテスラからのコメントは得られていない。
協調減産を7月まで段階的に縮小する既定方針を再確認した。需要は回復しているが、イラン核合意再建など先行きは不透明で8月以降の計画は示さなかった。ニューヨーク市場の原油先物価格は一時、2年7カ月ぶりの高値にまで上昇した。
OPECプラスは4月、協調減産幅を5、6月にそれぞれ日量35万バレル、7月は44.1万バレル縮小することで合意済みだ。サウジアラビアの独自減産の縮小と合わせて、6月の減産幅は基準生産量に対し合計620万バレルとなる。新型コロナウイルスで原油需要が急減した昨年は一時、世界の供給の1割に当たる970万バレルの大幅減産に踏み切っていた。
「両面のリスクに注意を払っている」とした上で、「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開後に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」「パンデミック前の定着したインフレの力学に比べると、一部の財・サービス分野における一時的なインフレ急加速が、より長期的なインフレ動向に跡を残す可能性は低いように見受けられる」と指摘した。
雇用情勢について、「足元の雇用はわれわれの目標から程遠いままだ」とし、「雇用はパンデミック前の水準を800万人余り下回っており、この1年強に長期的な雇用の伸びが実現していた可能性を踏まえると、雇用不足は1000万人を上回る」と語った。
今後数十年間により深刻な危害から地球の大気圏を守るためにも、脱化石燃料への移行が必要なことは気候科学が示していると述べ、こうした移行は複数の産業に新たな機会をもたらし、鉄やセメント、電気といったモノの使い方を変化させるとの見解を示した。
一方で、「移行が無秩序に進められ、後になってそれを補正するために一段と厳しい政策が導入された場合、エネルギーや材料コストが上昇し、結果的に低調な経済成長とインフレ加速の両方が生じる恐れがある」と述べた。
●市況
日経先物(大証)28710、ダウ先34515、債先151.50、米1.613、独▲0.1850、仏0.171、西0.461、伊0.904、原油67.92、ドル円109.50、墨ペソ19.97、トルコリラ8.5912、墨CDS93
※6/2 8時45分頃
日経先物(大証)28710、ダウ先34515、債先151.50、米1.613、独▲0.1850、仏0.171、西0.461、伊0.904、原油67.92、ドル円109.50、墨ペソ19.97、トルコリラ8.5912、墨CDS93
※6/2 8時45分頃
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