●短信を受けて ※PLおよびBSまでコメント作成。CFおよびSVF詳細(短信P69~)は5/20予定の投資家説明会を踏まえ、後日コメントを入れます。
(1)全体像
・営業利益▲1兆3646億円、税前利益+354億円、純利益▲9616億円
・SBKKは堅調に推移も、SVFで1兆9313億円の営業赤字を計上。
・We workなどSVF以外の投資でも損失を計上したが、アリババ関連の利益2兆1891億円を計上したことで税前利益は黒転するが、法人税費用を計上し、最終赤字。
・なお、4/30に発表された業績予想から営業利益下振れ、税前利益上振れとなった。
・自己資本は5.9兆円に減少(19/3末:7.6兆円)
・保有株式時価は28.5兆円、純有利子負債は6.8兆円であり、調整前LTVは23.9%
・SBG定義のLTV(アセットファイナンスを純有利子負債および保有株式時価から控除)は14%
・業績見通しおよび配当は未定(決算説明会にてゼロ配当もあり得るとコメント)
(2)損益計算書
①ソフトバンク:増収増益
営業利益は8598億円→9233億円 ※ZHD子会社化を遡及適用ベース
②アーム:増収赤字転落 ※19/3は一過性の利益あり
営業利益は1339億円→▲428億円
③ブライトスター:減収赤字縮小
営業利益は▲234億円→▲53億円
④その他:赤字拡大
営業利益は▲901億円→▲2495億円
(参考)PayPayの業績
売上高6億円→92億円
営業利益▲366億円→▲822億円
⑤営業利益(SVF除く):①~④から8170億円→5667億円
⑥SVF ※損失のうち外部投資家持ち分については営業外で戻しを計上
投資簿価は6.7兆円(P29)、投資先数88先、評価損益▲1兆8693億円
投資損益▲1兆8449億円+運営費用865億円=営業利益▲1兆9313億円
投資損益の内訳:売却実現益+583億円+未実現評価損益▲1兆9177億円+利息配当128億円+デリバ1億円+為替15億円=1兆8449億円
(過年度計上額のうち実現損益へ の振替額▲400億円)
⑦営業利益:⑤+⑥で▲1兆3646億円
⑧営業外損益
・アリババ関連
持分法損益増加:3201億円→6387億円
持分変動利益:アリババの香港上場に伴い3319億円を計上
デリバの決済により、1兆2185億円を利益計上
・SVFの外部投資家持分の増減:+5409億円
・SVFを除く投資関連の損益:▲6685億円
Weに関連した損失=出資▲$5380MM(うち4Q:▲$1777MM)+保証▲$459MM+ローンコミット▲$$826MM
※保証とローンはすべて4Qに計上したロス
WeWork投資用 100%子会社からWeWorkへの投資(P11)より
OneWebに関連した損益:▲$1593MM(19/3期:▲$430MM)
⑨税前利益:⑦+⑧で1兆6827億円→355億円
⑩親会社株主帰属純利益:⑨に、法人所得税(7977億円)と非継続事業からの利益(▲386億円)、非支配株主持分利益(1608億円)を反映し、▲9616億円
(3)BSについて
【連結ベースでの特記事項】
●Sprintの非連結化の影響
「売却目的に分類された資産」が9兆118億円増加(19/3末:2242億円→20/3末:9兆2360億円)。それに伴い、有形資産が1兆8906億円、のれんが3230億円、無形資産(主に周波数関連の無形資産)が5兆830億円減少した。(負債側も同様の処理を実施)
●有利子負債
SBG単体+8015億円、SVF+5450億円、SBKK+6423億円、ZHD+7089億円、スプリント▲4兆4284億円、その他+888億円
有利子負債の増加要因:SBGは下記参照、SBKKはZHD子会社化、ZHDはZOZO子会社化が影響している。
●資本
自己資本:▲1兆7079億円
(主な要因)純利益▲9616億円、その他包括利益▲4640億円(在外営業活動体の為替換算差額▲5216億円が中心)、配当+自社株買い▲2885億円
●その他
・ZOZOの買収に伴い2129億円ののれん計上
・SVFの損失計上やWe関連の損失計上に関連して、ファンド投資や投資有価証券が減少。また、Weに関連して金融保証およびローンコミットについて予想信用損失に対する損失評価引当金を認識、2343億円の損失評価引当金をその他金融資産に計上。
・アリババ株の先渡契約決済に伴い、繰延税金資産を取り崩し(繰税資産が3656億円減少)、デリバ金融負債が7498億円減少。
ファイナンスリースとして計上されていたものが、使用権資産に変更&オペリースがオンバランス化(有形資産▲1兆1570億円、使用権資産+1兆3681億円)
有利子負債:+8015億円(19/3末:7兆4456億円→20/3末:8兆2471億円)
増加要因:①社債のリファイによる純増(3000億円)②SBGによるSP発行600億円③BABA株のマージンローン(4689億円)④SBKK株のマージンローン(5000億円)⑤BABA株の先渡売買契約による純減(ネットで5345億円)
(4)CFについて
後日
(5)SVFについて
おもな損失要因
Uber▲$5179MM、We▲$4582MM、この2件は通期を通じて低調だった。
その他の銘柄は1Qで+$4877MMも、2Q:で▲1845MM→3Q:▲$1552MM→4Q:▲$8982MM=通期:▲$7502MM
4Qについては、コンシューマ分野で▲$3257MM、トランスポートで▲$2381MM、不動産建設(We除く)で▲$2196MMの損失を計上した。
投資パフォーマンス
取得価額vs20/3末時価
時価が上回る(投資として現時点では成功):19件(+$3473MM)
時価が下回る(投資として現時点では失敗):19件(▲$20736MM)
イーブン:50件
SVFの総額$98.6bn(うちSBG:$33.1bn)に対して、コミット残額は$20.3bn(同:$4.5bn)
(6)財務レシオについて ※筆者が勝手に計算しているものですのでご了承ください
(SBG定義)LTV=14.3%(アセットファイナンスをLTV算出式の分子・分母から控除)
調整前LTV=23.9%(控除せず)
税金神後LTV=21.7%(税率を30%として、アセットファイナンスのうちBABA株を活用した先渡し・カラー・フロア取引については、ファイナンスした額の70%を純有利子負債から控除、同全額を保有株式時価から控除して算出)
●LTVの変動要因
・自社株買いと債務削減の動向(バランス)
・SVF2の投資ペース
・We workへのローンおよび債務保証の動向
以上
●ゼロヘッジ(最後のパラグラフ良し)
https://www.zerohedge.com/markets/softbank-expected-report-record-loss-bets-wework-ride-sharing-backfire
(筆者コメ)LPへの確定配当負担は重いよな
6/25付けで、後藤CFOが取締役に就任
(筆者コメ)BABA株を売るからなのか
●自社株買い追加5000億円
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200515416679.pdf
(筆者コメ)20/3に発表した5000億円の自社株買い枠については、4末時点で2506億円取得済。株主還元と財務改善は両輪だよね・・・
●サウジのSWFがSVFの持分を担保に借入を検討
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-17/QAG377DWX2PS01?srnd=cojp-v2
(筆者コメ)無理やり早期償還を迫ってきたら(契約上は、投資期間内に解約はできないものだと理解)どうしようかと、内心ひやひやしていたが、SBGおよびSVFも余裕ないから、銀行にhelp求めたか。
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