備忘録(2024/5/29)
●雑感
●決算
セールスフォース、5─7月業績見通しは予想届かず 顧客の支出低調 | ロイター
セールスフォースが決算受け時間外で17%の大幅安 成長鈍化への懸念を煽る=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
[HPQ] HP 2Q減収営業増益 売上高1%減128億ドル、営業益27%増9.52億ドル、EPS0.61ドル - 株探(かぶたん)|米国株
[A] アジレントテクノロジーズ 2Q減収営業減益 売上高8%減15.7億ドル、営業益5%減3.63億ドル、EPS1.05ドル - 株探(かぶたん)|米国株
●海外企業
米メルク、アイバイオを2000億円で買収 眼科治療薬開発 - 日本経済新聞
米製薬大手メルクは29日、眼科治療薬を開発するアイバイオテックを13億ドル(2050億円)で買収すると発表した。メルクは主力のがん免疫薬の特許失効が迫っており、M&A(合併・買収)を通じてパイプライン強化を急いでいる。
メルクによれば、買収は2024年7〜9月期に完了する見通しだ。まずは13億ドルを現金で支払い、その後、製品の開発や規制当局による承認などの目標が達成できれば、追加で17億ドルを支払う。
アイバイオテックは高齢者に多く、視力低下や失明を引き起こす加齢黄斑変性(AMD)の治療薬「レストレット」を開発している。同治療薬は24年後半にフェーズ2B・3(第2後半、第3臨床)試験に入る見通しだという。
米調査会社グランド・ビュー・リサーチによれば、AMD治療薬の世界市場規模は30年までに180億ドルに上る見通しだ。患者数も40年までに世界で3億人近くまで上ると予想されている。
メルクは主力のがん免疫薬「キイトルーダ」の米国市場での特許が28年に失効となるため、年間売上高が10億ドルを超える大型薬「ブロックバスター」の開発に向けてM&Aを加速している。キイトルーダの23年の売上高は全体の4割強を占める250億ドルだった。
ゴールドマン、プライベートクレジット投資に向け210億ドル集める - Bloomberg
ゴールドマン・サックス・グループは、プライベートクレジット投資に向け210億ドル(約3兆3000億円)を集めた。ウォール街で最も注目されている資産クラスのために、これまでで最大の資金を準備した。
ゴールドマンはダイレクトレンディング(直接融資)ファンドの最新版の募集を締め切ったところだ。新規資本、借り入れ、共同投資などで資金を集めた。このファンドと、セパレートリー・マネージド・アカウント(SMA)と呼ばれる一任勘定は、借り手とより直接に交渉するシニアローンに使われる予定だ。
事業拡大を目指す運用会社にとって、プライベートクレジットは良いアピール手段になっている。ゴールドマンにとっては別の重要性もある。自己資金を使った投資の収益よりも安定した手数料収入を追求することにした同社は、外部の投資家から大量の資金を迅速に調達できることを証明する必要があるからだ。
ゴールドマンの資産運用・ウェルスマネジメント部門グローバル責任者、マーク・ナックマン氏は、年金基金や保険会社、政府系ファンドから資金を集めるため、世界中を飛び回っている
ナックマン氏はインタビューで、「私は、人々が私と話したがっているところなら世界中のどこへでも行く」と述べた。プライベートクレジットについて「彼らは皆、非常に興味深い資産クラスだと考えている。10年前にさかのぼると、どのファンドもダイレクトレンディングに大きな投資をしていなかった」と語った。
今回の資金調達は、2008年にスタートした「ローン・パートナーズ」ファンドの第5弾となる。調達した資金には131億ドルの株主資本、長期融資、ゴールドマン自身のバランスシートの一部が含まれる。
また、ファンドと並行して投資する共同投資ビークルで5億ドル、同じシニアセキュアード・ダイレクトレンディング戦略のためのSMAで70億ドルを獲得した。このような口座は一般的に、大口の資金配分者により良い条件と、よりカスタマイズされたサービスを提供するため、人気を集めている。
ゴールドマンにとっては、好機を見極めれば自己資金を固定化することをいとわないことで知られる同社が、ブラックストーンのように他者の資金でそれを行うことを、より多くの顧客に示すチャンスになる
「当社は他のオルタナティブ資産運用会社ほど、これらの投資家の一部との付き合いが長くない。この先3-5年にわたり資金を預けてほしいという信頼を投資家に求めているわけで、非常に長期的なコミットメントであり、その信頼を得るには時間がかかる」とナックマン氏は語った、
しかし、他の多くの銀行と比べるとゴールドマンはプライベートクレジットという分野でベテランだ。現在の目標は、5年以内にプライベートクレジット資産を2倍以上の3000億ドルに増やすことだ。
ゴールドマンのプライベートクレジット部門責任者、グレッグ・オラフソン氏は「投資家は、比較的新規の参入者がこのような複雑な市場に取り組む際に、以前からのプレーヤーと同じ専門知識を持っていると考えるべきではない」と言う。
「このビジネスは人との関係が重要だ」として、新規に参入しようとするところには「チームも経験もない」と指摘。銀行の最近の傾向は運用会社と提携することだが「不自然なパートナーシップ」だと述べた。
「彼らは私たちが30年かけて築き上げてきたものを模倣しようとしている。それは難しいことだ」と語った。
JPモルガン・チェースは、自社バランスシートから100億ドル余りをダイレクトレンディングに充て、プライベートクレジット取引に参加する運用会社と提携しようとしている。また、同社の資産運用部門は、この分野で事業を展開する企業を買収しようとしている。
ウェルズ・ファーゴやバークレイズも提携を結んでおり、提携先が引き受けられるような案件の組成を目指している。
米コノコ、マラソン・オイルを買収 225億ドル規模の株式交換 | ロイター
米ウィーワーク創業者、会社の買い戻し断念=報道 | ロイター
●日本企業
S&P、楽天Gの格付け見通し「安定的」に変更 従来「ネガティブ」 | ロイター
モバイル事業の赤字縮小と設備投資の削減で、非金融事業の業績が緩やかに回復するとした。
2025年末までに償還期日が到来する約5450億円の社債の償還資金の調達におおむねめどがつき、楽天Gの今後1―2年の流動性は改善するとS&Pはみている。
ゆうちょ銀行、純利益5000億円目標 26年度以降早期に - 日本経済新聞
外国証券の運用に力を入れるほか、日銀のマイナス金利政策の解除を追い風に国債の比率を高めて、資産運用で収益を伸ばす。
同行は次期中期経営計画を26年度にはじめる。次の成長の柱のひとつには国内でのスタートアップ投資を据える。26年3月期までに投資確約ベースで4000億円を投じ、30年までに計1兆円を投資する計画だ。笠間貴之社長は投資の成果は「5〜6年後に出てくる」と述べた。
千代田化工建設、株主総会の継続会 決算手続き完了せず - 日本経済新聞
●米大統領選挙
バイデン氏の大統領選候補指名、党大会前にオンライン投票で | ロイター
トランプ氏、政策顧問にマスク氏起用も 大統領選勝利なら=報道 | ロイター
米最高裁の保守派判事、トランプ氏裁判の審理辞退せず-自宅に極右旗 - Bloomberg
●先進国中銀
利上げペース早める必要も、円安で物価再上昇なら-安達日銀委員 - Bloomberg
日本銀行の安達誠司審議委員は29日、円安の加速・長期化によって消費者物価が早期に再上昇する可能性があるとし、利上げのペースを速めることもあり得るとの見解を示した。熊本県金融経済懇談会で講演した。
安達氏は、「円安が加速、もしくは長期化することで、想定しているよりも早いタイミングで消費者物価の上昇率が反転する可能性がある」と指摘。先行き持続的・安定的な物価上昇が2%を上回る可能性がより強まっている場合には、「利上げを行うことで金融緩和度合いを調整するペースを速める必要性があるかもしれない」と述べた。
●先進国、グローバル、金融市場
ユーロ圏銀行融資、4月も低調 マネーサプライは1年ぶり高い伸び | ロイター
訂正 バーゼル3、米次第でEUは一部実施遅らせるべき=仏中銀総裁 | ロイター
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は29日、銀行資本規制「バーゼル3」について、米国の完全実施に時間がかかるなら欧州連合(EU)は一部の実施を遅らせる可能性があり、また遅らせるべきだとの考えを示した。
フランスのマクロン大統領や政府高官はかねてより、米国の銀行がバーゼル3を採用していないため、欧州の銀行が競争上不利になっていると主張している。
ビルロワドガロー氏は、米規制当局が今月バーゼル3を「完全かつ忠実に」実施することを約束したと述べた。
その上で「遅滞や内容の相違があまりにも大きい場合、欧州は特定の条項、特に市場リスクに関する条項の発効を延期することが可能であり、またそうすべきだ」と述べた。
バーゼル3は資産1000億ドル超の銀行に適用され、最大手銀行の自己資本管理方法を抜本的に見直すもので、融資やトレーディングにも影響を与える。
EU中国関係、欧州経営者の半数以上が悪化予想 デリスキング懸念 | ロイター
欧州産業家円卓会議(ERT)が29日発表した調査によると、欧州企業トップの半数以上が今後3年間で欧州と中国の関係が悪化すると予想している。
欧州連合(EU)のデリスキング(リスク低減)戦略と、中国とロシアの緊密な関係が最大の摩擦要因として挙げられた。
ERTによると、調査対象の54%がEUと中国の関係は悪化するとみており、改善するとの見方は7%にとどまった。
多国籍企業では中国拠点の経営者の方が欧州の経営者よりも楽観的で、関係に変化がないとの予想が悪化予想を上回った。いずれも重要な鉱物や技術などで中国への依存を減らすEUのデリスキング戦略を摩擦の最大の要因に挙げた。
中国とロシアの「新時代」のパートナーシップも重要なリスクとみており、中国拠点の経営者にこの傾向が強かった。
中国の対米関係と過剰生産能力も将来的に摩擦が生じる重要な分野とみられている。
今回の調査では経営者が2021年後半以降で最も楽観的になっていることが示された。ただ楽観的な見方の高まりは、欧州内ではなく欧州外の見通しに主に関係していた
6月6─9日の欧州議会選挙後に誕生するEUの新指導部が規制を簡素化しEU単一市場を完成させることで、欧州の経済見通しに最も大きなプラスの影響を与えると予想した。
独実質賃金、第1四半期前年比+3.8%で伸び最大 4期連続プラス | ロイター
IMK研究所のシニア・エコノミスト、セバスチャン・デュリエン氏は、幅広い購買力の回復は、今後数カ月の消費需要の加速度的増加につながるとして、消費が景気回復の重要な柱になる可能性があると述べた。
市場調査グループGfKとニュルンベルク市場判断研究所(NIM)が算出する消費者信頼感指数は、6月まで4カ月連続で改善した。所得や景気の見通し改善が寄与した。ただ、消費者の間では不透明感が根強く大型出費が控えられているとGfKは指摘した。
IMFがドイツに「債務ブレーキ」緩和を提言、財務省は否定的 | ロイター
国際通貨基金(IMF)は28日、2024年の対ドイツ経済審査報告を発表し、政府は歳出増加の圧力を受けており、財政赤字を厳しく制限する「債務ブレーキ」の緩和を検討するべきだと提言した。ただ、財務省関係者はインフレ加速への影響から否定的な見解を示した。
ドイツ政府は昨年11月、新型コロナウイルス対策の未使用資金600億ユーロを温暖化対策などに振り向ける計画が憲法裁判所によって凍結を命じられ、歳入計画の枠組みが混乱に陥ったばかり。
審査報告は歳入を増やす改革も必要と指摘。「債務ブレーキは比較的厳しい水準に設定されており、公的債務残高の対国内総生産(GDP)比を低下傾向のまま維持しつつ、歳入を超える政府借り入れの年間上限を対GDP比で約1%ポイント緩めることが可能だ」と踏み込んだ。ブレーキ緩和により公共投資を拡大する余地ができると強調した。
報告によると、ベビーブーマー世代がリタイアし、最近の移民の波が沈静化するにつれ、ドイツの生産年齢人口の年間増加率は約0.7%ポイント低下すると見込まれ、主要7カ国(G7)の中では最悪となる。経済成長率も影響を受け、25から26年にかけては前年比1.0―1.5%増見通しだが、中期的には約0.7%増に鈍化するという。
このためIMFは、温室効果ガスを大量排出する事業モデルを低炭素化へと移行するグリーントランジションやデジタル化などへの公共投資を増やすことで、中期的な成長見通しを押し挙げられると提言した。
ただ、ドイツの財政規律のルールである債務ブレーキは財政赤字の上限を対GDP比0.35%と制限している。変更するには上下両院で3分の2以上の賛成が必要。
財務省関係筋は「インフレが鈍化し始めたばかりなのに再点火させてしまうリスクがある」と話した。さらに公債が増えると利払い負担も高まると指摘し、IMFのブレーキ緩和提言に否定的な考えを示した。
IMF、24・25年中国GDP予想を上方修正 堅調な第1四半期受け | ロイター
国際通貨基金(IMF)は29日、中国経済に関する年次報告書を公表し、今年の国内総生産(GDP)が5%増加するとの見通しを示した。第1・四半期の強い伸びを受けて従来予想の4.6%増から上方修正した。ただ、今後数年間で成長が鈍化すると予想した。
IMFは2024年と25年のGDP目標をそれぞれ0.4%ポイント引き上げた。
声明で「中国の経済成長は24年に5%と引き続き底堅く推移し、25年には4.5%に減速すると予想される」とし、堅調な第1・四半期GDP統計と最近の政策措置が予想引き上げにつながったと説明した。
一方で、高齢化と生産性の伸び鈍化により成長率は29年までに3.3%に鈍化すると警告した。
中国国家統計局が先月発表した第1・四半期GDPは前年同期比5.3%増加。伸び率は前期の5.2%から若干加速し、市場予想(4.6%)を上回った
<不動産リスク>
ただ、デフレ圧力は依然として強く、長引く不動産危機も引き続き成長の大きな足かせとなっている。
IMFのゴピナート筆頭副専務理事は記者会見で「不動産セクターの再調整が予想より拡大もしくは長期化するなど、見通しに対するリスクは下向きに傾いている」と指摘した。
「現在の住宅(市場)の調整は同セクターをより持続可能ななものにするために必要であり、継続させなければならない」と述べた。「不動産セクターの問題に対処するため、より包括的な政策パッケージを打ち出す余地がある」との考えを示した。
中国当局が今月発表した不動産支援策は歓迎するとした。その上で、販売前の未完成住宅を購入した人々を支援するために中央政府の資源を投入すべきだと述べた。「破綻した業者が不動産市場から撤退する道を開き、価格の柔軟性を高め、均衡を回復するのに役立つ」と説明した。
「生産が潜在的な水準を下回る中、インフレ率は上昇しつつも低水準を維持する見通しだ」とし、今年のコアインフレ率は平均1%程度にとどまると予想した。
国内需要の支援、インフレリスクの緩和、債務動向の管理の間にトレードオフがあると指摘し、中国人民銀行(中央銀行)が今年講じてきた金融政策措置を歓迎した。
IMF当局者は、優れた改革を行えば中国のGDPは15年間で18%増加する可能性があるとの調査結果も明らかにした。その上で、中国は生産性を高め、あらゆる企業の公平な競争条件を確保し、市場志向で法律に基づく良好な事業環境を生み出すために、経済改革を継続すべきだと述べた。
仏独首脳、ウクライナにロシア領内攻撃容認を 一部施設に限定 | ロイター
超長期金利の上昇止まらず、日銀オペ不透明-スワップ金利差12年ぶり - Bloomberg
超長期国債利回りの上昇が止まらず、スワップとの金利差は30年物でアベノミクス前となる12年ぶりの水準に拡大した。日本銀行の国債買い入れオペを巡る不透明感という需給要因が歴史的な金利差を生み出している。
ブルームバーグのデータによると30年国債利回りとスワップの差は29日時点で42ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と2012年11月以来の水準に広がった。スワップ金利を払って国債を買うと、2年国債利回りを上回る42bpの収益を確保できる計算だ。スワップは変動金利と固定金利を交換する取引で、金利上昇時の保有債券の損失を補うヘッジ効果がある。
この差の拡大は投資家が金利上昇に備える一方、割安な超長期国債購入に消極的であることを示唆する。日銀が6月の金融政策決定会合で国債買い入れを現在の月6兆円程度から減らす方針を示すとの観測が、通常の金利裁定を妨げている。減額余地が大きい中長期金利が上がると価格変動の大きい超長期債がより上昇する。金利の高さだけでは外債運用中心の国内投資家の円債回帰につながらない。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、金利差拡大について「追加利上げよりも需給悪化の影響が国債利回りの上昇に表れている」と指摘した。パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長も「日銀があす政策変更するわけではなく、債券相場の下落は需給バランスの崩れによる要因が大きい」として「買いが入りづらくなっている」と述べた。
日銀は13日の国債買い入れオペで、残存期間「5年超10年以下」の購入額を500億円減らした。これを受けて市場では日銀が早期に国債買い入れ減額に動くとの観測が広がり、10年債をはじめ全年限にわたって金利上昇に弾みがついた。
日銀の安達誠司審議委員は29日の記者会見で、国債買い入れについて、将来のどこかの時点で減額させるとしながらも、債券市場の需給や機能度、流動性の状況を総合的に勘案しつつ「段階的に減額していくことが望ましい」とし、本格的な減額計画をあらかじめ示すことには慎重な認識を示した。
ドイツのインフレが再び加速、市場予想も上回る-国債利回り上昇 - Bloomberg
ドイツのインフレ率が2カ月連続で上昇した。来週の会合での利下げを準備している欧州中央銀行(ECB)にとって、目標の2%を達成するための課題の大きさを浮き彫りにした。
独連邦統計局が29日発表した5月の消費者物価指数(CPI、EU基準)上昇率の速報値は前年同月比2.8%だった。4月の2.4%から加速し、ブルームバーグが調査したエコノミスト予想中央値の2.7%を上回った。
このインフレ加速は、前年同月に公共交通の格安チケットが導入され、物価を押し下げたことによるベース効果が大きく寄与した。
インフレ統計の発表を受けて、ドイツ国債は下落。10年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して2.65%と、昨年11月以来の高水準を付けた。金利変更への感応度がより高い2年債利回りは3.09%と、6カ月ぶり高値に接近した。
シティグループのストラテジスト、ジェイミー・サール氏はインフレ統計発表前の個客向けリポートで、「このデータが6月(の利下げ)を頓挫させる公算は小さいが、ECBが追加利下げの時期について新たなガイダンスを来週打ち出すことはできないとの見方が強まっている」と指摘した。
短期金融市場ではECBによる来週の0.25ポイント利下げがほぼ確実視されているが、7月に連続利下げがある確率はわずか10%強としか見込まれず、月初の30%から大きく低下した。市場が織り込む年内の利下げ回数は合計2回で、3回目がある確率は3割強とされる。
ドイツは年初の賃金上昇がとりわけ大きく、1-3月(第1四半期)の妥結賃金の上昇率は前年同期比6.2%と、ユーロ圏全体の4.7%を上回った。
独連邦銀行は先週のリポートで、5月のインフレ加速を予想。「向こう数カ月はやや高い水準で推移する」との見方を示していた。
連邦統計局は速報値ではコアインフレ率を公表しないが、各州のデータから3.2%に上昇したことが示唆されると、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は指摘した。それでもBEは、向こう数カ月にディスインフレが再開するとみている。
英野党・労働党がリード拡大、保守党の選挙公約発表後-ユーガブ - Bloomberg
5年国債利回りが15年ぶり高水準、0.63%-日銀利上げやオペ減額警戒 - Bloomberg
東京都知事選挙、小池百合子氏は3選出馬言及せず 都議会開会 - 日本経済新聞
EUの対中国製EV関税、欧州議会選後に決定先送り=関係筋 | ロイター
米証券決済「T+1」移行初日、市場に大きな混乱見られず | ロイター
米経済活動、拡大続くが一部にばらつき 見通しやや悲観的=地区連銀報告 | ロイター
米連邦準備理事会(FRB)は29日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動は4月初旬から5月中旬にかけて拡大を続けたとの認識を示した。ただ、業界や地域によって状況はまちまちになっているとした。
不確実性の高まりと下振れリスクの増大を背景に、全体的な見通しはやや悲観的なものとなった。
物価は「控えめなペースで上昇した」とした。
報告をまとめたダラス地区連銀によると、消費者需要の弱まりは多くの企業にとって引き続き懸念であり、中東での紛争の継続や世界的な地政学的緊張の高まりも下振れリスクとして挙げられた。
大半の地区で経済活動にわずか、または控えめな伸びが見られたと報告したが、2つの地区では変化がなかったとした。特に小売の支出は横ばいか微増で、消費者が支出を控えていることを示す最近の指標と合致した。
大半の地区で消費者が追加値上げに反発していると指摘された。ある大手衣料品小売業者はボストン地区連銀に「売り上げを伸ばすため秋口に一部の商品で小幅に値下げする予定」と話した。
一方、インフレ圧力が再び加速する兆しもあり、「多くの地区で原価の継続的な上昇が見られた」と報告された。5月に製造業ではさまざまな原材料価格が上昇したことが別の調査でも示され、今後数カ月でモノのインフレが再加速する可能性があることを示唆した。
労働市場に関しては大半の地区で労働力が確保しやすくなり、従業員の離職率も低下した。ミネアポリス地区連銀によると、ミネソタ州中部のワイナリーは「今年はパートタイムや季節労働者の応募が多く、非常に心強い」と報告した。
賃金の伸びは概ね引き続き緩やかなペースだったが、複数の地区連銀は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の平均水準になったか、それに向けて正常化しつつあると述べた。
ダイモン氏、プライベート融資ブームに警告-「地獄を見る」可能性も - Bloomberg
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、活況を呈しているプライベートクレジット(非公開融資)にいずれ問題が生じるだろうと予想。とりわけリテール顧客も投資できるようになっていることもあり、「地獄を見ることになりかねない」と警告した。
ダイモン氏は29日、金融業界の会合で「流動性が比較的低いこうした金融商品の一部をリテール顧客にも提供したいかと問われれば、多分イエスだが、まったくリスクがないかのように振る舞うのはノーだと答えるだろう」と話した。
1兆7000億ドル(約268兆円)に上るプライベートクレジット業界で、JPモルガンを含む銀行はシェアを伸ばそうと、アポロ・グローバル・マネジメントなどの業界大手に闘いを挑んでいる。一方で銀行勢は、独自の道を切り開こうともしている。JPモルガンはダイレクトレンディング用に自社バランスシートから100億ドル余りを確保したほか、他社との協力も計画。同社の資産運用部門はプライベートクレジット会社の買収を模索していると、ブルームバーグは先週報じた。
ダイモン氏はこの日、JPモルガンは主要プライベートクレジット会社の多くと取引していると語った。業界の一部企業は「素晴らしい」が、全部がそうなのではないとし、市場における問題は往々にして「良くない」企業が引き起こすと指摘した。
株主に対する年次書簡の中で、ダイモン氏はプライベートクレジット業界が悪い市場という試練をまだ経験していないと指摘。「新商品の弱点」はそうした悪い市場で露呈する傾向があると記していた。
プライベートクレジットの「取引の幾つかに対する格付け会社の評価を目にしたが、正直に言えばその格付けに衝撃を受けた。住宅ローンを少し思い出した」とダイモン氏は29日に語った。
プライベートクレジット幹部、年収100万ドルに不満-新興企業へ大脱走 - Bloomberg
●中東情勢
イスラエル、「あと7カ月間戦わなくてはならない」-ハマス制圧まで - Bloomberg
ガザ戦争、年内は継続 「ラファ戦闘無意味でない」=イスラエル安保顧問 | ロイター
●エマージング
S&P、インド格付け見通し「ポジティブ」に 財政再建など評価 | ロイター
「ポジティブ」な見通しは、力強い経済成長、政府支出の顕著な質的改善、財政再建への取り組みを踏まえたもので「これらの要因が相まって信用力の指標にプラスの影響を与えている」とした。
財政の弱さが格付け評価で常に最も脆弱な要因になってきたとした上で、財政赤字の拡大、多額の債務、利払い負担が続いているが、政府は現在進めている財政再建を優先していると指摘した。
不動産大手の中国恒大、資産売却進まず 事業再構築の投資家募る | ロイター
ごみ・汚物風船が韓国に飛来、「北朝鮮が散布」と非難 | ロイター
韓国のシンクタンク、世宗研究所のピーター・ワード氏は軍事行動を起こすことに比べて、風船を送ることははるかにリスクが低いと指摘。「こうしたグレーゾーン戦術は、民間人には不快だが対抗が難しく、軍事的にエスカレートして制御不能になるよりもリスクは小さい」と述べた。
ジョージア「スパイ法案」成立へ、議会が大統領拒否権覆す | ロイター
米英や欧州連合(EU)は法案を批判し、米国は制裁を警告している。
EUは声明で、拒否権を覆す投票は極めて遺憾だとし、「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。
EU加盟を目指すジョージア政府は、法案に対する西側の反対は脅しだと反発している。
ロシア国家評議会書記にデュミン補佐官、プーチン氏後継の観測も | ロイター
ロシアのプーチン大統領は同氏の警護官を務めたこともあるアレクセイ・デュミン大統領補佐官(51)を国家評議会書記に任命した。ロシア大統領府(クレムリン)が29日、ウェブサイトで明らかにした。
デュミン氏はプーチン氏の大統領1期目と2期目に警護官を務め、軍参謀本部情報総局(GRU)副局長やトゥーラ州知事も務めた。大統領補佐官(防衛産業担当)に今月抜てきされていた。
元大統領府顧問のセルゲイ・マルコフ氏はメッセージングアプリ「テレグラム」で「以前から憶測があった通り、プーチン氏がデュミン氏を将来のロシア大統領として選んだ人物であることが確認されたようだ」と述べた。
デュミン氏の人事についてクレムリンは、ジョブローテーションの一環であり、デュミン氏は国家評議会の機能を統括するとした。
デュミン氏は米国・英国の制裁対象となっている人物。
米財務省は2018年、ロシアによるクリミア半島の一方的併合で重要な役割を果たしたとし、デュミン氏に制裁を科した。
英国は、デュミン氏がウクライナで作戦を遂行する工作員向けに2022年にドローン(無人機)訓練施設を立ち上げたとして、制裁リストに掲載した。
●プロファイ、インフラ、自然災害
●小ネタ
200年近い歴史を持つロンドンの夕刊紙、日刊から週刊に-読者が減少 - Bloomberg
●市況
NY市場サマリー(29日)ドル上昇、利回り約1カ月ぶり高水準 株下落 | ロイター
<為替> ドルが上昇した。週後半に発表される主要インフレ指標を前に、米国債利回りが上昇したことを受けた。対円でも上昇した。
<債券> 国債利回りが約4週間ぶりの水準に上昇した。FRB当局者から利下げ時期を巡る慎重な発言が相次いでいることに加え、前日の2年債と5年債の入札に続き、この日の7年債入札も低調だったことが利回り上昇につながった。
10年債利回りは7.2ベーシスポイント(bp)上昇の4.613%。一時は4.638%と、5月1日以来の高水準を付けた。
2年債利回りは2bp上昇の4.976%。一時は5%と、4週間ぶりの高水準を付けた。
<株式> 下落して取引を終えた。米国債利回りが一段と上昇し、FRBによる利下げの時期や規模が懸念された。
ダウ工業株30種は1%超下落して約1カ月ぶりの安値を記録。S&P総合500種の主要セクターは全て下落し、金利に敏感な公益事業株などの下げがきつかった。
マラソン・オイルは8.4%上昇。コノコ・フィリップスが同社を225億ドル規模の株式交換で買収すると発表した。コノコは3.1%下落。エネルギーセクターは1.8%安。
アメリカン航空は第2・四半期の利益見通しを引き下げ、株価が13.5%の大幅安となった。他の航空株も売られた。
<金先物> ドル高や米長期金利の上昇を背景に売りが優勢となり、反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比15.30ドル(0.65%)安の1オンス=2341.20ドル。
相場は一時2330ドル台まで下落したが、下値では押し目買いが入り、あと下げ幅は縮小した。
<米原油先物> 米長期金利の上昇が投資家心理を冷やし、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.60ドル(0.75%)安の1バレル=79.23ドル。8月物は0.55ドル安の78.80ドルだった。
欧州市場サマリー(29日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。米国で発表された経済指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの観測が後退したことが投資家心理を冷やし、幅広く売りが優勢となった。
<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。欧州最大の経済大国ドイツの消費者物価指数(CPI)の発表を受け、世界的に高金利が長期化するとの懸念が強まり、幅広く売りが優勢となった。
<ユーロ圏債券> ドイツ国債利回りが6カ月ぶりの高水準を付けた。ドイツ連邦統計庁が発表した5月の消費者物価指数(CPI)速報値が前年同月比2.8%上昇したほか、米連邦準備理事会(FRB)当局者が利上げの可能性を示唆したことを受けた
●決算
●海外企業
Tモバイル、USセルラーの一部資産取得へ-負債含め44億ドル - Bloomberg
米2位の無線通信事業者TモバイルUSは、同業ユナイテッド・ステーツ・セルラー(USセルラー)の無線事業と周波数資産の一部を約24億ドル(約3800億円)で買収することで同社と合意した。
継承する負債20億ドルを含めると買収額は44億ドルになる。両社が28日に発表した。 取得する資産にはUSセルラーのワイヤレス顧客と小売店、周波数資産の30%が含まれる。買収は2025年中盤をめどに完了の予定で、当局の承認が必要となる。
Tモバイルは買収資金を既存の現金で賄う予定。USセルラーの債務20億ドル相当を自社債務に置き換える計画だという。
米ワイヤレス通信市場は飽和状態にあり、Tモバイル含め各社は新規事業を巡り激しく競争している。ケーブルテレビ事業会社も加入者に電話サービスを抱き合わせで販売しており、Tモバイルのようなワイヤレス通信との対決姿勢を鮮明にしている。
こうした厳しい環境にあってもTモバイルは他社より急速で成長。高速5G通信で他社に先んじ、サービス提供範囲を広げ、ブロードバンドの選択肢が限定的な地域でインターネットへのアクセスを販売している。
Tモバイルは4月、俳優ライアン・レイノルズ氏が出資する格安携帯通信ミント・モバイルの買収で米当局の承認を得ている。昨年3月の時点でTモバイルはミントの親会社であるカエナに、現金と株式交換を合わせ最大13億5000万ドルの買収案を提示した
アマゾン、伊データセンター拡張へ数十億ユーロの投資協議=関係者 | ロイター
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、イタリアにおけるデータセンター事業拡張に向けた数十億ユーロの投資について、同国政府と協議している。事情に詳しい4人の関係者が明らかにした。
具体的な投資の規模や場所に関する話し合いが続いており、関係者の1人によると、AWSはミラノにある既存施設の拡大か、別の新たな場所へのデータセンター建設を検討中という。
AWSは2020年、20億ユーロを29年までに投資する計画の一環としてイタリアに初めてクラウド拠点を開設。顧客としては高級スポーツカーメーカーのフェラーリや、ゼネラリ保険などが名を連ねている。
最近AWSは、スペイン北東部アラゴン地方のデータセンターに157億ユーロを投じると発表したばかり。関係者の話では、イタリア向け投資額はスペイン向けの規模には及ばない可能性がある。
アクティビスト投資家エリオット、米TIへの25億ドル出資公表 | ロイター
アクティビスト(物言う投資家)として知られるエリオット・インベストメント・マネジメントは、アナログ米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)への25億ドルの出資を明らかにし、TIにフリーキャッシュフローの改善を求めた。
エリオットは取締役会に宛てた書簡で、TIが需要に対応して生産能力を調整する戦略を導入し、それによって2026年までに1株当たり9ドルのフリーキャッシュフローを達成するよう提案した。
TIの23年のフリーキャッシュフローは前年比77%減で、LSEGのデータによると1株当たり1.47ドル。
TIは新技術の開発や売上高の拡大を目指し、複数の製造施設を建設する計画を持っている。アナログ半導体の需要は自動車や産業関連メーカーでの余剰在庫による低迷が続いた後、回復傾向にある。ただ、エリオットは書簡で、TIが26年に300億ドルの売り上げに対応する投資計画になっているとし、「予想される需要をはるかに上回るものだ」と指摘した。
●日本企業
トヨタの豊田会長の取締役選任、ISSとグラスルイスが揃って反対 - Bloomberg
ニッセイAM社長、海外ハイイールド社債投資に意欲-運用機能集約で - Bloomberg
日本生命保険傘下の資産運用会社ニッセイアセットマネジメントの大関洋社長は、投資適格を下回るハイイールド社債にも運用対象を広げる意向を示した。海外のハイイールド債の中で比較的格付けの高い社債を新たに加え、運用能力の向上につなげる。
ブルームバーグの取材で述べた。これまで自社で運用していなかった格付けが「ダブルB」クラスの外国社債に「自信を持って投資できるようになると、利回りをもっと引き上げることができる」と説明。金利面で妙味のある外債の受託資産残高を増やす中、「カバレッジを増やして分散投資することが非常に大事だ」と話した。
岸田文雄政権は資産運用立国を掲げ、資産運用会社に運用力の向上を求めている。各社が対応策を打ち出す中、ニッセイアセットは、グループの運用体制の高度化を図る一環でクレジットの運用機能を拡充しており、海外社債投資のカバレッジ拡大を進めている。
同社は2021年に日本生命、翌22年に大樹生命保険から、社債などのクレジットとオルタナティブの運用機能の移管を受け、運用資産や人員を引き継いだ。投資規模が拡大した結果、海外の発行市場にアクセスする能力が向上した上、自社で調査を行い格付けが低い中でも質の高い銘柄を見極められるようになってきたと大関氏は話す。
今後ニッセイ・ウェルス生命保険の同機能も移管する予定だ。これによりグループ内の保険会社からの受託資産は約21兆円となる。グローバルの社債にすでに8兆ー9兆円投資しており、今後は10兆円を超えると大関氏は話す。
グループ一体で投信「直販」
ニッセイアセットは4月、銀行や証券会社などの販売会社を通さずに同社の投資信託を販売するサービスを開始した。インターネットでの直販に加え、証券外務員資格を取得した日本生命の一部の営業職員が少額投資非課税制度(NISA)対象の投信を顧客に案内し、ニッセイアセットの担当者につなげる取り組みも行う。
「保険には入っているが投資はしていないという顧客は結構いる」と大関氏は指摘。日本生命の契約者1000万人以上のうち「1割ほどの顧客が直販サービスを使ってもらえるとうれしい」と言及し、個人的な思いとした上で、5年で直販100万口座の獲得を目指したいと述べた。
農林中央金庫、無理を重ねた30年 JAへ還元3000億円の重荷 農林中金 3度目の蹉跌㊤ - 日本経済新聞
・住専問題、リーマン・ショック時に続き3度目の最終赤字に
・元本割れリスクの低い債券に傾斜、米金利上昇の直撃受ける
・JAグループへの年間3000億円の還元が重荷に
●米大統領選挙
アメリカのジャンク債人気、上乗せ金利2年半ぶり低さ 過熱感も - 日本経済新聞
米債券市場にリスクマネーが流入している。米低格付け債(ジャンク債)のスプレッド(上乗せ金利)は5月上旬に3.03%と2021年12月以来の低水準に低下した。米経済の軟着陸期待が高まりリスクを取る動きが広がっている。発行額も3年ぶりの高水準に達するが、債務不履行(デフォルト)も増加するなど過熱感を警戒する声も上がる。
●先進国中銀
ECB、銀行の健全性審査を見直しへ=監督委トップ | ロイター
欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のクラウディア・ブーフ委員長は28日、金融機関の経営環境の変化に適応させるため、毎年行っている健全性評価プロセスを見直す考えを示した。ブログで明らかにした。
プロセスを短くするが、場合によっては介入を強化する。「効率性と有効性を高めるため、銀行監督上の検証・評価プロセス(SREP)は修正される。新しいリスク許容度の枠組みなどここ数年で実施された変更を踏まえつつ、それを超える形となる」とした。
今年後半から徐々に実施され、2026年に最終決定されるとの見通しを示した。
ブーフ氏は「SREPは短くなり、リアルタイム監督に近づく」とし「リスク環境が急速に変化していることを踏まえると、この重要性はかつてないほど高まっている」と述べた。
ECBの評価で銀行のリスクプロファイルに重大な変化がなければ、SREPの決定事項の更新は2年ごとになる可能性がある。
ただ、ECBが介入を強化するケースもあるとし「特定された弱点の是正が不十分な場合、監督ツールの強度を速やかに上げる」と表明。法的拘束力のある質的要件や罰金を含めた強制措置の利用を拡大すると述べた。
銀行側は、ECBのSREPは煩雑で、経済の大きな変化や戦争といった地政学的ショックに対応するよりも、チェックボックスにマークを入れることに重点を置いていると批判してきた。
シンクタンクであるブリューゲルの専門家、ニコラス・ベロン氏は、今回の動きはECB銀行監督委が手続きの合理化を進めていることを示していると指摘した。
●先進国、グローバル、金融市場
ウォール街、1世紀ぶりにT+1株取引に復帰-完了までの時間が半減 - Bloomberg
決済日を約定日(トレードデート)の翌営業日とする「T+1」システムへの切り替えは、取引量が大き過ぎるため断念されていたが、最終的に金融システムのリスク軽減を目的としている。
しかし、海外投資家が時間内にドルを調達するのに苦労するかもしれないこと、グローバルな資金がそれぞれの資産に対して異なるスピードで移動すること、エラーを修正する時間が少なくなることなど、潜在的な問題について懸念がある。
米20都市住宅価格指数、前年比で伸びが加速-ますます購入困難に - Bloomberg
米20都市住宅価格指数は前年同月比7.4%上昇
ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は7.3%上昇
2月は7.3%上昇
全米ベースの住宅価格指数は6.5%上昇
S&P・コアロジック/ケース・シラーがまとめた3月の米20都市住宅価格指数は、伸びが加速した。主要な販売シーズンが本格化する中、買い手を圧迫する格好となった。
住宅ローン金利が7%前後で推移し、価格の伸びは加速する一方で、住宅が購入不能になっている状況は深刻化している。問題の中心には中古住宅の在庫不足がある。低金利時に組んだローンを手放しても転居に前向きな住宅所有者が、ほとんどいないためだ。在庫は過去数カ月に増えてきているものの、過去に比べて逼迫(ひっぱく)した状況が続いている。
20都市中、前年比で最も上昇したのはサンディエゴ。次いで伸びたのはニューヨークとクリーブランドだった。20都市の価格上昇率は全米ベースを上回った。大都市は住宅取得能力が最も圧迫される傾向があり、価格圧力を弱めるために建築を増やすにしてもその余地が限られている地域が多い。
消えるアメリカン・ドリーム、住宅ローン金利の高止まりで持ち家断念 - Bloomberg
高金利の圧力は米消費者の人生設計を狂わせており、より多くの人が住宅購入を諦めることで住宅所有者と非所有者の溝が深まり、貧富格差はさらに拡大するとみられる。住宅所有者は2023年にホームエクイティー(住宅のネット資産価値)が1兆3000億ドル(約203兆6000億円)増加した一方、賃貸市場では家賃が高止まりして家計負債は増加している。
海上運賃が急上昇、コロナ禍「混乱」想起させるペース-需給に逼迫感 - Bloomberg
世界的なモノの貿易は、昨年の低迷を経て持ち直しの兆しを見せており、海上貨物運賃が大きく上昇している。3年前の国際貿易を混乱させた需要の急増を思い起こすサプライチェーンマネジャーもいる。
ノルウェー・オスロに拠点を置く海運分析プラットフォーム、ゼネタのシニア海運アナリスト、エミリー・スタウスボール氏は「この状況は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)時の混乱と海上運賃高騰の記憶を呼び起こすだろう」と指摘。「荷主はコロナ禍で教訓を得ている。一部はピークシーズンや需給が逼迫(ひっぱく)する可能性に備え、輸入を前倒ししている」と話す。
海上運賃がこの1カ月にわたり上昇している背景には、楽観よりも心配に起因するものがある。アジアの港湾での混雑、港や鉄道サービスを妨げる恐れがある北米の労働争議、米中貿易対立の高まりを巡る懸念などだ。
海運業界は紅海での攻撃によってスエズ運河を通らず、アフリカ南部を迂回(うかい)する遠回りを余儀なくされたことで、今年はすでに厳しい状況にある。世界2位のコンテナ会社APモラー・マースクは、アジアから北欧への航路について、今四半期の業界の容量損失を15-20%と推計している。
学校の新学期やハロウィーン、年末商戦を前に小売業者が在庫補充に動くため、アジアや欧米の輸出入業者では通常、7月から9月にかけて出荷が増える。コンテナの輸送能力が限られるタイミングで、こうした需要増が起きているように見えると、アナリストらは語る。
「ピークシーズンの前倒しは大きな打撃だ」と、レイノス・ロジスティクスの米州海上貨物責任者、ステファニー・ルーミス氏は米メモリアルデーを前にリンクトインに投稿。「多くの輸送業者と今週話したが、コメントは全て同じであり、船舶は全て満杯だ」と記した。
恐怖と長い記憶も影響しているかもしれない。コロナ流行時には品不足を防ぐため、企業は需要を上回る規模の製品や部品を発注し、在庫を増やした。その後在庫は減少していた。
コンテナ運賃が高騰する中、米政府は中国からの輸入品への追加関税を発表。これも企業が今のうちに在庫を増やしておこうとする動きに拍車を掛ける可能性がある。
根強いインフレ見込む運用会社、プライベートクレジット投資拡大へ - Bloomberg
オーストラリアの年金や富裕層向けに1510億豪ドル(約15兆7700億円)の資産を運用する豪コロニアル・ファースト・ステート(CFS)は、金利高止まりの長期化を見込んで、プライベートクレジット案件への投資を数十億豪ドル規模で拡大する計画にある。
CFSのインベストメントチームの最高投資責任者(CIO)、ジョナサン・アーミテージ氏はインタビューで、プライベートクレジットのアロケーションをポートフォリオ全体で平均3%程度まで引き上げる方針にあることを明らかにした。
アロケーションの変更は2、3年程度かけて徐々に進められる見通しで、プライベートクレジット資産へのエクスポージャーは、同社として歴史的な低水準の1%未満からシフトすることになる。
アーミテージ氏は今月初めの米国と欧州への出張で投資家らと面談し、「インフレの安静時心拍数」が過去5ー7年よりも高くなるとの見解を強めたと言い、それが同社のポートフォリ形成に影響を及ぼしていると語った。
同氏は、プライベートクレジット投資について、「変動金利という性質上、われわれの見立てが正しければ恩恵を受けることになる」とし、金利の低下は市場が予想していたほどの速さでは進んでいないと指摘した。
ユーロ圏消費者のインフレ予想、1年後2.9% 21年9月以来の低水準 | ロイター
英企業経営者100人以上、労働党に支持表明 総選挙控え | ロイター
労働党では、強硬左派のコービン前党首が、前回2019年の総選挙で一部部門の再国有化や富裕層増税を公約に掲げたが、今回、企業経営者が支持を表明したことで、同党がコービン氏時代から変化したことをアピールできる可能性がある。
23年末の対外純資産471.3兆円、5年連続で過去最大=財務省 | ロイター
スペインなど3カ国、パレスチナ国家を正式承認 EU諸国の追随期待 | ロイター
英首相、18歳の兵役導入案擁護 与党保守党からも批判噴出 | ロイター
【アメリカ大統領選挙】ウクライナが潤す激戦州 トランプ氏を動かす経済効果 編集委員 永沢毅 - 日本経済新聞
一進一退の攻防が続くウクライナ戦争は、投開票まで半年を切った米大統領選を左右する争点の一つだ。ロシアの侵略を押しとどめてきた米国の支援が、激戦州を中心に雇用や投資といったプラスの経済効果をもたらしてきた点は見過ごせない。トランプ前大統領が支援の容認に転じた一因との見方があり、支援継続の可否を左右する可能性がある。
銀座に「ハイライン」式の空中遊歩道が誕生へ、車優先インフラに変化 - Bloomberg
●中東情勢
イスラエル軍がラファ中心部に到達、完全制圧近づく-AFP - Bloomberg
●エマージング
中国の不動産市場支援策、小規模都市の銀行にリスクも=S&P | ロイター
中国が今月打ち出した不動産市場支援策について、小規模都市の銀行にリスクをもたらす可能性があると指摘した。
中国は頭金の要件緩和や住宅ローン金利の下限撤廃などを発表したが、S&Pグローバルによると、これらの措置で一時的な不動産需要増が見込まれるものの、レバレッジ拡大により住宅ローンのデフォルト(債務不履行)も増加する可能性があるという。
リポートは、小規模な3級都市の不動産価格が2024─25年に約14%下落する見通しだとし、これにより、一部の住宅購入者はローン残高が不動産価値を上回る状況に陥る恐れがあると指摘。
その結果、不動産を手放し、デフォルトする購入者も出てくる可能性があるとした。
S&Pグローバルのクレジットアナリスト、ライアン・ツァン氏は「住宅ローン金利の下限撤廃により、デフォルトが発生した場合に銀行が損失を吸収するバッファーが縮小することになる」と指摘。
銀行は損失を軽減するために債務不履行者の他の資産を差し押さえる際の追加コスト負担を余儀なくされるとの見方を示した。
●プロファイ、インフラ、自然災害
●小ネタ
●市況
NY市場サマリー(28日)ドル上昇、利回り上昇 ナスダックが初の1万7000突破 | ロイター
<為替> ドルが序盤の下げから切り返し上昇に転じた。米債入札が軟調な結果となり米債利回りが4週間ぶりの高水準を付けたことを受けた。
<債券> 国債利回りが上昇した。この日行われた2年債と5年債の入札が低調な結果となり、米国債の需要に対する疑念が高まった。
10年債利回りは6.5ベーシスポイント(bp)上昇し、4.538%となった。一時4.546%まで上昇し、5月3日以来の高水準を付けていた。
30年債利回りは7.5bp上昇し、4.652%となった。一時は4.66%まで上昇する場面があった。
2年債利回りは1.9bp上昇の4.972%。一時、約4週間ぶりの高水準となる4.981%まで上昇した。
5年債は5.6bp上昇の4.587%だった。入札後には5月2日以来の高水準となる4.594%に達した。
LSEGの金利確率アプリによると、この日発表された住宅価格指数と消費者信頼感指数を受けて、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利下げ回数は25bpが年内に1回となった。開始は11月とみられている。
<株式> ナスダック総合が初めて1万7000を突破した。米半導体大手エヌビディアの上昇が寄与した。一方、米債利回りが上昇する中、S&P総合500種は小幅高、ダウ工業株30種は小幅安となった。
エヌビディアは7%上昇。他の半導体株も連れ高となった。フィラデルフィア半導体指数は1.9%高。
S&P主要セクターでは情報技術が上げを主導する一方、ヘルスケアと工業の下げがきつかった。
石油大手ヘスは28日開催した株主総会で同業シェブロンによる530億ドルでの買収案が承認されたと発表。株価が0.4%上昇した。シェブロンは0.8%高。エクソンモービルも1.3%上昇した。
米国株式市場:
<金先物> 対ユーロでのドル安を背景に、5営業日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比22.00ドル(0.94%)高の1オンス=2356.50ドル。
この日の外国為替市場では、ドル安・ユーロ高が優勢。ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。
<米原油先物> 対ユーロでのドル安や需給引き締まり観測などを背景に買われ、続伸した。 米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前週末清算値(終値に相当)比2.11ドル(2.71%)高の1バレル=79.83ドルだった。8月物は2.12ドル高の79.35ドル。
欧州市場サマリー(28日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 下落して取引を終えた。FTSE100種指数は5営業日続落で、28日の下げ幅は1カ月超ぶりの大きさだった。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)当局者の慎重な発言が売り材料視され、週内に発表されるインフレ関連指標への警戒感から幅広く売りが優勢となった。
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが小幅上昇した。今週は、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備理事会(FRB)が年内の利下げ幅を見極める上での判断材料となり得る主要インフレ指標の発表を控えている。
備忘録(2024/5/27)
●雑感
●決算
●海外企業
●日本企業
三菱商事、英食品大手を1400億円でイタリア社に売却 - 日本経済新聞
英国の食品・飲料製造販売大手プリンセスの全株式をイタリアの食品関連企業ニューラット・フードに売却する。ニューラットが27日に発表した。7月末までに売却完了を見込み、売却額は7億ポンド(約1400億円)。三菱商事は資本効率の向上などのため事業や資産の入れ替えを進めている。
●米大統領選挙
●先進国中銀
デフレとゼロ金利制約との闘い「終焉は視野に」-内田日銀副総裁 - Bloomberg
日本銀行の内田真一副総裁は27日、過去25年間の金融政策運営におけるデフレとゼロ金利制約との闘いの終焉(しゅうえん)が視野に入ったとの見解を示した。日銀が本店で開いた国際会議における英語での講演内容の翻訳を公表した。
内田副総裁は、3月に短期政策金利の操作を通じて2%の物価安定目標を目指す伝統的な金融政策の枠組みに戻ったことは「ゼロ金利制約を克服したことを意味する」と説明。インフレ予想を2%にアンカーしていくという大きな課題は残っているが、「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉は視野に入った」と語った。
大きな論点は、現在の物価動向が不可逆的なデフレからの構造変化を意味するのか、単に世界的なインフレに伴う一時的な現象にすぎないかだと提起。構造変化に必要なデフレ自体の解消とデフレ的なノルム(慣行)の克服について、労働市場の不可逆的な変化を踏まえて前者は「自信を持ってイエスと答えられる」とする一方、後者は「答えはそこまで明白ではない」とした。
日銀では、日本経済のデフレ状況が長期化した要因として、物価・賃金が上がりにくいというノルムの存在を指摘しており、植田和男総裁は4月の記者会見で「ノルムが変わりつつある」と発言していた。内田副総裁は断言こそしなかったものの、デフレ脱却への前向きなトーンを強めた形だ。
人手不足
内田副総裁によると、デフレ的なノルムの克服の鍵を握るのは労働市場だ。人手不足を推進力に労働市場の構造変化が持続する限り、「企業は働く従業員を保持し、引きつけるために、十分な利益と賃金を生み出すビジネス・モデルを構築しなければならない」と指摘。価格設定においても労働コストの変化に応じて、「メニュー表を速やかに書き直す必要が生じる」という。
日銀が2013年以降に導入した大規模な金融緩和政策は、政府の施策と相まって10年間にわたって経済に高圧をかけ続け、「雇用環境を人手不足の方向へ徐々に変えてきた」と説明。その上で近年の世界的なインフレが「デフレ的なノルムに対する最後の一押しとして作用した」とし、「今回こそはこれまでと違う」と締めくくった。
日銀が3月に17年ぶりの利上げに踏み切った後も外国為替市場では円安圧力が継続しており、市場では早期の追加利上げや国債買い入れの減額に対する思惑が強まっている。長期金利が12年ぶりの1%台に達する中、2月の講演で政策変更に先んじてその方向性を示した内田副総裁の発言に注目が集まっていた。
開会のあいさつで植田和男総裁は、金融政策運営に関して「インフレ予想をゼロ%から押し上げることには成功したように思うが、 それを今回は2%の目標値にアンカーしなければならない」と指摘。その上で、「インフレ目標の枠組みを有する他の中央銀行と同様に、その実現に向けて注意深く進んでいくつもりだ」と語った。
仏中銀総裁、ECBは7月の利下げを排除すべきではない-報道 - Bloomberg
欧州中央銀行(ECB)は6月と7月両方の会合で利下げをする可能性を排除するべきではないとの考えを、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が示した。連続利下げには慎重な一部メンバーをけん制した。
ビルロワドガロー氏はドイツ紙ベルゼン・ツァイトゥング(BZ)とのインタビューで、「既定路線」となっている来月の中銀預金金利引き下げの後には「最大限のオプショナリティー(選択性)」を望むと述べた。
「利下げは四半期に1度、新たな経済予測が出そろった時だけにすべきであり、従って7月は除外すべきだという議論を時々見かける」が、「会合ごとにデータ依存のアプローチを取るのならば、どうしてそうなるのか。7月利下げについて今からコミットすべきだと言っているのではない。しかし、利下げのタイミングとペースについての自由度は維持しておこう」と語った。
ほとんどの当局者は6月利下げに同意しているが、賃金上昇とサービスインフレが後退せず、中東の緊張がエネルギー価格を押し上げる恐れがあり、米国の利下げが遅れているため、6月以降について約束することには総じて消極的だ。
それでも、タカ派寄りのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁は24日ブルームバーグテレビジョンに対し、ECBの2回目の利下げは恐らく9月まで待つ必要があるとの見方を示した。
市場でも今月、利下げ予想が後退し、市場が完全に織り込む2024年の利下げは0.25ポイントずつ2回のみとなっている。7月は据え置きが見込まれている。
ビルロワドガロー氏は、ECBには2-2.5%とされる中立的な金利水準に向けて金利を引き下げる「大きな余地」があると指摘。政策金利の最終的な落ち着き先についての市場の予想は「不合理ではない」と述べた。現在は、5年後に2.8%程度のターミナルレートが想定されている。
ECBチーフエコノミストのレーン理事は27日ダブリンで講演し、ECBは金利引き下げの「特定のスピード」にコミットしてはいないと述べた。「景気抑制の適切な度合いと期間を決定するため、引き続きデータに依存し、会合ごとのアプローチに従う」と繰り返した。
米国の政策がECBの決定にどのような影響を与えるかについて、ビルロワドガロー氏は米連邦準備制度理事会(FRB)の動向にはあまり左右されないだろうと述べた。
その結果、ドルがユーロに対して上昇する可能性はあるが、インフレ率への影響は10%以下であり、米国の金融引き締めはユーロ圏にとってむしろインフレを抑制する可能性があるとの見解を示した。
米国の財政赤字は長期金利を大きく変動させインフレを促進する可能性があるため、より大きな懸念材料だと考えている同氏は、「米国の財政政策は誰もが議論を避けている重要な問題だ」と語った。
●先進国、グローバル、金融市場
英労働党党首、パレスチナ国家承認の意向 和平プロセスの一環で | ロイター
英野党・労働党のスターマー党首は24日、総選挙で勝利すればパレスチナ国家を承認したいが、承認は和平プロセスの適切な時期に行う必要があると述べた。
アイルランド、スペイン、ノルウェーは22日、パレスチナを28日付で国家として承認すると発表。イスラエルは反発し、3カ国の駐在大使に即時帰国を指示した。
労働党ではイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を巡り党内が分裂。スターマー氏に対して、パレスチナ自治区ガザの停戦支持に向けた動きが遅いとの批判が伝統的な労働党支持者から出ている。この問題を巡って同党議員10人が要職を辞任した。
スターマー氏は、パレスチナは国家であるべきかとのBBCの質問に「パレスチナの承認は極めて重要だ。存続可能なパレスチナ国家と安全なイスラエルが必要で、承認はその一環でなければならない」と発言。
パレスチナ国家承認は和平プロセスの適切な時期に行う必要があるとした上で、地域の永続的な和平には2国家解決が不可欠だと述べた。
与党・保守党やフランス、ドイツなど欧州の大国もパレスチナ国家を原則的に支持すると表明しているが、承認のタイミングについては広範な和平プロセスの一環になるとしている。
労働党は、国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官がハマスとイスラエル当局者の逮捕状を請求したことについて、ICCの独立性を支持すると今週表明したが、保守党はICCには逮捕状を請求する権限がないと主張している。
仏大統領、24年ぶりドイツ国賓訪問 「欧州は重要な局面にある」 | ロイター
フランスのマクロン大統領は26日、ドイツに到着し、3日間の日程となる国賓訪問を開始した。来月の欧州議会選挙を前に、欧州連合(EU)の2大国として結束を示す。
仏大統領のドイツ国賓訪問は24年ぶり。
マクロン氏は独大統領官邸でシュタインマイヤー大統領の出迎えを受けた後、「(ウクライナ戦争など)欧州が重要な局面にある中で今回の訪問が実現した」と指摘。記者団に「われわれは欧州における帝国主義者の欲望に立ち向かわなければならない。そのためには仏独関係を強化する必要がある」と語った。
主に儀礼的な役割を担うシュタインマイヤー氏は、両国が協力すればウクライナ戦争、ガザ戦争、米大統領選挙など、欧州が直面している地政学的な困難を乗り越えることができると述べた。
シンクタンクであるユーラシア・グループの欧州担当マネジングディレクター、ムジタバ・ラーマン氏は「(今回の訪独は)関係がうまくいっていることを示すための最高政治レベルでの試み」と表現。「しかし、EUに立ちはだかる主要な問題についてはなお根本的な隔たりがある」と話した。
マクロン氏とショルツ独首相はこれまでに防衛や核エネルギー問題で衝突している。
アングル:観光依存のスペイン経済、住民にはオーバーツーリズムの負担 | ロイター
グアダルーペ・レボジョさん(45)は、レアル・マドリードの本拠地である壮麗なサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムの見学ツアーから戻ってきたばかり。15歳の娘とともに休暇を過ごすスペインは、母国メキシコのビーチよりも楽しいと語る。
レボジョさん親子のようにスペインを訪れる外国人観光客は記録的な増加を見せている。おかげでスペイン経済の勢いは他の欧州諸国を上回り、雇用も急速に増えている。だが同時に住宅・交通といった面での圧迫が生じており、地元住民の間では怒りの声も聞こえる。
このブームを持続可能なものとし、その恩恵をもっと広く分かち合うようにする――それがスペインが直面する課題だ。一部には、観光産業が高級志向にシフトすることが鍵になるという意見もある。
だがメキシコから訪れたレボジョ家にとっては、スペインがここまで魅力的な場所である要因は、文化的な観光名所もさることながら、物価の安さも大きい。
レボジョさんは、先日メキシコで休暇を過ごしたときは、2500ユーロ(約42万円)相当の費用がかかったと話す。
「スペインに来るにはもう少しお金がかかる。飛行機代やツアー料金…でもそれで他国を知ることができると思えば」とレボジョさん。「実際には、費用対効果はとてもいい」
同意見の観光客は多い。スペイン経済は長年にわたり他の欧州主要国に引き離されていたが、2024年第1四半期にユーロ圏20カ国の成長率がわずか0.3%だったのに対し、スペインは0.7%とこれを上回った。
工業への依存とコモディティ価格の変動に対する脆弱性、そして地政学的な緊張といった制約要因により、フランスは2024年の成長見通しを下方修正し、ドイツはリセッションを回避するのがやっとの状況だった。これに対しスペインは、今年の経済成長率を2%と見込んでいる。
英調査会社オックスフォード・エコノミクスで欧州経済部門を率いるエンジェル・タラベラ氏は、スペイン経済の拡大をけん引しているのは、サービス業の成長と、雇用成長に刺激された公共投資と個人消費だという。
観光産業のロビー団体であるエクセルトゥールによれば、スペイン経済の実質成長のうち71%は観光産業によるものだという。バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)では、スペインの2023年の経済成長率2.5%のうち、3分の1近くは非在住者による消費だとしている。
だが多くのスペイン人は、その恩恵を受けていないと感じており、スペイン経済の成功を支える観光に対して、抗議の声があがる例も増えている。
ジョルディ・エレウ観光相は5月8日、「こうした現象には対処しないといけない」と語った。「スペインに来るなと言うわけではない。だが、観光客に何を提供するか、制約を設けることは可能だ」
すでに実施された対策もあり、地方自治体は、別荘施設の新規認可を制限している。
バルセロナの地元当局は、サービスが飽和状態であるとして、観光客に人気の高いグエル公園に向かうバス路線をスマートフォンのアプリに表示しないよう要請した。
スペイン国民も、観光ブームに対して好感を抱いていない。4月にスペイン社会学研究センターが実施したアンケート調査では、スペイン国民の60%が自らの経済状況を「良い」と認めているにもかかわらず、59%が自国の状況を「悪い」「非常に悪い」と捉えているという結果が出た。
人件費の安さに惹かれてホテル新設への投資が集まっており、4日に1軒のペースで新たなホテルが開業している。CBREによれば、これに伴い、スペインは今年、ホスピタリティー分野の投資家にとって英国を上回り最も魅力的な国になるという。
<割安感>
スペイン国内でマリオットと提携するACホテルズのアントニオ・カタラン社長は、自社系列のホテルの外国人利用客は第1四半期に17%増加し、主として宿泊料金の上昇に伴い、支出額は27%増加していると語った。
「スペインには割安感があり、来訪者が増えすぎている」
2023年の来訪者数は過去最高の8500万人。今年第1四半期にも増加傾向は続いており、来訪者数は18%近く増加して1610万人となった。ただし、今年はイースター休暇が第1四半期に含まれたことで数字が押し上げられた可能性はある。
来訪者の支出額も増加している。高級志向の市場を開拓しようという取り組みの成果でもあり、一部の地域では、これがオーバーツーリズムの対策になると考えている。
観光客がレストランや高級ブランド店でクレジットカードをフル活用する中で、スペインへの来訪者による昨年の支出額は、フランスの635億ユーロに対し、1090億ユーロとなった。
第1四半期の外国人観光客による支出額は、前年同期比で27%伸びている。
観光ブームは雇用拡大の追い風にもなっている。失業率は16年ぶりの低水準となり、サービス産業における人手不足を移民労働者が埋めている状況だ。
スペイン観光を推進する国営旅行代理店であるトゥールエスパーニャによれば、サービス産業における今年第1位四半期の雇用創出は、昨年同期比で19万7630人増加し、この期間の雇用創出全体の4分の1を占めた。
こうした雇用創出に伴い、観光客による支出を補完する形で民間消費も増大している。
だがオックスフォード・エコノミクスのタラベラ氏は、スペインの好景気は持続可能ではないと警告する。
「観光産業がいつまでもこのペースで成長することはありえないし、公共投資も拡大し続けることはない」とタラベラ氏は言う。
冒頭のレボジョさん親子は、フランスで過ごす数日を含め欧州に2週間滞在する予定だったが、「スペインでなるべくゆっくりするつもり。パリほど物価が高くないことがわかったから」と話している。
独IFO業況指数、5月横ばいで予想下回る 改善3カ月で停止 | ロイター
独IFO経済研究所が27日発表した5月の業況指数は89.3で前月から変わらずだった。4カ月連続の改善を見込んだ市場予想(90.4)を下回った。今年の景気回復ペースは鈍いとみられている。
IFOの調査によると、企業は現在の景況にあまり満足していないが、見通しは改善した。
IFOによると、工業、貿易、建設業が回復する一方、サービス業は低調だった。
クレメンス・フュースト所長は「ドイツ経済は一歩ずつ危機を脱しつつある」と述べた。
第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比0.2%増だった。
調査責任者クラウス・ボールラーベ氏はロイターに、第2・四半期もプラス成長になる可能性があるとする一方で、回復は依然脆弱と指摘した。インフレ率は今年、低下基調と予想されているが、ボールラーベ氏によると、より多くの企業が向こう3カ月間に値上げしたい意向という。
INGのマクロ担当グローバルヘッド、カールステン・ブルゼスキー氏は「循環的な底入れが自動的に力強い回復につながらないことが浮き彫りになった」と指摘。
同氏によると、今後は経済成長の勢いが増す見通し。力強い賃金の伸びを背景に個人消費が慎重ながら回復し、在庫サイクルも段階的に好転し始めるという。ただ「こうした循環的な改善は全てが突然、最高の状況に戻ることは意味しない」としている。
コメルツバンクのチーフエコノミスト、イェルク・クレーマー氏は、第2・四半期のドイツ経済は停滞し、年央から国内総生産(GDP)の増加が始まるとの見方を示した。
ただ「上昇トレンドは緩やかなものになる可能性が高い。ドイツ政府が事業拠点としての長年の質の低下に断固たる措置を取っていないことが一因だ」と述べた。
フランス、EU資本市場の統合推進 新興企業の資金調達を支援 | ロイター
独立系ファンドのトパーズが1号ファンド 地銀が出資 - 日本経済新聞
EU各国、ハンガリーに対ウクライナ支援を阻止しないよう要求 | ロイター
肥満症薬が心不全や腎臓病に効果 米欧で、「万能薬」期待 - 日本経済新聞
●中東情勢
エジプト兵死亡、イスラエルとラファ検問所で交戦-緊張高まる - Bloomberg
イスラエルとエジプトの部隊が27日、パレスチナ自治区ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所で衝突し、エジプトの兵士1人が死亡した。
これに先立つ26日深夜には、ラファの避難民が密集する地域へのイスラエルの空爆により少なくともパレスチナ人40人が死亡しており、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争を巡り中東情勢が一段と緊迫する可能性が高まっていた。
エジプト軍は27日、ラファ検問所で警備に当たっていた兵士1人の死亡を確認した。エジプトとイスラエルの緊張がエスカレートする恐れがある。
イスラエルによるラファ北西部の避難民密集地への空爆は国際社会の非難を招いた。イスラエルはこの空爆で数十人が死亡したことを認め、ネタニヤフ首相は国会での演説で「悲劇的な過ち」と述べた。イスラエルの指導者らは空爆とラファ検問所での衝突について調査中だとした。
イスラエル国防軍は「エジプト国境で銃撃事件が発生した」と認め、エジプト側と協議中だとしたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
米国などは、イスラエルによるラファ攻撃がエジプトとの関係悪化につながることに懸念を示している。両国が1979年に締結した平和条約はイスラエルの安全保障に不可欠と考えられている。
イスラエルは、26日遅くにラファの避難民密集地に行った空爆は「正確な情報」に基づくもので、ハマスの高官2人を殺害したと説明。しかし各国政府はこの空爆を非難し、フランスのマクロン大統領は「憤慨している」とX(旧ツイッター)に投稿。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)は「ぞっとする」と述べた。
ホワイトハウスは声明で、この空爆で殺害された罪なき民間人の映像は 「実に痛ましい 」とした。
米国家安全保障会議(NSC)は声明で「イスラエルにはハマスの後を追う権利があり、今回の空爆でイスラエルの民間人への攻撃の責任を負うハマス幹部のテロリスト2人が死亡したことをわれわれは理解している。しかし、われわれが明らかにしてきたように、イスラエルは民間人を守るためにあらゆる予防措置を講じなければならない」とイスラエルに民間人保護を求めた。
フーシ派、紅海で米駆逐艦など攻撃 パレスチナとの連帯示す | ロイター
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は27日、インド洋と紅海で船舶3隻、紅海で米駆逐艦2隻に対する攻撃を行ったと発表した。
フーシ派はイスラエルによるパレスチナ地区ガザでの戦闘に反発しており、こうした攻撃をパレスチナとの連帯行動と位置付けている。
米中央軍司令部は、イエメンのフーシ派支配地域から27日早朝に発射された無人航空機システムを紅海上空で米軍が破壊したと発表した。
フーシ派は昨年11月以降、紅海地域でドローン(無人機)やミサイルによる攻撃を繰り返しており、その後インド洋にまで攻撃範囲を拡大している。
ライシの死 イランは安全な移行経路を選ぶべき|ARAB NEWS
サウジアラビア、イスラエルによるラファ攻撃を非難|ARAB NEWS
トルコ財政政策、インフレ悪化につながらず=大統領 | ロイター
●エマージング
中国、G7を保護主義と非難-「過剰生産能力を誇張」と主張 - Bloomberg
米超党派議員団、台湾防衛への支持表明-20日就任の頼清徳総統と面談 - Bloomberg
中国最大の半導体基金、7兆4500億円規模でスタート-国内製造支援 - Bloomberg
5月の中国地方債発行、昨年10月以来最大-当局の財政刺激強化示す - Bloomberg
中国の5月の地方債発行額はここ7カ月で最大となり、当局が景気下支えのために財政刺激を強化していることを示している。
ブルームバーグ集計データによると、今月これまでの地方債発行額は7900億元(約17兆1000億円)。今週予定されている3910億元の発行によって押し上げられた。
超長期特別国債の発行に加え、地方債発行が増加していることは景気浮揚を図る中国政府の決意を示している。経済全体のファイナンス規模を示す社会融資規模が4月に前月比で初めて縮小、不動産不況が続くなど最新のデータはさらなる政策措置の必要性を裏付けている。
ナティクシスのシニアエコノミスト、ゲーリー・ウン氏は「経済成長のデータが減速する可能性が高いため、地方自治体は第1四半期の債券発行不足を補い、経済を支援する必要がある」と説明。与信データの低調さがきっかけの一つになった公算が大きいと指摘した。
財政支出は中国が5%前後という今年の野心的な成長目標を達成する上で極めて重要だとみられている。住宅セクターが経済成長の足かせとなることへの懸念を中国政府が強める中、地方政府はデベロッパーの余剰在庫の買い取りを課されている。
しかし債券供給の増加は中国の政府債市場のボラティリティーを高める恐れがある。
政府債利回りは金融緩和への期待や暗い経済見通しを背景に今年4月まで着実に低下してきたが、その後、当局が銀行の投資への監視を強化したため乱高下が見られるようになった。
東方証券のチーフ債券アナリスト、斉晟氏は「政府債発行の加速が持続可能かどうか、市場は注視している」とした上で、「このようなペースが6月に維持されれば、政府債市場はストレステストに直面するかもしれない」と指摘した。
中国の工業利益、4月は増加に転じる-輸出や内需が景気を押し上げ - Bloomberg
●プロファイ、インフラ、自然災害
焦点:急成長する中国の太陽光発電、送電グリッドの限界が足かせに | ロイター
焦点:急成長する中国の太陽光発電、送電グリッドの限界が足かせに
中国の太陽光発電は、部品の圧倒的な低価格と政策面での支援を追い風に、恐ろしいほどのハイペースで成長を遂げた。だが今、その成長は減速しつつある。写真は河北省張家口で2016年3月撮影(2024年 ロイター/Jason Lee)
[北京 22日 ロイター] - 中国の太陽光発電は、部品の圧倒的な低価格と政策面での支援を追い風に、恐ろしいほどのハイペースで成長を遂げた。だが今、その成長は減速しつつある。送電グリッドの限界が次々に露呈し、市場改革によって発電事業者は先行きに不透明感を抱き、太陽光発電に都合の良い屋上スペースも残り少ないからだ。
中国における太陽光発電能力は昨年55%増加した。公式統計とロイターによる試算では2024年1-2月もこの勢いは続いたが、3月に入ると太陽光発電設備の新設が前年同月比で32%減少、過去16カ月で最低となった。
太陽光発電の成長鈍化の背景には、建物屋上のソーラーパネルから送電グリッドに対する余剰電力の供給について制限が厳しくなったこと、そして電力価格の改革により新規の太陽光発電プロジェクトの収益性が悪化していることがある。
複数の予測によれば、中国における今年の太陽光発電設備の建設は、国内の太陽光発電(PV)モジュール製造能力の成長を大きく下回りそうだ。欧州・米国における中国製品に対する風当たりは強まっているものの、中国製ソーラーパネルの輸出が強化されるとの見方が強まっている。
電力需要地の近く、主として建物屋上に設置される分散型太陽光発電が伸び悩んでいる主な理由は、日中に発電される余剰電力を吸収してくれるだけの蓄電設備や送電能力が不足していることだ。
そうなれば、規制当局としても、分散型太陽光発電の急成長をもたらした価格支援をある程度撤廃しようという話になる。
調査会社トリビアム・チャイナのアナリスト、コジモ・リース氏は「今後数年にわたり、これは全ての省が直面する大きな問題になりそうだ。送電グリッドは飽和状態に陥り、インフラ面で対処が追いつかなくなる」と語った。
分散型太陽光発電は昨年の国内太陽光発電全体の42%を占めていたが、これを大規模に採用していた複数の地域が同じ問題に悩まされている。北部の山東省などいくつかの省では特に深刻だ。
国営の中国中央テレビ(CCTV)は、山東省では分散型太陽光発電の最大5-7割が出力を制御されていると伝えた。つまり、グリッド運営事業者が、電力需要とのバランスを維持するため、太陽光発電からの供給分がグリッドに流入するのを止めざるを得ないという意味だ。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、中国は再生可能エネルギーに対する出力制御を5%以内に納めようとしており、主要電力市場における1.5-4%に見合った水準になっているという。
だが、中国のエネルギー規制当局が昨年、分散型太陽光発電による電力を吸収する余裕について6つの省を対象に調査したところ、5つの省では2024年中の新規プロジェクトに制約を設けざるを得ないことが判明した。
前出のリーズ氏は、山東省と並んで分散型太陽光発電導入の3本柱だった河北省と河南省では、すでに設備導入の「絶対的な崩壊」が生じていると指摘、「この両省は懸念を深めている」と語る。
昨年11月、河南省は事業者と省内の規制担当部署に対し、分散型太陽光発電の「健全な発展」を支えるために、グリッド容量を増やすための行動計画を立案するよう指示した。
中央の計画機関である国家発展改革委員会にファックスでコメントを求めたが、回答は得られなかった。また、河南省と河北省の当局には連絡がつかなかった。中国北部エネルギー規制局はコメントを控えるとし、河南省のエネルギー規制当局者からは回答はなかった。
<分かれる予想>
中国では太陽光発電が急速に普及したおかげで、再生エネルギーに関する目標を何年も前倒しで達成できる目算が立っている。導入済みの太陽光発電量は3月時点で655ギガワット(GW)に達し、第2位の米国(2023年末時点で179GW強)に大差をつけて世界首位となっている。
だが、今年の太陽光発電の導入量の予測には大きなばらつきが見られる。S&Pグローバル・コモディティ・インサイツは、2024年に新規導入される太陽光発電量は昨年の217GWから4%増えると予想。3月には減少したにもかかわらず、第1四半期の成長は予想より堅調だったとしている。一方、ライスタッドのアナリストは6%増加を見込んでいる。
対照的に、中国電力企業連合会(CEC)は、今年の新規導入量は20%減少すると予想し、中国のPVの業界団体は2月に発表した予測の中で12%減少する可能性を示した。
S&Pグローバル・コモディティ・インサイツでクリーンエネルギー技術担当の主任アナリストを務めるホリー・フー氏は、課題として浮上しているのは、グリッド投資が出遅れていること、そして現在進行中の電力市場改革がもたらした不透明感だと述べた。
中国で太陽光発電の急増を促したのは政府による支援だ。これによって関連装置の製造が急拡大し、グローバルな太陽光発電パネルの価格破壊をもたらし、貿易相手国からの反発を引き起こした。
アナリストらは、中国のPVモジュール生産能力が今年は500-600GW相当増加し、60-70%の成長になると予測するが、これは太陽光発電プロジェクトの成長を大幅に上回る。
こうなるとメーカーは欧州、米国といった市場への輸出を増やさざるを得ないが、いずれも太陽光パネルの製造に用いられる太陽電池に対する輸入関税率を25%から50%に引き上げている。
<買い取り価格引き下げの影響は>
これまで再生可能エネルギーの発電事業者は、グリッド運営事業者が発電量のほぼ全量を、石炭指数に連動したレートで買い取ることを保証されてきた。だが3人の業界専門家によれば、この買い取り保証は4月1日に撤廃され、地域によっては前倒しで実施されたという。
こうして、再エネによる電力は、これまでのような優位性のない市場価格で取引されるようになりつつある。
国有の石炭エネルギー・電力企業である神華能源は第1・四半期報告の中で、太陽光による売電価格はメガワット時(MWh)当たり283元(約6130円)と前年同期比34.2%減になったが、石炭発電による売電価格は同406元と2.4%減にとどまったと発表した。
一方で、グリッド運営事業者は出力制御の5%という上限を超えられないか試みており、上海を拠点とするエネルギー関連コンサルタント会社ランタウ・グループのデービッド・フィッシュマン氏は、「せっかく発電したのに買い取ってもらえないかもしれないという、発電プロジェクトのオーナーにとってのリスクが生じている」と指摘した。
国有の大手発電事業者である華能国際電力の場合、第1・四半期の出力制御が昨年同期の3.1%から7.7%に増加したという。ジェフリーズのアナリストが、華能の経営陣による発言として顧客向けノートで明らかにした。
課題は他にもある。永安国富資産管理で研究主任を務めるシー・リーダ氏が指摘するのは、最も開発が容易な拠点におけるプロジェクトはすでにほぼ開発済みだという点だ。まだ利用可能な場所では、屋上の補強が必要、グリッド接続の制約、日照時間の短さといった問題が考えられるという。
「コスト削減が今後も続かなければ、コスト効率の良い投資にはならない」とシー氏は語った。
パプアニューギニア地滑り、2000人以上が生き埋めの可能性 | ロイター
米テキサス州などで竜巻、少なくとも13人死亡 数十万世帯が停電 | ロイター
竜巻を伴う雷雨が米国中部を襲い、少なくとも13人が死亡した。数十万世帯に停電が発生している。
テキサス州クック郡の当局者によると、同州北中部のオクラホマ州境付近の地域で25日夜に強力な竜巻が発生し、少なくとも7人が死亡。負傷者も多数報告されている。
被災地の映像からは家屋や建物が広範囲にわたって破壊され、樹木がなぎ倒されている様子が確認できる。
停電状況追跡サイト「パワーアウテージ・ドット・US」によると、テキサスからオハイオまでの8州にわたり、43万世帯以上が停電に見舞われている。
アーカンソー州当局はベントン郡で1人、マリオン郡で2人、バクスター郡で1人を含む数人が嵐に関連して死亡したと報告した。
このほか、オクラホマ州で少なくとも2人が死亡した。
暴風雨は26日には北東に移動しており、オハイオ、ケンタッキー、ミズーリ、テネシー各州の一部にさらなる悪天候をもたらす恐れがある。
バングラとインドにサイクロン上陸、数百万人に停電被害 | ロイター
●小ネタ
●市況
欧州市場サマリー(27日) | ロイター
<欧州外為市場> ドルが安定的に推移した。市場では世界的な金利見通しを占う上で日米欧のインフレ指標が注目されている。
<ロンドン株式市場> 27日のロンドン株式市場はバンクホリデーのため休場。
<欧州株式市場> 小幅に反発して取引を終えた。米国と英国が祝日で休場のため市場参加者が少なく、薄商いだった。
個別銘柄では、フランス鉄道車両大手アルストムが5.6%上昇。財務体質改善に向け10億ユーロ(10億8000万ドル)の新株発行の条件を決定した。
<ユーロ圏債券> 国債利回りが低下した。今週の主要経済指標の発表を控え、欧州中央銀行(ECB)当局者がインフレの鈍化基調により利下げ余地があると発言したことが材料視された。
備忘録(2024/5/24-26)
●雑感
●決算
●海外企業
米「ザンタック」訴訟、結腸がん発症主張を退ける初評決 | ロイター
胸焼け薬「ザンタック」(既に販売中止)服用で結腸がんを発症したとして、米中西部イリノイ州の女性(89)が医薬品メーカーの英グラクソ・スミスクライン(GSK)とドイツのベーリンガーインゲルハイムに6億4000万ドルの損害賠償を求めた訴訟で23日、シカゴの同州地裁陪審は、女性側は立証不足とするメーカー側主張を認め、訴えを退ける評決を下した。
ザンタック(一般名ラニチジン塩酸塩)は1983年に承認され、年間売上高が10億ドルを超えた初めての医薬品となった。その後、発がん性物質N―ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出され、2020年に米食品医薬品局(FDA)が販売中止を求めた。これを受けて大量の訴訟が起こされた。このうち、結腸がん発症との因果関係を巡る訴訟は数千件に及び、今回は初の評決となった。
今回の訴訟でメーカー2社は結腸がんの要因のうち、少なくとも一部がザンタック服用であるとの証明に欠けると主張。評決はこれに同意する内容となった。
2社は評決後に声明を発表し、ザンタックはがんを引き起こさないとの科学的証拠と一致する評決であり、今後同種訴訟が起こされた場合も全面的に争うと強調した。
原告側弁護士の1人は今回の評決を尊重すると述べた。ただ、今後の同種訴訟ではメーカーに責任があることが認められると確信すると述べた。
●日本企業
ニデック、過年度決算を訂正 子会社で売上高過大計上 | ロイター
日本製鉄、洋上風力発電用風車の厚板鋼板に本格参入 26年にも量産 - 日本経済新聞
日本製鉄は洋上風力発電用の風車の基礎に使う厚板の事業に本格参入する。洋上風車は過酷な自然環境や地震対策の観点から、船舶や建設機械向けよりも分厚い鋼板が必要になる。これまでは個別注文で生産していたが、大分県と千葉県の製鉄所に専用の生産ラインを設けて2026年にも量産できるようにする
●米大統領選挙
トランプ氏、金融界大物の後ろ盾確保-ブラックストーン創業者が支持 - Bloomberg
米ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)は24日、11月の米大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領の陣営による資金集めを支援すると表明した。共和党の候補指名獲得を確実にしているトランプ氏にとり、資金提供者の基盤を構築する上で大きな勝利となった。
プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社ブラックストーンの創業者で、有力な政治献金者でもあるシュワルツマン氏は長い間、共和党の主要な資金源だったが、トランプ氏を支持するかどうかについては数カ月間沈黙を守ってきた。
シュワルツマン氏は24日の発表で、「反ユダヤ主義が劇的に台頭していることで、私は今度の選挙がどのような結果をもたらすか、一段と急を要する問題として注目するようになった」と説明。「私は経済と移民、外交政策が国を誤った方向に導いているという懸念を多くの米国人と共有している。これらの理由から、私は変化のために投票し、大統領選でドナルド・トランプ氏を支持するつもりだ」と表明した。
シュワルツマン氏のトランプ氏支持の意向についてはアクシオスが先に報じていた。
同氏は2022年、共和党の 「新世代 」リーダーを求めるとしてトランプ氏を支持しない考えを示していた。共和党の予備選期間中、候補者の中でトランプ氏を最も激しく批判していたクリスティー前ニュージャージー州知事と連携するスーパーPAC(政治活動委員会)に200万ドルを寄付していた。
シュワルツマン氏の知人らは、同氏が最終的に勝利する可能性が最も高いと見なす候補者を支持するだろうと内々に語っていた。
シュワルツマン氏(77)は、ウォール街最大の共和党献金者の一人。選挙資金とロビー活動のデータを追跡する非営利団体オープンシークレッツによると、20年の選挙サイクルだけで、トランプ氏と他の共和党候補を支援する団体に3500万ドル余り(約55億円)を寄付した。
シュワルツマン氏の後ろ盾があれば、トランプ氏への献金に消極的な金融界の他の資産家の取り込みも期待できる。トランプ氏は選挙資金集めでバイデン大統領に後れを取っており、最新の申告によれば、手元資金はバイデン陣営の約半分にとどまっている。
トランプ陣営がNYで選挙集会、黒人・ヒスパニック有権者に照準 | ロイター
米共和党の大統領選候補となるトランプ前大統領の選挙集会が23日、ヒスパニックと黒人の住人が多いニューヨーク(NY)市サウスブロンクスにある公園で開かれ、数千人の支持者が参加した。民主党のバイデン大統領の支持基盤を崩す狙いがある。
黒人やヒスパニックは伝統的に民主党を支持し、2020年選挙におけるバイデン氏勝利に重要な役割を果たしたが、最近の世論調査ではトランプ氏への支持を強めている。
NY州については、トランプ氏は20年に23%ポイント差で敗れており、政治アナリストによれば今年も勝てる見込みはない。しかし、NY市で多くの支持者を集め主要テレビ局が取材すれば、全米の黒人・ヒスパニック有権者にメッセージを伝えるのに役立ちそうだ。
政治アナリストは、バイデン氏が有色人種の有権者からの支持を落としていることについて、インフレの影響が一因と分析している。
トランプ氏の演説を聞くため集会に参加した聴衆は、白人が多い同氏の一般的な集会よりも多様な人種構成となっている。支持者らは「トランプは正しかった」、「ウルトラMAGA(米国を再び偉大に)」といった同氏を支持するスローガンが書かれた野球帽をかぶっていた。
トランプ氏、ヘイリー氏を何らかの形で絶対にチームの一員に - 株探(かぶたん)|米国株
トランプ前米大統領は、共和党候補の指名争いで最後まで闘ったニッキー・ヘイリー元国連大使を何らかの形で自分のチームに絶対に加わると述べた。トランプ氏はインタビューで「チームに入ると思う。同じ考え、同じ思いがたくさんあるからだ」と述べた。「かなり険悪な選挙戦だったが、彼女は非常に有能な人物であり、何らかの形でわれわれのチームに加わることになるだろう、絶対に」と語った。
ヘイリー氏は今週ワシントンで開かれたイベントで、11月の大統領選ではトランプ前大統領に投票すると述べた。選挙戦からの撤退前、ヘイリー氏はトランプ氏を「錯乱している」と呼び、指導者としての適性を疑問視していた。
焦点:司法の掌握目論むトランプ氏、側近が描く人事と組織改革の青写真 | ロイター
ドナルド・トランプ氏の一部の協力者の間で、司法省の独立性を低下させ、国家の最高法執行機関を保守派の「攻撃犬」に変えようとする提言をまとめる動きが進んでいる。ロイターは、この動きに関与する9人に取材した。
司法省が民主的制度を保護し法の支配を守る役割を担っていることを考えれば、こうした改革が成功すれば、2期目のトランプ政権による最も重大な行動の1つとなる可能性がある。また「独立性と中立性」を核心的な価値として掲げる司法省の理念からも極端に逸脱することになる。
トランプ氏は司法省により数十件の容疑で起訴されており、11月5日の大統領選に向けた選挙運動の中で、もし自分が勝利すれば司法省を刷新すると公約し、民主党のバイデン現大統領など自らの政敵を訴追するために活用すると宣言している。
ロイターが取材した9人の一部は、陣営内部でも検討中であるとして匿名を希望しているが、彼らによれば、この計画は実質的に2つの面で構成されているという。
1つは、ホワイトハウスからの賛否が分かれる指示に対して「ノー」を突き付ける可能性が低い、強固な保守派を大量に司法省に送り込むこと。もう1つは、重要な意思決定の権限がキャリア官僚ではなく政権に忠実な支持者に集中するように省内の構造を再編成することだ。
これらの関係者によれば、共和党員の多くは連邦捜査局(FBI)は共和党により厳しいと感じており、FBIの権限にも新たな制約を加え、その任務の多くを他の法執行機関に移すことになるという。
トランプ氏の盟友として有名で、議会侮辱罪で有罪判決を受けたスティーブ・バノン氏は、「司法省は制度面での問題を抱えているとトランプ氏は感じている」と語る。「人事の問題だけではない。省内の粛清は必要だが、制度的な改革も必要だ」
司法省の改革が実現すれば、トランプ政権としては、職場の多様性を推進することを意図した雇用プログラムの廃止や、人種差別的慣行が批判されている警察機関に対する連邦政府の監視の終了など、保守的な政策を推進しやすくなる。
ロイターがトランプ陣営に問い合わせたところ、陣営幹部のスージー・ワイルズ、クリス・ラシビータ両氏による12月の声明を参照するようにとの回答だった。
当該の声明には、「トランプ大統領または適切な権限を持つ陣営メンバーが直接発したメッセージを除き、将来の政権人事や政策発表のいかなる側面も公式のものと見なすべきではない」とある。
司法省を刷新するというトランプ氏の公約はさまざまなところで書かれてきたが、同氏の協力者やアドバイザーらが主張する措置を具体的に見極めようという関心は乏しい。
トランプ氏の協力者として有名な2人の人物はロイターの取材に対して、FBI法務顧問を廃止することを支持していると語った。トランプ氏の2017─2021年の大統領任期中、2016年の大統領選でロシア政府関係者と接触した疑いについての捜査の承認に一役買ったことで共和党の憤激を招いた役職だ。
法務顧問は、進行中のケースやその他の事項に関してFBI職員に法務アドバイスを提供する。このポストを廃止すれば、FBIとしては、指揮系統の中でトランプ氏が選んだ司法長官に近い筋からガイダンスを受けざるをえず、政治的な監視から独立した捜査を実施することが難しくなる。複数のトランプ氏の支持者とFBIの仕組みに詳しい法律専門家が語った。
<「普通の政治ではない」>
トランプ氏の協力者らは、行政府の長である大統領は、司法省に対して自らが適切と考える指揮・統制を行う広範な権限を持つべきだ、と主張する。
だが民主党の大半はもちろん、共和党の中にもこうした見解に否定的な声はある。つまり、司法省は党派にとらわれずに司法を執行する責任がある以上、非常に高いレベルの独立性が必要だという主張だ。司法省の任務には、大統領と親密な政界関係者に対する捜査が含まれるときもある。
司法省改革案を策定しているトランプ氏側近の多くは、第2次トランプ政権に向けて詳細なプランを作成している「プロジェクト2025」という複数の保守派シンクタンクによる協議会に名を連ねている。「プロジェクト2025」はロイターに対し、トランプ氏の選挙運動については何も言えないと述べている。
トランプ氏側近らは、第2次トランプ政権が誕生した時点で強硬な保守派を司法省に送り込むべく、新たな方法を探っている。内部に詳しい2人の人物が明らかにした。
こうした細部にわたる準備は、トランプ氏による混乱に満ちた2016年の政権移行とは対照的だ。複数の関係者は、当時は政策に関する計画がほとんど無きに等しかったと認めている。
トランプ氏は第1次政権の最初の数カ月間、司法長官とFBI長官との衝突に忙殺された。両者とも2016年のトランプ氏の選挙運動に対する捜査を中止させず、大統領の怒りを買っていた。
同氏に近い複数の関係者によれば、トランプ氏はこうした体験を繰り返すまいと決意しているという。
トランプ氏は現在、司法省による2件を含む4件の刑事訴訟を抱えている。容疑は合計88件で、2020年の選挙結果を覆そうと試みた件、退任後も機密書類を保持していた件、そしてポルノ俳優に対する口止め料支払いの隠蔽(いんぺい)に関するものだ。
77歳になるトランプ氏はすべての訴訟で不法行為を否認しており、こうした訴追は、司法省が自分に対する偏見を抱いている証拠だとしている。司法省はそうした偏見を否定し、捜査はすべて中立の立場で進めているとしている。
ガーランド米司法長官は16日、「司法省に対し、前例のない、率直に言って根拠のない攻撃が相次いでいる」と述べた。
超党派の司法制度の確立を約束する一方で、トランプ氏は多くの政敵を逮捕するよう求めてきた。昨年6月には、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、81歳のバイデン氏を「特別検察官」に調査させると表明した。
<FBIに対する支配>
協力者の中には、トランプ氏が口にする「リベンジ(仕返し)」を支持することを控える人もいる。だがそうした人々も、司法省・FBIに対するトランプ氏の支配を強めることには賛同する。
「膨大なリソースと強制力、意のままになる捜査手段を握った権力中枢があり、大統領以下に連なる指揮系統の統制からの独立性が前提とされていると、権力の乱用に直結する」と主張するのは、元司法省職員で、トランプ政権で運輸長官代理を短期間務めたことのあるスティーブ・ブラッドベリー氏。
ブラッドベリー氏と、トランプ政権下で司法省上級幹部の座にあったジーン・ハミルトン氏は、ロイターによるインタビューの中で、FBI法務顧問を廃止する措置に賛同している。
両氏は、トランプ氏を代弁する立場にないとしつつ、「プロジェクト2025」にアイデアを提供しているという。ハミルトン氏は、トランプ氏に最も近い政策顧問の1人であるスティーブン・ミラー氏の右腕的存在だ。ミラー氏にコメントを求めたが回答は得られなかった。
またブラッドベリー、ハミルトン両氏は、FBI長官が政治任用者である2人の司法次官補に直属するよう司法省の指揮系統を変更することを支持している。
FBI長官は現在、さらに高位の司法長官代理の指揮下にあるが、ブラッドベリー氏によれば、実際には司法長官代理はあまりにも多くの監督任務を抱えて多忙であり、FBIによる捜査を監督できないという。
またトランプ氏の盟友や顧問らは、司法省幹部が実質的な監督を行うにはFBIによる捜査対象が広すぎだとして、FBIが捜査可能な犯罪の種別を大幅に制限したいと考えている。
ブラッドベリー氏は昨年7月に発表したもののさほど関心を集めなかった公開の政策メモの中で、FBIと管轄範囲が重なる領域については、麻薬取締局(DEA)などFBI以外の法執行機関に捜査指揮権を委ねることも可能だと指摘した。
ブラッドベリー氏は、FBIに残す捜査対象領域を「(連邦レベルの対応が必要となる)大規模犯罪、国家安全保障上の脅威」のみに絞ることが可能だとの考えを示した。
<政策的な人事>
トランプ氏の協力者らは、司法省の構造改革と並んで重要なのは、トランプ氏の要求事項を遅延させる可能性の低い忠実な人材を同省に集めることだと主張している。
トランプ氏は、「スケジュールF」と呼ばれる大統領令の発動を公然と支持している。これが活用されれば、何千人もの連邦政府職員を同氏に忠実な保守派に入れ替えることが可能になる。
そうなれば、トランプ政権は現在では数百人にとどまっている司法省内の政治任用者の数を拡大できるようになる。ただし同氏の周辺でも、厳密にいくつのポストを新設できるか見解はまとまっていない。
また「プロジェクト2025」に参加するトランプ氏の協力者の一部は、「官庁人事交流法」を活用したいと考えている。この議論に詳しい複数の人物によれば、同法は、政府省庁が非営利機関の支援を得つつ外部の専門家を登用することを可能とする、曖昧な法令だという。
司法省職員の一部が加盟する労働組合「AFSCMEローカル2830」はロイターに宛てた声明で、「連邦法令を中立的に運用し米国憲法を擁護するのではなく、党派性の強い政策課題を推進するために、トランプ氏の関係者がポストを埋めていくことを危惧している」と述べている。
トランプ氏の支持者らは、適切な構造と人材があれば、トランプ氏にとって保守的な政策目標を追求しやすい体制が整う、と語る。同氏の協力者らは数十のアイデアを提示しているが、その多くは、連邦政府による公民権制限の手法に広い範囲で関わっている。
たとえばハミルトン氏は、企業が職場における有色人種の数を増やすことを意図したプログラムを導入することで白人を差別していないか、司法省が検証すべきだと主張している。
司法省がそうした検証を行う権限は、「人種」や「性別」に基づいて採用や報酬を決定することを禁じる1964年公民権法に求められるはずだ、とハミルトン氏は述べた。
またハミルトン氏は、裁判所の監視の下で行われる司法省と各地の警察署の間の和解、「同意判決」を大幅に制限することを求めている。現状、有色人種や身体・精神障害者に対する公民権侵害を阻止するために用いられているものだ。
保守派はこの「同意判決」について、犯罪と戦う各地の警察に干渉する連邦政府の高圧的な活動だと説明する。だが人権活動家は、そうした主張は、これまで何世紀にもわたって記録されてきた不平等を無視するものだとしている。
以前、司法省公民権局の職員として勤務していたジョージタウン大学のクリスティ・ロペス教授は、トランプ政権下の司法省は、警察の活動の説明責任に関する業務が減少していたと語った。
「トランプ氏がまた政権を取ったら、同じ路線をさらに強化する可能性は否定できない」
トランプ氏がリバタリアン党大会で演説、ブーイング浴びる
トランプ前米大統領は25日、自由至上主義を掲げ政府の不介入を唱える小政党リバタリアン党がワシントンで開いた党大会で演説したが、会場はブーイングや野次に包まれた。
リバタリアン党の支持者らは、共和党のトランプ氏が大統領在任中に新型コロナウイルスのワクチン製造を急がせた上、ワクチン未接種者を対象とする制限措置の中止に十分尽力しなかったとして同氏を批判している。
トランプ氏が登壇する直前、ある党員は「ドナルド・トランプは銃弾を受けるべきだった」と叫んだ。登壇後は大きなブーイングと野次が飛ばされた。少数のトランプ支持者は声援を寄せた。
トランプ氏は「私は今までリバタリアンではなかったかもしれないが、今ではそうだ」と述べ、11月の米大統領選挙で対決するとみられるバイデン大統領と民主党は「左翼ファシズム台頭」の一端を担っていると断じた。
トランプ氏は「われわれは互いに争うべきではない」と述べてバイデン氏打倒への共闘を呼びかけたが、多くのブーイングが飛んだ。
リバタリアン党員の票は2020年の大統領選で全体の1.2%にとどまったが、今年の大統領選は数万票の差で勝敗が決まるほどの接戦が予想されており、トランプ氏は同党から票をはがしたいと考えている。
リバタリアン党関係者によると、バイデン氏にも党大会での演説を依頼したが、断られた。
●先進国中銀
イエレン米財務長官「金利予想を引き上げた」、歳入増加の必要性強調 - Bloomberg
金利は長期的に依然見込んだよりも高くなる見通しで、それが米政府の借り入れ需要抑制を困難にすると、イエレン財務長官が指摘した。共和党議員と歳入増加について協議することがとりわけ重要になっているという。
イエレン氏は24日のブルームバーグニュースとのインタビューで、「われわれは金利予想を引き上げた」と発言。「これで確かに違いが生まれる。財政赤字や金利費用の抑制がもう少し難しくなる」と続けた。
バイデン政権の予算案について、持続可能な財政軌道を確保するものだとイエレン氏は説明。国内総生産(GDP)に対するインフレ調整後の利払いの比率を重視しているとあらためて強調した。この比率は昨年上昇したが、ホワイトハウスは1.3%前後で向こう10年間安定するとみている。
「私は厳格な規則を設けてはいないが、2%以上になるのは望まない」とイエレン氏は語った。この発言は政府の利払い費用の水準について述べた中でこれまでで最も具体的で、以前は政権が予想しているのは「歴史的に標準的な」債務コストだと説明していた。
神田財務官、為替で「過度な変動あれば適切な行動取る」と再表明 - Bloomberg
神田真人財務官は24日(イタリア時間)、足元の為替相場について「無秩序な為替の動きは経済に悪影響を与える」として、「過度な変動があれば適切な行動を取る」とあらためて表明した。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議のため訪問中のイタリア・ストレーザで記者団の質問に答えた。
神田財務官は米国を含め各国当局と緊密に連絡を取り合っていると述べ、介入がまれであることが望ましいのは言うまでもないとした上で必要な場合には適切に対応すると強調した。
財務官は「とりわけ米国とはこれまで極めて緊密な意思疎通を続けてきた」と説明。安定的に相場が推移している限り介入は必要ないとし、「まれであることが望ましいのは言うまでもない」と述べた上で、「過度な変動が投機などで発生して経済に悪影響を与える場合には、適切な措置を取る必用がある」と言明した。
為替市場の変動には引き続き注意が必要だとし、「今後も必要に応じていつ何時でも適切な措置をとっていきたい」と話した。
イエレン米財務長官は23日、為替介入はめったに使用されない手段であるべきで、介入に踏み切る際には十分な警告が発せられる必要があるとの考えをあらためて述べていた。
円相場は23日の外国為替市場で、政府・日本銀行が円買い介入を実施したとみられている2日以来の1ドル=157円台に下落。財務官の発言後、ニューヨーク時間24日正午過ぎには156円82銭まで小幅上昇する場面もみられた。米国では経済の堅調さを背景に利下げ観測が後退しており、日米の金利差を意識した円売り圧力が根強い。一方、介入への警戒感もくすぶっており、市場は日本の通貨当局者の情報発信を注視している。
日本政府は為替介入の有無について「ノーコメント」のスタンスだが、4月29日に34年ぶりの1ドル=160円台に達して以降、政府・日銀は円買い介入を2回実施したとみられている。
ECB追加利下げ、9月まで待つ必要があるだろう-独連銀総裁 - Bloomberg
6月のECB利下げへ条件整う-チポローネ、パネッタ両氏が指摘
欧州中央銀行(ECB)のチポローネ理事は26日、6月の利下げに向け機が熟したと述べ、ECB政策委員会メンバー、パネッタ・イタリア銀行(中銀)総裁の前日のコメントと同様の見解を示した。
チポローネ氏はイタリア紙ソレ24オレがトレントで開催したイベントで、「次のECB会合で最初の利下げを予想しているが、その後は議論が必要であり、われわれは確かめ、データに頼るだろう」と発言した。
また、「最近のデータはこの方向性を示しており、ECB金融政策の引き締めスタンスを和らげることができるとの確信は強まっている」と説明した。
6月のECB利下げは広く示唆されてきた。利下げ後についてはほとんどの当局者は言及を控えているが、ECB政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁とシュナーベルECB理事は7月の追加緩和に反対する立場を示している。
イタリア・ストレーザでの主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席したパネッタ氏は25日、6月6日の次回政策委員会会合で金融政策を変更する条件が整っていると述べた。
同氏は、「われわれには会合ごとに決定するというモットーがあるが、コンセンサスは広がっており、より強い疑問を抱いていた人さえも」利下げへの同意に「近づいていると私は確信している」と語った。
FRB重視の基調的インフレ指標、4月は鈍化か-進展幾分示唆も
米連邦準備制度が重視するインフレ指標で、31日に発表される4月の米個人消費支出(PCE)コア価格指数は、根強い物価上昇圧力から幾分緩和しつつあることを示す見込み。利下げ時期に関する米金融当局の慎重姿勢も裏付けることになりそうだ。
エコノミスト予想では、4月の食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が前月比0.2%上昇すると見込まれている。この通りであれば、基調的なインフレをより的確に示す同指数にとって、今年に入り最も小さな伸びとなる。
ブルームバーグ調査の予想中央値では、PCE総合価格指数は3カ月連続で前月比0.3%上昇となる見通し。今年に入ってからの上昇率は、昨年10-12月の3カ月間が比較的横ばいだったのとは対照的であり、インフレ抑制に向けた進展が平たんではないことが浮き彫りとなっている。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長らは、20年超ぶりの高水準にある政策金利を引き下げる前に、インフレ率が目標である2%への持続的な道筋をたどっていることを示す一段の証拠が必要だと強調している。
PCE総合価格指数は前年同月比では2.7%上昇、コア価格指数は同2.8%と予想されている。
連邦公開市場委員会(FOMC)が4月30日-5月1日に開いた会合では、政策金利をより長期に高水準で維持することが望ましいとの認識で当局者が一致。また、インフレ率を当局の目標に下げる上で金融政策が十分に景気抑制的かどうかを巡っては、「多く」が疑問を抱いていた。5月22日に公表された議事要旨で明らかになった。
4月の個人消費支出と所得も今週発表される。1-3月(第1四半期)の需要は堅調なペースで伸びたが、4月の小売売上高が横ばいにとどまった。今回のデータではサービス支出に関する情報が提供される。
アナ・ウォン氏、スチュアート・ポール氏、エリザ・ウィンガー氏、エステル・オウ氏らブルームバーグ・エコノミクスのエコノミストは、「今回の指標はインフレ鈍化のプロセスが完全に行き詰まっているわけではないことを示す明るい兆候を幾分示すだろう」と指摘。「労働市場の減速で所得の伸びが鈍り、消費者は緩やかに落ち着きつつあり、年内は引き続きディスインフレの材料が続くと考えられる。だが、物価上昇圧力のキャッチアップはまだ残り、今年のインフレ鈍化は非常に緩やかなものにとどまるだろう」と分析した。
●先進国、グローバル、金融市場
アングル:ドイツ不動産市場、外国人が敬遠 経済の傷深まる恐れ | ロイター
過去数十年で最悪の危機に見舞われているドイツの不動産市場では、外国人が不動産取引を手控えており、同国経済の傷がさらに深まる恐れがある。
BNPパリバ・リアル・エステートのデータによると、第1・四半期の商業用不動産購入に占める外国人の比率は35%と、2013年以降で最低だった。販売額は20─21年の新型コロナウイルス流行時から70%急減している。
こうした中、足元ではドイツは再び「欧州の病人」になったのかとの議論が巻き起こっている。
同国が欧州の病人と呼ばれたのは景気停滞と高失業率に悩まされていた1990年代後半。その後、ドイツは汚名返上に努めてきたが、ここにきてロシア産エネルギーとの決別、官僚主義の呪縛、極右の躍進などを背景に、再びこの呼び名が浮上してきた。
国内有数の大手デベロッパーを経営するクルト・ツェヒ氏はロイターとのインタビューで、外国人投資家が市場に戻るまで厳しい状況が続くと予想。「米国人が戻ってくる必要がある。この業界のブラックストーン、ブラックロック、モルガン・スタンレーに相当する企業、カーライル、アポロがドイツの不動産を購入すれば、注目が集まり、市場が底を打ったと誰もが感じるはずだ」と述べた。
ドイツの長年の不動産ブームを支えていたのは低金利、安価なエネルギー、好調な経済だった。不動産部門は国内経済におおむね年間7300億ユーロ(7935億1000万ドル)の貢献をしている。国内総生産(GDP)の約2割だ。
だが、インフレの高進で欧州中央銀行(ECB)が急ピッチな利上げを迫られると、不動産ブームは終焉を迎えた。不動産融資は枯渇し、不動産取引が失速。プロジェクトが行き詰まり、大手デベロッパーが倒産し、一部の銀行も痛手を負った。業界団体は政府に介入を要請している。
独ファンドブリーフ銀行協会(VDP)によると、第1・四半期の商業用不動産価格は前年同期比9.6%下落。23年通年では10.2%値下がりした。
INGのチーフエコノミスト、カールステン・ブルゼスキー氏は「ドイツはかつて欧州の安定の象徴で、多くの投資家が群れをなして不動産を購入していた」と指摘。だが「今、ドイツの経済エンジンは失速しており、メンテナンスが必要だ。もう投資家が望むような真新しい投資先ではない」と語った。
BNPパリバによると、23年の商業用不動産購入に占める外国人の比率は37%で、10年ぶりの低水準。かつては外国人の取引が半分を占めていた。
同国の不動産取引の大半は商業用不動産で、住宅販売の比率は低い。
高金利は世界的に不動産市場の重しになっているが、3月にフランスのカンヌで開催された業界の国際会議では、特に打撃を受けているのがドイツだとの声が相次いだ。
カンヌでインタビューに応じたハインズのマネジングディレクター兼ファンドマネージャー、シモーネ・ポッツァート氏は「本当にムードが最悪なのはドイツだ」と発言。
欧州系デベロッパーの別の幹部は匿名を条件に、人員をドイツから英国など、投資家の関心が高く早期回復が見込まれる市場に再配置する計画を明らかにした。
ドイツの経済モデルには疑問の声が投げかけられている。エネルギーコストの高騰、世界的な需要低迷、破壊的なネットゼロ経済へのシフト、中国との競争激化などが背景だ。
ドイツ政府の経済諮問委員会(5賢人委員会)は先週、今年のGDP成長率予想を昨秋時点の0.7%から0.2%に下方修正。ショルツ首相は国内経済が「前例のない困難に直面している」と述べた。
<固有の事情も>
ドイツの不動産市場に固有の事情も障害になっている。
ドイツは大戦後の復興で、分散型の都市設計を進めた。このため、単一の巨大都市が存在せず、ロンドンやパリといった真のグローバル都市をターゲットにする傾向がある外国人から敬遠されることが少なくない。
BNPパリバ・リアル・エステートの調査責任者、インガ・シュワルツ氏は「ロンドンやパリの動向を理解するのは、ケルンの動向を理解するよりも容易だ」と指摘する。
別のハードルもある。ドイツの不動産所有者は不動産価格を下げずに不況を乗り切ろうとすることが多い。これが潜在的な買い手を遠ざけ、市場の活性化に必要な取引の回復を遅らせる原因となっている。
ジョーンズ・ラング・ラサールのシニア・リサーチ・アナリスト、ヘラ・ヒンリヒス氏は「国際的な市場参加者は、他の国では20%から30%も不動産価格が下がっているのに、ドイツでは大規模な不動産所有者が一部のケースで数%しか価格を下げないと批判している」と指摘した。
実際に成立した数少ない取引も、やむにやまれぬ事情で行われたものが少なくない。
経営破綻した不動産グループのシグナは債権者への返済のために資産を売却している。住宅用不動産会社ボノビアも負債圧縮のため集合住宅を売却した。
不動産資産運用会社パトリツィアの調査責任者、マーカス・シーレバック氏は「多くの取引には特殊な事情がある。これは本当に自由市場の取引なのだろうか」と語った。
前出の大手デベロッパーを経営するツェヒ氏は、不動産プロジェクトを完成させるため、銀行が不動産業界への融資を継続することが必要だとした上で、年内に市場が好転し始めるとの期待を示す。「ドイツには現在、良いプロジェクトがいくつかある」とのメッセージを外国人投資家に送った。
米バーガーキング、5ドルセット発売 節約志向の顧客取り込みへ | ロイター
プライベートクレジット会社、資金は潤沢-貸付先不足が悩みの種 - Bloomberg
プライベートクレジットの歴史的な拡大は多くの運用者に、潤沢過ぎるほどの資金があるのに十分な貸付先がないという問題を引き起こしている。
プライベートクレジットファンドが集めた資金のうち、まだ貸し付けていない額は過去最高となっている。バイアウト企業からの資金需要が依然として低調なことや、銀行のレバレッジドファイナンス部門がビジネス奪還を図りますます攻勢に出ていることが背景だ。その結果、プライベートクレジット会社の間で「底辺への競争」と呼ばれる現象が起きている。
「需給バランスの崩れから、プライベートクレジット市場の一角で行動の変化が見られる。最もタイトな条件を競い合うオークションのようになっている」と、ファミリーオフィス会社アキレス・マネジメントを経営し、プライベート資産全体に投資しているサチン・カジュリア氏は言う。「つまり、競争によって引き受け基準が弱くなっている」と説明した。
1兆7000億ドル(約267兆円)規模のこの業界の運用会社は、案件を獲得するためにより安い価格を提示し主要な投資家保護を放棄している。また、より大きな融資枠を独り占めしてレバレッジドローン市場からビジネスを奪うために土壇場で急襲することもある。
アポロ・グローバル・マネジメントの元パートナーのカジュリア氏は、「今は、プライベートクレジットを厳選すべきときだ」と語った。
ここ数週間、ダイレクトレンダー(直接金融業者)は市場でこれまでにないほど積極的な融資条件を提示している。
プライベートレンダーの1グループは先月、サプライチェーンリスクマネジメントのソフトウエアを手掛けるアベッタの買収資金としてEQTに担保付翌日物調達金利(SOFR)に4.5ポイント上乗せという過去最低の金利での融資を提案した。
今月には直接金融業者がKKR傘下のデポ・コネクト・インターナショナルに額面1ドル当たり99.75セントと、プライベートクレジットとして最小クラスのイシューディスカウントで融資した。
マッコーリー・キャピタルの米州プリンシパルファイナンス責任者、ビル・エックマン氏は「競争力のある価格設定を実現するために必要なのは、1社か2社の貸し手がその案件に熱心であればいい。サードパーティーから集めた資金を活用しようと貸し手は必死だ」と話した。
貸し手は競合他社と共同で融資することにも積極的でなくなりつつあり、1社に対して数十億ドルを貸し付けることもしばしばある。十数社の直接金融機関が手を組み資金調達の小口化を行っていた「クラブ化」の時代とは180度の転換だ。ブラックロックは先週、クラウドコンピューティングの米コアウィーブに過去最大となる45億ドルのコミットメントを提供した。
ファンドの運用会社がこの難しい市場環境をどのように乗り切っているかに注目が集まっている。ムーディーズ・レーティングスのプライベートクレジット担当責任者、アナ・アーソフ氏はインタビューで「資金を活用しなければならない運用会社がどのように今の市場にアプローチするか、この環境の中で最も成長するのはどこかを見極めたい」と語った。
長期金利は市場で形成されることが基本-1%台に上昇で植田日銀総裁 - Bloomberg
キャリー取引が人気化へ、パウエル議長が「青信号」と市場関係者 - Bloomberg
中央銀行の利下げが想定より小幅にとどまり、市場のボラティリティーが抑制されるとみられる中で、金利差を生かした投資戦略が今後数カ月に特に人気を集めそうだ。
ウォール街のストラテジストらが推しているのは、高利回り通貨や債券での利益を狙うキャリー取引だ。価格の急変動によって利益が帳消しされるリスクがあまりない、市場が穏やかな時には盛んに行われる。
スイスの銀行UBSグループはスイス・フランを売り、米・豪ドルの買いを推奨しているほか、仏ソシエテ・ジェネラルはリスクが高めの欧州国債を選好している。ピクテ・アセット・マネジメントはメキシコとブラジルの現地通貨建て債で高い利回りを確保している。
キャリー取引が注目されたのは、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が追加利上げを事実上否定してからだ。これによりボラティリティーにつながる潜在的な要素が取り除かれ、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中央銀行)と並び注意深く緩和に向かう道筋が整った。
ラルフ・アクセル氏を含むバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストはリポートで、「追加利上げがないとFRBが示唆したことは、債券などのキャリー取引への青信号だ」との見解を示し、抑制されたボラティリティーは「夏の間、幅広いキャリートレードを支えるだろう」と語った。
主要先進国市場で、キャリー取引は今年既に好スタートを切った。主要10通貨のうち利回りの低い通貨を売り、高い通貨を買った場合のブルームバーグ累積FXキャリー取引指数の年初来リターンは約7%と、この時期としては2009年以来の高水準となっている。
農作物価格、年初来で上昇に転じる-気候変動と地政学的な懸念が背景 - Bloomberg
悪天候が小麦やコーヒー豆などの収穫への不安をあおっている。食料価格上昇への懸念が再燃し、主要な農作物指数が2024年の低下分を全て帳消しにした。
干ばつや霜害、大雨が主要生産国で相次ぎ、需給逼迫(ひっぱく)に伴う農産物値上がりのリスクが強まっている。農産物9品目から成るブルームバーグの指標は年初来で上昇に転じ、週間ベースでは昨年7月以来の大幅上昇に向かっている。
同指数はまだ2022年のピークを大きく下回っているものの、いったん落ち着ついた食料インフレを再び加速させる可能性もある。
HSBCホールディングスのグローバル商品担当チーフエコノミスト、ポール・ブロクサム氏は「気候変動と地政学的な懸念により、農作物価格は高止まりする公算が大きい」と指摘した。
英総選挙、野党のリードが小幅に拡大 投票日決定後初の世論調査 | ロイター
スナク英首相が22日に総選挙日程(7月4日)を表明してから初めて実施された世論調査によると、野党・労働党が与党・保守党を17ポイントリードしていることが明らかになった。
今月17─19日に実施された前回調査では、労働党が16ポイントリードしていた。
調査は英国世論調査協議会に加盟する「モア・イン・コモン」が2000人強を対象に行った。それによると、労働党支持が44%、保守党支持が27%で、その他政党の支持率は右派のリフォームUKが10%、中道の自由民主党が9%、緑の党が5%だった。
ロシア事業手掛ける欧州の銀行は多くのリスクに直面=米財務長官 | ロイター
イエレン米財務長官は25日、ロシアで事業を行う欧州の銀行のリスクは高まっているとして、戦争のための取引を支援している銀行への二次的制裁の強化を検討していると述べた。
ロイターのインタビューで語った。具体的な内容や対象となる銀行については明言を避けた。
主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催されたイタリアのストレーザで、ロシアでの銀行取引に関連した制裁は「そうする理由がある場合にのみ行うが、ロシアで事業を行うことは非常に多くのリスクを生む」と述べた。
オーストラリアのライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)(RBIV.VI), opens new tabとイタリアのウニクレディト(CRDI.MI), opens new tabのロシアからの撤退を望むかとの質問には「両行の監督当局は、ロシアでの行動に細心の注意を払うよう助言していると思う」と述べた。
米国による二次的制裁の強化は、ウクライナ戦争を巡りロシアやその他団体に対する一次制裁の回避を援助していることが判明した場合、その銀行を米金融システムから切り離す権限を財務省に与えるもの。
イエレン長官や他の財務省高官は、ロシア経済はますます「戦争経済」化しており、民生用と軍事用、あるいは両用取引の区別が難しくなっていると指摘している。
アングル:企業投資はドイツからフランスへ、マクロン氏の改革が成果 | ロイター
コンサルティング会社EYの年間調査によると、ドイツが勢いを失い、英国も欧州連合(EU)離脱による逆風が依然尾を引いている中で、フランスは2019年から欧州で外国からの直接投資が最も多くなっている。
マクロン氏が企業投資誘致のためにベルサイユ宮殿で毎年開催している会議では今年、過去最高となる150億ユーロ相当の投資の約束を獲得。また同氏は法人所得税率を25%に引き下げることなどで、企業の年間の税負担を250億ユーロ圧縮したほか、他の事業関連税を軽減したり撤廃したりしている。
ドイツ貿易・振興機関によると、同国の平均的な法人税率は30%弱だ。
マクロン氏は、労働裁判所向けの雇用主拠出金負担を抑え、週35時間労働制をより柔軟に運用することを企業に認めるなど、労働市場改革も推進した。
通信ネットワーク機器を手がける米シスコのフランス代表を務めるローラン・デュグレ氏は、ハイテク部門の外国投資家が渇望してきた良好なインフラや技能を備えた労働力に、税負担軽減が加わって、フランスの事業環境の優位性がさらに高まっていると指摘。「ドイツや英国などの競争相手に比べてフランスは全ての面で最も魅力的というわけでないが、投資をする場合に重要な条件の組み合わせを完全に満たしている」と述べた。
外国投資家は、長らく多国籍企業を引き寄せる大きな要素となってきた研究開発向けの大幅税額控除を巡り、野党側の縮小要求をマクロン氏がはねつけている点も高く評価している。
米食品大手マースのフランス代表を務めるロマン・デュマ氏は「われわれは安定的な政策が必要であり、半年ごとに政策がころころと変わる不安を持たないで済むことを求めている」と強調した。
フランスは企業寄り政策が実を結び、マクロン氏が初当選した17年以降の経済成長率はドイツの2倍以上に達していることが、ロイターの計算で分かる。フランスの雇用数も過去最高水準だ。
EYの調査によると、外資が創出した雇用数は昨年4%増加した。
ただ外国投資家の人気を集めているこうしたマクロン氏の改革は、しばしば有権者の感情を逆なでし、同氏の支持率は低迷している。
フランス経済には、生産性の伸び悩みから過大に膨らんだ財政赤字まで、さまざまな問題も残されたままだ。
外国投資家からは、特に行政手続きの簡素化についてはマクロン氏にはまだなすべきことがあるとの声も聞かれる。
ハーガー氏は、外国投資がフランスに大きく流入しているとしても、同国の工業セクターがドイツに追いつくまでの道のりはなお非常に長い、と話している。
米ミシガン大消費者信頼感、5月確報値は5カ月ぶり低水準 インフレ期待は低下 | ロイター
米「自然利子率」、今後上昇する可能性も=ウォラーFRB理事 | ロイター
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は24日、経済への影響において中立とされる「自然利子率(Rスター)」が過去数年間にわたる低下を経て今後上昇する可能性はあるが、実際にどうなるかに言及するのは時期尚早と述べた。
講演で、Rスターが低下した主因は米債入札に対する需要が供給を上回ったことだと指摘。「米債の供給が増え需要を上回り始めれば、価格低下と利回り上昇を意味することになり、Rスターに上昇圧力がかかる」とした一方、「米国の財政状況がRスターにどの程度大きな影響を与えるかは時間が経ってみなければ分からない」とした。
今回の講演では金融政策や金利見通しに関するコメントはなかった。
ドルに関しては世界金融における優位的な地位を失うリスクがあるとは考えていないと言及。米債はなお低リスク資産の代表格であり、巨額の米債が世界中で外貨準備として保有されているとした。
一方で、米政府の借り入れの現在の軌道を無期限に維持することはできないとも述べた。
英小売売上高、4月は前月比-2.3% 雨天で客足減少 | ロイター
英国立統計局(ONS)が24日発表した4月の小売売上高は前月比2.3%減と、予想を大幅に下回った。雨天で客足が減少した。
ロイターがまとめた市場予想は0.4%減だった。
3月は横ばいから0.2%減に下方修正された。
ONSは「売上高は大半のセクターで減少した。衣料品販売店、スポーツ用品店、ゲーム・玩具店、家具販売店は悪天候で来客数が減り、販売が低迷した」と述べた。
アナリストは今後数カ月の見通しについて楽観できる理由があると指摘。
会計事務所PwCの消費者市場担当幹部リサ・フッカー氏は「年初は非常に失望を招く状況だったが、5月の天候回復やサッカーの欧州選手権、ウィンブルドン、五輪などスポーツの夏が消費を喚起するとの期待が小売業者の間に広がるだろう」と述べた。
リトアニア大統領選決選、現職ナウセーダ氏が勝利宣言
バルト3国のリトアニアで26日、大統領選の決選投票が行われ、無所属で元エコノミストの現職ナウセーダ大統領が勝利宣言した。
9割近くの投票所が開票を終えた段階で、ナウセーダ氏は約75%を得票し、中道右派与党、祖国同盟のシモニテ首相をリード。最終結果でこの数字が確認されれば、1991年に旧ソ連から独立して以降、最も高い得票率となる。
ナウセーダ氏は12日に行われた1回目の投票で44%を得票したものの、勝利に必要な50%には届いていなかった。
リトアニアは欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟。ロシアの飛び地カリーニングラード州に隣接し、2022年以降、ロシアの侵攻を受けるウクライナを強く支持してきた。周辺国と同様、ロシアの次の標的になるとの危機意識が強い。
ナウセーダ氏は首都ビリニュスで支持者を前に、国の防衛能力強化に引き続き取り組むと表明。「リトアニアの独立と自由は壊れやすい器のようなもので、われわれはそれを大切にし、割れないようにしなければならない」と述べた。
英首相、選挙に勝てば18歳に兵役導入へ
スナク英首相は26日、与党保守党が7月4日の総選挙で勝利すれば、18歳を対象に12カ月間の兵役か地域社会への参加活動を義務付ける考えを明らかにした。
対象者は1年にわたり、毎月1回の週末に地域の奉仕活動に就くか、1年間軍隊で過ごすかを選べるとしている。
スナク氏は声明で「今日の英国は、より危険で、より分断された未来に直面している。民主主義の価値が脅かされているのは間違いない」と、兵役導入の理由を説明した。
クレバリー内相はBBCで、義務を逃れても刑事罰は科されないが、兵役は強制されると述べ、それ以上の詳細は示さなかった。
選挙戦でリードする野党労働党のスターマー党首は前日、16歳と17歳にも選挙権を付与したいとの考えを示していた。
ビル・グロース氏、トランプ氏勝利なら債券市場混乱を予想-報道
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者ビル・グロース氏は、11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利した場合、バイデン大統領が勝った場合よりも債券市場に大きな混乱をもたらすだろうと語った。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が伝えた。
グロース氏はFTに対し、「トランプ氏は大統領候補の中で比較的弱気だ。計画で減税継続や費用が高めのことを提唱しているからだ」とし、既に膨らんでいる米財政赤字をさらに増やすことになるだろうと指摘した。
同紙によれば、トランプ氏の主要経済計画の一つに、2017年の減税を恒久化するという公約がある。
「トランプ氏が選ばれれば、より破壊的なものになるだろう」と述べた。
両候補が経済について選挙公約を掲げる中で11月の選挙が市場にどのような影響を与え得るか投資家は見極めようとしている。
アングル:熱波から命を守る「最高酷暑責任者」、世界各都市で奮闘 | ロイター
「ソシエテ銀行買収も容認」 すれ違うマクロン大統領と市場 - 日本経済新聞
アメリカ社会左右する9人 連邦最高裁判事、大統領しのぐ権限 Inside Out - 日本経済新聞
自民党・木原誠二氏、定額減税「物価の状況で来年も」 - 日本経済新聞
イタリア財務相「中国の報復も考慮」 過剰生産問題で - 日本経済新聞
●中東情勢
ゴールドマン・サックス、サウジアラビアに中東統括拠点 米銀初の認可 - 日本経済新聞
●エマージング
台湾周辺での軍事演習は「挑発行為」-米政府が中国に自制求める - Bloomberg
●プロファイ、インフラ、自然災害
●小ネタ
コンビニ、オフィスや工場へ出店 セブンは無人小型店 - 日本経済新聞
国内コンビニエンスストアが福利厚生の需要を開拓する。セブン―イレブン・ジャパンは従来の4分の1の小型店の出店を開始。地方の工場内などに出し、2024年内にも店舗数を2倍以上に増やす。ミニストップはオフィス内で企業の要望に応じた酒類などを販売し、社員が親睦を深める場を提供する。国内での大量出店が難しくなり、「社員向け」も切り口に事業拡大を目指す。
「低音難聴」見逃しに注意 ストレス引き金、健診対象外 - 日本経済新聞
低い音域の聴力だけが急に下がる難聴は、通常の健康診断では調べない音域のため見逃されるケースが少なくない。ストレスや疲労が引き金とみられ、発症するのは20〜30代の女性が目立つ。再発を繰り返すリスクも高い。専門家は「少しでも違和感があれば、早めの精密検査を」と呼びかけている。
東京海洋大学、何度もサケ産むニジマスを開発 養殖向け - 日本経済新聞
東京海洋大学の吉崎悟朗教授らの研究チームはサケの卵や精子をニジマスにつくらせる技術を開発した。サケは生涯に一度しか卵や精子をつくれないが、ニジマスを代理の親魚として使えば何度もつくれる。サケの養殖や品種改良を効率化できる。
●市況
NY市場サマリー(24日)ナスダック最高値、ドル下落 利回りまちまち | ロイター
<為替> ドルが大半の主要通貨に対して下落した。最近のドル高を受けた利食い売りに押された格好。ただ、堅調な米経済指標を背景に利下げ観測が後退していることから、今後一段高となる可能性を示唆している。
<債券> 米債利回りがまちまちとなった。米経済指標で景気減速には程遠いことが示され、利下げ観測が後退し、短期債利回りが小幅に上昇した。ただ、来週27日のメモリアルデーを含む三連休を控え商いは限定的だった。
指標10年債利回りは一時4.502%と1週間超ぶりの高水準を付けたが、終盤では小幅低下の4.466%。週間では4.7bp上昇した。
30年債利回りは小幅低下の4.572%。
2・10年債の利回り格差はマイナス48.3bp。一時マイナス48.9bpと3月12日以降で最大のマイナス幅となった。
<株式> 反発し、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabは終値ベースで最高値を更新した。経済指標で消費者のインフレ見通しの改善が示されたことが追い風となった。
個別銘柄では、クラウドベースの人事(HR)・会計ソフトを手掛けるワークデイが15.33%安。年間サブスクリプションの収益見通しを下方修正したことが嫌気された。
<金先物> 早期利下げ観測が後退する中、4日続落した。中心限月6月物の清算値(終値に 相当)は前日比2.70ドル(0.12%)安の1オンス=2334.50ドル。週間で は3.4%安だった。
<米原油先物> 前日に約3カ月ぶりの安値に下落した後を受けて、安値拾いや調整的な買い戻しが入り、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前日清算値(終値に相当)比0.85ドル(1.11%)高の1バレル=77.72ドル。週間では中心限月ベースで2.34ドル(2.92%)下落した。8月物は0.77ドル高の77.23ドル。
欧州市場サマリー(24日) | ロイター
<ロンドン株式市場> まちまちで取引を終えた。FTSE100種指数は4日続落した。主要国での利下げ観測の後退や英国の総選挙を控えた政治的不透明感が投資家心理を圧迫した。
<欧州株式市場> 下落して取引を終えた。米国の根強い物価上昇圧力とユーロ圏経済の先行きの強さを背景に、欧州中央銀行(ECB)など主要中央銀行による年内の数回の利下げ観測が後退。投資家が慎重な姿勢を強めたことが響いた。
個別銘柄では、スペインの建設・エネルギー複合企業アクシオナが7.1%下落。中核的な利益の見通しを引き下げたことが嫌気された。
一方、フランスの自動車大手ルノーは5.2%上昇。自社株買いの計画を発表し、UBSが投資判断を「売り」から「中立」に引き上げたことが好感された。
<ユーロ圏債券> 国債利回りがほぼ横ばいだった。堅調な経済指標を受け、市場では欧州中央銀行(ECB)による利下げ幅予想が縮小し、週間ではここ1カ月で最大の上昇幅を記録する基調にある。
来週の米主要企業決算 セールスフォース、デル - 株探(かぶたん)|米国株
29日(水) セールスフォース(2.38)、HP(0.81)
●雑感
●決算
●海外企業
Tモバイル、USセルラーの一部資産取得へ-負債含め44億ドル - Bloomberg
米2位の無線通信事業者TモバイルUSは、同業ユナイテッド・ステーツ・セルラー(USセルラー)の無線事業と周波数資産の一部を約24億ドル(約3800億円)で買収することで同社と合意した。
継承する負債20億ドルを含めると買収額は44億ドルになる。両社が28日に発表した。 取得する資産にはUSセルラーのワイヤレス顧客と小売店、周波数資産の30%が含まれる。買収は2025年中盤をめどに完了の予定で、当局の承認が必要となる。
Tモバイルは買収資金を既存の現金で賄う予定。USセルラーの債務20億ドル相当を自社債務に置き換える計画だという。
米ワイヤレス通信市場は飽和状態にあり、Tモバイル含め各社は新規事業を巡り激しく競争している。ケーブルテレビ事業会社も加入者に電話サービスを抱き合わせで販売しており、Tモバイルのようなワイヤレス通信との対決姿勢を鮮明にしている。
こうした厳しい環境にあってもTモバイルは他社より急速で成長。高速5G通信で他社に先んじ、サービス提供範囲を広げ、ブロードバンドの選択肢が限定的な地域でインターネットへのアクセスを販売している。
Tモバイルは4月、俳優ライアン・レイノルズ氏が出資する格安携帯通信ミント・モバイルの買収で米当局の承認を得ている。昨年3月の時点でTモバイルはミントの親会社であるカエナに、現金と株式交換を合わせ最大13億5000万ドルの買収案を提示した
アマゾン、伊データセンター拡張へ数十億ユーロの投資協議=関係者 | ロイター
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、イタリアにおけるデータセンター事業拡張に向けた数十億ユーロの投資について、同国政府と協議している。事情に詳しい4人の関係者が明らかにした。
具体的な投資の規模や場所に関する話し合いが続いており、関係者の1人によると、AWSはミラノにある既存施設の拡大か、別の新たな場所へのデータセンター建設を検討中という。
AWSは2020年、20億ユーロを29年までに投資する計画の一環としてイタリアに初めてクラウド拠点を開設。顧客としては高級スポーツカーメーカーのフェラーリや、ゼネラリ保険などが名を連ねている。
最近AWSは、スペイン北東部アラゴン地方のデータセンターに157億ユーロを投じると発表したばかり。関係者の話では、イタリア向け投資額はスペイン向けの規模には及ばない可能性がある。
アクティビスト投資家エリオット、米TIへの25億ドル出資公表 | ロイター
アクティビスト(物言う投資家)として知られるエリオット・インベストメント・マネジメントは、アナログ米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)への25億ドルの出資を明らかにし、TIにフリーキャッシュフローの改善を求めた。
エリオットは取締役会に宛てた書簡で、TIが需要に対応して生産能力を調整する戦略を導入し、それによって2026年までに1株当たり9ドルのフリーキャッシュフローを達成するよう提案した。
TIの23年のフリーキャッシュフローは前年比77%減で、LSEGのデータによると1株当たり1.47ドル。
TIは新技術の開発や売上高の拡大を目指し、複数の製造施設を建設する計画を持っている。アナログ半導体の需要は自動車や産業関連メーカーでの余剰在庫による低迷が続いた後、回復傾向にある。ただ、エリオットは書簡で、TIが26年に300億ドルの売り上げに対応する投資計画になっているとし、「予想される需要をはるかに上回るものだ」と指摘した。
●日本企業
トヨタの豊田会長の取締役選任、ISSとグラスルイスが揃って反対 - Bloomberg
ニッセイAM社長、海外ハイイールド社債投資に意欲-運用機能集約で - Bloomberg
日本生命保険傘下の資産運用会社ニッセイアセットマネジメントの大関洋社長は、投資適格を下回るハイイールド社債にも運用対象を広げる意向を示した。海外のハイイールド債の中で比較的格付けの高い社債を新たに加え、運用能力の向上につなげる。
ブルームバーグの取材で述べた。これまで自社で運用していなかった格付けが「ダブルB」クラスの外国社債に「自信を持って投資できるようになると、利回りをもっと引き上げることができる」と説明。金利面で妙味のある外債の受託資産残高を増やす中、「カバレッジを増やして分散投資することが非常に大事だ」と話した。
岸田文雄政権は資産運用立国を掲げ、資産運用会社に運用力の向上を求めている。各社が対応策を打ち出す中、ニッセイアセットは、グループの運用体制の高度化を図る一環でクレジットの運用機能を拡充しており、海外社債投資のカバレッジ拡大を進めている。
同社は2021年に日本生命、翌22年に大樹生命保険から、社債などのクレジットとオルタナティブの運用機能の移管を受け、運用資産や人員を引き継いだ。投資規模が拡大した結果、海外の発行市場にアクセスする能力が向上した上、自社で調査を行い格付けが低い中でも質の高い銘柄を見極められるようになってきたと大関氏は話す。
今後ニッセイ・ウェルス生命保険の同機能も移管する予定だ。これによりグループ内の保険会社からの受託資産は約21兆円となる。グローバルの社債にすでに8兆ー9兆円投資しており、今後は10兆円を超えると大関氏は話す。
グループ一体で投信「直販」
ニッセイアセットは4月、銀行や証券会社などの販売会社を通さずに同社の投資信託を販売するサービスを開始した。インターネットでの直販に加え、証券外務員資格を取得した日本生命の一部の営業職員が少額投資非課税制度(NISA)対象の投信を顧客に案内し、ニッセイアセットの担当者につなげる取り組みも行う。
「保険には入っているが投資はしていないという顧客は結構いる」と大関氏は指摘。日本生命の契約者1000万人以上のうち「1割ほどの顧客が直販サービスを使ってもらえるとうれしい」と言及し、個人的な思いとした上で、5年で直販100万口座の獲得を目指したいと述べた。
農林中央金庫、無理を重ねた30年 JAへ還元3000億円の重荷 農林中金 3度目の蹉跌㊤ - 日本経済新聞
・住専問題、リーマン・ショック時に続き3度目の最終赤字に
・元本割れリスクの低い債券に傾斜、米金利上昇の直撃受ける
・JAグループへの年間3000億円の還元が重荷に
●米大統領選挙
アメリカのジャンク債人気、上乗せ金利2年半ぶり低さ 過熱感も - 日本経済新聞
米債券市場にリスクマネーが流入している。米低格付け債(ジャンク債)のスプレッド(上乗せ金利)は5月上旬に3.03%と2021年12月以来の低水準に低下した。米経済の軟着陸期待が高まりリスクを取る動きが広がっている。発行額も3年ぶりの高水準に達するが、債務不履行(デフォルト)も増加するなど過熱感を警戒する声も上がる。
●先進国中銀
ECB、銀行の健全性審査を見直しへ=監督委トップ | ロイター
欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のクラウディア・ブーフ委員長は28日、金融機関の経営環境の変化に適応させるため、毎年行っている健全性評価プロセスを見直す考えを示した。ブログで明らかにした。
プロセスを短くするが、場合によっては介入を強化する。「効率性と有効性を高めるため、銀行監督上の検証・評価プロセス(SREP)は修正される。新しいリスク許容度の枠組みなどここ数年で実施された変更を踏まえつつ、それを超える形となる」とした。
今年後半から徐々に実施され、2026年に最終決定されるとの見通しを示した。
ブーフ氏は「SREPは短くなり、リアルタイム監督に近づく」とし「リスク環境が急速に変化していることを踏まえると、この重要性はかつてないほど高まっている」と述べた。
ECBの評価で銀行のリスクプロファイルに重大な変化がなければ、SREPの決定事項の更新は2年ごとになる可能性がある。
ただ、ECBが介入を強化するケースもあるとし「特定された弱点の是正が不十分な場合、監督ツールの強度を速やかに上げる」と表明。法的拘束力のある質的要件や罰金を含めた強制措置の利用を拡大すると述べた。
銀行側は、ECBのSREPは煩雑で、経済の大きな変化や戦争といった地政学的ショックに対応するよりも、チェックボックスにマークを入れることに重点を置いていると批判してきた。
シンクタンクであるブリューゲルの専門家、ニコラス・ベロン氏は、今回の動きはECB銀行監督委が手続きの合理化を進めていることを示していると指摘した。
●先進国、グローバル、金融市場
ウォール街、1世紀ぶりにT+1株取引に復帰-完了までの時間が半減 - Bloomberg
決済日を約定日(トレードデート)の翌営業日とする「T+1」システムへの切り替えは、取引量が大き過ぎるため断念されていたが、最終的に金融システムのリスク軽減を目的としている。
しかし、海外投資家が時間内にドルを調達するのに苦労するかもしれないこと、グローバルな資金がそれぞれの資産に対して異なるスピードで移動すること、エラーを修正する時間が少なくなることなど、潜在的な問題について懸念がある。
米20都市住宅価格指数、前年比で伸びが加速-ますます購入困難に
- Bloomberg
米20都市住宅価格指数は前年同月比7.4%上昇
ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は7.3%上昇
2月は7.3%上昇
全米ベースの住宅価格指数は6.5%上昇
S&P・コアロジック/ケース・シラーがまとめた3月の米20都市住宅価格指数は、伸びが加速した。主要な販売シーズンが本格化する中、買い手を圧迫する格好となった。
住宅ローン金利が7%前後で推移し、価格の伸びは加速する一方で、住宅が購入不能になっている状況は深刻化している。問題の中心には中古住宅の在庫不足がある。低金利時に組んだローンを手放しても転居に前向きな住宅所有者が、ほとんどいないためだ。在庫は過去数カ月に増えてきているものの、過去に比べて逼迫(ひっぱく)した状況が続いている。
20都市中、前年比で最も上昇したのはサンディエゴ。次いで伸びたのはニューヨークとクリーブランドだった。20都市の価格上昇率は全米ベースを上回った。大都市は住宅取得能力が最も圧迫される傾向があり、価格圧力を弱めるために建築を増やすにしてもその余地が限られている地域が多い。
消えるアメリカン・ドリーム、住宅ローン金利の高止まりで持ち家断念 - Bloomberg
高金利の圧力は米消費者の人生設計を狂わせており、より多くの人が住宅購入を諦めることで住宅所有者と非所有者の溝が深まり、貧富格差はさらに拡大するとみられる。住宅所有者は2023年にホームエクイティー(住宅のネット資産価値)が1兆3000億ドル(約203兆6000億円)増加した一方、賃貸市場では家賃が高止まりして家計負債は増加している。
海上運賃が急上昇、コロナ禍「混乱」想起させるペース-需給に逼迫感 - Bloomberg
世界的なモノの貿易は、昨年の低迷を経て持ち直しの兆しを見せており、海上貨物運賃が大きく上昇している。3年前の国際貿易を混乱させた需要の急増を思い起こすサプライチェーンマネジャーもいる。
ノルウェー・オスロに拠点を置く海運分析プラットフォーム、ゼネタのシニア海運アナリスト、エミリー・スタウスボール氏は「この状況は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)時の混乱と海上運賃高騰の記憶を呼び起こすだろう」と指摘。「荷主はコロナ禍で教訓を得ている。一部はピークシーズンや需給が逼迫(ひっぱく)する可能性に備え、輸入を前倒ししている」と話す。
海上運賃がこの1カ月にわたり上昇している背景には、楽観よりも心配に起因するものがある。アジアの港湾での混雑、港や鉄道サービスを妨げる恐れがある北米の労働争議、米中貿易対立の高まりを巡る懸念などだ。
海運業界は紅海での攻撃によってスエズ運河を通らず、アフリカ南部を迂回(うかい)する遠回りを余儀なくされたことで、今年はすでに厳しい状況にある。世界2位のコンテナ会社APモラー・マースクは、アジアから北欧への航路について、今四半期の業界の容量損失を15-20%と推計している。
学校の新学期やハロウィーン、年末商戦を前に小売業者が在庫補充に動くため、アジアや欧米の輸出入業者では通常、7月から9月にかけて出荷が増える。コンテナの輸送能力が限られるタイミングで、こうした需要増が起きているように見えると、アナリストらは語る。
「ピークシーズンの前倒しは大きな打撃だ」と、レイノス・ロジスティクスの米州海上貨物責任者、ステファニー・ルーミス氏は米メモリアルデーを前にリンクトインに投稿。「多くの輸送業者と今週話したが、コメントは全て同じであり、船舶は全て満杯だ」と記した。
恐怖と長い記憶も影響しているかもしれない。コロナ流行時には品不足を防ぐため、企業は需要を上回る規模の製品や部品を発注し、在庫を増やした。その後在庫は減少していた。
コンテナ運賃が高騰する中、米政府は中国からの輸入品への追加関税を発表。これも企業が今のうちに在庫を増やしておこうとする動きに拍車を掛ける可能性がある。
根強いインフレ見込む運用会社、プライベートクレジット投資拡大へ - Bloomberg
オーストラリアの年金や富裕層向けに1510億豪ドル(約15兆7700億円)の資産を運用する豪コロニアル・ファースト・ステート(CFS)は、金利高止まりの長期化を見込んで、プライベートクレジット案件への投資を数十億豪ドル規模で拡大する計画にある。
CFSのインベストメントチームの最高投資責任者(CIO)、ジョナサン・アーミテージ氏はインタビューで、プライベートクレジットのアロケーションをポートフォリオ全体で平均3%程度まで引き上げる方針にあることを明らかにした。
アロケーションの変更は2、3年程度かけて徐々に進められる見通しで、プライベートクレジット資産へのエクスポージャーは、同社として歴史的な低水準の1%未満からシフトすることになる。
アーミテージ氏は今月初めの米国と欧州への出張で投資家らと面談し、「インフレの安静時心拍数」が過去5ー7年よりも高くなるとの見解を強めたと言い、それが同社のポートフォリ形成に影響を及ぼしていると語った。
同氏は、プライベートクレジット投資について、「変動金利という性質上、われわれの見立てが正しければ恩恵を受けることになる」とし、金利の低下は市場が予想していたほどの速さでは進んでいないと指摘した。
ユーロ圏消費者のインフレ予想、1年後2.9% 21年9月以来の低水準 | ロイター
英企業経営者100人以上、労働党に支持表明 総選挙控え | ロイター
労働党では、強硬左派のコービン前党首が、前回2019年の総選挙で一部部門の再国有化や富裕層増税を公約に掲げたが、今回、企業経営者が支持を表明したことで、同党がコービン氏時代から変化したことをアピールできる可能性がある。
23年末の対外純資産471.3兆円、5年連続で過去最大=財務省 | ロイター
スペインなど3カ国、パレスチナ国家を正式承認 EU諸国の追随期待
| ロイター
英首相、18歳の兵役導入案擁護 与党保守党からも批判噴出 | ロイター
【アメリカ大統領選挙】ウクライナが潤す激戦州 トランプ氏を動かす経済効果 編集委員 永沢毅 - 日本経済新聞
一進一退の攻防が続くウクライナ戦争は、投開票まで半年を切った米大統領選を左右する争点の一つだ。ロシアの侵略を押しとどめてきた米国の支援が、激戦州を中心に雇用や投資といったプラスの経済効果をもたらしてきた点は見過ごせない。トランプ前大統領が支援の容認に転じた一因との見方があり、支援継続の可否を左右する可能性がある。
銀座に「ハイライン」式の空中遊歩道が誕生へ、車優先インフラに変化 - Bloomberg
●中東情勢
イスラエル軍がラファ中心部に到達、完全制圧近づく-AFP - Bloomberg
●エマージング
中国の不動産市場支援策、小規模都市の銀行にリスクも=S&P | ロイター
中国が今月打ち出した不動産市場支援策について、小規模都市の銀行にリスクをもたらす可能性があると指摘した。
中国は頭金の要件緩和や住宅ローン金利の下限撤廃などを発表したが、S&Pグローバルによると、これらの措置で一時的な不動産需要増が見込まれるものの、レバレッジ拡大により住宅ローンのデフォルト(債務不履行)も増加する可能性があるという。
リポートは、小規模な3級都市の不動産価格が2024─25年に約14%下落する見通しだとし、これにより、一部の住宅購入者はローン残高が不動産価値を上回る状況に陥る恐れがあると指摘。
その結果、不動産を手放し、デフォルトする購入者も出てくる可能性があるとした。
S&Pグローバルのクレジットアナリスト、ライアン・ツァン氏は「住宅ローン金利の下限撤廃により、デフォルトが発生した場合に銀行が損失を吸収するバッファーが縮小することになる」と指摘。
銀行は損失を軽減するために債務不履行者の他の資産を差し押さえる際の追加コスト負担を余儀なくされるとの見方を示した。
●プロファイ、インフラ、自然災害
●小ネタ
●市況
NY市場サマリー(28日)ドル上昇、利回り上昇 ナスダックが初の1万7000突破 | ロイター
<為替> ドルが序盤の下げから切り返し上昇に転じた。米債入札が軟調な結果となり米債利回りが4週間ぶりの高水準を付けたことを受けた。
<債券> 国債利回りが上昇した。この日行われた2年債と5年債の入札が低調な結果となり、米国債の需要に対する疑念が高まった。
10年債利回りは6.5ベーシスポイント(bp)上昇し、4.538%となった。一時4.546%まで上昇し、5月3日以来の高水準を付けていた。
30年債利回りは7.5bp上昇し、4.652%となった。一時は4.66%まで上昇する場面があった。
2年債利回りは1.9bp上昇の4.972%。一時、約4週間ぶりの高水準となる4.981%まで上昇した。
5年債は5.6bp上昇の4.587%だった。入札後には5月2日以来の高水準となる4.594%に達した。
LSEGの金利確率アプリによると、この日発表された住宅価格指数と消費者信頼感指数を受けて、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利下げ回数は25bpが年内に1回となった。開始は11月とみられている。
<株式> ナスダック総合が初めて1万7000を突破した。米半導体大手エヌビディアの上昇が寄与した。一方、米債利回りが上昇する中、S&P総合500種は小幅高、ダウ工業株30種は小幅安となった。
エヌビディアは7%上昇。他の半導体株も連れ高となった。フィラデルフィア半導体指数は1.9%高。
S&P主要セクターでは情報技術が上げを主導する一方、ヘルスケアと工業の下げがきつかった。
石油大手ヘスは28日開催した株主総会で同業シェブロンによる530億ドルでの買収案が承認されたと発表。株価が0.4%上昇した。シェブロンは0.8%高。エクソンモービルも1.3%上昇した。
米国株式市場:
<金先物> 対ユーロでのドル安を背景に、5営業日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比22.00ドル(0.94%)高の1オンス=2356.50ドル。
この日の外国為替市場では、ドル安・ユーロ高が優勢。ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。
<米原油先物> 対ユーロでのドル安や需給引き締まり観測などを背景に買われ、続伸した。 米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前週末清算値(終値に相当)比2.11ドル(2.71%)高の1バレル=79.83ドルだった。8月物は2.12ドル高の79.35ドル。
<ロンドン株式市場> 下落して取引を終えた。FTSE100種指数は5営業日続落で、28日の下げ幅は1カ月超ぶりの大きさだった。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)当局者の慎重な発言が売り材料視され、週内に発表されるインフレ関連指標への警戒感から幅広く売りが優勢となった。
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが小幅上昇した。今週は、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備理事会(FRB)が年内の利下げ幅を見極める上での判断材料となり得る主要インフレ指標の発表を控えている。
●雑感
●決算
[ROST] ロスストアーズ 1Q増収最終増益 売上高8%増48.5億ドル、純利益31%増4.87億ドル、EPS1.46ドル - 株探(かぶたん)|米国株
[INTU] インテュイット 3Q増収増益 売上高12%増67.3億ドル、営業益12%増31.0億ドル、EPS8.42ドル - 株探(かぶたん)|米国株
[RL] ラルフローレン 2024年3月通期は増収増益 売上高3%増66.3億ドル、営業益7%増7.56億ドル、EPS9.71ドル - 株探(かぶたん)|米国株
●海外企業
ファイザー、27年までに15億ドルの経費削減計画 | ロイター
ドイツ銀行、9年ぶりに円債発行 643億円 | ロイター
複数のトランシェで643億円発行した。ドイツ銀は今回の発行は日本の変革の力強さを象徴すると述べた。
米アマゾンのクラウド部門、スペインのデータセンターに170億ドル投資へ | ロイター
スペイン北東部アラゴン州のデータセンターに157億ユーロ(170億2000万ドル)を投資すると発表した。
アマゾンによると、今回の計画はスペインに25億ユーロを投資するという2021年に発表した計画に代わるもので、33年までの地元企業における雇用創出は年平均1万7500人。データセンターの電力はすべて再生可能エネルギーで賄う方針。
米デュポンが3社へ分割、電子事業と水事業を新会社に | ロイター
ゴールドマンに4.7億ドル誤送金、破綻寸前アルケゴスに決定的な一撃 - Bloomberg
ボーイング、通期キャッシュフローがマイナス見通しに悪化 | ロイター
消えた販売目標、テスラ年次リポートが裏付けるマスク氏のEV離れ - Bloomberg
●日本企業
日本生命保険と住友生命保険の大阪市内のオフィス、空室率が低水準続く - 日本経済新聞
日本生命保険と住友生命保険は23日までに、それぞれ大阪市内で保有するオフィスの稼働状況(3月末時点)を発表した。日本生命は「ほぼ満室の状態が続いている」とし、住友生命の空室率は前年同月比0.2ポイント低い0.5%だった。新型コロナウイルスの5類移行によるオフィス回帰の動きもあり、低い水準が続いた。
日本生命は大阪市内に2022年8月完成の日本生命淀屋橋ビルなど29棟を投資用物件として保有している。住友生命は中之島セントラルタワーなど9棟を持つ。
24年は梅田地区などの再開発が進み、大阪市内で新規に供給されるオフィス面積は過去最大になると見込まれている。両社は「大量供給により市内全体のオフィス空室率が緩やかに上昇していく」とみる。
●米大統領選挙
●先進国中銀
アングル:長期金利1%、行き過ぎか通過点か 日銀のQT警戒続く | ロイター
米アトランタ連銀総裁、金利維持必要-金融政策の景気抑制効果薄れる - Bloomberg
●先進国、グローバル、金融市場
焦点:英金融市場、総選挙の日程決定で不透明感後退 金利・経済に注目 | ロイター
LNGの世界的需要増をアジア新興国がけん引=シェル幹部 | ロイター
ウェイク氏は脱炭素化の動きなどがLNG需要の伸びを支えると予想。需要の伸びが見込まれる重要な市場としてフィリピン、タイ、ベトナム、バングラデシュを挙げた。
また「南アジアおよび東南アジアに潜在的な需要があることが読み取れる」と述べ、世界のLNG市場は今年「きっちりと(需給が)均衡している」と付け加えた。
為替介入、「通常」手段とすべきではない=米財務長官 | ロイター
フランス財政赤字目標は達成困難、債務削減必要 IMFが予測 | ロイター
世界のファミリーオフィス、地域紛争が最大のリスク要因=調査 | ロイター
UBS(UBSG.S), opens new tabが22日発表した調査によると、超富裕層向け資産運用や管理を行う世界各地の「ファミリーオフィス」が短期と中期それぞれの最大のリスク要因として地政学的紛争を挙げたことが分かった。新たな資産配分先は北米とアジア太平洋地域を軸に据える見通しという。
ファミリーオフィスは世界的規模で見ると「計約10兆ドルの資産を管理している」(英ロンドン・ビジネス・スクールのデータ)。このため投資主体として重要性が一段と高まっている。
UBSが発表したのは「グローバルファミリーオフィスレポート2024」。320に及ぶ世界中のシングルファミリーオフィス(平均純資産26億ドル)が調査に応じた。シングルファミリーオフィスとは1つの富裕家族の資産運用・管理を請け負う組織。
アジア北部に拠点を置くオフィスは大半が地政学的リスクを懸念し、今後5年間の最大リスクとして挙げたオフィスは70%に上った。世界全体のオフィスで見れば62%にとどまっていた。
また、同リポートによると、アジア太平洋地域のオフィスは地政学的リスクと気候変動などの課題に直面している。このため、資産運営では機動性に重点を置き、利益も損失も大きく振れやすい「エクスポージャー」は、未公開企業への投資(プライベートエクイティ)やヘッジファンドへのオルタナティブ投資の割合を増やしている。また、ポートフォリオは地政学的な面で以前よりもディフェンシブにしているというという。
UBSの担当者は「アジア太平洋地域は世界的に投資のホットスポットになる見通しだ」と予想している。
世界全体のオフィスを見渡した分析では、資産運用の地域配分は北米が依然として最も多かった。オフィスの3分の1以上が今後5年間で北米とアジア太平洋地域への資産配分を増やす計画で、両地域が今後、投資先としてトップ2になり、これらに続くのが西欧と中華圏という。CP・CD市場、金融市場全体への影響考慮し脆弱性解決を=FSB | ロイター
金融安定理事会(FSB)は22日公表したコマーシャルペーパー(CP)と譲渡性預金(CD)に関する報告書で、これらの市場に生じた緊張が金融システム全体に波及する恐れがあるため、内在する脆弱性を解決する必要があると強調した。
短期的な資金調達手段として幅広く利用されているCPとCDの市場規模は3月末時点で合計4兆7000億ドル前後とみられている。
FSBは、具体的な脆弱性として(1)満期まで保有が基本という商品の性質から流通市場が限定的(2)ディーラーの集中(3)市場の不透明性などを挙げた。また取引プラットフォームの電子化は進展が乏しく、相対的に利益率が低い市場ということもあり、業界主導の取り組みも規模と効果の両面で限られているとの見方を示した。
一方で「CPとCDは他の調達市場との相互のつながりが強く、緊張が金融システム内や国境を越える形で伝播するのは、2020年3月の混乱で経験した通りだ」と指摘した。
今後の改革措置としては、市場構造の修正や、規制当局へのデータ報告を通じた透明性向上などが想定されている
欧州EV市場、中国勢との競争で重大な影響=ステランティスCEO | ロイター
スターウッドREIT、償還制限引き上げ-流動性ひっ迫に対応 - Bloomberg
不動産投資信託(REIT)スターウッド・リアル・エステート・インカム・トラストは流動性維持に向け、償還制限を引き上げる。同REITはバリー・スターンリヒト氏率いるスターウッド・キャピタル・グループが運用し、資産は100億ドル(約1兆5700億円)。
米当局に23日提出された資料によると、SREITと呼ばれる同REITは月間償還上限を純資産総額(NAV)の0.33%、1四半期に1%とする。これまでは月間2%、1四半期5%までの引き出しが可能だった。
株主宛て書簡によれば、新たな償還制限は半年-1年続く可能性が高い。この制限が課されている間は運用手数料も引き下げられる。
スターンリヒト氏とSREITのショーン・ハリス最高経営責任者(CEO)は株主宛て書簡で、「取引規模が限られ市場が底値に近いとみられる状況や不動産市場が今後改善するとのわれわれの見方を踏まえ、受託者として不動産資産の積極的な売却を勧告できない」と表明した。
今回の動きは高めの金利の長期化が商業用不動産市場に打撃を与えていることを新たに示唆するものだ。SREITとブラックストーン・リアルエステート・インカム・トラスト(BREIT)などの競合REITは、投資家がより多くの償還を請求し始めた2022年下期に強い圧力を受け、解約制限の実施を迫られた経緯がある。
東京含むアジア都市、高級住宅の世界的な値上がりけん引-NYは下落 - Bloomberg
東京を含むアジアの一部都市の高級住宅価格が高騰している。一方、ニューヨークやロンドンなど主要都市のよく知られる超高級住宅街は下落傾向にある。
不動産コンサルティング会社のナイト・フランクによると、ニューヨークとロンドンの1-3月(第1四半期)のプライム物件価格は、前年同期比で2%強下落した。香港とベルリンもマイナスとなった。一方、マニラと東京、ムンバイでは大きく値上がりし、上昇率はそれぞれ27%、13%、12%。プライム不動産は市場の上位5%と定義される。
借り入れコストの上昇とリセッション(景気後退)懸念が米欧の一部高級不動産市場の足かせとなっている。しかし世界的には、力強い経済成長と富裕層投資家の需要を背景に高級不動産価格は今年回復しており、ナイト・フランクがリポートで分析した44都市で年平均4%の伸びを記録した。
フィリピン経済が東南アジアで最も高い成長を遂げる中、マニラでは住宅価格が高騰した。東京では円安と低い借り入れコストが外国人投資家の需要を押し上げている。ムンバイでは、2028年までに世界の国内総生産(GDP)成長率への寄与で一位になる予想されるインド経済の活況に伴い高級住宅が値上がりしている。
ナイト・フランクが調査するプライム物件は22年末には年間で価格が横ばいとなった。金利上昇で需要が冷え込んだためだ。しかし現在は78%の市場で値上がりしており、ナイト・フランクのプライム不動産指数は長期年間上昇率である5.4%に近づいている。
ナイト・フランクのグローバル調査責任者、リアム・ベイリー氏は「この指数はブームの再来の予兆というよりも、供給量が引き続き少ない中で需要が比較的堅調なことから価格上昇圧力がかかっていることを示している」と説明した。
米、年内にも景気後退 高金利が圧迫=ダブルラインのガンドラック氏 | ロイター
ガンドラック氏はローゼンバーグ・リサーチの創設者、デビッド・ローゼンバーグ氏が主催したウェビナーで、クレジットカードの延滞率上昇のほか、軟調な小売売上高など米経済に問題が起こりつつある兆候を挙げ、インフレ再燃よりも景気後退のリスクの方が差し迫っていることが示唆されていると指摘。「景気後退を示す兆候は多い」とし「物価上昇感より、景気後退感の方が強い」と述べた。
また、企業の債務不履行が急増すると予想しているため「トリプルC」格付けなどの高リスク社債からは距離を置いているとする一方、債務増加などに対する懸念にもかかわらず、米国債に大きく投資していると述べた。
欧州極右会派ID、ドイツAfDを除籍 躍進予測につまずき - 日本経済新聞
欧州議会の極右会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」は23日、会派のドイツ極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を除籍すると発表した。AfDの欧州議会選候補がナチスを擁護する発言をしたため。EUの環境政策などへの反発から躍進が予想されていた会派にとってつまずきとなりそうだ。
米最高裁判事宅にトランプ氏支持の旗 判決前に物議 - 日本経済新聞
英総合PMI速報値、5月52.8へ急低下 8月利下げとの見方も | ロイター
ユーロ圏5月PMI、3カ月連続50超え1年ぶり高水準 製造も回復 | ロイター
仏総合PMI、5月速報49.1 予想外の50割れ | ロイター
独総合PMI、5月2カ月連続50超え サービス好調で予想上回る | ロイター
米4月新築住宅販売、前月比4.7%減の63万4000戸 | ロイター
米新規失業保険申請、8000件減の21.5万件 前週に続き減少 | ロイター
米総合PMI、5月は54.4と2年超ぶり高水準=S&Pグローバル | ロイター
ユーロ圏消費者信頼感指数、5月はマイナス14.3に改善 | ロイター
●中東情勢
イラン大統領選、保守強硬派候補が軸か ライシ師の後任 - 日本経済新聞
焦点:欧州3カ国がパレスチナ国家承認、孤立深めるイスラエル | ロイター
●エマージング
インド総合PMI、4月速報61.7に上昇 輸出の伸び過去最高 | ロイター
中国は過剰生産能力を認識すべき、G7で対応協議へ=米財務長官 | ロイター
メキシコGDP1.9%増、1〜3月確報値 干ばつで減速も - 日本経済新聞
周小川・中国人民銀行元総裁、不動産市況「長期的には楽観視」 アジアの未来 - 日本経済新聞
●プロファイ、インフラ、自然災害
●小ネタ
●市況
NY市場サマリー(23日)ドル・利回り上昇、株はインフレ懸念で下落 | ロイター
<為替> ドルが対ユーロで上昇した。米S&Pグローバルが発表した5月の米総合
購買担当者景気指数(PMI)速報値が54.4と2022年4月以来2年超ぶりの高水準となったことを受けた
<債券> 国債利回りが上昇した。経済指標で労働市場と企業活動の持続的な強さが示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)は当面は利下げを急がないとの見方が強まった。
<株式> 下落して取引を終えた。米半導体大手エヌビディアが好業績見通しを背景に急騰したものの、米経済指標でインフレが依然として懸念され、米連邦準備理事会(FRB)による利下げが先延ばしされるとの見方が強まった。
<金先物> 堅調な米経済指標を受けた対ユーロでのドル高に押され、3日続落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比55.70ドル(2.33%)安の1オンス=2337.20ドル。
<米原油先物> 早期の米利下げ観測が後退する中、対ユーロでのドル高を背景に売られ、続落した。 米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前日清算値(終値に相当)比0.70ドル(0.90%)安の1バレル=76.87ドルと、清算値ベースでは2月下旬以来約3カ月ぶりの安値となった。8月物は0.69ドル安の76.46ドル。
欧州市場サマリー(23日) | ロイター
<ロンドン株式市場> 3日続落して取引を終えた。7月4日に総選挙を実施するとのスナク首相の予想外の発表を受けた政治的不透明感や、5月の景気指数低下の発表などが投資家心理の重しとなった。
英電力・ガス供給のナショナル・グリッドが10.9%安と急落。英国の液化天然ガス(LNG)ターミナルの売却を検討していると発表したことが嫌気された。
<欧州株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。米半導体大手エヌビディアの業績見通しなどが好感され半導体銘柄は上昇した一方で、金利動向に敏感な指数が下落した。
オランダの半導体製造装置メーカーASMLホールディングは2.6%、ASMインターナショナルは2.4%それぞれ上昇。ドイツの半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.0%高だった。
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが上昇した。ドイツ2年債利回りは一時6カ月ぶりの高水準を付けた。ユーロ圏と英国の経済指標を受け、市場では欧州中央銀行(ECB)による年内利下げ幅予想が計60ベーシスポイント(bp)まで縮小した。
●決算
ウォルマート決算好調、通期予想を上方修正-高所得者層も引き付け - Bloomberg
米ウォルマートの2-4月(第1四半期)決算は売上高が増加。同社は通期の予想をやや上方修正した。生活必需品や値引き品を求める価格に敏感な消費者を引き付けている。
2-4月における米国のウォルマート店舗の既存店売上高は3.8%増と、伸び率は市場予想を上回った。インフレが鈍化する中、平均単価は前年同期比で横ばいだったものの、取引件数は3.8%増えた。電子商取引が22%急増したほか、高所得者層による購入も売上高増加に大きく寄与したと、ウォルマートは説明した。
通期の調整後利益については、当初予想の1株当たり2.23-2.37ドルの上限、ないしそれをやや上回る水準になると予想。売上高については3-4%増との見通しを示した。市場予想は調整後1株利益が2.37ドル、売上高は約4%増となっている。
ジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者(CFO)は16日のインタビューで、来客数の増加などが売上高の伸びにつながったと指摘。売り上げ拡大に大きく寄与した高所得者層について、顧客がウォルマートに流れているとし、「従来はバリューを提供する小売店と考えられてきたが、現在ではバリューのほかに品質と利便性が加わった」と述べた。
米ウォルマート2─4月は増収増益、見通し上方修正 株価最高値 | ロイター
ディアが決算受け下落 通期純利益の見通し下方修正 穀物価格下落で米農家が収入減=米国株個別 - 株探(かぶたん)|米国株
農業機械のディア<DE>が下落。取引開始前に2-4月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は冴えない反応。通期の純利益の見通しを下方修正したことが嫌気されている模様。
農家の収入減が圧迫していると説明。穀物価格の下落によって、米国の農家は2006年以来最大の収入減に見舞われており、機械購入の資金が減少していることが要因。米農務省の予測によると、2024年の農家の所得は約26%減の1161億ドルになり、この20年間で最大の減少幅となることが見込まれている。
メイCEOは声明で「われわれは需要の変化に適応し、将来に向けて事業を展開するため、生産量と在庫量を積極的に管理する」と述べた上で、「市場環境は変化しているが、われわれは戦略を堅持し、革新的な技術、製品、ソリューションに積極的に投資している」とも付け加えた。
●海外企業
JPモルガンのダイモンCEO、米経済になお「多くのインフレ圧力」 - Bloomberg
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は16日、著しい物価上昇圧力が依然として米経済に影響を及ぼしており、多くの投資家が予想しているよりも高金利は長期化するかもしれないとの考えを示した。
ダイモン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、グリーン経済、軍備増強の再開、インフラ支出、多額の財政赤字に関連するコストを指摘。「多くのインフレ圧力が目の前にある」とし、「基調的なインフレは、人々の期待通りにはなくならないかもしれない」と述べた。
15日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は基調的なインフレ指標となるコア指数の前月比の伸びが6カ月ぶりに鈍化。これを受けて、利下げ観測が高まり、S&P500種株価指数とナスダック100指数は最高値で終えた。市場はしばらく健全であったが、必ずしも将来を予測するものではないとダイモン氏は述べた。
「株価は非常に高い。インフレが高止まりする、あるいは金利が上がるといったリスクは市場の予想以上に高いと思う」と指摘。「世界がソフトランディング(軟着陸)の可能性をどの程度織り込んでいるとしても、おそらくその半分くらいだろう。何か問題が起こる可能性は想定されているよりも大きいと考えている」続けた。
市場がこのような要素を織り込んでいない理由については「楽観論が多い」からだと答えた。
一方で、地政学が来年の経済の先行きを決定する要因になり得ると述べた。
ダイモン氏はかねてインフレは大方の想定以上に根強い恐れがあると警告してきた。JPモルガン株主への年次書簡では、金利が2ー8%「あるいはそれ以上 」になるシナリオに同行は備えていると述べている。
米バークシャー、保険大手チャブ株を67億2000万ドル相当保有 | ロイター
●日本企業
日本生命がAIG傘下生保に出資、5950億円で20%取得-過去最大案件 - Bloomberg
日本生命保険は16日、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の米生保コアブリッジ・ファイナンシャルに約38億3800万ドル(約5950億円)を出資し、発行済み株式の20%を取得すると発表した。
日本生命は出資を通じてコアブリッジの企業価値向上を目指すことで同社、AIGと合意。現在5割超を保有するAIGから株式を取得する。出資は手元資金で対応するとしている。関係当局の認可・届け出などを経て2025年2月末までの取引完了を目指す。
今回の出資は、日本生命の企業の買収・合併(M&A)案件としては国内外を含め過去最大規模になる。日本の生保業界を巡っては人口減少から国内の事業環境は厳しさを増しており、収益源の多角化が急務となっている。
日本生命は昨年11月には2100億円で介護最大手のニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングスの買収を発表。国内でも保険以外の事業強化を進めている。清水博社長は3月、新なた中期経営計画の発表の際、米国などの生保や資産運用会社への大型投資で規模拡大を目指す考えを示していた。
コアブリッジは米国で、個人・団体年金や生命保険事業などを展開する。特に個人年金市場に強みを持つ同社への出資を通じ、日本生命は米生保市場で事業基盤を確立していく方針だ。
日本生命、米同業のコアブリッジに6000億円出資 | ロイター
マイナス金利解除の影響は? 地方銀行の24年3月期決算まとめ読み - 日本経済新聞
東証プライム上場企業の7割・1100社が持ち合い株削減へ 経営に圧力 - 日本経済新聞
東証プライム上場企業の7割に当たる約1100社が3月末までに持ち合い株の削減方針を示したことが分かった。投資リターンの見込みにくい持ち合い株を売却し資本効率を高める。背景には東京証券取引所の要請があり、取引先と株式を持ち合う日本独自の企業慣行が崩れつつある。
●米大統領選挙
米政府、大統領選介入「ロシア最も活発、中国は消極的」 - 日本経済新聞
●先進国中銀
ECB、6月に利下げ開始の見通し=スペイン中銀総裁 | ロイター
ECBの6月利下げ、確率は「著しく高い」-仏中銀総裁 - Bloomberg
欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は、6月6日の会合で利下げを開始する可能性が極めて高いと述べた。
ビルロワドガロー氏はパリで開かれた国際金融協会(IIF)の会合で、インフレに関する最近のデータは前向きな内容で、来年までにインフレ率を持続的に2%に戻すというECBの公約を裏付けていると語った。
「恐らく極めて近いうちに利下げを開始できるだけの十分な自信がわれわれにはある。6月6日の次回会合で利下げを実施する可能性は、著しく高い」と同氏は続けた。
「ECB利下げ開始確実」とポルトガル中銀総裁、6月かは明言せず | ロイター
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのセンテノ・ポルトガル中銀総裁は16日、ユーロ圏のインフレ率が持続的に2%に向かっていることを受け、ECBによる利下げ開始は確実だとする見通しを示した。
ただ、6月の次回理事会で実際に利下げ開始となるかについては予想を控えた。
センテノ氏は「市場は6月の利下げ開始を期待しているが、私はその決定を予想するつもりはない」と言及。政策金利の決定はデータに基づいて各理事会で行い、利下げは急激ではなく段階的に行われることが望ましいとした。
ECBは利下げ急がず、6月以降は慎重に=ラトビア中銀総裁 | ロイター
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーでラトビア中銀総裁のマルティンス・カザークス氏は16日、ECBは6月に利下げする可能性が高いが、利下げを急いでいるわけでく、評価する時間を確保するためにその後の動きは間隔を空ける可能性があると述べた。
ロイターに対し「慎重な利下げ路線をたどれば、われわれには恩恵がある」と指摘。新たな経済予測が発表される6月、9月、12月の理事会であれば「決断を下すのはずっと容易になる」とした。
現時点では利下げに必要な条件は全て整っており、経済もほぼ予想通りに展開しているため、6月の利下げは確実視されるとした一方、「インフレが今年の大半で横ばいで推移するとの見通しを考慮すると、毎回の理事会で何かしらの行動がとられると見込むことはできない」とした。
カザークス氏は、経済情勢がECBの見通しから大きく逸脱した場合には経済予測が発表されない7月や10月の理事会でも利下げを実施すべきだが、そうでなければ政策当局者は7月や10月での利下げを控えるべきと主張。約3回の利下げを織り込んでいる市場に「比較的満足しており、これを乱すことは、さらなるボラティリティーを生み出すだけだ」とした。
英中銀、利下げ待つべき 物価圧力の緩和確認まで=グリーン委員 | ロイター
【コラム】トランプ氏、FRBへの介入が待つ恐ろしい結末-ダドリー - Bloomberg
慎重な経済運営と強固な法の支配、厚みと流動性に富んだ資本市場、自由な資本移動のおかげで、ドルは国際準備通貨となり、安定した価値の保存手段となった。これらの重要な属性が、連邦準備制度を支配しようとする試みで脅かされれば、ドル安と株式相場の下落、米債券資産のリスクプレミアム上昇を招き、米経済の健全性が損なわれる危険がある。トランプ氏が連邦準備制度の独立を制限しようと試みて失敗しても、こうした事態は起こり得るが、仮に成功すれば、もっとひどい状況になるだろう。
●先進国、グローバル、金融市場
ショルツ独首相、成長維持に海外人材必要と訴え EU離脱論一蹴 | ロイター
オランダ、極右含めた連立政権樹立で合意 下院選から半年 | ロイター
オランダの極右、自由党(PVV)のウィルダース党首は15日、同党を含めた4党間で連立政権樹立に合意したと発表した。
昨年11月22日の下院選挙でPVVが第一党となったものの、単独過半数を確保できず連立交渉を開始。移民や財政、気候変動などの問題でなかなか歩み寄りができず、協議は難航していたが、今年3月になってウィルダース氏が反欧州連合(EU)姿勢を弱め、ウクライナへの軍事支援反対を取り下げたことで突破口が開けた。
PVVとの連立に合意したのは、現在暫定的に首相を務めているルッテ氏が率いる中道右派の自由民主党(VVD)、中道の新社会契約(NSC)、農民市民運動。4党で下院150議席のうち88議席を占める。
ウィルダース氏は次期首相には就任しないと表明しており、地元メディアは連立交渉で重要な役割を担ったロナルド・プラスターク氏が首相になる公算が大きいと伝えているが、まだ確定していない。
専門家からは、この首相選任問題で連立政権内に亀裂が生じる可能性が残っているとの声も出ている。
米NY連銀総裁、インフレ鈍化を歓迎 「利下げには不十分」 | ロイター
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを歓迎する一方で、これだけでは早期の利下げを唱えるには不十分との見解を示した。
総裁は15日のロイターとのインタビューで、4月のCPIについて「過去数カ月間期待外れだったため、前向きな展開」と評価。インフレ圧力の段階的な低下という点では、「全体的な傾向はかなり良好」との認識を示した。
米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は「引き締め的」で「良好な状態にある」と述べた。
「現時点で金融政策のスタンスを変更する理由があることを示す指標は見られない。またインフレ率が2%の目標に向かって進んでいるという確信が近い将来に得られるとは予想していない」と語った。
「現時点で金融政策を引き締める必要はないと思う」とも述べた。
市場ではFRBが9月と年内にもう1度0.25%ポイントずつ利下げするとみられている。
ウィリアムズ氏は経済は引き続き堅調で、バランスが良くなっているとの見方を示した。労働市場は依然として「逼迫」しているとし、失業率の上昇ではなく過剰な部分を取り除くことでより良い方向に向かっていると述べた。
失業率は今年、現在の3.9%から4%へ上昇するとの見通しを示した。個人消費支出(PCE)価格指数の伸び率は年末までに2%台前半となり、年間で2.5%程度になるだろうと述べた。来年2%前後に低下し、その後は持続的にこの水準を維持すると予想した。
金融政策を変更するにはインフレ率が2%に保たれるとFRBが確信する必要があるが、実際に2%に達するまで待つべきではないと述べた。
FRBは保有資産のの規模縮小に取り組んでおり、FRBのバランスシートは依然として債券利回りに「控えめな」影響を及ぼしていると語った。
金融デジタル化、新たなリスクの源に バーゼル銀行委が報告書 | ロイター
バーゼル銀行監督委員会は16日公表した報告書で、金融のデジタル化や大手ハイテク企業の金融事業参入が、銀行システムの新たな脆弱性の原因となり、既存のリスクを増幅すると指摘、脆弱性やリスクを軽減するため新たなルールが必要になる可能性を明らかにした。
同委員会は(1)外部のハイテク企業が銀行の主要サービスをサポートするクラウドコンピューティングの普及、(2)人工知能(AI)の台頭、(3)分散型台帳技術(DLT)の利用、(4)外部のフィンテック企業が銀行と顧客データを共有するオープンバンキングの普及──が新たなリスクを生み出していると指摘。
こうした問題には「戦略リスクや風評リスクの増加、銀行のオペレーショナル・リスクやオペレーショナル・レジリエンスが試される要因の範囲の拡大、相互接続の増加に伴うシステム全体の潜在的リスクが含まれ得る」との見解を表明した。
銀行が利用する外部事業者は銀行と同レベルの監督基準が適用されない可能性があり「新たなチャネルノードと相互接続ノード」を生み出すと指摘。「必要であれば、リスクや脆弱性を軽減するため、追加的な基準やガイダンスが必要かどうか検討する」とした。
商業用不動産、ユーロ圏金融システムの弱点=ECB金融安定報告 | ロイター
欧州中央銀行(ECB)は16日、半期に1度の金融安定報告を公表し、商業用不動産がユーロ圏の金融システムの弱点となっており、銀行、保険会社、ファンドに損失が波及する恐れがあるとの見解を示した。
商業用不動産業界は、借り入れコスト上昇、新型コロナウイルス流行後のオフィス需要減少、建築資材の高騰という三重苦に見舞われている。
ECBは、商業用不動産業界の問題がデフォルト(債務不履行)率の上昇や投資損失リスクという形で金融システムに波及し始めていると指摘。商業用不動産価格は昨年末時点で前年比8.7%下落しており、さらに値下がり可能性があると述べた。
域内の大手不動産会社の約半数が赤字となっており、利益から利息を支払う能力が大幅に低下しているとの認識も示した。
銀行については、商業用不動産向け融資が融資全体に占める比率は低いものの、「一部の銀行」が特に米国で「商業用不動産ポートフォリオの大幅な悪化」に見舞われていると指摘。
不動産評価額の下落により、銀行が引当金の積み増しを迫られる可能性が高く「場合によっては資本の減少につながり得る」としている。
不動産投資ファンド(REIF)については、不動産価格の大幅な下落にもかかわらず純資産価値が安定しており、損失がまだ計上されていないこと示しているとし「こうした損失がREIFの解約請求につながれば、手元資金が圧迫される」と述べた。
また、保険会社もREIFへの投資で損失を被るリスクがあり、「金融システム内の商業用不動産エクスポージャーの相互関連性を継続的に監視する必要がある」と述べた。
ユーロ圏住宅ローン市場は「管理可能」、ECBが点検結果公表 | ロイター
欧州中央銀行(ECB)は15日、ユーロ圏の住宅ローン市場の点検結果を公表し、金利上昇による借り手の負担増大などの問題はあるものの、全体として「管理は可能」だとの見解を示した。
ECBがインフレ抑制のため政策金利を過去最高水準まで引き上げたため、特に低金利局面で活況となったドイツなどの住宅価格が圧迫されている。また昨年6月時点で1兆4000億ユーロだった住宅ローン残高のうち、4120億ユーロ分は来年6月までに適用金利が大きく跳ね上がる公算が大きく「これは高金利に対応できない借り手にとって重大なリスクをもたらす」と指摘されている。
今回の点検では、貸し手の金融機関側がローン承認前にリスクを十分に検討していない実態も明らかになった。
例えば一部の国の銀行は、対象物件の評価額との見合いや、借り手の収入と返済額の比率に基づく融資限度を設けていなかったり、超過を前提に限度を運用したりしていた。
昨年6月までの1年間に組成されたローンの46.5%は融資額が物件評価額の80%を上回り、16.5%は評価額以上の融資額だったという。
21年6月から昨年6月の間では、実行されたローンのうち、借り手の返済額が収入の3割を超える割合も47%から53%近くに上昇している。
それでもECBは「全体の見通しは依然として明るい。居住用不動産はある程度の緊張にさらされているが、これは管理可能で、銀行は不安解消に向けて積極的に取り組んでいる」と指摘した。
ブレイナード氏、追加関税は新たな「チャイナ・ショック」回避に必要 - Bloomberg
バイデン米大統領の経済顧問トップであるブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は、政権が発表した中国からの輸入品に対する大幅な関税引き上げ措置を強く擁護。最近の製造業拡大や雇用増加を巻き戻すリスクのある不公正な貿易慣行により、経済が一層混乱しないようにする上で必要な措置だと強調した。
ブレイナード氏は16日、リベラル派のシンクタンク「米国進歩センター(CAP)」がワシントンで主催したイベントに出席する。ブルームバーグが入手した講演原稿によると、「われわれは過去から学んだ。米国で第2のチャイナ・ショックを起こしてはならない」と言明。「中国はこれまでと同様の方法で、過剰生産能力に著しい投資を行い、人為的に低く価格設定された輸出品で世界の市場をあふれさせ、それを成長の原動力としている」と指摘する。
バイデン大統領は14日、関税引き上げについて、窃盗や欺瞞(ぎまん)、不当な廉価販売から米国の労働者と企業を守るために必要な措置だと述べていた。
ブレイナード氏は2000年代に入って見られた中国による輸出急増に言及。「最初のチャイナ・ショックにより何が起きたかをわれわれは目にしている。全米の工業都市が打撃を受けた」と述べる。同氏は12年前にも同シンクタンクで、中国による「不均衡な投資と輸出主導の成長モデルは米国そして世界の成長に悪影響を及ぼしている」と発言。今回の講演でもこの自身の発言に言及する。
米国の年内利下げ可能性は低い、ヘッジファンドのロコス幹部が予想 - Bloomberg
トランプ氏、AUKUSへの支持示唆 モリソン前豪首相と会談 | ロイター
オランダ極右連立政権合意、反EU鮮明 環境規制緩め難民に厳しく - 日本経済新聞
東京都内ホテル、ニューヨークやロンドンより3~4割安 インバウンドで上昇圧力 - 日本経済新聞
海外の主要都市と比べた東京都内のホテルの割安感が強まってきた。2023年度の1泊平均のドル建て客室単価は177.3ドル(約2万7000円)だった。5年前に比べて約5%上昇したものの、ニューヨークやロンドンと比べて3〜4割安い。円安を背景にインバウンド(訪日外国人)の流入が続くなか、値上げを模索するホテルが増えている。
米国の失業保険、申請22.2万件 予想わずかに上回る - 日本経済新聞
●中東情勢
カタール、年内にさらにLNG長期契約締結へ | ロイター
レバノン攻撃を目論むイスラエルはいかにして抑制されるか|ARAB NEWS
●エマージング
●プロファイ、インフラ、自然災害
ブラジル洪水の影響、数週間続く可能性 政府は支援金支給へ | ロイター
●小ネタ
●市況
NY市場サマリー(16日)ダウ一時初の4万ドル台、ドル上昇、利回り上昇 | ロイター
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。4月の米輸入物価指数の伸び率が約2年ぶりの大きさとなったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制に向けた取り組みがまだ終わっていないとの観測が高まった。
<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが一時約6週間ぶりの低水準を付けたものの、終盤では上昇に転じた。新規失業保険申請件数が減少したことや、米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言が材料となった。
CMEのフェドウオッチによると、市場は年内に2回の25ベーシスポイント(bp)利下げを織り込み、9月開始の可能性を70%と予想している。
<株式> 米国株式市場ではダウ工業株30種が取引時間中に史上初めて4万ドル台に乗せた。経済指標でインフレ鈍化が示され、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が高まったことに加え、好調な企業決算が追い風となった。ただ、その後下げに転じて終値は反落した。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル高に押され、3日ぶりに反落した。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、年内利下げ開始への期待を追い風に買いが入り、続伸した。
欧州市場サマリー(16日) | ロイター
<ロンドン株式市場> まちまちで取引を終えた。FTSE100種指数は小幅に反落した。格安航空会社(LCC)のイージージェットと会計ソフトのセージ・グループが大幅に値下がりした。
<欧州株式市場> 10営業日ぶりに反落して取引を終えた。ドイツの電機大手シーメンスが下落して相場の重しとなった。自動車銘柄やエネルギー銘柄も売りが優勢だった。
シーメンスは6.8%安。第2・四半期(1─3月)決算で産業部門が減益となり、予想に達しなかったことが嫌気された。
<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが一時1カ月ぶりの低水準を付けた。前日発表された4月の米消費者物価指数(CPI)上昇率が鈍化したことが世界中の債券市場の支援材料となった。
備忘録(2024/5/15)
●決算
英バーバリー、通年で34%減益 第4四半期の中国売り上げ急減 | ロイター
英高級ファッションブランド、バーバリーは15日、通年の営業利益が34%減少したと発表した。第4・四半期に最大の市場である中国での売り上げが大幅に減少したことが響いた。
第4・四半期の既存店売上高は12%減少した。中国が19%減となったことでマイナスに転じた。
通年の調整後営業利益は4億1800万ポンド(5億2640万ドル)。下方修正後の4億1000万─4億6000万ポンドの範囲内となり、アナリスト予想の4億0500万ポンドを上回った。
地域別では米州が引き続き低調で、既存店売上高は通期、第4・四半期ともに12%減少した。改善傾向にあった欧州も第4・四半期の既存店売上高が3%減となった。
ジョナサン・アクロイド最高経営責任者(CEO)は、今年度の前半は厳しい状況が続くが、後半からは講じている対策の成果が表れると予想していると述べた。
ABNアムロ、第1四半期は予想上回る29%増益 高金利環境受け | ロイター
コメルツ銀、第1四半期は29%増益 通期の純金利収入見通し上げ | ロイター
シンガポール航空、前期純利益3080億円 過去最高 - 日本経済新聞
独ティッセン10〜3月、最終赤字拡大 通期は下方修正 - 日本経済新聞
シタデル・セキュリティーズ、四半期トレーディング収入68%増
米シスコ、5─7月期売上高見通し予想上回る AI支出などが後押し
企業が人工知能(AI)やクラウド・コンピューティングへの支出を増加させていることがシスコの恩恵になっている。シスコのスコット・ヘレン最高財務責任者(CFO)は「顧客企業はこれまでの数四半期に出荷された機器を予想通りに消費しており、その結果、需要が安定しつつある」と述べた。
●海外企業
ブラックストーン、4.5億ドル相当のローン債権売却目指す-値引きで
米投資会社ブラックストーンのクレジット部門は、約4億5000万ドル(約700億円)相当のローン債権売却を目指していることが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。対象にはディストレスト債権も含まれる。比較的古いファンドの投資家に流動性を提供する狙いがあるという。
ブラックストーンは2017年にニュースター・ファイナンシャルからローンポートフォリオを24億ドルで購入した。再投資の機会は過ぎており、ブラックストーンは残っているローン債権を売却する方向だ。関係者が部外秘を理由に匿名で語った。
関係者の1人によれば、同社はポートフォリオを巡り、エバコアと連携している。ポートフォリオは旅行ポイントプログラムのアリビアやアメリカン・アチーブメント、BMCソフトウエア、チャーター・コミュニケーションズの債務などで構成されるという。
取引はまだ完了していないが、ブラックストーンはポートフォリオを額面1ドル当たり約60セントで評価する応札を選んだと関係者は語った。
イグジット(経営者・出資者の保有株売却による投資資金回収)や資産売却の環境が厳しくなる中で投資家は流動性を求めており、プライベート投資のセカンダリー取引は拡大している。投資銀行PJTパートナーズの市場リポートによれば、今年のセカンダリー取引額は少なくとも1350億ドルと、前年比で約17%増加する見込み。
ネットフリックス、広告付きプラン利用者が4000万人に急増
中国は敵でない、手ごわい競争相手=JPモルガンCEO
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は15日、中国は手ごわい競争相手ではあるものの、「敵ではない」という認識を示した。
ダイモンCEOは英スカイニュースとのインタビューで、西側諸国が中国との競争に「首尾良く対処している」としつつも、台湾の将来を巡る緊張によって関係が複雑となる可能性があると語った。
米政府による中国との全面的な関与は正しいという見解を示した。
中国とロシアが同盟関係を深めていることについては警鐘を鳴らし、「中国がロシア側にいる限り、われわれはは苦戦を強いられることになるだろう」と述べた。
また、米財政赤字の削減に注力する必要があり、さもなければ将来「はるかに厄介な」問題になる恐れがあると警告。「借金によってある程度の成長を促すことはできるが、必ずしも良い成長につながるとは限らない」と述べた。
●日本企業
大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金需要や海外改善で | ロイター
三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行3グループが15日に発表した2025年3月期の連結純利益予想は、3社合計で前期比5.7%増の3兆3100億円となった。05年度にMUFGが発足し3メガバンク体制になってから過去最高を更新した前期を上回る見通し。3社とも、企業の旺盛な資金需要や海外の利ざや改善を織り込んだ。
三井住友フィナンシャルグループは15日、2025年3月期の連結純利益が前期比10.1%増の1兆0600億円になる見通しと発表した。グループとして初めて1兆円を超える。MUFGは同0.7%増の1兆5000億円、みずほフィナンシャルグループは同10.4%増の7500億円をそれぞれ予想する。いずれも、市場予測を上回った。
三井住友FGの中島達社長は決算会見で「相場環境、顧客の行動など全てが銀行業績にプラスに働く環境がそろった」と指摘し、「経営者のマインドは非常に前向きになっており、日本経済についてはポジティブにみている」と述べた。
みずほFGの木原正裕社長は、今期目標設定について「収益力が上がったので高みを目指す」との意気込みを語った。みずほFGは、現中期経営計画の最終年度である25年度目標を前倒しで達成する見込み。
MUFGの亀澤宏規社長は「24年度は、国内が金利がある世界に入り(業績に)プラスになる。成長はアジアが大きい」との考えを示した。MUFGは23年度に持ち分法適用会社である米モルガン・スタンレーの損益計上の期ずれ影響を除くと900億円超の増益となる計画だ。
日銀の金融政策変更による金利上昇も収益拡大の追い風で、銀行が持つ日銀当座預金への付利も収益増につながる。
三井住友FGは、マイナス金利解除は24年度業績に税前粗利益で400億円の効果があるとみる。みずほFGとMUFGも同様に、業績にプラスの効果を織り込んでいる。
MUFGは25年3月期からの新中期経営計画も公表し、最終年度にあたる27年3月期の連結営業純益を23年度の1兆6000億円から2兆1000億円にする方針を示した。アジアの成長を取り込むため、プラットフォームの強靭化や国内の富裕層ビジネスの強化を図る。
政策保有株式の削減についても新たな見通しを示し、MUFGは5000億円としていた前期末までの削減目標を達成し、新中計期間中に3500億円を売却する方針。亀澤社長は「前倒しで実行していきたい」と述べた。
三井住友FGは26年3月末までの3年間で政策保有株を2000億円削減するとしているが、すでに1340億円を売却済みでさらなる削減計画の検討を開始する。みずほFGは22―25年度に3000億円削減する計画を維持している。
24年3月期の連結決算では、3社合計の純利益は前期比約26%増の3兆1300億円だった。
リース最高益、航空需要けん引 金利上昇で調達は負担増 - 日本経済新聞
リース会社の2024年3月期連結決算が15日出そろった。オリックスや三菱HCキャピタルなど7社合計の純利益は前の期比29%増の6426億円と過去最高だった。旅客需要の回復に伴う航空機リース料の増加が収益を押し上げ、両社を含む6社が最高益を更新した。
国内でも金利の先高観があるなか、多額の借入金を抱えるリース会社で財務戦略の重みが増している。
商工中金の純利益33%減、24年3月期 与信費用の増加で - 日本経済新聞
商工組合中央金庫(商工中金)が15日発表した2024年3月期の連結純利益は前の期比33%減の156億円だった。私的整理案件や粉飾での倒産などが増えたことで融資を回収できないリスクに備える与信費用が増加した。
三菱ケミカルグループや旭化成など化学大手6社が営業損益改善 24年度、石化不振で低水準 - 日本経済新聞
化学大手7社の決算が15日までに出そろった。本業のもうけを示す営業損益(一部コア営業損益)の2024年度見通しは、非開示の信越化学工業を除く6社で23年度から改善する。半導体や自動車向けが回復する。ただ三菱ケミカルグループで構造改革費用の計上が続くなど石化市況はなお厳しく、経営者からは業界再編を指摘する声もある。
DICが最終赤字27億円 1〜3月、子会社売却で損失 - 日本経済新聞
DICが15日発表した2024年1〜3月期の連結決算は、最終損益が27億円の赤字(前年同期は18億円の黒字)だった。連結子会社だった星光PMCの株式売却に伴う損失や欧米顔料事業の構造改革にかかる費用などを特別損失として計上したことが響いた。
売上高は前年同期比微増の2557億円だった。星光PMCが連結から外れる影響を受けるものの、海外で消費財の需要が回復し、包装材用インキの出荷が増えた。
営業利益は42%増の84億円だった。原料価格が下落して採算が改善した。電子機器や自動車に使う収益性の高い製品の販売が伸びた。
24年12月期の通期予想では売上高が前期比6%増の1兆1000億円、最終損益は100億円の黒字(前期は398億円の赤字)を見込み、従来予想を据え置いた。
第一生命、前期純利益85%増 コロナ支払い減 - 日本経済新聞
第一生命ホールディングス(HD)が15日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比85%増の3207億円だった。第一生命保険で新型コロナウイルス関連の給付金の支払いが減少した。株主還元の原資となるグループ修正利益は87%増の3193億円だった。
連結保険料等収入は13%増の7兆5263億円だった。海外金利の上昇によって、傘下の第一フロンティア生命保険で外貨建て保険の販売が伸びた。新たに獲得した契約から得られる保険料はグループ全体で28%増えた。23年度に支払った新型コロナによる給付金は国内グループ全体で約180億円で、22年度の約1100億円から減少した。
24年3月期の1株あたり配当金は前の期比27円増の113円とする。25年3月期通期の業績予想では、第一フロンティア生命の保険料等収入の減少を要因として連結経常収益が19%減る見込み。グループ修正利益は傘下の米プロテクティブの利益回復により、6%の増益を見込む。
新たに獲得した契約が将来生み出す利益を示す「新契約価値」と呼ぶ数値について、25年度に導入される新規制を見据えて算出方法を変更した。新基準での24年3月期のグループ新契約価値は545億円と、23年3月期の777億円から減少した。第一生命HDの和田京子執行役員は「新契約価値については課題が残った」と話した。
鉄道大手の25年3月期、18社中8社増益 設備投資が再点火 - 日本経済新聞
日本郵政、強まる「金融依存」 祖業の郵便で成長描けず - 日本経済新聞
●米大統領選挙
米大統領選、バイデン氏とトランプ氏の支持拮抗 第3候補が健闘 | ロイター
ロイター/イプソスの最新の世論調査によると、11月の米大統領選挙に向け、バイデン大統領とトランプ前大統領の支持は引き続き拮抗している。
バイデン氏はパレスチナ自治区ガザ危機への対応、トランプ氏は自身の裁判とそれぞれ選挙戦に影響を及ぼしかねない懸案を抱えている。
14日まで8日間の調査では、きょう投票が実施された場合、バイデン氏に投票すると回答した登録有権者の割合とトランプ氏と回答した割合はどちらも約40%で、バイデン氏が1ポイント差でリードしていた4月29─30日調査とほぼ変わらず。残り約20%は、誰に投票するか決めていない、第3党候補に傾いている、投票しないかもしれないと回答した。
また無所属で出馬したロバート・ケネディ・ジュニア氏を加えた三択だった場合、同氏に投票すると回答した割合は13%で前回4月調査の8%から拡大した。
11月に必ず投票に行くと答えた登録有権者に絞った場合は、バイデンが3ポイントリードした。
バイデン・トランプ氏、6月27日にTV討論会で対決 2回目は9月に
バイデン氏は動画メッセージで「友よ、楽しませてくれ」とトランプ氏に呼びかけ、9月にも2回目のテレビ討論会に出席すると言明した。
トランプ氏は「いかさま(crooked)ジョーと討論する用意と意思がある」とした上で、バイデン氏を自分が対決した中で「最悪の討論者」と呼んだ。さらに場を「盛り上げるため」に、大きな会場で2回以上の討論会を開くことを求めた。
バイデン・トランプ両氏初対決、6月27日にCNNでテレビ討論会
バイデン米大統領とトランプ前大統領は6月27日にテレビ討論会に臨む。それぞれが明らかにした。今年の選挙戦で最初となる対決は予想より数カ月早く舞台が整った。
バイデン氏は15日、CNNからの討論招待を「受け、了承した」とソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」に投稿。トランプ陣営もこの後、同氏が討論に参加すると明らかにした。CNNによると、テレビ討論はニューヨーク時間午後9時開始。激戦州の一つ、ジョージア州アトランタのスタジオで行われる。
2回目のテレビ討論会も9月10日にABCで設定された。トランプ氏はこの討論に参加する決定を同氏のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿。バイデン氏はXへの投稿で、ABCの招待を受け入れるとコメントした。
両氏のテレビ討論は実現しないとの見方がこれまでにあった。テレビ討論会は米大統領選戦に欠かせない一部となっている。バイデン、トランプ両氏ともこれまでは討論会の日程や条件などに難色を示していた。
バイデン氏はXに投稿した動画で「ドナルド・トランプは2020年、2回の討論会で私に敗北した。それ以来、彼は討論に姿を現さない。今になって私ともう一度討論したいそうだ。楽しみだ」と話した。
CNNは6月27日の討論会では、バイデン氏の要請を考慮して観客をスタジオに入れない方針だ。司会者の人選は後に発表するという。
トランプ氏はバイデン氏の要請に反対し、「熱狂」を高めるために大勢の群衆の前で討論したい考えをトゥルースへの投稿で示唆した。同氏の陣営は7月と8月にも討論会の開催を希望しており、合計4回を主張している。
CNNでの討論会は、ニューヨーク州で審理されているトランプ氏の刑事裁判が結審した後になる可能性が高い。
ロ中など米選挙介入の動き活発化、情報機関が見解 AI悪用懸念も
●先進国中銀
●先進国、グローバル、金融市場
米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期待高まる | ロイター
米労働省が15日発表した4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で3.4%と3月の3.5%から鈍化した。インフレ率が第2・四半期初に再び低下傾向に転じたことが示唆され、市場では9月の米利下げ期待が高まった。
前月比の伸びも0.3%と2月および3月の0.4%から鈍化した。
ロイターによるエコノミスト調査では、前月比0.4%上昇、前年比3.4%上昇と予想されていた。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は、CPIの伸び鈍化に加え同日発表された4月の米小売売上高が横ばいになったことは利下げを支持する内容と指摘。「米国はインフレの脅威から逃れたわけではないが、終わりが見え始めている」と述べた。
前月比では、家賃を含む住居費が3カ月連続で0.4%上昇した。ガソリン価格は2.8%上昇。3月は1.7%上昇だった。両者の伸びで全体の伸びの7割超を占めた。
食品は横ばい。3月は0.1%上昇だった。
帰属家賃(OER)は0.4%上昇と、2月および3月の伸びと変わらずだった。自動車保険は1.8%上昇。3月は2.6%上昇だった。
パーソナルケア製品、娯楽、教育も上昇。医療費も0.4%上昇した。一方、中古車・トラックは1.4%下落。家庭用家具や新車、航空運賃も下落した。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPI上昇率は0.3%、3月は0.4%だった。前年比では3.6%で3月の3.8%から鈍化、2021年4月以来の小幅な上昇率だった。
CPIの伸び鈍化を受け、金融市場では9月の米利下げ確率が発表前の69%から約73%に上昇した。
今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価は下方修正 | ロイター
米財務省、オーストリア大手銀に警告 ロシアとの取引で=関係筋 | ロイター
米財務省はオーストリアの銀行大手ライファイゼン・バンク・インターナショナルに対し、ロシアとの取引を理由に米金融システムへのアクセスが制限される可能性があると警告した。関係筋が明らかにした。
EU、「グリーンウォッシュ」巡り最終指針 ファンド基準を確認 | ロイター
豪賃金、第1四半期は予想下回る+0.8% 22年終盤以来の低水準 | ロイター
ユーロ圏GDP、第1四半期改定は前期比+0.3% 就業者も0.3%増 | ロイター
米CPIと小売売上高、「秋利下げ説を補強」-市場関係者の見方 - Bloomberg
4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比の伸びが予想を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアベースでは、前月比の伸びが6カ月ぶりに鈍化した。4月の米小売売上高は前月比で横ばい。市場予想は0.4%増だった。その前の2カ月は伸び率が下方修正された。
◎CIBCプライベート・ウェルスマネジメントの債券責任者ゲーリー・プジージオ氏:
マーケット好みの統計だ。コアインフレの数字は予想より良好だった。小売売上高もこれまで好調だったセクターである程度の減速が見られた。これらを総合すると、秋の利下げ説が補強される。
◎ キー・ウェルスのジョージ・マテイオ最高投資責任者(CIO):
CPIは前月からやや減速した。米金融当局にとっては、目先は据え置きを続けるのが適切であり、今年後半には利下げが必要かもしれないとの自信を取り戻すはずだ。単月でトレンドが決まるわけではないが、インフレが鈍化し個人消費が減速しているとのトレンドは、リスク資産にとって好材料だ。焦点は労働市場へとシフトする見通しで、これが今後数週間の米金融政策の方向性を左右するだろう。
◎プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏:
年内の米利下げが再び視野に入ったことを踏まえれば、市場がデータを好意的に受け止めるのは不可避だろう。小売売上高が市場予想を下回ったことは注意が必要だ。個人消費の過熱感が薄れるのは良いことだが、一段と深刻な減速につながれば、市場が歓迎できないような経済悪化の前触れになりかねない。
◎LPLファイナンシャルのチーフ・グローバル・ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏:
4月CPIは、緩やかながらもインフレが冷え込みつつあることを示唆した。市場は早期利下げの可能性が高まっているかどうか注視している。米金融当局が利下げのスケジュールを調整するには冷え込みを示す一連のデータが必要であることは間違いない。しかし、今回のCPIはインフレ率2%への道のりが従来より若干は平たんであることを示している。
◎モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのクリス・ラーキン氏:
今回は上振れサプライズはなかった。CPIと小売売上高の伸び鈍化は、年内1、2回の米利下げに対する投資家の期待を強めるだろう。
◎ステート・ストリートのケイラ・セダー氏:
CPIも小売売上高も、金融政策の伝達が機能していることを裏付ける一助となる。リスク資産を支えるはずだ。とはいえ、まだ問題は完全に解決していないため、利下げに向けて進むべきとは確信できていない。利下げへの確信を深めるには、本日のようなデータが続く必要があるだろうが、これがその流れの始まりになるかもしれない。
NY連銀製造業景況指数、6カ月連続の縮小圏-予想に反して悪化 - Bloomberg
米株高でも意気消沈か、生計費高騰や資産格差でネガティブな景況感 - Bloomberg
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、インフレ抑制のための景気減速で主要なてことなる同国の金融情勢について、引き締まっているとの考えを何度も表明してきた。
一方、昨年10月終盤以降で11兆ドル(約1720兆円)分に相当する米株価上昇や、「ミーム株」ブームの突然の再燃を受け、ウォール街ではパウエル議長が完全に間違っているとの見方が多い。
投資環境を示す一般的な指標は非常に緩和的であるばかりか、一部の指標に至っては米金融当局が2022年3月に引き締めキャンペーンを開始する前よりも緩和的となっている。
パウエル議長が自身のレガシーを懸けて取り組むインフレ退治を手助けするどころか、リスク資産の市場の熱狂は個人消費を促して物価抑制の目標に逆効果となっているというのが、議長への反論の趣旨だ。
しかし、家計資産に関する金融当局の最新データからは、金融情勢と経済全般との関係を巡るパウエル議長の楽観的な姿勢や、消費者景気信頼感がS&P500種株価指数の上昇からは切り離されたままである理由が浮き彫りとなる。
端的に言えば、大幅な資産格差の下で市場のブームの果実の配分が不均一なままであることを意味する。インフレ調整後で見た株価上昇は引き続き小幅であるとしても、こうした格差は世代間や人種間で特に顕著だ。
このため、株式相場は米富裕層を鼓舞しているかもしれないが、インフレや高金利に伴う債務返済の負担増に苦しむそれ以外の人々にとって、活気づける材料にはほとんどなっていない。
ソーシャルメディア・クリエーターで、ブルームバーグ・オピニオンのビデオコラムニストを務めるカイラ・スキャンロン氏は、「インフレは『圧力鍋』のようなものであり、そのことが消費者の景況感がこれほどネガティブな主な理由だ」と語った。
「vibe(雰囲気)」と「recession(景気後退)」を合わせたスキャンロン氏の造語である「vibecession(バイブセッション)」は、比較的好調な経済情勢とそれについての有権者のさえない感情との間の食い違いを指すものだ。
FBBキャピタル・パートナーズの調査ディレクター、マイク・ベイリー氏は「富裕層は支出をやや増やしているものの、パウエル議長の大きな懸念材料となるには影響が小さ過ぎる」と指摘した。
住宅市場も株式の場合と同様、既に裕福な人々に有利な形で作用している。既存の住宅保有者は歴史的な低金利で住宅ローンを組んでいる一方、若い世代を中心とする新たな購入者希望者の場合、米金融当局が二十数年ぶりの高水準に政策金利を据え置いている現状にあって、手頃な住宅を入手するのが困難になっている。
ジョイス・チャン氏らJPモルガン・チェースのストラテジストは今月のリポートで、「vibecession」の状態が長引いている背景に関し、「低所得層や若い世代は資産効果の恩恵を享受し損なった」との分析を示した。
今のところ一段の米株高が楽観視される一方で、経済や個人資産に関する消費者信頼感指数は約2年ぶりの低水準に落ち込んでいる。こうしたことから、株価の楽観的シナリオが現実となったとしても、一般の米国民の間の雰囲気がすぐに変化するのは期待薄だ。
インディペンデント・アドバイザー・アライアンス(IAA)のクリス・ザッカレリ最高投資責任者(CIO)は、「消費者は食料品店での支払いや、航空運賃、ホテル代に苦痛を感じている」とし、「株高でハッピーになるより、こうした状況で不満が増している」と解説した。
米住宅建設業者の業況感、半年ぶりに低下ーローン金利の高止まり響く - Bloomberg
米住宅建設業者のセンチメントは5月、半年ぶりに低下した。住宅ローン金利が7%を上回ったことで買い手が様子見に回り、販売見通しが悪化した。
販売見通し指数は9ポイント下げ51と、2022年10月以来の大幅低下となった。
NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディエツ氏は発表文で「1-3月(第1四半期)にインフレ抑制が進展しなかったために長期金利が押し上げられ、これが建設業者のセンチメントの足かせとなっている」と指摘。「インフレとの闘いにおける最後の1マイルは住居費インフレの抑制であり、これは業者が一段と手頃な価格で住宅を建設できる場合にのみ実現可能だ」と述べた。
購買見込み客足指数は4ポイント低下の30と、1月以来の低水準。現況指数は11月より後で初めて低下した。
今月住宅価格を引き下げたと回答した建設業者は25%。4月は22%、2023年12月は36%だった。平均値下げ幅は6%と、11カ月連続で横ばい。販売奨励金を提供したとの回答は4月の57%から59%に増えた。
建設業者の業況感は全米すべての地域で前月から低下。とりわけ西部の落ち込みが目立ち、12ポイント低下の36となった。北東部は7ポイント低下の58。
日銀利上げは0.5%止まり、国債買い入れ減額を優先-米アライアンス
米資産運用大手アライアンス・バーンスタインの橋本雄介ポートフォリオ・マネジャーは、日本銀行の利上げは異次元緩和の下で膨らんだバランスシートが制約になり、0.5%程度にとどまるとみている。日銀は利上げより国債買い入れの減額を優先し、早ければ6月の金融政策決定会合で減額を決定すると予想する。
日銀は13日に、市場の意表を突いて残存期間5年超10年以下の国債買い入れを減額した。橋本氏は17日の定例買い入れでも3年超5年以下を減額し、6月か7月の決定会合で「これまでとおおむね同程度の金額」(月間買い入れ額6兆円程度)としている買い入れ額を5兆円程度に引き下げると読む。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)やバンガード・グループなど一部の海外債券運用大手は年内に複数回の利上げを見込んでいるが、アライアンスは日銀の巨大なバランスシートが利上げを妨げるとみており、早期かつハイペースな利上げ論とは一線を画している。
利上げよりも国債買い入れ減額を日銀が優先すると橋本氏が考えるのは、0.5%ポイント以上の利上げを行うと、日銀当座預金の超過準備に対する利払い費が利息などの収入を上回るためだ。
「昨年から欧州でも中央銀行の利払い費がメディアに取り上げられて問題になっている」と同氏は指摘。日銀の収支が赤字になっても理論的には全く問題がないが、バランスシートが欧州とは比較にならないほど大きい日銀としては「非常に気にしているのではないか」と語る。日銀のバランスシートは10日時点で758兆円。うち長期国債保有額は589兆円に上る。
日銀は3月のマイナス金利解除により政策手段を短期金利に統一。国債の買い入れは経済・物価情勢に基づく政策判断と切り離し、市場動向や国債需給などを踏まえて判断するとしている。しかし、橋本氏は4月の展望リポートを踏まえると「現実問題として切り離すことはできない」と言う。
展望リポートのBOX6で日銀は「国債買い入れがイールドカーブに及ぼす影響」について、日銀が巨額の国債を保有することによるストック効果を中心に「均してみればおおむね1%程度の長期金利押し下げ効果がみられたことが示唆された」と分析している。
さらに、決定会合の公表文で長期金利が急激に上昇する場合は「機動的に買い入れ額の増額や指し値オペ」などを実施すると表明したことについて、英語版では日本語版にないイールドカーブコントロール(長短金利操作)という言葉を用いて、その上限設定と似た経路で長期金利安定に寄与している面があると記述した。
橋本氏は「日銀は利上げによる利払いが始まる前になるべく買い入れ減額を進め、利上げを行うためののりしろを作らなければならない」と指摘。追加利上げは早くとも10月と予想する一方で、買い入れの減額については今秋に4兆円程度に引き下げられると予想する。
日銀の国債買い入れ減額により利回り曲線はスティープ(傾斜)化するとみるが、2013年に始まった異次元緩和以降、国債保有残高を減らしてきた国内の金融機関を中心とした残高復元の動きが相殺し、年内の10年金利は1%、30年金利は2%を中心とするレンジを想定している。
●中東情勢
ガザ休戦交渉、イスラエルの条件修正が暗礁原因=ハマス指導者
●エマージング
スロバキア首相が銃撃され重体、暗殺未遂か-容疑者拘束
フィツォ首相は民主化後のスロバキア政界をリードし続け、反欧州連合(EU)を旗印に昨年政権を奪回した。親ロシア的な姿勢が対立を生み、ウクライナ支援におけるEU内の結束を脅かしている。
中国、売れ残り住宅の買い入れ検討-過剰供給の緩和目指す - Bloomberg
中国は低迷する不動産市場を救済する最も野心的な試みの一つとして、全国の地方政府に数百万戸の売れ残り住宅を買い取らせる案を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
国務院はこの計画について、幾つかの省および政府機関に意見を求めている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。中国はすでに住宅在庫の解消を図る試験的なプログラムを幾つか実施しているが、今回の計画はより大規模なものとなる。
関係者のうち2人によると、地方政府系の企業は国有銀行が提供する融資を利用して、不良債権を抱えたデベロッパーから売れ残った住宅を大幅な値引きで購入する手助けをするよう求められる。多くの物件はその後、手頃な価格の住宅に転換されるという。
この計画の詳細と実現可能性を巡り当局の議論が続いており、中国指導部が実行に移すと決めた場合、最終的にまとまるまで数カ月を要する可能性があると関係者は説明。住宅都市農村建設省はコメント要請に応じなかった。
長期化する不動産危機は世界2位の経済大国である中国にとって最大級の足かせとなっている。実際にこの政策が実行されれば、政府が打ち出す対策に新たな局面が訪れることになる。中国の住宅販売は落ち込み、売れ残りの住宅は8年ぶりの高水準で推移。国民の失業や所得減を悪化させ得るリスクが高まっている。
中国共産党が不動産危機を和らげる新たなアプローチを探ると4月30日に表明したことで、投資家は政府が次にどう動くのかに関し詳細を待っている。党中央政治局は住宅在庫を「消化」する方法を検討していると説明。中国不動産株指数はそれ以来、約14%上昇した。
シンガポール、20年ぶりに新首相就任
米、台湾総統就任式に元政府高官派遣
EU、ジョージアに「スパイ法案」撤回要請 「加盟閉ざされる」
●プロファイ、インフラ、自然災害
加オイルサンド主要生産地に山火事迫る、6000人に避難命令 | ロイター
CAT債のリスクモデル改良を迫られるヘッジファンド-気候変動で
2023年に最も高い収益を上げたヘッジファンド戦略の原動力となった保険リンク証券(ILS)のリスクモデルが、気候変動が巻き起こす比較的小規模な自然災害を巡って試練にさらされる場面が増えている。
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス・キャピタルはセカンダリーペリルについて、リスクへの影響を見積もるのが難しい形でCAT債にバンドルされている場合が多いとして、そうした災害に関連する危険の増大を警告する。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス・キャピタルはセカンダリーペリルについて、リスクへの影響を見積もるのが難しい形でCAT債にバンドルされている場合が多いとして、そうした災害に関連する危険の増大を警告する。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス・キャピタルはセカンダリーペリルについて、リスクへの影響を見積もるのが難しい形でCAT債にバンドルされている場合が多いとして、そうした災害に関連する危険の増大を警告する。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
エレメンタムのデータ・分析責任者、ジェイク・ウェーバー氏はモデルについて、「過去のトレンドを基準としており、現在の気候に合わせたものではなかった」と述べている。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス・キャピタルはセカンダリーペリルについて、リスクへの影響を見積もるのが難しい形でCAT債にバンドルされている場合が多いとして、そうした災害に関連する危険の増大を警告する。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
ベテラン投資家によれば、カタストロフ(CAT)債などのILSは、山火事や雷雨といった頻度の高い事象に起因する新たなリスクを過小評価しかねない計算に基づいている。
CAT債などのILSプロダクトに特化した36億ドル(約5600億円)規模の投資マネジャー、エレメンタム・アドバイザーズは、わずか数年前に承認したばかりの山火事関連のモデルの改良に、かなりの時間とリソースを割く必要があった。
200万件近い米国の山火事に関するデータを分析した結果、モデルが示唆するよりも「カリフォルニア州北部の焼失した地域では統計的に有意に頻度が高い」ことを同社は確認したという。
エレメンタムは最終的に、山火事に関してより正確な予測を導き出すことができ、それが金利引き上げを交渉するのに役立った。
現在470億ドルの規模を持つCAT債市場は、まれにしか起きないが破壊力の大きい自然災害による経済的リスクを、保険会社が資本市場に転嫁できるようにするため考案された。所定の大災害が発生しなければ、投資家は大きなリターンを得る可能性があるが、発生した場合、債券の価値が失われることもある。
CAT債は昨年20%上昇し、フェルマー・キャピタル・マネジメントなどのヘッジファンドは過去最高の実績を残した。専門性の低い投資家もCAT債を買い始めており、欧州の規制当局はCAT債の保有を個人投資家に認めることも検討している。一方でILSの調査会社アルテミスによると、 保険会社は「記録的なペース」で新たなCAT債を発行している。
CAT債の投資家にとっては、リスクを適切にプライシングすることが全てで、一部の投資家はそれを得意とする。だが、実践は難しさを増している。
巨大地震やハリケーンの代わりに、規模が小さく頻度の多い災害による累積損失に、保険会社は苦しむようになってきている。山火事や洪水、雷雨などのいわゆる「セカンダリーペリル」は、地球温暖化を受け深刻化している。
保険ブローカーのエーオンによれば、観測史上最も暑かった昨年、セカンダリーペリルが世界全体の保険損失の86%を占めた。ミュンヘン再保険に次ぎ世界第2位の再保険会社であるスイス再保険によれば、10億ドルから50億ドルの損害をもたらす中規模の災害が、最も急速に増加しているタイプの自然災害だという。
こうした変化は、CAT債の投資家にとり懸念材料となる。CAT債に投資するトゥエルブ・キャピタルは基本的なモデルについて、セカンダリーペリルによる損失を過小評価することが多いとしている。
別のILS投資の専門会社であるテナックス・キャピタルはセカンダリーペリルについて、リスクへの影響を見積もるのが難しい形でCAT債にバンドルされている場合が多いとして、そうした災害に関連する危険の増大を警告する。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
「モデル化されたリスクの確率と債券スプレッドの乖離(かいり)は、とりわけセカンダリーペリルが関係する場合、モデルに改善の余地があることを示している」と同社は文書で指摘した。
●小ネタ
東京大学、授業料最大10万円引き上げを検討 - 日本経済新聞
東京大学が授業料の引き上げを検討していることが15日、関係者への取材で分かった。年53万5800円としている授業料について、最大で約10万円増の年64万2960円とする可能性もある。
5円玉の材料費が4.66円に 円安が銅など価格押し上げ
●市況
NY市場サマリー(15日)米国株最高値更新、ドル下落、利回り5週間ぶり低水準
<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。4月の消費者物価指数(CPI)上昇率が鈍化し、第2・四半期にインフレが再び低下傾向にあることを示唆したことで、米連邦準備理事会(FRB)が早ければ9月に利下げに踏み切るとの期待が高まった。
<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが約5週間ぶりの水準に低下した。4月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことで、米連邦準備理事会(FRB)は年内に2回の利下げを実施するとの観測が高まった。
<株式> 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合がともに1%超上昇し、終値ベースの過去最高値を更新して取引を終えた。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受け、米連邦準備理事会(FRB)の利下げに対する期待が高まった。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、インフレ圧力の鈍化を示す米物価統計を背景に、対ユーロでドル安が進み、続伸した。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米インフレ鈍化を示す経済指標などを受けて買われ、反発した。
欧州市場サマリー(15日)
<ロンドン株式市場> 続伸して取引を終えた。FTSE100種指数は一時8474.41まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。終値も過去最高値を付けた。
高級ブランド会社バーバリーは7.3%下げた。既存店売上高の減少が響き、通期決算で営業減益だったと発表したことが嫌気された。
ロンドン株式市場:
<欧州株式市場> 続伸して取引を終えた。STOXX欧州600種指数は終値の最高値を更新した。信用情報サービス会社エクスペリアンやドイツのコメルツ銀行などの堅調な業績発表を好感した。
エクスペリアンは8.1%上昇。業績の堅調な見通しが好感された。
コメルツ銀行は5.1%上昇。2024年第1・四半期決算の利益が市場予想を上回り、過去10年間で最大の四半期利益だったことが材料視された。
<ユーロ圏債券> 域内の国債利回りが低下した。4月の米消費者物価指数(CPI)上昇率が予想以上に鈍化したことを受け、市場では米連邦準備理事会(FRB)による年内2回利下げ実施の見方が強まり、欧州中央銀行(ECB)の大幅な利下げ観測も高まった。
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