備忘録(8/30)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
運動量などを記録するフィットネストラッカーのメーカー、米ウープは、「シリーズF」資金調達ラウンドで2億ドル(約220億円)を調達したと発表した。今回のウープへの投資を主導したのはソフトバンクグループのビジョン・ファンド2(SVF2)で、ウープの価値は36億ドルと評価された。
●その他産業
国内乗用車メーカー8社が30日まとめた7月の世界生産は、前年同月比2%減の195万4千台だった。前年同月を下回るのは6カ月ぶり。世界的な半導体不足により国内外で減産が相次いだ。東南アジアの新型コロナウイルス感染拡大で部品調達に影響が広がり、トヨタが9月に大幅な減産を明らかにするなど、下期の不透明感が高まっている。
中古車競売大手ユー・エス・エス(USS)がまとめた中古車の7月の平均落札価格は、前年同月比14%高の92万2000円だった。14カ月連続で前年同月を上回り、6月に付けた10年来の最高値(85万9000円)を大幅に更新した。新型コロナウイルス禍で自動車の需要が堅調な一方、供給が足りず、品薄感が続く。
北米を中心に多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年7月(84万9千台)も上回り7月としては過去最高となった。「半導体逼迫による生産影響はあったが限定的だった」(トヨタ)という。
納期の長期化や車検不正といったひずみも販売の現場で頭をもたげ始めている。
ポルシェは本社のある独南部シュツットガルト周辺にほとんどの生産拠点と開発拠点が集中する。一方で、20年の販売台数27万台のうち、欧州が30%だったのに対して中国は33%、中国を含むアジア・アフリカ・中東は45%だった。相対的にアジアの重要性が高まっている。
米国でカナダのショッピファイなど新興ECが台頭している。経済活動が正常化に向かうなか、インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムの通販の伸び率が減速した一方、中小の受け皿となる新興ECが売り上げを伸ばしている。グーグルなどのIT各社も参入し、競争が激しくなっている。
原料費の減少に加え、海外事業についても北米や南米で鋼材市況が想定以上に高騰していることなどから「もう一度アップサイドに引き上げる期待は相当持てる」と述べ、さらなる収益改善に期待を寄せた。また、東南アジアで一貫製鉄所の買収を検討していることを明らかにした。
7月下旬にトン当たり200ドルを超えていた鉄鉱石先物は、その後1カ月間で約130ドルまで急落、足元では150ドル台で推移している。全世界の過半を占める中国の粗鋼生産は、7月に前年同月比8.4%減と今年で初めて減少に転じた。中国政府は脱炭素政策で粗鋼生産を抑制する方針を掲げており、今後も減産基調が続くという見方から、供給過剰による値崩れの可能性は少ないと見ているという。
一方、コロナ感染再拡大や半導体不足による自動車メーカーの減産については、現段階で大きな影響は見込まれていないものの、注意して需要の動向を見ていく必要があるとしている。
東南アジアでの買収に関しては、「鉄源一貫(製鉄所)でなければ興味がない。付加価値をきちんと高められる会社でなければいけないと思っている」と述べ、大規模な投資に意欲を示した。具体的に検討している案件もあるという。
●決算関連
中国国有石油大手3社の香港上場子会社の2021年1~6月期決算が出そろった。原油価格の上昇に伴って、中国石油化工(シノペック)と中国石油天然気(ペトロチャイナ)の最終損益が黒字転換するなど業績が回復した。各社とも、米中対立を背景に中国国内やアフリカ、南米などでの資源開発に注力する方針を強調した。
2021年6月期通期の純利益が前の期比2.2倍の102億ドル(約1兆1000億円)で過去最高を更新したと発表した。中国の需要が堅調で鉄鉱石価格が上昇、利益を押し上げた。
また、同社は再生可能エネルギー事業などを手がける子会社が今期最大6億ドルを投じ、鉄鉱石の運搬トラック電動化などの脱炭素技術開発に取り組むことも明らかにした。電話会見で創業者のアンドリュー・フォレスト会長は「フォーテスキューは(鉄鉱石だけではなく)再エネ事業と資源事業に総合的に取り組む企業だ」と述べた。
●マクロ・その他
エルダー氏が後任の最有力候補になったのは、ニューサム氏が民主党内に自分に代わって当選できるような候補を確保できていないのも一因だ。だが、それ以上に別の構造的な欠陥がある。ニューサム氏が半数以上の信任票を獲得できなければ、同時に実施される投票で四十数人に上る後任候補の中で最も得票の多い候補者が知事になる。
言い換えれば、ニューサム氏が49%の信任票を獲得したとしても、得票率が20%に満たない取るに足りない人物が知事に選ばれる可能性があるということだ。今のエルダー氏の世論調査の支持率はこの水準にある。
香港取引所に上場を申請したテック企業を見ると、27日に商湯集団(センスタイム)に加えて貨物運搬の仲介サービスを手がける「物流版ウーバー」の58フレイト(ゴーゴーX)も名を連ねた。同業のララムーブも香港上場を検討している。
米国市場はテック企業の価値を高く評価する投資家が集まる。調達額が膨らみやすいものの、中国当局は個人情報の流出などを防ぐため海外上場への監視を強めている。テック企業にとって香港市場への上場が有力な選択肢となる理由だ。
当局への配慮は主幹事選定にもあらわれている。センスタイムは主幹事を中国系の中国国際金融(CICC)、海通国際、英HSBCの3社とし、米系投資銀行の起用を見送った。大型上場と期待される中国の免税店大手、中国旅遊集団中免も主幹事から米銀を外した。
2021年4~6月の世界での発行額は600億ドル(約6兆6000億円)超と四半期ベースで過去最高となった。新型コロナウイルス禍で財政が悪化した政府や、投資の原資が必要な企業が発行を増やした。先進国の投資家や発行体も増え市場の拡大が続いている。
新興国には2013年の「テーパータントラム(量的金融緩和の縮小をめぐる市場の混乱)」の再来に対応する「余裕」はないと、国際通貨基金(IMF)首席エコノミストのギータ・ゴピナート氏が警鐘を鳴らした。8年前、米連邦準備理事会(FRB)が予想より早い刺激策縮小を示唆し、世界的な金利の急上昇に火がついたことを指す。
SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは27日付リポートで総裁選での現職の敗北は1度しかなく、「菅首相が再選される可能性が現時点では最も高い」と指摘。ただ選挙に勝てる顔として他の候補者が党員・党友票を獲得し、派閥が自主投票に踏み切る流れになれば「大変動につながりうる」と分析した。
河野氏:新型コロナウイルス対策の要となるワクチン接種担当閣僚としての成果が首相候補としての試金石となるはずだったが、自治体からワクチン不足を訴える声が上がる。元自民党職員で政治評論家の田村重信氏は「逆賊、明智光秀といわれる可能性もあるから遠慮している。菅首相が再選を目指す限り出ないだろう」との見方だ。
石破氏:昨年の総裁選で最下位に甘んじ、求心力が低下した。派閥のメンバーは休会中を含めて17人に減り、立候補に必要な推薦人20人を確保できない状況にある。ただ、全国一斉の党員投票が行われた2012年は過半数、3選を目指していた安倍晋三前首相との一騎打ちだった18年でも4割超を獲得した実績がある。
2020年の年次決算報告を発表した。20年の損益は1029億元(約1兆7500億円)の赤字で、自己資本は85%近く減少した。1078億元規模の減損を計上し、金融資産でも125億元の損失を出した。レバレッジ比率は1333倍に達した。自己資本比率は今年6月末時点でも規制上の要件を大きく下回っており、政府主導の救済を確保したばかりの華融には難路がなお待ち受けている。
今年上期は1億5800万元の黒字に転換したが、主要な資本水準は規制上の要件を大きく下回っており、自己資本比率は6月末時点で6.32%。昨年末は4.16%だった。規制当局は不良債権処理会社に対して最低でも12.5%、コアTier1比率で9%以上を求めている。
レバレッジ比率は今年6月末時点で37.1倍と1333倍から大きく低下したが、それでも19年末の水準の4倍に達し、主な同業の中国信達資産管理(6.8倍)と比べても高い。
エネルギー価格上昇に加え、企業がコスト高を製品価格に転嫁したことが物価圧力となった。
新たなルールは過度なゲーム利用を防ぎ、未成年の体や精神面の健康を守ることが狙いだとしている。国営の新華社通信は国家新聞出版署が公表した通知を引用し、オンラインゲーム事業者が未成年にサービスを提供できるのは金曜と土曜、日曜の各1時間だけだと報じた。休暇中も1日1時間に制限されるという。
中国政府はテクノロジー企業に対する締め付けを全般的に強化しており、ゲーム規定の厳格化もその一環。中国最大のゲーム会社、テンセント・ホールディングス(騰訊)はすでに同様の制限を実施。政府系メディアが今月に入りゲームを「精神的アヘン」だと批判したことで、テンセントの株価が大きく下落していた。この表現は後に削除された。
中国の金融市場を「悪意」を持って批判し、国内の政策や経済データを曲解するなどの違反の是正を重視する取り組みだという。
また、中国国内の金融問題を曲解した外国のメディア報道・論評を「立場や判断を示さず」そのまま伝えているプラットフォームやアカウントも対象になるとも説明。中国経済・社会の「持続可能かつ健全な発展」を促す「良好」なオンライン世論環境づくりが目的だとしている。
これを受け、テンセント・ホールディングス(騰訊)や北京字節跳動科技(バイトダンス)のTikTok(ティックトック)中国版「抖音(ドウイン)」ならびにニュースアプリ「今日頭条」を含む中国のテクノロジー企業とソーシャルメディアは、このルールを順守し、金融情報関連のコンテンツを規制すると表明した。
供給の混乱と新型コロナウイルス感染再拡大リスクが回復の足かせとなっていることがうかがわれる。
米運輸保安局(TSA)のデータによれば、24日の旅客機搭乗者数は計147万人で、3カ月強ぶりの低水準となった。今月後半の1日当たりの乗客は7カ日平均で176万人前後と、1カ月前の205万人程度から落ち込んでいる。カウエンのシニア調査アナリスト、ヘレーン・ベッカー氏は「レジャー予約のペースが鈍り、キャンセルが増えている」と述べるとともに、企業が従業員のオフィス復帰を延期していることで、飛行機を使った出張旅行の回復も先送りとなる可能性があるとの見方を示した。
レストランのオンライン予約を手掛けるオープンテーブルによると、過去数週間の米国のレストラン店内での飲食は2019年の水準を10-11%程度下回っている。7月後半には19年の水準をわずか5-6%下回るまで回復していた。デルタ株を巡る懸念や市当局による各種の義務化措置が一因という。
宿泊施設データサービス会社STRのデータでは、夏季のレジャー旅行のおかげで幾つかの人気スポットが上向いたが、ホテルの客室稼働率は4週連続で低下したことが示された。平均宿泊料は3週連続の下げとなっている。米国の25大市場のうち、8月21日までの1週間のホテル客室稼働率が19年の同じ週に比べて上昇したのは皆無で、低下率が最も大きかったのはサンフランシスコの40%強だったという。
インディードのデータを見ると、対人密接度が高い歯科医院や保育サービスの求人票は減少している。インディードのチーフエコノミスト、ジェド・コルコ氏は「直近の感染拡大期にあって、ウイルス動向に敏感なこうしたセクターでは既に求人票の減少が見られる」とコメント。この波が続いて「人々が旅行や外食などのサービス支出を切り詰めれば労働需要は減る可能性がある」とする一方、職探しに消極的になる人々もいるかもしれないと話した。
域外からの観光など不要不急の渡航を認めるリストから米国など6カ国を除外したと発表した。新型コロナウイルスの感染増を受けた措置。米国はEUからの渡航を制限し続けており、一部のEU加盟国からは、相互主義の観点から米国をリストから除外するよう求める声もあった。
05年にハリケーン「カトリーナ」がルイジアナ州に甚大な被害をもたらして以降、同州は大規模な堤防の設置など対策を進めてきた。鉄砲水が発生するおそれはあるものの、洪水区域はカトリーナと比べ、大幅に狭まった。
停電は長引く見通しだ。パワーアウテージ・ドット・USによると、ルイジアナ州の停電は30日午後3時過ぎ時点で100万世帯を超えており、集計対象の半数近くにのぼる。一部の地域では消防・警察への緊急電話「911」もつながらなくなった。ミシシッピ州でも約10万世帯が停電している。
病院では屋根が吹き飛ばされるといった被害も出た。同州はコロナのインド型(デルタ型)の感染が目立っており、医療従事者や医療機器がもともと不足していた。医療面の不安が一段と強まるおそれがある。
メキシコ湾岸の石油生産施設は大半が操業を止めた。米メディアによると人手不足も相まって、被害の確認や復旧作業には時間がかかるという。ルイジアナ州の主要農産物である大豆やトウモロコシなど農産物に洪水の被害が及ぶおそれも出ている。
中国当局が未成年に対し、毎週オンラインゲームを楽しむことができるのは週3時間までと定めたことが響き、ゲーム大手のネットイース(網易)のADRは一時8.8%安まで値下がり。ビデオゲームが売上高の約3分の1を占めるテンセント・ホールディングス(騰訊)は1.1%安。他のゲーム関連銘柄も下落し、ビリビリ(嗶哩嗶哩)は1.6%安、虎牙は3.7%安となった。
●市況
日経先物(大証)27710、ダウ先35388、債先152.27、米1.280、独▲0.4440、仏▲0.092、西0.271、伊0.610、原油69.16、ドル円109.97、墨ペソ20.14、トルコリラ8.3792、墨CDS90
※8/31 8時20分頃
備忘録(8/27-29)
●雑感
航空機について、ワイドボディは確かに需要無いのだろうね。足元では国内線需要の回復が進んでいること(参考:米国国内線需要はコロナ前の84%まで回復)や記事にもある通り環境効率の向上ニーがあることや、中長期的にはアフターコロナにおける航空需要の回復が期待されることを踏まえるとナローボディは底堅いニーズがあるだろう(記事もその点を指摘)
⇓の記事。読んだ感じ"やればできるじゃん"という印象。コロナを基に企業は効率化・人材配置の適正化に向けて真摯に向き合ってほしい。労働人口が減る中、これまでのマンパワーに頼った経営では成り立たない
効率的な生産を通じた人員の適正配置や在庫の圧縮などが採算改善に寄与する見込み。
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
燃費効率の高い中小型機への切り替えが進んでいたところに、新型コロナウイルス禍に伴う長距離路線の需要消失が重なった。欧州エアバスの総2階建て機「380」は2021年初めからの半年でほぼ半値に急落した。
「売却価格は平時の10分の1以下」。20年に米ボーイングの大型機「777」を売却したアジアの航空関係者は明かす。中古機を使う航空会社や解体して中古部品をさばく企業などからの引き合いがなくなった。
特に座席数が300を超えるような大型機の価値下落が目立つ。英航空情報会社シリウムの推計によると、年初以降だけで380は51%、777の派生型「300ER」は39%下落した。同じボーイング製でも中型機の「787-9」は4%の下落にとどまった。シリウム幹部のロブ・モリス氏は「大型機の価格は回復に時間がかかる。限定的だがさらに下がる余地もある」と指摘する。
航空会社が機体を手放す場合、従来想定していたような現金収入を得られない恐れがある。また、コロナ禍の逆境の中でも大型機から中小型機などへの置き換えを進められる航空会社とそうできない企業との間で、コロナ後の収益格差が広がる可能性もある。
経営体力に余裕がある航空会社は損失を出してでも大型機の退役を早め、主に中小型機への戦略投資を急ぐ。仏エールフランスは20年5月、全9機の380を退役させると発表し、5億5300万ユーロ(約720億円)の損失を計上した。日本ではANAホールディングスが20年度、777を中心に35機を早期退役させた。
燃費性能が高い中小型機への需要シフトの背景には環境対応もある。航空機から出る二酸化炭素(CO2)は総排出量の2~3%を占めるとされる。国際民間航空機関(ICAO)は排出が増えないように21年から自主規制を導入し、27年には義務化する。
●その他産業
2016年4月に電力小売り全面自由化が始まって5年半。700社超に膨らんだ新電力は大手電力の寡占構造を崩したが、主要4電力の電気料金は平均で10%超上がり、消費者に恩恵が及んでいない。化石燃料への依存が続き燃料高が影響しているうえ、電気料金に上乗せされる再生可能エネルギー普及のための賦課金も上昇しているためだ。
世界で半導体工場の新設が相次ぐ。米インテル、台湾積体電路製造(TSMC)など主要10社の2021年度の設備投資額は前年度比3割増の12兆円にのぼる見通しだ。需給逼迫に加え、政府による公的資金の支えもあり規模が膨らんでいる。
約7700億円を投じる米ソフトウエア会社の買収資金に充てる。格付け会社が調達額の一定程度の資本性を認めるハイブリッド債の発行は初めてで、格下げリスクを抑制する。
●決算関連
2021年1~6月期決算は、純利益が前年同期比29%減の11億7000万元(約200億円)だった。1~6月のEVなどの新車販売台数は前年同期比6割増の約25万台になった。スマートフォンの部品・組み立て関連も84%増の431億円で好調だった。スマホの受託生産が伸び、ゲーム機やドローンなども堅調だった。
ただ、自動車関連とスマホ関連の事業はそれぞれ粗利益率が低下した。BYDは「原材料の価格上昇の影響で、企業の発展は大きな課題に直面している」と説明。鋼材や電池の原料となる希少金属(レアメタル)の値上がりの影響を受けたとみられる。粗利益率の高かったマスクの製造販売が落ち込んだ影響との見方もある。
2021年1~6月期決算は、売上高が前年同期比12%増の530億元(約9000億円)だった。高速通信規格「5G」向け通信機器などの受注が伸び悩んだ一方、スマートフォンの販売が伸びた。
●マクロ・その他
中東各国の首脳や外相らが28日、イラクの首都バグダッドで開かれた近隣国会議に参加した。イスラム主義組織タリバンによるアフガニスタン制圧を受け、過激派対策や難民問題などでの協力を探る動きが出始めている。ただ米国の中東からの撤退が加速するなか、盟主不在の秩序づくりには不透明な部分も多い。
1960年代からほぼ一貫して増えてきた人口が2020年に減少に転じた。20年6月末の香港国家安全維持法(国安法)施行後に本格化した海外移住は年末から来年にかけてピークを迎え、10万人規模に上るとの見方がある。教育や医療現場にも影響が及び始めた。
緩和的な金融政策が長く続くとの見方が広がり、投資家はリスクを取りやすくなった。同日の米株式市場ではダウ工業株30種平均などの主要な株価指数が軒並み上昇した。
米国債などの資産を購入する量的緩和の縮小について「年内に開始するのが適当」と表明した。同日の米金融市場は「利上げを急がない」と受け止め、株高と金利低下が進んだ。パウエル議長の対話路線が功を奏し、市場にひとまず安心感が広がった。
市場では「利上げに慎重な姿勢を崩さなかった」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏)との受け止めが多かった。米10年債利回りは1.31%と前日より0.04%低下。円相場は1ドル=109円80銭台で、パウエル氏の講演直前と比べ40銭ほど円高・ドル安が進んだ。米資産運用最大手ブラックロックのリック・リーダー氏は「経済には十分すぎるほどの流動性があり、最大雇用への動きをほとんど、もしくは全く阻害することなくテーパリングは進む」とみる。
コロナ流行後の株高は大規模な財政出動や金融緩和が原動力となってきた。急な引き締めではなくとも、株式市場への政策面の追い風は弱まる。過去最高値圏にある米国株は企業収益との対比で歴史的にみて割高になっており、積極的に上値を追う動きが鈍くなる可能性もある。
米国の27日の新型コロナウイルスの感染者は32万2934人と過去最多を更新した。ワクチン接種が本格化する前の1月の最多記録より2万人強多い。曜日の振れをならした7日移動平均では15万6242人と1月のピークの6割強となる。デルタ型が急拡大する前の6月と比べると10倍以上の感染者だ。
8月15~21日のコロナ感染者の99%がデルタ型だ。デルタ型は従来のコロナと比べて重症化率が低いが、ワクチン接種済みの人でも感染例が多い。ワクチン接種比率が低い地域ほど、人口に占める入院者や死者が多い傾向にある。死者も8月以降、増加が目立っている。
報告書は①動物から人間への感染②中国のウイルス研究所からの流出――との2つの仮説は妥当としながらも「情報機関の意見が分かれている」と説明した。
報告書要旨では「新たな情報を得られない限り、起源についてより信頼性の高い説明は提供できない」と指摘し、現段階では真相解明は困難との見解を示した。
バイデン氏は声明で「米国は志を同じくする国とともに、情報を完全に共有するよう中国に圧力をかける」と表明し、中国の非協力的な姿勢を糾弾した。起源を特定できないシナリオを米国は想定していた。
研究所流出説を完全に否定しなかったのは、国際社会にとって最大の課題であるコロナを巡る問題を対中包囲網の構築に利用したい思惑が透ける。
タリバンの報道担当者は新政権の体制を近く発表するとしている。タリバンの兵士は最大8万人強とされる。一方のアフガン軍の治安部隊は30万人強に上り、タリバンは武器や弾薬などを取りあげることで統治を強める狙いがありそうだ。アフガンでは過激派組織「イスラム国」(IS)系勢力の「ISホラサン州」が大規模な自爆テロを起こし、防衛体制の強化を急ぐ目的もある。
7月の個人消費支出(PCE)物価指数を発表した。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比で3.6%上昇した。6月と並び、30年ぶりの高い伸びが続いた。
品不足で春に急騰した中古車価格は上昇に一服感も出始めている。もっとも、サービス業を含め人手不足や部材調達に苦しむ企業が多く、幅広い商品、サービスで値上げ圧力は引き続き強い。
エコノミストの間では、2022年も2%を上回る物価上昇になるとの見方が増えている。米連邦準備理事会(FRB)はこれまで物価上昇の加速は一時的だとしてきたが、状況が変われば将来利上げなどの対応を早める構えもみせている。
大統領選は再選を目指すとみられる現職の中道、共和国前進のマクロン氏(43)と立候補を明言した極右、国民連合のルペン党首(53)が支持率でリードする。バルニエ氏は移民規制を訴え、豊富な経験を強みに主要候補入りを目指す。
中道右派で最大野党の共和党所属で、農相や欧州議会議員としての経験もある。英国離脱交渉の手腕を評価する声があるが、有権者間の知名度をいまよりも高めることが課題だ。移民の厳しい制限など右派強硬派の主張を掲げている。
RNのマリーヌ・ルペン党首は、従来の支持者を離反させることなく党の過激なイメージを「毒抜き」しようとしていた。そこにファショスフェールが出現し、「インターネットのインフルエンサーたちが汚れ仕事をしてくれるので(ルペン氏は)自分の手を汚す必要がなくなった」と、フランスのジャーナリストでファショスフェールに関する著書もあるダビッド・ドゥーセ氏は言う。
ゼムール氏がにおわせた22年大統領選出馬が現実になれば、インフルエンサーたちが極右の票割れを引き起こしてルペン氏が弱くなる恐れがある。世論調査からは、ルペン氏が決選投票でマクロン氏と対決する構図が濃厚に浮かび上がっている。
ルペン氏は距離を置きたいのかもしれないが、「深刻な人員不足」を埋めるうえで彼らに頼ってもいるとフロイオ氏は指摘する。
ジャーナリストのドゥーセ氏も、「外国の政治の本を読んだことがなく、この種の動画を見ただけで政治的思想を持つようになる若者がたくさんいる」と話す。「昨今の選挙運動はクリックとメッセージ投稿なので、RNはこうした人たちを必要としている」
「需給ギャップ」が4~6月期はマイナス4.0%だったと発表した。7四半期連続のマイナスで、需要不足額は年換算で22兆円だった。1~3月期よりもマイナス幅は縮小したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要不足の状態が続く。
8月は、ワクチン接種の拡大と接種状況に基づいた経済再開という「中道」戦略の欧州諸国が底力を見せた。トップ10のうち9カ国が欧州勢で、前月に続きノルウェーが1位となった。
昨年11月のランキング開始以降、最も長くトップの座にあったニュージーランド(NZ)は29位に後退。前月の3位から急落した。デルタ株が鉄壁の防御をくぐり抜けたため、NZ政府は極めて高度なロックダウン(都市封鎖)を実施。世界で最も自由だった市民生活は一変し、最大級の制約が課せられた。
ワクチン接種と経済再開で世界をリードしていた米国やイスラエルは、迅速なワクチン普及によって正常化が進み、春から初夏にかけて上位を占めたが、これらの国も順位を落とした。デルタ株による新規感染急増の中で、懸念を生じさせる件数のブレークスルー感染(ワクチン接種後の感染)が報告されているほか、ワクチン未接種の患者は重症化している。
最下位グループは東南アジアの国々だ。新型コロナ感染の新たな中心地となった東南アジアは、人口に対する月間死者数が世界最多を記録。インドネシアが51位、フィリピンが52位、マレーシアは53位(最下位)だ。
バイデン米大統領のアドバイザーらは、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長2期目続投とブレイナードFRB理事の銀行監督担当の副議長起用を提言することを検討している。両氏を組み合わせれば、トランプ前大統領に指名されたパウエル氏続投に難色を示す民主党進歩派の不満を和らげられると踏んでいる。
「確実なことは存在しないが、インフレのリスクは議長が認識するより深刻だと私は思う」と語った。
パウエル議長は離職者と求人の数字がいずれも過去最高となる状況に言及しつつ、その意味合いについて「穏やかな」解釈を主張した。だが、一定期間の「はるかに急激な賃金上昇」を示唆するシグナルだとサマーズ氏は捉えている。
クラリダ米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は経済専門局CNBCとのインタビューで、年内に資産購入の縮小を開始することを支持すると語った。
セントルイス連銀のブラード総裁は資産購入の継続について、経済にとって支援材料よりも悪材料になっている可能性があると指摘した。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、市民の間では健康リスクがなお憂慮されており、それが職場復帰を阻んでいると指摘した上で、著しく緩和的な金融政策がこの問題を解決することはないとの考えを明らかにした。
クリーブランド連銀のメスター総裁は、テーパリング(資産購入の段階的縮小)を開始するにあたっての連邦公開市場委員会(FOMC)のガイダンスを米経済は満たしたとの認識を示した。その上で、年内にテーパリングを開始し、2022年半ばには終えることを支持すると語った。
ダラス連銀のカプラン総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「資産購入の調整を開始すべきだと確信している。文字通りできるだけ早くにだ。そのプロセスを8カ月にわたり漸進的に進めることを望む」と述べた。
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、雇用が近い将来に一段と増加した場合に金融当局による資産購入の縮小開始を支持すると述べた。
米国のメキシコ湾岸にハリケーン「アイダ」が接近している。最大風速は時速140マイル(秒速約62.6メートル)に達すると予想され、ルイジアナ州ニューオーリンズでは災害に備えて石油施設が操業を停止し、低地住民への避難指示が行われた。
米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、住宅を破壊し長期の停電を発生させるほどの強風が見込まれ、直撃を受けた地域は「数週間ないし数カ月にわたり居住不能となる」恐れがある。
米メディアによると30万超の世帯が停電している。メキシコ湾岸地域に拠点を置く石油施設の9割超が従業員の避難などで操業を休止しており、エネルギー供給への懸念も広がっている。
ルイジアナ州の都市ニューオーリンズなどでは、既に家屋倒壊や浸水などの被害が出ており、被害は広範囲に及ぶ見通しだ。アイダは2005年に多数の死者を出した大型ハリケーン「カトリーナ」以来の勢力と報じられている。
中国当局はインターネット上で動画などのコンテンツを推奨するため、アルゴリズム技術を活用するハイテク企業に課す広範なルールの適用を目指している。
国家インターネット情報弁公室は27日、30項目から成る「アルゴリズム推奨管理規定」草案を公表。「中毒または大量消費を助長する」慣行や国家安全保障を危険にさらし、社会経済的秩序を混乱させる活動を禁じるとルールだとしている。
動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)やテンセント・ホールディングス(騰訊)、快手科技といった企業に直接影響する規定となる可能性がある。
中国では工業企業の利益の伸び率が7月も鈍化した。国内の一部で発生した豪雨による浸水被害や新型コロナウイルス感染の確認によって生産が抑制される一方、原材料値上がりも響いた。
統計局の朱虹エコノミストは声明で、「根強い不確実性の中で工業利益の改善は依然として不均衡だ」と分析。散発的なコロナ感染や浸水被害によって工業利益の持ち直しに圧力がかかったとした上で、商品価格の高止まりで中・下流部門の小規模企業を中心に利益率は引き続き圧迫されたとも指摘した。
●市況
日経先物(大証)27850、ダウ先35410、債先152.24、米1.310、独▲0.4255、仏▲0.070、西0.292、伊0.634、原油68.72、ドル円109.85、墨ペソ20.36、トルコリラ8.3926、墨CDS90
※8/27 NY引け値
備忘録(8/25)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
米バイオジェンとエーザイが実用化したアルツハイマー病の新薬「アデュヘルム(一般名アデュカヌマブ)」採用を巡り、米医療界が割れている。6月に米当局の承認を受けたが、病院ネットワーク大手が相次いで不採用を発表。医療保険の大手も現時点で保険適用外とした。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収益源である国際線がほぼ運休となり、2期連続の大幅な最終赤字を記録した。
業績回復の焦点となる国際線の運航再開は21年末になる見通しだ。ジョイスCEOは「12月半ばにワクチン接種率が高い国への路線を再開する予定だ」と述べ、日本やシンガポール、英国、米国などを想定国に挙げた。
インドネシアのジャカルタやフィリピンのマニラなどを結ぶ路線は「早くても22年4月になる」との見方を示した。
サステナブル投資商品でうわべだけ環境に配慮しているかのように取り繕う「グリーンウォッシング」疑惑が浮上しているドイツ銀行の資産運用部門、DWSグループに対し、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)も調査を進めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。
●その他産業
スマートフォンのアプリ事業者などで構成する日欧米の業界団体が、巨大IT(情報技術)企業の市場独占対策で連携に乗り出した。アプリ配信で力を持つ米アップルとグーグルが事業者の経営を圧迫していないか情報を共有し、当局への要望で発言力を強める。
小売業のブランド訴求の象徴だったPBの事業戦略が転機を迎えている。
2021年4~6月期決算が出そろい、最大手のアリババ集団はネット企業に対する当局の規制が直撃し、2ケタの営業減益だった。京東集団(JDドットコム)と拼多多(ピンドゥオドゥオ)はアリババの苦戦を尻目に本業は好調を維持している。政府による厳しい統制がネット業界の勢力図を変えつつある。
21年の予算案に比べ約4%の増加となる。米国の戦闘機「F16」の新型機の購入に401億台湾㌦を充てるなど、軍事的圧力を強める中国を念頭に、防衛能力を引き上げる。
●決算
●マクロ・その他
不動産価格の急騰など金融緩和の副作用が目立つからだ。足元は新型コロナウイルス感染「第4波」の真っ最中で、利上げは景気に冷や水を浴びせかねないが、インフレ抑制を優先する苦肉の選択をした。
ISは声明で、自爆テロにより「(イスラム主義組織の)タリバン戦闘員を含む約60人を殺害、100人超を負傷させた」などと主張した。米軍や、ともに国外退避しようとする米国への協力者らを狙ったもようだ。犯人は爆発物を腰に巻いていたとも説明した。
タリバンは声明で、空港への攻撃を非難した。ISは米欧を敵視するが、アフガンを制圧したタリバンとも対立関係にある。
「(ISを)追い詰めて代償を払わせる」と強調した。米軍に対し、報復に向けた作戦計画をつくるよう指示した。
米国人やアフガン人を国外へ退避させる任務を今後も続けると強調した。一方で「20年におよぶ戦争を終わらせる時だ」とも語り、アフガンから米軍撤収を進める方針を堅持した。
4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、前期比年率換算で6.6%増加し、7月発表の速報値の6.5%増から0.1ポイントの上方修正となった。
個人消費が11.9%増で0.1ポイント上方修正となったほか、設備投資も9.3%増で1.3ポイント、輸出も6.6%増で0.6ポイントそれぞれ上向いた。一方、住宅投資は11.5%減で1.7ポイント下方修正されたほか、在庫減による下押しも当初より大きかった。
2021年4~6月のスタートアップの資金調達額は過去最高になり、新たに誕生したユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)の数は前年同期の6倍近くに増えた。特に米国では新規ユニコーンの数が他国に比べて大きく増えている。
7月の自動車生産台数は約5万3千台と前年同月に比べ38%減った。世界的な半導体不足や、新型コロナウイルスの感染拡大による労働者不足が原因で、7月としては1956年以来最低となった。2021年1~7月の生産台数は約55万2千台と前年同期より18%増えたが、コロナ前に比べると依然3割少ない水準だ。
4週間の移動平均では、36万6500件で前週の改定値から1万1500件減り、新型コロナウイルス感染が本格化した2020年3月以降で最低となった。
総受給者数は8~14日の週は286万2000人で、前週の改定値から3000人減った。4週連続の減少でこちらも20年3月以降で最低となった。
レストランの予約サイト「オープン・テーブル」のデータでは、コロナ前の2年前との比較で客足の回復が鈍っているほか、米運輸保安局(TSA)がまとめる米国内空港の保安検査所の通過人数も8月は前月より減っており、再びサービス業への悪影響が出始めている。
5月以降、過去最高値の更新が続いている。都心部に比べ、割安感がある地域の価格上昇が目立った。
「経済が米金融当局に行動を迫るだろう」と述べ、「インフレは当局の目標を大きく上回っている状態だ。当局が行動しないなら、インフレは加速を続けると考えている」と続けた。
●市況
日経先物(大証)27630、ダウ先35178、債先152.15、米1.354、独▲0.4110、仏▲0.056
6、西0.313、伊0.666、原油67.89、ドル円110.04、墨ペソ20.36、トルコリラ8.3879、墨CDS92
※8/26 8時25分頃
備忘録(8/25)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
●その他産業
米半導体大手のウエスタンデジタル(WD)が同業のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)との合併に向けた交渉を進めていると報じた。買収額は200億ドル(約2兆2000億円)超で、早ければ9月中旬にも合意に達する可能性があるとしている。
WSJによるとWDは株式交換によって200億ドル超の買収代金を支払う計画で、合併後の新会社の最高経営責任者(CEO)にはWDのデイビッド・ゲクラーCEOが就く方針だという。両社のコメントは得られていない。
WSJは日本の産業界におけるキオクシアの重要性を踏まえると、「どのような取引であっても日本政府の承認を必要とするだろう」との見方を示した。また、各国の独禁当局などの承認を得る必要がある。米半導体大手のクアルコムは中国の独禁当局の承認が得られなかったとして、16年から進めていたオランダの車載半導体大手NXPセミコンダクターズに対する5兆円規模の買収を18年に断念している。
7月の粗鋼生産量(速報値)は、前年同月比3.3%増の1億6170万トンだった。12カ月連続で前年実績を上回った。一方で二酸化炭素(CO2)排出削減のため、政府主導で鉄の減産を進める中国は1年4カ月ぶりに前年割れ(同8.4%減の8680万トン)となった。
他の生産国では、インドが980万トンと前年同月比13.3%増えた。日本は同32.5%増の800万トンだった。米国も同37.9%増の750万トンとなるなど、新型コロナウイルス禍からの反動で、中国以外の主要国は軒並み前年超えとなった。
昨秋から今春にかけても、TSMCなど台湾の半導体大手各社は10%強の値上げを実施してきた。だが、旺盛な需要に供給が間に合わず、再度の大幅値上げに踏み切る。最終製品の価格への影響もありそうだ。
TSMCがさらなる値上げに踏み切る理由の一つは収益力の低下懸念だ。2021~23年の3年間で過去最大の約11兆円の投資を表明しており、本格化する海外展開を前に、利益低下に対する危機感が強まっている。21年4~6月期の売上高純利益率は36%と依然高水準を維持するものの、「(新工場を建設中の)米国や(新工場を検討する)日本での生産はコストが非常に高い」と経営陣は指摘する。
世界で半導体の供給量が限られるなかで価格交渉力が高まり、値上げを切り出しやすくなっていることも背景にある。
7月の国内ホテル平均稼働率は、6月から10.9ポイント上がり45.2%となった。東京五輪の関係者らの宿泊需要などを受けて2020年12月以来の40%超えとなった。ただ旅行の停滞などを背景に、60%を超えていたコロナ禍の直前と比べると水準はまだ低い。
調達する300億円のうち100億円は過去に発行した永久劣後債の償還に充て、200億円は借入金の返済にあてる。同社が永久劣後債を発行するのは4回目。今回の利率は2026年8月末までは年0.9%の固定で、それ以降は変動利率となる。
トヨタ自動車が日本製鉄との鋼材価格交渉で大幅な値上げを飲んだ。今回は日鉄が「供給制限」を交渉カードに持ち出し、トヨタも強く反発する結果となった。材料費の高騰に加え、温暖化ガスを抑えるためにも連携を深めなければいけない「仲間」との亀裂が新たな課題として浮上した。
●決算関連
2021年4~6月期の売上高は64%増の877億元、純利益は前年同期比84%増の82億元だった。海外事業が82%増で過去最高を更新してけん引し、売上高に占める海外比率は49.7%に達した。体の7割近くを占めるスマホ事業は87%増の5290万台を出荷し、売上高も87%増の590億元と過去最高。スマホ出荷台数で世界2位に浮上しており、3年内の1位をめざす。自動車分野への参入にあわせ、自動運転技術の開発企業を約85億円で買収することも発表した。
中国の不動産大手、中国恒大集団の持つEV事業の資産にかかわる譲渡交渉について、王総裁は「恒大を含めて各分野の自動車関連企業の経営陣と協議を進めている」と明らかにしたが、「いかなる合意にも達していない」とも付け加えた。
●マクロ・その他
24日の新規感染者数は7日移動平均で約15万1000人。インド型(デルタ型)の広まりで、1週間前に比べて1割増えた。新規死者数は4日連続で1000人を超えた。
感染の再拡大で重症者も増えた結果、各地でICU不足に直面している。英オックスフォード大の研究者らでつくるアワー・ワールド・イン・データによると、ICU患者数(7日移動平均)は23日時点で約2万3000人。この1カ月で3倍となり、1月のピーク時の8割の水準に迫っている。
米保健福祉省(HHS)によると、25日のICU占有率は79%。このうちコロナ患者は30%を占める。救命救急に関する米学会の調査では、2010年のICU占有率は67%だった。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、南部テキサス州やフロリダ州、ジョージア州などでICU占有率が9割を超える。全米で最大の人口を抱える西部カリフォルニア州も8割近い。
米家電大手ワールプールや英食品・日用品大手ユニリーバが増産投資を発表した。輸出の8割が向かう米国の経済が好調に推移し、2020年7月に北米で新しい通商協定が発効したのも大きい。ただメキシコの左派政権は民間企業による投資誘致や保護に熱心とはいえず、持続性に懸念は残る。
7月の外食売上高(全店ベース)は前年同月比2.1%増と6月(0.1%増)から増加率が拡大した。ただ、2019年7月比では13.7%減と新型コロナウイルスの感染拡大が響く。足元でも緊急事態宣言の対象地域が拡大され、外食需要の本格的な回復はさらに遠くなりそうだ。
業態別では、「ファーストフード」が8.6%増と3月以降、5カ月連続で前年実績を上回った。19年7月比でも3.9%上回った。東京五輪の開幕による「巣ごもり」で持ち帰りや宅配需要が伸びた。日本マクドナルドホールディングスの7月売上高は月間売上高として過去最高を更新した。
一方、夜の酒類提供を営業主体とする居酒屋は厳しい状況が続く。「パブ・居酒屋」は前年同月比38.5%減と2カ月連続で前年を下回った。19年7月比では70.0%減と厳しい。
マイナスの債券の残高が世界で再び増加している。7月には2兆8000億ドル(約300兆円)増と単月としては5年ぶりの伸びとなり、8月も増加が続く。世界経済がコロナ禍からの回復に向かうなかでも「貸し手が利子を支払う」異例の金利の広がりが止まらない。利回りがマイナスでも買う投資家や金融機関には、値上がり益や担保需要など主に5つの狙いがある。
企業の財務監査の重要項目を有価証券報告書(有報)に記載する「KAM(カム)」で、固定資産の減損リスクに関する項目が全体の3割と最多だったことがわかった。あずさ監査法人が2021年3月期の有報などで集計した。新型コロナウイルス禍などを背景に資産に見合う収益性の動向が焦点になっている。プロ野球の集客性など企業や業界特有の記載も目立つ。投資家との対話を深める手段として浸透するかが注目される。
7月の工作機械受注額(確報値)によると、中国向けは303億円と直近ピークの5月から2割減った。ノートパソコンなどの需要が一巡したためで、ツガミやTHKなど関連企業の受注動向にも陰りが出ている。
4~6月の世界貿易量は前年同期比で21.5%増え、2000年以降で最大の伸びとなった。1年前に新型コロナウイルスの流行で急減した反動に加え、経済対策で需要が急回復した。4~6月の貿易量はコロナ前の19年4~6月と比べても4.6%増えた。
4~6月の地域別(輸出指数と輸入指数の合計)では米国が26%増、ユーロ圏が25%増と先進国をけん引した。日本は16%で、輸出が大きく増えたものの、輸入は伸びが鈍かった。20年4~6月は各国の都市封鎖で需要が急減し、物流も寸断した。一方、21年に入ってからコロナのワクチン接種が進み、経済再開の動きが広がった。
ただ、先行きには不透明感が残る。コロナのインド型(デルタ型)の感染急拡大で、供給網や消費マインドに悪影響を及ぼすおそれがある。
また、21年後半は前半に比べ景気回復の勢いが鈍る可能性が高まっている。英IHSマークイットが23日発表した8月の購買担当者景気指数(PMI、総合、速報値)は米国で大きく低下した。5月をピークにサービスなどの需要の伸びが鈍っている。ユーロ圏や英国、日本でも指数は低下した。中国ではコロナ特需に一巡感が出ているほか、コロナ感染が拡大しており、景気に不透明感が出ている。
分野別は製造業や鉱業などの第2次産業が前年同期比で27.9%増、金融・サービス業などの第3次産業が16.9%増と、伸びが大きかった。農業などの第1次産業は6.8%増だった。
メキシコ製造業の主力である自動車の輸出台数は1~7月累計で160万6658台と、前年同期を22%上回った。世界的な半導体不足の影響は残っているものの、米国やカナダ向けを中心に伸びている。
21年通年の実質経済成長率見通しは6.06%だ。7月の公表では5.8%で、徐々に上方修正されている。ただ足元では新型コロナ感染も再び広がり、サービス業の先行きに懸念がある。米ゴールドマン・サックスのアルベルト・ラモス氏は「高いインフレや政策金利の引き上げもあり、下振れリスクがある」と指摘している。
「中国は起業家精神に非常にあふれた社会だと考えられるため、より長い目でみると私は中国に悲観的ではない」と発言。「確かに中国政府はルールや規制を強化しているが、成長や発展に歯止めをかけたい考えだとは全く思わない」 「ただ、米国や他の経済に対する方が私はやや楽観的だ。だから、むしろ比較の問題だ」と語った。中国は閉鎖的になるほど、人工知能(AI)などの分野で競争力が低下するとみている。
「来年とその後数年は米国債の供給が減るだろうという事実は低利回りの強い要因だ。米国や債券市場への外国からの大量投資もそうだ。米国債と米国資産への支持は極めて強力であり、従ってドルも引き続き好調だと思う」とピーターズ氏は語った。これは株式にとっても朗報だ。 「債券の低利回りが株式のアウトパフォーマンスを支えるという共生の関係にある。利回りの低位安定環境は全体的な成長を支え、恐らく企業利益にもプラスであり、幅広いリスク資産を押し上げるだろう」とも同氏は話した。
シティグループをロンドンで提訴したのは、ミラノに本社を置くバー・キャピタル・パートナーズ。2020年3月に2億2400万ユーロ(約290億円)のローンでのデフォルト(債務不履行)をシティに強いられた上、関連資産をシティが同行のトレーディング部門に売却したとして訴えている。訴状によれば、この清算プロセスはシティにとって利益相反になると同時に、同ファンドにとっては他の買い手候補からより良い条件でオファーを受ける機会が失われ、負担が一段と大きくなったとしている。
8月の独企業景況感指数は99.4と、前月の100.7(改定値)から低下した。ブルームバーグのエコノミスト調査での予想より大きな落ち込みとなった。期待指数も低下したが、現況指数は上昇した。Ifoのクレメンス・フュースト所長は「製造業の中間材に関する供給のボトルネックとコロナの感染者数増加が景気の足かせとなっている」と発表資料で指摘した。
5年物の利回りは、今月の低水準から約20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。イールドカーブの他の部分に対する5年物の2月からのアンダーパフォーマンスが続いている。
ジャクソンホール会合ではパウエル議長が、最終的に金融緩和を縮小させる道筋についての手掛かりを示すと見込まれているが、議長がタカ派に傾く可能性を市場はほぼ排除しているようだ。
ドライク・ガービー氏らINGのストラテジストによれば、2年債および10年債と5年債の動きの差は、「未実現の」利回り上昇余力があることを示唆する。「よりバランスの取れたポジショニングに伴い、市場金利がより高い水準を試し始める余地がある」とし、利回り上昇は「恐る恐るではあるかもしれないが、最も抵抗の少ない軌道のように思われる」と述べた。
ジェフリーズ・インターナショナルのストラテジスト、モヒト・クマール氏によれば、モメンタムとボラティリティー、キャリーに基づくアルゴリズムは米国債のロングポジションを解消してきている。つまり、パウエル議長が債券購入縮小をいつ開始するかについて明確なシグナルを送ることを避けたとしても米国債の下落は続く可能性がある。
設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が予想外に前月比変わらずとなり、資本財投資の足踏みを示唆した。前月までは4カ月連続で増加していた。コア資本財の出荷は1%増加し、予想を上回った。前月は0.6%増だった。耐久財受注の減少は民間航空機・同部品の大幅減を反映している。
民間航空機・同部品は49%近く減少した。6月は4.7%増、5月は50.7%増だった。米ボーイングは7月に31機の受注を獲得したが、前月の219機から急減した。ただ、前月比ベースの耐久財受注は直接これが反映されるとは限らない。
変動の激しい民間航空機以外の受注は強弱まちまちだった。通信機器と電子機器が減少した一方、自動車・同部品や金属、機械は増加した。
受注残と在庫は共に6カ月連続で増加。供給ボトルネックの継続とリードタイム(発注から納品までに要する時間)の長期化を浮き彫りにした。
人民銀はコロナ禍を受けた米国による異例の刺激策がインフレ急進を招くとして米金融当局の見解よりもはるかに強い懸念を示している。
中国当局は2016年のように以前なら制限や禁止措置で資本流出にブレーキをかけることができた。だが、それは資金を国内にとどめることが主な目的であり、世界の投資家を国内に閉じ込めることが狙いではなかった。市場の開放は56兆ドル(約6144兆円)規模の中国金融セクターの近代化にとって極めて重要であり、中国当局はその流れを反転させることには消極的だ。
強力な資本規制が講じられる可能性が低く、中国が金融政策の自主性を追求し、米国が金融緩和の縮小に向かうのに逆行して緩和を進めるとすれば、人民元安がその答えになるというのがアナリストの見方だ。
一方で人民元相場が下落すれば、ドル建ての負債を抱え既に資金難にある中国企業には一段と圧力が加わるとともに、15年の事実上の元切り下げ後と同様の資本流出につながるリスクもある。
人民銀は最新の四半期金融政策執行報告で、米国ではパンデミック以降でマネーサプライ(通貨供給量)と国内総生産(GDP)の伸びに大きな差が生じており、主要国の中で「最も深刻な」インフレリスクに直面していると分析。易綱総裁はマネーサプライの拡大と名目の経済成長率を合致させることを目指す考えを示した。
人民銀は今月9日に公表した金融政策執行報告で、「大量の通貨は必然的にインフレを招く」と指摘。マネーサプライの急速な伸びは「金融規律の破壊」につながるとし、日米欧の中銀の政策は不利な副作用をもたらすとした。
●市況
日経先物(大証)27790、ダウ先35389、債先152.11、米1.349、独▲0.4200、仏▲0.067、西0.300、伊0.658、原油68.00、ドル円110.00、墨ペソ20.22、トルコリラ8.3816、墨CDS92
※8/26 8時00分頃
備忘録(8/24)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
開発中の新型コロナウイルス治療薬について、2022年3月末までに国内外で1000万人分の生産体制を整える方針を明らかにした。同社の新薬候補は軽症者などを対象とした飲み薬タイプで、実用化できれば在宅で療養する患者が使いやすくなる。国内向けに加えて海外供給にも取り組み、海外製薬会社が先行する治療薬で安定供給を目指す。
1キロメートルあたりの1日の平均通過人数(輸送密度)が2千人未満の線区の2020年度の営業損益を公表し、14路線の19線区すべてが赤字だった。赤字額の合計は66億円だった。新型コロナウイルス感染拡大や豪雨の影響で乗客が大幅に減少したことなどが響いた。
9月に国内線25路線の736便を減便すると発表した。9月の運航率(2020年度事業計画比)は66%と、12日の前回発表時から3ポイント悪化する。
●その他産業
新型コロナウイルスのワクチン普及で経済再開が進み、インターネット通販は伸びが鈍化した。集客のため各社が力を入れるのが実店舗の強化だ。オンラインの機能を融合した店舗や、修理などのサービス需要に対応した実験店が相次ぐ。専門店とタッグを組んで既存店の訴求力も高め、ネット通販の拡大で取り込んだ若者など新規顧客をつなぎ留める。
ベストバイは、テレビや大型の白物家電などのオープンボックス(返品された商品)を取り扱うアウトレットの実験店を新設。年末商戦前には、物流センターの一区画にライブ販売専用の店舗を設ける。通常の店舗と同様の商品と専門知識を持つスタッフを備えた上で、消費者がインターネット上からアクセスする「バーチャルストア」として運営する。
ベストバイの5~7月期決算は、オンライン売上高が前年同期比28%減と鈍化が鮮明になった一方、既存店売上高は20%増と実店舗の好調ぶりが目立った。経済の正常化が進むなか、バリーCEOは「実店舗とデジタルを継ぎ目なく使い分けることが、(コロナ後の)新たな消費形態のなかで不可欠になる」と強調する。
米百貨店最大手メーシーズはメーシーズの通販サイトにトイザラスの販売ページを設け、22年には全米400カ所のメーシーズ店内にトイザラスの売り場を開設する。
ディスカウントストア大手のターゲットも年末商戦をにらみ、年内に店舗内のディズニーストアを現在の3倍にあたる160店超に増やす。
アマゾン・ドット・コムも実店舗に進出する。米メディアは19日、アマゾンがオハイオ州とカリフォルニア州で大規模小売店を出店する計画を報じた。
米調査会社コアサイト・リサーチによると、21年にはすでに前年から4割増の3344店舗の開店が決まっており、閉店予定の2649店を上回る。コロナ禍で倒産や休業が相次いだ20年からの実店舗の復調は鮮明だ。一方、調査会社eマーケターは、21年の米国のネット通販売上高は前年比18%増の9330億ドルになると推計する。伸び率は20年の32%から14ポイント縮小する見通しだ。
部品会社に卸す鋼材の2021年度下期(21年10月~22年3月)の価格を、21年度上期(21年4~9月)と比べ1トンあたり2万円程度引き上げる。値上げは2年ぶりで、値上げ幅としては10年度以降で最大だ。新型コロナウイルスからの世界経済の回復に伴う資源高の影響が幅広い分野で広がってきた。
●決算関連
売上高は同20%増の118億4900万ドル、純利益が前年同期比70%増の7億3400万ドル(約800億円)だった。雇用情勢の改善などで消費が増え、デジタル家電の販売が好調だった。コリー・バリー最高経営責任者(CEO)は「出社と在宅を組み合わせる『ハイブリッド型』の勤務が広がるなど米国人の生活様式が急激に変わり家電需要に反映した」と指摘した。ライフスタイルの変化は大規模な取り付けサービスの利用増にもつながった。
●マクロ・その他
中南米で新型コロナウイルス新規感染者数が減少傾向にある。6月時点で世界全体の42%を占めていたが、足元では13%以下に落ち込んだ。感染力の高いインド型(デルタ型)が流入し、ワクチン接種が遅れる中での現象に注目が集まっている。
7月の伸銅品生産量(速報)が6万5710トンと前年同月比48.8%増えたと発表した。自動車や半導体向けの需要が引き続き好調で、7カ月連続で前年を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大で前年に生産が急減した反動で、大幅な伸びが続く。
3兆5000億ドル(約380兆円)の予算決議案を可決した。民主党内で意見対立があったが、ホワイトハウスからの圧力や今後の手順を巡るペロシ下院議長の確約を受け、バイデン大統領が掲げる経済政策課題の前進に向け民主党議員が結束した。
新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比1%増の70万8000戸
販売価格の中央値は過去最高の39万500ドル-前年比18.4%上昇
昨年の住宅購入急増につながった低金利の追い風もあり、建設業者は需要に応えきれていない。結果的に価格が急騰し、住宅は多くの消費者の手に届きにくくなっている。
売りに出されていた物件は36万7000戸に増加。内訳を見ると、完成物件は10%未満にとどまり、29%近くは未着工。建設中の物件は約22万6000戸と、2008年以来の高水準だった。
アフガンには推定1兆ドル(110兆円)を超える価値があるとされる鉱床があり、リチウム埋蔵量は世界最大の可能性がある。問題は実際に採掘できるかどうかだ。
中国政府が示しているような楽観的な見通しもある。つまり、タリバンが各軍閥も取り込んだ「インクルーシブ(包摂的)」な政府を樹立し、女性や少数民族に最低限の基本的人権を認め、米国や中国、インドなどを攻撃しようとするテロ組織と戦うというシナリオだ。
2020年まで中国人民解放軍の大佐だった周波氏は、米紙ニューヨーク・タイムズへの21日の寄稿で「米国の撤退により、中国はアフガンが最も必要としている政治的公平性と経済的投資を提供できる」と指摘。「そしてアフガンには中国が最も重視するものがある。中国が最も得意とするインフラや産業構築の機会、1兆ドルの未開発鉱床へのアクセスだ」と記した。
タリバンは国際社会に対し、過去に行った圧政からの変化を訴えており、あらゆる国からの投資を受け入れ、アフガンが再びテロの温床になることは許さないとしている。かつてアフガン大使として中国とパキスタンに駐在したジャナン・モサザイ氏は、タリバンが「有言実行」に本気であることを証明できれば、「アフガン経済が飛躍する非常に大きなチャンスがある」と語る。しかし、先行きを楽観する声は多くない。アフガン情勢を巡ってはすでに、タリバンによるジャーナリスト殺害や少数民族の虐殺、抗議行動に対する暴力的弾圧、戦闘員との強制結婚を巡る報告がいくつも出ている。
●市況
日経先物(大証)27780、ダウ先35315、債先152.28、米1.299、独▲0.4710、仏▲0.124、西0.241、伊0.572、原油67.42、ドル円109.72、墨ペソ20.21、トルコリラ8.4176、墨CDS94
※8/25 8時45分頃
備忘録(8/23)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
今回、FDAは16歳以上への2回の接種を正式に認めた。FDAのウッドコック局長代行は声明で「(正式な承認により)人々はこのワクチンが安全性、有効性、品質について高い基準を満たしていると確信できる」と述べた。12~15歳を対象とする接種や、免疫力の低い人を対象にした3回目の追加接種(ブースター接種)は、緊急使用許可に基づき引き続き認められる。
バイデン米大統領は23日、ホワイトハウスで演説し、正式承認について「重要な一歩だ。きょうワクチンを受けるときだ」と述べ、未接種の国民に接種を呼びかけた。企業に対しても「従業員に対する接種要請を一段と進めてほしい」と訴えた。
既にグーグルやフェイスブック、マイクロソフトなどのIT(情報技術)大手のほか、米食肉大手タイソンフーズも従業員にワクチン接種を義務付けている。ユナイテッド航空は従業員に対し、正式承認から5週間以内にワクチン接種するよう求めている。ただ米調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの7月の調査によると、従業員にワクチン接種を義務付けると回答した企業は3%未満にとどまり、義務化が広がる余地は大きい。
ワクチンの安全性に不安を持つ層への心理的な影響も大きい。米疾病対策センター(CDC)によると、米国で少なくとも1回接種した人の割合は61%で、ワクチン接種を拒否している人の割合は16%という。カイザー・ファミリー財団(KFF)の調査では、未接種者の10人に3人が正式承認されればワクチンを接種すると答えた。
がん治療薬を開発する米トリリウム・セラピューティクスを約22億6000万ドル(約2500億円)で買収すると発表した。トリリウムの新薬候補を取り込み、がん治療分野で新薬候補の品ぞろえを強化する。新型コロナウイルスのワクチン販売で得た豊富な手元資金を活用し、将来の収益多角化につなげる。ファイザーは2020年、トリリウムに2500万ドルを出資していた。今回、トリリウム1株あたり現金18.50ドルを支払い、残る全株式を取得する。トリリウムの株主やカナダ当局の承認を待ち、手続きを完了する。
ナイジェリアのスタートアップ、オーペイはソフトバンクグループ(SBG)傘下のビジョン・ファンドなどから4億㌦(約440億円)の資金を調達した。オーペイの企業価値は20億㌦と評価された。ビジョン・ファンドによるアフリカ企業への投資は初めて。
オーペイによると、同社は携帯での支払いや食品の買い物などのプラットフォームを提供し、数百万人のユーザーを持つ。月間の決済額は30億㌦を超えるといい、アフリカだけでなく中東にも進出する計画だ。
●その他産業
公募増資や需要に応じた追加売り出し(オーバーアロットメント)により、最大で計3519万株の新株を発行する。最大で現在の発行済み株式数の2割強に相当する。
自動車など製造業向けや建設工事向けの需要が伸び、5カ月連続で前年実績を上回った。
建材など用途が広い普通鋼の生産量は612万1千トンと25.6%増えた。自動車部品など製造業向けが大半の特殊鋼も61.0%増の188万6千トンと大幅に拡大した。一方、鋼材需要の伸びをけん引してきた自動車向けは、半導体不足に新型コロナウイルスの感染再拡大による部品調達難が加わり、先行きへの不透明感が広がっている。
テクノロジー産業のサプライチェーンにおいてマレーシアは従来、台湾や韓国、日本ほどに重要な存在ではなかった。しかし近年、インフィニオン・テクノロジーズやNXPセミコンダクターズ、STマイクロエレクトロニクスなどが工場を構えるなど、半導体製品の検査や加工では主要拠点として台頭してきた。
新型コロナ感染の急速な拡大を受け、ロックダウン(都市封鎖)措置を解除して生産能力を完全回復させる計画は危ぶまれている。6月下旬には5000人強だった1日当たりの新規感染者(7日間移動平均)は2万人を突破。23日に報告された新規感染者数は1万7672人にやや減少した。
マレーシアの非公式ガイドラインでは、従業員のコロナ感染者が3人を超えた工場は最長2週間、衛生管理のため完全に操業を停止しなくてはならない。自動車向け半導体の主要サプライヤーであるSTマイクロとインフィニオンは施設閉鎖を余儀なくされた。
●決算関連
中国ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)が23日発表した2021年4~6月期決算は、営業利益が3億元(約50億円)と前年同期比94%減少した。物流関連や販促費などの投資拡大が重荷となった。政府によるネット統制が強化されるなか、規制に対応するためのコストも増加しているとみられる。
●マクロ・その他
米国の指数は5月(68.7)にコロナ後のピークをつけてから3カ月連続で低下し、市場予想(58.3)も下回った。内訳ではサービス業が4.7ポイント低い55.2と落ち込みが大きく、コロナ感染の急拡大で需要の伸びが弱まった。
供給面の制約で需要増に応えられず物価の上昇圧力も続いている。IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン氏は「調査開始以来、供給網の遅延が最悪で、人手不足への不満も高まっている」と指摘する。
タリバンが外国軍のアフガニスタン駐留について、31日までとする期限の延長を認めない方針を示していることが分かった。外国人やその協力者の退避が一層難しくなる懸念がある。ジョンソン英首相は24日に開く主要7カ国(G7)首脳会議で米軍の撤収を遅らせるよう求める見通しだ。
7月の中古住宅販売件数は季節調整済みの年率換算で599万戸と、前月比2.0%増加した。増加は2カ月連続で、前年同月比では1.5%増だった。高級住宅を中心に堅調な情勢となっている。
販売価格(中央値)は35万9900ドル(約4000万円)で、前月と比べて0.8%下落した。前月からの下落は6カ月ぶりだが、前年同月比で見れば18%の上昇で、依然として価格は高水準だ。NARのエコノミストは「高級住宅の販売増が目立つ」と指摘した。
今回の感染拡大は、7月20日に江蘇省南京市の空港で感染者が確認されたことから始まっている。8月10日には10あまりの省に感染が広がった。他国はデルタ型と共生しようとしているが、中国は大規模な検査と徹底的な隔離を組み合わせた厳格な対策で感染拡大を封じ込めようとしている。
陽性者はたとえ無症状であっても、すぐさま病院に運ばれる。
政府は市や省をまたぐ不要不急の移動を制限し、感染拡大が最も深刻な南京市と河南省鄭州市は新学期の開始を遅らせた。米金融大手のゴールドマン・サックスが開発したロックダウン(都市封鎖)の指標によると、中国の現在の行動制限は20年4月に匹敵する厳しさだという。(携帯電話のデータなどに基づいて)濃厚接触者と判断された場合はもとより、濃厚接触者の濃厚接触者も例外なく隔離される。
中国のオンライン旅行プラットフォーム、航班管家(フライト・マスター)によると、空港稼働率は8月12日時点で38%にとどまっている。香港の調査会社ギャブカル・ドラゴノミクスの崔爾南氏は、感染拡大が最も深刻な12都市の渋滞量中央値が感染前の基準値を12%下回ったと指摘している。
21年通年のGDP伸び率の予測を引き下げる動きも見られる。それが現実のものとなれば、住宅購入規制が続いたとしても、中国人民銀行(中央銀行)が追加緩和に動く理由となりそうだ。
中国にはデルタ型の感染拡大を抑え込む強大な力がある。加えて、感染を抑え込まなければならないという動機も強い。
ゴールドマン・サックスによると、ワクチン接種率では中国が格段に上回っているにもかかわらず、中国で何らかの免疫を獲得している人の割合はインドだけでなくインドネシアすら下回っているという。仮に中国が対策を緩め、欧米で一般的な感染率を容認すれば、重症患者数が増えて警戒すべき水準に上昇しかねない。
ティグループ・グローバル・マーケッツは米景気回復に加え、米金融当局によるテーパリング(債券購入の段階的縮小)が見込まれることから、米10年債利回りが2021年末までに2%に上昇すると予想。利回り上昇を見込むポジション構築を勧めた。
シティのストラテジスト、ジャバズ・マタイ氏は同時に、中国経済の弱さが利回りを押し下げる可能性があるとして、「短期でアウトオブマネーのドル・人民元プットを売る」ことでヘッジする案を示した。
焦点となっているのは3兆5000億ドル規模の予算決議案と5500億ドル規模の超党派のインフラ包括法案に関する下院審議のタイミングだ。 進歩派は自らが優先課題として掲げる項目を多く盛り込んだ予算決議案を下院が取り上げ、インフラ包括法案の可決を先送りすることを求めている。一方、穏健派はインフラ包括法案をすぐに可決したい考え。23日の早い段階で、双方とも立場を変える意向はなさそうだ。
米国防総省はすべての軍人のワクチン接種を義務化する方向だ。ニューヨーク市とニュージャージー州では、公立学校の教職員にワクチン接種を義務付ける。
中国は浙江省杭州市の共産党トップを重大な規律違反の疑いで調査している。同市にはアント・グループやアリババグループが本社を置いている。
中国紙の澎湃に掲載された「中国基金報」の記事によれば、ソーシャルメディアで週末、昨年11月に予定されていたフィンテック企業の新規株式公開(IPO)前に周書記の家族がこの会社の株式を購入したとの投稿がなされた。この投稿は具体的な企業名を挙げず、後に削除されたという。
●市況
日経先物(大証)27640、ダウ先35343、債先152.38、米1.253、独▲0.4820、仏▲0.135、西0.229、伊0.580、原油65.69、ドル円109.69、墨ペソ20.31、トルコリラ8.4284、墨CDS94
※8/24 8時40分頃
備忘録(8/19)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
厳しいのが地方会社だ。限界企業とされるJR北海道は足元の資金繰りこそ公的な助成で持ちこたえるものの、会社の中身を子細にみると「これがはたして持続可能な事業体か」という疑問が浮上する。「JR北の給与水準は(財政破綻した)夕張市役所より低い」と述べ、20~30代の社員を中心に地元の市町村役場などに転職する人材が後を絶たないという。JR北の最後のベアは01年。それ以降、待遇は改善せず、将来展望も明るくない。
そこで若手の自己都合退職が加速し、20年度は183人に及んだ。同年度の新卒採用は250人で、その7割に当たる社員が会社を見切って辞めたのだ。新人を採るそばから若手が辞めていく会社は存続そのものが危うい。
土俵際に追い込まれた鉄道会社に必要なのはタブーなき改革である。
一つはデフレ下で事実上の禁じ手だった値上げだ。私鉄の雄の東急は消費税改変時などを除いて4半世紀ぶりの値上げに向け、国交省との調整を始めた。
ダイナミックプライシングも有力な選択肢だ。収入の総額は変わらないとしても、需要の山を下げることで設備量と固定費を圧縮できる。
乗客減に歯止めのかからないローカル線は輸送モードの転換を考えたい。JR東は東日本大震災で被災した三陸の路線の一部を小回りの効くBRT(バス高速輸送システム)に転換し、地元で評判がいい。豪雨で寸断された只見線の一部は、福島県など沿線自治体の負担でインフラを管理保有し、それを運行主体のJR東に貸し出す「上下分離」を採用する。
英国の競争・市場庁(CMA)は報告書で、買収によってアームが囲い込まれる状態になり、「エヌビディアの競合企業の競争力が損なわれる懸念がある」と言及した。自動運転やゲームなど様々な産業のイノベーションを妨げる可能性があるとも指摘し、英政府のさらなる調査は妥当だとした。デジタル・文化・メディア・スポーツ省は20日、「調査を次の段階に進めるかどうかは適切に判断する」とコメントした。
7月の日本発の航空貨物輸出量(混載貨物ベース)は、9万8685トンと前年同月比81%増えた。プラスは8カ月連続。 新型コロナウイルス禍前の19年7月と比べても29%多い。クリスマス商戦に向けた在庫積み増し需要が発生し、高水準の荷動きが続いている。方面別では、輸送量シェアで約2割を占める米国向けが同2.3倍と全体をけん引した。
クーパンは6月の物流センター火災を受け、労働環境について組合や顧客から新たな批判に直面している。火災後のボイコットもあり、クーパンのアプリはデーリーユーザー数が一時70万人余り減少する日もあった。キム氏がグローバル経営に専念するためクーパン取締役会の会長を辞任するとの発表が火災事故当日と重なり、責任を逃れるためだとの見方が広がったことも油を注いだ。
クーパンの先行きは、物流センター火災と消費者態度の変化が事業に打撃を与えるかどうかに左右されそうだ。4-6月(第2四半期)決算では赤字が拡大した。火災の影響に加え、国内外での事業拡大に多額の資金を投じたことが響いた。株価は上場以来、18日までに7.5%下落している。
●その他産業
中国の鉄鋼4位の鞍鋼集団が同11位の本鋼集団を子会社化する。両社の粗鋼生産量を単純合算すると年5555万トンと中国2位、世界3位となる。中国政府は鋼材市況の安定にむけて過剰能力の削減を求めており、子会社化により両社で設備の統廃合にも対応しやすくする。
重工3社の2022年3月期のフリーキャッシュフロー(純現金収支、FCF)の合計は2期ぶりに黒字になる見通しだ。自動車部品などの販売回復に加え、資産売却や在庫圧縮などで資金効率が改善する。ただ、航空機関連事業の低迷などで新型コロナウイルス禍前の水準には届かない。稼ぐ力の回復に向けて一段の合理化が欠かせない状況だ。
電気自動車(EV)「シボレー・ボルトEV」の約7万3千台を追加でリコール(回収・無償修理)すると発表した。同社は7月下旬、同車種について約6万8千台のリコールを届け出ていた。バッテリーの欠陥により発火するリスクがあるという。追加のリコール費用は10億ドル(1100億円)を見込む。
●決算関連
●マクロ・その他
協議ではアフガンに残る欧米の自国民や欧米に協力したアフガン人の緊急退避策が主要議題となる。イスラム主義組織タリバンを政権として認めるための条件なども議論されそうだ。
長い平和の後に突如として内戦状態に陥る国は少なくない。この10年でもシリア、リビア、エジプトなどが戦乱に見舞われた。そうした国々では平穏だった時代にも、行政の腐敗など安定を脅かす要因が多かったことがわかっている。国際シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が算出した指数は近年のアジアの新興国の不安定性の高まりを浮き彫りにしている。
「資源ナショナリズム」が再燃し始めた。資源高の恩恵をより多く自国に取り込もうと、外資が多い鉱山会社への大幅な増税案などが南米やアジアで議論されている。脱炭素の流れが強まり、発電設備に必要な銅などが高騰しているからだ。一方、政策の不確実性から鉱山会社は増産に向けた投資に踏み出しにくくなっている。需給逼迫で銅などの価格がさらに上昇すれば、結局は「脱炭素の停滞」というパラドックスに陥る恐れがある。
アフガンと70キロメートル以上にわたって国境を接する中国は中国国外を拠点とするウイグル独立派組織「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」の流入に警戒を強めている。中国はアフガンの復興に向けて経済協力をする代わりにテロ対策の徹底を求める。
中国外務省の華春瑩報道局長は19日の記者会見で、タリバンは「前回政権を担った時と比べてより冷静で理性的だ」と評価した。「穏健な政策の実行を望む」と期待も示した。タリバンに懸念を示す米欧を念頭に「(タリバンの)過去だけでなく、現在の様子を見なければならない」と主張した。
株式市場では消費関連が敬遠される一方、「インフレ耐性」が期待できる不動産投資信託(REIT)市場には資金が集まる。米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)の準備を進めるなか、その動向をにらみつつ投資戦略の見直しが進んでいる。
習近平国家主席が格差是正を目指す中、国営メディアが論説や記事でこぞって消費者保護のための監視強化を呼び掛けた。20日には世界の投資家が中国本土株約10億ドル(約1100億円)相当を売却、米市場で取引される中国企業株の下げも続いている。
米疾病対策センター(CDC)が発表したコンセンサス予測によれば、コネティカット州とマサチューセッツ州では恐らくピークに達している。一方、ニューヨーク州とニュージャージー州では感染拡大が続くとなお予想される。
コーネル大学医学部とニューヨーク長老派教会病院の感染症責任者、ロイ・ガリック氏は電話で、「増加は継続しているが、北東部でのこれまでの感染拡大で見られたレベルには至っていない。一部のモデルは9月下旬、10月上旬まではピークを見ないことを示唆しているが、もちろん確かなことは分からない」と語った。
イエレン長官の支持はパウエル議長を大きく後押しすることになる。議長時代の4年間を含めて連邦準備制度での経験が豊富なイエレン氏のバイデン大統領への助言は貴重だ。また、同長官は12年にFRB理事となったパウエル氏と共に直接仕事をしたこともある。
英国の小売売上高は7月に予想外の減少となり、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中だった1月以来で最大の落ち込みとなった。急速な景気回復が腰折れしつつある可能性が示唆される。
熱帯暴風雨「アンリ」が同日午後、東部ロードアイランド州に上陸したと発表した。
同州とニューヨーク州など北東部で強風や豪雨が予想される。AP通信によると、ロードアイランド州などで10万世帯以上が停電した。
●市況
日経先物(大証)27250、ダウ先35065、債先152.38、米1.255、独▲0.4950、仏▲0.148、西0.212、伊0.547、原油61.86、ドル円109.79、墨ペソ20.35、トルコリラ8.4942、墨CDS94
※8/20 NY引け値
備忘録(8/19)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
19日の通常取引が始まる前のブロックトレードで、ドアダッシュ株1140万株を182.95ドルでオファーしたという。
●その他産業
FTCは19日、米フェイスブックを反トラスト法違反の疑いで再び提訴した。バイデン政権下で巨大IT企業に法的措置を講じるのは初めて。競合する恐れのある画像共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」といった新興企業を相次いで買収し競争を阻害したとして、両事業の売却を求めた。
半導体大手は需要に応じるため原材料などの積み増しに動いており、大手9社が抱える直近四半期の棚卸し資産は過去最高に達した。ただ顧客が必要量以上の発注を出す動きもあり、実需が読みづらくなっている。
米機械大手のディア社との業務提携を解消すると発表した。日立建機は折半出資するディア日立(ノースカロライナ州)の持ち分をディアに譲渡し、22年2月末に提携を解消する。売却額は明らかにしていない。1988年に始めた米州での合弁事業を解消し、好採算の販売・サービスを自ら手掛けて収益を高める。これまで合弁会社が油圧ショベルなどを製造する一方、部品交換などのサービス事業はディアが担当していた。
鋼材の輸出量を自主的に削減するよう輸出企業に指導すると発表した。国内市況の安定につなげるほか、「営利目的の輸出を制限し、国際的な鋼材価格を乱す原因とならないよう指導する」としている。一方、国際的な競争力の向上のため、高品質な製品の輸出については促進すべきだとしている。中国では足元の鋼材価格が高止まりしており、輸出分を国内に回して価格の安定につなげる。中国から日本や東南アジアへの供給が細り、各国の市況に影響を及ぼす可能性もありそうだ。
世界鉄鋼協会によると、20年の中国の鉄鋼製品の輸出量は約5100万トンだった。世界全体の輸出量の1割強を中国製が占める。日本の鋼材輸入量に対する中国製の比率は建材などを中心に全体の1割程度にとどまるものの、世界的に鋼材需給が逼迫する中、海外からの調達難に拍車がかかる可能性もある。
2002年1月以来、約20年ぶりの高値をつけた。ドイツでブロードバンド契約やデータ通信使用量が増えたほか、傘下のTモバイルUSが米国で契約を伸ばした。新型コロナウイルス下で21年通期の利益見通しを上方修正したことが好感されている。
小売り大手の中には良好な決算を発表した企業もあったが、厳しい業界の行く先に新たな挑戦が立ちはだかっていることが示唆された。
WSJが事情に詳しい匿名の関係者を引用して報じたところによれば、アマゾンは百貨店と競合する立地で実店舗を複数オープンする計画だ。最初はオハイオ州とカリフォルニア州に出店する見通しで、広さは約3万平方フィート(約2800平方メートル) 程度と、典型的な百貨店より若干小規模となるという。
9月の世界生産が当初計画から4割程度減少する見通しを明らかにした。東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足が続いており、9月も国内完成車工場の生産調整を行う。
トヨタ調達本部の熊倉和生本部長はオンラインで、「足元の東南アジアの感染拡大やロックダウンが大きく影響して複数の仕入先の稼働に大きな影響」が出ていると説明。減産の原因は「一言で言えば、コロナ」だと述べた。熊倉氏によると、9月の減産規模はグローバルで36万台、うち国内が14万台で、「当初計画の4割減ぐらい」という。
動画コラボレーション用ソフトを手掛ける新興企業フレーム・io(アイオー)を現金約13億ドルで買収する。
手続きはアドビの2021年度第4四半期に完了する見通し。
●決算関連
5-7月(第3四半期)業績は市場予想を上回り、8-10月(第4四半期)の見通しも明るい内容となった。半導体ブームが堅調を維持すると示唆するものだ。
ゲイリー・ディッカーソン最高経営責任者(CEO)はインタビューで、経済が自動化などへの依存度を高める方向に進む中で、こうした動きは続く見込みだと説明。毎四半期の売上高急増はない見通しだが、長期的な成長が続くと同社は確信している。同氏は「年内いっぱいと来年にかけて力強さが見られるだろう」と述べた。
2021年5~7月期決算は純利益が3億4500万ドル(約380億円)だった。前年同期は4億3100万ドルの赤字だったが、新型コロナウイルスのワクチン接種が進み顧客が店舗に戻ったことで既存店売上高が62.2%増え黒字転換につながった。期間中に獲得した500万人の新規顧客のうち40%超が若年層を中心にデジタル販路の利用客だった。こうした若年層の来店を狙い、新進デザイナーの品ぞろえを増やしたことも衣料品販売につながった。
●マクロ・その他
米メディアによると、バイデン米政権はアフガニスタン政府が米国で保有する約95億ドル(約1兆円)の中央銀行の資産を凍結した。アフガニスタン中銀のアジュマル・アフマディ総裁は18日、ツイッターで「タリバンが利用できる可能性があるのはアフガンが保有する海外の準備預金のうち、おそらく0.1~0.2%程度だ」と述べた。
ドルの調達が難しくなれば政府支出が滞るほか、通貨安でインフレに拍車がかかるおそれもある。医療体制も脆弱ななか、新型コロナウイルスへの対策も一段と後れを取りかねない。
8月の製造業景況指数は、前月から2.5ポイント低い19.4と市場予測(22.0程度)を下回った。低下は4カ月連続だが、緩やかながらも製造業の拡大が続いたことを示した。
個別項目では「出荷」が18.9で5.7ポイント低下した。「受注残」と「入荷遅延」も低下し、材料不足や輸送の目詰まりといった供給制約がやや和らいだ。
一方、「新規受注」は22.8で5.8ポイント上昇したほか、「雇用者数」と「就労時間」も上がった。インフレ圧力は引き続き強く、「仕入れ価格」は71.2に上昇した。「販売価格」は53.9まで上がり、1974年5月以来の高さとなった。仕入れコストの販売価格への転嫁が進んでいることを示した。
米石油会社オキシデンタル・ペトロリアムが発行する5年物社債の国債に対するスプレッドは2.7%と5月以来の高水準圏で推移する。経済活動が停滞した20年11月には8.7%をつけていたが、ワクチン普及に伴い21年7月上旬には1.7%まで縮小していた。足元で再び拡大基調にある。
アメリカン航空グループの5年債は6月の5.5%を底に足元では7.1%まで拡大している。クルーズ船大手の米ロイヤル・カリビアン・クルーズも6月末の3.6%から3.7%に広がった。
業種別にみると特徴が鮮明だ。消費サービスのシングルBの5年物社債の平均スプレッドは6月下旬の2.9%から7月中旬には5%超まで急拡大。エネルギーも4%近辺から足元では5.3%となっている。SMBC日興証券の下里裕吉シニアクレジットマーケットアナリストは「コロナ禍で脆弱な業種を中心に低格付け債から資金が引き揚げられつつある」とみる。
テーパリング自体も、FRBはコロナ禍で買い入れた社債の売却を6月からすでに進めており、直接的な影響は小さい。それでも緩和縮小は市場心理の悪化につながる。14年のテーパリング期間中にはスプレッドは4%から5%近辺に広がり、15年末に利上げが始まると9%近くまで急拡大した経緯もある。
ジョージ・ソロス氏のような影響力のある投資家が中国エクスポージャーを縮小し、キャシー・ウッド氏の「アーク・イノベーションETF(上場投資信託)」はもはや中国株を保有していない。
米証券取引委員会(SEC)への四半期報告、いわゆる「13F」によれば、中国株で多くの投資家が損失に見舞われた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のファンドマネジャー調査では、中国株の下落を見越した取引が重視されていることが判明。ロンドンでは投資会社マーシャル・ウェイスの共同創業者ポール・マーシャル氏が「中国企業の米国預託証券(ADR)は今や、投資不可能と言える」との認識を示した。
中国政府は所得の規制や再分配を含む「共同富裕」を目標に掲げ、この実現を脅かす業界を標的としており、世界のファンドマネジャーは巨額の損失に直面。MSCI中国指数は米S&P500種株価指数に対し2005年以来の安値水準となっているにもかかわらず、売りは今週も続いている。
BofAの最新ファンドマネジャー調査によると、約11%の投資家が「中国株に対するショート(売り持ち)」をマネーが最も殺到する取引と見なし、約16%が今は「中国の政策」が最大のリスクだと答えた。7月時点で中国の政策をリスクだとしていた回答はほぼゼロだった。
中国株売りが意味するのは、時価総額ランキングでの中国企業の後退だ。上場企業で世界のトップ10入りしている中国企業は今や10位のテンセント・ホールディングス(騰訊)だけで、米ビザに追い抜かれそうな状況にある。
一方、中国株の下落を好機と捉える投資家もいる。アバディーン・スタンダード・インベストメンツのアジア部門会長を務めるヒュー・ヤング氏によれば、同社はテンセント株を押し目買いし、他の中国大手テクノロジー銘柄も大半の保有を続けている。中国では「戦略的に何も変わっていないと思う」と同氏は述べ、規制は責任あるプレーヤーに恩恵をもたらすと指摘した。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のエリック・バルチュナス氏によると、中国当局の次の動きを巡る不確実性が同国株に打撃を与え続けているため、押し目買い投資家は気力を失い始めているようだという。バルチュナス氏は「一部の投資家は限界に達している可能性が高い。今頃はもう相場が反転していると多くの人が考えていたと思うが、そうならなかった。正直なところ、彼らが踏みとどまっていたことには感心したが、中国は米国ではない」と指摘した。
中国の金融当局は流動性危機の回避に苦慮する中国恒大集団に対し、債務問題の解決を求め、「虚偽」の情報を流布しないよう叱責した。当局が監督下の機関を公に戒める例は少ない。
中国株が引き続き低迷を深める中で、中国銘柄に特化した米上場投資信託(ETF)からも投資資金が引き揚げられている。運用資産49億ドル(約5400億円)の「クレーンシェアーズCSIチャイナ・インターネットETF」は今週に入り、3日連続で資金流出入が出超となり、5週連続となった純流入が途切れる方向にあることがブルームバーグのデータに示されている。
バイタル・ナレッジの創業者のアダム・クリサフルリ氏は中国規制当局の引き締めについて「弱まる兆しは見えず、これが引き続き中国のテクノロジー株の重しになっているだけでなく、他市場にもますます波及している」と指摘した。
商品相場は19日に下落し、週間ベースでは2カ月ぶりの大幅な下げに向かっている。経済成長と共に原材料需要の回復が鈍化するとの観測が広がり、金属、穀物、原油が値下がりした。
金属市場は特に、最大の消費国である中国の成長を巡る継続的な懸念や、米金融当局が過去1年間の相場押し上げに寄与した大規模な刺激策を早期に縮小するとの警戒感に圧迫されている。新型コロナウイルスのデルタ変異株の急速な感染拡大で投資家の不安はさらに高まっているほか、最近の予想より弱い米中の経済指標は世界経済の回復が停滞しつつあることを示唆している。
特例加算措置の柱となる連邦政府による週300ドルの一律加算などは「一時的なもので、期限切れは適切だ」と表明。その上で、3月に成立した追加経済対策の基金を使い、地域の判断で加算を延長することができるとした。
手厚い失業給付を巡っては、労働者の職場復帰を阻害しているとの批判が噴出。一方、失業者への打撃が大きいとして特例措置の延長を求める声もあった。
ベトナムは人口約9700万人。感染力が強いデルタ株など変異株の流入で4月下旬以降、急拡大した。ワクチンの接種完了率は17日時点で1.5%にとどまり、ホーチミン周辺では医療体制が逼迫。死者数は国内全体で、連日300人前後で推移している。
●市況
日経先物(大証)27180、ダウ先34816、債先152.40、米1.243、独▲0.4870、仏▲0.142、西0.218、伊0.551、原油63.78、ドル円109.83、墨ペソ20.17、トルコリラ8.5342、墨CDS92
※8/20 9時20分頃
備忘録(8/18)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、「ESGを取り巻く問題」を「法律や規制上のリスク」の一つに挙げた。ESGを巡る課題に社会や政府の監視の目が厳しくなっているうえに、新たに報告義務が加わると、収益に悪影響を与えるリスクが高まる
消毒・洗浄剤メーカーのクロロックスも年次報告書のなかで、気候変動やサステナビリティーといったESG関連の問題が「我々の事業、財務状況、企業活動の成果、会社の評判に悪影響を及ぼすかもしれない」と記した。また、これから投資家がESG対応に応じて投資先を選別する傾向を強めていくことで、同社の「資金調達が妨げられる可能性がある」と加えた。
米雇用サービス会社ADPは、物言う株主の活動が同社の「ESG努力を含めた、事業計画を狂わす可能性がある」と記した。各社の10-Kの分析は、米調査会社インサイダースコアが行った。
2019年の同時期と比べると68%減だ。利用者数は1991年以降では、昨年に次いで2番目に少なく本格回復にはほど遠い。
個別にみると、JR東とJR西では19年比で69%減だ。JR東海は東海道新幹線の1日平均の輸送量が19年比では7割減っている。コロナの感染拡大や大雨の影響で外出を控える動きが広がった。ワクチン接種の広がりなどにより移動や旅行のニーズ需要の高まる可能性もあるが、足元でも緊急事態宣言が延長されており取り巻く環境は厳しい状態が続く。
スカイマークは9月に実施する20億円の増資後、再び1億円に減資することを検討する。資本金が1億円以下であれば税制上の中小企業となり税負担が軽くなる。新型コロナウイルス感染拡大による旅客需要の低迷が続く中、資金繰りの改善を急ぐ。
4-6月期(第1四半期)に米ネットフリックスなど140億ドル相当(約1兆5000億円)の上場株式を売却したもようだ。売却益を人工知能(AI)関連のスタートアップに再投資するなど、資金の循環が顕著になってきている。
「フォーム13F」を基に試算したところ、米フェイスブックやマイクロソフト、アルファベット、セールスフォース・ドットコムなど60億ドル相当、ウーバー・テクノロジーズ、ドアダッシュで40億ドル相当の株式が売却された。
東京に拠点を置く投資調査会社のレッドエキス・ホールディングスのアナリスト、カーク・ブードリー氏は10日付のリポートで「前四半期にはビジョン・ファンドのポートフォリオ企業が上場できる能力を持つことが確認されたが、新しく浮上したテーマはソフトバンクGが現金化を始めているということだ」と指摘した。
●その他産業
「ときわ会」がまとめた7月末時点のH形鋼在庫は、全体で18万8500トンと前月末から8300トン(4%)減った。減少は4カ月連続。2020年12月末以来、7カ月ぶりの低水準となった。小規模の鉄骨造(S造)の建築着工が持ち直しており、問屋や特約店といった流通業者からの出庫が増えた。
自動車や機械、船舶向けの鋼材需要の増加を背景に、日鉄など鉄鋼メーカーの形鋼類の供給余力は限られている。ビルの柱や梁(はり)に使うH形鋼などの出庫量は年後半の需要期に向けて増える見込みで、在庫の減少が続きそうだ。
現在の利用者約780万人の情報のほか、以前の利用者や見込み顧客合わせて4000万人余りの記録がサイバー攻撃により流出したとの調査結果を明らかにした。流出した情報には顧客の氏名、生年月日、社会保障番号、運転免許証などの身分証明書が含まれる。クレジットカードの詳細など金融関連の情報は流出していないもようだという。
10月から中小事業者向けの決済手数料を変更し、手数料率を最低1.6%とする方針を固めた。一般に3~5%とされるクレジットカードの半分以下に抑え、国内のQRコード決済業界では最も低い水準にする。無料で加盟店を囲い込む規模優先の路線が転機にさしかかった。
英銀HSBCホールディングスのマーク・タッカー会長は、地政学的緊張がエスカレートしても中国における機会は「大き過ぎて無視できない」との認識を示した。
また、「中米関係は新たな状況に移行しつつある」と指摘。その上で、「相互のつながりはかなり強力で、どちらかを選ばなければならない事態に至ることはないと考えている」とも発言
●決算関連
68%増収/純利益は3.8倍。
ゲーム部門は85%増収、eスポーツの市場拡大などに伴い、パソコンでゲームを遊ぶ際に使うGPUの販売が伸びた。
データセンター部門は35%増収、クラウドサービスを手掛けるIT大手に納める人工知能計算用の半導体が好調だった。規模の拡大に伴い、伸び率が2倍を超えていた前年同期に比べると成長は緩やかになっている。
自動車部門は37%増収、自動運転向け需要が好調。
8~10月期の売上高はアナリスト予想を上回る前年同期に比べ44%の伸びを見込む。
世界的な半導体不足について「十分な供給量を確保している」として、「来年も成長計画を達成できると考えている」と述べた。
アーム買収について「この取引に自信を持っている」と従来の立場を繰り返した。
5-7は9%増収/7%最終増益。
既存店売上高は8.9%増えた。ネット通販は店舗を拠点にする即日受け取りサービスが好調で10%増加した。ただ、ネット通販の伸び率は新型コロナで需要が急増した前年同期(195%増)から減速。
21年8月~22年1月期の既存店売上高は、事前の予測値の上限となる1桁台後半になる見通し。
CEOは「環境変化が激しいが、米消費者は支出を維持すると見ており、今後も成長すると確信している」と述べた。
2021年4~6月期に純利益が最高だった上場企業は577社と全体の4社に1社にのぼった。自動車や機械がいち早く回復した海外需要を取り込み、化学や商社も素材高の恩恵をうけた。もっとも株価の動きは軟調で、株式市場は業績回復への懸念を拭えずにいる。
同社が18日発表した4-6月(第2四半期)の売上高は前年同期比20%増の1383億元(約2兆3400億円)と、予想平均(1382億元)にほぼ沿った水準となった。純利益は426億元と、予想の308億元を上回った。
売上高は2019年以来の低い伸びにとどまった。中国政府によるテクノロジー企業に対する締め付けがゲーム事業に打撃を与えたほか、クラウドやソーシャル広告といった比較的新しい事業の展開に影を落としている。
ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリスト、マシュー・カンターマン氏は決算内容について、「不安定な経済環境にもかかわらずテンセントの事業が強靱(きょうじん)であることと、成長をけん引する複数の原動力があることを示した」と評価した。
●マクロ・その他
2020年12月期の最終損益が1029億元(約1兆7000億円)の赤字になったもようだと発表した。保有資産のリスク評価を見直し、不良債権処理で多額の減損損失を計上した。経営再建のため、中国中信集団(CITIC)などを対象に新株を発行し、資本増強する方針だ。
華融はアジア通貨危機で経営が悪化した国有銀行の不良資産を買い取るため、1999年に中国政府が設立した国策不良債権処理会社。
経営が破綻すれば中国の金融システムに打撃を与える可能性があり、CITICなどが事実上の救済に乗り出したとみられる。新株はCITICのほか、中保投資、中国人寿資産管理、中国信達資産管理、遠洋資本控股が引き受ける見通しだ。上場は継続する。また華融は同社ホームページに掲載したQ&Aで「債務再編をする計画はない」とした。
7月の住宅着工件数は153万4千戸(季節調整済み、年率換算値)で、前月の改定値から7.0%減った。3カ月ぶりの減少で、3.2%程度の減少を見込んだダウ・ジョーンズまとめの市場予測を大幅に下回った。
先行指数である許可件数は163万5千戸で、前月比2.6%増えた。5世帯以上の集合住宅が11.1%伸び全体を押し上げたが、一戸建ては1.7%減った。
CIBCキャピタル・マーケッツのエコノミストは「一戸建て住宅建設は、許可件数の減少を考え合わせると、今後さらに減る」との見方を示した。
防衛省は2022年度予算の概算要求で過去最高の5兆4000億円台を計上する。中国への抑止力向上を急ぐため南西諸島の防衛体制を強化する。年末の予算案決定で21年度当初の5兆3422億円を上回る最高額となり、防衛費で目安としてきた国内総生産(GDP)の1%を突破する可能性がある。
財務を巡り懸念が広がっている中国国有の不良債権受け皿会社、中国華融資産管理が国有の複合企業、中国中信集団主導の資本増強で約500億元(約8500億円)の注入を受ける方向だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この計画は中信集団に対し、財政省が保有する華融の支配権を引き継ぐことも求めている。資本注入は中信主導のコンソーシアムから行われると関係者のうち2人が述べた。
債券保有者に対する影響はそれに比べると複雑だ。資本注入で華融のバランスシートは強化されるが、支配権が財政省から中信集団に移ることで政府による管理から一歩離れることになり、一部の債権者に不安が生じる可能性もある。
関係者によると、華融は国内ならびにオフショア債務の返済義務を今後も履行する計画だが、それを実行する能力は資産売却からどの程度の資金を調達できるかにかかっている。同社は資産売却から500億元程度を集めることを目指していると関係者の1人が明かした。
中国が地方政府の「隠れ債務」圧縮に向けた長期的な取り組みを始めている可能性がある。景気回復で金融リスクへに対処する余力が生じている。
モルガン・スタンレーの中国担当チーフエコノミスト、邢自強氏(香港在勤)は、市や省が簿外債務の返済に調達資金の一部を充てている可能性があることを示していると指摘。簿外債務の減少は財政の透明性向上と政府の資金調達コスト低下、システム内の金融リスク軽減に寄与するとし、「経済にプラスの貢献となるはずだ」と述べた。
財政省が先月発表したデータによると、地方当局は1-6月に借換債1兆9000億元を発行したが、公債返済額は1兆2000億元にとどまった。
米国がアフガニスタン中央銀行の資産を凍結したことで、アフガン全土を掌握したイスラム主義勢力タリバンは同国の外貨準備にアクセスできないと同中銀を率いていたアジマル・アフマディ氏が18日、一連のツイートで指摘した。
「現在は債券利回りが極端に低く、株式相場が極めて高い状況だ。従ってインフレ動向に大きな変化があった場合は、ポートフォリオの両方の部分が打撃を受ける」と発言。「過去には、その片方が起きていれば、もう片方はなかった。しかし今回は、両方が同じ方向に動き得る」と語った。
若者にホワイトカラーの就職やハイテク企業での出世を断念させるのは、就活のプレッシャー軽減につながる一方で、別の目標達成も助ける。つまり重要な技術革新を達成するのに必要な製造業の基盤を強化するという目標だ。中国は将来の経済成長に欠かせない高性能半導体の確保で米国などに依存せずに済むよう、国内製造業の底上げを目指している。
上海大学の元教授(政法学)で政治コメンテーターのチェン・ダオイン氏氏は、習主席が目指すのは諸外国の制約を受けない堅強な製造業を基盤にした「強い」中国だと指摘。「皆が猛勉強して無理に大学に進学し、オタクになることは望まれていない。職業訓練校で学び、健康で必要なスキルを身につけ、社会主義建設の担い手になる人がいることを主席は望んでいる」と解説した。
調査対象となったファンドマネジャーの84%が今年末までに当局のシグナルが発せられるとみている。インフレが一過性だとの見方は65%に上った。
●市況
日経先物(大証)27440、ダウ先34897、債先152.63、米1.263、独▲0.4820、仏▲0.132、西0.219、伊0.552、原油64.30、ドル円109.96、墨ペソ20.05、トルコリラ8.4561、墨CDS92
※8/19 9時30分頃
備忘録(8/17)
●雑感
小売大手(ウォルマート、ホーム・デポ)の既存店売上高の急減速は気になる話ではあるが、そもそも前年同期はかなりの下駄を履いていた時期(今四半期からコロナonコロナ)。減少しているわけでもない。また、特需のペースを永続的に維持できるわけなく、本来の成長率に戻る程度であれば特に問題ないのではないか。このあたりは、ターゲットとかTJMAXなどの業績も踏まえて見極めていきたい。
アフガン混乱のどさくさに紛れてなのかはわからないが、中国のきな臭さがましているように見受けられる
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
インドのモバイル決済大手、Paytm(ペイティーエム)の運営会社が年内にも上場する。現地メディアによると、インドで過去最大の新規株式公開(IPO)になる見通しだ。ただペイティーエムは米グーグルなど外資との競争激化も背景に赤字が続く状況だ。決済で得た消費者や商店を囲い込み、新たなサービスなどで早期に収益化を図れるかがカギになる。
韓国の地域密着型フリマアプリ、キャロットがDSTグローバルなどから1億6200万ドルを調達し、ユニコーンの仲間入りを果たした。
同社は収益性の改善に集中しており、上場には最長5年かかる可能性がある。地域の広告事業は伸びているが、まだ黒字化していない。
2015年創業のキャロットは、多くが半径約6キロメートル圏内で住民同士が主に対面で中古品を取引するために利用されるアプリで、月間アクティブユーザーは1500万人。アプリの対象はパートタイムの仕事や不動産、ペットの世話、ランドリーサービスにも広がっている。
●その他産業
豪エネルギー大手ウッドサイド・ペトロリアムは17日、豪英資源大手BHPグループの石油・ガス事業を株式交換方式で買収すると発表した。2022年4~6月期の買収完了を目指す。世界的に脱炭素の流れが加速するなか、BHPは石油・ガス事業を切り離し、ウッドサイドは生き残りをかけて規模を追求する。
ウッドサイドは石油・ガス資産を多様化し、事業基盤を強化する。CEOは「地理的に多様でバランスのとれた第一級の資産を通じ、株主に長期的な価値をもたらす」と強調した。
米アドビと提携し電子商取引(EC)関連のシステムを外販し、中小小売業者の囲い込みを図る。新型コロナウイルス禍の特需が一服しインターネット通販の成長の減速感が強まるなか、オンライン受注や配送などで培ったノウハウを企業向けサービスとして活用し、新たな収益源に育てる。
●決算関連
上場企業で2022年3月期の業績予想の上方修正が相次いでいる。7月以降、約2割が予想純利益を引き上げた。市況の急速な改善を背景に、海運や鉄鋼など市場予想を上回る業種も相次ぐ。変異型新型コロナウイルスによる感染拡大の不透明感もあるなかで、保守的な見方を続ける企業はあるものの、市場予想が上がる例も増えている。
2021年5~7月期決算は、売上高が前年同期比2%増の1410億ドルで、事前の市場予想(1371億ドル)を上回った。店舗を訪れる買い物客が増え、米国の食料品市場でのシェアが拡大したほか、旅行や学校再開などの関連商品の売り上げが伸びた。純利益は42億7600万ドルで、前年同期から34%減った。
米国の既存店売上高は5.2%増えた。調整後の1株当たり利益は1.78ドルと市場予想の1.57ドルを上回った。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことで旅行や外出、通学などに伴う消費が回復し、スーツケースやパーティー用品、衣料品などの売れ行きが堅調だった。
22年1月期通期の業績見通しを2四半期連続で引き上げた。売上高は前期比で6~7%増、300億ドル以上の伸びを見込むとした。営業利益の伸び率は9~11.5%の範囲で増加するとした。1株当たり利益は6.20~6.35ドルを見込む。
CEOは「全世界でのウォルマートの電子商取引(EC)の売上高は21年末までに750億ドルに達し、近い将来に1000億ドルを超える」との見通しを明らかにした。ただ、新型コロナ禍から経済が正常化に向かうなか、成長をけん引してきたインターネット通販は伸び率の鈍化が顕著だ。ネット通販全体の売上高は6%増にとどまり、21年2~4月期の37%増から伸び率は大幅に縮小した。
一方、成長が目立つのが広告事業だ。米国部門では広告を通じた売上高が前年同期比で倍増したと明らかにした。CEOは「世界中で広告事業を急成長させ、データを商業化する革新的な方法を見つけ、テクノロジーを構築している」と語った。
売上高は42%増の608億ドルだった。部門別でみると、鉄鉱石が65%増の344億ドル、銅が47%増の157億ドルと大幅に伸びた。石油・ガス事業は3%減の39億ドル、石炭は17%減の51億ドルだった。純利益が前の期比42%増の113億ドルだった。中国の需要がけん引する形で鉄鉱石価格が上昇し、利益を押し上げた。
2021年5~7月期決算は、売上高が8%増の411億1800万ドル、純利益が前年同期比11%増の48億700万ドルだった。
主力の米国市場での既存店売上高は20年同期の25%増から3.4%増に大幅に鈍化、新型コロナウイルスを背景とした家屋改修ブームの減速感を示した。
クレイグ・メネア最高経営責任者(CEO)は「一般消費者が新型コロナ前の生活に戻り、支出を娯楽や旅行に向け始めたようだ」と言及した。
木材価格などの物価上昇圧力については「毎週のように大幅に振れた」(リチャード・マクフェール最高財務責任者、CFO)と変動の激しさを指摘。インフレ圧力による消費者の支払いの増加が、売上高に寄与したことを明らかにした。
同社は新型コロナの感染再拡大を注視しており、今後の経済環境や消費動向に不透明感が強いことを理由に通年期の業績見通しを発表しなかった。
●マクロ・その他
米ドルに対して一時1米ドル=7.79香港ドル台と2020年3月以来およそ1年5カ月ぶりの安値をつけた。中国当局の規制強化を受けて香港株が下がっており、株式購入に伴う海外投資家の香港ドルの需要が減少していることが一因だ。SMBC日興証券の平山広太氏は「香港は当局の介入があるため投機的な要因ではなく、株安の影響による需給要因が大きい」との見方を示す。
香港株は中国当局による規制強化を受けて下落。ハンセン指数は21年7月下旬におよそ8カ月半ぶりの安値を付け、足元でも同水準の安値圏で推移している。中国当局は香港上場のIT大手アリババ集団への取り締まりなど、インターネット企業への規制を強化している。中国本土では民間学習塾に対し小中学生を対象にした営利化を禁じる方針を打ち出しており、香港市場への波及も懸念される。
香港ドルのペッグ制では1米ドル=7.75~7.85香港ドルの取引バンドが設定されており、上限か下限に達すると中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)が介入する仕組みになっている。
機動的に経営実態を把握できる通年検査の対象に新生銀行とあおぞら銀行を追加するほか、融資の焦げ付きや市場運用での損失リスクに目配りする業態横断のチームも新設した。監視の網の目を細かくし、新型コロナウイルス禍や低金利環境の長期化に伴うリスクの芽に先手を打てるようにする。
17日の欧州市場で英国やドイツなど欧州株は軒並み下落して始まった。原油価格も急落した一方、安全資産とされる国債や金にマネーが流入した。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大で中国や米国の経済回復の勢いに陰りが見え、アフガニスタンをめぐる地政学リスクも影を落とす。
16日の米国市場では景気敏感株が弱含んだ。WTIは前週末比4.0%安の1バレル65.73ドルと、1週間ぶりの安値を付ける場面があった。その代わりに買われたのが国債や金だ。米国債利回りが低下、金先物は上昇。
背景にあるのが米中の景気悪化懸念だ。中国が16日に発表した7月の工業生産は前年同月比6.4%増と6月(8.3%増)から鈍化。百貨店やネット通販などの小売売上高も同8.5%増と4カ月連続で伸び率が低下した。
米国でも、ニューヨーク連銀が16日に発表した8月の製造業景況指数は18.3と7月の43.0から急低下。13日にミシガン大学が発表した8月の米消費者態度指数もおよそ10年ぶりの低水準となった。
両国ともデルタ型の拡大が経済の重荷になっている。
SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「企業マインドと消費者マインドの両方が急低下しており、将来振り返った場合に景気の転換点だったとみなされる可能性がある」と指摘する。
みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストはアフガン情勢が米連邦準備理事会(FRB)の金融政策にも影響を与えうると指摘する。「FRBの執行部内で、地政学リスクの増大は少なくとも金融政策の正常化プロセスの障害と整理されるだろう」と分析する。
もっとも金融市場はリスクオフ一色ではない。オプションの動きで米国株式市場の予想変動率を反映するVIX指数は16日、前週末比で若干上昇したものの16台と節目の20を大きく下回っている。株価の大幅な値下がりを見込む投資家の割合がまだ大きくないことを示す。欧米中銀の金融緩和で、名目金利から物価変動の影響を除いた実質金利は米国などでマイナスになっていることから、株などリスク資産にマネーが向かいやすい状態は続いている。
7月の小売売上高(季節調整済み)は6177億ドルで前月の改定値から1.1%減少した。0.7%増えた6月からの減少で、2カ月ぶりのマイナスとなった。経済再開や政府の景気対策を受けて力強く伸びていた個人消費の勢いが弱まった。市場予測(0.2%程度の減少)も下回った。
半導体の供給不足で在庫薄となっている自動車・関連部品販売店の売り上げが3.9%減ったが、これを除いてもマイナス0.4%で振るわなかった。前月3.7%増と大きく伸びた衣料・装飾品を扱う店の売り上げが反動で2.6%減と落ち込んだほか、百貨店も0.3%減少した。
一方、夏休みで外出や旅行を楽しむ人が増え、ガソリン給油所の売り上げが2.4%増えた。飲食サービスも1.7%増加し、5カ月連続で堅調な伸びを維持した
足元では新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大で、再び消費の落ち込みが懸念され始めている。7月の売上高にその影響が出たかどうかははっきりしないが、8月以降、下押し圧力になるとみられる。
7月の鉱工業生産指数(2017年=100)は101.1で、前月の改定値から0.9%上昇した。5カ月連続の上昇で、上昇率はダウ・ジョーンズまとめの市場予測(0.5%程度)を上回った。
製造業が1.4%上昇し、新型コロナウイルス感染拡大前の水準を初めて上回った。自動車・同部品の生産がプラス11.2%と大きく改善し、全体を押し上げた。半導体の供給不足は続いているが、多くのメーカーが夏場の工場閉鎖を短くしたり、中止したりしたため、生産が伸びた。自動車・同部品を除いても、製造業は0.7%上昇と堅調だった。機械、家電などが伸びた。
中国の規制当局は17日、インターネット上での不正競争行為に関する規定の草案を発表した。草案では、合法的な理由がなくネットサービス上で競合企業のアクセスをブロックする行為などを禁止する。ネット通販などのサービスで架空の取引実績や予約数などを提示し、消費者を欺くことなども法律違反にあたるとしている。
違反があった場合、不正競争防止法などに基づいて処罰される。不正競争防止法はネットサービスに関する詳細な違反行為を明示しておらず、今回の草案で法律違反にあたる行為を明確にする。
アリババやテンセントは長年、競合企業が自社のサービスにアクセスできないようブロックしてきた。自社のプラットフォームから競合を排除して高成長を実現してきた。今後は当局の取り締まり強化により、こうした手法が通用しなくなる。
アリババの張勇・会長兼最高経営責任者(CEO)は今月3日の決算会見で、「プラットフォームの垣根をなくすことは、アリババだけでなく、消費者や(取引先である)中小企業にも利益をもたらす」と強調した。当局の圧力を無視することはできず、アリババも方針を転換し、サービスの全面開放に踏み切る可能性が高くなっている。
中国人民元はここ数年で越境型の決済通貨として定着しつつあるが、中国政府による国内産業への締め付け強化が人民元に対する国際的な信認を損ねているかどうか、今週公表される2つのデータが示唆する見通しだ。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の中国担当シニアストラテジスト、邢兆鵬氏は「先月の資金流出が人民元の使用を減らした可能性はある」としながらも、「指数への組み入れが新たな資金流入をもたらし、中国が貿易で人民元の利用を増やしているため、元の世界決済シェアは依然として年内に記録を更新すると考えられる」と述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアジア通貨・金利ストラテジスト、趙志軒氏は「中国当局の締め付けは終わっていないかもしれないが、中国国債に対する世界的な需要は変わらない公算が大きい」と分析。「他の主要国債と比べて高い利回りを踏まえると、こうした現地特有の出来事が中国国債の魅力を損ねる可能性は低い」と話した。
北京字節跳動科技(バイトダンス)の国内部門に、中国政府が取締役を送り込んでいたことが分かった。中国を代表するテクノロジー企業に対して政府関与を強めることを可能にする異例の取り決めだ。
政府によるバイトダンス関与の動機は不明だが、国内部門の株式売却はテクノロジーセクターを中心とした広範な規制面での締め付けのタイミングと一致している。当局はデータセキュリティーに加え、バイトダンスのような企業がユーザーへのコンテンツ提供に使うツールへの懸念を表明している。
中国当局によるテクノロジー業界締め付けで下落したテンセント・ホールディングス(騰訊)株を買い増した。他の中国大手テクノロジー銘柄も大半の保有を続けているが、それは取り締まりがあっても最終的に勝ち組になると考えているためという。教育セクターへの投資は避けているが、大半の業種の代表的銘柄は不動産開発の万科企業を含め株価に上昇余地があると、アバディーンに在籍30年のベテランのヤング氏は話した。中国では「戦略的に何も変わっていないと思う」とし、規制は責任あるプレーヤーに恩恵をもたらすだろうと語った。
新型コロナウイルス対策に伴うロックダウン(都市封鎖)規制が緩和され、かつてないほどの人手不足に陥っている。
6月まで3カ月間の平均賃金は前年同期比8.8%増と、過去最大の上昇率となった。今回の統計内容にはコロナ禍の影響である程度のゆがみがあるものの、足元の賃金上昇圧力はペースが加速している。
ただし、イングランド銀行(英中央銀行)は労働市場の逼迫(ひっぱく)は一時的だとみる。一時帰休者を対象とした賃金支援策が9月30日で終了した後は失業率の上昇が予想されている。
イノベーションで米国を追い抜いてきた中国が今や後退しつつあるように見えることが理由だと語った。「この政権下で激化した中米の威嚇合戦は、多くの活動を自国に回帰させていると思う」と述べた。サプライチェーンの再編は米国にとってはプラスになるだろうし、中国にとってはややマイナスだろうとも話した。
「中国が海外資本を受け入れる姿勢になり、もう少し世界に組み込まれたいと望むようになるまで、中国株のバリュエーションは長期にわたって低いままだろう」とし、中国政府の取り締まり強化は「世界で最も革新的な国になりたいという望みに逆行している」と指摘した。
コンピュータサイエンスやエンジニアリング、金融工学における中国の先進性を認める同氏だが、一方で中国は「さまざまなデータが国外へ出ていくことを許すという点に関して、ある意味で後退している」ように見受けられると語った。また、「国全体がイノベーションでナンバーワンになることにフォーカスしている」が、「何かが変わりつつあるのではないかという気がする」とも指摘。
住宅市場指数は75に低下-3カ月連続の下げ、2020年4月以来の大幅低下となった。
NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディエツ氏は「生産ボトルネックの問題は今後数カ月で和らぎ、より正常に近い市場に戻るはずだというのがわれわれの見方だ」と発表文で指摘した。
7~9月期は前期比11.0%増の見通し。
経済回復で先行する米国や中国向けが好調で、自動車の輸出の伸びが目立った。
今年の9月13日に解除予定だったが約4カ月間延長した。飛行機や列車、バスなどが対象となる。
ベハル外相の「ペルーではテロは海軍が始めたもので、歴史的に証明されている。彼らは米中央情報局(CIA)から訓練を受けている」という過去の発言を報じた。事実に基づかない失言だとして、海軍が抗議していた。85歳のベハル氏はかつて反政府ゲリラとしてジャングルで活動していたとされる。
同協会が行った購入希望者調査では、4~6月期は契約にいたらない理由に「手ごろな価格の物件がない」をあげた人が、それまでの「競り負けた」とした人を上回り、最多となった。住宅市場がコロナ危機直後から景気回復をけん引してきたが、価格高騰が重荷となってきている。
「これらさまざまな介入の影響、特に滴滴グローバルの米国上場前後という発表のタイミングは、米国を拠点とする投資家やその他の国外投資家の意欲をそぐものだった」と指摘。「中国企業の米国預託証券(ADR)は今や、投資不可能と言えるだろう」と続けた。
「政策リスクを原因とするリスクプレミアムが、企業と投資家の両方にとって(中国株を)魅力のないものにしている」と説明した。
●市況
日経先物(大証)27390、ダウ先35203、債先152.40、米1.257、独▲0.4745、仏▲0.126、西0.224、伊0.571、原油66.34、ドル円109.57、墨ペソ20.00、トルコリラ8.4358、墨CDS91
※8/18 9時30分頃
備忘録(8/16)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
緊急事態宣言の対象地域の拡大や相次いだ台風などの影響で一部にはキャンセルも見られた。コロナ前の19年の同期間と比べた国内線旅客数はANAとJALともに58%減だった。
ユナイテッド航空は米ーインド路線などでアフガン上空を避けるようルート変更したほか、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空はアフガンの首都カブール発着便の運航を中止した。治安悪化や軍事的な衝突を警戒している。
アフガンの航空当局は15日、カブールのハミド・カルザイ国際空港における商業運航便を取りやめると明らかにした。同空港では欧米各国や日本などが自国民を避難させるための退避便の運航が続いている。16日には国外脱出を求める市民ら数千人が空港に押し寄せ、離陸する飛行機に殺到。死者を出す混乱が起きている。
●その他産業
米グーグルと米フェイスブックが日本とアジアを結ぶ海底通信ケーブル「アプリコット・サブシー・ケーブル・システム」を新設する。日本と台湾、グアム、フィリピン、インドネシア、シンガポールを結び、延べ1万2000㌔㍍の光ファイバーを敷設し、2024年に稼働を始める計画だ。アジアではインターネットサービスの利用者が急増しており、インフラを増強して対応する。
グーグルとフェイスブックは今年3月、米西海岸とインドネシアやシンガポールを結ぶ海底ケーブルを敷設する2つのプロジェクトを発表し、24年までに工事を終える計画を示している。フェイスブックの担当者によると、新設するアプリコットはこの2つを補完する役割を果たすという。
IT(情報技術)大手は従来、通信会社などに対価を支払って海底ケーブルを使用してきたが、インフラへの投資を増やしている。利用者が増えているほか、データ量の多い動画などの視聴時間が長くなっていることが背景にある。世界には約400の海底ケーブルがあり、グーグルは18のプロジェクトに参画しているという。
鉄スクラップの中で、鋼板の端材など不純物が少ない上級品種の需要が急増し、価格が高騰している。2千~3千円程度だった標準品種との値差が足元で1万円超まで開いた。中国向け輸出が増えたところに、国内の鉄鋼大手の旺盛な調達が重なった。鉄鋼生産における脱炭素のカギを握る鉄スクラップに新たな相場水準が定着しつつある。
世界の半導体製造装置メーカーの業績が急拡大している。直近四半期では、16日発表した東京エレクトロンなど主要9社の全社が前年同期比で増益となった。合計の純利益は過去最高だ。半導体需要が急増する中、半導体製造の高性能化なども重なり、顧客の半導体メーカーの投資意欲は一段と強まっている。東エレクは同日、2022年3月期の連結純利益予想と配当計画を上方修正した。
石油・ガス事業の売却について豪エネルギー大手ウッドサイド・ペトロリアムと協議していると明らかにした。売却額は200億豪ドル(約1兆6000億円)規模になるとの見方もある。化石燃料関連の事業を切り離す一方、需要増加が見込める電気自動車(EV)素材などを強化する。
●決算関連
最終損益が111億バーツ(約365億円)の黒字(前年同期は280億バーツの赤字)に転換した。債務の整理や保有資産の売却に伴う利益が出たものの、営業損益は143億バーツの赤字(同183億バーツの赤字)で、厳しい経営環境が続いている。
●マクロ・その他
援助関係の仕事をする邦人が現地に残っているが、帰国希望者の段取りはついているという。在アフガニスタン大使館に勤務する職員は十数人いる。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は15日ツイッターに「退避が進むようNATOはカブールの空港の機能維持を支援している」と投稿。
一方、中国外務省の華春瑩報道局長は16日の記者会見でカブールにある中国大使館は正常に機能をしていると説明した。一方でアフガン駐在の中国人の多くはすでに帰国したという。華氏は「タリバンは中国と良好な関係を発展させることを希望している。中国がアフガンの再建と発展に参加することも望んでいる」と指摘した。
ロシアも大使館機能を維持する方針だ。複数のロシアメディアによると、ロシア外務省のカブロフ大統領特使(アフガン問題担当)は15日、タリバンによる暫定政権について「現時点で承認していない」とした一方で「ロシアはアフガニスタンの暫定政権と協力する準備はできている」と述べた。
20年前の米同時多発テロを可能にしたテロリストの温床が復活する恐れがある。米国は対抗勢力への同地域での影響力を失うだろう。中でも警戒すべきはアフガニスタンの天然資源への長期的アクセスを狙って既にタリバンと関係を築きつつある中国だ。米国の同盟国はもちろん、米政権がアフガン内の味方をいかに簡単に見捨てたかに気付くだろう。米国の言葉とコミットメントは全世界で疑われるようになる。
20年にベラルーシ経由でリトアニアに入った不法移民はわずか74人だったが、21年は既に4000人以上がベラルーシからのリトアニア入国を試みた。
EUの政治家にとって、域外からの難民、亡命者受け入れは今なお神経をとがらせている問題だということだ。リトアニア当局はルカシェンコ氏の手法を移民を武器にした「ハイブリッド戦争」と呼ぶ。4000人の流入は、人口300万人弱のリトアニアには大きな負担だが、総人口4億5000万人のEUにとっては微々たる数でしかない。それでもリトアニアは非常事態を宣言し、各国メディアはこの問題を大きく取り上げた。
徒歩で欧州に押し寄せる人々の姿は、15年の難民危機をほうふつさせた。しかし、EUは当時ほど甘くない。欧州委員会は当時はEU域外と接する加盟国が国境にフェンスを設置するのを批判したが、今は国境警備員の配置に予算まで提供している。EUは15年の難民危機以来、域内の移動自由維持のためには域外との国境警備の強化が必要だと確信した。今はイラクにベラルーシなど国境警備が不十分な近隣諸国への渡航も禁じるよう圧力をかけている。
もっともEU諸国が受け入れる難民の数は、ほとんどの先進国を上回っている。ツィマノウスカヤ氏が飛行機に乗り込んだ日本が20年に受け入れた難民数は47人だ。対照的にEUは今年1~3月だけで、2万3000人を難民として受け入れ、さらに2万2000人に保護を与えた。
しかし、EUは、ベラルーシのような問題を抱える政府や、迫害の犠牲者でもなく単により良い暮らしを手に入れたいと願う移民など、自らの利益のことしか考えない相手には容赦しない。
野党協議について「建設的な協議だった」とする共同声明で合意した。対立が長期化し膠着状態が続いていたが、わずかに歩み寄りを見せた。米国の制裁で経済が低迷する中、制裁の解除を狙うマドゥロ政権と事態打開を狙う野党が約2年ぶりにテーブルについた。
クリスマスのホリデーショッピングシーズンに向けて通常なら出荷が増える時期に、アジアの混乱が世界のサプライチェーンに波及する恐れがある。国連の推計によると、同地域は世界の輸出の約42%を占める。
アジアの港に端を発する問題が徐々に広がり、ロサンゼルスやロッテルダムなどでの遅延や消費者物価上昇といった形で現れる可能性がある。
中国は最近、世界3位のコンテナ取扱量を誇る寧波舟山港を部分閉鎖した。世界でも感染拡大が著しい東南アジアの工場では電子機器や衣服など多くの製品の生産が滞っている。
コンテナ不足で輸送コストが高騰しているほか、需要急増の中で半導体などの原材料価格が上昇し調達が困難になる中、輸出業者の苦境はさらに深まっている。
シンガポールに本拠を置くアジア貿易センターのデボラ・エルムズ所長は「デルタ変異株の感染拡大でアジアの貿易は著しく混乱する公算が大きい」と予想。「これまでのところ大半の市場はコロナ禍を乗り切ってきたが、感染拡大が続くのに伴い、多くの地域でそうした幸運な状況は終わりを迎える可能性が高い」と述べた。
供給の停滞で中国の生産者物価や米消費者物価の上昇が一時的なものでは終わらない懸念が強まりそうだ。近々物価は落ち着いてくるとの政策担当者の見通しが試されることになろう。
販売価格の指数は46と、前月から6.6ポイント上昇。仕入れ価格指数は76.1と、前月からはやや低下したものの、なお高い水準にある。こうしたデータは、インフレ圧力が依然強いことを示唆している。
景気回復が続けば債券購入の段階的縮小(テーパリング)を約3カ月後までに開始することで合意に近づいている。ダウ・ジョーンズ通信(DJ)が報じた。資産購入プログラムを来年半ばまでに終了させるべきだとする主張もあると、複数の当局者を引用して伝えた。
ボストン連銀のローゼングレン総裁は先週のインタビューで、9月21、22日両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合までに債券購入縮小の条件を満たすのに十分な雇用の伸びを見込んでいると述べた。
DJによれば、ダラス連銀のカプラン総裁も同意見で、「資産購入は需要喚起を目的に設計されているが、現在は需要の問題はない」とインタビューで指摘した。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁、セントルイス連銀のブラード総裁もテーパリングについて支持するコメントをしている。
以下のような指摘が見られる
・先週末の地政学的混乱により16日の市場取引では悲観的なトーンが強まったと指摘。「ことによると、インフラ法案と刺激策の進展が減速し、若干遅れる可能性がある。米景気回復も遅れ得る」が、「それは恐らく現在より若干極端な状況だろう」
・(バイデン大統領の支出・税制計画について)ベテランのワシントンウオッチャーは確定に程遠いと分かっている。最終的には決まるだろうが、3兆5000億ドル(約382兆円)規模にはならないだろう。この規模は市場にとっては短期的にはプラスに働くとみられるが、長期的には確実にインフレ圧力を大きく押し上げるためマイナスとなる。またアフガン情勢により、ペロシ下院議長が支持を取りまとめるのは一段と難しくなるだろう。
・中国とインド、欧州にとってはリスクだが、市場への直接・間接の影響が見られるまでは時間がかかるだろう。
・フガン政権事実上崩壊の規模と速度は大方の米政策担当者の予想を上回ったが、これは地政学的緊張の高まりを極めて明確に裏付ける。緊張の高まりは市場に影響を及ぼし、予想を超える規模の余波を生む可能性が高い。短期的には防衛セクターにとってプラス材料となる可能性が高く、「グリーン・ニューディール」セクター・業界にはマイナス材料の公算が大きい。
最近のデータでリジェネロンの抗体カクテル療法は高リスク患者の場合、入院や死亡のリスクを約70%下げ、家庭内感染のリスクを80%以上減らせる可能性が示された。
鍵を握るのがタイミングだ。感染が疑われる場合は速やかに検査を受け、「陽性反応が出たら、かかりつけ医に連絡して直ちに抗体カクテル療法が適切かどうかを判断してもらうことだ」とジュバール氏は話す。抗体カクテル療法は「症状が出始めてから10日以内に行う」処置だからだ。酸素吸入が必要になった段階では、手遅れになる恐れがあるという。
人口の一定割合、恐らく60-70%程度がワクチンを接種するか、過去の感染を通じて抵抗力を得れば、パンデミック(世界的大流行)が衰退し、やがてほぼ消え去るとの考え方だった。しかし、デルタ株のように、感染力が強くワクチン接種済みなどであっても感染することがある新たな変異株の出現が、集団免疫獲得のため越えなければならないハードルをほぼ不可能な水準に押し上げている。
既に新型コロナで多くの感染者を出し、50%を超えるワクチン接種率に加え一定の自然免疫を獲得していると考えられる米国や英国などでも、デルタ株がこのところの感染拡大の要因となっている。さらに、オーストラリアや中国など、これまで新型コロナをほぼ抑え込んできた国もデルタ株で打撃を受けている。
自然免疫も問題解決にはつながらない。コロナ感染で得られた自然免疫がいつまで続くかは不明で、新たな変異株に対して有効かどうかも分からない。将来現れる変異株はデルタ株よりさらに効率良く免疫を突破するケースもあると考えられ、これがどんな形でいつ終わるのかという疑問が生じる。
米国債利回りの新興国通貨への影響はここ数カ月弱まっていたが、中国の成長回復や低インフレが緩衝材となってショックを和らげる効果が後退しているため、リスク資産に対する影響力が再び顕在化する可能性があるという。
フィデリティのマネーマネジャー、ポール・グリア氏は「米国の短期の実質利回りが急激に上昇すると、新興国通貨にとって非常に悪い結果をもたらすだろう」と予想。「特に実質利回りの分野での米利回り曲線の変動は目先、市場心理の支配的要因であり続けるだろう」と述べた。
米国の短期債利回りが大幅に急上昇した場合、利回りが高い新興国の通貨が最も打撃を受ける可能性がある。クレディ・アグリコルCIBによると、特にインドネシア・ルピアとトルコ・リラは、外国からの資金調達依存度が高めであるため、リターンの優位性が低下し、脆弱(ぜいじゃく)性が増すという。一方で、経済成長が力強さを増し、新型コロナ対策が改善、外国資金への依存度が低い国・地域の通貨は比較的底堅い値動きになると同社シニア新興市場ストラテジスト、エディ・チョン氏は予想し、台湾ドルや中国人民元を勧めた。
シティグループのトビアス・レフコビッチ氏は、米金融当局による債券購入のテーパリング(段階的縮小)のほか、増税の可能性、マージン圧力、インフレ高進の長期化という要素が組み合わされば、「債券市場が反応を余儀なくされる」圧力になると警告した。
また、インフラ包括法案を巡っては、純粋なインフラ投資の部分は25%足らずで「期待されているほど状況を一変させるものではない」、アフガニスタン情勢については、特に大きな脅威ではないとの見方を示した。
●市況
日経先物(大証)27560、ダウ先35461、債先152.36、米1.258、独▲0.4670、仏▲0.122、西0.225、伊0.560、原油67.25、ドル円109.22、墨ペソ19.90、トルコリラ8.4625、墨CDS91
※8/17 10時15分頃
備忘録(8/13-15)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
JR東日本の新幹線指定席予約数は5日時点で46万席。昨年より63%増えたが、19年比27%にとどまった。同期間の東海道新幹線の指定席予約数は7月19日時点で昨年より4%減の29万席。19年比20%だった。
ANAは、羽田空港と北米を結ぶ旅客便の一部を成田空港からの発着に切り替えた。対象は首都ワシントンとヒューストン行きの2路線。新型コロナウイルスの感染拡大で国際線は旅客が減少しているが、貨物需要は世界的に膨らんでいる。成田空港には貨物の取扱拠点が集積しており、旅客機を使った貨物輸送に対応しやすくする。
単独営業利益は前年同期比31%増の1969億ウォン(約187億円)だった。経済活動の再開に伴う物流量の増加で貨物売上高は四半期ベースで過去最高となった。仁川国際空港を主力拠点として欧米とアジアを結ぶ新型コロナウイルスワクチン輸送なども収益増につながった。
売上高は16%増の1兆9508億ウォンだった。売上高に占める貨物比率は77%に達し、旅客は11%にとどまった。航空機部品製造や整備事業を含むその他が12%を占めた。
貨物部門は半導体などIT(情報技術)関連部品や自動車部品の輸送需要が好調だった。米西海岸の港湾施設の混雑やスエズ運河の座礁事故などで、船便から航空便に切り替えるケースも多かったという。地域別の前年同期比の増減率は、米州が32%増、欧州が1%増、東南アジアが27%増、中国が23%増だった。
旅客部門は変異ウイルスの拡大で苦境が続く。地域別で国内線は67%増となったものの、最大の収益源だった米州が6%減、欧州が45%減、東南アジアが19%減と落ち込んだ。日本路線と中国路線は売上高が増加したが、19年比では依然9割減の水準が続いている。
2021年4~6月の未公開企業による資金調達額は1562億ドル(約17兆円)と前年同期の2.6倍に急増し、四半期として過去最高を更新した。超低金利下で運用難に苦しむ投資家のマネーが集まり、企業価値が10億ドル以上の「ユニコーン」の仲間入りを果たした企業も最多となった。
アルゼンチンの金融サービス新興企業ウアラは、ソフトバンクグループと中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)が主導した最新の資金調達ラウンドで企業価値24億5000万ドル(約2700億円)の評価を得た。
●その他産業
フランスの自動車部品メーカー、フォルシアはドイツの同業ヘラーの過半数株式を創業家から取得することで合意するとともに、残りの株式の公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。フォルシアが欧州の他の同業に競り勝った。ヘラーの企業価値を約68億ユーロ(約8800億円)と評価する。創業家は統合企業の株式最大9%を保有する。
フォルシアは統合企業が自動車部品メーカーとして世界7位となり、電子モビリティー製品と自動運転サービスの提供で好位置につけることになると説明した。
アルケゴス・キャピタル・マネジメントが破綻し、ブロック取引で大量に売却されたバイアコムCBSなどの株式を購入していたが、4-6月期にポジションを解消した。
約4カ月ぶりの安値水準をつけた。前日発表した2021年4~6月期の利益水準が期待に届かず幅広い投資家が利益確定売りに動いた。同社には以前からMBO(経営陣が参加する買収)など株式の非公開化への期待があったが、決算説明会での非公開化への消極的な発言も売りを誘った。
東南アジア主要6カ国の2021年1~6月の新車販売台数は、前年同期比36%増の133万台だった。新型コロナウイルスの感染が広がる前の19年1~6月比では21%少ない。足元では各国でインド型(デルタ型)の変異ウイルスが猛威を振るっており、タイやマレーシアは21年通年の見通しを下方修正した。
国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は最大で582億元(約1兆円)の増資を実施すると発表した。2020年以降、合計1000億元規模の増産投資の計画を公表済みで、今回の増資で調達する資金は福建省、広東省、江蘇省での合計5件の電池工場の新増設に充当する。電気自動車(EV)向け電池の需要急増に対応し、韓国LG化学などの競合を引き離しにかかる。
生産能力の拡大ペースが消費者需要になかなか追い付けない分野で、半導体不足が「2023年になっても」続くかもしれないと指摘。
「シリコンウエハーを半導体に加工する新たな施設やクリーンルームの建設には2年から2年半かかり、既存施設をアップグレードするには9カ月から1年かかる可能性がある」と述べた。
●決算関連
持ち帰りや宅配など「店外」での需要を取り込んだ企業が売上高を伸ばす一方、店内飲食中心の経営から脱却しきれない企業は苦戦が続く。一方でコスト削減や時短営業の協力金などが寄与し、21年4~6月期は10社が営業黒字だった。
製造業の稼ぐ力が上向いている。2021年4~6月期の売上高純利益率は7.0%と前年同期の0.8%から急伸し、過去最大だった18年4~6月期(7.3%)に迫った。自動車や鉄鋼、半導体などの業種で改善が目立つ。新型コロナウイルス禍で合理化を強め筋肉質になったところで需要が戻り利益が出やすくなっている。一方で材料高や半導体不足などの逆風が吹いており、今の収益性を維持できるかどうかは不透明だ。
新型コロナウイルス禍で電子商取引(EC)荷物の需要が堅調だったほか、停滞していた企業向けの荷動きも自動車部品を中心に回復した。減益だった日立物流も前年同期の特別利益が無くなったことが主因で4社とも本業は好調だ。
●マクロ・その他
米CNNなどはタリバン側が大統領府を掌握したと伝えた。中東の衛星放送局アルジャズィーラは15日深夜、タリバンが既にカブールの大統領府に入っている映像を報じた。
タリバンは軍事的な力を背景にアフガン政府に対して平和的な政権移譲を求めており、新政権の樹立を進める構えだ。タリバンの報道官は15日、英BBCの取材に「すべてのアフガン人が参加する包括的な政府を求める」と表明した。数日以内の権力移行を求めているとみられる。一方、AP通信はタリバンが「アフガニスタン・イスラム首長国」の樹立を近く宣言する準備に入ったと報じた。
ガニ氏を支えてきた女性のハミディ教育相代行は国外脱出を「裏切り」と批判。タリバンの報道担当者が女性の権利を尊重すると主張していることについては「(タリバンが極端な女性差別を続けた)過去の経験から信じ難しい」と語った。
タリバンの首都進攻で米国はカブールにある米大使館の外交官らの安全確保を急いだ。ロイター通信は15日、米大使館員らが退避を始めたと伝えた。米CNNテレビによると、バイデン米政権は72時間以内に全大使館員を退避させる方針を決めた。バイデン大統領は14日、退避を加速するため、米兵1000人を追加派遣して5000人態勢にすると発表していた。
ロイター通信は15日、アフガニスタン政府当局者の話として、同国のガニ大統領が出国したと報じた。ロシアのインタファクス通信も同日、同氏が首都カブールの大統領府から退避したと伝えた。反政府武装勢力タリバンはカブールに進攻し、軍事力を背景にアフガン政府に対して平和的な政権移譲を求めていた。ガニ氏が事実上、国を追われたことでタリバンへの政権移譲が加速する可能性が高く、アフガン情勢は重大局面を迎えた。
バイデン氏は14日の声明で「私はアフガン駐留米軍を指揮する4人目の大統領だ。この戦争を5人目に引き継がない」と強調した。「アフガン軍が自国を守ることができない、もしくは守る意志がないのであれば、米軍がさらに1年間または5年間駐留しても意味がない」とも指摘し、4月に表明した米軍撤収を正当化した。
バイデン氏は「私は女性の権利のために若者たちを(アフガンに)送って命を危険にさらさない。(女性の権利維持が)駐留目的にならない」と語った。タリバンは女子教育を敵視する。オバマ政権がタリバンの攻勢に対抗するため米軍増派の検討を進めるなかで、バイデン氏はむしろ撤収すべきだと主張した。
バイデン氏は2020年2月、CBSテレビのインタビューで「あなたは100万人のウイグル族が収容所で行われていること(の解決)のために中国と戦争をしろというのか」とまくしたてた。「私の責任は米国の国益を守ることであり、軍事力を使って世界のあらゆる問題を解決するため米兵を危険にさらすことではない」と強調した。
一連の発言は「バイデン氏は米国ができることの限界を認識している」(バイデン氏の元側近)ことを示す。バイデン氏はアフガン戦争の目的は米本土に対するテロの脅威をなくすことだと繰り返し主張。米同時テロの実行犯である国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者を11年に殺害し「我々は目的を達成した」と語ってきた。
米国のアフガン専門家の一人は、バイデン氏のアフガン撤収方針について「外交儀礼に従ったアメリカ・ファースト(米国第一)」と指摘する。バイデン氏はアフガン政府や欧州諸国と対話を重視したが、結局は米国の国益を最優先して撤収を強行しているとの見方だ。
米国民の7割がアフガン撤収を支持し、内向き志向が一段と強まる米国。アフガン撤収は、同盟関係やパートナー関係が米国の国内事情に左右され、永続的ではないことを示しているようにみえる。
今後数カ月に堅調な雇用統計が数回続けば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの景気回復の十分な前進の印となり、米金融当局が債券購入プログラムの縮小を開始できるとの認識を示した。
「直近と同様の雇用統計が数回続けば、完全には穴埋めしていないかもしれないが、大きく前進したと安心して言えるだろう。そうなれば資産購入のテーパリング(段階的縮小)を開始する時期だろう」と語った。
カシュカリ総裁はこれまで一貫してハト派姿勢で、前回当局が金利見通しを示した6月には、2023年末より前の利上げは適切でないと予想した連邦公開市場委員会(FOMC)参加者5人の1人だった。
強さを誇った政権基盤には陰りがみられる。各種世論調査によると、AKPの支持率は3割を切り、過去最低の水準に沈む。政府は新型コロナウイルス禍に見舞われた20年もプラス成長を達成したと誇るが、極端な金融緩和で支えた高成長の影で通貨安が進み、国民は20%近いインフレに苦しむ。ドルベースの1人当たりGDPは14年をピークに3分の2まで減少した。
「若者はかつての苦しかった時代を知らない」。エルドアン氏は何度もこうぼやく。32歳以下が人口の半数を占めるトルコでは、AKP政権の功績を体感していない世代の存在感が高まっている。
AKPの強権化も指摘される。19年に離党し、新党を立ち上げたババジャン元副首相は「3度目の選挙で大勝した11年ごろからおごり始めた。優秀な人材や官僚機構が遠ざけられ、エルドアン氏の独断が進んだ」と振り返る。強権化に拍車をかける極右政党の存在もある。民族主義者行動党(MHP)は16年以降、事実上の連立パートナーとして政権を支える。憲法裁判所の閉鎖、少数民族政党の解党などを公然と主張し、反対派への暴力事件も後を絶たない。
AKPの支持率が低下するほどに深まる極右依存は、若者や中道層離れを加速させるジレンマもはらむ。
次回の大統領選、議会選は23年6月までに行われる。野党の支持率はいずれもAKPを下回るが、複数の世論調査は野党が糾合してエルドアン氏と一騎打ちの対決に持ち込めば、対抗馬がエルドアン氏を上回るシナリオがあり得るとしている。
過熱感やコロナの感染再拡大を無視するように上がり続けるマーケットからは、金融政策の正常化に対する警戒心自体が薄れている様子も感じ取れる。大規模緩和からの出口戦略を描くには長い時間がかかるためだ。
最終段階の資産圧縮は拙速に動けば株価の急落などを招きかねず「市場との慎重な対話が求められる政策だ」(大和証券の尾谷俊シニアストラテジスト)。実際、FRBが着手できたのは危機発生から9年もたった17年秋だった。しかも、わずか2年後には米中対立による景気悪化を食い止めるため、正常化路線は棚上げせざるをえなくなった。
3中銀の資産増加額はリーマン後の1年半の3~9倍だ。あふれたマネーは株や債券だけでなく、住宅や暗号資産(仮想通貨)などあらゆる資産市場になだれ込んでいる。
「FRBがバランスシートの縮小を始めるまで何年もかかるだろうし、通常のレベルに戻すには長い時間が必要だ」。リーマン後の正常化への苦闘を知るニューヨーク連銀前総裁のダドリー氏は米メディアで長期戦への覚悟を説いた。
時間をかけての正常化路線にはまた別の落とし穴が潜む。低金利が続けば政府の財政出動が容易になり、債務膨張に歯止めがかかりにくくなる。実際、コロナ対応で巨額の経済対策を重ねた米政府の債務残高は国内総生産(GDP)比で130%前後に跳ね上がった。第2次世界大戦後の1946年(約120%)を上回る規模だ。
「市場は再び経済危機が起きれば政府・中銀が対応に動くと思っているし、それは正しい。当局がショックを放置することはあり得ない」。日銀の中枢幹部はこう言い切る。だが、危機のたびにより大規模な緩和マネーを投じて制圧しようとする「いたちごっこ」はいつまで続けられるのか。中銀が膨張したままの姿では次の危機への備えを欠く恐れがある。
新型コロナウイルス禍の打撃が大きい空運や鉄道など非製造業を中心とした約620社で、受給総額は4500億円を超えた。コロナ禍特例による増額措置が続いているうちに、収益を回復させられるかが課題となる。
世界の時価総額は13日時点で116兆ドル(約1・27京円)と過去の月末値と比べて最大になった。同日には米ダウ工業株30種平均が4日連続で過去最高値を更新。ドイツのDAXやインドのSENSEXも最高値を付けた。
S&P500種株価指数の採用銘柄で4~6月期の利益が事前の市場予想を超えた企業が、13日時点で87%にのぼった。欧州ストックス600では、10日時点で67%となった。米主要企業の利益予想も拡大基調が続いている。
欧米を中心にワクチン接種が進捗していることで、20年前半のような厳しいロックダウン(都市封鎖)は避けられ、企業活動の急激な落ち込みは避けられるとの見方も下支えしている。半導体などは供給不足の状況が続いており、高水準の生産が続くとみる向きがある。
政府による政策支援も手がかりとなっている。バイデン政権が重視する1兆ドル規模のインフラ投資法案が10日に、米上院で可決された。「新型コロナの感染が再び深刻になっても政策支援が期待できるので、投資家は株を売りにくい」との指摘も
米連邦準備理事会(FRB)による早期の金融緩和縮小懸念もやや薄れている。
もっともデルタ型に対する警戒は続いている。人の移動動向に業績が左右される観光や航空株は軟調だ。6月末比の株価騰落率をみると、クルーズ船運営の米カーニバルが13%安、航空大手の米アメリカン航空が6%安、カジノ運営の米MGMリゾーツ・インターナショナルは5%安だ。
ミシガン大学が13日発表した8月の消費者態度指数(速報値)は70.2、指数は市場予測(81程度)を大きく下回り、7月の確報値から11ポイント低下、リーマン・ショックの影響が続いていた2011年12月以来、9年8カ月ぶりの低水準となった。
特に下がったのは「今後の見通し」で、前月比で13.8ポイント低下し65.2だった。「現在の景況」は同6.6ポイント下がり、77.9となった。
調査担当者は8月の急落について、変異ウイルスの拡大により「パンデミック(世界的大流行)がすぐに収束するだろうという期待が打ち砕かれた反応が表れた」と説明する。今後数カ月でインド型(デルタ型)が抑制されていけば、「消費者は再び楽観的な見方へ変化していくだろう」とみる。
一方でエコノミストからは「我々が考えていた以上にデルタ型のまん延が経済に大きな影響を与える可能性を示唆している」「比較的小さいが、実際の経済活動に(デルタ型の)影響が出ていることは認めざるをえない」との指摘も。
例えばサウスウエスト航空は11日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で「8月の便の予約キャンセルが増えている」と明らかにした。8月の売上高見通しを19年比15~20%減とし、当初の予測(12~17%減)より若干引き下げた。
物価上昇による家計への影響は、低所得層や年金生活者などで特にはっきり表れた。65歳以上の3分の1近くと、最低所得層もしくは最終学歴が高校卒業以下の層の約4分の1が、インフレにより生活水準が低下したと回答した。
全米不動産業者協会(NAR)が12日発表した2021年4~6月期の都市圏一戸建て中古住宅の販売価格(中央値)は35万7900ドル(約3950万円)と前年同期より22.9%上がり、四半期ベースの上昇率は統計がある1968年以降で最大となった。販売価格も最高額となった。
在宅勤務拡大を背景に郊外の住宅に移る動きがあり、住宅ローンの低金利も需要を押し上げている。一方、住宅供給の不足感が販売価格を押し上げており、エコノミストからは「住宅市場は過熱している」との声が出ている。
上昇率が最大だったのは東部マサチューセッツ州ピッツフィールド地区で46.5%上がり、32万1900ドル。最高額だったのは西部カリフォルニア州のIT産業の集積地にあるサンノゼなどの地区で169万9千ドルとなり、23.1%上がった。
新型コロナウイルス流行後に事務所を移転・縮小する企業が増え、経営者のコスト削減意識が続く。市況悪化で不動産開発中堅のSOHO中国は米投資ファンドへの身売り方針を決めた。大手の緑地控股集団は住宅事業へのシフトを急ぐ。政府は超高層ビルの建設を禁止するなどバブルを警戒するが、不動産会社の淘汰が進む可能性がある。
日本で自社が5Gを導入し、利用していると答えた人は回答者の半数にとどまり、世界9カ国の平均を下回った。導入後の費用対効果が不明瞭と考えている経営層が多く、利用が遅れているという。
米下院民主党の穏健派議員9人が、超党派のインフラ包括法が成立するまでは、3兆5000億ドル(約384兆円)規模の支出・税制計画につながる予算決議案に対する支持を留保すると表明した。バイデン大統領のアジェンダを議会で進展させる計画が頓挫する恐れも出てきた。
こうした穏健派のスタンスは、予算決議案について8月23日の週に下院での採決を目指すペロシ氏の戦略を危うくしている。同決議案が下院を通過するためには、民主党議員の反対票が3票にとどまらなくてはならない。下院で共和党の支持は一票も得られない見通しだ。上院は同案を今週、党派通りの票決で可決した。
べナム氏の委員長指名はCFTCが気候変動などの問題により多くの時間を費やす可能性が強いことを意味する。同氏は3月に、CFTCが二酸化炭素排出量の削減でデリバティブ取引が果たす役割を判断するため気候変動部門を立ち上げる計画だと発表していた。
中国国営ラジオの中央人民放送(CNR)は14日、ウェブサイトに掲載した論説で、ゲームが不道徳に歴史をゆがめているなどとし、「正常な軌道から逸脱したオンラインゲームは容認ゼロ」とし、当局が管理を強める必要があると主張した。論説は一部のゲームがプレーヤーに誤った印象を与えており、その大半は若者だと指摘。「ゲーム産業は自制心を強め、中国の歴史への尊敬を業界の従業員の基本とすべきだ」としている。
トレーダーらは今週、2025年3月の3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が0.5%未満と見込むユーロドル・コールオプションを買い急いだ。事実上の米ゼロ金利がそれまで維持された場合に利益が出るポジションだ。ユーロドル先物市場は現在、LIBORが25年1-3月(第1四半期)までに約1.47%に上昇するとの予想を織り込んでいる。
米利上げが全くない極端なシナリオが実現するテールリスクに備えるヘッジ目的のこのポジションは、過去1週間に積み上がった。ロンドンとシカゴの事情に詳しいトレーダーによると、12日の取引では11万枚以上のオプションが買われた。暫定建玉データによれば、未決済ポジションは15万3000枚超と、1週間前の約2万2000枚から膨れ上がっている。
●市況
日経先物(大証)27860、ダウ先35400、債先152.31、米1.283、独▲0.4725、仏▲0.128、西0.216、伊0.549、原油68.21、ドル円109.60、墨ペソ19.88、トルコリラ8.5241、墨CDS92
※8/13 NY引け値
備忘録(8/12)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
9月に国内線80路線の6560便を減便すると発表した。同月の運航率(2020年度事業計画比)は69%。8月から5ポイント改善する計画だが、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、コスト削減のため減便を続ける。需要の低迷が続けば、追加で減便する可能性もある。
●その他産業
座礁したパナマ船籍の「クリムゾン ポラリス」は日本郵船が洞雲汽船(愛媛県今治市)の関連会社を通じてチャーターしていた。
●決算関連
2021年4~6月期決算は売上高が前年同期比45%増の170億2200万ドル(約1兆8800億円)、最終損益は9億1800万ドルの黒字(前年同期は47億2100万ドルの赤字)だった。新型コロナウイルスの影響で前年同期にほぼ営業を停止していた世界各地のテーマパークを段階的に再開し、約19年ぶりの最終赤字となった前年同期から業績が改善した。
テーマパークとグッズ販売からなる部門の売上高が4.1倍の43億4100万ドルだった。ディズニーは米フロリダ州とカリフォルニア州、中国・上海と香港、パリにあるテーマパークをいずれも21年6月までに営業再開している。同部門の営業損益は3億5600万ドルの黒字となり、5四半期ぶりに黒字化した。
映画配給や動画配信などメディア部門の売上高は18%増の126億8100万ドルだった。19年11月に開始した動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の6月末の会員数は3月末に比べ1240万人増え1億1600万人となり、事前の市場予想(1億1450万人前後)を上回った。
CEOはテーマパーク部門について「強い需要が継続している」と強気の見通しを示した。ただ、経営環境がより正常化するまで、復配や自社株買いは行わないという。
JFEHDは12日、22年3月期の事業損益が3500億円の黒字(1500億円上方修正、前期は129億円の赤字)最終損益が2400億円の黒字(1100億円の上方修正、前期は218億円の赤字)になる見通しだと発表した。世界的な鋼材需要の回復と需給逼迫による価格上昇、在庫評価差益の上振れなどが要因
V字回復の勢いでは欧州アルセロール・ミタルや米USスチールに差を付けられている。20年10~12月期には日鉄とミタルはほぼ同水準の利益率だったが差が広がった。USスチールは以前は日鉄とJFEを下回っていたが、一気に逆転した。
日本勢は国内事業の7~8割が長期契約やそれに連動する取引とされる一方、ミタルの長期契約は主力の欧州で2割程度とみられる。その分、需給や原料高が製品価格に反映されやすい。
さらに日本勢の長期契約は価格水準が低い面がある。日鉄の森高弘副社長は国内価格について「海外と比べ『陥没』した水準」と表現する。21年4~6月の鋼材平均価格は製品構成などによる違いもあるものの、ミタルは1~2割高い。
足元では一大生産国の中国の当局が環境対策などで減産姿勢を強め、鋼材の国際需給を引き締めている。日本勢は引き続きコスト削減や採算性が高い高級材へのシフトなどによる収益力の強化を進めていく必要がある。いずれやってくる市況下落局面でどれだけ収益を維持できるかが焦点だ。
ホテルなどレジャー・サービス、運輸はいぜん営業赤字となったが、赤字幅は縮小した。
同社の主力であるNAND型メモリーの需要は旺盛で、販売単価は4四半期ぶりに上昇に転じた。
メモリーを使った記憶装置「ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)」は、データセンター向けで好調を維持した。在宅勤務などを背景に流通するデータ量が増加しているためだ。そのほか、スマートフォン向けの出荷も増加した。
その結果、出荷量(記憶量ベース)は21年1~3月期から6~9%程度伸びた。新型コロナウイルス禍で悪化したNAND型メモリーの市況は改善傾向が続き、販売単価は11~14%程度の上昇に転じた。単価上昇にともない収益性も回復。営業利益は前年同期比2.4倍の351億円だった。
NAND型メモリー需要は今後も高水準で推移する見通し。SSDは企業の設備投資の回復でサーバー向けが伸びるほか、高速通信規格「5G」が追い風となり、スマホ向けも堅調との前提に立つ。
キオクシアが手掛けるNAND型メモリーは生産企業が多く、供給能力も伸びている。需給は引き締まっているが、極端な供給不足には陥っていない。「需給状況は今年後半にかけて引き続き安定的に推移する」(同社)見通しだ。
●マクロ・その他
新規失業保険申請は37万5000件と前週の改定値から1万2000件減、市場予想平均(37万5000件)と一致した。今年最少だった7月4~10日の(36万8000件)に近い水準だ。コロナの感染が米国で急速に広がる直前の2020年2月(20万~22万件程度)にも近づいている。個人消費など需要の回復が続いており、幅広い業種で採用活動が積極化している。失業保険の給付を拡大する特例措置を打ち切った州も増え、求職活動を再開する個人が増えている。
ただ7月以降、コロナのインド型(デルタ型)の感染が急拡大しており、今後の雇用回復に逆風となる可能性もある。
7月の都心の賃料は12カ月連続で下落。都心でトップだった渋谷区は前年同時期より1割下がり、2年ぶりに千代田区を下回った。一方、都心全体の空室率の上昇ペースはやや鈍化してきたとの見方もある。
5月に米国の証券取引所の上場廃止が決まった大手2社は近く上海証券取引所に上場する方針で、試算を含む資本調達の見込み額は1.7兆円規模に達する。事業戦略面でも国内重視が鮮明だ。かつてはグローバル化を志向していたが、米中の対立や規制を背景に海外展開はしばらく停滞することになる。
今春からロックダウン(都市封鎖)が段階的に緩められ、サービス業の再開で個人消費が急回復した。新型コロナウイルスのワクチンの素早い展開が奏功し、4~6月期はユーロ圏の2.0%や米国の1.6%を大きく上回った伸び率になった。
支出面の内訳をみると、全体の約6割を占める個人消費が7.3%増え、3四半期ぶりにプラスへ転じて回復をけん引した。政府支出は6.1%増で4四半期続けてプラスだった。感染対策やワクチン展開での財政出動が貢献した。企業の設備投資は2.4%増だった。
共和党上院議員46人は、債務上限引き上げに賛成票を投じるつもりはないとする書簡に署名。米財務省が9月にもデフォルト(債務不履行)に陥るリスクを高めかねない行動を取った。その上、民主党主導の3兆5000億ドル(約390兆円) 規模の予算決議には債務上限の引き上げに関する文言は盛り込まれなかった。その結果、米国の資金繰りが尽きる恐れがあると議会予算局(CBO)の予測する10月と11月に満期を迎える財務省短期証券(TB)は、他の短期債に比べて安くなった。
直近の動きは、わずかな資産を追い求める資金があふれかえり、行き詰まっている短期資金調達市場をさらに苦しめる公算が大きい。財務省が資金のバッファーを使い果たし、債務上限までの余地を確保するためTビル供給をさらに減らせば、こうした不均衡はさらに続きそうだ。
米財務省は今月、政府の資金繰りを支援するため特別な措置を利用し始めており、4日には特例措置をどれだけ継続できるか具体的な見通しは示せないとの見解を示していた。同省はまた、6週間物キャッシュ・マネジメント・ビル(CMB)の毎週の発行を8月19日の決済後に終了する計画。
米経済がスタグフレーションの状態にある、もしくはそれが近いとの考え方は、現時点ではまだ非主流的な見方だ。今年の米国内総生産(GDP)成長率は6%を上回ると予想されているほか、消費者信頼感の改善も見られる。ウォール街の金融機関は引き続き好調で、直近の決算シーズンでは利益は前年同期の水準から倍増している。
ただし、「一時的」なインフレが予想よりも加速し持続している上に、実質経済成長率は低迷しつつあるほか、労働市場に参加できないでいる求職者は引き続き多い。
「スタグフレーション」という見方そのものについて、大げさなのか、先を見越したものなのか、エコノミストらが議論することは可能だ。だだインフレ期待がここ10年余りで最も高い水準近くにとどまり、世界成長見通しが暗くなりつつある中で、ブラークマン氏は6月にポートフォリオの調整を始めた。
同氏は「経済が減速する見込みであるほか、インフレは持続するだろう。そのため、経済はスタグフレーション入りする」と分析。 そうしたシナリオ下では、REITとテクノロジー銘柄は依然として好調に推移する傾向にあるほか、金も魅力的に見え始めると指摘した。
政策金利を0.25%引き上げて4.5%にすると発表した。利上げは2会合連続。新型コロナウイルスの感染状況は悪化しているが、食料品やエネルギーの価格が上昇しているのに対応した。
7月の消費者物価指数は前年同月比5.81%の上昇だった。中銀の目標上限(4%)を上回るのは5カ月連続。1年前は新型コロナの感染によりエネルギー価格が下がっており、その反動の影響はあるが、インフレはおさまっていない。
国際商品価格の上昇によるインフレの加速を受けて、世界の新興国では利上げが相次いでいる。ブラジルは4日、ロシアは7月23日に、いずれも4会合連続の利上げを決めた。
中国は世界3位のコンテナ取扱量を誇る寧波舟山港を部分閉鎖した。同港では労働者1人が新型コロナウイルスに感染していた。重要な商戦期が近づく中で、すでに問題を抱えていたサプライチェーンや世界貿易に一層の打撃となる恐れがある。
閉鎖されたターミナルは寧波舟山港のコンテナ取扱量全体の約25%を占め、「サービス停止は貨物取り扱いと出荷に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と同社は指摘。ドイツのコンテナ船運航会社ハパックロイドは、運航に遅れが生じると通知した。
新型コロナが理由で中国の港が閉鎖されるのは、最近では深圳の塩田港に次いで2件目。塩田港の閉鎖は5月下旬から約1カ月続き、工場や保管場所に商品が山積みになり貨物運賃も押し上げた可能性が高い。貨物運賃はすでに記録的な高水準にあり、インフレの源となっている。
中古一戸建て住宅の販売価格(中央値)は前年同期比23%上昇の35万7900ドル(約3950万円)と過去最高。調査対象となった183都市圏の約94%が2桁の伸び率となった。1-3月(第1四半期)は、2桁の伸びとなったのは全体の89%だった。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏はリポートで「住宅価格の上昇と、それに伴う住宅資産の増加はこの1年間、目を見張るものがあった。だが2022年も同じ状況になる可能性は低い」と分析。「市場への供給が増え、需要がやや後退しつつある兆候が見られる」と指摘した。
●市況
日経先物(大証)28070、ダウ先35408、債先152.22、米1.361、独▲0.4535、仏▲0.123、西0.226、伊0.549、原油68.81、ドル円110.41、墨ペソ19.96、トルコリラ8.5593、墨CDS96
※8/13 8時55分頃
備忘録(8/11)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
9月16~30日に国内線79路線の3126便を減便すると発表した。9月全体の運航率(2021年度当初計画比)は73%。8月(70%、5日発表時点)比では3ポイント改善する計画としたが、新型コロナウイルス下でコストを抑えるため減便を続ける。需要低迷が続けば追加減便を行う可能性もある。
アナリストのサルビーン・リクター氏はリポートで、デルタ変異株の感染が広がる中で7月に実施された予備的研究によれば、モデルナ製ワクチンよりも米ファイザー・独ビオンテック製ワクチンの方が感染に対する有効性の低下度合いが大きかったと記した。
8月8日に発表された同研究の論文(査読前)によれば、モデルナ製ワクチンの有効性は76%に低下。一方、ファイザー製では42%に下がった。ブレイクスルー感染(ワクチン接種後の感染)については、モデルナ製ワクチンは感染リスクの抑制度合いがファイザー製の2倍に上った。
その上でリクター氏は、この研究に限界があることも指摘。モデルナ製とファイザー製のワクチン比較に関して今後発表されるデータを注視していくと説明した。そうしたデータが、2022年以降の需要を見通す上で支援材料になると記した。
米エヌビディアが昨年9月にソフトバンクGからアームを約400億ドルで買収することで合意した時、既に半導体業界で過去最大規模の案件になると見込まれていた。売却代金の大きな部分を占めるエヌビディア株がそれ以降に値上がりしたことを受け、ソフトバンクGが売却で受け取れる金額は500億ドル余りに増加している。
ただし、同社はアームが拠点を置く英国の規制当局に加え、欧州連合(EU)と米国および中国の当局の承認を得る必要がある。全ての当局を満足させるのは難しいことも考えられるため、ソフトバンクGは売却ほど高い利益が見込めないアームの新規株式公開(IPO)という「プランB」の実施を余儀なくされる可能性もある。
米南部テネシー州の完成車工場の生産を2週間休止する。マレーシアでの新型コロナウイルスの感染拡大で半導体の供給が滞ったため。アジアでの感染拡大が自動車サプライチェーン(供給網)の新たな懸念になっている。
半導体不足の影響でスウェーデン南部にあるヨーテボリ工場の稼働を同日夕方から一時停止すると発表した。週内の再稼働を予定している。
同社は6月にもベルギーにある工場を一時止めている。半導体不足は世界の自動車業界に打撃を与えており、欧州では仏ルノーが2021年通期で20万台の生産ができなくなる恐れがあると発表している。
モデルナ株とビオンテックのADRは今年に入って今月9日まで共に360%超上昇し、9日の終値はいずれも上場来高値を記録。しかし10日に反落し、11日はモデルナが16%安、ビオンテックが14%安と下げ幅を拡大した。投資家の間で両社の高いバリュエーション(株価評価)が嫌気され、時価総額は2日で合わせて約600億ドル(約6兆6300億円)減少した。
●その他産業
イラクから英BP、米エクソンモービルといった石油メジャーが相次ぎ撤退する構えをみせている。世界で脱炭素の動きが強まり、石油採掘事業の将来が不透明になるなか、政権が安定しないイラクでの事業を見直そうとしている。各社は中東の石油を求める中国国有企業への権益売却を検討している。
シンガポール法人のサイトで、米最大手クレジットカード会社ビザで決済する時だけ0.5%の上乗せ手数料の負担を消費者に求めると明らかにした。ビザの決済費用が高いためと説明している。シンガポールがこうした取り組みを実施する初めての国という。
アマゾンはシンガポールの顧客に対し、他社での決済に切り替えるよう促しており、ビザには打撃となる。アマゾンは顧客に不便をかけるとしつつも「近くクレジットカードが中心とはならない未来を期待している」と強調した。
一方、ビザは「消費者は商品やサービスの対価のみを支払うべきだ」(広報)と反論した。
地震に相当するような大災害に備えるカタストロフィー債(CAT債)を販売してきたが、この証券の買い手は今、揺れを感じている。
この証券が取引されるのはまれだが、先月にはディストレスト水準の価格となり、額面1ドルに対し約60セントで売却された部分もあった。事情に詳しい関係者によれば、JPモルガン・チェースのトレーダーは最近、同証券のジュニア(下位)トランシェに対し同程度の価格を提示した。
同証券は3月まではほぼ額面でクオートされていたが、アルケゴス・キャピタル・マネジメントとグリーンシル・キャピタルに関連した不祥事が保険支払事由(保険事故)に該当し元本が全て失われるのではないかとの疑念が浮上した。
クレディ・スイスは、銀行のオペレーショナルリスク、つまり不祥事や詐欺など幅広いリスクに備えて銀行が確保しておかなければならない資本を小さく抑えることを目的にこのユニークな商品を作り出したが、同行の波乱でその機能が試されることになった。
●決算関連
16社全体でみると、4~6月期の合計売上高は19%増の2兆397億円で、最終損益は1097億円の赤字(前年同期は4786億円の赤字)に縮小した。不動産売却益や負ののれん発生益といった特別利益も寄与した。
もっとも、コロナ禍のなかで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置といった人流制限の施策は続いている。減価償却費が減った東急と電気料金の見直しで動力費などを圧縮した東武鉄道を除く14社は、鉄道などの運輸系事業が部門営業赤字となった。
コロナ禍のなかでも不動産事業は「安定的に収益を出せている」(東急)。住宅の販売や賃貸を手掛け、鉄道やレジャーに比べると人流の影響を受けにくいためだ。
コロナ禍前に不動産事業が売上高の3割強、営業利益の5割を占めていた京阪ホールディングス(HD)も4~6月期の最終損益が7億円の黒字(前年同期は34億円の赤字)に浮上。「オフィス向け物件の一棟売却や沿線外のマンション販売などが好調」(同社)で、不動産事業の部門営業利益は前年同期に比べ66%増えた。最終損益が32億円の黒字(同189億円の赤字)に転換した阪急阪神ホールディングス(HD)も不動産事業の賃料収入が増えた。
2022年3月期の連結純利益が前期比23%増の1500億円になる見通しだと発表した。従来予想から215億円引き上げ、過去最高益を更新する。半導体や自動車業界を中心に機器販売が想定より増える。世界的な景気回復を追い風に工場自動化(FA)関連の主要企業はそろって業績が好調だが、中国需要の持続性には不透明感も漂っている。
20年12月期は1595億円の赤字だったが、今期は黒字転換し、2001年の上場以来の過去最高益を見込む。本社ビル売却で560億円の利益貢献を織り込むほか、企業の広告活動が再開していることを受けた広告事業の収益回復を見込む。
金融、電子商取引(EC)事業の収益は拡大するが、投資負担がかさむ携帯通信事業の赤字がそれ以上に膨らみ、補えない。安定して稼ぐ金融事業への収益依存が当面は続きそうだ。
前年同期と比べ、輸送人員はやや回復し、いずれも黒字となった。ただコロナ前の水準には及ばず、足元でも感染者が拡大していることから本格的な回復は見通せていない。
新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が増えていることから、パソコンなどが主力のインテリジェント・デバイス事業が牽引。4~6月期としては過去最高の業績となった。
1~6月期決算は43%減収/最終損益が78億香港ドルの赤字(前年同期:98億香港ドル)だった。旅客部門が93%減と大きく落ち込む一方で、ワクチンなどの運搬需要がある貨物部門は0.1%増だった。旅客数は96%減の約15万7千人で、1日あたりわずか868人。利用しなくなった航空機の減損やリストラ関連の費用も計上した。
香港は域内の感染拡大を抑え込んでいるものの、変異ウイルス流入を警戒して厳しい入境規制を続ける。シンガポールとの間で計画していた強制隔離なしの往来も実現していない。キャセイは通常の国内線に相当する路線を持たず、すべて国際線のためコロナの影響がとりわけ大きい。
●マクロ・その他
2021年通年の実質国内総生産(GDP)の伸び率見通しを6~7%に上方修正したと発表した。従来見通しは4~6%だった。新型コロナウイルスのワクチン接種が広がるなか、製造業など外需産業が年後半も成長をけん引するとみて、従来見通しを引き上げた。
CNBCが入手した文書によれば、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、「米国は関連するOPECプラス加盟国と価格設定における競争市場の重要性についてやりとりしている」とし、「競争のあるエネルギー市場は信頼できる安定したエネルギー供給を保証するものであり、OPECプラスは景気回復を支えるためにさらなる行動が必要だ」と論じた。
CPIはy/y+5.4%、m/m+0.5%、コアCPIはy/y+4.3%、m/m+0.3%
7月は食品やエネルギー、住居、新車などが上昇に寄与。航空運賃や自動車保険は低下した。
経済再開に伴う価格急騰は一部で収まり始めている。統計発表元の米労働省は、中古車・トラックの前月比の伸びが小さかったことがコアCPI減速の「主な要因だ」としている。
一方、供給制約や需要急増に直面している企業は、コスト上昇圧力が高まる中でモノやサービスの値段を引き上げている。原材料不足や輸送面のボトルネック、人材採用難といった問題を背景に、向こう数カ月、より広範囲での物価上昇圧力が続く公算が大きい。
また、CPI全体の約3分の1を占める住居費は0.4%上昇し、コア指数の前月比上昇分の半分余りを占めた。
ブルームバーグ・ニュースが確認した通知文書によると、規制当局は企業と地方当局に対し、不適切なマーケティングや価格設定の慣行に歯止めをかけ、ユーザーのプライバシー保護を強化するように命じた。これらの問題に自主的に取り組むよう各企業に促し、順守できない場合は「厳しい罰」を受けることになるとしている。
今回の広範な命令は、保険テクノロジーの新興企業ウオータードロップ(水滴)や中国平安保険(集団)が支援する事業など一部の上場企業を対象にした措置を越える内容だ。中国当局は今年に入ってフィンテック分野に対する規制を強化。その後、教育テクノロジーや配車サービス、短編動画プラットフォームの他、最大手テクノロジー企業の一部に対しても締め付けを強めている。
今回の広範な命令は、保険テクノロジーの新興企業ウオータードロップ(水滴)や中国平安保険(集団)が支援する事業など一部の上場企業を対象にした措置を越える内容だ。中国当局は今年に入ってフィンテック分野に対する規制を強化。その後、教育テクノロジーや配車サービス、短編動画プラットフォームの他、最大手テクノロジー企業の一部に対しても締め付けを強めている。
米国債オプション市場のトレーダーらは新たな売りの波を予想しているが、今回は2月と異なり長期債ではなく期間5-10年の部分が売られるとみている。
需要の変化は、投資家の焦点がリフレトレードから中期的な利上げ見通しへと移ったことを示す。リフレトレードの中ではインフレ懸念から長期債が売られイールドカーブがスティープ化していたが、予想より良好な経済指標を背景にした米連邦準備制度当局者からの一連のタカ派的コメントが流れを変えている。
ウェブサイトに掲載された「評論」によれば、仕事に絡む強制的な飲酒など一部の不文律は犯罪につながり得ると指摘。アリババの問題で法に抵触した者は厳しく罰せられるとコメントした。
中国国務院は11日遅くに発表した声明で、国家安全保障や技術革新、独占禁止を含む分野での法整備に「積極的」に取り組むと表明。「国を統治する上で極めて必要になる」法的枠組みを改善するためだと説明した。声明では、食品や医薬品、教育など国民の直接的な利益に関わる分野で法執行体制が強化されるとしている。
米共和党の上院議員46人は民主党に対し、連邦債務上限の引き上げに賛成票を投じるつもりはないと書簡で警告した。連邦政府が9月にもデフォルト(債務不履行)に陥るリスクを高めかねない動きだ。
民主党のシューマー上院院内総務は11日、「国のデフォルトを共和党が容認するというのは信じ難い。債務上限問題には超党派で対応するのが常だ」と記者団に対しコメント。前政権下で「民主党はトランプ大統領に協力し、上限を3度引き上げていたはずだ」と語った。
上院は9月13日まで休会であるため、同月末までにこの問題に対処するには2週間余りしかない。下院は上院で可決された予算決議を8月23日に採決すると10日発表したが、債務上限への対応については計画を示していない。
全米企業エコノミスト協会(NABE)向けにバーチャル形式で講演したもので、事前に配布された原稿によれば、「景気回復が進行していることを踏まえ、今こそ異例の金融緩和政策からより中立的な政策設定へと移行する必要がある」と指摘。「私が先に説明したような現在の引き締まった経済状態が、引き締まった金融政策を必要としているわけでは当然ないが、政策の設定を巻き戻す時期が来たというシグナルであることは確かだ」と語った。
●市況
日経先物(大証)28240、ダウ先35376、債先152.20、米1.342、独▲0.4665、仏▲0.120、西0.243、伊0.574、原油69.22、ドル円110.38、墨ペソ19.92、トルコリラ8.6324、墨CDS96
※8/12 9時25分頃
備忘録(8/10)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
21年4~6月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が7615億円と前年同期から39%減った。前年同期は米通信会社TモバイルUS(旧スプリント)の株売却などに伴う一時的な利益が膨らんでおり、反動が出た。LTV(同社発表値)は16%だった。
「ビジョン・ファンド」の利益は2356億円と82%増。ただし、7月以降、滴滴は中国当局による審査をきっかけに株価が急落し、足元は6月末に比べ3割安い。中国オンライン教育会社への規制強化懸念が燻るほか、中国企業の海外上場への審査強化によりIPOを通じた投資回収が滞るリスクも意識されている。
ビジョン・ファンドおよびラテンアメリカ・ファンドの投資先のうち、時価ベースで中国比率は23%、今年4月以降の新規投資では11%にすぎない。ただし、アリババ株を含めると中国比率は5割に達する。
米バイオ素材開発のザイマージェン、韓国ネット通販のクーパンなど、中国以外でも株価が下落している投資先は少なくない。投資に全勝はあり得ないが、失敗案件が目立てば、管理が適切か投資家から問われかねない。
ハワイへの日本人渡航者数に回復の兆しが出ている。国内航空各社は国際線やレジャー需要回復の先行指標として今後の動向を注目している。
全日本空輸のハワイ路線の月当たり搭乗者数は、今年1-4月の約1000人に対し、5-6月は約1500人だった。7ー8月は約2000人の見通しと徐々に増えつつある。
JAL、全日空ともに足下の予約動向やキャンセル数に大きな変化は見られないとしている。
課題も残る。一つはPCR検査の費用だ。検査費用は1人当たり計5ー6万円程度になる。また、全ての入国者に対し自宅などで14日間の待機を求める日本の水際対策だ。
●その他産業
今年5月にはドイツ国内で生産された乗用車に占めるEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の比率が初めて2割を突破した。世界的に環境規制が強まるなか、フォルクスワーゲン(VW)など独大手はまず国内工場をEV工場へと転換する。
カナディアン・パシフィック鉄道は10日、同業の米カンザスシティー・サザン(KCサザン)に対し新たな買収提案を提出したと発表した。債務を含む買収総額は約310億ドル(約3.4兆円)。
カナディアン・パシフィックは3月、KCサザンを債務を含む総額290億ドルで買収する合意を取り付けていたが、その後カナディアン・ナショナルが総額336億ドルを支払う対抗案を提示した。カナディアン・ナショナルの提示額は下回るが、同社による買収は規制当局の承認が得られない可能性が高いとみて、当初の提示額より引き上げた対抗提案で買収合戦に再び参戦する。
KCサザンは米中西部やメキシコを結ぶ輸送網を持ち、自動車などの工業製品や農産品の貿易に重要な役割を持つ。米国、メキシコ、カナダの3カ国の新たな貿易協定(USMCA)発効や供給網(サプライチェーン)の見直しで域内の輸送需要は中長期的に拡大を見込む。
アサヒグループホールディングス(GHD)はオーストラリア子会社などが伸びて従来予想を上回る一方、キリンホールディングス(HD)はミャンマー事業の低迷が響き下方修正した。海外事業の勢いをうつして株価もアサヒGHDの上昇が目立つ。
●決算関連
中国電信(チャイナテレコム)の1~6は13%増収/最終利益は27%増益となる増の177億元(約3000億円)。携帯電話契約件数、ブロードバンド契約数、クラウドサービスなど各部門が拡大するなど業績は好調だが、半導体不足で基地局建設など投資の進捗が遅れていると明らかにした。
鉄道を中心とする運輸事業は全社で営業赤字が続く。新幹線や特急など長距離路線を抱えるJR西日本や近鉄グループホールディングス(GHD)などで利用回復の遅れが厳しい。
13%増収/営業損益は202億円の黒字(前年同期は79億円の赤字)/最終利益は141億円の黒字(同:61億円の赤字)。ワクチン接種が進む米国などを中心に旅客需要が回復しつつあり、航空機エンジンのスペアパーツの販売が伸びた。有形固定資産の売却益も寄与した。
ホテル・レジャー事業で新型コロナウイルス感染拡大の影響が残るが、前年同期に比べ鉄道の利用が回復したほか、旅行業でもコールセンター業務などの受託業務が増えて赤字幅は縮小した。
最終損益は93億円の黒字(前年同期は239億円の赤字)だった。運搬機器などを手掛けるサカエ(大阪市)などの子会社化に伴い、負ののれん発生益108億円を特別利益として計上した。
●マクロ・その他
グループ傘下でEV開発を手掛ける中国恒大新能源汽車集団、不動産管理の恒大物業集団に関する資産の一部売却を検討するため、複数の投資家と接触していることを明らかにした。現時点では具体的な計画や正式な契約はない。
米国の貸出判断指数(DI)は緩和超過の度合いが過去最高だ。新型コロナウイルス禍の下でも経済活動が徐々に再開。米欧銀は不良債権リスクに慎重だった姿勢を一転させている。感染再拡大への懸念がくすぶるなか、経済活動の「血流」である金融の安定は景気回復に向かう上で焦点になる。
2021年4~6月の失業者233万人のうち、失業期間が1年以上に及ぶ人は74万人で3割以上を占めた。失業者の全体数も増加傾向が続いている。
失業者全体を仕事につけない理由別でみると「希望する種類・内容の仕事がない」が33%と最も多かった。6月の有効求人数(季節調整値)が前月比横ばいとなるなど、足元では企業の求人意欲も伸び悩んでいる。
厚生労働相は10日の記者会見で失業期間の長期化について「特定の産業にコロナが影響を与え続けている。同じ職を探しても、長期的に勤める先がない状況もある」と指摘した。
全米の住宅価格指数の上昇率は5月に前年同月比16.6%に達し、1987年の公表以降で最大の伸び、00年代半ばの住宅バブルをも上回る。上昇が際立つのはアリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンディエゴだ。価格上昇率は2割を超える。「温暖な地域で比較的価格が手ごろだったことで急速に人気が高まった」と指摘する。新型コロナウイルスの流行で在宅勤務が広がり、郊外の需要も強まった。建設の人手不足や材料不足もあり、需給は逼迫している。
株価が最高値圏にあり、懐の潤った富裕層が投資目的で購入する動きも増えているほか、「持ち家の価値が上がったことを活用し、サウスカロライナ州などに別荘を買う人も増えている」との声も。
現在売りに出されている一戸建て住宅は100万戸を下回り、1995~2019年の半分以下だという。
もっとも、価格高騰で販売には陰りも出ている。米商務省によると新築一戸建て住宅販売件数は6月まで3カ月連続で減り、2020年4月以来の低水準となった。供給制約もあるが、手ごろな価格の住宅が減り、購入をあきらめる例も増えている。
FOMCでは複数の幹部から「低金利が住宅価格上昇に影響しており、金融安定性のリスクになりうる」といった指摘が出ている。
新興国市場のドル建て社債と準ソブリン債のブルームバーグ・バークレイズ指数は2020年3月上旬以降でプラス5.4%のリターン。ソブリン債のみの指数はプラス2.9%にとどまっている。
米国債がさらに売られれば、住宅ローン関連のヘッジが活発化し、10年物利回りが1.43%を超えるとさらに加速する可能性がある。モルガン・スタンレーのストラテジストらはこのようにみている
8月の期待指数は40.4と、前月の63.3から急落。ZEWのバンバッハ所長は景気に対する「リスクが高まっている」と警戒感を示した。現状指数は前月から改善した。
テマセクは表面利率2.8%前後でシンガポール・ドル建て債を募集する。事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。ブルームバーグがまとめたデータによれば、公募のシンガポール・ドル建ての一般的な債券として最長の償還期限になる。
特に2つの要因が挙げられるだろう。1つは、米国とのイデオロギー面での対立が深まる中での自立推進だ。もう1つは、2022年に開かれる5年に一度の共産党大会に向け、習氏自身が狙う権力基盤の恒久化だ。
専門家は、「習氏の頭の中では、西洋が没落、東洋が隆盛しつつある」と指摘。「来年の党大会で3期目を阻む勢力がほぼ見当たらない中、習氏を止めることは不可能だ。習氏にとって、締め付けを始めるのには絶好の機会だ」と指摘。
他の専門家は「腐敗や既得権益を取り締まる姿は、習近平氏が自分の任期を特徴付け、権力継続を正当化するための強力な手段となっている」と分析。「大きな企業への締め付けによって息をつけるようになる新興企業が増え、全体的には経済を押し上げると共産党は計算している」と語った。
共産党としては「不平等を生み出している元凶にまず歯止めをかけたい」意向だという。
習氏がどこまで締め付けを進めるつもりかは分からない。金融サービスや教育、医療、不動産など、国益に関わると判断されたあらゆる分野が次の標的になる可能性がある。
「これらの行動に対する不満が広がり始めれば、すぐに軌道修正されるだろう」
●市況
日経先物(大証)28010、ダウ先35147、債先152.11、米1.357、独▲0.4580、仏▲0.132、西0.225、伊0.550、原油68.33、ドル円110.68、墨ペソ20.09、トルコリラ8.6027、墨CDS95
※8/11 10時00分頃
備忘録(8/9)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
ソフトバンクグループなどから計15億ドル(約1650億円)を調達することで合意したと発表した。トレンドヨルの評価額は165億ドルに。
トレンドヨルは2010年創業で、3000万人超の利用会員を擁する。18年に中国アリババ集団の傘下に入った。
産業革命前と比べた世界の気温上昇が2021~40年に1.5度に達するとの予測を公表した。18年の想定より10年ほど早くなる。人間活動の温暖化への影響は「疑う余地がない」と断定した。「数十年以内に」大幅な排出削減が実施されない限り、重要な節目である気温2度の上昇は「21世紀中に超える」だろうと論じ、自然災害を増やす温暖化を抑えるには二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする必要があると指摘した。
18年の報告書は1.5度になるのは30~52年とみていた。予測モデルを改良し、新たに北極圏のデータも活用したところ10年ほど早まった。上昇幅は最善の場合でも41~60年に1.6度になる。化石燃料への依存が続く最悪の場合は41~60年に2.4度、81~2100年に4.4度と見込む。
報告書では過去200万年間で大気中の二酸化炭素濃度を最高に押し上げた要因には、化石燃料の燃焼と森林破壊もあると説明し、メタンや亜酸化窒素の大気中濃度は少なくとも80万年間で最高の水準にあり、農業や化石燃料がこれに寄与していると続けた。
米オフィス不動産大手クシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は9日、ウィーワークと事業提携すると発表した。C&Wはウィーワーク上場に向け、最大1億5000万ドル(約165億円)の資金提供も検討する。
株式市場の関心は6月までの業績よりも、むしろ7月以降の投資戦略に集まる。主要投資先である中国テック株を取り巻く環境はここ1カ月ほどで急速に悪化し、SBGの株価も下落基調が続くためだ。SBGはこれまでも投資環境の変化を経験してきた。同日の決算会見では、孫正義会長兼社長が逆境下での戦略をどう語るかに注目が集まる。
●その他産業
●決算関連
●マクロ・その他
3.5兆ドルの財政支出計画は、バイデン政権が重視する子育て・教育支援など「米国家族計画」をほぼ踏襲している。幼児教育の機会拡大や子育て世帯の減税拡充、日本の短大にあたるコミュニティーカレッジの無償化などを想定している。再生エネルギー投資への税制優遇などを実現していく構え。環境規制の緩い国からの輸入品に事実上の関税を課す「国境炭素税」の検討も例示した。
増税を含む計画は野党共和党の支持が見込めないため、民主党単独での可決をめざす。民主党単独で可決する道を開く「財政調整措置」と呼ばれる特別手続きを使う。財源の確保などをめぐって民主党内の急進左派と中道派の意見の違いが一段と表面化する恐れがあり、財政支出の規模縮小などにつながる可能性がある。
上院民主の指示の概要には、8月から復活した米連邦政府の債務上限問題への対応は含まれていない。イエレン財務長官は9日、議会は超党派の連携で債務上限を引き上げるか、一時凍結すべきだとの声明を改めて発表した。政府の手元資金が秋に枯渇する恐れのあるなか、この問題も与野党の駆け引きの材料となる。
米ニューヨーク連邦準備銀行が9日発表した7月の調査で、個人が予想する今後3年間の物価上昇率は3.71%(中央値、年率)となった。6月より0.16ポイント上昇し、2013年8月以来、約8年ぶりの高さをとなった。
7-9月(第3四半期)の前期比成長率を5.8%から2.3%成長に引き下げるとともに、通年の成長率も8.6%から8.3%に修正した。この予測では、政府が1カ月程度で感染拡大を収束させることを前提としている。なお、10-12月(第4四半期)成長率は従来予測の5.8%から8.5%へと引き上げた。コロナ感染抑止策が解除されるほか、向こう数カ月に地方債の発行加速や預金準備率の追加引き下げなど金融・財政政策による支援が実施され、景気はリバウンドすると見込む。
中国の成長率を巡っては、野村ホールディングスも今月に入り下方修正していた。
7月半ばに州北部で発生した「ディキシーファイア」は東京都の面積に匹敵する2000平方キロメートル近くに達し、同州の山火事としては過去2番目の規模となった。今年は深刻な干ばつも重なり、過去最悪とされる2020年を上回る山火事被害に見舞われるとの観測が強まっている。
19年に経営破綻した州北部の電力・ガス大手PG&Eはディキシーファイアについて同社の設備が火元である可能性があるとしている。同社の裁判を扱う米連邦地裁の判事は出火時の状況などについて16日までに詳細を報告するよう同社に命じた。
●市況
日経先物(大証)27900、ダウ先34987、債先152.09、米1.322、独▲0.4580、仏▲0.127、西0.235、伊0.554、原油66.89、ドル円110.31、墨ペソ20.07、トルコリラ8.6420、墨CDS95
※8/10 8時40分頃
備忘録(8/6-8)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
6日単日の新規感染者数は25万人。同日の死者数も約1170人と急増した。7日移動平均は10万人を超え、2月以来の高水準に達した。感染力が強いインド型(デルタ型)の拡大が止まらない。医療現場の逼迫や経済活動への影響が懸念されている。地域別ではフロリダ州やルイジアナ州など南部での感染拡大が目立つ。フロリダ州のコロナ入院患者数は2020年夏のピーク時に匹敵する。
全日本空輸(ANA)のお盆期間の国内線の予約人数は2019年比6割減、前年比4割増
2030年までに米国販売に占める電動車を5割に引き上げる大統領令に署名した。電気自動車(EV)振興への決意を表明したかたちだが、ガソリン車の全廃を宣言した欧州との差は大きい。22年の中間選挙に向け、米自動車メーカーや労働組合への配慮が透ける。
●その他産業
●決算関連
4-6の最終利益は前年同期比+288%。欧米など一部で感染に落ち着きがみられ、行動制限緩和でエネルギー需要が回復した。アミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は「市場環境の変化に迅速かつ効果的に適応することができた」と述べた。消費国の脱炭素への取り組みが加速していることを念頭に「持続可能性の強化と低炭素燃料などの戦略的事業を進めていく」と強調した。
4-6は7%増益。株高傾向が続いた21年4~6月期は、投資利益として214億ドルを計上したことが寄与。事業部門は、米経済活動の再開が追い風となり営業利益は21%増益の66億ドルを計上。鉄道部門の営業利益は28%増の22億ドルとなった。小売商品の貨物輸送が増えたほか、建材や農産物の輸送も好調だった。
株主からは手元資金の活用を求められている。バークシャーの現金・同等物は6月末時点で1440億ドル。3月末(1454億ドル)に比べてやや減ったが、依然として高水準だ。もっとも、買収価格の高騰に加え、バイデン米政権が大企業による寡占を厳しく審査する方針を打ち出したことは逆風となっている。
余剰資金は投資よりも株主還元に向かった。4~6月期の自社株買い実施額は60億ドルとなった。もっとも直近ピークの20年10~12月期(89億ドル)に比べて少なく、手元資金の高止まりにつながっている。配当は実施していない。
日本企業の2022年3月期の純利益は前期比35%増となる見通しだ。自動車や鉄鋼など製造業の回復が目立つ。期初予想からの上方修正額は1兆円を超え、増益率も高まっている。足元では世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大もみられ、原材料高や半導体不足などの懸念材料も出てきている。
6日までに2021年4~6月期決算を開示した企業のうち、7割の最終損益が前年同期より改善した。新型コロナウイルス禍が和らぎ経済活動が活発になった海外を中心とした需要拡大で、製造業の復調ぶりが際立つ。ただ足元のコロナ感染者の再拡大など先行きには懸念も残る。
住友金属鉱山は6日、4~9の純利益が前年同期比4.5倍の780億円、三菱マテリアル22/3の純利益が前期比52%増の370億円を見込むと発表。三井金属とDOWAホールディングスも22年3月期の業績見通しを上方修正。要因としては、銅やニッケルの価格が大きく上昇、電気銅の生産や自動車部品に使う伸銅品が堅調に推移、(三井金属)世界シェアが約9割の半導体パッケージ基板向け極薄銅箔の販売増などが挙げられている。
銅は指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格が5月に10年ぶりに最高値を更新。足元でも前年の同時期と比べ約5割高い1トン9500ドル程度で推移している。
国際エネルギー機関(IEA)は、EV関連の銅の世界需要が40年に20年の11倍になると試算する。電動車はガソリン車の3倍程度の銅を使用するとされる。SMBC日興証券の山口敦氏は「EVや再生エネルギー普及に向けた電線需要などへの期待がある」と話す。
鉄道やホテルが苦戦し、営業損益は24億円の赤字(同109億円の赤字)だったが、不動産売却益で最終黒字となった。
化学大手6社の2021年4~6月期連結決算が6日までに出そろった。純利益は6社とも増加し、合計額は2920億円とそれまで最高だった18年4~6月期の合計額を2割上回った。米国や中国の景気回復を支えに石油化学製品の需要が高まり、自動車や住宅向け部材などの販売が伸びた。石油製品の市況好転も利益を押し上げた。
大手ゼネコン4社の2021年4~6月期の連結決算が6日出そろい、いずれも最終減益だった。4社の連結純利益の合計は前年同期比41%減と大きく落ち込んだ。利益が計上されやすい竣工間際の大型案件が少なく、受注獲得競争の激化で採算性も低下した。足元の受注高は回復しているが、収益につながるのは先になりそうだ。
NTTドコモの営業利益が減少した一方、KDDIとソフトバンクは増益を確保した。通期では非通信事業の支えなどで3社とも増益を見込むが、さらなる値下げが懸念されるなか、実現には不透明感も残る。
本体の輸送人員は1年前より19%回復したものの、新型コロナウイルスが流行する前の19年4~6月期より2割低い水準にとどまった。「交通事業」の売り上げについて、22年3月期は20年3月期の8割ほどに回復すると見込んでいたが「想定より回復のペースはゆるやか」(同社)とみている。
オフィス向けの物件を売却したほか沿線外でマンション販売が増えたことで運輸業やレジャー・サービス業の赤字を補った。
京阪電気鉄道の4~6月の旅客収入は87億円と19年同期と比べ35%減
運輸収入はコロナ前の7割の水準にとどまっている。
1-6の売上高は前年同期比29.4%減の3204億元。スマホなど消費者向け事業が47.0%減の1357億元だった。米政府による20年9月からの輸出規制の強化で半導体などの調達が厳しく制限され、スマホの生産に支障が出た。20年11月に低価格スマホブランド「オナー」を売却したことも響いた。ファーウェイのスマホの世界出荷台数のシェアは20年1~6月期に2割に迫り韓国サムスン電子に次ぐ2位だったが、21年1~6月期は5位圏外に転落した。
基地局など通信会社向けは1369億元と14.2%減った。主力の中国市場で「通信会社による(インフラ投資などの)ビジネスの調整があり、1~6月期に売上高を計上しなかった」という。クラウドサービスなど法人向けは18.2%増の429億元だった。売上高純利益率は9.8%と、前年同期の9.2%から上昇した。
●マクロ・その他
2021年7月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比19.3%増の2826億ドル(約31兆円)だった。増加率は6月の32%から大幅に落ち込んだ。マスクなど新型コロナウイルス関連の需要がしぼんできたほか、パソコンや家具など耐久消費財の伸びも鈍った。
輸入は28.1%増の2260億ドルだった。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は565億ドルで、6%減った。2カ月ぶりに前年同月を下回った。新型コロナがまん延する前の19年7月と比べると、輸出入はいずれも28%上回った。
2021年7月末の外貨準備が前月末より219億ドル多い3兆2359億ドル(約356兆円)だったと発表した。2カ月ぶりに増加した。主要国の金融資産が値上がりしたほか、ドルが主要通貨に対して小幅に下落したため、ドル建ての評価額が上がった。
9月末を期限としていた返済猶予措置を2022年1月末まで延長すると発表した。今後の消費下振れリスクの軽減につながるとの指摘がある。
教育長官は「何百万人もの米国人が学生ローンに煩わされることなく、家族や健康、お金の工面に集中できる」と述べたうえで「最後の延長だ」と強調した。
ニューヨーク連邦準備銀行の統計によると、21年4~6月期の米国の学生ローン残高(平均)は1兆5700億ドル(約170兆円)だった。コロナ禍に入ってからは頭打ちだが、19年4~6月期と比べると6%増えた。学費の高騰を背景にコロナ前までは右肩上がりで増えてきた。
6月の消費者信用残高は4兆3186億ドル(前月比年率換算+10.6%)、増加額は+376億ドルと市場予測(240億ドル程度)を大幅に上回った。
6月はクレジットカードなどの「リボルビング払い」ローンが22.0%増え、1998年4月以来約23年ぶりの大きな伸びとなった。新型コロナウイルス危機後の経済再開で、個人消費は力強く回復している。商務省が発表した6月の小売売上高は前月比0.6%増で、特に衣料品店や飲食店が好調だった。巣ごもりしていた消費者が外出や旅行を再開し、これに伴いローン需要も増えた。自動車ローンや教育ローンなどの「非リボルビング払い」ローンは7.2%増で、堅調さを維持したが、伸び率は前月(10.1%)から鈍化した。
第一生命、豪生保を730億円でオーストラリア金融大手ウエストパックグループの生命保険事業(同国業界6位)を買収する方針を固めた。買収額は約9億豪ドルとなる見込みだ。伸び悩む国内の生保事業を補い、人口増加で市場の成長が見込めるオーストラリアで収益基盤を固める。
米労働省が6日発表した7月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は94万3000人増えた。市場予測(85万人程度)を超え、上方修正された前月(93万8000人)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和の縮小開始に向けて雇用の回復が前に進んだ。
インドは足元で物価上昇が目立つが、新型コロナウイルス拡大に伴う経済減速への警戒感から、金融政策姿勢は「緩和的」を維持した。
インドは2021年に入って新型コロナの感染第2波に見舞われ、5月には1日あたりの新規感染者数が一時40万人を超えた。足元では4万人程度で推移しているが、ダス総裁は「一部地域で感染が増加しており、第3波の可能性に警戒が必要だ」と述べた。21年度(21年4月~22年3月)の実質国内総生産(GDP)成長率は9.5%と、6月に下方修正した見通しを維持した。
2021年上期(1~6月)の発注数は半期ベースで過去2番目に多い水準となった。運賃高騰による収益改善が海運各社の投資を後押ししている。一方で船が完成して市場に投入される23~24年にかけては市況が低迷するリスクがある。船の建造価格も上昇しており、海運の収益環境はなお波乱含みだ。
非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比94万3000人増、失業率は5.4%に低下-前月5.9%、労働参加率は61.7%にわずかに上昇。27週間以上職に就いていない長期失業者は56万人減と、過去最大の減少を示した。
ブラックロックのシニアポートフォリオマネジャー、ジェフリー・ローゼンバーグ氏はブルームバーグテレビジョンで、「全てのメトリックスにおいて、非常に強い統計だ」と発言。「失望するような内容はほとんどない」と述べた。
経済活動の再開を受け、特に娯楽・ホスピタリティー業界で労働需要が年初から急増している。一方、雇用者数はコロナ禍前の水準をなお570万人下回っており、新型コロナのデルタ変異株感染拡大が雇用増にとってリスクとなっている。
「TikTok(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)は、中国当局がテクノロジー企業に対する締め付けを強化する中でも株式上場計画を復活させ、来年の早い時期までの香港上場を目指している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
複数の関係者によれば、JPモルガンのロンドン在勤トレーダーらは数週間前から、アドラ-債をショートにしている。ショートポジションの規模は不明だという。
アドラ-債は今週、ショートの影響で過去最安値を付けた。売り持ちの戦略はJPモルガンとしてのアドラ-に対する見方を反映せず、投資銀行部門の他のデスクが用いる戦略と矛盾する可能性もあると関係者らは述べた。
JPモルガンはこの4年間に複数回のアドラ-債売り出しに関わり、合計45億ユーロ(約5800億円)の資金調達を助けている。最近では4月に社債発行のグローバルコーディネーターを務めた。
●市況
日経先物(大証)27880、ダウ先35099、債先152.17、米1.305、独▲0.4535、仏▲0.118、西0.242、伊0.565、原油67.89、ドル円110.24、墨ペソ20.04、トルコリラ8.6311、墨CDS95
※8/6 NY引け値
備忘録(8/5)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
8月全体の運航率(2021年度当初計画比)は70%と前回発表(7月29日)から1ポイント低下する。9月1日~15日は3784便を減らし、運航率は70%で8月から横ばいとなる見通し。
インドのソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS)企業マインドティクルは、ソフトバンクグループが主導した資金調達ラウンドで企業価値評価が12億ドル(約1320億円)となり、ユニコーン(企業価値10億ドル以上の未公開企業)の仲間入りをした。
インド西部プネーと米サンフランシスコを本拠とするマインドティクルは、人工知能(AI)を駆使して売り上げと製品知識、競合他社の認識を向上させる販売ツールを提供する。ユーザー企業は自社のコンテンツとデータに基づいてマインドティクルのテンプレートをカスタマイズしたり、顧客フィードバックを分析し組み込んだりすることができる。
●その他産業
30年に新車販売の半分を電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)とする目標を設定する大統領令を出す見込み。バイデン政権はまた、中・大型トラックを含む車両の温室効果ガス削減基準や燃費規制にも取り組む方針を明らかにする。
フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスは共同声明を発表し、新計画は「今日の米国市場からの大転換となる。バイデン政権が約束する電化政策をタイムリーかつ完全に実施する場合にのみ、実現できる」との認識を示した。
2020年に米国で販売された乗用車のうちEVはわずか2%だった。
米中対立で中国・華為技術(ファーウェイ)の通信機器を排除する動きも、新技術の通信インフラへの導入を後押ししている。
米バイオ医薬企業のビビディオン・セラピューティクスを買収すると発表した。買収額は最大で20億㌦(約2200億円)。
ビビディオンは治療が難しかった病気にも有効な新薬開発を強みとする。バイエルのヴェルナー・バウマン社長は「ビビディオンの技術と専門知識は、我々の医薬品の開発能力を高める」とコメントした。
スウェーデンの自動運転車テクノロジー企業ヴィオニアに対し、46億ドル(約5040億円)規模の買収案を提示した。ヴィオニアを巡っては、既にカナダの自動車部品メーカー、マグナ・インターナショナルが買収で合意しており、クアルコムが対抗案を提示した格好だ。
同社のヴィオニアへの提示額は1株当たり37ドルと、マグナの提案を18%上回る。クアルコム株主の承認は必要なく、支払いは現金で行うとしている。
3月の当初計画で計640億円とされた融資の総額は873億円に膨らむ。一方で金融機関への借入金返済を300億円積み増し、返済総額も1183億円に増やす。この結果、財務収支は314億円の赤字と、3月時点の247億円の赤字から悪化する。
新規借り入れ300億円のうち、150億円はすでに7月に実施した。残りの150億円の調達は来年1月に予定している。期限前返済は562億円に上るが、ほぼ同額を借り換える。複数の取引銀行幹部によると、保有不動産の担保提供を条件に期限前の貸し出しを長期貸出に切り替える要請が来ている。
また、21年度は営業収支が2億円の赤字などとなっている。
●決算関連
4-6の最終赤字は7億5600万ユーロと前年同期から半減した。また、新型コロナウイルスの感染拡大以降で初めて調整後のフリーキャッシュフローが黒字化(3億4000万)した。売上高は19年4~6月期比66%少ない水準だった。
21年12月期通期の業績予想については、調整後EBITの赤字が20年12月期より改善するとの見通しを据え置いた。年後半も観光を中心に需要回復は続くとみている。就航する都市の数は新型コロナ前の84%まで戻した。9月までにほぼ全ての都市に就航する予定だ。
工場のデジタル化の需要が引き続き強いほか、インフラ関連の受注も増えている。
「スマートインフラストラクチャー」部門の通期の売上高は8~9%増える見込み。従来予想は5~7%増だった。工場の自動化システムなどの「デジタルインダストリーズ」部門の売上高見通しも引き上げた。
2021年1~6月期の連結決算は、営業損益が230億円の黒字(前年同期は34億円の赤字)だった。同期として2期ぶりの黒字になる。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ化粧品の販売が中国など海外で伸びた。事業売却や店舗閉鎖などの構造改革を急ぎ、利益率の高い高価格帯の商品に集中して稼ぐ力を高める。
新型コロナウイルス禍で延期されていた病院での検査や治療が本格的に再開し、内視鏡や治療機器の販売が回復する。
オンライン決算会見で武田睦史最高財務責任者(CFO)は「症例数や医療機関の設備投資の回復に加え、内視鏡などの製品競争力も高まっている」と説明した。
足元は自動車や電機向けの回復で、主力の加古川製鉄所(兵庫県加古川市)はフル稼働の状態が続く。年間の鋼材販売量も5月発表の見通しから10万トン増え、550万トンに拡大する見込みだ。
鉄鉱石など原料の価格上昇に伴う在庫評価益の拡大も追い風となる。アルミ押し出し品や銅板の販売が好調な素形材事業が収益を押し上げる。
屋外レジャーが人気となり北米などで二輪の販売が拡大した。
●マクロ・その他
斜陽産業(デジタルカメラ、A3レーザー複写機・複合機)でトップシェアを有する一方、新型コロナウイルス対応で重要な医療関連やデジタルトランスフォーメーション(DX)など成長分野では米国と中国に出遅れる。
金融緩和策の縮小に将来着手する際の出口戦略を表明した。金融引き締めの主要な手段は、柔軟に動かすことができ経済への影響が明確な政策金利だとした。量的緩和策として買い入れた資産の残高縮小については「政策金利が0.5%に引き上げられた時点で始めるつもりだ」と説明した。
市場への悪影響を抑えるため、資産残高の圧縮は満期を迎えた債券の償還金の再投資を止めることから始める。事務方の試算では英国債は22~23年に約700億ポンド分、24~25年に約1300億ポンド分がそれぞれ償還となる見込みだ。金融政策委員会は残高の圧縮に着手する環境について従来、政策金利が「1.5%程度」の時点としていた。環境の変化を踏まえて0.5%に下げ、より早期の量的緩和縮小が可能になった。
金融正常化への条件がさらに整えば市場での債券売却にも踏み込む。売却の開始は政策金利が「少なくとも1%に達したとき」だとした。残高の縮小にあたっては経済や市場環境を注視し、市場関係者が予見可能な方法で緩やかに進める構え。ベイリー氏は「必要になれば削減プロセスの修正や巻き戻しもありうる」と強調した。
主要な製品・サービスの市場シェアを調べたところ、中国企業が3割超のシェアを占めた品目は液晶パネルや電池部材など15に上った。米政権が先端製品の自国生産強化を打ち出すなどしているが、中国に頼らない供給網構築の難しさが浮き彫りになった。
ベネズエラの都市部ではカードや振り込みなどのデジタル決済が浸透しており、紙幣はあまり流通していない。Bsの代わりにドルが使われる場面も多く、デノミに伴う混乱は限定的とみられる。
●市況
日経先物(大証)27820、ダウ先34912、債先152.42、米1.225、独▲0.5045、仏▲0.164、西0.197、伊0.532、原油69.08、ドル円109.78、墨ペソ19.93、トルコリラ8.5273、墨CDS96
※8/6 8時10分頃
備忘録(8/4)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
ザイマージェンの株価は一時77%安となり、26億ドル(約2850億円)余りの時価総額が消失した。同社は今年の売上高がゼロ、来年も売り上げがあるとしても「わずか」になる公算が大きいと明らかにし、ホフマンCEOが3日辞任した。
●その他産業
今年の秋以降に米アップルからのiPhone(アイフォーン)の供給が影響を受ける可能性に懸念を表明した。4-6月期(第1四半期)のスマートフォン関連収益は、料金値下げの影響を受け減益だった。
ホンダと日産自動車は4日、中国での7月の新車販売台数を発表した。ホンダが20.9%減、日産は20.8%減。両社ともに前年同月実績を2割下回り、3カ月連続でマイナスになった。半導体不足で生産に影響が出ているほか、日産は河南省の工場が水害の影響で一時稼働停止したことも響いた。一方でトヨタ自動車は2.8%増と2カ月ぶりにプラスとなった。
仏電子機器大手タレスから鉄道信号事業を買収すると発表した。買収金額は16億6000万ユーロ(約2150億円)としているが、さらに詰める。タレスの信号事業はデジタル関連技術に強みを持ち、日立は移動をサービスとして提供する「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」事業を強化する。
●決算関連
4~6月期で6年ぶりの最高益。多目的スポーツ車(SUV)をテコに主要市場でシェアを伸ばし、米国では四半期単位で初の首位となった。だが販売店では新車在庫が減り、感染力の強いインド型(デルタ型)の流行や半導体不足のリスクも高まる。
2022年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比97%増の900億円になる見通しだと発表した。従来予想を100億円上方修正し、増益幅が拡大する。米国や中国経済の回復を背景に車部材や家電向け樹脂が好調で、新型コロナウイルスまん延前の利益水準を上回る。
営業利益が前年同期比1%増の2830億円だった。今春から割安な料金ブランドを始め、データ通信の大容量プランでも値下げを実施したことが約100億円の減益要因となったが、法人事業の好調などで吸収した。
主力の「電子事業」は新型コロナウイルスが流行してテレワークやオンライン教育が普及、パソコン向け電子部品の供給が好調だったことで51%増収と全体を牽引。
2022年3月期の連結純利益について従来予想を140億円上方修正した。米製薬大手ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)からの抗がん剤候補に関する契約一時金などの計上額が想定より増える。年間配当は160円に据え置いた。
鉄鉱石や銅などの資源高を背景に、同日発表した伊藤忠商事や住友商事など5社が四半期ベースで最高益となった。通期予想に対する純利益の進捗率は3~5割に達し上振れ余地が高まっている。一方で「資源祭り」は瞬間風速的な面が強い。各社は16年3月期にかけて資源価格の急落で赤字が相次いだ苦い経験があり、中期的では安定した収益を稼ぐ非資源分野の動向が焦点になる。ただし、非資源分野も景気低迷の影響は受ける。住友商の塩見勝CFOは「航空関連は乗客回復が鈍い。航空会社の経営破綻もあり、航空機リースや航空機関連部品の回復にしばらく時間がかかる」とみる。それでも強みを発揮できれば安定した利益創出は可能だ。
要因は3社のコンテナ船部門を統合して発足した共同出資会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」の採算の急改善だ。
従来、コンテナ船の運賃は6月末には軟化するとの予想が多かったが、足元でもなお上昇が続いている。上海航運交易所によると、7月末の上海発米東海岸向け運賃が40フィートコンテナ1個1万67ドル(約110万円)となり、データがある09年以来初めて1万ドルの大台を突破した。
新型コロナの感染拡大に伴う巣ごもり消費の拡大で、米国を中心に荷動きが急増。米調査会社のデカルト・データマインによると、21年1~6月のアジア発米国向けコンテナ輸送量は前年同期比4割増え、過去最高となった。
今後の業績の焦点となるのは運賃下落のタイミングだ。現時点では「中国の国慶節の大型連休で生産活動が停止する10月から軟化する」(商船三井の日野岳穣常務)との見方が強い。ただ日本郵船の丸山執行役員は4日、業績予想の前提は保守的にみており「結果的に数カ月後、上方修正する可能性はある」と話した。
新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていた治療が再開し、心臓や脳の血管の治療に使うカテーテル(医療用細管)などが伸びる。
米国や中国の経済回復で、樹脂などの自動車向け部材や電子部品、スマホ向けのフィルムの販売が伸びる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んでいた事務機販売が回復。オフィスサービス分野では、中小企業向けデジタルトランスフォーメーション(DX)支援が好調だった。半導体などの部品供給の逼迫や海上輸送費の高騰が26億円の減益要因となったが、構造改革による固定費削減の効果もあり営業黒字化した。
連結営業利益予想(従来9300億円)を9800億円に上方修正した。ストリーミングサービスの増収により音楽分野の営業益予想(従来1620億円)を1900億円に修正したほか、エレクトロニクス分野の営業益予想(同1480億円)もテレビやデジタルカメラの販売増などが寄与し1700億円に引き上げた。
今期(2022年3月期)の業績見通しを据え置いた。第1四半期(4-6月期)の営業利益は前年同期比約72倍の9975億円と市場予想を大幅に上回ったが、発表後に同社の株価は下落に転じた。通期の業績については、第2四半期以降の不透明さを考慮して従来見通しを据え置いたとしている。
アナリストからは、トヨタの決算について「上方修正しなかったことにみんな失望していることは確か」と指摘する声や、通期業績予想の据え置きは保守的なトヨタらしい姿勢で「失望するべきではない」コロナ感染拡大、半導体不足や原材料価格によほどの不測の事態が生じない限り、第2四半期以降に「上方修正の可能性が濃厚」との見方も。
ウーバーテクノロジーズとリフトの売上高はともに前年同期の2倍以上に増え、最終損益も改善した。需要の急回復により運転手不足が深刻になり、対応が急務になっている。
「ニューヨークやロンドン、パリにおける7月の利用総額は19年より3割以上多い水準となり、特にモビリティーは完全復活と言える状況だ」(ウーバーCEO)「6月は空港での利用が1月の2倍以上、1年前のほぼ4倍に増えた」(リフトCEO)
ただし、ライドシェアは需給により運賃が変わる仕組みを導入しており、足元では大幅に上昇している。ある証券アナリストは「料金高騰や待ち時間の長期化などサービス低下が客離れにつながる」と懸念する。
4-6ではマリオットとヒルトンが黒字転換、ハイアットも赤字幅を縮小させるなど業績は改善。新型コロナウイルスのワクチン接種が進みレジャー目的の宿泊が急増した。各社とも21年後半にかけて業績の回復基調が続くと見るが、インド型(デルタ型)の感染拡大で先行きには不透明感も増している。
業績回復をけん引したのは米国市場だ。ワクチン接種の広がりによるコロナ感染急減が夏季の旅行シーズンと重なり、コロナ禍でたまったストレスを晴らしたり家族や友人と再会したりする「リベンジ旅行」が活発になった。リゾートホテルなどを中心に客室価格も上昇した。
目下の課題は人手不足だ。各社は20年にコロナ流行下で大規模な人員絞り込みを進めた。一時解雇された従業員には既に別の業種に転職した人も多いとされ、ヒルトンのナセッタ最高経営責任者(CEO)は「労働力不足は業界全体にとって最大の課題だ」と危機感を募らせる。マリオットは雇用契約時のボーナス提示や求人イベントの開催、賃上げなどの対応を進めているとした。
米国のレジャー宿泊の好調さが目を引く一方、コロナ前の水準と比べると回復は道半ばだ。19年4~6月期と比べた「1部屋あたりの売上高」は4〜5割減となっている。また、欧州やアジアでは回復の遅れが見られている。
今後の鍵を握るのはビジネス需要だが、デルタ株の拡大が逆風・不透明感をもたらしている
●マクロ・その他
ADP雇用統計の非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月から33万人増にとどまった。前月の改定値(68万人)から鈍化し、2月以来5カ月ぶりの低水準で、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(65万3000人程度)を大きく下回った。
「レジャー・ホスピタリティー」が13万9000人増え、5カ月連続で雇用増が最大の分野となったが、前月(33万2000人)から伸びは鈍化した。ADPのエコノミストは「採用のボトルネック(目詰まり)によって抑制されているが、こうした障害がなくなるにつれ、今後は強い雇用増が見込まれる」との見方を示した。
タイガー・グローバルは他の米国のヘッジファンドに比べ中国へのエクスポージャーが大きい。3月31日時点で、中国企業の米国預託証券86億ドル(約9400億円)相当を保有していたほか、中国のプライベートエクイティー(PE、未公開株)にも投資している。
3月末時点の最大保有銘柄は電子商取引のJDドットコム(京東)だったが、同銘柄は7月に11%下落した。同業のアリババグループは14%、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は28%急落した。タイガーは4月以降にポジションを変更した可能性もある。
中銀は声明で「物価上昇率は好ましくない状況が示されている」と指摘し、インフレを収束させるためには金融政策による働きかけが必要だと強調。9月に予定されている次回会合でも「同規模の調整を予測している」とした。過去3回の会合の利上げ幅は0.75%だったが、今回拡大した。
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、6月の消費者物価指数は年率8.35%上昇と、高水準で推移している。通貨安で輸入物価が高止まりしていることに加え、世界的な食品価格の上昇や天候不順が影響している。
直近2週間で市中感染者数は7月中旬までの半年間の合計を超え、約30都市に拡大した。感染力の強いインド型(デルタ型)の変異ウイルスが原因だ。観光地が相次ぎ封鎖となり、ホンダの合弁工場が停止するなど経済にも影響が出始めた。
トレーダーは次に標的となるセクターの手掛かりを探ろうと、習氏の過去の演説を調べ始めた。鍵を握る習氏の演説の一節を捉えたスクリーンショットが広まっているという。それには習氏が「節度を欠く」オンラインコンテンツや教育格差などを非難している内容があった。
アナリストは「投資家やアナリストは共産党の演説を聞き流す傾向にあった。なぜなら通常は非常に理解し難いからだ」と述べた上で、「しかしその大半は完全に読解可能なものであり、今の段階では、習氏は大抵は有言実行するということを理解すべきだ」と指摘。
力強い成長が続いた場合、クラリダ氏は金融当局が債券購入のテーパリング開始について年内に発表することを支持すると述べた。また、「フェデラルファンド(FF)金利の目標レンジ引き上げに必要な条件は、2022年の終わりまでに達成されているだろう」と語った。
経済見通しについては「現在行われている金融・財政政策は、年内に見込まれる力強い経済活動拡大を支援し続けるだろう。ただ新型コロナウイルスワクチンを接種していない人がなお相当数おり、そうした人たちの間でデルタ変異株の感染が急速に拡大している状況は、明らかに見通しに下方向のリスクとなっている」と語った。
このところ物価を押し上げている需給の不均衡については、時間とともに改善するとしたほか、インフレ期待は今後も抑制されると予想。その上で、「私自身のインフレ見通しへのリスクは上方向だ」とも述べた。
英政府はフランスからの渡航者について、ワクチン接種完了を条件にイングランドへの入国時に10日間の隔離義務を免除する。制限を緩和し、他の大部分の欧州諸国からの渡航者と同じ扱いにする。
またドイツを含む欧州6カ国をリスクの最も低い「グリーンリスト」に追加し、これらの国からの渡航者はワクチン接種を完了したかどうかにかわらず隔離義務がなくなる。全ての変更は英国時間8日午前4時(日本時間同正午)に発効する。
今回の制限緩和はブリティッシュ・エアウェイズやヴァージン・アトランティック航空、格安航空会社のイージージェット、UAEのエミレーツ航空、カタール航空など航空各社にとって追い風となる。
●市況
日経先物(大証)27640、ダウ先34715、債先152.47、米1.190、独▲0.5015、仏▲0.154、西0.225、伊0.558、原油68.17、ドル円109.53、墨ペソ19.98、トルコリラ8.4798、墨CDS95
※8/5 9時5分頃
備忘録(8/2)
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
出張費は22年10~12月でも19年の80%までしか戻らない。同社は「法人出張はコロナ前の水準には戻らず、それがニューノーマルになる」とみている。
出張再開後のコスト抑制策として最も回答が多かったのが「出張頻度を減らす」(68%)だった。企業ではオンライン会議システムなどの導入が進んだ。大規模な展示会なども「実地とオンライン開催のハイブリッド化が加速していくだろう」(デロイト)とみる。
遺伝情報物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」技術を持つ米トランスレート・バイオを32億ドル(3500億円)で買収すると発表した。今月末に公開買い付けを始める予定で、7~9月期中に買収手続きを完了する。
両社は従来から感染症の研究で協力してきた。2020年6月にはサノフィがトランスレート・バイオへの資金支援を発表し、見返りとして技術供与を受ける権利を得た。
出遅れていた自社のワクチン開発を急ぐほか、希少疾患など他の分野でもmRNAの研究を進める。
スイスのロシュ・ホールディングの株式50億ドル相当をひそかに取得したことが、事情に詳しい複数の関係者の話から明らかになった。
ソフトバンクグループはバイオテクノロジーとヘルスケアの分野に一段と注力している。これまでにパシフィック・バイオサイエンシズ・オブ・カリフォルニアやアブセレラ・バイオロジクス、サナ・バイオテクノロジーに投資した。
ソフトバンクグループはロシュの米ジェネンテック部門が大きく過小評価されていると考えている。同部門はデータに基づく創薬と開発に注力している。関係者はいずれも情報の非公開を理由に匿名を条件に話した。
ロシュの売り上げは最近、新型コロナウイルスの抗体検査試薬の事業で押し上げられている。ロシュ・ダイアグノスティックス部門は、コロナのパンデミック(世界的大流行)にいち早く対応したが、医薬品部門は従来のがん治療薬がより厳しい競争に直面している。
米石油サービス大手シュルンベルジェと提携し、2030年をめどに石炭から水素を製造する事業を本格的に始めると発表した。石炭に酸素と熱を加えて蒸し焼きにすることで水素などの燃料ガスを生成する。年間4万トン以上の水素を生産する計画で、製造時に発生した二酸化炭素(CO2)は分離・回収した上で地下貯留する。世界的な脱炭素の動きから主力の石炭火力発電に対する逆風が吹く中、水素製造に活路を見いだしたい考えだ。
●その他産業
国家市場監督管理総局は半導体価格の注視を続け、半導体のため込みや価格操作、談合を通じた価格つり上げに関わったと判明した業者は処分すると表明。具体的な企業名は挙げなかった。
半導体開発企業のギガデバイス・セミコンダクター(北京兆易創新科技)、無錫新潔能、杭州立昴微電子が上海市場でストップ安となる10%下落。自動車市場と関連の深い中国外のアジア半導体株の一角も売られた。
●決算関連
4-6は34%増収/11%営業減益。当局の規制強化を受けて4月に同社のネット通販に出店する企業への支援を拡大すると公表。出店時の保証金を減らし、販売時に必要な保険料や物流などに関連する費用も減免していた。こうした対応が収益を圧迫した。ネット通販のテコ入れに向けた投資拡大も響いた。
アリババは21年4~6月期だけで、傘下の金融会社アント・グループから持ち分法投資利益として44億元を計上した。規制圧力はアントの事業にも及んでおり、アリババの張勇(ダニエル・チャン)会長兼最高経営責任者は3日「規制がどの程度影響するか調査している」と語った。
同社は自社株買い戻しプログラムを1.5倍の150億ドル(約1兆6400億円)規模に拡大する方針も示した。
連結純利益が過去最高の1900億円(前期比22%増)と従来予想から130億円上方修正した。新型コロナウイルス感染が広がり、換気できる機能のついた家庭用エアコン機種の販売が伸びるほか、米国などでの旺盛な住宅着工も寄与する。回復の鈍い業務用空調を補う。
4−6は16%最終増益。3月にLINEと経営統合し、スマートフォン決済「PayPay(ペイペイ)」やLINEのグループ販促費が膨らんだが、広告事業の拡大や、巣ごもり需要で電子商取引(EC)が伸びたことで補った。
4-6は25%増収/73%最終増益。北米での旺盛な住宅着工に伴う建機やトラクター出荷増などがけん引し、海外売上高が34%増えた。
通期は16%増収/42%最終増益に上方修正。タイでは天候や農産物価格が安定しており、トラクターやコンバインなどの農機販売が伸びる。北米は生産工場で新型コロナウイルスの感染拡大による人手不足で生産や出荷が遅れる懸念があるが、増収を確保する。為替相場が想定より円安方向で推移していることも利益を押し上げる。
通期最終利益は3700億円を見込む。19年3月期の実績を上回り、12年の旧新日本製鉄と旧住友金属工業の合併後で最高だ。本業のもうけを示す事業利益も5.5倍の6000億円に増え、開示を始めた19年3月期以降で最も多くなる。
背景には鋼材需要の回復に伴う価格の上昇がある。1~6月の世界の粗鋼生産は前年同期比14%増えた。日鉄も粗鋼生産は今期に約4600万トンと前期に比べて2割増える。需給の逼迫で汎用鋼材の指標となる熱延コイルの足元の価格は米国で前年比3倍強、アジアでは8割高で推移している。
家電や造船など国内の大口顧客向け製品の長期契約でも、自動車向け以外で一部値上げした。21年7~9月期から本格的に業績に反映される。
コスト削減も寄与する。9月めどで実施する瀬戸内製鉄所呉地区などの高炉休止を柱とする合理化で固定費などが減り、損益分岐点が大きく下がる。
米国やインドの合弁会社の収益が伸びる。海外グループ会社が稼ぐ利益は従来予想比で700億円増える。
今後のカギは、現在交渉中の国内自動車大手向けの鋼材価格の引き上げだ。
中長期的には脱炭素の動きにも注目が集まる。日鉄は50年までに二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指している。脱炭素の切り札となる「水素製鉄」などの実現には研究開発で5000億円、設備投資に4兆~5兆円かかると試算する。政府にも支援を求める方針だが、長期的な投資負担は重い。
4-6は43%増収/4,769MMユーロの最終黒字(前年同期:▲230MMユーロ)。自動車販売台数は欧州で75%増、米州で83%増と前年同期から大幅増となった。販売増に加え、製品ラインアップの簡素化などの効果が出て、黒字転換を果たした。
もっとも、CFOからは「半導体供給のボトルネックが長引くにつれ、状況は不安定になっている。21年6月以降はさらなる生産の混乱と販売への影響が予想される」と懸念も示された。
日本航空やANAホールディングス(HD)の2021年4~6月期業績は最終赤字が続く。また欧州勢も回復が遅れている。一方、デルタ航空やアメリカン航空など米航空大手が最終黒字に転換した。新型コロナウイルス禍後の世界の航空業界で米航空会社が優位に立つ可能性がある。
米国勢をけん引したのは国内線だ。国際航空運送協会(IATA)によると、6月の国内線旅客規模は米国でコロナ前の19年6月に比べ85%まで回復したが、
しかも米国勢は国内線の占める割合が大きく、デルタやアメリカンはコロナ前の19年12月期で旅客収入の7割を国内線が占めた。同じくコロナ前でANAHDとJALの国内線は旅客収入の半分程度だ。
1-6は半導体不足で利幅の大きい車種を優先的に生産したことや、値引きが減ったことが貢献した。稼ぎ頭の北米の営業利益率は16.1%に達した。前年同期に赤字だった南米や高級車部門のマセラティも営業黒字に転換した。
調整後の売上高営業利益率について従来予想(5.5~7.5%)から10%に上方修正。市場回復と半導体不足が重なり需給が締まった結果、利幅が拡大した。
石油のBPは5%超上げた。2021年4~6月期に増益となり、増配と自社株買い戻しの計画を発表したことが好感された。同業のロイヤル・ダッチ・シェルも上昇した。21年1~6月期の増益を発表した鉱業のフレスニージョも買われた。医療関連部門の売却で合意した自動車・航空部品のスミス・グループは10%下落した。
●マクロ・その他
消費量は世界の経済発展を反映し、銅は世界の景気を読む「ドクターカッパー」とも呼ばれるようになった。
英調査会社CRUの古森義人東アジア地域ディレクターは「EV1台あたりの銅使用量は約80キログラムでエンジン車の約4倍にのぼる」と指摘する。そのうえで「ハイブリッド車や充電設備も含めたEV関連の銅需要は、2020年の約30万トンから40年に400万トン以上に増加する見通しだ」と話す。
供給にはリスクもある。新しく発見される銅鉱山は多くが山岳部などで、開発投資のコストが上がっている。銅の国際価格は今年5月に一時、1トン1万ドルを超え史上最高値をつけた。長期的な需要増に供給の伸びが追いつかなければ、今後も価格は高止まりするとの見方もある。
デルタ株の感染拡大を受け、感染防止のために自主隔離できる住居が必要と判断、7月末で失効した家賃滞納者に対する立ち退き猶予措置を10月3日まで2カ月間延長すると発表。
猶予対象は感染拡大が著しい地域に限定したが、米メディアによると90%の借り手が対象になるという。
米国で約650万世帯、1500万人が家賃を滞納している。また、米国勢調査局による最新の調査では全米で360万人が家賃を払えず今後2カ月以内に立ち退きを迫られる可能性がある。
米政府は借り手や家主向けに46億ドル(約5000億円)の家賃支援枠を設けている。ただ支給が遅れており、6月末までの支給分は30億ドルだったという。家賃が回収できず家主が資金繰りに苦しめば、家主向け住宅ローンの延滞も膨らむ可能性がある。
FTCは「今年は大量の申請に見舞われており、法律上の締め切りに間に合うように調査するのが難しくなっている」と審査が遅れる可能性があると注意喚起した。
1~7月の審査申請件数は約2070件と前年同期の2.5倍に増えた。
ボウマン理事「最近の雇用ペースは好調なものの、雇用の規模は過去の水準を依然として大きく下回っている」「一部の人々が労働力として再び戻ってくるのには時間がかかるかもしれない」
ウォラー理事「(テーパリングの開始決定について)今後2回分の雇用統計がどうなるかによる」「前回6月分と同じように好調なら必要な進展があったといえるだろう」
「ウッドショック」の起点となった米国で先物相場が一段と下落し、5月の最高値の3分の1に落ち込んだ。住宅着工が遅れた影響のほか、需要家が高値を嫌気したため。一方、最高値の頃に契約した木材が日本に輸入されるのはこれからで、国内価格は上昇が続く。
7月に決めた量的緩和の縮小についても、9月上旬以降に実施する方針を維持した。
中銀は7月、9月上旬以降に国債と州債の購入額を現行の週50億豪ドル(約4000億円)から同40億豪ドルに減額し、少なくとも11月半ばまで購入を続けると決めていた。
同国にとって2度目となる外債発行に踏み切り、投資家から6億2000万ドル(約670億円)を調達した。債券市場における最近の良好な条件を利用するアフリカ諸国が相次いでおり、ルワンダはその最新事例となる。
債券発行を仕切った銀行家によると、新規の10年債発行には16億ドル以上の応募があった。
国営新華社通信系の国営紙・経済参考報はゲームを「精神的アヘン」「電子薬物」だと批判し、テンセントはその後、12歳未満の子供に対する全面的なゲーム禁止に踏み切る可能性を示した。
今回の厳しいゲーム批判などで、電子商取引や配車、オンライン教育産業を締め付けてきた中国政府がオンラインエンターテインメントを次の標的にするとの懸念が広がっている。テンセント・ホールディングス(騰訊)株が一時11%近く急落。ゲーム事業を手掛けるネットイース(網易)やXDの株価も急落。東京市場でもネクソンが6.5%安で取引を終了。一時は下げが10%を超えていた。
数時間後に記事へのオンラインリンクが説明もなく削除されたが、印刷版には当該記事が残っている。
DZTリサーチのシンガポール在勤アナリスト、ケ・ヤン氏は「精神的アヘンという言葉の選択が特に辛辣(しんらつ)で、規制当局がこれに関して何もしないとすれば驚きだ」と述べた。
食料品とエネルギーの値上がりが響いた。エルドアン大統領が望む夏季の利下げは実現の可能性が低下した。
返済負担率(DTI)上限を年内に導入することなどを今後検討すると明らかにした。これまでの規制強化では高リスク融資が十分に減っておらず、住宅が値下がりした場合に一部の買い手がネガティブ・エクイティ状態に陥る恐れがあるとも指摘した。
NZでは不動産価格が年初から6月末までに30%上昇しており、政策当局者は対応に苦慮している。
●市況
日経先物(大証)27520、ダウ先34942、債先152.50、米1.176、独▲0.4865、仏▲0.138、西0.228、伊0.565、原油70.31、ドル円108.95、墨ペソ19.87、トルコリラ8.3546、墨CDS97
※8/4 9時20分頃
備忘録(8/2)
●雑感
●雑感
●SBG、航空防衛宇宙、ヘルスケア、ESG
1-3月の純損失は6億5200万ドル(約712億円)となった。前年同期の純損失は7億7100万ドル。売上高は2億1600万ドルと、前年同期のわずか100万ドルから大きく伸びたが、米証券取引委員会(SEC)の指示で消費者に支払われたインセンティブを除外し国際会計基準に合わせたため、売上高の数字は大きく下方修正された。
インドで保険のオンラインプラットフォームを展開するポリシーバザールは、新規株式公開(IPO)を申請した。IPO規模は最大601億8000万ルピー(約890億円)となる可能性がある。
インドのオンライン教育スタートアップ企業、アンアカデミーは2日、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス主導の資金調達ラウンドで同社の評価額が34億4000万ドル(約3770億円)に達したと発表。
産業用動力制御システムメーカーの米パーカー・ハネフィンは、航空防衛向けエンジニアリングの英メギットを現金63億ポンド(約9600億円)で買収することで同社と合意した。今回の買収は、パーカー・ハネフィンにとって過去最大規模となる。持ち直しつつある航空宇宙業界での事業を強化する。
メギットを手に入れることで、パーカー・ハネフィンの航空宇宙システム部門の規模はほぼ2倍になると、同社は発表文で説明した。航空業界での同社の競争力が高まることになる。航空機需要が回復する中、同業界は史上最悪の低迷局面から抜け出しつつある。
21年1~6月の発行額は4270億ドルと前年同期の2倍に達しており、今後も高水準の発行が続くとみられる。
●その他産業
●決算関連
4-6は純利益が前年同期比3.7倍。世界的な金融緩和で市場金利が下がったため、アジアを中心に資金利益は減少し、純金利収入は10%減。純手数料収入は全ての地域で伸び、資産運用ビジネスがけん引して全体では13%増の66億7400万ドルだった。また、貸倒引当金は英国の銀行部門を中心に7億1900万ドル取り崩し、増益に貢献。
国内建築用ガラスの値上げなどでガラス事業の採算が改善する。建材に使う塩化ビニール樹脂の需給が一時的に引き締まった効果も大きい。
4-6は最終損益が126億円の黒字(前年同期:579億円の赤字)となった。主因は、国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発負担の縮小で、4~6月期だけでも費用負担の減少などで700億円近い増益要因となった。また、世界的な自動車販売の回復に伴い、エンジンに組み込む過給器や空調など自動車部品の販売が伸びた。自動車部品を主とする「自動車・物流事業」の損益は前年同期から127億円改善し、101億円の黒字となった。
もっとも、米ボーイングのジェット旅客機向け主翼や胴体など航空機部品の需要低迷は長期化している。4~6月期の航空機関連の売上高はコロナ前を約6割下回ったままだ。売上高がコロナ前に戻る時期を三菱重工は「24年3月期以降」とみる。
主力の「エナジー事業」は世界的な脱炭素シフトで石炭火力のタービンなどの受注が急減する。事業売上高の約3割は石炭火力関連で今後、減収影響は避けられない。
海外の競合と比べ、収益の回復力は劣っている。シーメンスの21年度の売上高純利益率は9%に達する見通しだ。米ゼネラル・エレクトリック(GE)も3%台を確保し、いずれも三菱重工(2%)を上回る。
連結純利益が前年同期比2.8倍の793億円になったと発表した。従来予想を198億円上回った。新型コロナウイルス禍でビールなどの売れ行きは不振だったが、工場跡地の売却益が利益を押し上げた。新型コロナウイルス禍に伴うイタリアの法人減税で税負担も減った。
●マクロ・その他
ロシアは7月、1カ月がかりのドル売却作戦を完了した。政府系ファンド「国民福祉基金」で35%を占めていた米ドルをゼロにし、中国・人民元とユーロをそれぞれ15%から30%、35%から40%に増やした。
中国も外貨準備のドル依存を20年間で8割から6割に下げ、米制裁に直面するイラン産原油の輸入を「2020年4月にほぼ人民元建てにした」(中国共産党関係者)。
問題は米国自身にある。コロナ禍で財政赤字は史上最悪の3兆ドル、経常収支の赤字は12年ぶりの高水準に達した。足元のインフレは5%に届いた。ベトナム戦争で財政が悪化し、欧州や日本の躍進で貿易不振に陥った50年前と相似する。中国の台頭も不安に拍車をかける。半世紀前に力を強めた西独マルクは欧州統一通貨ユーロとなり、外貨準備で2割を占めるようになった。ロゴフ氏は「中国がいずれ変動相場制に移行すればアジアは人民元を軸にまとまる」とみる。
1931年、オーストリアの銀行破綻後、当時の基軸通貨国・英国は危機の波及を防ぐ力がなく、世界一の経済大国だった米国は責任を負う意思がなかった。「覇権の不在」が経済収縮やブロック化を招き第2次大戦につながる。経済学者キンドルバーガーが記す教訓だ。
特にアップルにとって、中国はiPhoneなど大半の製品を作る生産地であるとともに、重要な消費地でもある。「我々の機械学習プラットフォームに参加する中華圏の開発者は440万人を超え、2年間で76%増えた」。葛は続けざまに、中国のAIに対する貢献をアピールした。
米トランプ前政権が訴えた貿易不均衡を機に深まった米中対立。バイデン現政権に移ると経済だけでなく政治体制や人権侵害などに対立軸が広がった。そのはざまで揺れる米企業は、いや応なしに「自国政府との協調」か「自社の成長」かの踏み絵を迫られる。
米企業は今のところ、後者を選ぶしかないのが実情だ。「3分の2を超える会員企業が、中国を優先市場とみなしている」。ある会員企業幹部は「高い成長の持続には、コロナの影響が小さい中国しかない」と明かす。
分断に動く自国政府に反し、米企業は中国との関係強化に動く。AI大会のホスト役は上海市トップの李強。国家主席の習近平(シー・ジンピン)の側近で、将来の最高指導部入りも噂される。それだけに、米企業は大会への参加で李に秋波を送った。
ISM製造業総合景況指数は59.5(前月60.5)。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は61。
生産の指数が低下した一方、受注残が小幅に上昇。供給や輸送を巡る問題が製造業の伸びを抑制したことを示唆する。
発表文で、「企業と供給業者は引き続き、需要の拡大に応えるのに苦慮している」と指摘。「原材料のリードタイム(発注から納品までにかかる時間)が過去最長に近いことや、必須基本材料の不足が続いていること、商品価格の高騰、さらに製品輸送面の問題が、全セグメントに影響を及ぼした」と分析した。
米財務省の四半期定例入札でこれまで大きく膨らんできた中長期債の規模は、数カ月後の四半期入札では約5年ぶりに縮小する。ウォール街のディーラーがこうした見方を示している。縮小の規模は非常に大きく、今後見込まれる米金融当局による債券購入縮小による影響を相殺して余りあるものになる可能性が高いという。
財務省が一部の連邦職員退職・厚生基金について新たな資金拠出を停止すると説明。過去にも財務長官が債務上限を巡り同様の措置を講じた前例があると指摘した。
米議会が債務上限引き上げか再度の停止に向け行動を起こさない限り、米政府は10月にもデフォルトに向かう危険がある。財務省は上限突破を回避するため、最初の特例措置として7月30日に州・地方政府向け特別国債(SLGS)発行を停止した。
●市況
日経先物(大証)27560、ダウ先34830、債先152.44、米1.187、独▲0.4795、仏▲0.133、西0.231、伊0.574、原油71.56、ドル円109.31、墨ペソ19.89、トルコリラ8.3546、墨CDS97
※8/3 10時20分頃